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イヤミカート(おそ松さん)

登録日:2016/02/25 Thu 02:10:25
更新日:2026/05/15 Fri 20:19:53
所要時間:約 17 分で読めます






「ミーの復活劇、チミたちも見たいザンしょ? シェ――――――ッ!!!」



「イヤミカート」は、TVアニメ『おそ松さん』の18話Bパート「逆襲のイヤミ」で開催されたカーレースイベント。



WARNING!!
ここからはネタバレを含む記事になります。
閲覧の際にはご注意ください。



【開催の経緯】

『おそ松さん』といえば、最早知らない人のほうが少ないであろう。
出だしからぶっ飛ばしすぎたこのアニメはあっという間に視聴者の心を鷲づかみにし、アニメ界でも希有な人気を獲得するに至った。
グッズ展開など各メディアでも話題騒然。勢いを落とさぬまま2シーズン目の開始が決定され、もはや『おそ松さん』の名を見聞きしない日は少ないほどの社会現象を巻き起こしている。

だが、この現状に不満を爆発させている人物がいた。

「ミーはこのアニメに不満があるザンス! かつてのおそ松くんといえばミーが主役!」

かつて持ちギャグ「シェー!」で一世を風靡した『おそ松くん』のメインキャラクター、イヤミである。

イヤミは個性を持ちはじめた六つ子たちが主役の『おそ松さん』の人気を腹に据えかねていた。
『おそ松さん』がはじまってからというもの、イヤミはすっかり脇役に追いやられ、前回に至っては全く出番なし。

こんなはずではなかった。昭和の頃には大人も子供も著名な有名人、果てには怪獣王までイヤミのシェーを真似をした。彼は『おそ松くん』の主役だった。

イヤミは『おそ松さん』の六つ子たちを主役の座から引き摺り下ろし、嘗ての名誉を取り戻そうと立ち上がったのであった。



【出場者】

かくして開催されることとなったレース「イヤミカート」。
ルールは単純明快。「人気・性格・性癖・学歴・離婚歴これ関係無し。勝てば即座に来週から主役」
勝てば主役になれるというとんでもない優勝賞品をぶら下げたこのカーレーシングに
普段のメンバーや嘗てのゲストキャラ、モブキャラたちまでもが続々と集結。
自慢のカートに乗り込んでそれぞれの想いを抱き、主役の座を目指すこととなった。
以下、レースの大筋を出場者・搭乗車と共に解説していく。

イヤミ

   「ミーが主役ザンス!」
昭和を生きた人間なら誰もが知っている自称おフランス帰りにして、今回の主役。
モノクロ時代からどこか姑息な男だが、今回はガチで主役を狙っている。
搭乗マシンは陸上対人殺戮戦闘車両 イヤミ・ジ・エンド。外見も性能も完全に兵器そのもので、そのうえ音速で走ることが出来る。
というかそもそも、イヤミカートというのに、イヤミ本人はカートですらないのはどういうことなのか?
そしてガチで主役を狙いに行ってるとは言ったが、正直「レースで勝つ」にはむしろあまりにも不利なような…。

これにより、ライバルたちを残らず吹き飛ばして堂々の一位を獲得しようとしていた。
しかし、本気をだしたおじさんたちが発進前のカートに細工をしていたようで、スタートラインを切る前に爆散。リタイアした。
……が、もちろんイヤミの活躍は出オチではなかった。
車を爆破されたイヤミは黒こげになりながらも手に怪しげなスイッチを握り、不適に笑いながら、その足でライバル達を追っていく。

松野おそ松

   「ここまで番組を引っ張ってきたの誰だと思ってんの~?」
松野家の長男にして比類なき(?)バカ。*1これでもこのアニメの主人公。
搭乗マシンはスタンダードなゴーカート型のおそカート。名前から察すると遅そうだし駆動方式もたぶんRRなので操作もしづらそうで不利な戦いを強いられそうだが……
今回は主役の座を狙われ、彼にとっては文字通りタイトル防衛戦ということになる。
もちろんタイトルを他に譲る気など微塵もなく、手始めにチビ太の排除を決行。
弟達を呼び集め、嘗ての『おそ松くん』時代のように兄弟でチビ太を潰しにかかるが……
「お前だよバカ野郎、一番の敵はァ!」
「フッ……これでクソ政権にピリオド★」
「お疲れっした……」
「バイバ~イ♪ おそ松兄さん~♪」
「一番速いのは僕――――!」
弟たちはおそ松の主役続投に協力する気などなかった
あえなく裏切りに遭ったおそ松はお粗末にもジェノサイドされマシンを大破されてしまう。
(なお、チビ太はチョロ松たちに追い抜かれたものの、事なきを得た)
マシンを失ったおそ松はその後も次々と後続車に轢かれ、最期はイヤミの仕掛けた爆弾によって死にました

