登録日:2020/03/13 Fri 05:49:04
更新日:2024/08/19 Mon 12:37:25
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私は…私の種族をこの地球の支配者にする為、この戦いに命を懸けている!
……君は何の為に戦ってる?
城光とは、特撮テレビドラマ『
仮面ライダー剣』の登場人物。
本項目では彼女の正体である
タイガーアンデッドについても記述する。
演:浜崎茜
【概要】
現代において解放された
不死生物・
アンデッドの一体であり、クラブスートのカテゴリー
Qに分類される上級アンデッド。
計4体存在するカテゴリーQの中でも最後に登場した。
普段は「城光」という名の
人間の女性に化身している。
金のメッシュが一筋入った
黒髪ロングにノースリーブジャケット、黒のタイトパンツ、
指ぬきグローブとアクティブな恰好をしており、
人間の姿のままでも鋭い足技を使い、相手をねじ伏せる男勝りな実力者。
通常、
アンデッドは多かれ少なかれ「バトルファイトに勝ち残って自身の種を繁栄させる」という闘争本能に従って行動しており、
光もまたバトルファイトへの参加に積極的な者の一人である。
しかし、彼女はバトルファイトを
『生物の覇者を決める神聖な儀式』という聖戦として捉え、「統制者」の事も
「マスター」と呼んでいる。
『種族の代表者』という自身の役割に強い誇りと自負を持っており、通常のアンデッドの様にただ生き残る為に形振り構わず力を振るう事は好まず、
寧ろそれに対し、嫌悪感すら抱いてもいる。
その為、敵と戦う事に躊躇は無くとも、他のカテゴリーQ達の様な小手先の策略を使う様な真似はせず、強敵との正々堂々とした決闘を求める。
弱者に手を出さず、直向きに強者との戦いを望むその姿は正に
誇り高き孤高の戦士と云えよう。
そういった自身のプライドもあって、曲者揃いの上級
アンデッド達の中でも好戦的な面や落ち着きだけでなく、ある種の純粋さを兼ね備えた性格で、
嶋昇/タランチュラアンデッドとはまた違った意味で変わり者と云える。
また、懐も広いやや
ツンデレ気質の姉御肌。
その強さとクールな振る舞い、優しさを持った強いヒロイン性から、視聴者からは
「虎姐さん」の愛称で親しまれており、
アンデッドの中でも特に高い人気を誇るキャラクターとなっている。
【劇中での活躍】
あの程度の事で視力を失うとは、人間とは弱いものだ。やはり我々の種族こそが、世界を支配するに相応しい。
文句ある?
初登場は第35話。
ジェリーフィッシュ
アンデッドが一般人を襲っている現場に姿を見せるが、そこに暴走した
ジョーカーが出現した為、その場は一旦引き下がる。
直後場所を変え、再度ジェリーフィッシュ
アンデッドと対峙するが、今度は睦月/レンゲルが乱入。
ジェリーフィッシュ
アンデッドの
封印までを見届けるが、
キングから渡された
相川始の
ラウズカードなどを湯水の如く使う力押しだけの戦い方や、
『最強のライダー』を自称するその姿勢に
「最低の戦いだな…」と呆れ、自分にも戦いを挑もうとした睦月を人間の姿のままでねじ伏せる。
ここの
カテゴリーAのカードを弾き、更に
三連蹴りで睦月を這い蹲らせ、文字通り踏み付けにするシーンは中々見ものである。
そのまま本項目冒頭の様に戦う理由を問うも、満足な回答は得られなかった為、
「君に構ってる暇は無い」と睦月を見逃して姿を消す。
その後、情報収集の為のジョーカー監視中、そのジョーカーを狙って襲ってきた睦月が返り討ちに遭う現場に出くわす。
その情けない負けっぷりを目の当たりにした光は、バトルファイトを本来の形に戻そうと睦月の前に現れ「封印された
アンデッド達の解放」を要求し、
本来の姿である怪人態となってレンゲルに襲い掛かり、圧倒する。
しかし、半ばヤケになったレンゲルは♣10・REMOTEで始のカードから
アンデッド達を解放し、「ジョーカーを探せ」という命令と共に街に放ってしまう。
その行動に
「正々堂々と戦うという事を知らないのか……?」と心底呆れた様子を見せ、その場を後にする。
そしてジョーカーが
アンデッド達を襲い、再封印していくのを観察していたが、そこに現れた
剣崎一真/仮面ライダーブレイドがキングフォームになると、
その性質がジョーカーを凶暴化させている事を見抜いて戦いを中断させ、剣崎にその事実を伝えている。
その後、光は睦月のアジトを訪れるが、彼女は睦月を倒すべき相手とは考えず、片や睦月も光と戦って勝てると考えておらず、
互いにそういう雰囲気でもなくなってしまった事もあって戦いには至らず、それどころか光はアジトに居座るようになる。
光は睦月を「坊や」と呼んで上から目線な態度を崩さなかったが、
色々耳に痛い事言われつつも、自分に寄り添い、向き合ってくれる者がいなかった睦月は彼女に対して徐々に気を許すようになっていき、
軽口を叩き合うなど、友人の様な関係になっていった。
ちなみにアジトに来てからは、
- 睦月が連れてきた栗原天音に「大人しくしてなさい。うるさくすると…食べちゃうわよ!」と凄む→一時的に目が見えず、光の正体を知らない天音はキョトンとする
- (多分睦月が手配してくれたのであろう)大きな骨付き肉に豪快に齧り付く
など、光も少しコミカルな一面を見せる様になる。
その後、アジトに腰を落ち着け、迷走と敗北を繰り返す睦月を眺めたりからかったりしつつ、ライダー達の戦いを見物していた光。
だが、第41話にて不意に1万年前のバトルファイトの記憶を思い出し、自分も戦士として戦うべきと再認識した末、アジトを出ていく事を決意する。
どこへ行く?
