榎本梓

登録日:2016/11/08 Tue 20:00:30
更新日:2025/02/10 Mon 15:32:38
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榎本梓とは『名探偵コナン』に登場するサブキャラクター。

CV:榎本充希子

□目次

【概要】


毛利探偵事務所の1階にある「喫茶ポアロ」の店員。ウェイトレスを担当。
おでこを出した黒の(アニメでは茶髪)のセミロングヘアーがトレードマーク。タレ目。
年齢は23歳(アニメ526話より)。
明るく元気でやや天然な看板娘。
自宅はマンションで一人暮らしの様子。

家族構成は神奈川県の証券会社に勤める5つ上の兄・杉人がいる以外不明。
杉人は少々シスコン気味で、彼からはよく出張先の変なお土産や写メを送られている。

猫の大尉がポアロに来るようになってからはよくエサをあげており、後に彼女の家の飼い猫になっている。一度は元の飼い主が雑誌の大尉を見てポアロに引き取りに来たが、ある事件を経て再び彼女が飼い主となった。

ポアロを取材したグルメ雑誌には「美人店員の梓さん」として大尉と一緒の写真が掲載され浮かれるも、江戸川コナンを始め少年探偵団には「梓さんは写真うつりがいい」「こういうのは多少大げさに書くもんだしね」と言われた。

彼女もアニメオリジナルキャラクターとしての登場を経て原作にも登場するようになった。
本作の登場人物の中でも特に容姿の変化が多いキャラクターでもある。
原作では438話から名前付きで登場し、553話からはデザインがマイナーチェンジされている(アニメ化した464話では変化なし)。

名字は原作で付けられたもので、声を担当する榎本充希子が由来。
榎本氏はアニメ初期の頃やOVA『青山剛昌短編集』でモブキャラクターを多く演じていた。

オープニングにも何度か登場しており、23番目の「一秒ごとに Love for you」では「期間限定出張ポアロ」の店員としてソフトクリーム等を販売していた。
このOPはテレビアニメのキャラクターデザイン全体が再変更された505話から使用され、梓のデザインは原作553話以降の容姿になっている。


【主な登場回】


◆初登場

Cパートで初登場。髪型は後ろをリボンで留めたポニーテール
名前は出ておらず実質的にモブキャラだが、声はこの時から同じ(病院の受付係と兼役)。

同じくアニオリの207話『見事すぎた名推理』では目撃者として登場。
髪型は左右をヘアピンで留めたセミショート。
この話の中で名前が明かされ、エンディングでは「梓」とクレジットされている。

2番目の容姿で、同じく「梓」とクレジット。
原作ではこの話の時点でまだ名前は出ていないが、デザインは下記の3番目に近い容姿で描かれている。


◆漫画本編

  • 原作438-440話(アニメ350-351話『忘れられた携帯電話』)
ついに本格的に登場。デザインはお馴染みの容姿。
収録された43巻の裏表紙の鍵穴にも描かれている(こちらはマイナーチェンジ後に近い)。
小五郎に忘れ物の携帯電話の持ち主を探してほしいと依頼するが、このことが大きな事件へと発展していくことになる。
彼女が思いついた推理も事件の真相に繋がるきっかけとなっている。
ちなみにアニメではマスター(声:金丸淳一)も登場している。後の原作で臨時マスターと判明。

  • 原作523-524話(アニメ438話『お魚メールの追跡』)
再び携帯電話の相談をしている。
そのため小五郎とコナンは先述の事件を思い出して少し怯んでいた。
この話に登場した長部満くんのお母さんは梓と顔立ちが似ている。

  • 原作594話「逃亡者」(アニメ特別編『逃亡者・毛利小五郎』『謹賀新年 毛利小五郎』)
小五郎に自分の居場所を伏せるよう頼まれたが、うっかり口を滑らせている。
アニメ版ではオリジナルシーンが多くあったのでその分出番が増えている。
2014年に制作(2015年にテレビ放送)されたため、デザインは現在の原作に合わせた容姿になっている。

  • 原作641-642話(アニメ526話『真犯人からの届け物』)
初のメイン回。新たに家族や住まいの設定が明かされた。
アニメ本編ではこの話からデザインがマイナーチェンジされた容姿になっている。
殺人事件の容疑者となってしまった兄の杉人が無実であることを証明するために奔走する。
真犯人の策略で兄と共に命の危機に瀕するも、コナン達の活躍により事なきを得る。
意外と策士な面も見せており、買い物先で恥ずかしがる表情を演じて高木刑事を撒く大胆な行動に出ている。