松野カラ松

   「主役か……いいだろう、引き受けた!」
自分に酔いしれる次男。
搭乗マシンは痛いというより異常なバスタブ型のカートカラ松 AGOGO
安全性もへったくれもなさそうなマシンその1。
こんな無茶なレイアウトにシャシーが耐えられるようおそらく4WDだとは思うが…。

人を陥れようという黒い腹の内は無いが、普段どおりナルシストぶり全開で主役争奪戦にもノリノリで挑む。
主役になる事で酷い扱いを止めさせる事を目的としており、自分が主演になった際のアニメカラ松 OF LOVE 回り出した恋の歯車のプランニングもばっちり整えていた。
見たかった、と思った貴方は立派なカラ松Girls or Boys
しかし、大きな問題が片付いた途端に一松のツッコミで葬り去られた。

松野チョロ松

   「おっほっほ~~~↑↑↑ 超絶かわいいよトト子ぉぉぉぉ!!!」
   「俺もう主役やってもいいかなぁ!? 今まですげぇ喋ったし!」
松野家ツッコミ役の三男。
搭乗マシンはチョロシコスキーその名前でいいのか!? カート全体にトト子をあしらっており、カラ松とは違う本当の意味での痛車。
ただ車体はペイント以外は無難なフォルムかつたぶん駆動方式も前後の重量バランスが良さそうなFRと思われるので、コッテコテの痛車な見た目と裏腹に万人向けの使いやすさはありそう。狂人のフリをした常識人ポジション。*2

これまでの苦労を振り返り、その報いに主役になりたいと願っている。主役を勝ち取った暁にはトト子と結婚する気だったようだ。
ところが、トト子は主役欲しさに我を忘れて暴走し六つ子を襲撃。
チョロ松はとっさにF6に姿を変えて和解を求めたが、イケメンバージョンに耐性をつけたトト子には効果がなく、脳天を一突きにされてリタイアする。

松野一松

   「あぁ、キッツい……」
ネガティブ闇人形の四男。
搭乗マシンの名称は不明。(字幕が出る前に本人が紹介を拒否したため。途中まで流れた字幕によればドテラねこ~というマシン名であったと思われる)
コタツそのまんまの形をしており、前方に大きなネコが顔を出している。
そのためネコをエンジン兼駆動輪とするならFFだと思われるが、たぶんとんでもないフロントヘビーでクセだらけでは済まされない操作性になりそう。

イヤミカートに参加してはいるが、はじめから主役になる気はなかった模様。開始直後におそ松とカラ松を排除したものの、チョロ松に対しては協力的だった。
(おそらくジャマな兄を始末した後に、主役はチョロ松に任せるつもりだったのだと思われる)
ところが、チョロ松がリタイアしたことにより事態は一変。「兄3人が死んだ=自動的に自分が1位になる=来週から自分が主人公になる」ということに気がつくと、プレッシャーに耐えられずに逃げ出してしまった。
基本的に消極的な彼だが、劇中ではおそ松・カラ松・トト子(+自分自身)をリタイアさせており、実は主要キャラの撃墜数でいえば首位に近い。
そしてトト子を前に歴史に残る渾身の一撃を繰り出したりもした。

松野十四松

   「一番速いのは僕だよ!」
予測不能回避不能な五男。
搭乗マシンはザ・ブルペン。大好きな野球全開のデザインで、衣装も野球のユニフォーム。
レースの趣旨を全く理解しておらず、純粋に速さを競うカーレースに嬉々として出場した。
見た目から見ると順当なチューンナップさえしてれば使いやすさではチョロ松のチョロシコスキーと双璧をなす感じと思われるので、「純粋に速さを競う」つもりだったのは伊達ではなかったのかもしれない。
チョロシコスキーとの比較点としてはリリーフカーはFFが主流まれに4WDと、アンダーステア気味の挙動が気がかりだが悪路に強めなぶん一長一短といった具合かも?

