凡骨の意地

登録日:2020/09/18 Fri 13:28:10
更新日:2023/10/17 Tue 18:07:04
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魔法カード発動! 凡骨の意地!!


凡骨(ぼんこつ)の意地とは、遊戯王オフィシャルカードゲームに存在するカードの1枚である。
初出のパックはかのカオスが初登場した3期6つ目の「混沌を制す者」。

●目次

テキスト

永続魔法
ドローフェイズにドローしたカードが通常モンスターだった場合、
そのカードを相手に見せる事で、自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。

第3期以降再収録されていないため、当時の形式のままになっている。
効果はいたってシンプル、ドローフェイズに通常モンスターをドローした場合、相手に見せてもう1枚ドローするというものである。
特筆すべきはこの効果、回数制限がない。つまり、通常モンスターを引き続ける限りどんどん手札を増やすことが可能なのだ。

加えてトリガーとなるドローはカード効果によるものでもよいので、
「強欲な瓶」「八咫烏の骸」などでドローフェイズに新たに引いたカードが通常モンスターなら、そいつを見せることで追加ドローできるのである。
「リロード」などで複数枚を一度にドローした場合、その中の一枚に通常モンスターが含まれていれば追加ドローできる。

引いたカードは相手に公開しなければならないが、通常モンスターは公開したところで情報アドバンテージの損失がほとんどない。
「手札誘発の類がない」と悟られる可能性もあるが、それを引いても利益の方が大きい。
加えて通常モンスターは再利用の手段が豊富にあるのも強み。
さらに現在では通常ペンデュラムモンスターが存在するため、モンスターばかり溜まって処理できない、という事態も減った。


ただし昔のテキストであるため、読み取れない処理がいくつかある。

まずタイミングを逃す可能性があることである。

何?「場合」の任意効果ならタイミングを逃さないのではないのか!?

「場合」と書いてあるが、まだ「時」と「場合」の差異がない時期に作られたカードのため、このカードの効果は実は「時の任意効果」である。
コンマイ語に慣れているなら真っ先に通る道であるが、簡潔に言うとドローの後に別の処理が挟まるとタイミングを逃し、追加ドローできない。
これはドローの後に手札を戻す処理が入る「ゴブリンのやりくり上手」、除外が入る「凡人の施し」であり得る事態である。

また、このカードが複数発動している場合、通常モンスターを1枚ドローすれば3枚分チェーンを積んで3枚ドローできる。
だが、同様の理由でチェーン1・2で効果が処理される3枚目・2枚目は次の「凡骨の意地」によるドローが挟まるためタイミングを逃すのである。

また勘違いする人も少ないと思うが、当然ながら自分のドローフェイズでしか効果を使えない。
相手のターンにトラップでドローして加速、なんてことはできない。

なので、現在のテキスト形式に直すとこんな感じになる。

永続魔法
(1):自分のドローフェイズに通常モンスターをドローした時、そのモンスターを相手に見せて発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。

「場合」から「時」に変わっているため、旧テキストとはかなり感じが変わるがニュアンスとしてはこちらの方が正しい。
あるいは下記の光神テテュスに合わせて「ドローフェイズにドローした時、そのカードが通常モンスターだった場合」と表記されるか。


問題点

大量ドローが見込めるカードであるが、問題点が三つある。
一つは永続魔法であること。このカードは自分のドローフェイズでしか効果が使えないため、1ターン相手の除去を防がないと何の意味もなくなるのである。
この点は「マジック・ガードナー」や「遮攻カーテン」を併用することである程度軽減できる。

もう一つはドロー加速を行った場合、通常モンスターが手札にたまること。
まさにそれを目当てにしたカードなわけだが、通常モンスターは漫然と手札に貯めてもすぐには活用できない。
特殊召喚するにも素材にするにも別のカードのサポートがいるわけだが、仮に「通常モンスターたくさん+それ以外のカード1枚」という手札になってしまったら動くに動けない。

