登録日:2020/01/28 Tue 23:16:48
更新日:2025/03/02 Sun 10:04:21
所要時間:約 10 分で読めます
カットがかかるまでの
幕が降りるまでの
その僅かな時間だけ
他人の人生を生きる
時に国境も時代も世界すらも超えた別人を体験する
そういう常軌を逸した喜びに魅せられた人間を
役者という
●目次
【概要】
『アクタージュ act-age』とは
週刊少年ジャンプにて2018年8号から連載していた漫画。
原作はマツキタツヤ、漫画は宇佐崎しろ。
圧倒的な、だが危うい演技の才能を持つ少女が女優としての道を駆け始める役者漫画。
女性主人公で且つバトルものではないという作風ゆえ、連載当初は先行きを不安視する声が多かった。
しかし、主人公の才能がもたらす周囲の変化や主人公自身の成長といった要素を、撮影や演劇のリアルな緊迫感を以て色濃く描写し、好評を得ている。
単行本の売り上げも刊行のたびに右肩に上がり、5巻の時点で累計50万部(9巻時点で累計200万部)を超える大躍進を遂げた。
また、著者の
読み切り『阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ!』と同じ登場人物が登場しており、本作の前日譚となっている。
2022年には舞台化が決まり、夜凪景役のオーディションを開催するなどメディア展開がなされていく……はずだったが、2020年36・37合併号で突然の
打ち切りになってしまった、詳細は後述。
【ストーリー】
女優を目指す女子高生・夜凪は有名芸能事務所スターズのオーディションで天才的な芝居をするも不合格。
それは彼女の危険な演技法に理由があった。
しかし、夜凪の才能に魅せられた映画監督・黒山が役者の世界に誘う!!
(第1巻裏表紙
あらすじより)
【登場人物】
単行本おまけページに掲載の
プロフィールには好きなもの、特技の他に「好きな映画」が載ってあるのが特徴。
主な役者
主人公。16歳。好きな映画『
ローマの休日』『カサブランカ』『風と共に去りぬ』
女優志望の高校2年生。
幼い頃に小説家の父親が蒸発し、母も体調を崩して病死。それからは母親代わりになって幼い弟と妹を育ててきた。
なお母の臨終にも立ち会わなかった父とは今も音信不通の状態。
同じ学校の生徒からは「美人だがいつも一人の変人」扱い。性格ゆえか友達も無く、バイトは何度もクビになっている。
役柄の感情を過去の記憶から追体験する「メソッド演技」の並外れた才能を持ち、あまりに役に入れ込み過ぎるため周囲の人間を巻き込んでしまうことがある。
その危うさからオーディションに合格できずにいたが、スターズのオーディションの審査員だった黒山に才能を見込まれ、女優の道を歩み始める。
役柄を演じる為に、自らの経験した「記憶」を追体験する演技法。
体験さえあればまるで別人の様に演じる事ができ、夜凪は独学でその境地に辿り着いた。
この上なくリアルかつ感情を込めた演技が出来る反面、「自分以外の誰かになる」というのは極まると己を見失う危険性があり、星アリサはいずれ夜凪が壊れてしまうのではないかと危惧している。
夜凪は蒸発中の父親の残した映画DVDを一晩掛けて観ることで過去の自分の感情を呼び覚ましていた。
現実では名作映画『
ダークナイト』にて
ジョーカーを演じた
ヒース・レジャーが有名。
彼のジョーカーの怪演は映画史に残る凄まじいものであったが、役にのめり込む余り次第に精神を病んでいき不眠症となり、映画公開前に急性薬物中毒により事故死してしまった。
17歳。好きな映画『晩春』『ローマの休日』『
時をかける少女(1983年版)』『花とアリス』
スターズの若手No.1女優であり、清純派イメージから「スターズの天使」の異名を持つ。
役の感情に入れ込む夜凪とは対照的に、他者の望む芝居をすることに長け、「仮面」をつけているかのように振る舞う。
しかし、夜凪との出会いによって彼女への興味と対抗心が掻き立てられていき、更なる成長を遂げていく。
見かけによらず
昆虫採集が趣味。
21歳。好きな映画『サウンド・オブ・ミュージック』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『アーティスト』
実力派の舞台俳優。過剰なまでの役作りで自然な芝居を見せる「
カメレオン俳優」。
役者の「匂い」から演技の質を見分ける奇抜な能力を持つ。
演出家の巌裕次郎に才能を見出され、彼に恩義を感じて役者の道へ入り、以後は彼に絶大な信頼を寄せる。
26歳。好きな映画『
ロッキー』『
ダイ・ハード』『グラン・トリノ』
ハリウッドを中心に活躍中の人気映画スター。尊大で傲岸不遜な性格の俺様系。
しかしファンを大事に思い、共演者を慮り、認めた才能の持ち主には色々世話を焼くなど、人柄は案外良い男。
かつてはスターズに所属していたが、制約の大きさに辟易し辞めている。
圧倒的な存在感を持つ演技を得意とするが、裏を返せば手数に乏しい。
現実で言えばキムタクが近い。
