西部警察(刑事ドラマ)

登録日:2018/05/24 (木) 20:51:01
更新日:2025/04/08 Tue 12:42:16
所要時間:約 15 分で読めます




『西部警察』はテレビ朝日・石原プロモーション制作の刑事ドラマである。
  • 「西部警察」(1979年10月~1982年4月)
  • 「西部警察PART-Ⅱ」(1982年5月~1983年3月)
  • 「西部警察PART-Ⅲ」(1983年4月~1984年10月)
の3シリーズが放送され、2004年10月には単発の復活版「西部警察 SPECIAL」が放送された。

本項では連続ドラマについて取り扱い、以降第1シリーズについては便宜上「PART-Ⅰ」と表記する。

●目次

概要


凶悪犯罪渦巻く東京の城西地区一帯。凶悪犯罪を防ぎ、城西地区の平和を守る西部警察署捜査課所属の刑事達、大門軍団と木暮課長の活躍を描く。

西部警察と言えば欠かせないのが、ド派手なアクションである。
犯人の乗った車を大門軍団が運転するパトカーが追いかけるカーチェイスは当たり前。時には
  • 街中にヘリコプターを着陸
  • 路面電車・貨車・建物・船など色々爆破
  • 巨大煙突を倒す
  • 3000万円をかけて建設した要塞を一瞬で灰にする
などと枚挙に暇がない。
テレビドラマの常識をぶち破るド派手なアクションと手に汗握る展開が人気を呼び、5年に亘る長期シリーズとなった。

PART-ⅠとPART-Ⅱ・Ⅲについては現在、ストーリー面では繋がりのないパラレルワールドという設定が半ば公式化されている。
どんな違いがあるのかというと
PART-Ⅰ PART-Ⅱ・Ⅲ
大門の自宅 ロフトのあるおしゃれな家 普通のアパート
大門明子の職業 売れない劇画家 保育士
行きつけの店 BAR「CORNER LOUNGE」 スナック「セブン」
最終回の大門 存命 殉職
BGM担当 宇都宮安重・石田勝範 羽田健太郎
がある。
2004年のスペシャルは「PART-Ⅰの続編」という設定となっており、殉職したはずの大門が捜査課長で出てくるのはこれが理由。

1999年の石原プロワールド開業および石原裕次郎の13回忌を記念して全国で実施された再放送をきっかけに人気が再燃、この再放送からファンになった人も多い。
これを受けて2003年には復活版のスペシャルドラマおよび続編として連続ドラマの制作が発表されたが、連ドラはカースタント撮影中に一般人を巻き込む事故を起こし、その影響でお蔵入りとなってしまった。
その後も石原プロの新作放送時の番組宣伝を兼ねて2010年頃まで頻繁に地上波で再放送が実施された。

番組に関するデータ色々

+ ...
  • 全国平均視聴率:20%以上
  • 出演俳優:12,000人
  • 負傷者:6人
  • 死者:0人
  • ロケ地:4,500箇所
  • 始末書枚数:45枚
  • 封鎖した道路:40,500箇所
  • 飛ばしたヘリコプター:600機
  • 使用した火薬量:4.8トン
  • 壊した建造物:320棟
  • 使用したガソリン量:12,000リットル
  • 壊した車両数:4,680台


制作


実は西部警察には前身にあたる作品が存在する。
それは1976年から79年まで日本テレビ系で放送された刑事ドラマ『大都会シリーズ』3部作で、中でも本作開始直前まで制作されていた『大都会 PARTIII』は派手なアクションから毎回視聴率20%を超すなどシリーズ最大の人気作となっていた。
石原プロはこれよりスケールの大きな作品を制作しようと考えていたが、『大都会』はその内容ゆえ金のかかるドラマであった。
制作費はスポンサーから提供されるのだが、間に広告代理店が挟まる関係上たとえ金のかかるエピソードの制作でもおおよそ1割から2割程度代理店手数料を取られる。

当時の石原プロには多額の借金があり、銀行からの新規融資も望めそうにない。
その時、テレビ朝日から「ウチと直接契約してアクション刑事ドラマ作ってよ!」という依頼が舞い込み、テレビ朝日系に移行し本番組が誕生した。
これにより制作費を潤沢に確保できたため、爆破・カーチェイス・スタント・ド派手な銃撃戦などが実現できた。
ちなみに、スタントシーンこそ派手なものとなっているが、大都会シリーズよりもマイルドな作風となっている。これは、放送時間が日曜20時台*1であることからファミリー層の視聴を考慮したもので、大都会シリーズで頻繁に見られた流血・性犯罪・犯人射殺の描写が無くなった。
爆破スタントに加え後述のスーパーマシンも登場するため、全体の雰囲気としては「刑事ドラマという名の特撮」感が強くなっている。RS軍団の出動シーンなんかは特撮のそれである。

また、主演の大門役を演じていた渡哲也は本作に対して非常に葛藤があったことを明かしている。
当人にとっても本作に専念するため、映画や他社作品のオファーを断らざるを得なかったこと、また本来既存の映画に囚われない、スケールの大きな映画を作るために設立した石原プロが大都会以降アクション系のテレビドラマしか作っておらず、それは会社の意向としてと正しいのか?と思いながら撮影に臨んでいたという。
そのため、最終回で大門の亡骸に話しかける木暮のアドリブは、そうした事情を踏まえたうえでの石原の渡に対する労いの意味も込められていたとされる。

番組に登場する企業

メインスポンサー

制作に際しては石原裕次郎と縁の深い企業がスポンサーとなり番組を支えた。
ここでは特徴的なスポンサーについて解説する。

  • 日産自動車
本作のメインとなる車両提供で、スポンサーでは唯一OPにクレジットされる。後述するスーパーマシン以外では白パト・黒パト役で大量のセドリックが供給され、230型から当時最新鋭のY30型までの4世代が番組を彩った。
また、当時グループ会社だった日産ディーゼル(現:UDトラックス)製のトラックやバスも登場したほか、地方ロケでは地元の日産販売店のディーラーが登場し、大門軍団に協力するシーンが毎回含まれていた。
余談だが本編で破壊される白パトは当時の警察車両の標準だった1灯式のランプを備えた車と相場が決まっており、破壊を伴わないスタントに使用されるのはワイドランプ式*2と厳密に区別されていた。ワイドランプは移動時に支障をきたさないよう取り外し式となっており、屋根から浮いた形で装備されている。

