登録日:2009/06/26 Fri 15:20:36
更新日:2025/03/27 Thu 23:42:05
所要時間:約 57 分で読めます
何でこんな事を……また戦争がしたいのか、アンタ達は!!
人種:
コーディネイター
生年月日:C.E.57年9月1日
年齢:16歳(番組開始時)
性別:男
身長:168cm
体重:55kg
星座:おとめ座
所属:
ミネルバ→プラント国防省直属特務隊FAITH→ヤマト隊
搭乗機:
概要
ザフト軍所属の第2世代コーディネイター。
アナザーガンダム初、そしてガンダムテレビシリーズ初となる
「物語開始時点で既に軍人だった主人公」でもある。
ちなみにガンダムシリーズ全体で見ると、OVA組の
バーニィ、
ウラキ、
シローに次ぐ4人目。
加えてテレビガイド誌『ザテレビジョン』で初めて表紙を飾ったガンダムシリーズのキャラクターでもある。レモンもしっかり持っている。
人物
ザフトのミネルバ隊に所属する赤服の新人パイロット。
元はオーブ連合首長国に住んでいたが、本編(DESTINY)開始の
僅か2年前に戦火に巻き込まれて家族全員が目の前で無惨な死を遂げている。
戦争孤児となった後にプラントに渡り、そこから僅か2年でザフトの赤服を纏うに至っている。
ただし、スクールでは落ちこぼれと評価されていた上に、事ある毎に上官に反抗していた問題児であったのだが、
プラント最高評議会議長である
ギルバート・デュランダルにパイロットとしての遺伝子的才能を見出された結果、
「特例」と言う形でエリートコースへ進む事になり、最新鋭機である
インパルスガンダムの専属パイロットに任命されている。
本来(平時)は素直でお人好しな表裏の無い普通の少年。趣味が「読書」である事からもそれがうかがえる。
『DESTINY』においてもオフの時に友人と散策したりはしていたが、戦争中の軍人ということもあり能動的に遊び歩いたりはしていなかった。
後天的に天涯孤独になってしまったためか、殊更に友人や仲間となる同僚を大事にしている節がある。
『DESTINY』後半では決して憎からず思っていた上司の造反と、その追討命令が自分に下されたことに激しく動揺したり、
最終決戦においては激化する戦況に精神が著しく疲弊していったが、それでも戦い続けた動機は手法の是非を度外視してでも平和な世界を希求する「友のため」であった。
しかし、裏表のない性格である一方、
思ったことをストレートに口に出してしまう上に自制心が著しく欠けており、
特に『DESTINY』においてはこれが大きく災いし、気に入らないことがあると怒鳴り散らしたり、八つ当たりも同然の態度に出てしまう等、
パイロットとして優秀であるのに対しトラブルメーカー的な側面の強い難のある人物となっていた。
つまり「パイロット」としては極めて優秀でも「軍人」にはおおよそ向いていなかったと言わざるを得なかったと言える。
特に一時的に上官となる
アスラン・ザラとは口論が絶えなかったが、これについては
アスランとの性格的な相性がそもそも悪いという事情もあり、
『FREEDOM』時点でも折り合いが悪いが、あくまで顔を合わせば口論になりがちというだけで互いの実力や人柄は認め合っているという、不思議な関係性となっている。
ちなみに「思ったことを口に出さずに呑み込んでしまう」点以外の部分は
キラ・ヤマトと実は似た者同士であり、
『FREEDOM』では俗に「忠犬」と呼ばれるほどにキラに懐いており、キラからも信頼されている経緯には、この点も影響しているのかもしれない。
前述の事情ゆえに戦争に対し強い憤りを覚えており、戦火を広げようとする存在や非人道的行為については怒りを露わにする。
『DESTINY』序盤までは所属するザフトが大規模戦争への発展や非人道的行為の阻止の為に動いていた事から、
彼のこの特性は有効に働いており、パイロットとしての能力の高さもあって、参加した任務の達成率も非常に高かった。
しかし、非人道行為に対する義憤だけならまだしも、同時に「戦争被害者」としての意識も並外れて強過ぎたシンは、
パイロットとなって戦場で戦い、そして誰かの命を奪う事になった後になっても、「自分もまた『加害者』の一人となっている」という自覚が無かった。
また、同僚である
レイ・ザ・バレルや
ルナマリア・ホークが、個人差はあれど「軍人」である事を心掛けて行動していたのに対し、
シンの場合は「民間人の少年」であった時の感覚が抜けきれていなかった節があり、それが原因で「軍人」としての立場を弁えようとしない振る舞いや、
命令や軍規を無視する事の重大さについて軽視してしまう傾向にも繋がっていた。
特に「一介の軍人が他国の代表者を面と向かって侮辱・横柄な態度を取る」「上官の命令を無視して戦闘を継続する」等は、本来ならその場で首が飛んでもおかしくない重大な問題行為である。
ブレイク・ザ・ワールド以降に戦局が続々と変化していく中でもそれは変わらないままで、
元より感情的になり易く自制心に欠けていた性質も災いした結果、周囲が見えなくなって命令違反等を起こすだけでなく、
民間人の扱いを見かねてとはいえ
ほとんど抵抗力を失った生身の兵士達をMSで攻撃するという過激な破壊活動にまで出てしまう事もあった。
敵の連合兵のエクステンデッドである
ステラ・ルーシェを巡る問題行動の際は、重罰行為を起こしてもそれを自覚しながらも帰還するように組織への帰属意識はあるのだが、
それを糾弾されても(命令違反等は悪いことだとは認識しつつも)「自分の行動は間違っていない」と反発する等、
徐々にマイナス面の方が目立つようになっていき、必ずしも彼の義憤が通じなくなっていく。
その結果、デュランダルの差し金によって銃殺刑にもなり兼ねない程の問題行為を、異例の「不問」となった事も重なって、増長してしまう事態にまで繋がっている。
従来のガンダム主人公たちが周囲の大人達の言葉や様々な人物達との出会いや別れ等によって「力の成長」と共に「心の成長」も得ていくのに対して、
シンの場合は表面的に見れば、キラやアスランと違いパイロットとしての力は成長しても心の成長は見られなかった結果、
議長や軍上層部に実力を認められたとして増長し、常に敵となる勢力が悪いと決めつけることで自分の行動によって生じる事態や責任を一向に自覚せず、
更には自身の問題行動を反省せずに正当化ばかりしてしまったりと、人格面で抱えていた問題点は最後まで改善されないように見える状態のままで
最終回を迎えてしまった。
ただ、これらについては後述の事情から、一応主人公であるはずのシンに物語の焦点が当てられない状況が続き、
物語の後半ではそもそもシンどころかミネルバ陣営そのものの描写が減るなど、描写不足でのマイナス面が目立つという見方もある。
そもそもとして、精神的に問題を抱えていた主人公格はシンだけでなくキラやアスランも同様で、
特にキラは当初「思い悩む」ことすら出来ないぐらいに精神が不安定な状態であり、結果的に「
悟った(成長した)ように見えるだけ」という状態であった。
アスランについては直属の上司ということもあり、シンにも気をかけてはいたのだが、
自身の方向性が安定しなかった上に元々シンと反りが合わないので口を開けば喧嘩になるという状況であった。
タリアやアーサーといったミネルバの上官達がシンに必要以上に干渉しようとしなかった事、
自身の理解者だったレイや
デュランダルでさえも、結局はシンを都合の良い『力』として利用していたに過ぎなかった事など、
周囲の人間関係に恵まれなかった事も原因の一翼を担っていると思われる。
ただ、同期のメンバー以外を除くタリアやアーサーを始めとするミネルバのクルー達との人間関係に関しては、あまり関わろうとしなかったシンにも原因があり、
感情的になりがちで、時に問題行動を起こすことも手伝い、エースパイロットであることは間違いないし讃えられてもいるが、
旧知の仲ではないクルーと話しているシーンはほとんどなく、腫物扱いされていた可能性もある。
今でも亡き家族を想っていることからも分かるように、友人や恋人といった近しい人間に対する情はかなり深く、
友人から恋人となった
ルナマリアに対しては、恋仲になってからはやや過保護なくらいに彼女を気にかけていた他、
反発していたとはいえ自分を気に掛けてくれたアスランへの追討命令が出された時には凄まじく動揺し、必死に投降を呼びかけている。
レイの示すままに彼や議長の“敵”と戦っていたのも、友人のレイの頼みであるということがシンの中では大きな理由の一つであったと思われ、
小説版では自分や議長のためにシンを彼が本来嫌っている
戦争に行かせている点について、レイが心苦しく思っている描写が足されている。
シンは「怒り」がフィーチャーされ、それが彼のコンセプトであるとして認識されることが多いのだが、
福田監督曰くそれは本来のコンセプトではなく、本来のコンセプトは「爆発力」であるとのこと。
実際、軍規違反を自覚しながらも捕虜となっていたステラを返還する場面などは良くも悪くもシンの「爆発力」が垣間見れるシーンと言える。
ただ、この「普段は大人しく善良だがいざという時の爆発力に優れた、一般市民出身の若き軍人」というシンの設定は、
『DESTINY』というマクロな視点で描かれる物語を牽引する主人公としては非常に「動かしづらかった」事が語られており、
当時は製作側にも余裕が無かったこともあって、これをどうにかして動かしやすくする(=シンの内面描写などを充実させていく)ことは早い時点で断念され、
キラやアスランを物語の牽引役(複数主人公)としてシナリオを進める方針が序盤の時点で固まっていたとのこと。
そういった意味ではキラやアスランと比べて幼い性格の「3人目」としてよく機能したと言える為、そうした面からも『DESTINY』は再評価を受けている。
パイロットとして
士官学校(アカデミー)の卒業成績が20位以上だった者が纏える赤服を授与されている。
当時最新鋭機であったインパルスのテストパイロットに選ばれ、そのまま正規パイロットに任命されるなど、
アカデミーを卒業した時点でデュランダルにはMSパイロットとしての素質を見込まれていたと推測される。
パイロットとしての実力についてはインパルスというピーキーなMSを扱えるだけでも十分高くはあるのだが、
実戦経験の乏しさから序盤は前大戦を生き抜いてきたベテラン達に見劣りするという状況になっていた。
だが、遺伝子による資質を何よりも重要視していたデュランダル直々に見出されただけあって、
劇中では「SEED」を発現させて窮地を乗り切る、激戦下においても大きな負傷をせず生き残るなどメキメキと実力をつけていき、
自身が有利な状況下であったとはいえ、キラの駆るフリーダムガンダムを撃破するなど、パイロットとして有り余る才能に恵まれていたと言える。
戦闘時に言動が荒っぽくなることはあるものの、そのような状況でも判断力などは基本的に冷静であり、即興で意外な立ち回りを見せることがある。
戦闘を重ねるごとにその強さに磨きがかかっていたが、中盤以降はアスランの離反、故郷のオーブが主な敵となるなど、
彼の精神はどんどん追い詰められていったため、本シリーズの「(MSパイロットの)強さ」を鑑みると『DESTINY』時点では真の実力を発揮できていたかは定かではない。
それでも、フリーダムとジャスティスに互角に近い戦いを繰り広げられる数少ないパイロットであったことは間違いない。
『FREEDOM』では精神的に安定しており技量にも磨きがかかっているが、
前半では隊長であるキラに頼りにされていない、或いは不信がられているのではないかという不安を抱えていた他、
キラを真似して慣れない不殺戦法を行っていたこともあり、やはりその実力を発揮できているとは言い難い。
だが、後半には特に『DESTINY』をかつて観ていた視聴者にとって嬉しい展開が待ち構えている。
来歴
【SEED DESTINY】
かつてはオーブ連合首長国に移民して来た民間人だったが、地球連合軍によるオーブ侵攻を受けて家族で避難中、