ところが、途中まではレースに参加していたものの、いつの間にか(恐らく兄弟がトト子の襲撃を受ける直前)レースから……というかアニメの本筋から離脱してしまい、好き勝手に各地を走り回っていた。
前回の「十四松祭り」ではっちゃけたからか、今回はいつもに比べるとやや大人しめ。
結果的に醜い争いに参加しなかったことから、また天使松としての株を稼ぐ結果になった。

松野トド松

   「ただ走ってただけなのに来週から主役? へへ~どうしよ~♪」
あざトッティな末っ子。
搭乗マシンはトッティワゴン。ハーレムなハート型の椅子にPC完備、レーシングカートとしての方向性を間違えている。
…というかトド松本人だけでなく両脇の女の子の命も危ない
安全性もへったくれもなさそうなマシンその2

現主役の長男以外に積極的な攻撃は仕掛けなかったが、自らの手を汚すことなく主役になろうと目論んでいた模様。
チョロ松に取り入ろうと温かい言葉を振りまきながら、彼がピンチになるなりあっさり彼を切り捨てた。
そうしてチョロ松・一松がリタイアした際にはクソな兄弟たちが死んだ & 自分が主役になれることに大喜びしたが、ご存知ファイナル・ダヨーンの急襲を受けて跡形もなく消し飛んだ。

チビ太

   「何人たりともオイラの前は走らせねぇ!」
六つ子とは腐れ縁のおでん屋台店主。イヤミと同じく嘗てのおそ松くんを支えていた主役級キャラだが、イヤミのようにガッつくことなく全うに主役の座を目指す。
搭乗マシンはアイデンティティのおでん屋台を引いた赤提灯てやんでい
レース開催前には「この番組をおでんの料理番組にする!」と張り切っていたが*3、実際には残りの話数を使ってほっぺたの三本線の謎を解こうとしていたことが明らかになった。
持ち前の高いバイタリティで序盤からゴボウ抜きを展開するも、おそ松の目に障り六つ子の襲撃をうける羽目になる。
が、おそ松は兄弟たちの手により粉砕されたため(兄弟五人に抜かれたものの)助かった。
ところがその直後、チョロ松たちの後につけていたためにトト子の攻撃に巻き込まれてしまい、マシンごと吹っ飛ばされて「てやんでぇバーローちくしょう!」の叫びと共に爆発した。
ほかにも、劇中で「てやんッ!」という掛け声とも何ともとれない謎の名言を残した。

弱井トト子

   「なーに当たり前のように自分達の中から主役出そうとしてんのぉ!? 糞ニート童貞シコ好き屑短小カスち×ぽォ!」
このアニメのヒロインにして六つ子たちの憧れ。
最近では専らゲストキャラに可愛い子役を取られており、ツンデレともヤンデレとも違う「暴力と狂気の幼馴染」キャラを確立させつつある。
今回はそれがさらに暴走して最早修羅と化し、主役の座を狙って荒れ狂い、六つ子たち相手にアウトな暴言を吐き散らしながら殲滅にかかるなどヒロインにあるまじき、ダイナミックな顔芸&醜態を晒しまくった。そんなトト子にチョロ松は激惚れ。
搭乗マシンはデビルシャーク。魚型投擲武器を無尽蔵に放出し、鮫の顎はチビ太をマシンごと投げ飛ばし、カジキマグロ型の槍でチョロ松の頭を一突きにするなど機体の戦闘能力はずば抜けて高い。
さらにイケメンなF6に飽きてきたようで、F6に変身したチョロ松にも釣られなかったが、同じくF6化した一松のフルチンを見て絶頂、鼻血を噴出してリタイアした。

ダヨーン & デカパン

   「茶番は終わりだ、クソガキども」
   「死に晒せえ!」
平成アニメではすっかりホモダチコンビとなった二人。
搭乗マシンは。外見はあえて省略するが、文字通りツッコミどころしかないのは確か。
うわべは和やかにレースに参加と宣言するが、その裏では虎視眈々と主役の座を狙っている。
序盤からイヤミの車に細工を仕掛けるなど暗躍し、六つ子が全滅した頃にはすっかり本性を露にしていた。語尾に「ダヨーン」も「ホエー」も付けず、デカパンに至っては関西弁で話すなど、「自分のキャラ」という一番大切なものを捨ててしまった。

ハタ坊

   「みんな社員になるジョー!」
今では大企業のトップだが過去作通り素直で純粋な坊や(モノクロ時代から歳はとっているはずだが)
搭乗マシンはスーパーフラッグ。ベースこそ三輪車だが、それはにものを言わせて前衛的過ぎる改造を施した何かである。
出番が欲しいと純粋に頑張っており、さらに隙あれば旗をライバルのケツにぶっさして社員にしようとしている採用に熱心な社長ぶりを見せる。
開始直後からほとんど姿を見せなくなるが……?

