登録日:2019/12/18 Wed 15:07:30
更新日:2025/05/10 Sat 21:30:29
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これは「スター・ウォーズ」の壮大なるパロディだ!
遥か銀河の彼方から
ギャグと大ボケ満載の
トンデモナイ映画が
やって来た!
【概要】
『スペースボール』とは、1987年に制作されたアメリカの映画作品のことである。
↑のことでもわかるように、かのSF超大作『
スターウォーズ』のパロディ作品であり、それをギャグ描写にアレンジしてある。
しかしおバカ映画ではあるが80年代パロディの特徴として力の入れ具合が半端ではなく、俳優はガチだし特撮描写はところによっては本家とタメを張るどころか凌駕しかねないクオリティを持っている。
ちなみにジョージ・ルーカスの許可を得た上で制作しているので、
本家公認のパロディ作品と言えよう。
スターウォーズ以外にも『
スタートレック』や『
猿の惑星』のパロディも含まれており、映画好きなら一度見て損はしない作品であろう。
【あらすじ】
Once upon a time warp...
昔々、タイムワープでさかのぼったある時代...
はるか遠く遠くの銀河系に、『スペースボール』と呼ばれる、極道者の惑星があった。
第11章
惑星スペースボールの指導者たちは、愚かにも自分たちの星の空気を使い果たした挙句、
お隣の平和愛好の星、惑星ドルイディアの空気を奪う策略を立てた。
今日はドルイディアの王女ベスパ姫の婚礼の日。
王女には知る由もなかったが、天空には不吉な影が差し込めていた。
これ読めた方。メガネいらないわよ♡
【作中用語】
本家でいう銀河帝国に当たる惑星で、作中の描写では惑星全体が機械化された不毛の星となっている。
そのため空気が不足しているらしく、緑の惑星であるドルイディアの空気を奪う策略を立てた。
本家の
フォースに当たる超能力。
使用には特別な指輪を用い、巨像をも動かす念動力や、指輪を媒介にして
ライトセーバーのような光剣を作ることもできる。
その気になれば巨大宇宙戦艦(のスイッチ)すら操作でき、液体化させる事でニトロ的な燃料にもなる。
ガソリン車対応
ダークヘルメットによると陰と陽があるらしく、本家の
ジェダイと
シスを表していると思われる。
シュワルツの剣同士で鍔迫り合いすると、絡み合ってこんがらがり取れなくなるので注意が必要。
ちなみに、シュワルツはドイツ語のスラングで男の股間のアレを意味する言葉。
実際、ライトセーバーを構えている姿勢が低いので勃起したアレのよう。
【登場人物】
主人公であり本家でいう
ハン・ソロに当たる男。演じたビル・プルマンは渋さとイケメンを併せ持つ名優。
本作では
ルーク・スカイウォーカーに当たる人物がいないために、その設定も含まれている。
宇宙船イーグル5の船長で、船長と呼ばれないと怒る。ガソリンは必ず5ドルずつ買うケチ。
スペースボールに狙われているベスパ姫の救助を100万宇宙ドルで請け負った。
熱くまっすぐな好青年で、自分のルール以外の誰のルールにも従わない。
終盤ヨーグルトからシュワルツの力を伝授され、ダークヘルメットと
にらみ合い勃起一騎打ちの殺陣を演じる。
そのため、ハン・ソロが
ライトセーバーで戦うという本家のファンからしたら夢の光景が実現したとも言える。
実は修道院の前に捨てられた捨て子で、自分の出生を知る手がかりは謎の文字が刻まれたペンダントしかない。
このペンダントは高貴な身分の証であり、ラストで実は王家の生き残り(王子)であることが分かる。
本家のチューバッカ。イーグル5号の乗員にしてローン・スターの友人の犬人間で愛称はバーフ。
ちなみにバーフ(barf)とはヘドやゲロを意味するスラングである。好物は骨型ドッグフード。
太った犬の獣人だが、これでも雌。存在自体がギャグのためかあまりボケない。
良くも悪くも脇役なのだが、演じた方が割と有名かつ早逝されたためブルーレイのパッケージなどでは目立っている。