MS同士の戦闘の流れ弾によって両親と妹を喪い、その無惨な遺体を直視するというトラウマを負う。
その後はオーブ将校である
トダカに暫く世話になっていたが、彼の勧めでプラントへの移住を決める。
なお、一部の視聴者から「シンの家族に直撃した流れ弾を撃ったのは
フリーダムで、シンにとってキラは家族の仇である」と断定的に語られる事も多いが、
直前のアングルと急激な場面転換、空を飛び回るフリーダムを恨めしそうに見上げるカットがある関係でそう見えなくもないというだけで、
明確にシンの家族の仇が誰(何)であるかの設定は存在せず、どの方角からの砲撃なのかすらも実は不明。
さらに言えば、シンも家族が流れ弾で死んだ瞬間は妹が落とした
携帯を拾いに向かっていて命拾いしたこともあり、
流れ弾を撃ったのがどの機体かどころか、おそらくどこから流れ弾が飛んできたのかすら分からないと思われ、
シン当人も、フリーダムが家族の仇だと思っているわけではないと思われる。
小説版ではシンが見上げた空に浮かぶ彼の家族の仇は
「上空を飛び交う死の天使たち」と形容されている。
その後はトダカの勧めでプラントに移住し、適性検査で軍人の道を勧められた事からザフトの軍学校(アカデミー)に入学。
アカデミーでは当初の成績こそ良いものではなかったが不屈の努力で実力をつけ、卒業後は成績上位者10名の証たる赤服を纏う事を許されてミネルバに配属。
同時に新型MS「セカンドステージシリーズ」の一機であるインパルスのパイロットとなる。
ちなみにミネルバの同僚であるレイ、ルナマリアとはアカデミーからの友人で、ルナマリアの妹であるメイリンとも面識はあった様子。
作品序盤では実戦経験が不足していた事もあってあまり目立った活躍は無かったが、中盤でSEEDを発現。
その後は地球連合及びオーブ軍艦隊を単機で壊滅、クレタ島沖の戦いで
アビスを撃破する等、鬼神の如き活躍をする。
しかし、この激戦の最中、特攻を仕掛けてきた恩人であったトダカが乗る空母タケミカズチを沈め、戦死させてしまっている。
互いにかつての恩人・保護した少年が乗っている事は遂に知らないままであった。
この頃から戦功が急増した事で、後々まで付いて回るどころか悪化していく増長が始まり、
戦闘途中で発見した地球軍の前線基地を独断で壊滅させるという勝手な行動を取るまでになる。
この件は、現地民を強制徴用する、戦闘のドサクサに紛れて脱走しようとした現地民を射殺する等、地球軍の行為も間違いなく非道ではあるのだが、
「勝手に行動」し、戦時下かつ軍人相手、先に手を出したのは相手側とはいえ、
「基地側が戦闘能力を喪失しても攻撃を続行し非戦闘員まで殲滅する」という行為は軍人として大問題である。
当然上官であるアスランからは叱責されたが、助けた現地人達は地球軍から解放された事を喜んでいたため、
シンはアスランからの叱責の意図がイマイチ理解できず、反発心だけが高まる結果となった。
アスランに叱責されたことはともかく、二度も殴打されたことについては「流石に理不尽」と言われる事もあるが、
殴るのは正当ではないがそう理不尽というわけでもなく、本来なら軍事裁判で裁かれるべき問題行動である。
ただし、肝心の叱責も、内容も間違いではないが具体性にやや欠けており、その意図が伝わりづらいという意味ではアスランにも非は全く無いわけではない。
もちろんシンの行動は叱責されてしかるべきであったが、アスランももう少し言い方を考えるべきだっただろう。
その後のガルナハン基地攻略では困難を通り越して無茶な任務を見事に成功させ、
更にディオキア基地入港時にはデュランダル議長から直々に褒めの言葉を賜るものの、一方で彼の増長は一層増す事になる。
この頃には、
ハイネがミネルバに配属されたことによって、彼の仲介もあってアスランとの関係に改善の兆しが見えたり、
ステラと再会し、溺れかけた彼女を助け、介抱したお礼に貝殻を贈られるなど、
地球連合の『G』強奪からこっち、ずっと戦闘や任務続きだったシンの環境は少し落ち着きを見せ、彼自身の心や人間関係にも、若干の変化が現れ始める。
『DESTINY』ではこの時期が最もシンの精神が安定した時期だったように思われる。
しかし、黒海での戦闘でハイネが戦死したことを皮切りに、シンを取り巻く環境は再び緊張感を増す。
ハイネの死の遠因となり、無差別攻撃でミネルバにも損傷を与えた
フリーダムに敵意を向け始めると共に、
昔の仲間とはいえ、フリーダムや
アークエンジェルを敵視しきれないアスランとの関係も、再び冷え込み始める。
その後の地球連合軍のエクステンデッド研究所調査中、突如襲撃してきた
ガイアを迎え撃つことになったシンは、
ガイアをなんとか無力化し、連合から同機を奪還することに成功するも、そのパイロットがステラだったことを知る。
シンはまさかの事実に驚愕しつつも、直ちに彼女を連れてミネルバに帰艦、そのまま医務室まで運び込む。
この際、敵軍のパイロットを無断で医務室まで運び込む、医務室の女性スタッフが暴れだしたステラに首を絞められる事態を起こすなどしたため、
またしても明確な軍規違反を犯したことでタリアから叱責される事になり、シンとステラの関係を知る由もない他のクルーからも、(彼らから見て)突拍子もない行動に疑問を抱かれる事となった。
後の調査で、ステラが人工的に強化されたエクステンデッドであること、シンと出会った記憶が失われていること(後に記憶を取り戻している)が判明。
シンとの記憶を取り戻したことで、ステラの精神状態は安定していったが、一方でその身体はみるみるうちに衰弱していき、
シンはそのことに心を痛めていたが、結局原因が分からないことでミネルバにいる限りステラは遠くないうちに死亡することと、
軍上層部はステラの遺体を貴重なサンプルとして解剖するつもりであることを知り、激しく動揺する。
そして、このままミネルバに留め置いてもステラに未来はなく、死後にもその遺体を弄ばれることを嫌ったシンは、
ステラがうわごとで口にした、おそらく彼女が信頼している人物の「ネオ」に彼女の身柄を渡すことを決め、
ステラの境遇を知ってシンの決意に共感したレイの協力の下、独断でステラを連れ出し、ネオと接触。
「二度と死に触れる事のない、暖かい世界にステラを返す」事を条件にステラを彼に引き渡した。
この時のシンの「クルーへの不当な暴行」「捕虜の無断解放」「(脱走同然の)無断発進」「敵軍との無断接触」という行為は超ド級の問題行為であり、
シンも自分の行動が問題行動であり、重罪として裁かれることを覚悟はしていたが、
「軍人としてはともかく、人間として間違った行動はしていない」という認識でもあったため、
タリアから叱責されても全くひるまず、堂々とその考えを伝えた後、処分が下るまで営倉に入った。
……が、この件を司令部へ報告した後に通達されたシンへの処遇はまさかの「不問」であった。
タリアもシンの行為がとんでもない軍法違反であり、銃殺刑に処されてもおかしくないと認識しつつ、
公的な報告書とは別にデュランダルに私信を送るという、様々な手を使ってまで、銃殺だけは回避しようと動いていたのだが、
「拘束中のエクステンデッドが逃亡の末死亡したことは遺憾であるが」という明らかに事実と食い違う文面には、流石に疑念を持たざるを得なかった。
また、どれほどの罪と判断していたのかは不明だが、自分でも罰せられて当然と思っていたのにお咎めなしという沙汰が下ったことで、
ステラの無断返還の浅慮さを説いたアスランに対して嫌味を言い放つなど、シンの増長は更に進んでしまう。
同時に、シンがそこまでしてステラを助けようとした理由を理解した上で、彼に協力したのがレイだけであったことが、後々まで響くこととなった。
ベルリンを
デストロイが襲撃した際は、インパルスがミネルバ艦載機で唯一の稼働機だったため、AAに遅れて参戦。
攻めあぐねていたフリーダムを差し置いてコクピットハッチを切り裂く活躍を見せるも、
直後にデストロイの護衛に就いていたネオからデストロイのパイロットがステラである事を知らされたため、
攻撃を続けるフリーダムを抑えたうえで、自らは攻撃を中止し、ステラを説得しようと試みる。
そして、一度は説得に成功するも、慕っていた
ネオを撃墜したフリーダムが視界に入った事でステラは再び錯乱してしまい、デストロイも再起動。
止めるシンの声も届かず、攻撃態勢に入ったデストロイは射線上にいる
インパルスごとフリーダムを攻撃しようとし、
シン(インパルス)が説得を始めた際には事情は分からないながらも何かを察して攻撃を止めていたキラも、最早静観は出来ないと意を決し、
臨界状態にあったデストロイのビーム発射口にフリーダムの
ビームサーベルを突き込んで破壊。
破壊されたビーム発射口の爆発が機体各部に誘爆したデストロイは大破し、擱座する。
ステラはシンの手でコクピットから救出されるも、件のビーム発射口がそのコクピットから非常に近い位置に配置されていた影響もあり、
先のフリーダムの攻撃とそれで起こった爆発によって既に致命傷を負っている状態であった。
そしてステラは、自分を看取るシンに好意を伝えると、穏やかな顔で、彼の腕の中で息を引き取った。
かつて家族を喪った時のように、何もできないまま愛する人を喪ったシンは、その時と同じく、ただ慟哭するしかなかった。
このことでシンはフリーダム、及びキラに決定的な憎悪を向けることになる。
ただ、デストロイにステラを載せたのは地球連合であり、ベルリンの災禍そのものにはシンに責任はなく、
むしろシンが説得すれば投降させられるかもしれないステラがパイロットであったという点では、
他のエクステンデッドが乗っていた場合よりマシだったと言えるかもしれない(尤も、ステラでなければシンがさっさとコクピットを潰して終わっていた可能性もあるが)。
しかし、「ステラが信用している相手だから」という理由だけで、まさにそのステラを戦場に向かわせていたネオに彼女を託してしまい、
結果、ステラはデストロイに搭乗させられ、戦場に向かわされたという点については、シンとレイに一抹の責任はあると言える。
また、ミネルバ側も「シンが殺されそうならデストロイ撃破もやむを得ない」と腹を括っていたので、
仮にデストロイの主砲を攻撃して撃墜し、ステラの死を招いたのがレイやアスランであれば、
シンもステラの死に心を痛め、一時的に彼らに敵意を見せることはあっても、自分を守るための不可抗力だったと飲み込めた可能性もあったが、
この時、ミネルバの艦載機で大気圏内で満足に活動できるのはインパルスくらいであり、
キラとシンの仲介役になれる唯一の人間であるアスランも、乗機のセイバーを撃墜されていて出撃できなかった。
どのみちステラの死を回避することは出来なかったとしても、今後のシンにとっては最悪のタイミングでのデストロイのベルリン襲撃だったと言えよう。
ベルリンでの戦闘終了後はステラの遺体を持って周囲に無断で現地を離れ近隣の湖に移動、そこでステラを水葬に付した。
またしても勝手な行動を取ったシンであるが、上層部からはこれまた不問に付される事となった。
そして、ステラの仇討ちに燃えるシンはレイと共にフリーダムの戦闘データを解析し、
続く
エンジェルダウン作戦にてキラの戦闘パターンの利用とインパルスの特性を最大限に活かした戦法で見事撃墜に成功。
その後、フリーダム撃破で舞い上がったシンは、フリーダム撃墜を責めるアスランを、彼にとってフリーダムはかつての仲間であることを知りつつ
挑発。
アスランがそれに対して殴打で応えたのは言うまでもない。
なお復讐が動機にあったとは言え、フリーダムとアークエンジェルを倒すことは軍からの命令であり、
シンは客観的に見れば彼がアスランから言われた「戦争はヒーローごっこじゃない」を見事に果たして生還してみせたと言える。
アスランの激昂は視聴者目線では妥当だが前述した彼の「軍人としてのシンへの叱責」を考えると理不尽以外の何物でもないのである。
シンもそれは分かっていたようで、殴られたこと自体には怒りを見せていたがその後アスランへの明確な反発は見せていない。