  • 東急グループ
スポンサーの取りまとめを東急系の広告代理店・東急エージェンシーに委託したほか、本編では東急線の駅や関連施設が、地方ロケでは当時グループ会社だった東亜国内航空(現:日本航空)の飛行機で移動するシーンも登場した。
これは石原裕次郎が当時の東急グループ総帥である五島昇と親交があったことが理由で、今では再開発などで姿を消した東急の施設が映像で残る貴重な資料となっている。

  • オートバックス
黒とオレンジの看板でおなじみのカー用品店。
PART-ⅢのOP(8話以降)ではバイクにまたがった鳩村刑事がオートバックスの看板をバックにポーズを決めるというタイアップバリバリの出演者紹介が使用されている。
こちらも地方ロケでは日産と同じく聞き込み先として登場している。

  • 宝酒造
こちらは石原裕次郎がCMに出演しており、撮影の打ち上げで使用する酒を提供していたほか、札幌・京都ロケの際には同社の施設が登場し、エピソードにも深く関与している。

  • エンケイ
日本におけるアルミホイールのパイオニアで、本編ではスーパーマシンからやられ役まで様々な車種が同社のホイールを着用したほか、一部の地方ロケではサービスカーも登場している。
主に「バハ」「メッシュ」「レーシング5」といった製品が使用され、特に白黒パトカーはスチールホイールが当たり前だったこと*3を考えると違和感を感じた人も多いのではないだろうか。

その他作中によく登場する会社

  • 美善交通
西部署の管轄エリア内にあるタクシー会社。自社の車両が横転させられたり、爆発したりとなかなか災難な目に遭わされている。
なお美善交通は実在する会社であり、今も調布市を拠点に南多摩エリアで営業している。

  • 城西交通
西部署管轄エリア内にあるバス会社。都心部の会社でありながら、乗降に時間のかかるトップドア車(乗降口が運転席横1箇所にしかない車両)や、絶滅寸前のツーマン車(車掌が乗務することを前提とした車両)が在籍している。
西部署管内にあるということで、爆発・横転・バスジャックの被害にかなりの頻度で遭わされている。
こちらは架空のバス会社であり、登場する車両は撮影用の劇用車がメインで、車庫でのロケは石原プロに近い京王電鉄の営業所を利用している。

  • 城西警備保障
西部署管内にある警備会社。リキ曰く「業績はパッとしない」が、何度も犯罪者に襲われているのでそうなるのは必然としか言いようがない。


日本全国縦断ロケ


石原プロの代表である石原裕次郎はPART-Ⅰ放送中の1981年に解離性大動脈瘤を発症し急遽降板。
当時の医療技術での生還率が数%と低い病気で、一時は死を覚悟した。
しかし見事生還を果たし、PART-Ⅱ以降は応援してくれた視聴者・ファンへの恩返しとして大規模な地方ロケを敢行、石原プロ所属の俳優が登壇する挨拶イベントなどを開催した。

ロケ地は北は北海道から南は鹿児島県に至る16道府県で、山形県を除き当時のテレビ朝日フルネット局の放送エリアとなっていた*4
警視庁にお灸をすえられた結果都心では難しくなった火薬を多用した爆破シーン、建物の破壊などの撮影を行った。ちなみに地方ロケでわざわざ破壊用の建物を作ったのは、話数が進むに連れて壊すものがなくなってしまったからだとか。

ストーリーも開始当初は「銃器密売ルートを巡る攻防」「車内で人質を取って鉄道会社に身代金を要求」といった通常回でもありがちな作風だったが、PART3の頃には「ウラン強奪による核テロ計画」「超合金の人材含めた海外流出」「米軍から強奪された生物兵器散布」「ミサイル強奪」、相手もM16は当たり前、地雷・装甲車・M72 LAWを保有する傭兵部隊まがいが登場など荒唐無稽な作風に変わっていった。この世界における公安や本庁はなにをやっているのだろうか

ロケに協力してくれた地元へは本編でスポンサーの商品を作中でそれとなく宣伝するプロダクトプレイスメントを利用していた。回によっては現地企業の社長が本人役のゲストとしてセリフ棒読み登場することもあった。
また、撮影の際は地元局向けに石原裕次郎が告知を行うCMが制作された。この効果もあってか地方ロケはちょっとしたお祭り状態となり、ドラマ本編にも凶悪事件の現場にも関わらずギャラリーが大勢詰めかける様子が映し出されている。
また、地元局やテレビ朝日の情報番組では撮影の裏側を追った特集が組まれたほか、本編でも特別版としてロケの様子を追ったドキュメンタリーが放送された。