本家のレイア・オーガナ姫。レイア姫みたいな髪型……の、
ヘッドホンをしている。名前の由来はスクーターのヴェスパ。
婚礼を控えていたが、当の相手の王子がしょっちゅうアクビするボンヤリでだったため嫌で逃げ出した。
その後はスペースボールに狙われることになるが、本性がわがままで荒っぽいためにあまり可愛くない。
銃は人殺しの道具なので嫌い。だけど髪を焦がされたら
ランボーばりに撃ち殺す。
実は鼻を整形している
- ドット・マトリックス
- (ジョーン・リバーズ(声)/ローレン・ヤーネル/吹き替え:水原リン)
本家のC-3PO。姫に仕える金ピカ・
金髪の侍女ロボットであり、姫に振り回されるロボットおばさん。
姫の貞操が脅かされそうになると彼女の胸の「バージン警報装置」が鳴り響き仲裁に入る。
名前の由来は当時コンピュータプリンタの主流だったドットマトリクスプリンタ。
R2-D2?そんな奴はいねえ
本家の
ヨーダ。行き倒れていたローン・スター一行を助けてシュワルツの力を伝授した。自称
ただのヨーグルト。
「惑星タトゥイーン」っぽい砂漠の惑星ヴェガでジャワ族似の者たち(原住民ディンク)と共に洞窟の寺院で暮らしている。
非常にフランクな人物だが、ダークヘルメットが「かないっこないもんね」と弱音を吐くくらい戦えば強いらしい。
ローンが持っていたペンダントの謎の文字を解読し、シュワルツの指輪(とフォーチュンクッキー)を授ける。
アジトにはスペースボールグッズも売っており、
「次回作までお金を稼がなきゃならん」と
大人の事情をぶっちゃけたりすることも。
「スペースボールTシャツ!スペースボール塗り絵!スペースボールランチボックス!スペースボール朝食用シリアル!スペースボール火炎放射器!」
まあ結局次回作なかったけどねあとよく見ると塗り絵の表紙はオプティマス・プライムである。
演者はメル・ブルックス監督で、よく見ると膝で歩いている。
本家の
ジャバ・ザ・ハット。宇宙に君臨するマフィア。全身がピザでできた怪物で、本家に輪をかけてキモい。
ローン・スターの借金に10倍という法外な利子をつけ100万宇宙ドル(吹き替えでは1万宇宙ドル)を要求。
翌日までに返済できなかったら、ピザを3度3度食わせるつもりだったらしい。
確かに胸焼けしそうだ
最終的に空腹のあまり自らの身を食べて勝手に死んでた。
ピザ・ザ・ハットの部下で典型的なギャングファッションに身を包んだロボット。
時々けいれんを起こす。好物はボスの身体(チーズ的な意味で)。
本家の
銀河皇帝パルパティーン枠で、ダーク・ヘルメットを顎で使う惑星スペースボールの大統領。
名前はメル・ブルックスの名字(Brooks)のアナグラムとスクリューボールに由来する。
ドルイデア星の豊富な大気を奪取しようと企んでいる。
トランクの番号は偶然にもドルイデアの大気バリアシールドのキー番号と同じだった。
執務室で隠れて「缶入りドルイデア産空気」を吸っているエアジャンキーで、変な口髭で変な敬礼をするのが特徴。
演者&吹き替えはヨーグルトと同じ……というか演じた人でだいたいキャラがわかるでしょ。
ベスパ姫の婚約者であり銀河系で最後の王子。半開きの目であくびばっかりしているバリウム。
本家の
ダース・ヴェイダー。通称ヘルメット卿。何故か登場BGMがジョーズ風。
宇宙戦艦スペースボール1の指揮官であり総司令官、大統領の右腕。
一見すると本家とそっくりだが、寸胴なうえにヘルメットが異常に頭でっかちで三等身。
別に火山の惑星で全身に火傷を負って、鉄の肺で呼吸しなければならなくなったわけでは
全然ない。
それどころかマスクをしてると呼吸がしにくいので、しばしば素顔を晒す。ちなみに丸い黒縁メガネをしている。
一方でヘルメットは絶対脱がない。砂漠の惑星に行った際はスーパーひとし君みたいな巨大なピスヘルメットを被っていった。
ちなみにヘルメットはシュワルツの剣にも耐えるが、船の急ブレーキでぶつけただけで凹む。
あれ?シュワルツいらなくね?