アスランもこれについてはどうしようもなかったという諦観はあったらしく、シンに対する憎悪や不信はこの後も特には見られず、
むしろこんな状況を作り出すことになったデュランダル議長への疑念へと発展していくことになる。
ミネルバがジブラルタル基地に寄港した後はその功績を讃えられ、
デスティニーを受領する。
しかし、同日夜に危険が迫ったアスランがメイリンと共に脱走する事件が発生し、これを追撃する任務にあたる。
シンはアスランに投降するよう説得するも、レイの各種工作からシンは脱走の経緯を知らなかったため、アスランは投降には応じなかった。
葛藤の末、レイの後押しもあってシンは二人の乗ったグフを撃墜。
友人の妹であるメイリンはもちろん、その不器用さ故に反発していたとはいえ、真摯に自分に接してくれていた人物であるアスランの乗る機体を撃墜したことは、
シンの心に大きなショックを与え、同じくアスランと妹を失ったことにショックを受けたルナマリアと依存し合う様に急速に距離を縮めていった。
その後のオペレーション・ラグナロクにおける地球連合最高指令部――ヘブンズベース攻略作戦では、
量産されていたデストロイを始めとした敵勢力を相手に活躍を見せ、スティング機を始めデストロイ複数機を撃破する等、多大な戦果を上げる。
その功績が認められたシンはレイと共にFAITHに任命されるが、これまでに多数の命令違反等があった上、
指揮能力等の基準も満たしているとは言えなかったシンが任命された事について、タリア等からは疑問視されていた。
そして、行方をくらませたブルーコスモスの盟主・
ロード・ジブリールの捜索が続く中、
彼をセイラン家が支配するオーブが匿ったことを確認したザフト軍は、オーブ攻略作戦「オペレーション・フューリー」を発令。
ミネルバ隊と共に作戦に参加したシンはオーブ軍MSを多数撃破し、
カガリの
アカツキとの交戦では、
技量差もあって終始優位に戦いを進めるも、アカツキの撃破寸前に
ストライクフリーダムの介入を受ける。
自身が撃墜したフリーダムの後継機の登場に衝撃を受けつつ、シンはデスティニーでストライクフリーダムと交戦するも、
デスティニーと同等の性能を持つストライクフリーダムとキラのコンビに苦戦を強いられる。
VPS装甲のデスティニーに対して
レールガンを使うなどのキラの不殺戦法を挑発と受け取ったシンが激昂する一幕もあったが、
デスティニーのエネルギー切れとレイの説得により、一時撤退するしかなかった。
ちなみにキラの「実弾兵装に高い防御力を誇るVPS装甲の機体に敢えてレールガンを撃ち込む」というこの行動は、
シンが激昂していた通り「これがビームならお前は死んでいたぞ」という挑発にしか見えなかったという視聴者も多く見られたが、
後に「レールガンの衝撃でコクピットのパイロットに危害を加えずに気絶させて無力化する意図があった」と説明されている。
再度の出撃ではレイの
レジェンドと連携して
ストライクフリーダムと互角以上に戦うが、
アスランの乗る
∞ジャスティスが戦闘に介入して逆に撃退された上、
どちらからも追われていたジブリールがセイラン家のシャトルで宇宙へ逃亡した為に、作戦自体済し崩し的に終了してしまった。
月面裏に位置するダイダロス基地攻略戦では圧倒的少数の中で奮闘。ロゴス派の地球軍で構成された守備隊を次々撃破し、任務も完遂した。
その後、デュランダルは
デスティニープランを公表。
同時期に戦友であるレイから自身の生い立ちを知らされたシンは、迷いを残しながらもザフトとして戦う事を選択する。
ザフトが地球軍から接収し、再利用を開始した大量破壊兵器レクイエムの破壊を目的として侵攻してきたオーブ軍との決戦では、
ルナマリアの乗るインパルスを中破させた(※コクピットは狙ってない)アスランに激昂し、戦闘を開始する。
戦闘に突入してなお、自らを説得しようとするアスランにシンは反発しながら攻撃を続けるが、
そもそもシンはアスランと戦うことを本心では望んではいないことや、デスティニープランを肯定しきれていないこと、
自身の行動がオーブの滅亡に繋がっていることを自覚していることなどの心理的ストレスにより、深刻な焦燥状態に陥っていく。
そこに、自分たちの戦いを止めるべくルナマリアのインパルスが割り込んできたことで、ついにシンの精神は限界を迎え、
トラウマのフラッシュバックによるステラやマユの幻影を見て錯乱、
遂にはフリーダムと誤認してルナマリアの乗るインパルスに攻撃を仕掛けてしまうも、
意を決して『SEED』を発現させたアスランに力づくで止められてデスティニーは撃墜。シンも昏倒する。
そうして意識を失った中でシンは、ステラと語り合う夢を見る。
ステラを護れなかったことを謝るシンに、ステラは笑顔で「シンが“昨日”をくれたことに感謝している」ことを告げ、
「“明日”があることの幸せ」を語ると、生前の可愛らしい笑顔のまま光の中へ消えていった。
その後、意識のない自分を心配して必死に呼びかけるルナマリアの声で目覚め、彼女の膝の上で目覚めたシンの目に先程までの錯乱はなく、
デスティニーが墜落した月面でルナマリアと共に涙し、抱き合いながら終戦の時を迎えた。
本編終了後、オーブの戦没者慰霊碑で再会したキラと和解。オーブからザフトへ出向となった彼の下に配属される。
メサイア攻防戦が苦い記憶になったことは想像に難しくないが、結果的にこの体験はシンの成長に繋がることとなった。
また、ここに至ってもアスランとの蟠りは未だ解消されていないが、お互いに相手を認めてはいる模様。
アスランもシンを心配して気に掛けてはアドバイスしているつもりではあるが、結局似た者同士とも言える。
その後のシンについては、インタビューにて家族の
死の悪夢に魘されながら戦っていると語られている。
余談だが、仮にメサイア攻防戦でザフトが勝利していた場合、デスティニープランのこともあるが、
それ以前にオーブが消し飛んでいたため、シンに特大級の新たなトラウマが追加されることは確実だった。
シンのその後を考えても、メサイア攻防戦で負けたこと自体はメタ視点では主人公として不遇でも、
実際にはシンが不幸というわけではなく、むしろ救われた面が多い。
オーブに移住するより前の経歴は不明。
地球に住んでいたからか地球出身だと思われがちだが、C.E.55年には地球でのコーディネイター施術は禁じられているため、
遺伝子調整を受けたコーディネイターである以上、シンの出生は月かどこかのコロニーということになる。
今作ではコンパスの一員でキラの部下として登場。
まず結論から言う。
『DESTINY』の頃の余裕の無さがほとんど見られず、戦闘時・緊急時以外は明るい表情や無邪気な言動が目立ち、
緊張が続き、味方側のキャラクターの大半が曇る序盤の清涼剤と言えるほど、性格・言動共にトップクラスで明るい。
つまりメンタルが全回復しているのである。それが具体的になにを意味することになったのかは後述。
多くの者が気になっていたキラとの関係は完全に修復どころか超プラスの方向に傾いている。(アスランとの関係? お察しください…。)
その様は正にキラの忠犬である。ただそんなキラが一人で無茶ばかりする状況にはヤキモキしている模様。
これまでもスパロボ等の外部作品において作中のその後やif等で様々な成長や覚醒を描かれてきたが、
そのどれも賛否はファンの間で分かれており監督自身が自らそれに最高のアンサーをくれた事にファンには概ね受け入れられた。
そんな時に、かつて自分がエンジェルダウン作戦でフリーダムを撃墜する戦果を挙げていたことが原因で、
自分が知らないところで「フリーダム・キラー」という異名を持っていたことを(シンを嫌っている)アグネス・ギーベンラートから聞かされてしまう。
もちろんキラを慕っているシンはショックを受けてしまい、これが理由で自分はキラに頼って貰えないのではないかと不安になっていた。
ちなみに、そのアグネスとはアカデミー時代からの知り合いだが、彼女のことは苦手らしく言い負かされてぐぬぬってるシーンがある。
ちなみにあまりにも明るすぎて幼児退行しているのでは?と言われる事すらあるが、
そもそも『DESTINY』までのシンは、
ほんの数年前に戦火で家族を全て喪い、あまつさえその無残な遺体を直視してしまうというトラウマを抱え、
ザフト内の立場による重圧と戦闘が続くことに起因する極限のストレスに晒されるなど、年の割に重すぎるものを背負っていて全く余裕がなかったため、
こういった背景を考慮すると、『FREEDOM』のシンがほぼ彼の「素」なのは間違いない。
なんか前作では暗かったのに続編で突然本来の素を出して明るくなったとかどっかの仮面ライダーみたいである。
補足すると、『DESTINY』の時に度々見られた上官に対する無礼な態度や命令無視などは完全に見られなくなった上、
アグネスの嫌味もほぼ聞き流しているので、軍人として、人として
本当に大きく成長している。
相変わらず空気が読めない欠点は残っているが、結果的にプラスに働いている描写になっているため負の側面はまるで感じさせない。
キラの部下として、物語には最序盤から登場。
繰り返されるコーディネイターとナチュラル(正確にはブルーコスモスの残党)の戦いを仲裁するために戦場を駆けている。
なお、この時点での彼の乗機は、なんとイモータルジャスティス。
アスランと折り合いが悪かったシンが、何の因果か彼と縁深い「ジャスティス」の名と見た目を継承するMSに搭乗し、
出撃時に「シン・アスカ、ジャスティス行きます!」とコールする一連の流れはどこか不思議なものを感じる。
ただ幾ら本来の明るい性格を取り戻したとはいえ、終わることのない戦いの連鎖には彼もうんざりしており、「こんなこと、いつまで続けるんすか!?」と怒りを示している。
序盤の戦闘はCGを多用し非常に目まぐるしく場面が切り替わる為に目で追い切れない部分も多く、
その上イモータルジャスティスの戦闘シーン自体がギャンよりも少ない為余り活躍していないようにも見えがち。
が、逃げ遅れた民間人を地面に突き刺したシールドの内側に匿いつつ自身はVPS装甲以外の防御手段が無いまま戦闘を続行、
更にキラに認められたいが故なのか可能な限りパイロットを殺害せず無力化する不殺戦法を取り入れている。
その他にも、
- 地上の敵機と戦いつつ別方向からの攻撃を最小限の動きで見事に回避しつつヘッドショットで無力化。
- 上記から続けざまのビームライフル三連射で空中のミサイルを三発撃墜。しかも3発目はミサイルの軌道と速度を見越した見事な偏差射撃を決めている
- ↑の直後に死角から迫ってきた敵の不意打ちを完全に見切って胴体を両断し瞬く間に無力化。
- キラの暴れっぷりに
「出る幕ないじゃん」とぼやきつつブーメランを投げて1度に複数のMSの頭部を切り飛ばす
と、『DESTINY』の頃から衰えないシンの操縦技術を短いカットで実感可能な見応えのあるシーンとなっている。
しかし同時に、かつて自分とミネルバを撃沈したアスランが搭乗していたジャスティスの後継機に乗っていることや、
慣れない不殺戦法を執っている為かどことなく動きがぎこちないようにも見え、違和感を覚えた視聴者も多い。
その後は任務でファウンデーションに入国。最強と謡われるブラックナイツと邂逅する。
彼らの隊長であるシュラ・サーペンタインがキラを煽ったことで、シンの怒りに触れキラの代わりに剣での決闘をすることに。
だが、シュラは圧倒的な身体能力に加えシンの太刀筋を完全に見切っており、シンは成す術なく叩きのめされてしまった。
「やはりアスランが最強か」とシンをコケにするシュラに思わず激怒しかかるが、この場はキラの制止で一旦引き下がった。
この場面のシンは空気を読まずに突っかかったようにも見えるが、ドラマCDでのアスランとの会話などから察するに、
未だに正規の軍人教育を受けておらず格闘術などの心得が皆無なキラに恥をかかせまいとして自ら矢面に立った可能性が高い。
最もかく言うシンもサーベル剣術については全く心得がなく、構えからして明らかに剣道のノリで挑んでいるので敗北はやむなしだろう。