松野 松造 & 松野 松代

ニートの六つ子を支える両親もカーレースに出場。
出番は少なかったが、何気に自分の息子を轢いたりして、容赦なく主役を狙っていたようだ。
イヤミの罠「安定の老後」に喜んで飛びつくシーンはどこか悲しい…。

アイダ & サチコ

かつてのトッティのバイト仲間。ほとんどモブだが、ちゃっかりレースに出場。
スタート前にちょろっと出てきただけ。

橋本にゃー

大人気の地下アイドル。
後期OPに登場していたことから本編での再登場が実しやかに囁かれていたが、満を持して出場。
スタート前の他、今回はよく雑踏に混じっている。
余談だがこの話以降は割と出番が増えた。

ケンタウロス

かつて競馬に不正出場していたケンタウロス。
スタート前に堂々と選手紹介された他、実はおそ松を轢いた後続車の群れや終盤のファイナル・ダヨーンで消滅した選手達に混じっている。

松野実松

不器用でさえないサラリーマン、実松さん。
2016年一発目の単発ネタ担当だが、まさかの再登場。
レギュラーの座を狙っているのか、すきやき鍋のようなマシンに乗り、5人の兄弟と共に出場した。
え? ほかの5人が見えない? そんなはずは……
登場はスタート前の他、後続車の塊の中にいたり、終盤のファイナル・ダヨーンで消されるシーンにも姿が見える。他の兄弟の姿はやっぱり見えない。

以上のように、メインキャラ、モブキャラ問わず一同に集い、互いを潰し合う熾烈なカーレースを展開していく。



【イヤミの秘密兵器】

醜い争いを繰り広げながらも先頭に立ったのはベストフレンド。
ダヨーン&デカパンコンビは『おそ松さん』仕様のブレザーを羽織り、濁った目で後期OP「全力バタンキュー」を歌いながら独走を続けていた。
ところが…

「チ、チミたち!よくもやってくれたザンスね!」

そこに現れたのはイヤミ。自身のマシンはのっけから無くしていたが、ハタ坊を捕らえ、尻にフラッグをブッ刺されながらもスーパーフラッグを奪い取ってレースに復帰したのである。
またしても、ベストフレンドとイヤミとの見苦しい戦いがはじまるかと思いきや……

「優勝……? このレースにゴールする人間なんて一人もいないザンス!」

不吉な宣言と共に、怪しげなスイッチを押すイヤミ。
それは世にも恐ろしいブービートラップ発動のスイッチであった。トラップに釣られて次々と死亡していく選手たち。
しかも、攻撃対象はレースに参加するライバルに留まらない。スイッチを押し続けるイヤミは、既に戦線から外れた一松やカラ松、
さらにアフェリエイトで成功した○○エモンっぽい人や、YOUTUBERみたいな人や、テラスハウスの住民っぽい人など、もはやレースとは関係のない人々までも、次々と爆殺しはじめたのだ。

ここで自らの真意を明かすイヤミ。

「ミーは気づいたザンス……」
「ミーが主役なら……」
「ミーのアニメになるなら……」

「ほかの人間は必要ないと!!」

イヤミははじめからレース優勝を目的としてはいなかった。
彼の本当の狙いは、自分以外のキャラクターを皆殺しにすることで自分が主人公になることだったのだ。

自分以外の人間の大量殺戮を高らかに宣言したイヤミは、とどめとばかりにスイッチを握り締めた。

「六つ子のみなさ~ん♪その他のみなさ~ん♪」

「バイバイ、ザンス~!」

大気圏外から照射される原子分解光線。
光線は各地に散らばるライバル達を一人残らず木っ端微塵にし、地球は枯れ果てた焦土と化していくのであった。





..........................................