演じたニック・モラニスは、『
ゴーストバスターズ』や『ポリス・アカデミー』シリーズといったコメディ映画でおなじみの名優。
本作でも一番のギャグメーカーとして演じ切っている。
お人形さんごっこがスキ
主人公ローン・スターとの関係は彼の父親、の兄、の甥、の従兄弟、のルームメイト。
赤の他人じゃねえか。
本家同様に機嫌を損ねた部下に制裁を加えることがあるが、それはシュワルツで股間を握りつぶすという、ある意味では本家よりもえげつないもの。
それゆえ部下からは非常に恐れられている。
そんな本人の股間は一笑に付す程度らしいが
シュワルツの剣ことライトセーバーで戦うが、斬り合いの最中に間違って音響さんを切っちゃうこともある。
リーチの関係で頭を押さえ付けられると攻撃が全く届かないという、池野めだか師匠チックな弱点がある。
宇宙戦艦スペースボール1の司令官。本家の
ターキン総督枠。
作中数少ない常識人で、無茶ぶりをするダークヘルメット(と大統領)のバカ二人に振り回される苦労人。
映画『スペースボール』の
VHSコピーを所持しており、バカが映画のどの辺りを進行しているか忘れた時の説明に使う。
ちなみにサンダース大佐という名前はカーネル(コロネル=大佐)・サンダースとかかっている。どうでもいいって言うな。
ヘルメット卿と大統領と三人で並ぶとまるで
漫才トリオ。
仕事熱心だがダーク・ヘルメットの機嫌を損ねてしまい「あれだけは勘弁して下さい」と懇願するも指輪のビームで股間を潰された。
『スタートレック』シリーズのスコッティに似た転送装置技術者。大統領を転送したが体の前後が逆になってしまう。
ジルコン司令官が改めて転送を指示するも大統領は「もういい、歩いて行く」と告げ、
隣の部屋にある指令室に入った。
本作は随所にスタートレックシリーズのパロディがあり、ローンが
バルカンつかみで敵兵を倒そうとしたりもしている。
スペースボールの副司令。スクルーブ大統領に転送装置の使用を奨めた。
トイレで大統領の股間をのぞいて「ふぅーん」と嘲笑してみせた。
スペースボール1号の砲手。吹き替えでは「フリィップ・トンチキ上等兵」。
従兄弟の名前もアホ。ひどいネーミングだ。
というかブリッジの兵士のほとんどがアホだった。もうやだこの宇宙艦隊。
アホ曹長に命令を出した方のアホ。
その名の通りスペースボール1号のレーダーを担当する。
だが演者お得意のボイスパーカッションでダーク・ヘルメットを苛立たせてしまうことも。
演者と彼の芸は『ポリス・アカデミー』シリーズやガソリンのCMで一度は目にした人もいるのでは?
監督曰く「SE代が浮いた」。
- ローランド王
- (演:ディック・ヴァン・パタン/吹き替え:亀井三郎)
ドルイデア星の国王。ベスパ姫の親父にして親馬鹿。
「番号を教えなければ外科医のシュトロキンが娘の鼻を元の形に戻す」と脅されてすぐ教えてしまった。
しかも123456789というバカがトランクのキー番号に使うレベルの暗号を大気バリアシールドのパスワードにしていた。
後にメガメイドに星の空気を吸引された事で窒息し気絶。すぐ戻ったので一瞬で目が覚めた。
- 警備隊長
- (演:スティーヴン・トボロウスキー/吹き替え:不明)
スペースボール・シティ刑務所の警備隊長。警備兵に成り済ましたローン・スターらと銃撃戦となる。
ローン一行を追い詰め「見事なスタントだったが、それまでだ」と振り向かせると全然似てない別人。
「これはスタントマンだ!」
ローンとバーフが立ち寄った宇宙レストランで定食を食ってた男。
仲間と談笑する最中、体内にいたチェストバスターにチェストを
バスターされた、映画『
エイリアン』のケイン役本人。
カメオ出演であり
「またかよ……勘弁してくれ」のつぶやきとともにがっくり倒れる場面で、気づいた方はどれだけいたのであろうか?
ちなみにこのダイナーの駐車場には
ミレニアム・ファルコンが停まっている。
持ち主はどいつだ?
尚、彼が食べていた料理を注文していたローンとバフはすぐ店を立ち去った。
浜辺に埋もれている自由の女神像(らしきもの)を発見した服を着た猿。っていうか猿の惑星。
地味に特殊メイクの出来が本家並み。どこに本気出してんだ。
ジョンの胸からチェストバスった
エイリアン。
ご機嫌なカンカン帽子にステッキを携えて、意気揚々とタップダンスを披露する。
ベスパ姫とヴァリウム王子の愛のない結婚式をノリノリの笑顔で祝福する性格が悪い老司祭。
【登場メカ】
ローン・スターの宇宙船。見た目は
翼の付いたオンボロワゴン車。
ちゃっちく見えるが超光速ジェットエンジンを搭載してるなかなかの高性能。
『ハイパー・ジェット・スピード』という元ネタの「ハイパースペース」的な異空間ジャンプができる。
レーダージャミング用の
ジャム(美味しい)を発射できる。尚、このジャムはラズベリー・ジャムである。
ちなみに燃料はガソリンで燃費が悪い。ベスパ姫曰く乗り心地は悪いらしい。
スペースボールが惑星ドルイディアの空気を奪うために用意した巨大宇宙戦艦。
本家でいう
スターデストロイヤーに当たるが、機械部品が細長くつながった塔のような形状をしている。
イーグル5のハイパー・ジェット・スピードを追い抜くほどの速度を誇るが、急ブレーキをかけると中の人間も慣性で吹っ飛ぶ。
空気を奪う際には、顔が自由の女神に似ているメイドさん型ロボット
「メガメイド」に変形。
手に持っている巨大掃除機で空気を吸い取る。でもスイッチ一つですぐ止まる。
脱出時には頭部の脱出ポッド射出部が延伸展張し、頭の部分がより自由の女神に近くなる。
元ネタは「
トランスフォーマー」で、ブリッジクルーはトンチキ一族で構成されている。
最後は
ダーク・ヘルメットがついうっかり押しちゃった自爆装置により爆散した。
ちなみにメイドの頭部はドルイデアの海岸に落下、スクルーブ大統領らは無事だった。
ヘルメット卿のお出ましーっ!