その後は落ち込むかと思いきや、招待された王城で普通に食事をドカ食いしていた。
なお、各国の首脳が集まる会場なので、当然高級料理も並んでいたと思われるが、
シンの皿に載っていたメニューは唐揚げやらチキンライスやらフライドポテトやらと極めて茶色く、やけに庶民的。
また、シンがいない時にルナマリアとアグネスが険悪な会話をするシーンでは、
二人の会話が聞こえていなかったのか、それとも「いつものアグネス」くらいに捉えて全く気にしなかったのか、
暢気な調子で「何の話?」と会話に割り込み、二人のために取ってきたらしきケーキを差し出すという斜め下の気遣いをしている。
とは言えこれで二人が口論になる事態が避けられたといえばそうなのだが。
そしてファウンデーションからの依頼により、ブラックナイツと合同でテロリストの鎮圧及び首魁であるミケールの確保をすることになるのだが、そこで状況が一変する。
この任務自体がファウンデーションの罠であり、彼らの目的は自分たちの本懐を果たすため、コンパスやテロリストのみならず、
自分たちの国すらも葬り去るという恐るべき目的を掲げており、これによってキラが危機的状況に陥ってしまう。
シンは広域ジャミングを受けて他機との通信が途絶する中、キラの窮地を察知し救援に向かおうとするが、2機のブラックナイトスコードに阻まれる。
これまでの状況からか彼らを完全に敵と見做してビームライフルで攻撃するも、フェムテク装甲に阻まれ無人機の集中砲火を喰らってしまう。
その後グリフィン機に対し一部の武装を失いながらも長らく(少なくともアークエンジェルが沈むまでの10数分以上)大きなダメージなく持ちこたえるが、
アークエンジェルの轟沈に気を取られた隙に胴部を両断されて敗北。
機体を放棄し脱出するも、グリフィンに執拗に狙われ無防備なところをあわや殺されかけるが、駆け付けたヒルダ・ハーケンのギャンに救出されなんとか生存する。
全速力で逃走するギャンを追撃するには核爆発までの猶予が無かった事でグリフィンからも見逃されるが、
ここでシンを仕留められなかったことが後のブラックナイツの末路を定めることになる。
その後は救援に駆けつけたアスランやメイリンの助けもあり、逃げ延びて身を隠すことに。
ここでキラの心は完全に折れてしまうのだが、アスランが喝を入れるためにキラを
フルボッコにする。
当のシンはあまりのワンサイドゲームっぷりからかキラの方に加勢しようとするのだが、
タイミング悪くアスランの拳が命中したばかりか
余裕のないキラからも流れ弾ならぬ流れ拳をもらうという散々な結果に。
それでも『DESTINY』でも度々描写されていた頑丈さ故か、即座に立ち上がってキラに加勢しようとするも、
ヒルダに「ヘタレた野郎は修正してやるのが友達ってもんさ」と押し留められて不満そうに唸りつつもその場を見守った。
このシーンは沈痛な空気の中で
「親友のがむしゃらなストレートにガチの軍隊格闘術の構えで応じるアスラン」、「そのアスランに手も足も出ずボコボコにされるキラ」、
「ラクスに関するアスランの爆弾発言に唖然とする一同」、「文字通りのダブルパンチを喰らって吹っ飛ばされるシン」という、
「
シリアスな笑い」な状況に隠れがちだが、キラの
「君らが弱いから!」という
かつてのシンなら間違いなくキレて食って掛かっていたであろう発言に対して、
特段怒りを見せずに、キラが普段言わないであろうそんな言葉を口にした事実を受け止めるという、
またもシンの精神的な成長と心境の変化を感じさせてくれる場面でもある。
時系列は前後するが、元アークエンジェル組と共にミレニアムに艦を乗っ取ろうとする特殊部隊に扮して合流を試みた末、
敵襲に備えて武装し警戒しているルナマリアに正体を隠したまま銃を突き付けて脅すという笑えない冗談を仕掛けた結果、
彼女に自分の正体に気付かれず、投降すると見せかけて反撃された上にそのまま殺されかけるというシャレにならない事態を起こしかけている。
なんとか殺される前に自分の正体を明かしたことで、彼女にドッキリを仕掛けて殺されるという笑えないオチは回避できたが、
ほぼ生存が絶望視されていた状態で、連絡もない中シンの身をずっと案じていたルナマリアから泣きながら抱きしめられ、
シンは一瞬ぽかんとした表情を浮かべた後に二人で再会を喜び合うが、猛烈なビンタ(計9発)を喰らう羽目にもなった。
ルナマリアが本気でシンを想っていることが分かるシーンであると同時に、
シンも連続ビンタされて「痛ぇ死ぬぅ…本当に死ぬぅ…」と呻きながらも特に怒りはしないなど、二人の関係をよく表していると言える。
アスランの説得(物理)のおかげで持ち直したキラと共にオーブの地下格納庫に行くと、
そこにはもはやお約束の展開になったが、前大戦後に極秘裏に回収され、修復・改良されていたデスティニー、インパルス、ストライクフリーダムがあった。
この時のシンは本当に嬉しそうなのだが、直後に滅茶苦茶悪い笑顔で「いや、これさえあれば、あんな奴らなんかに…!」というそれはもう凄まじい三下の悪党みたいなセリフを呟いたのである。
正直序盤の戦闘以降シンの扱いがあまりいいものとは言えなかったこともあり、そこに来てのこの台詞で「ああ、またシンが噛ませになるのか…」と思った観客も少なくなかっただろう。
そして、迎えた最終決戦にて、『出撃!インパルス』のアレンジBGM『出撃!デスティニー』をバックに、出撃するシンたちの姿を見た後、観客の目に飛び込んできたのは…
こないだは
ジャスティスだったから負けたんだ!!
デスティニーなら、お前らなんかにィッ!!
という観客の腹筋を完全にブチ壊し、かつイモータルジャスティスがあんまりにも可哀想なセリフを言いながら、
最終決戦でブラックナイツ4人相手にデスティニーで無双するシンの姿であった。
これを見たシンとデスティニーガンダムファン、いや全ての観客は唖然とし、その後に歓喜したことは語るまでもない。
もしかすると複数の格上の機体を相手に無双するというこの結果をいくら何でもおかしいのではないかと感じてしまう者もいるかもしれない。
『DESTINY』の最終決戦ではアスラン一人に敗北し、デスティニーという機体も「様々な問題点があるのではないか?」という疑問の声が上がっていた。
少々厳しい言い方になってしまうが戦闘力という面では20年近く不遇だったのがシンとデスティニーガンダムだったのだ。
しかし『DESTINY』と『FREEDOM』のシンを比較して考えてみればこの結果はなにもおかしくはないのである。
まず、『DESTINY』時点でのシンは前述の通り常時ストレスとプレッシャーで押しつぶされそうな重圧の中で戦っていた。
しかし『FREEDOM』のシンはメンタルが全回復しており、キラに頼って貰えない不安も彼からミレニアムの護衛を任されたことで解決した。
前回のブラックナイツ戦はイモータルジャスティスに乗っていたから戦うどころの戦況ではなかったので本領を発揮できなかっただけである。
この時のシンのコンディションは「かつての愛機と再会し」、「躊躇いも逡巡もなく胸を張って戦える戦場があり」、「背中を守ってくれる相棒兼恋人と共に戦い」、
何よりも「尊敬する人に打算なく認められ、その人の帰る場所の護りを任された」という、心身共に間違いなく歴代最高の状態。
あらゆる枷から開放され、自信に満ち溢れた精神状態で、あのデュランダルが初めからシンが乗る想定で設計したシン専用機であるデスティニーに乗れば、
彼がまさしく愛機たるデスティニーで如何なる戦果を叩き出すか。それをまざまざと魅せつけてくれたのだ。
『
HG GUNDAM SEED』のデスティニーの説明書には「スペックを完全に引き出せるシンがパイロットとなったことで史上最強の機体となった」とか、
「最強の戦士」などのいささか大仰ではないかと思われる記載があったが、まったくもってその通りとしか言えないほどの大活躍であった。
『FREEDOM』公開までは、デスティニーの武装や、レジェンド・ストライクフリーダム・∞ジャスティスとの比較で、
「両腕を奪われればもちろん、片腕を失っただけでもかなりの戦力ロスになる」と揶揄されたりもしていたが、
『FREEDOM』で絶好調のシン&フルスペックのデスティニーの大暴れっぷりを見て、
「こんな化け物を向こうに回して片腕だけでも奪えるヤツなんてまずいないのだから、そんな想定をしないのも無理はない」
と、ある意味斜め上の理由でデスティニーの武装構成を見直したファンも多かった模様。
ちなみに「ジャスティスだから負けた」の根本的な部分としてはイモータルジャスティスの装備で敵機体装甲に無効化されない射撃武装がないというのが大きい。
「敵機に有効な武装がジャスティスにはなかった」という意味も含まれていると思われる。
ちなみにこの時のシンの戦い方は、ともかく相手のリソースを奪い連携を阻止する動きに終始している。
無人機のジンを最初に落とした後はビームライフルと言った遠距離武器を執拗に狙い、また位置取りも4機に囲まれないよう止まらず動き続ける。
1VS4ではなく1VS1×4にするように心掛けた戦い方をしているのである。
その直情的な性格を表すように敵に突撃し一撃必殺を食らわせる戦法を得意とするシンであるが、
かつてのエンジェルダウン作戦の時のように相手を研究し対策を練るような戦いも決して不得意ではない。
一撃必殺が叶わないのであれば少しずつ相手の武器を奪い、やがて自分の得意な1VS1の格闘に持ち込もうと考えていたのだ。
そしてシンを「バカ」「学習能力がない」と軽んじていたアコード達は自分たちが徹底的に対策されていることにも気付かず、リソースを…そして精神をゆっくりとすり減らされていく。
会戦直後こそ、
「デスティニーだと?ふざけた連中ですね」
「少しは殺し甲斐があるんじゃね?」
「兵隊共の訓練には丁度いいさ」
「また墜としてあげる!」
と、完全にシンとデスティニーを侮る態度を取っていたブラックナイツ達だが、
実際には易々とデスティニーを墜とすどころか、むしろ旧型機とは思えないデスティニーの戦闘力の前に徐々に圧され始める。
焦り始めた彼らは「アコード」としての力である『
読心術』でシンの心を読み、対応しようと試みるものの、
「SEED」を発現して
思考を遮断して無心で行動し、直感と本能による反射運動のみで戦うシンの戦闘スタイルには通用しない。
そして、予想外の苦戦に焦るブラックナイツたちを、デスティニーは「光の翼」ことヴォワチュール・リュミエールとミラージュコロイドによる高速機動で肉薄し、
アロンダイトとパルマ・フィオキーナによる連撃を浴びせ、攻撃を察知すれば即離脱する一撃離脱戦法で翻弄。
これまで無傷であったブラックナイツの乗機・ブラックナイトスコードルドラも、デスティニーの攻撃で部位破壊されるなどの損傷が蓄積していく。
ことここに至ってシンとデスティニーを油断していい相手ではないと遅まきながら理解したブラックナイツは、分身殺法を解禁すると共に切り札であるシンクロアタックを発動。
手始めにエルドア地区での戦いでキラを暴走させた『精神汚染』で篭絡しようと画策するが、
この攻撃は恐らくシン本人も知らない
トンデモナイ精神防壁で無効化された。
(もし彼女が突破されたら妹と親友も来ていたと巷では評判。)
シンの心に巣食う「悍ましい何か」に威嚇されたブラックナイツは戦局を優位にするどころか完全にペースを乱されてしまい、
「コイツの闇は……!」 「深すぎる……!」 SEEDファン「ですよねー」と戦慄。
オマケにもう一つの虎の子である分身すらもシンの前では全く通用せず、もはや自分たちでは状況を好転させられないと理解したのか、
無人機に攻撃指示をするレーザーポインターをデスティニーに照射するが、既に無人機群はシン達によって粗方殲滅されていたため無意味に終わる。
それどころか、心の中に土足で踏み込まれかけたシンの怒りに呼応するように関節が赤く光るデスティニーの超機動と残像に翻弄され、
「奴が消えた…!?ありえない!」「知らないよ!?こんな武器!!」と焦燥を更に募らせてしまう始末。
そして……
そんな寝ボケた分身が!通用するかぁ!!