三つ目はこのカードを採用するデッキはその都合上、通常モンスターの比率が増えることである。
最悪のケースとしては、手札に通常モンスターばかり溜まって肝心のこのカードが一向に引き込めない、という事態も普通に発生しうる。


活用法

まだ「シンクロ召喚」なんて言葉がなかった第5期以前は、モンスターの展開手段をもっぱら通常召喚に頼っていた。特殊召喚が文字通りまだ特殊な召喚だった時代である。
ドローも非常に厳しく制限されていたため「3積み同士の2枚コンボ」ですら思っていたほど成立しない。
《凡骨の意地》は上述の弱点を持つが、裏を返せば「発動さえしてしまえば通常モンスター以外のカードを引くまでドローが可能」ということになり、さらに後述の《リロード》系のカードを使えば手札に有用牌が増える上にまだドローが継続できる。
つまり《凡骨の意地》さえ引けてしまえば、特定のキーパーツに依存するタイプのデッキであってもそれらが驚くほどたやすく集まるので非常に派手な動きができるのだ。

この時期の収録パックの高レアカードが悲しくなるような性能であること、ストラクチャーデッキの看板モンスターがだいたい使い物にならないような弱さであること、当時が《カオス・ソーサラー》すら禁止という非常なデフレ環境であることを考えてもらえば少しは分かっていただけるかもしれないが、
この時期にそんな派手な動きができるというのはそれだけで強いアイデンティティとなったのである。さらに当時は《サイクロン》《大嵐》が制限カードの時代なので、《凡骨の意地》を妨害する手段は意外と少なく、せいぜい【黄泉帝】のメビウスライザーくらいのもん*1
こういった点から凡骨デッキは一世を風靡し、シンクロ以前には次のようなデッキが考案された。


  • 【バニラビート】
通常モンスターは当時、ステータスが効果モンスターに比べて高いことが多かった。この長所に目をつけて高打点のモンスターを引き増しして単純なビートダウンを仕掛けていくというデッキ。
普通のデッキなら「そのモンスターさえ対処してしまえばしばらく同じモンスターは出てこない」と割り切るべきところが、なぜか攻撃力が同じモンスターが次から次へと展開されてくる。しかも《正統なる血統》などで打点がすごい勢いで上昇する。
《決戦の火蓋》登場後は展開力も増した。さらに属性や種族を固めてフィールド魔法や永続魔法で強化するというものもあった。
非常に理念が簡単だが、逆に除去をうまく引きこめないと相手の高打点モンスターを相手にやられてしまうという脆さがある。
考え方自体は間違ってはいなかったが、《ダーク・アームド・ドラゴン》《裁きの龍》《剣闘獣ガイザレス》など非常にたやすく高打点モンスターを特殊召喚する時代が訪れるとコンセプトの強み自体が消えてしまう。火蓋登場があと半年早ければ……
そして《ジャンク・シンクロン》《レスキューキャット》のように手札1枚で非常に高い攻撃力のモンスターを召喚できるカードが登場したことで完全に終わりを告げた。
必死こいて打点1900~2000を展開しても、《A・O・J カタストル》なんて出されたらその時点で詰みである。
最大の弱点はやってることが極めて単純なせいで大体10回くらい使うと飽きること。同じようなコンセプトならレベル5軸の【アトランティス】のように、もう少し尖ったデッキの方が強かった上に動きも複雑で楽しかったのである。


  • 【凡骨エクゾディア】
1.意地を出します。
2.引きます。
3.揃います。
意地さえ阻害されなければほぼ勝ち確定というすさまじいデッキで、《アスワンの亡霊》《闇の量産工場》のようなカードを入れない方が強いとまで言われた。
当時は「世界一簡単なデッキ」とまで言われた。ただ、やることが単純過ぎてぶっちゃけつまらないのてま上述のバニラビート以上に飽きるのが早いデッキ。


