劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE

登録日:2009/07/10 Fri 16:12:03
更新日:2024/02/28 Wed 13:24:03
所要時間:約 7 分で読めます







物語は未来へ―。最終戦闘(バトル)を目撃せよ!




2004年9月11日に公開された『仮面ライダー剣』の劇場版。
脚本は劇場版平成ライダーおなじみの井上敏樹、監督は『巨匠』こと石田秀範。
同時上映は『特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』。
公開当時、キャッチコピーは『デカレン』とセットで「最強の正義。」というキャッチコピーがついた。


【概要】

「TV本編での戦いが終わってから4年後を描いた後日談を先行公開する」というコンセプトの作品である。
しかし、肝心のTV本編における終盤の展開が今作の設定とは異なるものとなり、結果として今作は「本編のIFルートから派生したパラレル後日談」といった扱いになった。
ただし本編でもかなり最後の最後まで劇場版に近づける努力がされており、背景設定に関しての矛盾点は少ない。

なお上映に合わせてTV番組の最後に新世代ライダーたちの出会いを書いたショートドラマ「NEW GENERATIONS」が放送されたが、収録DVDは劇場パンフ付属のものしかないため入手困難(ムック等であらすじを読むことはできる)。



【あらすじ】

剣崎一真/仮面ライダーブレイドたちの活躍によって、現代によみがえった53体のアンデッド中52体が封印された。



(0w0)「すべてのアンデッドは封印した!残っているのはジョーカー、君一人だ!
…できれば君とは戦いたくない!!」

(<::V::>)「戦うことでしか…俺とお前は語り合えない!!」


そして降りしきる雨の中の死闘の末、最後のアンデッド・ジョーカー/始も封印され、戦いは終わりを告げた。


それから四年。
かつての仲間たちは戦いを終え、それぞれの生活に戻っていた。

しかしそんなある日、剣崎たちの前に封印されたはずのアンデッドたちが現れる。
そして、そのアンデッドを封印したのは彼らが見たことのないライダーたちだった。


(<◇>)「一応、尊敬はしていますよ。しかし…今となってはあなた方は過去の人だ」
(\◇/)「先輩ヅラされちゃたまんねぇからなぁ」
(\◇/)「今は私達が、仮面ライダー!」

剣崎たちは彼らを追う中、橘と再会。彼の口から、突如現れた54体目のアンデッドの襲撃で封印が再び解かれてしまったことを知る。
終わらせたはずの戦いに今度こそ終止符を打つべく、剣崎は再び戦いの中へ舞い戻る。
カテゴリーAを失った剣崎は再びブレイドに変身できるのか?
封印された始と再会することは出来るのか?
そして54体目のアンデッド・アルビノジョーカーの目的とは?

(0w0)「戦うんだ、もう一度!俺達の力で!俺達と…始の力で!!」



【主な登場人物】

仮面ライダー

剣崎一真仮面ライダーブレイド
われらが王子ケンジャキ。
ジョーカーである始を封印し、戦いを終わらせた後は清掃員としてゴミ収集をしていた。
アンデッドとの戦いには最も積極的だったが、新世代ライダーとは折り合いが悪い。
天音のグレた原因を知っているだけに、責任を感じている。
カテゴリーAが解放されていたためブレイドに変身することができなくなっている。


相川始仮面ライダーカリスジョーカー
ご存知ロリコンのムッコロ。
冒頭、ジョーカーとして剣崎と戦って封印され、四年後も解放されることなくカードの中にいる。
しかしジョーカーのカードを手に入れた剣崎が睦月に解放させたことで再び登場。
天音を救い出すがアルビノジョーカーとの戦いに敗れ攫われてしまう。
石版に封印された天音を救うために身代わりとなり、剣崎によって石版ごと破壊されて命を落とした。
あれ?アンデッドって死なないんじゃ…