「やったザンス――――――!ミーの勝ちザンス――――――!!」

こうして何もかもを滅ぼしてしまったイヤミは、不毛の大地で一人、自分が主役になれると大喜びしていた。

だが、何もなくなった地平線の果てに、あの男が登場する。



「うわー……なんかすげぇことになってるし……」

「トド松!?」

「おそ松だっつの!」



現れたのは我らが長男、おそ松さん! 最序盤に死亡したはずだが、生きていた。さすがは主人公補正である。

おそ松はイヤミから取り上げたスイッチを踏み壊し、このアニメの現主人公として、暴虐なイヤミの凶行に激情する……!














かと思われた。が。

「ナイスッ!!」

「だって、あとはお前さえ殺れば、俺が主役をキープでしょ~?」
「ハハ、みんな倒すの面倒だと思ってたんだ、ちょうどよかった!!」

……これが主人公の発言だろうか。
さすが松野クソブラザーズの長男。この男の中には主人公として最低限の人格や弟を悼む気持ちなどどこにもなかったのである。

かくして、主役争奪戦の生存者2名はどちらもクズという、お先真っ暗な展開へと突入していく。



【勝負の行方】

主役を巡った殴り合いを展開するイヤミとおそ松。
力量差で勝利したのはおそ松だった。イヤミを殴り飛ばし、一人、ゴールへと歩みを進めようとするが……
イヤミの執念はこんなものでは終わらなかった。

「ミーの今日という日にかける執念……見るザンス!」

自ら体を引き裂き、金属の骨格を露にするイヤミ。
イヤミはこの日の切り札として、自らの肉体をロボットに改造していたのだ。

鋼の肉体でおそ松を突き放し、彼のゴールの阻止に走るおそ松に対し伸びる出っ歯マシンガン出っ歯の応酬で反撃。ジェット噴射で空を飛び、股間の蛇口から謎の液体を放出するなど、何でもありの猛攻撃でおそ松を圧倒していく。
……もはや、これはイヤミなのか?

さらに原子分解された者達の粉屑が集まって復活をはじめる。
ボロボロになったおそ松とメカイヤミ、そして蘇った選手達は、まるでゾンビのような様相になりながら、主役になりたい一心でライバルたちに武器を振りかざした。
「ゆ、有名に……チヤホヤされたいっ!」
「この3本線の秘密はッ!?」
「デカパンクラスタが、待ってるダス!!」
「女を抱きたいヨ――――――ン!!」
「モテ…たいっ!」
「あぁ、モテたいっ!!」
「認められたいッ!!!」
「注目されたいぃぃぃ!!!!」
「褒められたぁぁぁい!!!!!」
「もっと出番が欲しいだ…ジョ…」

「おつかれさまでしたー!おつかれさまでーす!おつかれー!」


主役の座を求めて互いを傷つけ殺しあうおそ松たち。積みあがっていく死体の山。それを片付ける十四松。
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図である。
その末に、最後に生き残ったイヤミとおそ松も、ゴールを目前にとうとう力尽きてしまう。そして、そして……!!








































ヒジリサワ↓ショウノスケ↑ダー!!































今までいったいどこにいたのか、セグウェイに乗った聖澤庄之助が登場。燃え尽きた二人を傍目に、颯爽と一位でゴール。
かくして、主役の座をかけたイヤミレースの優勝は聖澤庄之助に決定。
その光景を目の当たりにしたおそ松とイヤミは呆然とし、塵となって消滅したのであった……。


「家宝にすっぺーー! あっはっはっは~~~~!!」

「「シェ―――――…………」」





【今作について】

普段からなにかと逸脱していることで有名な『おそ松さん』だが、今回はまた毛色が違うスペクタクル満載の回となった。
これまでのキャラの総出演に、戦闘シーンではこだわりの作画、劇場版のようなスケールが大きく見ごたえのあるストーリーは大きな反響を呼び、
これまでの総集編ともいえる力作として、『おそ松さん』の歴史に名を刻んだ一話と言える。

また、今回は爆発ネタ・殺戮・分かりやすいシンプルなギャグの数々など、どこか昭和臭が漂う一作に仕上がっており、
最終的にイヤミの主役奪取はかなわなかったが、ある意味で、昭和の『おそ松くん』が蘇ったかのような一幕になった。
ちなみに原作『おそ松くん』には「ぼくらはグランプリレーサー」、及びアニメ第一期の『グランプリ全滅レース』・第2期の「レースはズルして勝つザンス」というレース回があり(この時の賞品はトト子との結婚)、
原作から「出落ちキャラが賞品を頂く」部分、第2期から「イヤミ・チビ太が妨害工作の果て、6つ子や警官隊に大砲を乱射する」部分を参考にしていると思われる。