尤も、地方ロケ回は地元以外での視聴率が必ずしも良かったわけではなく、京都ロケの回は視聴率6%(関東地区)という番組最低記録を打ち出している。


登場人物

()内は愛称。単なる役職名とおやっさんは省略する。

大門軍団

  • 大門圭介(団長・大さん)
演:渡哲也
現場責任者でわれらが大門軍団の団長だが、正式な階級は巡査部長。結構無茶やってるけど階級は下から2番目。
どんな事態であっても感情を乱すことはなく、犯罪に対しても一切の妥協をする事のない冷徹な性格。ただ冷徹なだけでなく、人情にも人一倍厚いため、人望も厚い。
職務中は常時スリーピーススーツを着用しており、他の刑事が状況に応じて様々な服を着用していたのに対し、団長だけは殉職まで一貫してこの姿で通した。
射撃の腕は全国の警察官の中でもトップを争うレベルで、本来絶対に装備するはずのないスコープを装備したショットガンでは絶対ありえない遠距離射撃を成功させたり、射撃だけで自動車を解体したりしたことも。本人曰く「警視総監賞はゼロ」。
所有している拳銃は制式採用のニューナンブM60ではなくソードオフ・ショットガンのレミントンM31改がメイン。使用している銃弾は主にスラッグ弾。
妹の明子と共に暮らしている。明子が朝食にトースト、ハムエッグ、サラダを出した時には「馬やウサギじゃあるまいし、朝からこんなもん食えるかよ」とこぼし、その後の言動で明子を呆れさせたことも。
初期の頃は照れ笑いを見せたり、仲間の死に涙を流したり、ジンの顔にケーキを押し付けたり、ヒゲダンスを踊ったりと人間的な一面が多く見られたが、物語が進むに連れてドライで記号的なキャラとなっていった。
PART-Ⅲの最終回で国際テロ組織との激しい戦闘の末に殉職。
しかし2004年版では前述の理由から捜査課長として登場している。
Ⅲ終了から2年後、七曲署に似た様な警部が一時配属されたとか。

  • 木暮謙三
演:石原裕次郎
西部警察署捜査課長。階級は警視。
コーナーラウンジおよびセブンのマスターからは「グレさん」と呼ばれていた。
キャリアで警視庁に入庁し、最年少警視総監誕生か!?と期待されたが、本人は現場を気に入っており、出世コースを外れて西部警察署に赴任してきた。
キャリア入庁で警視になったともあって相当強い政治力を持っており、いちキャリア出身とは思えないレベルであちこちに顔が利く。大門軍団が捜査に集中できるのは偏に彼のおかげでもある。
鋭い勘の持ち主でもあり、勘は100%当たる。
最初期には銃を持って現場に出ることもあったが、物語が進むに連れて課の奥にある「課長室」で執務を行うようになった*5。事件が解決すると部屋でブランデーで祝杯を上げるのがお約束。
部下が失態を犯しても責めたりせず、軍団が常に捜査に全力で当たれるようにサポートに回っている。捜査用のスーパーマシンを発注するのも彼の仕事。
PART-Ⅲ最終話で警察を去ったかのように示唆されたシーンがあったが、2004年放送の単発スペシャルではその後も警察に残り、演じていた石原裕次郎の死と同時期に他界したことになっている。
なお五代そっくりな部下や大門そっくりな後輩がいる七曲署のボスとは関係ないと思われる。

  • 二宮武士
演:庄司永建
階級は警部補。肩書は捜査係長。
組織上は木暮の部下で大門の上司だが、基本的に大門達部下は独断専行で動くため、二宮から何か指示を出すということはあまりない。大門は立場上一応二宮を立てる言動をしているものの、部下の刑事たちからは軽く見られている。
軍団員の無茶な捜査には常々ハラハラさせられており、精神安定剤を服用する場面が描かれたことも。「何とかならんのかねぇ~大門くぅ~ん」というセリフがお約束のように出ていた。過去に自分が捜査にあたった事件がらみで現場に出ることも多く、捜査手法は聞き込み中心。この手法を軍団員たちは古いと揶揄するものの、時にはコンピュータで犯人の情報を検索し、マシンXに顔写真を転送したこともある。
普段あまり酒を飲まないが、飲むと泣き上戸になる。事件解決時には課長のブランデーをちゃっかり頂くことも。
これらのキャラクターから軍団のコメディリリーフ的立ち位置を担っており、先のセリフ回しも三枚目を意識して演じていたという。
家は渋谷区恵比寿に一戸建てを持っており、妻・娘と共に生活している。
2階級昇進*6で定年退職し、退職後は弁当会社の「二宮給食」を立ち上げた。

  • 松田猛(リキ)
演:寺尾聰
本名に由来しない愛称の刑事で、由来はスタッフの子供の名前だとか。
狙撃・爆発物に強く冷静沈着な性格で、表情一つ変えずに任務を遂行する大門軍団の右腕。様々な知識に長けており、大門がまずリキに聞くシーンも多かった。
射撃の腕も大門並に高く、使用している拳銃はS&WのM29・8.375インチ。
コミカルな面もあり、当直時にリュウから「リキさんだって見合いの話なんて一つもないじゃないですか!」と言われて「バカヤロ、俺は…見合いが怖くてきつねが食えるか!」と返した。*7
警視庁へ異動の話が出た矢先、警視庁を脅迫する犯罪組織の凶弾に倒れ、殉職。
殉職翌週は木暮課長復帰回であり、リキが残した事件を解決するというものだった*8
降板の理由は、演じる寺尾聰が番組放送中に発売した「ルビーの指環」の大ヒットをきっかけに音楽活動を充実させたいという意向を示し、歌を俳優の副業程度にしか考えていなかった石原プロサイドと決裂、最終的に寺尾が石原プロを退社・独立するに至ったため。
但し創始者の石原裕次郎は寺尾を快く送り出しており、寺尾も退社後何度か石原プロ作品にゲスト出演を果たしている。
彼もまた後に七曲署に似た様な人が配属されたりした。

  • 谷大作(谷さん)
演:藤岡重慶
軍団のおやっさんその1。大門軍団最年長で帽子がトレードマーク。
若かりし頃の大門を(鉄拳制裁含めて)指導した立場にあり、大門が彼からかけられた言葉は心の支えになっている。
死別した妻との間に一人娘のひろ子がおり、宝塚歌劇団星組に所属している。
PART-Ⅰ終了と同時に物語からフェードアウト。殉職したわけではなく、西部署から別の署に異動したらしい。異動先は平和な署らしく「手こずらせる相手が居ないからファイトが有り余る」とのこと。
なお、軍団のおやっさん刑事は全て名字が一文字という共通点がある。