分身は!! こうやるんだぁぁっ!!!
その直後、シンの裂帛の咆哮と共にデスティニーが本当に分身。
しかもそれは1機や2機などと言う生温い物ではない。まるで雲霞か蝗害の如く、戦場一面を埋め尽くさんばかりの分身を作り出したのである。
自分達の「優良種」としての力、パイロット技能、そして機体の圧倒的性能。
こうしたアドバンテージをシンとデスティニーに悉く封殺され、当初の余裕など完全に消え失せていたブラックナイツにはこれが決定的な一撃となり、
濁流のように押し寄せるデスティニーの群れに理解と思考が追い付かず足を止めて立ち竦んでしまう。
更に相手が錯乱している隙に同行していたヒルダのゲルググメナースが分身に紛れる形でリデラード・トラドールのルドラを一閃し撃墜。
アイツらの、仇ィーッ!!
キャアァァァァァッ!!!!
リデルーッ!!
うわぁぁぁぁぁっ!?
イヤだァァァァァッ!!
瞬間、残ったブラックナイツ達までもが発狂したように取り乱す。
彼らはシンクロアタック発動時に互いの精神をリンクさせていた為、リデラードが撃墜された際に感じていた「死の恐怖」がまだ生きている3人にまで伝播してしまったのだ。
これにより恐慌状態に陥った隙を逃さず、雄叫びと共に吶喊したシンとデスティニーは……
スピネルをアロンダイトでの突撃刺突で串刺しにし
エメラルドをフラッシュエッジで八つ裂きにした後、高エネルギー長射程ビーム砲の接射で真っ二つにし
サファイアをパルマフィオキーナの一撃で土手っ腹をぶち抜き
……と、デスティニーを象徴する武装全てを叩き込む形でほぼ同時に撃破。頭部バルカン「…」 ←あくまで迎撃機銃ですから……
シンの得意とする、即興で見せる意外な立ち回りにより相手を翻弄してトドメを刺すという戦術が存分に活用されたのであった。
その様は見慣れたスパロボのフルウェポン・コンビネーションに匹敵……否、ゲームとして見栄えを重視する為に
演出が盛られることの多いスパロボですら凌駕する、積年の艱難辛苦を全て晴らすと言わんばかりの鬼神の如き姿であった。
尚、エメラルドだけやたら念入りに斬り刻まれオーバーキルされているのは、
パイロットのグリフィンがシンや尊敬するキラに対し入国直後から散々無礼な態度を取った上、
エルドア地区での戦闘ではあわや殺されかけ、更にはずけずけと自分の心を覗かれたことで相当腹に据えかねていたことが理由だと思われる。
これでグリフィンを始めとするブラックナイツ4人は全滅。
爆発と共に宇宙の塵と化した3機を背に悠然と佇むその様は、さながらフリーダムとストライクを完膚なきまで叩き潰したHDリマスター版のキービジュアルそのもの。
その後はルナマリアと共にレクイエムに向かうと、ムウのアカツキからまさかの新装備「ゼウスシルエット」を受領。
テンションが爆上げ中だったのか、かつてのディアッカよろしくムウを「おっさん」呼ばわりしたのはご愛嬌。ムウもご丁寧に「おっさんじゃない!」と返した。
ミーティアを装備したインパルスと共にレクイエムを完全に破壊する。これによってアコードたちは完全敗北を喫することになった。
かつて少年は失った過去に心を囚われ、
湧き上がる憎悪に身を焦がし、
自由を捨て、正義を見失い、運命に縛られ、
戦争のない世界の夢を見続けた果てに地に堕ちた。
しかし、彼は時を経て己を縛る楔を完全に打ち破り、再び戦場へ降り立つ。
そして今度こそ、世界から自由を奪おうとせんとする巨悪に正義の鉄槌を下し、
運命を切り拓いて見せたのである。
結果を見ればブラックナイツ3機を撃破し、最終的にインパルス(SpecⅡ)に乗るルナマリアと共にレクイエムを粉砕と、圧倒的な戦果を挙げた。
ついでに言うとデスティニーには損害一つなく、『無傷』で戦いを終えている。
撃墜されて終わった『DESTINY』の苦いラストを吹き飛ばすような大活躍であったと言えるだろう。
さらには、シンが本作で搭乗したデスティニー(SpecⅡ)は、新技術を取り込んでそれなりのスペックアップはされているものの、
技術試験用のプラットフォームとしての立ち位置だった為純粋な戦闘能力だとさほど向上はしていない状態。
その為性能的には対戦相手であるルドラと比較すると「性能でまだ劣っており1対1でも分が悪い」程度であるに関わらず『ほぼ1対4で無傷で完勝』である。
対峙したアコード達にとっての最大の不幸は、ノーマークだったシンとデスティニーが、
よりによってアコードとブラックナイトスコードに対するメタ中のメタユニットだった事だろう。
ブラックナイトスコードは強力な防御力以外は際立った特色のない、良くいえば手堅くまとめた、裏返せば強力な決め手を持たないモビルスーツだが、
対してデスティニーは分身を含めた高速攪乱で相手を幻惑しながら一気に距離を詰め、強力な一撃で葬り去る一撃必殺に特化した機体であり、
振り返ってみればまさにブラックナイトの天敵とも言える存在だったのだ。
そしてライジングフリーダムやイモータルジャスティスという新商品のガンプラと一緒にデスティニーのガンプラとフィギュアは全ての店から消えることになった…。
さらに言えばガンダムベース専売のクリアカラー版が存在するのだが、そちらも「分身用」として消え去ってしまったらしい。
本作での恐るべきデスティニーの活躍だが、そもそも本機自体が先述のように、
「デュランダルがシンのために作り上げた機体」かつ「デスティニープランの守護者」として建造された機体である。
そんな「デスティニープランの守護者」として期待された者とその愛機が、
「歪んだ形のデスティニープラン」を押し付けてきた者たちの大半とレクイエムを粉砕するというのは、TVシリーズを見て来たファンにとって感慨深いものだっただろう。
そして結果論ではあるものの、シンが今作で八面六臂の大活躍をしたことにより、
彼を『デスティニープランの守護者』として見出したデュランダルの人選は正しかったことが証明されたのであった。
そもそも、有利となる様々な要因が重なった状況だったとはいえ、シンは『SEED』及び『DESTINY』を通して唯一キラに勝利したパイロットでもある。
ちなみに、上述の通りメンタルが絶好調で本人があまり気にする描写はなく、アスランは置いといてキラからは信頼を向けられているとはいえ、
ルナマリアが「バカ」「ガキ」「ヘタレ」と一人部屋でシンに対する愚痴を零すシーンがある他、
アグネスからは時に正面切って「あんなの」「議長の都合の良い駒」「山猿」「ちんくしゃ」と罵倒されるなど、
仮にも主人公格の一人にもかかわらず、中々に手厳しい人物評が飛び出している。
アグネスの言については完全に誹謗中傷であり、シンがやっているように聞き流していい悪口と言えるが、
ルナマリアの愚痴に関しては痴話喧嘩のそれとはいえ、彼女の心境を考えればこれくらいは言われても当然ではある。
なにせ中盤でルナマリアはシンと
一夜を共にする程の気概を見せる描写があった。
しかしいかなる理由と流れかあったのか定かではないが、ルナマリアは結局部屋で「シンの馬鹿……」と一人ごち、
シンが部屋を追い出されて途方に暮れてミレニアムの甲板に座り込んでため息をつくという
本当に面白いもとい察するに余りある描写があったからである。
多くの者がロマンティクスに生きている中で、一人だけ『男のロマン』に生きている主人公…。
というか『DESTINY』ではシンもルナマリアと抱き合ったりキスしたり順当に仲を育んでたのに、なんでそこから全く進展してないんだよ!?