なお原作『おそ松くん』において、確かに後半の『少年キング』連載編はイヤミが主役状態になっているのだが…、その実態は『いじられキャラ』・『オチ要員』に近く、
今作の「ロボット化」がぬるく見えるほどの肉体変異・改造をよく受けるわ、周囲の人間全てに嫌われたり、最終回では作者に潰され逃げ出すというオチで終わる等、ある意味『おそ松さん』以上に自重していない話が多い。
またカラー版『おそ松くん』でも「悪事の報いを受ける」・「とばっちりで苦しむ」・「ぬか喜びで終わる」等目立っている分ひどい目にあっていた。

ちなみにこの時叶わなかった「主役返り咲き」というイヤミの夢は、後にアニメ第2期の、それも本作と同じ18話において、
原作での単独主役回『イヤミはひとり風の中』がアニメ化(カラー版OVが初アニメ化なのでリメイク作品)されるという形で叶えられた。
但しこの『イヤミはひとり風の中』、ファンからの人気も高い話なのだが「イヤミがあまり報われない」話でもあり、かつ2期18話のアレンジでは原作よりも「シリアス度」がアップしている。
また本作では「他の人間は必要ない」とまで言い切ったイヤミだったが、実際の2期18話では六つ子やチビ太といったレギュラーメンバーからモブに至るまで、全員に見せ場と役割を与える形へと原作からアレンジされている部分も特筆するべき点だろうか。



【小ネタ】

今回は普段にも増して、ストーリーの随所に小ネタがちりばめられている。

  • イヤミレースのナレーションはCV:古川登志夫。その軽快で毒舌溢れるナレーションは故・野沢那智氏の演じる『チキチキマシン猛レース』のナレーションを彷彿とさせる。
    • 余談だが2018年にリメイク版『チキチキマシン猛レース!』がネット配信された際、トト子の中の人がレーサー役・デカパンの中の人がケンケン役に選ばれている。


  • 既に記した通り、今回はイヤミ回であると同時にこれまでのメンバー大集合の豪華オールキャスト出演回だが、十四松の彼女花の精は未登場となった。
    もっとも、ゲストヒロインである彼女たちは十四松やチビ太の美しい思い出であるため、今回の汚い争いに共演しなくてよかったかもしれない。
    メインヒロインェ……
    なお、ドブスはちゃんと登場した。人間爆弾として。

  • レースのルールの条項もなかなかカオス。
    • 以下一部抜粋
    • このルールにいかほどの拘束力があるのかは不明だが、このルールが正しいとすればルール違反を犯している者がいる。
      • 「シェーは一人5回まで」により、イヤミはイヤミ・ジ・エンドの登場から聖澤庄之助のゴールまでの間に5回以上シェーをしているため反則負け
      • 「全裸禁止」により、トト子の襲撃を退けるために全裸になった一松は反則負け、ゴール直前に服がぜんぶ破けたおそ松も反則負け、カラ松に至っては最初から反則負け
      • ただし、ルールの最後にルールは特にありませんと添え書きがあるため、そんなこともないかもしれない。

  • イヤミレースのコースが一瞬だけ紹介されるが、一部、おそ松さんの松のマークの形状になっている場所がある。

  • 出場者のカートはそれぞれなんらかのパロディになっているものが多い。
    • イヤミのカート
      マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場するウォータンク。搭乗部は宇宙戦艦ヤマトに似たデザインになっている。
      • スーパーフラッグを乗っ取った際にハタ坊に施した拘束もマッドマックスの輸血袋のパロデイ。
        16話でもマッドマックスネタをやったばかりだが、まだ引きずっているのか……
        ちなみに、輸血袋ネタの他にもハタ坊は劇中3度もイヤミの手によって粉にされているなど、イヤミはやたらとハタ坊への当たりが厳しい。
        「NGなのはイヤハタだから」というのはこういう事か……
    • おそ松のカート
      マリオカートミニ四駆を足して2で割ったようなデザインになっている。
      • ちなみに「松野クソブラザーズ」が「コウラを投げてスピンさせにくる」あたりもマリオシリーズを意識していると思われる。
    • カラ松のカート
      宮沢りえのバスタブカート。機体名は同局の番組「DRIVE A GO GO」。
    • チョロ松のカート
      カートの後ろに刺さっている10円玉はミニカーチョロQのパロディ。
      実物のチョロQの背部に10円玉を差し込むとウィリー走行する。
    • 十四松のカート
      野球ボール型リリーフカーが実在する。水道橋の野球体育博物館に実物が保存されている。
    • トド松のカート
      機体名の元ネタはおそらくあいのりのラブワゴン
    • チビ太のカート
      「高尾山」のステッカーも眩しいAKIRAバイク
    • ダヨーン&デカパンのカート
      意匠も名前も完全にアウトです。名前のロゴまでレインボー。
    • ハタ坊のカート
      硫黄島星条旗のパロディ。旗だけに。