  • 源田浩史(ゲン)
演:苅谷俊介
強面の顔立ちと屈強な体格の持ち主で、短い角刈りと口ひげがトレードマーク。その見た目から西部署赴任前、夜食のカップラーメンを食べるために刑事部屋へ箸を貰いに現れた時に出くわした桐生に「ゴリラ」呼ばわりされた。
武器は他の刑事と同じコルト・ローマンだが、彼のみ4インチ。
厳つい外見とは裏腹におしゃれなファッションセンスの持ち主で、自宅ではジャズを聴いて過ごすなど垢抜けたセンスの持ち主。お人好しで涙もろい性格で、若い女性や美人が弱点。目の前で惚れた女が同衾しているシーンを見せつけられたことも。とりあえず泣いてもいいと思う。
大分県速見郡の出身で、これは中の人と同じ。警察官になったのは高校の教師に無理矢理警察官の採用試験を受けさせられたから。谷大作とは刑事になる前からの知り合いで曰く「札付きのワル」。
「体でぶつかれ!反骨精神」をモットーとする捜査方針を取っている。車の運転はリキには下手だと言われたが、実は大型免許を持っており後述するサファリの専属ドライバーにも選ばれた。
PART-Ⅰ終了と同時に物語からフェードアウト。谷さん同様別の署に異動したらしい。

  • 巽総太郎(タツ)
演:舘ひろし
革ジャン・サングラス・リーゼント姿でハーレー・ダビッドソンを乗り回す武闘派刑事。
大らかな時代故かノーヘルでハーレーを乗り回すシーンもあった。
喧嘩っ早く、たとえ女相手でも容赦しない。コルト・ローマン2インチをヒップホルスターとショルダーホルスターそれぞれに入れて携帯する2丁拳銃スタイルをしている。
爆弾を仕掛けた幼稚園バスをハーレーで追いかける中、通行人を避けた時にハーレーのミラーが腹部に刺さり、重傷を負う。それでも爆弾を幼稚園バスから取り外し、運搬にかかるも運搬途中で爆弾が爆発し殉職。後述するが、後に似たような人物が西部署に配属されているが彼との関連はない。
とはいえ、刑事ドラマでは異例となる「同一俳優が殉職後別のキャラで再登場」となったのは、視聴者からの問い合わせが殺到したことが理由だとか。

  • 兼子仁(ジン)
演:五代高之
若手刑事で、当時かつ軍団では数少ない非喫煙者でもある。
一般人を誤って射殺してしまったショックで拳銃が撃てなくなったり、犯人にヘロイン中毒にされたりと刑事としてはまだまだ半人前ながら、大門や谷の指導により一人前の刑事としての道を歩んでいる。
大門軍団の中では珍しく両親の事が描写されており、セリフの端々から家族も警察関係者であることがうかがい知れ、両親も警察関係者だからか荒くれ者揃いの大門軍団で数少ない常識人ポジションにある。
本庁への栄転がかかった昇進試験の受験票を受け取った矢先、婚約者の父親が密輸に関わっていたことを知り、単独行動を起こした末に凶弾に倒れ、軍団員に看取られて絶命した。
演者のデビュー作で、芸名もまた石原裕次郎主演作の役名(「栄光への5000キロ」の五代高行)から取ったもの。
ちなみに殉職後、2代目バルイーグルとなった。

  • 桐生一馬(リュウ)
演:加納竜
殉職したタツの後任として東部署より異動。スマートなイケメン風の新人刑事で、良くも悪くもチャラい性格の男。団長声の男に世話になりSPECIAL登場刑事声の元舎弟がいる誓って殺しはやってないカタギとは関係ない。
初登場回では軍団員を尾行したり、宿直室に忍び込んでグレさんのブランデーを飲んだり、タツの遺品の革ジャンを着て捜査に出たり、個人プレーで犯人を確保するも大門に鉄拳制裁を食らったりと経験の浅さが垣間見える。
カーマニアでもあり、運転技術はプロレベル。キャリアカーを利用して大ジャンプ、片輪走行などの高等テクニックを披露した。マシンXに縁の深いメンバーでもあり、マシンXを最初に運転した刑事、捜査課に仕掛けられた時限爆弾を遠ざけるためにマシンXを運転、九州出張の際にはマシンXで九州入りするなどマシンXとはある種の腐れ縁でもある。プロレベルの運転技術を持っているものの、それを過信した結果スピードの出ない一般のパトカーを運転した時に歩行者をはねる交通事故を起こしたことがある。
運転はプロレベルだが拳銃の腕前はリキ曰く下手。
インターポールに出向のため大門軍団を離れ、異動という形で降板した唯一の刑事。
シリーズでは唯一、舘ひろしとの共演がない刑事でもある。

  • 北条卓(ジョー)
演:御木裕
読みは「きたじょう」で、「ほうじょう」は間違い。
殉職したジンの後任として東部署から異動。東部署では白バイ隊員を務めていた……が、劇中で彼の元白バイ隊員という設定があまり生かされることはなかった。強いて言えば、白バイ隊員時代、犯人追跡時に一般人女性と家族を巻き添えにしてしまい、その責任を感じて給与の半分を渡すなど面倒を見ており、事故当時追いかけていた犯人の逮捕まで東部署を離れられないと考え、西部署への異動を不服として木暮に転属取り消しを談判していたという点ぐらい。
マシンXを盗まれたり、犯人のマインドコントロールに引っかかって刑事部屋で発砲したりと若さと正義感の強さゆえに無鉄砲な一面が強い。
箱乗りが得意で、作中でも披露している。
病気療養のためPART-IIIの大将・ジュン登場前後(福島ロケ含む)のエピソードには出演しておらず、同時期に一新されたOPでは唯一、出演者紹介がPART-IIのそれを流用したものとなっている。