……と思いきや、実はあの場面は
シンの方から手を出そうとしてムード作りを試みた結果あまりにもシンらしくない言葉選びになってしまい、
それをルナマリアに笑われて落ち込んでいた(一応ルナマリアもその気ではあった)というのが真相だったらしい。
これを見たらきっと親友は頭を抱えるし、別世界線での星の鼓動は愛な親友も多分絶句するし、
なんなら一番頭を抱えるのは後輩の鈍感さを苦笑していた別世界の自分とルナマリアの可能性すらある。
後半の展開は一見するとお祭り展開のように見えるが、ある意味でキラともアスランとも違う前作では隠れていたシン本来の『強さ』を発揮させた順当な結果である。
一度は遺伝子によって見いだされ、
デスティニープランに利用されていたシンがそれから解放され、
否定する側で戦った事で覚醒したその姿はキラやラクスの示した答えと同等以上にデスティニープランが誤りである事を示したと言える。
本編以外での扱い
どのメディアでも、シンの心情を補足する様なフォローが入っている。
また、映画の描写を前提とすると「DESTINYでのアスランとの戦いの描写がメンタルの状態」で変わってくる節が見受けられる。
基本的な扱いは変わっていないが、後半では要所要所でシンの心理描写が足されている。
レイがシンをデュランダルが望む様に誘導しつつ、友人として彼を望まぬ戦いへ導く事に苦悩するという心理描写も追加されている。
冒頭に記した命令違反についても、アニメにおけるインド洋の死闘にて、
基地建造の為に連合軍に強制徴用されていた現地住民が戦闘に紛れて逃亡しようとしたところを兵士が住民を銃撃する場面を見たシンが激怒し、
アスランの制止を無視して基地を破壊した時の描写に手を加えられている。
この時に連合の兵士の中には現地住民の強制徴用に後ろめたさを感じていたルーカ曹長という兵士がいたが、その基地の破壊に巻き込まれて死亡しており、
更に残った全ての建造物にビームを撃ち込むというアニメ以上に過激で問題行動だとより明示的な描写となっている。
最終決戦後、ボロボロになったインパルスでルナマリアと共にメサイアにいるレイを迎えに行き、彼の遺言を受け取るというシーンも追加された。
ファントムペインによるアーモリーワン襲撃及び連合との開戦前に行われていたインパルスのテスト運用中に取材にやって来た
ジェスと邂逅している。
また、アビスのテストパイロットで強奪されなければ同機の正式パイロットになる筈だった元海洋部隊所属のマーレ・ストロードには、
「本当はインパルスのテストパイロットになりたかった」という理由で一方的に嫌われている
子供かお前は。
後にマーレは格納庫に侵入したステラに撃たれ重傷を負うが、復帰後は念願叶って
デスティニーインパルスのテストパイロットを任されるものの、
それがデスティニーにフィードバックされている事を彼は知らなかった。
知らない方が幸いとも言えるが
ムウがシンとアスランを和解させる為に開いた飲み会で、「キラさんは、何か温かくて包容力のある凄い人っす」等と言うシンに対して、
「キラは基本何も考えてないからそう見える。お前は自分に都合の良い事を言う奴の話だけ聞く傾向がある」
「キラは努力は嫌いだが変なところで頑固で、特にラクスを困らせる奴には一切の容赦が無い」
と、アスランが過去の体験を基に愚痴混じりのアドバイスをする一幕も。
シンもシンで、折角自分から話題を振ったのにアスランに酒の席でいきなり説教された事が気に入らない様で、
「キラさんの事をそんなに理解してるのに
なんで2回も落とされたんすか?俺は1回勝ってますけどね」
「キラさんに容赦無く切り捨てられるって、セイバーみたいになるんすか?」
等と挑発し返す応酬が繰り広げられ、仲の悪い兄弟みたいな関係になっている。結局仲が悪いとは言ってはいけない。
もっとも、自身の苦しみを腕尽くでも止めてくれたアスランに真摯に礼を述べたが、
酒が入って酔っていたアスランが茶化す様な失言を連発してしまっており、シンが突っ掛かるのも止む無しだが。
ドラマCD特有のノリもあるかもしれないが、本編でもだいたいこんな感じだったので根本的に噛み合わせが悪いのだろう。
あるいは喧嘩するほど仲が良いというやつか。
各ゲームでの活躍
大半のゲームにてシナリオ・性能共に優遇されている。
キラ、アスランに比べて真面目な面が強調されており、原作に比べると歳相応、作品によってはそれよりも幼い性格に描写されている。
【GジェネレーションPortable】
DESTINY初出演作品。OPで
ゴッドガンダムと拳をぶつけ合う伝統はここから始まっている。
原作ストーリーを追っているため、ガルナハン基地攻略では分離したインパルスガンダムで渓谷の脇道を通り抜けるなど妙な拘りもある。
キラやアスランよりも扱いやすく、愛機のデスティニーガンダムもテンションが上昇すると武装が変更され強化するので相性も良い。
【GジェネレーションWARS】
低めのMPとアビリティの気合でテンションが上がり易く、楽にチート性能のSEEDが発動出来る。
正直キラやアスランより使い易く、固有アビリティ「怒れる瞳」による火力強化も心強い。
DESTINY枠のマスターセレクトでは主人公枠として登場。
【GジェネWORLD・OVER WORLD】
とあるステージで
次回作のラスボスの部下その1としてレイ(その2)と一緒に登場。
ムービーでは3機でキラを仕留めにかかっていたが、それでも攻撃一つマトモに当てる事ができなかった。
次回作でも、ワールドツアー最終面で
ラスボス勢と共に混じっている。
後述でのスパロボと扱いが逆転している。
【CROSS RAYS】
ユニットとしては、射撃・格闘・反応値が高めで初期ステータスはSEED時代のキラやアスランよりも上を行く。
更に序盤で手に入るため扱いやすく、育成していくと手に入るスキルは攻撃重視ではあるが、特殊防御の多い今作では頼りになるだろう。
本作品は原作準拠のストーリー展開のため、クレタ沖海戦までは主人公サイドで戦える。しかしベルリンでは第三勢力(敵側)となり、以後は敵ユニット登場になるため操作はできない。
しかし最終ステージでは、アスランとの戦闘前会話で漫画版(THE EDGE版)の掛け合いを声付きで見る事ができる。
トロフィー解放の条件にその会話を聞く事が前提のものがあるため、制作側も意図して盛り込んだものだと思われる。エピローグも一部変更がされている。
初参戦作品。
基本原作を準拠した展開であり、ユニットとして動かせるのは序盤と終盤だけである。
しかし原作通りに「やらかし」て敵対して、その末に手探りでキラと一緒に戦うその姿は『FREEDOM』において描かれたシンにもっとも近い描写でありシンをもっとも理解して描かれた作品とも言える。
起源にして頂点。
大器晩成型の成長パターンの為、序盤はそこまで強くない。
しかし、インパルスの優れた性能もあって扱い易く、デスティニーに乗り換える後半からは大暴れ。
デスティニーがスーパーロボットレベルの単体攻撃を持つだけでなく、
シンも強力な「魂」と今作から猛威をふるい始める底力を無効化する「直撃」という優秀な精神コマンドを習得するため、
スーパー勢に混じってボス狩りに参加する姿もよく見受けられる。
ランド編では共通ルートしか出番が無いが、
一番活躍する
セツコ編では、序盤こそ原作同様カガリに暴言をぶつけたり、増長した態度を取っているものの、
セツコとの出会いや
カミーユの叱咤を通して大きく成長。
原作では舞い上がっていたフリーダム撃墜時の様子が深く後悔している描写となっており、
ifルートでは本編とは違って自分なりに情勢等を考えた結果、ZAFTを離反する事を決意し、
自分に付いて来てくれたルナマリア達と共に自軍に参加するif展開に突入。
敵対する事になったレイを説得し、デュランダルに自分の考えをぶつける等、原作より主人公した事でプレイヤーからは賛否分かれたが「リアル系男主人公」と呼ばれる様になった。
なお、カミーユはシンの事を自分とよく似た人物だと言った上で、「きっと俺も少し間違えればシンのようになってしまう」とフォウに打ち明けており、
シンの存在が、本作においてカミーユが冷静に立ち回るためのストッパーとなっていた模様。
逆に原作ルートでは一時敵扱いとなり、シンのSEEDや底力、デスティニーのVPS装甲・分身が非常に厄介。人によってはステージ最強の敵と化す。
回避する為にはifルートに進む必要があり、一周目では複雑な手順を踏まなければならない。
しかしながら、それを達成した時の喜びはひとしお。シン好きなら是非頑張って頂きたい。
また、自軍に参加するifルートのみならず、敵対する原作ルートであってもセツコやカミーユ、勝平等多くの理解者に恵まれる。
それが強く出ているのは原作ルートの戦闘前の会話シーンで、ガンダムシリーズに限らず、多数の作品のキャラに会話パートがある。
クワトロに「将来、進むべき道を間違えたら止めてみせる」と約束するが…。
しかし原作に無い成長はスパロボの魅力とは言え、あまりにも短い期間で極端に別人のように精神的成長をしたことで彼の幼さを見ていた一部の原作ファンから「やりすぎ」と酷評する者も見られている。
年齢相応に精神的に幼くそう簡単に成長出来ない姿もシン・アスカの魅力であった。
後の映画において『答え』が示された。
再世篇のラブアタックイベントで、ルナマリアと恋人になっていた事が本人等の口から明かされた。
交友関係も、キラにラクスを慰める様に助言したりと、原作では考えられない程の良好な関係を築いている模様。
前作続投組という事もあって新規参戦組よりも出番は少ないが、
トレーズや
リボンズといった戦争を利用するタイプの版権ボスには怒りを爆発させる。
また、セツコ登場時にプレイヤーの気持ちを代弁して喜んでくれたり、ルナマリアやカミーユに尖っていた頃の事をからかわれる等のシーンもある。
キラとアスランと共にZAFT所属。部隊の隊長を務めている。
残念ながら今回は恋人のルナマリアは自軍に合流しないが、仲は前作と同じく良好な様子。
序盤で自軍に合流するも、とある理由でSEED能力が封印されている。同様の理由で中盤まではセツコの事を忘れていた。
オーブの危機には、たった一人で出撃しようとしていたがカミーユを初めとする仲間のサポートを受けて救援に駆け付ける。
今作でオーブへの想いに決着をつけ、カガリに嘗ての暴言を謝罪したり、
シャアの事で思い悩むカミーユを叱咤する等、精神的な成長が見られる。
シャアとの激突では、Z1で交わした約束を果たすべく立ち向かう。
カミーユが嘗て自分にしてくれた様に、思い悩む
バナージを良き先輩としてサポートしようともしている。
その甲斐あってかバナージとは仲が良いが、中断メッセージで悩むバナージにカミーユが聞いてみろと言う
頭の上で何かを割るコツは多分聞かれても教えられない。
自分と同じ「兄」の立場にある
カイエンを気にかける場面もある。
声も同じだし…
天獄篇では遂にセツコと再会。
ヒビキがセツコと一緒にいるのを見て嫉妬する場面もある。
尚、一度ルナマリアに正面から「セツコさんの事が好きなの?」と訊かれるシーンがあるが、シンの答えは「好きとかそういうものじゃなくて、心から感謝している恩人」というものだった。
フロンタルによりレイがプラント国防委員長に就任した時には動揺を隠せなかったが、真意を知る為に彼と再び向き合う事を決意する。
本編前半終了時までは敵として登場。
前半唯一のボスBGM持ちであり、歪んだ顔グラで清々しいまでの悪役ぶりを見せる。