演技技術自体はスターズ出身者の例に漏れず決して低くなく、高い判断力や自信の存在感を活かす演技、その場のアドリブも心得ている。
周囲の役者
18歳。好きな映画『
十二人の怒れる男(1957年版)』『
レ・ミゼラブル(2012年版)』『髑髏城の七人(2011年版)』
主に舞台で活躍している俳優。真っ直ぐで一生懸命な熱血漢であり、周囲のまとめ役でもある。
舞台出身者としての大きく通る声、とっさの状況判断が武器であり、経歴からかデスアイランド共演者の中で最も早く夜凪の才能を見抜いている。
演柱炎柱ではない。
17歳。好きな映画『誰も知らない』『その夜の侍』『恋人たち』
物静かな俳優。役作りの研究熱心だが演じ分けは苦手な模様。
18歳。好きな映画『
フォレスト・ガンプ/一期一会』『
ビッグ・フィッシュ』『横道世之介』『6才のボクが、大人になるまで。』
関西出身の女優。学校を辞めてバイトしながら女優業に打ち込んできた。
当初は役に没頭しすぎる夜凪と衝突を起こしていたが、彼女のひたむきさを見て打ち解けた。
16歳。好きな映画『
ターミネーター』『ニキータ』『
キル・ビル』『ミリオンダラー・ベイビー』
夜凪が落ちたスターズのオーディションで合格した女優。アクションクラブ所属で、スタントもこなせる。
23歳。好きな映画『ダンボ』『101匹わんちゃん』『
美女と野獣』
劇団「天球」の女優。不愛想な眼鏡っ娘。
恩師である巌を敬愛している。
幾花にいろ作品の登場人物ではない。
22歳。好きな映画『雨に唄えば』『
マスク』『グリンチ』
劇団「天球」の俳優。不真面目そうな眼鏡男子。
劇団のムードメーカーで、コミカルな芝居が得意。
38歳。好きな映画『ビルマの竪琴』『たそがれ清兵衛』『そこのみて光り輝く』
大河ドラマに出演していた中堅俳優。周りへの気配りに富んだ人物。
20歳。好きな映画『恋する惑星』『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』『わたしはロランス』
元アイドルタレントの女優。無邪気で自由だが感覚としては極めて一般的。
業界関係者
35歳。好きな映画については語ることは無粋と思っている。
スタジオ「大黒天」の映画監督。斜に構えた態度なアウトロー気質な男。
得意分野はドキュメンタリー映画であり若い頃から世界各地を回ってきた。
その才能により世界三大映画祭全てに入賞している稀有な存在。
スターズのオーディションの審査員として参加した際に夜凪の圧倒的な才能を見抜き、彼女を女優としてスカウトする。
彼女の得意不得意を見抜きながら、女優としての成長を促していく。
20歳。好きな映画『ジョゼと虎と魚たち』『(500)日のサマー』『ブルーバレンタイン』
スタジオ「大黒天」の制作。黒山とは学生時代に知り合って以来の付き合い。
無茶をやらかす黒山や夜凪のあれこれを冷や冷やしながら見守っている。
54歳。
芸能事務所「スターズ」の社長で元女優。
自分の価値判断に絶対的な信頼を持ち、威圧的な雰囲気を漂わせている。
オーディションで垣間見た夜凪の危うさにいち早く気付き、彼女の行く末を案じている。
78歳。好きな映画『独裁者』『生きる』『カッコーの巣の上で』
演劇界の重鎮を担う舞台演出家。現在は劇団『天球』を率いている。
厳しい演技指導の中にも役者を見守る優しさを秘めている。
最後の舞台で教え子の阿良也と夜凪に全てを託すのだが…。
業界で悪名高いプロデューサー。
金になる仕事ならば手段は選ばず、人の感情を逆撫でることも平気でやってのける。
30歳。
絵画や小説など様々なジャンルに手を出している芸術家。
舞台『羅刹女』の脚本と演出を手掛け、夜凪の演技に自分の望む演技を求める。
なお天知が夜凪と千世子の対決の為に引っ張り出した存在であり脚本家・演出家としては素人。
実は夜凪とはある因縁があるのだが…。
その他・周囲の人物
夜凪の妹と弟。母親代わりの姉に育てられ、すくすくと成長中。
17歳。好きな映画『打ち上げ花火、下から見るか、横から見るか?(1995年版)』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『リンダ リンダ リンダ』『もらとりあむタマ子』
夜凪のクラスメイトで映像研究部部長。
大の映画好きで自分で映画撮影することを夢見ており、夜凪を自主制作映画のヒロインとして起用する。
16歳。好きな映画『
アナと雪の女王』『
君の名は。』
夜凪のクラスメイトで映像研究部部員(名義だけ)。
当初は何事も澄まし面の夜凪が気に入らなかったが、自主制作映画作りで真摯に向き合ってきた彼女に根負けし友達になる。
【登場する作品】
人気漫画の実写映画化作品。
無人島に漂着した24人の高校生がスマホアプリから伝わる指令に従ううちに殺し合いに発展していく
デスゲームもの。
12人のスターズ所属俳優と12人のオーディション選抜俳優が共演。
千世子曰く「私頼みのひどい脚本」と言われるあたり、クソ邦画扱いされているのかもしれない。