  • 平尾一兵(イッペイ)
演:峰竜太
インターポールに出向したリュウの後任として着任。二宮警部補曰く「これまで西部署が欲して得られなかった逸材」。
警察官になる前は防衛隊の隊員だったという経歴の持ち主で堅物と思われがちだが、実際は軟派中の軟派。地方ロケではいつも地元名産品の宣伝役を担い、それ以外の回では軽すぎてコミカルな役回りになってしまう三枚目。
初出勤時には街中でナンパした女の子と共に喫茶店へ入るも、その喫茶店に強盗が押し入り、彼女共々人質になってしまう。人質の中にイッペイが居ると知った大門は一兵の持っていたヘッドホンに着目し、FM電波を通じて指令を送って突破口を見出した。
当初はカジュアルなファッションだったが、PART-Ⅱ以降はジャケットに蝶ネクタイとどこかの名探偵みたいな見た目に変わった。
このキャラクターは峰自身が考案したもの。氏は前身の「大都会 PART3」でジョーに近いキャラを演じていたが、次述の鳩村刑事との共演を見据えて三枚目のキャラに転身した。
以降峰はCMやバラエティ番組の司会でも活躍する等、石原プロでは数少ない軟派のキャラクターとして一定の地位を築き上げるなど、本作のキャラ設定がその後の芸能生活にも多大な影響を与えた。
使用している拳銃はPART-Ⅰではコルト・ローマン、PART-Ⅱ以降はFN ブローニングM1910。

  • 鳩村英次(ハト)
演:舘ひろし
巽とうり二つだが多分転生体とかではないと思われる。愛機もハーレーからカタナに変わったし。
西部署に特別車両機動隊(通称:特機隊)が設立された時に隊長として西部署に着任。但し特機隊はPART-Ⅱ中盤でフェードアウトした。
バイクのテクニックはもちろん、射撃・格闘の腕も超一流。
PART-Ⅱ以降は名実ともに大門軍団のエース刑事として、沖田・山県とは絶妙なコンビネーションを見せた。鳩村・沖田または山県のコンビをメインにしたエピソードも数本作成されており、その軽妙なやり取りは後の『あぶない刑事』を彷彿させる。
演者同様に愛知県出身の設定で、ステーキのあさくまに勤務する幼馴染のヨーコという名前の女性が居る。
ヨーコ曰く、歌手か俳優を目指して上京したという。作中では演ずる舘ひろしの持ち歌である「ロックン・ロール 1981」「ワンモア・チャンス」を歌唱したが、このシーンは地方ロケの挨拶イベントの様子を撮影したもの。
西部署着任前はアメリカのロサンゼルス市警察SWATへ派遣され、研修を受けていた。アメリカでは猛烈な暴力派として、鳩村の「ハト」をもじった「ワイルド・ハート」の異名で恐れられた。
2004年のスペシャルにおいては一線を退いた大門に代わり新たな団長として実働部隊を率いることとなった。
使用拳銃はPART-Ⅰではコルト・ローマン、PART-Ⅱ以降はコルトパイソンの4インチPPCモデル。

  • 浜源太郎(ゲンさん)
演:井上昭文
PART-Ⅱから登場した、軍団のおやっさんその2。
事実上谷さんの後任にあたるが初回から登場しており*9、大門に「自分の撒いた種は自分で刈り取る」の持論を叩き込んだ等、後任とは言い難く前述のパラレルワールド要因の一つとなっている。
父親を亡くした幸子を養女として引き取って育てている。
PART-Ⅱ35話で素行不良を告発され懲戒免職になった元警官である連続警官殺害犯との銃撃戦の末、殉職。最期まで幸子の事を気遣っていた。
当時の刑事ドラマでは珍しい叩き上げのベテラン刑事の殉職だが、これは石原プロの過酷な撮影スケジュールに体力面で限界を覚え、降板を申し立てたのが理由*10
何気に大門以外では最後の殉職刑事でもある。
彼に似た顔の人がインドの山奥にいるそうだが定かではない。

  • 沖田五郎(オキ・五郎)
演:三浦友和
PART-Ⅱ第1話から登場。階級は巡査。
青山高校から東大法学部へ進んだ経歴を持つエリート。ヘリの操縦免許持ち。
警察にはキャリアで入庁し、警察庁から警視庁へ出向していた。
警視庁出向後に担当したとある事件で重大なミスを犯し、自身もその時の怪我で余命幾ばくもない体となってしまう。西部署へやってきたのは残された僅かな時間を燃やし尽くすためで、西部署への着任は自ら志願してのこと。余命幾ばくもないという事実を西部署で最初から知っていたのは木暮と大門の2人だけ。
当初は余命半年の設定だったが、人気の高さから出演期間は1年に延長。そのため延命措置を図ったという設定が後付けされた。
婚約者がいたが、余命のことを隠して婚約破棄を願い出た。その婚約者とは後に悲しい形で再会を果たすこととなる。
その経歴もあり冷静沈着なキャラクターに見られがちだが、
・火のついたダイナマイトを口に咥えさせる
・「死んでもしゃべらないぞ」とイキがった犯人に「それじゃ死ね」と拳銃を突き付けて自白を強要
・車のボンネットにチンピラを磔にして夜のドライブ
と、キャリア時代からお笑いウルトラクイズを彷彿させる凶暴な行動に出ることもしばしば。
PART-Ⅲ第6話で自身の死期を感じ取って西部署を去り、雪山へと消えた。彼がその後どうなったのかは一切不明。ただしその経緯から事実上の殉職扱いとなっている。
拳銃はS&W M29の6.5インチPPCモデル。末期にパイソン4インチへ持ち替えた。

演者の三浦は当時さわやかなイメージの2枚目路線であったが、本作開始に際し大門と同じ五分刈りスタイルに変身し視聴者を驚かせた。
なお三浦は、後にSPドラマ『弟』にて晩年の石原裕次郎役を演じることになる。

  • 佐川勘一
演:高城淳一
定年を迎えた二宮の後任として着任してきた捜査係長。
立場は二宮と同じ木暮の部下で大門の上司。初登場時には木暮を自分の上司だと気づかなかった。
比較的温厚でお人好しだった二宮と違い、嫌味な性格で居丈高。そのためか、軍団員からは前任の二宮よりも軽く見られている。
前任の二宮と異なり現場に出る機会もなく、主演となるエピソードもほとんどない*11などメタ的にも軽く見られていた模様。
物語が進むに連れて軍団員の行動に理解を示すようになり次第に打ち解け、最終回ではテロ組織との決戦から敢えて外された事情を察し、「なぜ私にだけ知らせてくれなかったんです、私だって…」と独り涙するシーンも見られた。
演じる高城淳一はPART-Ⅰにゲスト出演しており、この回は二宮警部補メイン回でもあったため新旧捜査係長の共演を見ることが出来る。