  • 原作954-957話(アニメ866-867話『裏切りのステージ』)
安室透と共にコナン達の前に姿を見せる。
しかし実際はベルモットの変装で、梓本人とは食い違う不自然な言動をしたことでコナンから正体を見抜かれる。安室への牽制のため急拵えの変装で、そもそも安室とコナンには正体を隠す気が無かった模様。
しかし、蘭にもとある言葉が原因で梓ではないことを悟られる。
90巻の裏表紙にも描かれているが、前回と異なり変装したベルモットであるため非常に悪い顔*1
その後958話の冒頭にて本人に事件当日のことを確認している。

  • 原作1076-1078話(アニメ1105-1106話『キッドvs安室 王妃の前髪(クイーンズ・バング)』)
近頃「令和魔術師(ウィザード)」として名を馳せている怪盗キッドが狙っている展示物があるという「ロバノフ王朝の秘宝展」の待機列に安室と並んでいた(ポアロがエアコン修理のため臨時休業で、マスターから秘宝展のチケットを渡されたため)。そこでたまたま同じ展示を見に来ていた平成のホームズコナン・蘭・園子と遭遇。
安室絡みで炎上することを恐れている梓は眼鏡をかけて変装しており、念のためコナン達にもデートではない旨を説明するも、恋バナ好きの女子高生である園子と蘭からは却って勘違いされてしまいそうになる。そこで梓はとっさに安室はコナンと来て自分は蘭達と来たように装うことを提案。
安室の存在に気付いた列に並んでいた女性たちが色めき立つ様子に警戒心を強めるも、当の安室からは気にしすぎであると苦笑いされてしまい、「(公安なのに目立ちすぎ)」と呆れるコナンと共にジト目に。
後に安室に呼び出された風見も合流し、ゼロティトリオの3人が今回のエピソードのキッド候補となる。
アニメ版では、キッドの仕込みで白塗料が噴射された際、安室に手を繋がれて展示品の部屋を後にした。その際に手に塗料がついた模様。
このエピソードでは、鈴木園子が店で話題にしていたことがきっかけで怪盗キッドの大ファンになっており、ブログのハンドルネームを「月下の給仕人」にしていたり、常連客の警察に頼んで現場に入れてもらったりしたほどと判明。
キッドファンが高じてキッドの予告状を無断で撮影しようとするも、公安警察の風見に咎められ渋々諦める。(梓が立ち去った後に風見がキッドの変装であったと判明する)

  • 原作1100-1102話(アニメ1150-1151話『怪盗キッドと王冠マジック』)
怪盗キッドが、錦座の鈴木ビルにある世界最大級のトルマリンが埋め込まれた王冠『海の魔女の(セイレーン)水飛沫(スプラッシュ)』を狙う際、梓が安室と共に王冠警備のメンバーへのサンドイッチのデリバリーをしに鈴木ビルへ。
安室が先に帰った後、梓は現場でキッドの仕込みで飛び散ったケチャップを吹いていたので帰りが遅くなったが、安室がケチャップが飛び散った謎を推理したので、「トリックを見破ったらキッド様に誉めてもらえるかも」とその推理を伝えるためとポット回収のために鈴木ビルへ再び行く。
だが、昇っていったエレベーターにてちょうど逃げてきたキッド&追ってきたコナンと鉢合わせ。梓も突然の事態に呆気に取られる中キッドがいつもの煙幕に乗じてすぐさま梓に変装し、なんとかエレベーターに乗り込んだコナンも二人の梓のどっちがキッドが見抜けず戸惑う。
偶々梓の落としたスマホが安室と通話中だったので、コナンは安室に梓の見分け方を聞く。すると安室はスマホをスピーカーにするよう指示し、「好きです!梓さん!!」と言った。
「ウソー♡」と照れて頬を赤らめ喜ぶ梓と、「はぁ?」と眉間にシワを寄せ顰めっ面をする梓。
「怪訝な顔をされた方が本人です」と爽やかな笑顔で言い残しプツッと電話を切る安室。安室との炎上を心底迷惑がっている梓の心理を逆手に取って梓本人を炙り出したのである。
あっさりと正体を見抜かれたキッドだったが、王冠は目当てのものでは無かったので、梓に王冠をかぶせてエレベーターの天井から逃亡していった。