  • トト子の暴言にピー音が入りまくるシーンがある。上述のキャラ紹介文でも一部掲載しているが、全て紹介すると
    「やい、糞ニート童貞シコ好き屑バカ短小兄弟! なーに当たり前のように自分達の中から主役出そうとしてんのぉ!? 糞ニート童貞シコ好き屑短小カスち×ぽォ!」と言っているようだ。

  • レース中盤のヤシの木が並ぶ崖沿いのコースは、アーケードレーシングゲーム『アウトラン』のパロディと思われる。(ただし、そこまで特徴的な背景というわけではないので、単に似ているだけという可能性もあり)

  • 松野家父母を陥れた「安定の老後」のハリボテの隅に映っているのはアフラックのアヒルっぽい。

  • 『おそ松さん』バージョンのチビ太とトト子は何気に今回が初共演。なのだが、今回トト子は完全に我を失っており、有無を言わさずチビ太を吹っ飛ばしてしまった。

  • 一松が順位を上げた際に提案されたアニメタイトル『一松さん』ポーズやタイトルロゴ的に『一休さん』のパロディ。

  • デカパンが劇中でガトリング砲を用い後続車を攻撃するが、実物のガトリング砲と同様にリールを回し始めた直後は弾が発射されないなど描写が妙にリアルで細かい。
    • といっておきながら、そのガトリング砲自体は例にもれずデカパンのパンツの中から取り出されるわけだが。おそ松さんの世界では何の問題もない。

  • 十四松が野球場へと送っていったリリーフ投手はDeNAベイスターズの山崎康晃選手がモデルと思われる。
    …まさかこの場面が最終回の伏線になるとは、誰が予想できただろうか?
    「いやこれは…あったけど!」

  • 今回まさかの再登場を果たした橋本にゃー。イヤミの原子分解光線を受けたシーンをよく見てみると、一瞬だけスタイルがよくなっている。が、その直後にすぐ作画崩壊。

  • 上記で紹介したモブキャラ以外にも、イヤミをフランスから追い返した大統領や、息子が著しい成長をしたキャッチボール親子爆死したかと思われていたミスターフラッグの秘書と執事なども再登場している。

  • 作中でイヤミがおそ松のことをトド松と間違えるが、実はイヤミは『おそ松くん』の頃からおそ松とトド松をよく間違えていた。

  • 結局、今回のレースの優勝者は聖澤庄之助となったわけだが、続く19話で本当に主人公になった
    しかし、ネタが思い浮かばず『聖澤庄之助さん』は数分で終わってしまう事になる。

  • エンドロール後の提供画面では、聖澤庄之助の目に提供クレジットの文字が被るお約束のネタ。

  • 今回の作画はやたらと気合が入っているが、作画担当にはアクションシーンを得意とする松本憲生氏を筆頭に普段の倍近いメンバーが動員されている。まさにスタッフの本気

  • 今回のエンディング曲担当はチョロ松。ストーリーとは関係ないが、彼特有の早口と童貞らしい残念さがこれまた好評。

  • 終盤のシーンのどこかに赤塚キャラである『もーれつア太郎』のキャラクターであり、平成版おそ松くんにもレギュラーとして登場していた「べし」と「ケムンパス」が登場する。探してみよう。


  • 本作で壮絶なレースの一員だったトト子役の遠藤綾氏は、この後『ミッキーマウスとロードレーサーズ』(テレ東でも第2期終了から3か月後放送開始)にミニーマウス役で出演し、彼氏&定職&女友達持ちで可憐なレーサーとして活躍することになる。
    • 余談だが『ロードレーサーズ』5話では古川氏もパンチート(ディズニーでの持ちキャラ)としてゲスト出演していた。