  • 南長太郎(長さん)
演:小林昭二
PART-Ⅱ第35話から登場。軍団のおやっさんその3。といってもライダーのではない。
駆け出し時代の大門に刑事のイロハを教え込んだ恩人。ある事件で上司を殴ったことが原因で八丈島の警察署に左遷させられていたが、大門の気遣いでゲンさんの後任として本土へ戻ってくることが出来た。
観察眼に優れており、木暮・大門以外の軍団員で最初にオキの死期の近さを感じていた。
自ら銃撃戦の先頭に立つなど歴代おやっさんの中では最もパワフルで、イッペイ・ジョー・ジュンとヒラ刑事3名のお守り役も担っていた。
また何の因果か、別世界部下が犯人役としてゲスト出演したこともある。

  • 山県新之助(大将)
演:柴俊夫
本名に由来しない愛称の刑事で、チンピラ時代から呼ばれていた描写がある。
ボクサー崩れのチンピラ時代、病院から血液を盗んで道路へばら撒いてニセの殺人事件をでっち上げ、大門を挑発。この時大門に決闘を申し込むも一喝され、大門へのあこがれとライバル心から刑事になったという経歴を持つ。
西部署着任前は神奈川県警横須賀港湾署に配属されていたが、沖田の辞職後に後任として西部署へ異動してきた*12
沖田の後任ではあるがヒラ刑事の兄貴分という体育会系で、返事の際には「押忍」で返すことも多かった。
ベージュのツナギという風変わりな衣装*13がトレードマーク。
父親は牧師であり、自身も洗礼を受けたクリスチャンである。父親は度々刑事を辞めて牧師の後を継ぐよう言ってくるものの、本人に牧師を継ぐ考えはない。
婚約者とガールフレンドがいたが、ガールフレンド(恋人ではない)は山県を逆恨みしていたヒッピーによって殺害されている。
使用拳銃は沖田のM29を引き継いだ。
シルバー仮面と呼ばれていたかもしれない。

  • 五代純(ジュン)
演:石原良純
慶應義塾大学卒業の新米刑事で、初放送時には演者の自己紹介PVが冒頭に流れた。
運転技術が高く、愛車である青のスカイラインGT(サンデー号)で出場したラリー大会での優勝実績を持つ。相当なカーマニアで犯人の走りを分析した事もある。
最終回で大門の妹と恋仲になり結婚。
彼もまた本作終了と前後して七曲署に似た様な人が配属され、どっちでも無事に最終回まで生存している。
なお演者は言わずと知れた木暮のリアル甥であり(放送当時彼の父は自民党所属の政治家)、本作が初ドラマレギュラー作。天気予報を外すことに定評がある。
中の人は石原軍団内でも本編同様下っ端だったため、おはぎやメロンを大量に喰わされたなどの苦労話をすることもしばしば。

その他の登場人物

  • 大門明子(アコ)
演:古手川祐子(PART-Ⅰ)→登亜樹子(PART-Ⅱ以降)
大門団長の妹。
PART-Ⅰでは売れない劇画家という設定で、捜査の際には似顔絵で協力することもあったほか、刑事が殉職した際は追悼の劇画を描いていた。
壁が青と黄色の内装でロフト付きというオシャレなアパートに住んでいた。
PART-Ⅱでは幼稚園の保育士という設定で、住んでいるアパートも一般的なものとなった。
最終回では五代と結婚するが、それ以前には沖田に好意を見せる描写も見られた。

  • 国立六三(ロクさん)
演:武藤章生
西部署の優秀な鑑識係で、ほとんどの回に登場した。
大門軍団を陰から支え、刑事からの信頼も厚い。
爆弾探知犬を育てていたこともある。

  • 朝比奈(ヒナさん)
演:佐原健二
PART-Ⅰに登場するバー「CORNER LOUNGE」のオーナーで元外交官。
木暮とはアメリカ勤務時代からの親友だったという。

  • 上村七重
演:吉行和子
PART-Ⅱから登場したスナック「セブン」のオーナー。
北海道出身で弟がいる。
PART-Ⅲ22話で出所した弟と暮らすために帰郷する形で降板。


スーパーマシン

大門軍団達が使用する特殊装備を施した警察車両。これらの車両はガゼール以外全て日産自動車の販社である日産プリンス自動車販売の特販推進室が手がけたもの。
当時の担当者はインタビューで「とにかく派手にしてくれ」とだけ要望があったため、金に糸目を付けることなくバンバン考えられる装備を付けたと振り返っている(後述する未使用の装置があったのもそのため)。
犯人側もスーパーマシンの存在を知っており、何度か盗まれるエピソードも作られている。ザル警備
西部警察の人気を支えた要因の一つでもあり、刑事ドラマとしては異例のプラモデルやミニカーなども発売された。
また、これらのスーパーマシンの特殊装備は、後年市販車や警察車両に装備されるようになったものも存在する。

  • ガゼール・オープン
木暮課長の専用車で、基本は自家用だが時に覆面パトカーとして捜査に駆り出されることもある。
ベース車はガゼール2000XE-II(S110型)で、警察無線のレシーバー、自動車電話が装備されている。
設定上は車高が20cm低いとされており、それを知った犯人グループが逃走用車両に指定したこともある。
ちなみにこの仕様は国内で市販されなかったが、アメリカでは「200SXロードスター」としてショップでカスタムしたものが販売されており、日本にもごく少数逆輸入された模様。

