鳥銃士カステル

登録日:2014/05/06 Tue 11:53:00
更新日:2025/05/04 Sun 13:59:40
所要時間:約 5 分で読めます




《鳥銃士カステル》とは遊戯王オフィシャルカードゲームに登場したXモンスター

第9期最初のパック「ザ・デュエリスト・アドベント」で登場した。


鳥銃士カステル
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/風属性/鳥獣族/攻2000/守1500
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除き、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。
(2):このカードのX素材を2つ取り除き、このカード以外のフィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主のデッキに戻す。


【概要】

Xモンスターのランク4、これは激戦区中の激戦区と言われている。
ただでさえ他のレベル帯以上に並びやすく構築の幅も広い。
アニメ遊戯王ZEXALにおいてもかなりのキャラクターがランク4軸を中心に据えて戦っていた。

特に第8期7番目のパックである「LEGACY OF THE VALIANT」で登場した《No.101 S・H・Ark Knight》と《励輝士 ヴェルズビュート》の上げた汎用ランク4のハードルは非常に高く、
これらのカードの登場により、《交響魔人マエストローク》など、今まで一戦級だったカードすら、
カテゴリのシナジーを活かすなどの独自の運用を強いられることになってしまった。

逆に言えば、こいつらの隙間を埋めるカードこそ重要と言う差別化点こそが汎用ランク4の生き残る道にもなった。
次のパックである「PRIMAL ORIGIN」では対処が難しい墓地除外の《No.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク》や
甲虫装機」「炎星」絶対殺すマンと化した《No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ》など
隙間産業のようなカードが続々と登場した。

更に遊戯王ARC-Vに時代が進み、第9期に突入。
最初のパックである「ザ・デュエリスト・アドベント」の内容はP召喚軸のアニメプッシュなのではないかと言われたが
実際のところは【シャドール】や【テラナイト】や【竜星】の様な新規テーマの他、【電池メン】【光天使】などの既存のテーマ強化。
そして本題の《鳥銃士カステル》の様な汎用枠の純粋な超強化であった。


では前置きが長くなったが本題の《鳥銃士カステル》の話に移ろう。
まず種族・属性・ステータスについて。

風属性鳥獣族というかなりオーソドックスな組み合わせのカード。
【ハーピィ・レディ】等とは完全にかみ合う他【BF】【RR【ガスタ】などとも《ゴッドバードアタック》を共有できる点で相性が良い。

珍しい汎用ランク4で鳥獣族なので《召喚僧サモンプリースト》や《フォトン・スラッシャー》などを噛ませても召喚できる点で
縛りのある《零鳥獣シルフィーネ》や《電光千鳥》より使いやすい場面も多かったりする。

攻撃力は2000はやや頼りなく、下級モンスターには負けない程度。
守備力もちょっと頼りない数値であるが、リクルーターなどに戦闘破壊されないくらいはある。


そして肝心の効果概要について。

(1)は「X素材を1つ取り除くことで、モンスター1体を裏側守備表示に変更する」効果。
これだけを狙うなら破壊耐性を持ち素材指定が全く同じの《交響魔人マエストローク》でも充分なことも多い。

また、《鳥銃士カステル》は攻撃力が《交響魔人マエストローク》より高いとはいえ、高攻撃力対策なら《No.101 S・H・Ark Knight》で吸った方が確実。

一応、《No.101 S・H・Ark Knight》と違ってX素材を一つしか使わず、通常召喚されたモンスターにも対応し、自分のモンスターも裏側守備表示にすることができるので《交響魔人マエストローク》とも差別化できている。

(2)は「X素材を2つ取り除き、表側表示のカード1枚をデッキバウンス」する効果。

威力を考えればこの効果が本命。
《No.101 S・H・Ark Knight》ではランクアップするまで全く対処が出来なかった表側守備表示のモンスターに対しても問題なく除去可能。

また、モンスター以外のカードを対象にとれるのも強力。
デッキバウンスなので、墓地利用と比べると再利用されにくい。
そんなカードがどんなデッキでもランク4さえ出せるなら決められる。

こんな(2)の効果により《No.101 S・H・Ark Knight》《励輝士 ヴェルズビュート》の上げたハードルを軽々と超えた高性能エクシーズとして認知されるようになった。

まず特に守備表示のモンスターをも狩れると言う点が非常に大きい。
魔王龍 ベエルゼ》など守備表示で出てきやすく、なおかつうっとうしいモンスターもこいつの前には無力。

「デッキに戻す」仕様上、《暗黒界の龍神グラファ》などの過労死系のモンスターの再利用すら許さないと言う点で大きいアドバンテージを得られる。
実質2000のダイレクトを決めれる場面も多いのでフィニッシャーに最適と言えるだろう。

また「フィールドで表側のカード」を対象に出来るのでフィールド魔法に頼るデッキにも絶大な効果を発揮する。
【Sin墓守】なんかは完全にカモ、デッキバウンスの的として巻き込まれてしまいかねない。
厄介な耐性を持つ《トゥーン・キングダム》も構わずデッキに送り返す。

《安全地帯》の方を戻せる関係上、《安全地帯》+《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》などの布陣を崩せる優秀なカードでもある。

……ん?効果使った後はただのバニラエクシーズ?だったらRUM使えば良いだろう!!