橘朔也仮面ライダーギャレン
毎度騙されるダディ。
アルビノジョーカーの襲撃で封印が解かれる場に居合わせ、
アンデッドを再び封印するために亡くなった烏丸所長に代わり新生BOARDを設立。
今作では人造アンデッドの力で変身する新世代ライダーを開発するなど有能ぶりを発揮。
戦闘でも剣崎たちのピンチに「颯爽」と駆けつけ、アンデッドを「流麗」に封印してくれた。
グラサン着用で怪しい空気を纏っていたが例によって騙されていただけだった。
この映画でジャックフォームが結構活躍する事がネタにされている事も。

ちなみに、今回はライダーシステムも破損せず、新世代ライダーの活躍でカテゴリーKが封印されている為、やろうと思えばキングフォームになれたのだが、スーツが存在しなかったり、主人公に花を持たせるという大人の事情コンボのせいで披露できず…おのれディケイド!!


上城睦月仮面ライダーレンゲル
今回は操られてないムッキー。
就職活動をしているが、カテゴリーAに操られていたことが尾を引き気弱な面を覗かせ、「昔を思い出したくない」とかつての仲間と会うのも拒んでいた。
しかしアンデッドの解放を知り、剣崎に合流。
当初は解放されてしまっていたカテゴリーAをダディが再封印したことでレンゲルとして再び戦うことを決意する。
新世代ライダーたちの前でカテゴリーA=ビートルアンデッドに単身で挑み見事封印してみせた。
面接官の2人がどこかで見たことある人たちなので、睦月が面接していた会社はもしや…?


ライダーたちの関係者

栗原天音
演:石田未来

14歳になったが、思いを寄せていた始が何も言わずに消えたことから反抗期になってしまい非行に走るなどグレてしまっている。
実は彼女の亡くなった父親・晋が石版の発見者であり、石版の封印を解放する生贄の適任者というよくわかんない理論でアルビノジョーカーに狙われている。
その後本郷猛の生徒になったとか。


白井虎太郎
ライダーたちの戦いを書いた本「仮面ライダーという名の仮面」が大ヒットし大金持ちになり、キャバクラ接待してもらっていたり(ちなみにこの時の編集長は本編でも登場している)成金趣味になったりと嫌な性格になっていた。
しかしその日々に虚しさを感じており、剣崎たちの戦いに進んで協力した。


広瀬栞
国際結婚を間近に控えており、剣崎たちへの協力にはアンデッドサーチャーを渡す程度で消極的だったが、
式場で虎太郎から聞いた情報から真犯人を突き止め、式をすっぽかして剣崎たちのところに駆けつけた。


烏丸啓
我らが所長。
アンデッド封印後、ダディと共に全てのラウズカードを永久封印すべく行動していたが、アルビノジョーカーの攻撃を受けて殺害されてしまった。
しかし乗ってた自動車が宙返りして逆さに落ちてもすぐ動ける辺り結構頑丈な人である。


新世代ライダー

Α 志村純一仮面ライダーグレイブ
演:黒田勇樹

新世代ライダーのリーダー格。
見た目は屈託のない好青年で学生の募金活動に協力するなどいいところもあるが、謎も多い。
演じた黒田氏は本編第48話でも警官役として出演しているがこの警官が志村と同一人物かは不明。

劇場版のキャラの中でも(志村純一としては)影が薄い方だったが、5年後の『仮面ライダーディケイド』客演時にまさかの覚醒を果たし平成ライダー屈指のネタキャラと化す。
詳しくは個別項目。


Α 禍木慎仮面ライダーランス
演:杉浦太雄(現・杉浦タカオ )

新世代ライダーの一人。
短気かつ短絡的な性格で、すぐ他人に喧嘩を売る。
ライダーになる前はウェイターだったが、態度の悪い客をぶん殴ってクビになっている。
タランチュラアンデッドを封印した後、アルビノジョーカーに襲われ死亡する。
中の人はウルトラマンの弟。
近年は嫌な所があるやつだが、新世代ライダーでは実は一番マトモな人物である為、剣崎たちとの交流が進んでいれば頼れる仲間になっていたのではと再評価されつつある。
ディケイドでリマジ版が登場したが、ある意味でIFの存在なのかもしれない。