  • 【凡骨融合】
初期のしょうもない融合素材のカードを融合デッキに山積みにし、《フュージョン・ゲート》で手札に引き込んだ通常モンスターを素材に次々と展開していくというデッキ。
引き増しした通常モンスターが高打点モンスターに化けていくという合理性はもちろん、当時のデュエリストの年齢的に「小遣いを使って買ったパックから出てきた」という懐かしいものが多かった。
また原作のモンスターにも《炎の剣士》のように融合モンスターにされてしまったカードは多く、そういったカードを展開していく「原作再現のファンデッキ」としての側面も持っていた。
初期の【E・HERO】のモンスターに通常モンスターが多いことを利用した【凡骨ヒーロー】なんて亜種も。
パワー・ボンド》を用いて超攻撃力のモンスターを展開する【凡骨パワー・ボンド】なるデッキも存在する。こちらは融合を繰り返さない一撃必殺型なので、下記の【最終異次元】の系列に近いかもしれない。
ただし意地とゲートの2つを引けないと紙束みたいなレベルに成り下がり、サーチするための《テラ・フォーミング》などを入れると凡骨ドローが阻害されるという、理念の分かりやすさに対して結構構築難易度の高いデッキである。
第5期末期には《チェーン・マテリアル》を併用したタイプのデッキが登場。これを素材にしたモンスター自体は攻撃できないが、ドラゴン族だけを展開すれば展開したモンスターを素材に《F・G・D》を並べていくという当時としては非常に派手な動きができた。
こちらはこちらで凡骨が抜けていって【マテリアルゲート】という新たなデッキタイプを確立したが。
現在でも《始祖竜ワイアーム》というデッキによっては積むレベルの強力なモンスターの存在からこの項目で紹介するデッキタイプの中ではまだ通用する方。
まぁ《凡骨の意地》にこだわらずに通常モンスターサポート多用した方が強いけど


  • 【最終異次元】
元々は手札が非常に溜まることを利用して、非常に重いコストを持つ《最終戦争》をぶっ放そうという豪快なコンセプトのデッキ。
これがさらにルール的な問題で自分だけ「ズル」ができるというところに着目したのがこの1キル。《次元の裂け目》を発動してから《最終戦争》で通常モンスターを5枚捨てると、裂け目の効果でこれらは除外される。
その後すべてのカードが破壊されるが、この時のカードはすべて墓地に落ちるので自分だけ5枚のモンスターが除外されている状態になる。あとは《次元融合》を発動してワンショットキル、というもの。
ぶっちゃけ《次元融合》が強いだけのデッキなのだが、当時はペンデュラム召喚どころか《切り込み隊長》のような展開補佐すら珍しかった時代。
《最終戦争》という極めてピーキーなカードを用いてきた次の瞬間に、懐かしい通常モンスターがずらりと勢ぞろいする派手さから人気は高かった。
wikiには「各パーツ1枚ずつにしてドローを阻害しない方がいい」と表記されていたが、実際に運用してみたらわかるがそれだと事故率が半端ないので各2枚以上採用した方が良い。
《次元融合》の禁止で消滅。一応《異次元からの帰還》を用いればなんとかできないこともなかったが、通常魔法と罠の速度差については当時のロートルより現役のデュエリストの方が詳しいだろう。