……お前にはもう興味が無くなった。
何…?
私はお前を観察していた。お前がカテゴリーAなのか、それとも人間なのか……。
どういう意味だ?
お前は…甘すぎる……。
不安定過ぎる。お前など…アンデッドではない!
俺はカテゴリーAと一体化している…。
フッ、今の君は私が倒す価値も無い。
睦月に戦うに値しない存在と言い放った光は、山中望美が現れた事もあってアジトから出ていき、戦うべき
アンデッドを探し始める。
途中、剣崎/ブレイド・
橘朔也/仮面ライダーギャレンのコンビと遭遇して一戦交えると2人を圧倒し、逃走。
その最中、カテゴリーK・
金居/ギラファアンデッドと遭遇。
「カテゴリーK……。やっと戦いらしい戦いが出来るわね」と喜んで挑みかかるが、
ギラファアンデッドの圧倒的な実力を前に歯が立たず、アンデッドバックルが解放する程のダメージを負わされる。
しかし、敗北したアンデッドを封印する為に現れる筈の「統制者」の
ねじれこんにゃく「モノリス」は姿を現さず、
彼女自身も以前から薄々抱いていた現代のバトルファイトへの違和感を金居に指摘されてしまう。
敗北に加え、自らのアイデンティティでもある
アンデッドとしての誇り、その根幹が揺らいでいる事にショックを隠せないタイガー
アンデッド。
そんな傷ついた彼女に寄り添ったのは拒絶したはずの睦月だった。
睦月に助けられる形になった光は、夕焼けに染まった海辺のベンチで
「お前の中には…“光”がある。あの女の子を近づけまいとしたのも、その“光”だ」と、
睦月が完全に悪に染まっていない事を指摘しつつ、彼が思わず持ってきた望美の
おにぎりに興味を向け、勧められるまま口に運んだ。
こんな物、食べた事無い……。
……美味しい。
ああ……。なんか知らないけど……。アイツの、美味いんだ……。
力を求め、非情に徹しようとしながら甘さを捨てきれない睦月の優しさ、心の奥にある『光』に触れた光だったが、
バトルファイトの真実を確かめる為に彼を振り切り、先の戦闘で金居が示唆した黒幕……
天王路博史の元へと向かう。
そして対面した天王路自身の口からバトルファイトの真実と共に、彼が
仮面ライダー達を亡き者にしようとしている事を告げられる。
戦う理由を完全に失い、
絶望しかけた光は戻った睦月のアジトで再会した望美に自分の正体を明かして追い払おうとするが、
睦月を想う望美は
「怖く…ありません!あなたも、睦月も…!怖くない!」と光に毅然とした態度で向き合おうとする。
そして彼女が持って来ていたおにぎりを目にしたタイガー
アンデッドは睦月の事を思い出す。
……そのすぐ後、
ティターンに打ち込まれたアンデッドポイズンによってカテゴリーAに支配されかけ、暴走する睦月の前に姿を現し、
「カテゴリーAに完全に支配され、他のライダー達に倒される前に自分の手で倒す」と
アンデッドの姿に変身。
「油断するなよ…。私は手加減などしない!」「今の私は、お前と同じだ!!」と言い放ち、闘争本能の赴くままにレンゲルに変身した睦月に襲い掛かる。
たとえ戦っても種族の繁栄は無い!