Α 三輪夏美仮面ライダーラルク
演:三津谷葉子

新世代ライダーの一人。
勝ち気でクールな性格だが、上昇志向が強く、志村からカテゴリーKのカードを盗んだために襲われ死亡する。
ライダーになる前はOLだったが、お茶汲みばかりさせてプランナーに異動させてくれない上司をボコボコにしてクビになっている。
その後は転生してアンダーアンカーのエージェントをやっていたとか。
リマジ版ではナツミカンとの被りを避ける為、名称が春香に変更。性格もかなり良くなった。


友情出演

何れも前作『仮面ライダー555』からのゲスト出演。

一流企業の面接官たち
演:村井克行(花田)、泉政行(馬場)

喧嘩するなよ、薔薇社長馬社長

警備員
演:唐橋充

ちゅーか頑張りすぎ。

その他

金満里子
演:松金よね子

本編第1話で剣崎が追い出されたアパート『氷川キャッスル』の大家さんだったあの人。
清掃員として働く剣崎にゴミを渡したついでに手伝おうとするなど、人当たりのいい一面を見せていた。
なお、『仮面ライダー図鑑』では本作においてもアパートの大家なのかは不明とされている。


【新世代ライダー】

橘さんが開発した新しいライダーシステム。
カテゴリーAが失われブレイドとレンゲルが使用不可になったことから、アンデッドに頼らないシステムとして開発。
変身には全てのアンデッドのデータを参考に作られた人造アンデッドの「ケルベロス」を使用している。
レンゲルと同様のオープンアップ式のベルトにカードを装填して変身する(なお3人それぞれカードのデザインが違う)。
ラウズカードを用いてアンデッドの力を利用しないシステムのため、必殺技にも専用の「マイティ」のカードを使用。
専用マシンはなく、一般のバイクを使っている。
旧世代ライダーのシステムを基にしているためか、グレイブはブレイドと、ランスとラルクはギャレンとアーマーの形状やラウザーなどが似ている。


Α 仮面ライダーグレイブ
新世代ライダーのリーダー格として開発されたライダー。カラーは金。
武器は醒剣グレイブラウザー。
指揮官としての運用のためか、頭部アーマーや肩アーマーが他の2体より大型化している。
必殺技はグラビティスラッシュ。
高い能力を持ち、ブレイドもジャックフォームにならなければ勝てなかったほど。
プリキュア三種の神器の一つではない。


Α 仮面ライダーランス
新世代ライダーの1体。カラーは緑。
武器は醒杖ランスラウザー。
必殺技はインパクトスタッブ。
陽だまりポカポカな黄色プリキュアの妖精じゃないランス。劇中では暴走状態とは言え、嶋さんを封印するという大健闘を見せる。


Α 仮面ライダーラルク
新世代ライダーの1体。カラーは赤。
大まかなデザインはランスと変わらない。
武器は醒銃ラルクラウザー。ボウガン型であり弓部が展開し剣のようにも使える。
必殺技はレイバレット。



【敵】

アンデッド

地球上の生物の始祖である不死生物たち。
一度は53体全てが封印されたが、アルビノジョーカーの手によって半数以上が解放。
バトルファイトが再開されたのかは不明だが、街中で暴れたりしながらアルビノジョーカーの狙う生贄を探している。
今作では基本的に凶暴化しているのかあまり理性を見せる場面は無く、上級アンデッドたちも人間的な振る舞いを見せることは無く、そこそこ強い程度の扱いになっている。
また、「統制者」に関する設定も登場しない。

TV本編でも登場した者以外にも♠A「ビートルアンデッド」や公開当時には未登場だった♦K「ギラファアンデッド」なども登場。


主な登場アンデッド

♠A ビートルアンデッド
ヘラクレスオオカブトの祖たる不死生物。
破壊剣「オールオーバー」と150tの衝撃にも耐える盾で武装する。
かつて剣崎がブレイドに変身するために使用していたが解放されてしまった。
ちなみにTV版に登場する♠Kコーカサスビートルアンデッドのスーツはこのビートルアンデッドをリペイントしたもの。
なので色が黒い以外はコーカサスビートルアンデッドと同じ姿をしている。