  • 【凡骨ローレベル】
上に挙げたデッキに比べると構築難易度が鬼のように高いデッキ。通常モンスターには打点があるが、ローレベルにはそれすらない。
戦闘面を優位に是正するカードが《下剋上の首飾り》くらいしかなく、不当なほどに弱いモンスターを《同姓同名同盟》《人海戦術》《鹵獲装置》などを用いてなんとかしていくという、まさに職人芸。
昔はまだ《おジャマ・カントリー》が存在しなかったので、【おジャマ】デッキもこれとハイブリッドになることがあった。しかし個人ブログが華やかなりし時代だったためどんなデッキでも調べればデッキレシピが1つはヒットしたものだが、当時最弱のテーマと言われていた【巨大戦艦】すらヒットしたのにローレベルはそういったものがなかった。
様々なデッキを組んで周囲を沸かせるタイプのプレイヤーほどこういったデッキに手を付けることができなかったという、当時としては異常な構築難易度を誇る。
シンクロ召喚の登場により《ウォーター・スピリット》などを用いたシンクロ召喚デッキにシフトするようになったが、それシンクロが強いだけだよね?ぶっちゃけそれやるなら凡骨ギミック捨ててシンクロに特化した方が良くね?となり凡骨型は消滅。
現在の【ローレベル】の主流は低ステータス故の展開能力の高さを活かしてエクストラデッキのモンスターを呼び出す形に落ち着いている。


  • その他
「属性を固めてハイビートを仕掛ける」「通常モンスターのサポートカードを次々と使っていく」「《思い出のブランコ》や《正統なる血統》で蘇生することを狙った【バニラ蘇生】」「《ウィンドフレーム》を使うデッキを考えていたらいつの間にかフレームが抜けて完成した風凡骨」それただの凡骨デッキだよね?など、様々な凡骨デッキが存在していた。
何回か使うと飽きる単純なものから噛めば噛むほど楽しめる奥深いものまで内容はまちまちで、昔はその点が好まれ愛用する人も少なくなかった。通常モンスターを妥協すれば非常に安値で組めるというのもポイントが高い。

これら凡骨デッキの特徴は、キーとなる通常モンスター以外はぶっちゃけ大差ないことから「数合わせ枠程度ならネタ枠を入れても問題がない」というところにある。凡骨エクゾを思い浮かべれば分かるだろうが、ぶっちゃけエクゾディア以外のカードは単なるドローを阻害しないためのパーツである。
つまり《ルイーズ》《砦を守る翼竜》《ホーリー・エルフ》《水の踊り子》《モリンフェン》など、何を入れてもぶっちゃけ大差なかったのである。下手に通常モンスター以外を入れる方がまずいので合理的ですらあった。
ぶっちゃけやっていることは舐めプに近いのだが、当時はそれで喜ばれてしまう素朴な時代だったのである。
中にはデッキから出てくる懐かしいモンスターを肴に思い出話に興じることの方がメインになるというプレイヤーもいたほどで、《高等儀式術》とともに当時のプレイヤーに非常に懐かしい気持ちを想起させたアーキタイプだった。

しかし《ダーク・アームド・ドラゴン》が収録された「PHANTOM DARKNESS」を皮切りに、遊戯王はこれまでの通常召喚軸の【スタンダード】から、一気にゲーム性を「特殊召喚を主軸としたデザイナーズコンボを利用したカテゴリテーマ」へと転換することになる。
新しいゲーム性と合致できなかった上述の凡骨デッキたちは一線を退き、中にはキーパーツの禁止や融合デッキのルール改正といった場所で完全にとどめを刺されたものもあった。
こういった事情や関連カードの存在もあり、第6期以降の凡骨とは《凡骨の意地》を指すのではなく通常モンスター全般を指す言葉と変遷していく。
その後も「イグナイト」や「メタルフォーゼ」といった通常モンスターをテーマにしたカテゴリが登場するが、この時代にもなると最早《凡骨の意地》に頼るまでもないアド取り能力を持つので採用される事はない。


相性のいいカード

このため、以下のようなカードと併用することが望ましい。

・リロード
速攻魔法。手札を全てデッキに戻し、同じ枚数分ドローする。
凡骨の意地とのコンボ用としてもっとも有名なカードであり、膨れ上がった手札をこれで交換することで質と量を同時に高めることが狙える。
ドロー中に使えば止まってしまった連続ドローをさらに加速することも可能。
後ろ向きな使い方としては凡骨の意地を一刻も早く引き込みたい時に使うこともできる。