とまあ、非常に優秀な除去能力のおかげで多くのランク4の居場所を奪ってしまった

とは言えデッキバウンスはEXデッキに戻してしまうと再利用されかねず、第二の効果は1発屋。
そもそもこいつは耐性が無いので相手の妨害札に弱い弱点も目立つカードなので


と、いくつか存在する似た役割のカードとプレイヤーの癖や嗜好に合わせて使い分けるカードが新たに生まれたとみるべきだろう。
大変!スカイ・ペガサスが息してないの!


登場した当初からランク4デッキを中心に活躍してた《鳥銃士カステル》だが、
新マスタールールの導入に伴うEXデッキからの召喚制限によりやや使いづらくなった。
EXモンスターゾーンを埋めてしまうと後続を出せなくなってしまうので、出すタイミングに気を付ける必要がある。
まあ、素材を消費してしまえばバニラ同然なのでL召喚などの素材にしてしまえば問題はない。

とか言ってたらルール改正で、ペンデュラム以外はEXモンスターゾーンに関わらず召喚できるようになった為再び彼の活躍が見られる!とおもいきや…



エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2100/守1800
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが「エクソシスター」モンスターを素材としてX召喚に成功した場合に発動できる。
このターン、お互いに墓地のカードの効果を発動できない。
(2):このカードは墓地から特殊召喚されたモンスターが発動した効果では破壊されない。
(3):このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

なんとバウンス効果をX素材1つでこなしてしまい、更に攻撃力も守備力も高い、おまけに可愛い汎用ランク4カードが登場してしまった。
特に素材1つというのがミソで、厄介な高攻撃力モンスターをバウンスしてダイレクトアタックした後《天霆號アーゼウス》になっても効果が使える。
オマケにちょっとした耐性まで持っている。 そしてエクソシスターを素材にした場合は破格の効果まで得られるのである。
更にレアリティはノーマル、挙げ句何の因果か《鳥銃士カステル》も同じパックに同じノーマルで再録されてしまった。手に入りやすさでの差別化は難しいだろう。

とはいえ彼女は月の書効果が使えない、相手モンスターしか戻せない(ただし《鳥銃士カステル》にはできない裏側守備モンスターのバウンスはできる)。
《ゴッドバードアタック》のコストに使えない、戻すのがデッキではなく手札…等、いくつかの差別点はある。
とはいえ、あえて《鳥銃士カステル》を採用するのはデッキバウンスの方が刺さるモンスターのメタもしくはコンボ狙いとなるだろうか。

ちなみに遊戯王マスターデュエルでのレアリティは《鳥銃士カステル》はUR。だがアソフィールはR
KONAMI的には《鳥銃士カステル》の方が評価が高いらしいが、現実は厳しい。
しかしこれも時代の流れなだけであり決して《鳥銃士カステル》が弱いわけではない
もしかしたらなにかの拍子に返り咲く可能性も十分に存在するので単純な比較は難しい。これは遊戯王OCGに永遠について回る議題と言えるだろう。

なおマスターデュエルのイベント「アトリビュート4」では光、闇属性モンスター全てが禁止である都合上そのアソフィールや他の汎用ランク4エクシーズがほとんど出禁の為、ようやく彼も久しぶりに日の目を見ることとなった。高すぎるレアリティはどうにもならないが。



【余談】

実は、《幻銃士》以来となる「銃士」カードの1枚である。
だからどうしたと言われると凄く返答に困るが、《幻銃士》のバーン効果に影響することはあるかもしれない。

アニメ遊戯王ARC-Vではエクシーズ次元のモブが使用。銃口からはクラッカーのようなものを発射していた。

OCGでの強さから、なんで《鳥銃士カステル》がいたのに侵略されたんだ?
……などと思った視聴者もいたとか。



【関連カード】

超念銃士ヴァロン
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/闇属性/サイキック族/攻2500/守2200
レベル5モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、このカードのX素材を1つ取り除き、
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、フィールドの裏側表示カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

「DUELIST ADVANCE」で登場した新たな「銃士」モンスター。ランク5・闇属性・サイキック族と一見すると《鳥銃士カステル》とは関係なさそうに見えるが、
実は《鳥銃士カステル》と同じく名前が「三銃士」から取られており、主人公ダルタニャンの本名「シャルル・ド・バツ=カステルモール」から取られた《鳥銃士カステル》に対してこちらは三銃士が1人のポルトスの家名「デュ・ヴァロン」から取られている。実はこの人と元ネタが同じでもある。

素材を取り除いて発動する効果からバウンスは消えたものの、裏守備にする効果がフリーチェーンとなったので相手ターンの妨害としても使える様になっている。単なる攻撃妨害だけでなく、S召喚やX召喚、L召喚の素材にする事も封じられるのが便利。
更に自身が墓地に送られたら裏側のカードを破壊する効果を持っているため、返しのターンにL召喚の素材にしつつ裏守備にしたカードを破壊するなんて動きもできる。地味に何処から墓地に行っても発動するため、《月女神の鏃》などでEXデッキらか直接落としたり、重ねてX召喚した後でX素材から取り除かれたりしても発動する。更にモンスターだけでなくセットされた魔法・罠も破壊できるため割と小回りが効く様になっている。

その代わり、ランクが5と《鳥銃士カステル》よりデッキを選ぶランクとなっているため汎用性はやや劣る。





お願い、死なないでスカイ・ペガサス!
あんたが今ここでカステルに枠を取られて倒れたら、マッハやバリアンの面白き盾との約束はどうなっちゃうの?
エクストラ枠はまだ1枚残ってる、ここで耐えれば、カステルに勝てるんだから!

次回「スカイ・ペガサス、(カステルにより)死す」。
追記・修正スタンバイ!


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最終更新:2025年05月04日 13:59