自軍入りしてからは高い能力とデスティニーで活躍。敵の時には此方を悩ませてくれた、前作から更に強化されたSEEDと
バリア無効のアロンダイトで敵を薙払ってくれる。
フルウェポンコンビネーションでのトドメ演出で、家族の姿が映し出されるカットインは必見。
別名トラウマアタック
こちらも、条件次第ではステラとレイが生存する。
ミハエルにシスコン繋がりで磁偉具と共に説教する場面も。
今回はSEED勢はデュランダル議長&ミネルバ隊の視点で進み、
ミネルバはプレイヤー艦隊の3大メイン母艦の1つになるため、ミネルバ所属から異動しないシンもずっと自軍で味方。
「真説・種運命」とか「誰も不幸にならない魔改造種死」と言われるほど、シンも原作とかなり異なる半生を送る。
序盤は原作と同じ流れで話が展開されるものの、ベルリンでデストロイにステラが乗っていると気付いたシンが説得を始めたところで、
キラが「インパルスのパイロットにとって大切な人がデストロイに乗っている」と気付き、攻撃を止めてステラ救出に協力したことで、
原作ではここで哀しい最期を迎えたステラが、彼らの奮闘によって救出され、生き残るifルートに突入。
これにより、シンは協力してくれたキラに恩義を感じ、エンジェルダウン作戦の指令が下った時にも「俺はあの人と戦えるのか?」と迷いを覚えている。
そして、そのエンジェルダウン作戦も、第三勢力の横やりが入ったことで一時中断されることになるが、
共通の敵が現れたシンとキラは、当然の如く肩を並べて戦い、ミネルバもアークエンジェルとの共闘を選択する。
第三勢力を退けた後はエンジェルダウン作戦の再開となるが、マリューはアークエンジェルのエンジンを一つ切り離しての偽装撃沈を目論み、
一方のタリアもそれを察して、切り離されたエンジンのみを狙わせて爆発させ、「撃沈した」と報告したことで、
エンジェルダウン作戦は「完了」とされつつも、シンを含めた現場サイドには悪い後味を残す事が無かった。
その後、アスランがアークエンジェルに移籍する流れは同じだが、原作では「やむを得ず裏切る形で脱走」だったのに対し、
本作では上述の経緯でミネルバクルーからアークエンジェルへの敵意がほぼなくなった事に加え、
アスランにも猿渡ゴオなど頼れる先輩ができたことでアスランの迷いも無くなり、周囲と関係悪化するほどのものではなくなった事もあり、
アスランはタリアたちと相談した上で、シンをはじめとする近しいミネルバクルーから理解を得てFAITH権限による独自行動という形でアークエンジェルに移籍する。
当然、アスランへの追撃任務も発生せず、シンとアスランの関係悪化もなく、シン、キラ、アスランの三者の関係が最後まで良好という、原作とは別作品と化している。
シンのピンチにキラが駆け付けたり、逆にキラのピンチにシンが駆け付けて檄を飛ばしたりと、所謂ダブル主人公状態。
ダイダロス基地では、ジブリールにトドメを刺す役はレイではなくシン自身になっていたり、
理解者や指導者に恵まれ自分の意志をしっかり確立できていたためにデュランダル議長がデスティニープランを発表した際は真っ向から自分の言葉で反対し、
敵対したレイを「ラウ・ル・クルーゼ」ではなく「レイ・ザ・バレル」として、友人として説得するシーンは名シーンの一つ。
ちなみにステラと違ってレイは敵対したシナリオで条件を満たさないと死亡・離脱してしまうが、
条件はとても簡単な上に事前フラグも必要無く、その1マップだけでできる。それ以前のマップからのフラグ立ては一切無い。
しれっとトダカも生存してるのでシンにとっては一番幸せな世界かもしれない。
ただ、アスラン脱走の下りが消滅した影響で、シンのメンタルは原作よりも良い状態で進む一方、
原作と違ってルナマリアと恋人同士にはならず、「ミネルバを護る相棒」のような関係性に落ち着いている。健全っちゃ健全
尤も、デフォルトで生存するステラとルナマリアが含むところなく仲良くなれたのは、シンとルナマリアが恋人関係にないことも大きいと思われる他、
確かに恋人にはなっていないが、互いに異性としても気にはなっている、所謂「友人以上恋人未満」ではある様子。
ちなみに熱く説得して引き戻したレイは
自分とは違う「レイ」がいる作品の主人公と精神コマンド・ユニット共に相性が抜群で、そちらと組まされることが多い。
一方のシンも、
その作品にいる「アスカ」さんとの相性が(機体の特性を考えるなら)良好だが、
こちらはエヴァ弐号機がそんなに強くないこと、近接型ユニットにはケーブルが邪魔なこと、精神コマンドの相性はそんなでもない事からあまり組まされない。
デスティニーがぼっち運用でも強い特殊な性能をしているというのもあるが。
レギュラスαのやつめ…
一方、カットインは『K』と変わらず顔芸、どころか少し強化されている。しかし、今作ではこの演出でジブリールに引導を渡す為、熱いイベントと評価も高い。
ちなみにこの世界では
マクロスFが登場し、フロンティア船団の保護をザフトが行っている関係で、S.M.S勢や
ランカとの面識も早くから持つ。
というかランカがアイドルを志す前からの知り合いであり、なんとランカ・リーファンクラブの第一号はシンである。
(Zシリーズを除いて)初の『SEED DESTINY』終了後の参戦。
当初は空気参戦も危ぶまれたが、キャラクターデザインが同じ『
蒼穹のファフナー』組と絶妙にマッチし、『アスカさん』として独特の存在感を示した。
詳しくは
マークデスティニーのパイロットを参照。
なお、『SEED FREEDOM』の公開により、
実は竜宮島に派遣するのに一番適任なMSパイロットだった事が判明し、
おまけにあまりのキャラの違いから、
後輩達の指導のために意図的に兄貴分キャラを演じていた可能性が出てきた。
なお、実は
UXでも「デスティニーさえあれば」という趣旨の発言はしている。シチュエーションが全然違うので悪い顔は絶対にしてなかっただろうが。
しかし、『SEED FREEDOM』の展開をひっくるめて、ある意味一番株を上げてしまったのは、
メンタル回復済みと思われる上にSEEDを発現させたシンですらデスティニーを犠牲にせざるを得なかった読心Lv4持ちスフィンクス型かもしれないが。
なお、フルウェポンコンビネーションのカットインが大幅にカットされているが、今回のシンはトラウマを乗り越えてファフナー組の保護者ポジションとなっているので、
そういった設定から見ても、シンのトラウマを強調した演出はない方が自然と見る事もできる。
刹那、
ヒイロ、キラ、アスランと共にコロニー自治勢力が独自開発した新型ガンダムのパイロットとして登場。
インベーダーやミューカスといった人類共通の敵に立ち向かうべく、コネクト・フォースに出向してくる。
本作の世界観においてはプラントやオーブといったSEED世界の国家については語られておらず、確執も無い為、キラやアスランとは最初から普通の先輩後輩関係。
【スーパーロボット大戦Card Chronicle】
ソーシャルゲームという特殊な作品ではあるがスパロボ史上初めてSEEDとDESTINYのシナリオが一作で進行する為、
原作再現関連では序盤から自軍に参加しているキラ側が中心の描写が多く、合流はやや遅め。
但し、一度合流して以降はキッチリ見せ場も用意されている。
そして宇宙海賊バンカーの
洗脳からレイを開放し、共にクルーゼとの直接対決に挑む。
今回も原作終了後の参戦だが、キラとは確執が残ったままであり、SEED技能も最初は封印された状態となっている。
他の種勢含めて『
クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』組との絡みが非常に多く、アルゼナルの面々から「ザフトの青い稲妻」という異名で呼ばれていた。
特に
サリアとは劇中で辿った道程がほぼ同じな為か、彼女を諭す場面が多々見られている。
というか、
ボンボン版におけるアスランとシンの関係ほぼそのまま。
君は僕に似ている。
ある場面では
ヴィヴィアンがドラゴン化した際にはその正体に気付かず銃を向けようとする、ややブラックな中の人ネタもあったり…。
(※直前で正体に気付いた
刹那が止めに入ったので未遂で済んだ)
因みに世界観が異なる為か、カミーユとの絡みは殆ど無い。スパロボではよくある事だが。
『CC』同様、SEEDとDESTINYを一度に取り扱い、アークエンジェル隊が自軍部隊に居るため敵陣営として登場。
ただし、ゲーム中ではシン視点で描かれる戦闘も多く、設定上はまだ敵だがプレイアブルキャラとしては実装済み。
開始時点でアークエンジェル隊を仇として認知しているうえ、
多世界混成軍である自軍部隊ディバイン・ドゥアーズを「善良に振る舞っていようが、強すぎる力を持った危険な存在」と見做し、敵対的な感情を持っている。
ただし、シンに限らずこの世界が全体的にAA隊と自軍には似たような目を向けており、シンが極端な思想に染まっているわけではない。
むしろ原作に比べて理性的にものを考えた結果としてこうなっていると言え、過激な発言も控えめになっている。
シンを取り巻く大まかな経緯はそれほど変わらないが、ステラ死亡の件が、
「キラは最後までステラを助けるつもりで戦っていたが、暗躍を始めた敵組織ディスコード・ディフューザーの企みで『キラがステラを殺した』という風に“演出”される」というものとなり、
激怒したシンはその場でフリーダムを討ち、そこからディバイン・ドゥアーズへの敵対もより決定的になっていく……という、
流れ自体は原作と大差ないがオリジナル敵組織が根深く絡んだユニークな展開に突入している。
また、本作のオーブ戦は『
真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』のインベーダーが襲撃したという内容のため、ゲッターチームとも確執が生じるという意外な関係も生まれている。
おかげで「キラもアスランも真ゲッターも俺が倒す…!」という死亡フラグに片足突っ込んだような台詞も飛び出ており、結果としてシリアスな笑いが生まれている
初代EXVSではデスティニー、
EXVSFBからはインパルス搭乗Ver.で参戦。
デスティニーの方は漫画版などを含めたボイス収録となっているが他キャラとの掛け合いは少なく、
ルナマリアとタッグを組むか敵対すると動揺する台詞があるのと、アスラン相手で漫画版の台詞があるくらい。一方的なものであれば、レイやハイネなどがある。
一方のインパルスでは、キラ(フリーダム搭乗)やイザーク、カガリやステラなど同作品内の掛け合いが多めに用意されている。
キラとは気の合うコンビのような間柄で、イザークとは上官と部下を意識したような台詞になっている。ステラを撃破すると非常に悲愴の漂う声で別れを告げるので、かなり後味が悪いが……。
覚醒時のグラフィックはどちらも激怒しているかのような表情。
EXVS2ではそのグラフィックも一新されたが、むしろ凶暴さが増した。
実はEXVSロケテ初期段階ではリリースされておらず、ロケテ中のアップデートで追加された特殊な来歴を持つ。
運営もシンが主人公という立ち位置に拘りを持っていないのか、PVではキラが優先的に表示されている。
その他ゲーム
【ガンダム無双2】
そんなのはただの言葉じゃないか…誰がそんな事を決めたんだ!
失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守る事だけが正義なのかよ!
それを決めて良いのは、あんたじゃない!オレなんじゃないのか!
オレは決めたんだ! 過去を放ってはおかない! 決着をつけるんだ!
