名探偵コナン ゼロの日常

登録日:2018/10/28 (日) 10:22:33
更新日:2023/12/29 Fri 00:17:22
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まだ、誰も知らない、

3つの顔を持つ男の日常―――

『名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)』とは、人気推理漫画『名探偵コナン』のスピンオフ漫画の1つ。『コナン』本編と同じく『週刊少年サンデー』にて連載されていた。既刊5巻。2018年24号から連載され、2022年をもって「第一部完」となった。
原作及び原案協力は青山剛昌原作者完全監修の作品となっており、作画は漫画版『ダレン・シャン』の新井隆広が担当。
また、2019年から2020年には同作者による『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』を連載していた為、一時休載していた時期もあった。

2022年の春にアニメ化され、Netflixで配信された。『コナン』と同じくトムス・エンタテイメントでの制作で15分枠での放送となる。
監督は小坂知、シリーズ構成に中村能子、キャラクターデザインは吉見京子が担当。
監督やキャラデザや音響など、スタッフには『コナン』本編で参加している者が多数起用されている。
なお、冒頭では「この作品は『名探偵コナン』とよく似たパラレルな世界です。『名探偵コナン』とはまた違う安室透の日常をお楽しみください!」と注釈が入れられている。

『警察学校編 Wild Police Story』は、2021年12月から2023年3月まで「コナン」の通常放送枠で不定期に全5話が放送され、タイトルも通常の『名探偵コナン』から『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』となったが、話数はコナン本編に含まれている*1
また、オープニングでの原作者クレジットも青山氏だけでなく、作画担当である新井氏の名前も表記されている*2


●目次


概要

公安警察、私立探偵、組織の一員の3つの顔(トリプルフェイス)を持つ男・安室透を主人公とした漫画。
『コナン』のスピンオフ漫画としては『特別編』、『犯人の犯沢さん』に続く3作目に当たる。
3つの顔を使い分け組織に潜入している安室が、本編の裏でどのような生活を送っているか?をテーマに、「名探偵コナン」とよく似たパラレルワールドが描かれている。
安室以外には彼の右腕的存在の公安警察の風見裕也、喫茶ポアロの榎本梓などの本編ではあまり出番のないサブキャラクターたちがレギュラーキャラとして登場しているのが特徴的で、彼らの様々な側面を見ることができる作品である。
また青山先生の代表作である『YAIBA』のキャラクターも少しだけゲスト出演しているので探してみるのもいいかもしれない。


本作第1話が掲載された『サンデー』は、発売した直後に売り切れ店が続出。反響を受け、編集部がアプリ「サンデーうぇぶり」内で3日間限定で最新号を無料公開するという措置を取る事態となった。
また第1巻も発売直後に売り切れが続出し、発売して僅か3日で重版がされる展開になった。
更には第2巻も注目エピソードが掲載された原作第95巻と共に緊急重版決定となっている。
ちなみにコミックスカバーに毎回仕掛けがなされている。

単行本や公式Twitterでは青山先生の監修の様子の一部が載せられており、台詞、構図、顔や髪や目など非常に細かく修正やアドバイスをしているのが確認できる。
2巻からは青山先生自らプロットを担当することが多くなっている。

タイトルの由来は『けいおん!』に登場するバンド「放課後ティータイム」からとのこと。


登場人物

主人公

本作の主人公。29歳。
警察庁警備局警備企画課の捜査官・降谷零、喫茶ポアロでアルバイトをしている私立探偵・安室透、黒の組織の一員で情報収集能力に長けた「探り屋」・バーボンの、3つの顔【トリプルフェイス】を持つ男。
公安警察として「恋人」たる日本を守るべく、普段は潜入先の喫茶ポアロで働きつつ、探偵見習いとして小五郎の弟子を務める。一方、黒の組織に潜入し、闇の世界を探ることも……過去の因縁から、赤井に強い恨みを抱いており、彼の事を忘れられたらといつも思っている。

その一方で相変わらずの完璧超人っぷりや生来の優しさを見せており、同僚の梓とポアロを切り盛りする他、年上の部下である風見との確かな信頼関係が描かれたり、野良犬に懐かれ「ハロ」と名付けて飼い犬にする一面も。
米花町での日常だが、ひったくり・火事・ストーカー・暴れ馬など、よく事件に遭遇する。

ベルモットにも重用されているようだが、
  • 2話では、彼女と高級レストランで仕事の話をしつつも、実は意識はフランベに向いており、帰宅後に日本酒でフランベ*3を嬉々として試す(そして作りすぎる
  • 7話では、まるで映画のワンシーンのごとく入浴しながら酒をたしなんでいたベルモットが安室との電話で「最近なかなか眠れない」と世間話をしたところ、安室は(彼女が酒を飲んでいるとは知らず)「入浴後すぐにベッドに入ると深部体温が高く深い眠りを得られない」「携帯やPCのブルーライトは覚醒を促すので論外」「寝酒は睡眠に入りやすくなるが眠りを浅くしてしまう」「カフェインがなく疲労回復・リラックス効果がみこめる梅昆布茶がおすすめ」と色々親切なアドバイスをする
など、マイペースかつ知識の豊富な所を見せている。