なお、夜凪景は原作にない
オリジナルキャラクターを演じていた。
やっぱりクソ映画じゃねーかなこれ
作中での評価も「原作ファンに嫌われ」「場面によって表現がバラバラ」等々あまり評判が良くないが、公開後の興行収入は上々である模様。
宮沢賢治原作の小説の劇団「天球」による舞台。
巌裕次郎最後の演出作品となった。
ジョバンニとカムパネルラのふたりの少年が不思議な鉄道に乗り銀河を旅する。
生と死、そして「幸福」の観念を描いた哲学的作品である。
吉岡が
文化祭用に企画した夜凪主演の自主製作映画。
憧れの女子「君」の一日を「僕」の視点から捉えた短編。
「西遊記」の悪役・羅刹女を中心に描いたオリジナル舞台劇。
羅刹女の牛魔王への執着、孫悟空との戦いと愛憎を、彼女の怒りと葛藤を描いた作品。
作中では、天知の戦略としてスタッフとキャストが異なる「サイド甲」と「サイド乙」の二種類の公演が企画され、両者の人気を争う投票が行われることとなる。
サイド甲…演出:山野上花子(脚本)、羅刹女:夜凪景、孫悟空:王賀美陸
サイド乙…演出:黒山墨字、羅刹女:百城千世子、孫悟空:明神阿良弥
実は脚本家のある思惑があって書かれた物語のようであり…。
【打ち切り】
2020年8月8日、原作者のマツキタツヤが公道で女子中学生の背後から胸を触るなどの公然わいせつの容疑で逮捕されてしまい、突然の緊急事態にジャンプ編集部は案の定困惑を隠せず、作画担当の宇佐崎先生と話し合った結果、作品の打ち切りが決まってしまう。
これにより前述の企画されていた舞台化とオーディションは中止、単行本は無期限の出荷と配信停止が決まり事実上の絶版になったことにより
封印作品となっている。
追記・修正お願いします。
作品及び作者などに対する愚痴・誹謗中傷コメントが収まらない場合、IPの規制、コメント欄撤去などの措置が取られる可能性がありますのでお控えください。
- 反対意見が無いようなのでコメント欄をリセットしました。原作者や作品に対する過度に攻撃的な非難、口論などはやめましょう。 -- 名無しさん (2020-12-20 20:22:32)
- 明日発売のジャンプで作画してた人の新作の読み切りが掲載されるね。本当にこの人は絶対に救済すべきだと思う。 -- 名無しさん (2020-12-20 22:13:52)
- 宇佐崎さんほんと報われて欲しい、宇崎ちゃんといい宇と崎の付く名前はセクシャルなトラブルに巻き込まれるジンクスでもあるのかね -- 名無しさん (2021-02-03 22:38:10)
- あるスレだとなぜか作画の人まで悪いかのように書かれてて腹立ったわ -- 名無しさん (2021-03-03 06:34:35)
- 作画担当はイラストレーターとして大好きなVチューバー関連の仕事してて楽しそうでなにより -- 名無しさん (2021-10-31 09:34:30)
- 今となっては打ち切りの印象が強すぎるけど、本当に面白い作品ではあった ジャンプの看板作品になるだけの力はあった それだけに惜しい -- 名無しさん (2022-01-27 00:14:53)
- ここのコメント欄の撤去をお願いします。 -- 名無しさん (2022-07-30 19:28:27)
- 呪術とかドクターストーンみたいな準看板級の人気と面白さがあっただけになぁ 事件起きた時はマジで残念だった -- 名無しさん (2022-11-28 11:24:03)
- ↑2リセット後で荒れてもいないのにコメント欄撤去してとか暴挙過ぎないか 下手な荒らしよりタチ悪いわ -- 名無しさん (2022-11-28 11:32:40)
- もしちゃんと連載できてたら、鬼滅アニメヒット後の呪術やチェンソーマンアニメ化の流れでアニメ化できてたのかなとか考えちゃう。それか舞台もっとやるか -- 名無しさん (2023-03-07 16:47:02)
- 別の法違反なら次第によるが償ってから再開も有り得たかもしれないから、まさかこれかよと今でも残念に思う -- 名無しさん (2023-04-01 10:04:33)
- 本作の作画担当だった宇佐崎しろ氏は現在【推しの子】の作画のアシスタントをしてるらしいよ。 -- 名無しさん (2023-11-01 18:37:43)
- 原作者がWJ50周年企画で好きなジャンプキャラに小島水色を挙げていて、当時は「目の付け所が面白いな」と思ったんだが・・・ -- 名無しさん (2023-11-09 13:58:41)
- ↑2 宇佐崎さん、これ以降読み切りだけで連載はまだゲットしてないんだよな。原作者が足りないのか、他に何か事情があるのか、本人が今は連載をやりたくないのかはわからないけれど -- 名無しさん (2024-07-31 11:04:53)
- (続き)なんて言ってたら、まさかの入間くんとのタッグ……………おめでとうございます。 -- 名無しさん (2024-09-09 15:15:47)
最終更新:2025年03月02日 10:04