ストーリーでは、最終ステージで
ティターンズ&
ギンガナムとの最終決戦直後に割り込んで来たキラとアスラン両名相手に一人で互角に渡り合い、
二人の主張を自らの信念の籠った言葉で一蹴する姿を見せる。
因みに、ストーリーミッション中友好な関係を築くカミーユとロランとはスパロボZでも友好な関係を築いているという偶然の一致がある。
また、
東方不敗の説教を真面目に聞き、師匠もまたその姿勢を気に入る等、こちらでもかなり優遇されている。
ジェリド編ではルナマリアと共にザフトからティターンズに出向して来ており、一時的にジェリドの部下となる。
一時は対立するが、ジェリドがある行動を起こした時に駆け付けるという男の友情を描かれている。
【機動戦士ガンダムSEED 連合vsZ.A.F.T.】
無印の時は『ガンダムSEED』の方がメインだった為、家庭用でルナ、レイ、ステラ等と共にゲストキャラ扱いでインパルスのパイロットとして参戦。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vsZ.A.F.T.2』からは『DESTINY』メインの為、主役級の扱いである。まあタイトルバックはストフリなんですけどね!
家庭版ではデスティニーがタイトルバックに映るOPも収録され、更にプレイヤー自らがシンとなって各キャラクターと仲を深めながらストーリーを追体験する「PLUSモード」も実装された。
仲を深めるとキャラクターの絵が笑顔だったりリラックスした様なものに変化し、表示されるセリフも親愛に満ちたものになる為、「あのキャラの笑顔が見たい!」と奮闘したシン君も多い筈。
女性キャラはラクスやカガリ等、既に恋仲の相手がいるキャラクター以外は
フラグが立ったとしか思えないセリフになるので、全てのキャラの親愛度をMAXにするとハーレムにしか見えなくなる。
因みに、公式でシンの嫁となったルナマリアの最後のミッション(味方になるものをクリアすると親愛度が上がる)は
敵対するものである。…これ浮気って思われたんじゃね?
【GENERATION of C.E.】
「SEED DESTINY」放映中に発売されたゲーム。開発時期の影響か、パッケージはシンとインパルスガンダムが中心にいるという中々珍しいものになっている。
ストーリーはベルリンでの戦闘~エンジェルダウン作戦あたりまでが再現されており、その後はゲームオリジナルの展開になる。
このため、原作ではこの後キラが主人公の立ち位置になっていくが、こちらでは終始シンを主人公として話が展開していく。
とはいえ以後のストーリーはモノローグやシン以外のキャラの説明で進むため、彼自身は
感情的に敵を薙ぎ払うだけの舞台装置と化している。
曲がりなりにも心情を理解できたTVアニメ版とは違い、ほぼ台詞が無い一兵士レベルの扱いなのでむしろ待遇は悪くなっているような……。
主なセリフ
●アニメ
「いくら花が咲いても……人はまた吹き飛ばす」
「何でこんな事を……また戦争がしたいのか、アンタ達は!」
「流石キレイ事はアスハのお家芸だな!」
「守るって……言ったのに……俺、守るって言ったのに……!ステラ……ごめん……!」
「アンタは俺が討つんだ! 今日、ここで!」
「何を……何を言ってるんだアンタは!何も分かってない癖に!裏切り者の癖に!!」
「逃がさないと言ったろ!!」
●コミック&ゲーム
「あんたが正しいっていうのなら!俺に勝ってみせろっ!!」
「これが…デスティニーの力だ!」
「失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守る事だけが正義なのかよ!それを決めるのはあんたじゃない!オレなんじゃないのか!」
「オレは決めたんだ!過去を放ってはおかない……決着を付けるんだ!」
「あんたが一番訳分かんないんだ!ふらっと現れて……戦いを始めて!」
「違う!それは…」
「違うと思ってるのはあんただけなんだよ!……でも、あんたの言い分はそれなんだ」
「あんたは、大切なものを守る為に戦う……それで良いんだ……でも、だからって、オレも戦わない訳にはいかないんだ!」
「ほんと凄いよ、シン!やっぱりシンは、スーパーエースね!」
「止めてくれよ…ルナ……もうエースの力は良いんだ、必要無い……」
「スーパーエースなんてもう捨てて良い過去だって……決めたんだ、俺自身で」
「一人で立てます」
「運命を斬り拓く!その為には!」
「俺がお前を止める!お前は俺の友達だから!そして、お前ともう一度話をする! 今迄の事……これからの事を!」
「生きている限り、明日はやって来るさ……」
「俺だって!!守りたかったさ、俺の力で全てを! だけど…俺が撃ってるのは敵じゃないって、撃つのは奪う事だって…力で解決出来る事なんて何も無いって!! アンタが俺に言い続けてきたんじゃないか!」
「俺にとってお前はラウ・ル・クルーゼなんかじゃない!レイ・ザ・バレル……俺の、友達だ!」
●SEED FREEDOM
「くそっ…出る幕ないじゃん」
「あいつら、こんなこといつまで続けるんすか?最初っから帰還を想定しない作戦なんて、パイロットも機体ももちませんよ!」
「やめろアスラン!隊長を…!」
「デスティニー…!」
「いや…これさえあればあんなヤツらなんかに!」
「舐めるなぁーっ!!」
「こないだはジャスティスだったから負けたんだ!デスティニーならお前らなんかに!」
「そんな寝ぼけた分身が、通用するかぁー!」
「分身は!こうやるんだぁぁぁーっ!!」
●CM等
「なんで議長まで、チェックしてるんだーー!!」
(フレッツ光コラボCM)
余談
鈴村健一氏は、劇場版公開に際して『
機動戦士ガンダムSEED』のオーディションにも受けていたが落ちていた旨を明らかにしている。
何でこんな事を……また荒らしがしたいのか、アンタ達は!!
- 劇場版終了後にコンパスが活動再開したらシンは何に乗るのか気になるな。またイモジャに乗るんだろうか? -- (名無しさん) 2024-08-10 11:22:39
- ↑制式化も視野に入れてるらしいライフリやイモジャがベースの機体にはなりそうだけど、戦闘中の音声ログを聞いた開発部が気を回して外装だけはデスティニーに寄せた機体とか宛がわれてたらいいな。アセべのカードとか見てるとミレニアムのクルーにもやたら好かれてるみたいだし、それくらいやってもらえそうと思えるだけの人望はある -- (名無しさん) 2024-09-29 03:58:15
- 彼がコンパスにいるのって超法規的措置らのでは? -- (名無しさん) 2024-09-29 07:41:09
- ファウンデーション王国の連中に、シンと友誼を結んだジェスにも手を上げられていたとはな… -- (名無しさん) 2024-10-15 11:05:42
- FREEDOMでシンがやってる事って思考と行動の同一化だから、格闘漫画で言うところの達人の域なんだよね。訓練された特殊部隊員とかもそう、自動で体が動いてくれるくらいの際立った戦士。 -- (名無しさん) 2024-11-07 09:02:41
- ガチでデスティニープラン主義支持者に刺されないか心配 -- (名無しさん) 2024-11-08 10:32:22
- 「デスティニーの頃のシンの事情も考慮するならこちらが本来の素でも不自然ではない」ってあるけど、デスティニー本編でも最序盤の日常シーンでは割とあんな感じだったような気がする -- (名無しさん) 2024-11-08 11:13:48
- 全ての観客はシンが噛ませに~は -- (名無しさん) 2024-11-10 13:51:00
- ↑途中送信失礼しました。全ての観客はシンが噛ませに~は大袈裟では、「そうだ!ここから反撃開始だ!」って感想の人も結構いるし -- (名無しさん) 2024-11-10 13:57:13
- スパコ(キラ)でもない、高級コーディネートされた(アスラン)人間でもない、突如としてあの世界生まれたバグみたいなやーつ -- (名無しさん) 2024-11-26 17:16:02
- 人道的な理由から軍の命令を無視して民間人助けたら増長と言われ、何も考えず脳死でキラに従って軍規違反の海賊やってるフリーダムのシンはボロクソに貶される。いくらなんでも矛盾しすぎでしょ -- (名無しさん) 2024-11-30 15:00:29
- 昔はシンが辛い状態で敗北したのは不満だったけど、シンはデスティニーに乗ると分身する怪現象が起きるみたいな説明文がHGCEデスティニーspecⅡの解説書にあったし、オカルトぶりがとんでもないシンがメンタル絶不調じゃなかったらアスランが負けてたかもしれないからあれで良かったんだなと納得できたな。議長の慧眼ぶりと人の心を軽視して勝てる戦いも負けてしまったのも再確認できたし -- (名無しさん) 2024-12-06 08:20:43
- 意外と戦いの指示は的確だし、本能だけで戦っているようで戦略的だから上手い事成長すれば指揮官としての才能も有るかもしれない -- (名無しさん) 2024-12-13 00:01:42
- ↑3 映画どころか本編もまともに観てないのが一目でわかるコメントですわ・・ -- (名無しさん) 2024-12-19 11:55:22
- 分身はあれだ、イザークに教わったんだよたぶん -- (名無しさん) 2025-01-21 12:15:02
- ↑草 -- (名無しさん) 2025-01-26 12:22:50
- スパロボDDでアズラエルがシンをヘッドハンティングしようとしてたけど、何気に「利用価値があればコーディネーターでも雇う」というアズラエルの裏設定が取り入れられてる感じだよね -- (名無しさん) 2025-02-06 10:17:21
- HGCEの説明書には「DUPE粒子」によるものと明記されてて怪現象が起きるなんて書いてないけど、どこ情報だよ。 -- (名無しさん) 2025-02-23 04:18:33
- シンの闇が深いと言うよりアコード四人衆の人生経験が浅過ぎたんじゃないかって気もしないでもないね…w -- (名無しさん) 2025-02-26 14:27:01
- HGCEがHAGEに見えた。誰が禿やねん -- (名無しさん) 2025-03-28 15:10:32
- ↑6 またスパロボに出るならドモンと絡んで欲しいかも -- (名無しさん) 2025-04-02 15:14:55
- ドモンとこいつが絡んだらえらいことになりそうだな -- (名無しさん) 2025-04-02 23:56:54
- ↑&↑×2 今回分身技までいかない気もするけどYで共演決定だぜ! -- (名無しさん) 2025-04-21 15:06:20
- シンは馬鹿どころか本来はデュランダル政権の「戦争犯罪」で裁かれてもおかしくないところ、新しい政府でもパイロットと化して出世までするとんでもない保身スキルを発揮する意外な才人だったりする -- (名無しさん) 2025-04-21 16:17:10
- その辺の話をうやむやにしてなかったことにするのはザフトのお家芸だからな…まぁ真面目な話するなら上官命令に従っただけの軍人を戦争犯罪者とするのは厳しいんじゃねぇかな?民間人の虐殺等に直接実行したということも特にないし… -- (名無しさん) 2025-04-21 21:05:54
- ↑まあ「」がついてるのでわかると思うけど、何か国際法違反をしたとかではなくスケープゴート的なアレだろうから。実際に100%シンたちは悪くないにせよ、デュランダルと支持者たちが支援した独立運動のせいでユーラシア連邦はソ連崩壊以来の戦国時代になってるわけだし… -- (名無しさん) 2025-04-21 21:21:14
- プラントでの処理に関しては死人に口なしでデュランダルに全部押し付けてミネルバ隊やその他ザフト部隊はお咎めなしだと思うけどね。 -- (名無しさん) 2025-04-21 23:39:00
- 総文字数が30000字を超えたので、コメントログのリネームを提案します。 -- (名無しさん) 2025-04-22 14:51:19
- ↑↑デュランダルってデスティニープラン関係者とか身内を要職につけなかったからな -- (名無しさん) 2025-04-22 17:58:38
- あんたって人はーーー!!w -- (名無しさん) 2025-04-23 16:53:04
最終更新:2025年03月27日 23:42