  • マシンX
ベース車はスカイラインジャパン2000GTターボ(KHG211型)。
52種類の特殊装置を装備しており、主に大門団長が運転する。エンジン始動はレーシングカー並みに複雑で、キースイッチを入れ、マスターキーを回し、イグニッションをONにし、最後にスターターボタンを押す事でようやくエンジンが始動する。
本編ではエンジン音も異なっていたが実車の排気関係は弄っておらず、別の車から収録したもの*14に吹き替えている。
最高速度は240km/h。搭載されているマイクロコンピュータは警視庁のデータベースと接続されており、データの照会などが行える他、各種計算も可能。車載モニターもあり、これには現在で言うカーナビに近い仕組みも組み込まれている。警察無線は勿論のこと、船舶・航空無線も傍受できる特殊無線機、可動式サーチライト、リモコン式スチルカメラ、レーダー・スピード感知器、特殊ペイント弾発射銃、自動車電話、遠隔操作式自爆装置など、特殊な装備を満載しており乗車定員はわずか1名。
スーパーZ・マシンRSの登場後は車庫で厳重に保管されていたが、ジョーに逮捕されたことを逆恨みしていた男によって盗まれ、無線で遠隔操作できるよう改造された上、爆弾まで仕掛けられた。軍団員の活躍で犯人は逮捕され、マシンXの無線操縦も解除されたが爆弾を取り外す時間はなく、ジョーの運転で近くの空き地まで運ばれ、そこで爆破される壮絶な最期を迎えた。
デビュー当初は普通の覆面パトカー同様屋根にパトランプを付けていたが、後半では車内の助手席に取り付けられていた。
これは赤いランプの光が運転中の刑事に当たることで通常とは異なる演出効果が得られることが理由。ドライバーには邪魔で仕方ないでしょうに

この車は現存していて、一般人が譲り受けている。
2014年に石原プロの倉庫内から発掘、その後2016年頃に劇中の4桁でナンバーを取得。
2023年6月にはレーシングドライバー・谷口信輝のYoutubeチャンネルで登場し走行シーンを披露した。
ちなみに一部の機材は盗難or紛失してしまったため、それっぽい機材で埋めているとか。

  • サファリ4WD
ベース車はサファリエクストラバン(VRG160型)。
散水銃と高圧放水銃を2門ずつ装備し、特別機動車両隊の指揮をとる車両。
放水以外ではサーチレーダーやVTRカメラ、コンピューターも装備され、盗聴装置や警視総監室直通のホットラインまで備えている。
水タンクは積んでいないため放水時には後部にタンク車を連結するが、一度だけ単体で放水したことがある。
実は団長が発注した唯一のスーパーマシンである。
他のマシンに比べて小回りが利かないせいか、本編への登場機会は一番少ない。

  • スーパーZ
ベース車はフェアレディZ280(S130型)。
PART-Ⅱ第15話からマシンXの後継として配備された団長専用車。何気に当時の警察車両には珍しいAT車・ドアミラー車でもある。*15
ガルウィングドア・可動式催涙弾発射銃・煙幕発生装置・昇降式赤色灯を装備。カラーリングはゴールドとブラックのツートンカラーで、塗り分けは一般的なパトカーに準じたもの。
ちなみにスーパーZがAT車になったのは、団長の中の人がMTの運転が苦手だったからだという(ノーマルのパトカーでも団長車はATだった)。
このスーパーZにはデータをハッキングして作り上げた偽物が登場する回があり、催涙弾の部分がマシンガンに作り替えられている等細かな違いがある。
本編では本物とレーシング対決を行っているが、偽物が爆破されるという衝撃的なシーンの別台本も用意され撮影まで行われたらしく、スチール写真や予告編の映像でその姿を見ることができる。

  • マシンRS-1
ベース車はスカイライン(DR30型2000RSターボ)。
PART-Ⅲから登場した特殊車両。最高出力280馬力、最高速250km/h。RS-1・2・3でフォーメーションを組むRS軍団のリーダーかつ攻撃車の役目を果たし、屋根上には口径20mmのマシンガンと巨大なパトライトを装備、アフターバーナーによる急加速装置もあり、マフラーから火を噴く姿を見ることができる。エアロパーツを全面装備しており、こちらは当時実車のディーラーオプションとして選択可能だった。

  • マシンRS-2
ベース車は(ry、PART-Ⅲから(ry
RS軍団では哨戒・敵の情報収集を主な任務としている。特徴的なループ状のアンテナを持ち、警察無線をはじめ各種緊急無線の通信傍受が可能。大型サンルーフを装備し、ルーフ部からの狙撃も可能。後部のトランクは逆向きで開き、トランク内には4連装特殊弾発射筒が装備されている。ちなみにこの装備はドラマでは披露されなかった。

  • マシンRS→RS-3
ベース車はRS-1・2と同じスカイラインだが、このモデルのみノンターボ車。
スーパーZと共に登場した特殊車両。助手席を潰して全方向回転式サーチライトおよび赤外線・サーモグラフィ対応ビデオカメラ、コンピュータ、特殊無線機、シグナルコントロール、電子妨害装置などの操作盤を配置。後部席にはコンピュータ、無線機、プリンターなどを装備。コンピュータではスペクトルアナライズ、声紋分析、犯人車の逃走経路探索、カーナビ、カーロケーションシステムなどが使用可能。
RS-1・2登場後に再改造され、見た目がRS-1に近いものとなった。
最高速度は255km/h。
ちなみに、PART-II末期~PART-Ⅲ初期にはドアミラーが赤塗装に変更されたバージョンが登場している。

破壊した主な物

  • TU-89 355 LADYBIRD
PART-Ⅰの第1・2話に登場した装甲車。米軍の最新鋭兵器という設定で、日米合同演習時に国家転覆を計画した犯人に雇われた外国人戦闘員によって強奪された。
テレビ朝日本社、行幸通り、国会議事堂、銀座四丁目などを蹂躙したものの、大門軍団に追い詰められ、廃工場の廃油プールで身動きが取れなくなった所を火炎瓶で焼かれた。

  • 浜名湖遊覧船リステル
PART-IIの第11話に登場した遊覧船。金塊を強奪した犯人一味が海外へ逃げるために強奪。静岡県警のモーターボート・哨戒艇と激闘の末、爆散。