J アルビノジョーカー
54番目のアンデッドにして、ジョーカーと対をなすもう一体の白いジョーカー。
アンデッドやアルビローチを操り14の復活を目指す。
本来のバトルロイヤルには登場することのないイレギュラーな存在と思われる。
志村純一の正体。


その他

アルビローチ
白いアレ
数は多いが、本編の黒いアレほど世間を騒がせる存在ではない。
能力的にも雑魚で生身の睦月がぶん殴っても死ぬほど。
骨格は人間に似ている。

見た目はダークローチそっくりだが、作中ではアルビノジョーカーに従う戦闘員として扱われる。


巨大邪神14

バトルファイトの優勝者に与えられる古代の力の象徴とも言われる巨大な邪神(ただしヒューマンアンデッドは人間が自らの力で成長することを望んで拒否している)。
カテゴリーKの4枚が揃った時に現れるバニティのカードに生贄を封印し石版にはめることで復活し、召喚者を胸に同化させて暴れまわる。
圧倒的な能力を持つが、石版が破壊され生贄が失われると少し弱体化する。
なお、こいつとの最終決戦は決して笑うところではない。
たとえ剣崎と始がシリアスなやり取りをしている裏でギャレンとレンゲルが淡々と吹っ飛ばされているだけの絵が幾度となく流れていたとしても絶対に笑ってはいけない。



【備考】

  • 劇中で睦月が面接先の会社に提出した履歴書の日付は平成20年6月14日となっている。時期的にはキバの中盤辺りという事になる。

  • TV本編最終回と違い一見大団円に見えるため、こちらを評価する人もいるが、要は自らを犠牲にしたのが剣崎か始かの違いである。
    そのため結末の印象なども他のパラレルストーリーの劇場版作品に比べるとTV版に近いものとなっており、その分インパクトが弱いとも云えるかもしれない。

  • 冒頭の剣崎と始のシーンの演出やメタルヒーローの新番組1話のような冒頭のアクションはなかなか評価が高い。

  • 冒頭の剣崎と始のやりとりは後のTV本編最終回でも行われているが、この劇場版とは異なる結末を迎えるためか、大意は同じでも言い回しが微妙に変わっている。

  • アンデッドである志村がなぜ募金活動を手伝ったのか、不死の存在であるジョーカーやアルビノジョーカーがなぜ死ねるのかなど謎も多い。
    ファンの間で考察はされているが公式に明言はされていない。

  • ディレクターズカット版もあるが、主に志村関係のシーンがわざとらしいと不評で、「公開版を見た方がマシ」「やっぱカットされるだけの理由はある」と言われるほど。
    但し、劇場公開版では分かり辛かったバニティカードについての説明がなされたり、バトルシーンが増量されていたりするので、気になった方はチェックしてみよう。

  • 劇中には主題歌を歌うRIDER CHIPSの面々がカメオ出演している。
    なかなかにいい曲が揃っているので機会があったらサントラも聞くことをお勧めする。

  • 後年の『仮面ライダーディケイド』の22・23話の舞台「ディエンドの世界」では、パラレルではあるが登場人物やライダー、怪人など今作の設定が多く登場している。



【ところで】

14は空中浮遊しているので、ライダー達はそれぞれ飛行能力を使用して挑んでいるのだが










シリーズにおいてあまり存在感の濃くない本作にあって、このシーンだけはやたら有名。
ハブラレンゲルの不遇っぷりを表すネタとしてしょっちゅういじられている。
仮にラウズアブゾーバーを借り受けてジャックフォームやキングフォームになった所でどうあがいても飛べないので、一人だけフロートをラウズしたのは合理的な戦術ではある。


追記・修正はフロートしながらお願いします。



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最終更新:2024年02月28日 13:24