本作では『コナン』本編では謎に包まれた彼の日常風景が幾つか判明している。
「MAISON MOKUBA*4」というマンションで1人暮らしをしている。
河原でトレーニングをしていた際に野良犬と出会い、最初は「飼う事はできない」と拒否するものの、行く先々で傷つきながらも懸命についてくるその姿に根負けし、「安室ハロ」と名づけて飼う事にした。幼少期の自分の姿とダブるものを感じたらしい描写がある。
青山先生の茶目っ気からセロリが好物と設定されており、ベランダ菜園で栽培している光景が描かれている。
カレーを食べている最中は「カレーに失礼」だからと水を飲まないポリシーがある。この食べ方は青山先生と同じらしい。
また子供の頃にスコッチこと諸伏景光と釣りをしていた回想シーンがある。

レギュラー

警視庁公安部所属の警部補。
安室の右腕と言える存在で、仕事では安室の事を本名の「降谷さん」と呼び彼の補佐にあたる。
本作では掴みどころのない安室に振り回されがちな苦労人らしい描写が多くなっており、今時の若者らしい部分も多々描かれているなど、他の媒体とはまた違った風見の一面が楽しめる。
酒癖が結構悪く、酔った際には「自分だって頑張ってついていこうと努力している」とつい愚痴を漏らしていた。

またソーシャルゲーム「怪物コレクション」にはまっており、プレイしている時には普段は見せないような満面の笑みを浮かべる。
「ユーヤ」の名前でゲームをプレイしており、イベントでは「REI」というプレイヤーと一緒になる事が多い。
なお、風見はこのプレイヤーの正体を安室(REI=降谷零)だと思い込んでいるが実は……。
4巻では原作のとあるエピソードが彼目線で描かれている。

喫茶ポアロの店員(ウェイトレス)。お店の看板娘で、安室の先輩。23歳。
マスター直伝の食材に関するうんちくをよく安室に語って聞かせている。彼女が作るカラスミパスタは常連の刑事たちに好評らしい。
推理力もそこそこあり、どのレジが一番早いかを位置や店員等から見極めてみせ安室に褒められている。
安室が三足の草鞋(アルバイト、小五郎の弟子、探偵業)を履いているため、大変ではないかと心配している。
兄の杉人が容疑者となった事件で怖い思いをしてからは、護身術について調べるなどしている模様。

  • 安室ハロ
安室が飼っている元野良犬。
堤無津川の河原にいた時に安室と出会い、それ以来彼の行く先々に現れるようになる。根気よく着いて行った結果、晴れて安室の飼い犬となった。
登場以降回を重ねるごとに作画が可愛らしく変化していっており、本作のマスコットキャラクター的存在と目されている。
音符の「ド(=ハ)」「シ(=ロ)」に反応する事から「ハロ」と名づけられた。
名前の元ネタは、『機動戦士ガンダム』シリーズのマスコット「ハロ」から。アニメでは潘めぐみ*5が声を担当した。
『犯人の犯沢さん』にも本作とほぼ同じデザインで登場し、犯沢さんの飼い犬であるポメ太郎とヨーコの飼い犬であるトイプードルのショコラとは仲良しである。

妃法律事務所で、所長の英理を献身的にサポートする優秀な秘書。
梓と仲が良いようで、扉絵で2人でショッピングをしている様子が描かれた事がある。
緑の話によると、ポアロのハムサンドが「強気に“ハム”かう弱者の味方」という事で法曹界で話題になっているらしい。
パーティーの集合時間に遅れかけた際、安室に車で送ってもらった事があるが、その際の彼の運転が時間に間に合わせるためとはいえ劇場版のアクションシーン並みに荒っぽかったので、それ以来彼の車に乗る事を遠慮している。
本人は知らないが、ストーカー被害に遭った時、安室に助けられた。
彼女自身は梓から掌底を教わっていたので宝の持ち腐れとなってしまったが。

準レギュラー

強面で体格の良いFBI捜査官。
「名探偵コナン」本編におけるメインキャラクターだが、青山先生から許可を得て特例で準レギュラーキャラとして本作に登場。
安室と初めて会った時以来、彼を警戒している。
たまたま入ったポアロで安室と出くわし「痛恨の極み」と後悔、色々と嫌味を言われながらもコーヒーとハムサンドの味には感心した。
追い出されるようにして店を出て行くが嫌みの中に気遣いがあったことを見抜き、安室に対し少しだけ感謝の念を抱く。
その後もたまに登場。相変わらず嫌われているが、張り合うところも多く、オフの日は敵というよりもライバルのような関係になっている。
キャメル役の梁田清之氏は2022年11月に死去した為、本作のアニメ版は梁田氏が演じるキャメルの最後の作品となった*6