  • 広島電鉄750形電車
PART-IIの第18話に登場した路面電車。もともと大阪市電の車両であったが、大阪市電の廃止に伴い広島へやってきた。
作中の車両番号は755号車で、もみじ饅頭でおなじみ「にしき堂」の広告電車となっていた。
市内線を走行中現金輸送車襲撃犯の仲間にジャックされ、市内線各所を迷走。最終的に広電宮島駅(現:広電宮島口駅)構内に誘い込まれ、電車強奪犯はここで逮捕。しかし電車は現金輸送車襲撃犯の主犯が仕掛けた爆弾によって爆破された。
これは廃車予定の本物の車両を広島電鉄が提供したもので、車両は爆破後に改めて解体された。なおロケの際には市内線を全列車運休させていた。

  • ステーキのあさくま藤が丘店
PART-Ⅱの第38話名古屋ロケ回で登場したステーキチェーン店。藤が丘店は実在する店舗で、改装の予定があったことから爆破された。

  • お化け煙突
ステーキのあさくまと同じ回で破壊された建物。偽札工場としての登場で、緻密な計算により一発撮影ながら綺麗な破壊に成功した。ちなみにこの建物は当地に本社を持つフタムラ化学が保有していたもので、現在は同社の社員寮が建っている。

  • 雪山のアジト
福島ロケで登場した犯人グループが雪山の中に建設したアジト。総工費は何と3000万円!
大門軍団と犯人一味の激しい銃撃戦の末に破壊された。

  • サンデー号
PART-IIIの第8話に登場した五代刑事の愛車。ベースはC10型スカイラインGT。
セドリックで逃げ回る現金輸送車強奪犯を捕らえるべく、西部署のパトカーと共に大規模なカーチェイスを展開。路肩から飛び出してきたトレーラーの荷台越しにダイブしてフォグランプを破損、犯人の乗るセドリックにサイドから体当たりするもバランスを崩して路肩の障害物に乗り上げ、横転。五代が避難した後爆発・炎上した。五代は泣いてもいい。
なぜ自家用車なのに警察無線と覆面のパトランプを装備していたのかは謎である

  • 観光バス
PART-IIIの第39話に登場した観光バス。車種は日産ディーゼル製のK-RA51Tで、所有者は下津井電鉄。
脱獄犯が警察から逃れるため運転手ごとジャック。カーチェイスの末にパトカーに囲まれるも脱獄犯は逃げることを諦めず、バスは砂山へ突入。運転手は脱出し、主犯はバスを暴走させようと企むも仲間ともども大門に狙撃され、バスは船舶燃料の貯蔵タンクへ突っ込み、貯蔵庫ごと爆破炎上。


小ネタ

  • PART-Iの木暮離脱期間中は特別ゲストが登場する回もあり、第104話では日本映画界の重鎮と呼ばれた高峰三枝子が出演して話題を呼んだ。尤もこの回ではそれ以上に芝浦運河を大ジャンプする実は失敗していたシーンの方が有名だったりするが。
  • 静岡ロケでは静岡駅前にヘリを着陸させたが、この事に対してロケに協力した静岡県民放送(現:静岡朝日テレビ)へ他のテレビ朝日系列局から苦情が入ったという*16
  • 前述の通り山形県ロケは縦断ロケで唯一、当時日本テレビとのクロスネット局だった山形放送が制作協力を担当した。これは同局の会長を務め、山形県のマスコミを牛耳った実力者・服部天皇敬雄の働きかけによるもので、地方ロケの中で最も派手な仕上がりとなった。制作に際してはあの石原裕次郎が頭を下げたという逸話まで残っている。
    余談だが山形放送は1993年4月から日テレのフルネット局に切り替わっており、以降番組の再放送は同時にテレビ朝日系フルネット局に切り替わった山形テレビで実施している。
  • 香川県でのロケは信じられないことだが、当時同県に本社を置いていた冷凍食品の加ト吉(現在のテーブルマーク)が協力しているにもかかわらず讃岐うどんの描写が一切登場しない。これは、放送当時讃岐うどんは香川ローカルの食べ物という認識が強く(B級グルメという発想も当時なかった)、知名度が低かったのが理由とされる。



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  • 石田勝範
  • 羽田健太郎
  • 1979年
  • 漢の義務教育
最終更新:2025年04月08日 12:42

*1 大都会シリーズは火曜21時からの放送。当時21時以降の番組は今よりも大人向けの作品を編成することが多かった。

*2 当時は雪国などごく少数しか採用例が無く、全国的な採用が始まったのは1986年頃からである。

*3 警官の持ち込みで換装した例もあったが、純正での採用が一般化するのは2000年代以降である。

*4 なお、テレビ朝日系列フルネット局は1983年に新潟県に新潟テレビ21が開局したが、同県でのロケは実施されなかった。

*5 これは課長が不在でもストーリーが違和感なく進められるように設定されたもので、実際中の人の長期離脱があったことを考えると設定が功を奏したと言えよう。

*6 2階級の昇進は原則殉職などに限り、定年退職での昇進は1階級のみ。

*7 このシーンでリキは東洋水産の赤いきつねを食べており、セリフも赤いきつねのキャッチコピーをもじったもの。

*8 ちなみに撮影には殉職回の前から復帰しており、OPでは本編にはない木暮・リキ・鳩村の3人が並んで階段降りするシーンがある。

*9 大門とは5年前から捜査課で一緒に勤めているとの描写もある。

*10 殉職前の28話も体調不良からか欠席している。

*11 初登場の回もスーパーZとマシンRS登場回で、当然尺的にはマシンの方が多い。

*12 通常ノンキャリアの警察官が県をまたいで異動することは無い。

*13 世界的ファッションデザイナー、イッセイ・ミヤケブランドのもので、演じる柴の持ち込みであった。

*14 どのような車種は不明だが、当時日産がモータースポーツで使用していたLZ20Bエンジンという説が有力である。

*15 現実にドアミラーが認可されたのはスーパーZ初登場の翌年のこと。

*16 当時静岡駅は高架化工事を行っていた関係で駅周辺に空き地があり、着陸させる許可が降りたと静岡朝日テレビの社史に記載がある。