ヘルメット卿に敬意を表し、全員追記・修正!
- 「私のトランクと同じ番号とは・・・」でクッソ笑った -- 名無しさん (2019-12-18 16:40:08)
- ID大統領の過去か。 -- 名無しさん (2019-12-18 16:46:42)
- サーカス団同行の娯楽完備の戦艦 -- 名無しさん (2019-12-18 19:30:41)
- スペースボール1のウルトラスーパーハイでワープするシーンで光速→スーパーハイ→ウルトラスーパーハイのシーンは笑ったwwwww -- 名無しさん (2019-12-18 20:03:48)
- これ面白かったな。本家を見たこともなかったのに爆笑してた -- 名無しさん (2019-12-18 20:14:19)
- あったなぁこれ -- 名無しさん (2019-12-18 20:19:01)
- 「鼻先を狙えといったろ!」「ちゃんと狙ってます!(自分の鼻先を見ながら)」から始まる一連のギャグが好き。 -- 名無しさん (2019-12-18 22:17:38)
- 最初に見た時だけ「私はお前の父の兄の隣の家のお手伝いさんだった」「それがどうした!」「特に意味はない!」みたいなセリフがあったように記憶してるけど、後で見ても出て来なかった -- 名無しさん (2019-12-18 22:19:00)
- ↑あったよ、終盤でローンスターとヘルメットが対峙したときに「私は君のお父さんの甥のいとこのルームメイトだった」「けっきょくどういう関係だ?」「まったく赤の他人だ」というやりとりが -- 名無しさん (2019-12-18 22:21:21)
- ヘルメット様のフェイスガードの強烈な印象 -- 名無しさん (2019-12-19 07:30:02)
- 本家と違ってマスクしてると呼吸できないヘルメット様に爆笑した記憶 -- 名無しさん (2019-12-19 16:32:31)
- ↑8 その後のローンスター達を追い越したシーンで、バーフの「空飛ぶ電気毛布かと思った」の台詞で何で電気毛布なんだよwwwwwと更に笑った。 -- 名無しさん (2019-12-21 01:18:35)
- 音響さんを斬るシーン、確かにあったわw -- 名無しさん (2019-12-22 14:53:23)
- これとかホットショットとかハリウッドのパロディ映画はどれも半端ない -- 名無しさん (2020-01-01 23:38:51)
- 銃は人殺しの道具なので嫌い。だけど髪を焦がされたらランボーばりに撃ち殺す←生々しい精神だ -- 名無しさん (2022-01-11 13:52:42)
- 部下に対する制裁がたしかにそれなら確実に恐れられそうだ -- 名無しさん (2022-01-11 13:53:23)
- 他のメルブルックス映画はギャグはキレキレだけど途中グダグダというのがおおいので、終盤までとおして面白い今作はメルブルックス監督作としても傑作の部類。 -- 名無しさん (2022-01-25 11:17:15)
- 本家を徹底的にリスペクトしてないとできないレベルのパロディだったわな -- 名無しさん (2022-12-08 09:52:22)
- どっかで「禁断の惑星」の万能ロボット・ロビーが出てたような記憶が・・・別作品か? -- 名無しさん (2024-02-15 18:03:19)
- 愉快な悪人連中も死なないで終わるから見終わった後の後味もいい -- 名無しさん (2024-07-04 22:08:33)
- 喜久子さん親指スターウォーズでもレイア姫のパロディ役やっててやたらスターウォーズパロディに縁がある -- 名無しさん (2024-12-07 22:18:59)
最終更新:2025年05月10日 21:30