小五郎から美味しいサンドイッチがあると紹介してもらい、忍者をモチーフにした超人気スポーツ番組である『HANZO』(名前の元ネタは『SASUKE』)の収録がある時に出前を頼んだ。
なお、ヨーコは番組のコメンテーターを務めており、完全制覇者にトロフィーを渡す役割も担当している。
まだ完全制覇者は現れていないが、楽屋泥棒だった番組スタッフを追いかけていた安室が人知れず完全制覇を達成した。

帝丹小学校1年B組担任。
パン作りの講師として、安室と梓を帝丹小学校に招いている。
原作では『牧場に堕ちた火種』が安室と初対面だが、本作はその後日談の可能性もある。

  • 東尾マリア
  • 坂本たくま
コナン達のクラスメイト。
パン作りの帰りに学校の倉庫に寄って、たくまがエプロンを貸してくれたお礼に、双六が好きなマリアに12面サイコロをプレゼントしたが地震で倉庫に閉じ込められてしまう。
そこで、2人のあとを追って倉庫にいた安室がサバイバル教室として2人に様々な事を教えていた。

千葉&苗子と幼馴染みの家政婦。
事件の度に契約が打ち切られてしまい、仕事が長続きしない事を安室に相談している。

  • 福井柚嬉
小五郎はBARにいる』に登場したプールバー「ブルーパロット」の美人バーテンダー。
バーで酔っ払い同士が喧嘩をしていたところを安室に助けられ、お礼を言った。

  • 榎本杉人
真犯人からの届け物』に登場した梓の兄で証券会社社員。
ダジャレが好きでノリがよく、クレー射撃が趣味。安室が小五郎の弟子であることから、彼から小五郎直伝のダジャレを教わろうとする。

  • 大尉
梓が飼っている三毛猫。三毛猫の中では希少な雄。名前の由来は『甘く冷たい宅配便』を参照。
杉人にまるで懐かず榎本兄妹を困惑させていたが、原因は杉人が貼っていた湿布(メントール系の香りが苦手な猫は多い)と判明。湿布を貼らなくなってからは彼にも無事懐いた。

  • 小倉功雅
  • 大橋彩代
ラーメン小倉の店長とアルバイト。
2人とも町内の草野球チーム「米花ライスフラワーズ」に所属しており、小倉がキャッチャー、彩代がピッチャーを務めている。ちなみに梓や緑も所属している。
安室と風見(ただし、風見は本名を名乗らず安室の元助手の飛田として)は、風邪でダウンした小五郎とポアロのマスターの代わりにライバルチームとの一戦に助っ人として参加、見事逆転勝利を収めた。

  • 鶴山麗子
喫茶ポアロの常連客のおばあさん。ポアロのコーヒーが大好きな華道の先生。
風見がゲームでよく一緒になる「REI」の正体で、社交ダンスやゲームなど趣味の幅が広い。
本作オリジナルキャラクターであり、アニメ版では真山亜子が声を担当した。

「名探偵コナン」本編におけるメインキャラ

FBI捜査官。安室(降谷)にとって忘れられない宿敵。
かつて「ライ」の名で、安室と同じ黒ずくめの組織に潜入していた。現在は大学院生の沖矢として工藤邸に住んでいる。
赤井としては安室の回想の中でのみ登場し、沖矢としては安室が工藤邸の前を通りかかった時に一コマだけ登場する。

黒の組織の幹部。
安室と電話をしていた際に最近眠れていない事を見抜かれ、彼から安眠するための工夫と疲労回復効果が得られる梅昆布茶を薦められた。アメリカ人の彼女の口にあうんだろうか
この作品においては口元や横顔だけ描かれており、顔全体の描写はされていない。

安室の警察学校時代の同期。
警察学校時代の4人が写った写真を、安室は今でもパソコンのフォルダに大事に保存している。





ピー


僕です…

しばらく行けなさそうですから
あの項目を追記・修正してて待っててください…

僕の日常、全部さらけ出してますので…

また電話しますね…

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最終更新:2023年12月29日 00:17

*1 ただし、公式ホームページでは降谷編のみ本編の話数にカウントされておらず、これは降谷編が主に過去回の総集編が理由だと思われる。

*2 補足として、特別編原作のアニメ版では原作者の山岸栄一氏はストーリー原案としてクレジットされていた。

*3 ちなみにフランベはアルコール度数が高くないとうまくいかないので日本酒はあまり向いていない。適当にあるもので試すと酒蒸しになる。

*4機動戦士ガンダム』で主人公達が乗艦していた「ホワイトベース」が由来だと思われる。

*5 『ガンダム』でララァ・スン役だった潘恵子の娘であり、『THE ORIGIN』ではセイラ・マス役を担当。

*6 アニメ本編だと『17年前と同じ現場』、劇場版だと『緋色の弾丸』が最後の出演となった。