偽りのファイトに踊らされていた、今の私にも戦う理由など無かった…。
貴様と同じ…ただの獣だ!!
そう自嘲しつつも、持ち前の戦闘技術によってレンゲルの攻撃を次々に打ち破り、相も変わらずカードを多用したゴリ押し戦法に頼る彼に対し、
「そんな戦い方で私を倒すつもりか!?」「アンデッドの力を借りるだけでは私には勝てない!!」と
挑発しながら追い詰めるが、
飛び掛かった所にレンゲルが咄嗟に突き出したレンゲルラウザーによってその身を貫かれてしまう。
思いがけない勝利に戸惑うレンゲルに対し、タイガー
アンデッドは自ら彼のラウズバンクからプロパーブランク・♣Qのカードを取り出し、光の姿になると、
と言い残して
アンデッドの姿に戻り、そのままカードに
吸収・封印された。
そして彼女がいた場所には
♣Q・ABSORBのカードと共に、何故かラウズアブゾーバーが残されていた。
この封印後もなおも暴走を続けるレンゲルはブレイドとギャレンに勝負を挑み、入手したラウズアブゾーバーにQのカードをセットし、
キングフォームへのパワーアップを試みる。
ブレイド、俺のキングフォームを見ろ……!
Absorb Queen!
Evolution King!
そして、睦月の精神世界に嶋と共に現れた光はカテゴリーAを封印するように促す。
睦月、カテゴリーAを封印しろ。
“光”と“闇”に、操られるな!
自分との戦いに……終わりはない……。
彼女の言葉を受け取った睦月は、嶋の力やブレイドのキングラウザーを借りて奮戦し、遂に自らの手で
スパイダーアンデッドの完全封印を成し遂げた。
ようやく呪縛から解放され、橘の口から改めて光の真意を告げられた睦月は、自分のこれまでの過ち、そしてそんな自分を信じてくれた彼女の事を思い、
「俺が……。もっと……強ければ……」と涙を流すのだった……。
その後、彼女のカードは睦月が保有し続けているが、レンゲルには長らく強化フォームが存在しなかった為、残念ながら本編ではその後の戦闘で使用される事は無かった。
【タイガーアンデッド】
バトルファイトは選ばれし者を決める神聖な戦い…。“ライダーシステム”などはそもそも存在しなかった。
ライダーに封印された奴らは……元に戻すべきだ!!
身長 |
217cm |
体重 |
112kg |
種族 |
アンデッド |
生物モチーフ |
トラ |
スート |
クラブ |
カテゴリー |
Q |
特色・力 |
人間への化身 暗視能力 優れた跳躍力 金属製の鉤爪 |
カード名 |
アブソーブタイガー |
クリーチャーデザイン |
韮沢靖 |
初登場回 |
『剣』第36話「最強フォーム」 |
クラブスートのカテゴリーQに分類される上級
アンデッド。
虎の祖たる不死生物で、オレンジ色の地に黒い模様が入った体表や鬣のような
モヒカン、尻尾が目を引く。
顔には
アンデッド特有の目元を覆う黒い仮面があるが、その下には戦化粧のような赤い模様がある。
また、口元には唇のモールドがあり、女性的な要素も組み込んだカテゴリーQらしいデザインになっている。
え、山羊?あいつは知らん。
左肩には虎の毛皮をあしらった肩当てを身に着け、下半身は人間態に似た黒いタイトパンツを思わせるアーマーを纏い、更に全身に銀色の金属パーツが装着されている。
一方、胴体部はレザー状の地肌が殆ど剝き出しで、左胸は胸当てが付いているが、右胸は黒い
髑髏が描かれた乳房の膨らみが強調されており、セクシーと評判。
なお、外見・内面共に完全に女性型だが、
「タイガー」という呼称は雄トラのものだったりする。
主な武器は右手に装着された巨大な金属製の
鉤爪。
虎の祖たるアンデッドらしく跳躍力に優れ、劇中では
飛行中のブレイド ジャックフォームの背中に跳び付いて叩き落すという驚異的な身体能力を披露している。
しかし、彼女の最大の強さは戦士としての誇りによって培われてきた戦闘センスであり、先述のブレイド ジャックフォームと、
ジャックフォームより強いと専ら評判のギャレン 通常形態を同時に圧倒するなど、
敵のコンボ攻撃を悉く見切って打ち破ってしまう程の
冷静かつ的確な判断力によって戦いを優位に進めている。
ちなみに虎らしく、両目は暗視
ゴーグルの機能も兼ねているが、正々堂々とした戦いを好む彼女がこの能力を使う機会は劇中では訪れなかった。
【派生作品におけるタイガーアンデッド】
第1話「ライダー大戦」において『
夏海の世界』の崩壊が始まった際、
光夏海ら市民を襲う他の
アンデッド達に混じって登場。
分かり難いが、『剣』第41話の
回想シーンで自らが封印したリザードアンデッドが登場した次のカットをよく見ると、
逃げる人々の後ろに立っているのが分かる。
その後はフェードアウトし、『ブレイドの世界』にも登場せず。
- 『仮面ライダー剣 20th Anniversary Stage and Talk』
しっかりしろ睦月!