【余談】


本作の放送より遡ること14年前、テレビ東京系列にて日曜朝に放送されていたキッズアニメ『電光超特急ヒカリアン』の26話「壮絶モー烈カーレース」は、
「メタ発言を連発する主要登場人物達が主役の座を賭けてのカーレースで醜く潰しあう」というあらすじが本作と酷似しており、
更に「おそ松さん」では一松役を担当されている福山潤氏の演じるキャラクターがレース中にチビ太の口癖である「てやんでぇバーローちくしょう!」を口走り、
直後に自滅し脱落するという本作を大きく先取りしたかのようなシーンまで存在した。

こちらはあくまでも児童向けアニメということもあって流石に本作よりかはマイルドだが、
それでも正義サイドの登場人物が次々と登場する新キャラクター達を「ゴキブリ」呼ばわりしたり、実際に各キャラの妄想という形で主役を差し替えたOPのパロディバージョンを流す等、
朝っぱらから非常にどぎついカオスが展開されていた。
(ちなみにこの回の翌週に放送された27話は「美人コンテストでどちらを応援するか」という非常に下らない理由で主要登場人物が二つの勢力に分かれてしまい、不正行為や妨害が徐々にエスカレート。
挙句の果てに『ゴッドファーザー』をパロディした正義の味方同士による本気の殺し合いに発展。ライバルも巨大ロボットを持ち出し、一応中立だった主人公コンビが応戦したせいで最終的には秋葉原が廃墟と化すという、これまたこの本作と嫌な共通点が多いマジキチ回であった。)

更に本作放送の数ヵ月後には、奇しくもかつて『ヒカリアン』が放送されていたテレビ東京系列の日曜朝に放送されているキッズアニメ『デュエル・マスターズVSRF』にて、この話のパロディないしはオマージュしたと思われる回『主役は誰だっ!?エゲツなきデュエマVS感謝祭っ!』が放送された。
その内容は「デュエル・マスターズVSシリーズに登場したほぼ全キャラクターが一同に会し、優勝者には主役となる権利が与えられるレースを行う」というもの。
ただ、小学生向けアニメという事もあってかレース自体は「町内一周障害物レース」となっている。
肝心の内容は
  • 現主人公(ゲス属性持ち)が主役の座を狙われて酷い目にあい、仲間達からも裏切られて一時再起不能になる
  • 顔芸と毒舌が得意な幼馴染のヒドイン(CV.丹下桜)が悪女っぷりをあらわにして主人公を嬲る
  • 再復活した主人公が持ち前のクズ&ゲスっぷりをフルに活かして優勝目前へと迫る
  • …が、最後の最後でノーマークだったキャラクターに優勝を掻っ攫われる
と、悪い部分での共通点が多い。
なお、最大の違いは
  • 最後に優勝を掻っ攫ったのが脇役どころか原作者すら異なる他作品登場人物
  • そして翌週の回では本当に丸々一話を乗っ取られていた
という点である。
また、当たり前ではあるがキッズアニメなので暴力シーンや暴言はそれ程酷くはない。ましてや丹下ボイスピー音入りまくりな暴言など持っての外である。むしろ言って欲しかった、という貴方は間違っていない
ちなみに余談の余談だが、VSとVSRFでは主人公の対戦相手が、VSRでは主人公がシェーをするシーンがあったりする。特に、VSRFでは出っ歯まで再現されている。

『おそ松さん』と『電光超特急ヒカリアン』、『デュエル・マスターズVSRF』の3作における主役争奪レース回、そして全ての元凶といえるOVA『タイムボカン王道復古』を見比べるというのもまた一興だろう。 

【最後に】


繰り返しますが、これは自己責任アニメです、忘れずに。



ミーの大活躍、どんどん追記・修正するザンス!シェ――――――ッ!!!

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最終更新:2026年05月15日 20:19

*1 上には上がいそうなので(?)と付けさせていただいた。

*2 クルマ好きとしては、誘導先のコメント欄にある「3枚目キャラにあてがわれることが多いバランス型FR」としてシルビア(S13型)を思い浮かべるか?

*3 アレンジ次第では意外と幅広く派生を広げられそうだから一定以上の需要もありそうではある。