  • 原作1126-1128話
ポアロでティータイムを楽しむコナン・園子真純達。
園子が話題に出した逮捕された猟奇殺人犯の顔や、ポアロのビーフシチューについて因縁をつけてきた客の顔について梓は「どこかで見たような見なかったような…」といい、安室から「そのギャグ流行らせようとしてます?」とツッコミを受けつつ談笑していた。そんな二人を目つきの悪い男客が見ていたが…?
近頃の梓は女の子が大きな鎌で殺人鬼や魔物を斬りまくり血がドバドバ出る「スプラッタタァ2」というゲームにはまっているとのこと。
ハーブ入りの塩がポアロでもいつもの買い出し先の店でも品切れになっており、その塩がある別の店を知るコナンと共に買い出しに行った梓だったが、帰り道に誘拐されてしまう。
安室と真純が誘拐犯の動機と所在を手がかりから導き出し、コナンの活躍もあって無事助かった梓。
そして以前ポアロに来ていた目つきの悪い男客の一人は、金丸嶺太(かなまるれいた)(38歳)と事件解決後に判明。彼はポアロのマスターがケガで入院していたときの臨時マスターであり、梓とも旧知の仲であった(アニメ版350話「忘れられた携帯電話(前編)」で登場していた(声:金丸淳一))。
つまりポアロのマスターの姿は再び謎に包まれた。
金丸は「梓ちゃんが新入りのイケメン店員と付き合っているって聞いて、本当に相応しい男かどうかを見極めに来てた」とのことで、金丸の目つきが悪かったのは安室と梓を観察していたためだった様子。
梓と安室は声をそろえて「付き合ってませんよ!!」というのだった。


◆映画作品

映画初登場。
先述のいくつかの事件で高木刑事たちと面識があったが、今回はここで初対面となっている。
観客に改めて紹介するためか、時系列が前後しているのか、パラレル(後日談はテレビで放送している)かは不明。

ポアロにおける会話シーンで登場し、安室透の無断欠勤を伝えた。
余談だが、ちょうど本作と同時期の原作954-957話にて(彼女本人ではないが)事件に関わっている。
サンドイッチ回ことプレストーリーの813話「安室に忍びよる影」にも登場。現在の容姿でのアニオリ出演はほぼ初めて。

安室と共に某会員制倉庫型店でポアロの買い出しにて登場。
安室の何気ない一言に対し、自身が彼に言い寄っているとポアロに通う安室ファンのJK達から勘違いされSNSで炎上したことを語り、いつ、どこで誰が見てるかわからないとコミカルな動作で周囲を警戒する(盗聴器を使った情報戦を繰り広げる今作のコナンと安室を暗に指したセリフと思われる)。
プレストーリーの898話「ケーキが溶けた!」にも登場。探偵団らから安室特製のケーキを駄目にした犯人では?とあらぬ疑いをかけられる。

映画本編には出演しない。プレストーリーの1039話「空飛ぶハロウィンカボチャ」に登場。安室のドタキャンで仕事を押し付けられる不満をコナンに漏らし、「いっそ首輪でもつけてお店でしっかり管理してほしい」と発言。(映画内で安室が首輪爆弾を取り付けられることを踏まえて入れられたネタであると考えられる)
なお、神妙な面持ちで「安室さんってさ…」と何かを尋ねようとしていたが、常連の客たちが事件の話で駆け込んできたことで中断され、その内容が最後まで明かされることはなかった。


◆スピンオフ作品『ゼロの日常

主人公の“安室透”の潜入先である、喫茶店ポアロの同僚として登場。
買い出しや近所との付き合いなどで共に行動することも時々ある。相変わらずポアロ店長は登場しない。

妃法律事務所の秘書である栗山緑はポアロのハムサンドを好む常連客であり、18話の扉絵で梓と一緒にショッピングに出かける様子や、25話の作中で2人でラーメンを食べに行く様子が描かれたりなど、かなり親密な関係である様子。
緑によると、法曹界ではポアロのハムサンドが「強きにハムかう弱者の味方」ということで縁起がいいと人気になっており、ポアロにパーティー用の料理をお願いすることも。

最終話となるTIME.60(6巻TIME.10)では、安室が裏の仕事でいなくなってしまいしばらく梓が中心となってポアロを切り盛りする。
彼が帰ってきた時には涙を浮かべていた。梓曰く「カレーを作るイメトレで目がしみた」。

単行本では原作者によるネーム修正も描かれている。
上記の最終話のやり取りも青山氏起案であることがここで明かされている。



追記・修正は、ポアロのメニュー表を見ずにきっかり3000円のオーダーをしてからお願いします。

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最終更新:2025年02月10日 15:32

*1 ちなみに、ベルモットはこれ以前に25巻でクリス、35巻でシャロンとして2回登場しているので、鍵穴キャラになるのは3回目