お前は戦士だろう!あんな奴に翻弄されていいのか!?
『
仮面ライダージオウ』剣編の後、バトルファイトを再開させようとする何者かの手で封印から解放され登場。
キングの能力で支配下に置かれ、手駒として睦月に差し向けられてしまったが、強靭な精神力で意識だけは保ち続け、自分との戦いを躊躇う彼を上記の台詞で叱咤。
迷いを振り切った睦月との激闘の末にブリザードベノムで敗れ、その成長を讃えながら封印されていった。
本編と同じくレンゲルに封印される形にはなったものの、その構図は「カテゴリーAの呪縛に囚われた睦月を救うべく城がわざと封印された」本編に対し、
「
睦月が己の力で正面から城を破り、キングに踏み躙られた彼女の戦士としての尊厳を救う」という正反対のものとなっており、彼が本当の意味で強くなったことを再認識させる神展開は観客席のファンの涙腺にもブリザードベノムを喰らわせた。
…しかし……
キング……お前を許さない……!
Absorb Queen!
力を貸して下さい……城さん……嶋さん!
Evolution King!
この後、ファンの涙を驚愕と歓喜の悲鳴に変える本当のサプライズが待っていたのだった。
【余談】
- 演じた浜崎茜氏はテコンドーを特技としており、劇中で光が見せた足技などにもそれが活かされている。
あの程度の行動で書き込みを禁じられるとは、人間とは弱いものだ。やはり我々の種族こそが、項目を追記・修正するに相応しい。
“虎のWiki”かよ?
文句ある?
この項目が面白かったなら……\アブゾーブクイーン!/
- 雌雄で名称が変わるタイプの動物って結構ある -- 名無しさん (2020-03-13 05:56:41)
- 上級だと割と地味なデザイン -- 名無しさん (2020-03-13 13:28:46)
- カテゴリーQの強さの順位が気になる -- 名無しさん (2020-03-13 17:55:45)
- 虎姐が頭一つ二つ抜けてて、他はカプリコーン>サーペント>オーキッドくらいのイメージ。まぁサーペントが弱く見えるのはたい焼きのせいなんだけどさ -- 名無しさん (2020-03-13 19:04:35)
- ↑こうして並べてみると決定力不足というかなんか地味な小物が多い…直接的な強さでいったら伊坂や大地の方が強そう -- 名無しさん (2020-03-13 19:27:28)
- 橘さんが信用して騙されなかったケース -- 名無しさん (2020-03-13 19:40:28)
- Youtubeやニコニコの公式配信の投稿文では「彼」と表記されている部分もある。普通に考えたら誤植なんだろうけど、もしかして生物の祖であるアンデッドは男性もしくは女性「っぽい」姿をしているだけで、厳密には雌雄同体とかだったりするのかもとか考えてみたり -- 名無しさん (2021-01-23 00:47:22)
- 元旦のツイートじゃ彼女が虎繋がりで出ていたな。満更じゃなかったようで。 -- 名無しさん (2022-01-14 18:42:11)
- 最初は他のアンデッドと違わずニンゲンを見下していたけど、最後は睦月を戦士として認めた武人 -- 名無しさん (2022-03-24 21:54:43)
- 20thステージの虎姐さん再封印のくだりはマジで泣いたなぁ…でその後のレンゲルキングフォームで一気に涙が引っ込むまでがセット -- 名無しさん (2024-04-22 10:42:49)
- 上級アンデッドは戦いに疑問を持ったり人間社会を利用したりと頭の良さを見せてるのに対し、この人はピュアに戦ってると言えば聞こえは良いが、アンデッドが倒されてもモノリスが出てこないことにあんまり疑問を抱いてないのはピュアすぎると思う。 -- 名無しさん (2024-05-29 23:51:48)
最終更新:2024年08月19日 12:37