・手札抹殺
通常魔法。リロードと同様手札の質を高めることに使えるが、こちらは墓地を一気に肥やせる。ただしドローフェイズに使えないのでトリガーにはなれない。
通常モンスターはリアニメイトが容易であるため、往年の【バニラ蘇生】のように大型をいきなり呼ぶことも可能。

・打ち出の小槌
通常魔法。手札を任意の枚数選んで戻し、同じ枚数分ドローする。
上記2枚同様に凡骨の意地で増えた手札の交換に使用する。
速攻魔法ではないので連続ドロー再開には使えないが、こちらは手札を任意に選んで交換できる為、戻したくないカードがある場合でも柔軟な手札交換ができるのが強み。

・手札断殺
速攻魔法。お互いに手札を2枚捨て、2枚ドローする。
「速攻魔法」「墓地肥やしができる」「(枚数固定だが)捨てる手札を任意に選べる」と、上記3枚を足して3で割ったような効果になっている。
用途は上記3枚と同様だが、ドロー枚数が少ないのと(凡骨デッキで自分側がなることは少ないだろうが)手札がお互いに二枚以上ないと発動できないのが難点。

・通常ペンデュラムモンスター
通常モンスターである以上、これらも当然ドロー加速のトリガーになる。
スケールさえ揃えば手札に溜まってもペンデュラム召喚で大量展開できるのが強み。
特にイグナイトやメタルフォーゼとの相性が良好。

エクゾディア
エクゾディアパーツは5枚中4枚が通常モンスターでこのカードの対象になる。
このカードを採用し特化したエクゾディアデッキは【凡骨エクゾ】と呼ばれる。
イグナイトやメタルフォーゼもデッキ圧縮要員として使われ、裏の手であるビートダウンやパーツ回収が行える。
通常モンスターとこの魔法を詰め込めば一応成立するため、ゲームWorld Champion Shipなどでもこのデッキを使うキャラクターが登場している。

・フュージョン・ゲート
フィールド魔法。手札またはフィールドの素材を除外して融合召喚できる。
上手く大量の通常モンスターを抱え込めれば、そいつらを素材にどんどこ融合できる。ジェムナイト、メタルフォーゼ、それこそ始祖竜ワイアームも問題なし。
これに特化したデッキが【凡骨融合】である。ただしこの使い方だと素材の通常モンスターの再利用は難しくなることに注意。

・パワー・ボンド
ご存じ表サイバー流の切り札。機械族を融合し、そのターンの終わりに元々の攻撃力分ダメージを受ける代わりに攻撃力を倍加する。
モンスターを機械族に寄せ、サイバー・ドラゴンを投入することで超攻撃力のキメラテック・オーバーを呼ぼうという【凡骨融合】の亜種【凡骨パワー・ボンド】で用いられる。

・決戦の火蓋
手札に溜まった通常モンスターを展開していける、通常モンスター専用の《血の代償》。墓地のモンスターを除外することで、メインフェイズにのみ召喚することができる。
レベル4モンスターを展開していくことが考えられるが、うまく使うと「生け贄(現在はリリース)にしたモンスターがさらに墓地でコストとして使える」ためレベル6~8のモンスターがずらりと並ぶ派手な盤面を構築できる。
現在では、というか登場当時でさえ時代遅れなカードだったので実際には余り採用されていない。

・ダーク・ドリアード
ペンデュラムモンスター。召喚・特殊召喚時にデッキから地・水・炎・風、四属性のモンスターをデッキトップに仕込む。
本来は【ローレベル】において「魔の試着部屋」とのコンボで使うものだが、凡骨の意地ともむろん共存可能。
どうしてもギャンブルになる凡骨ターボにおいて、その確実性をある程度カバーしてくれるのが一番のメリット。
手札を一気に5枚増やせると考えれば非常に意味のあるコンボで、通常ペンデュラムには四属性が全部揃っているのも◎。


ちなみにこれはロマンの領域だが、「神の恵み」とのコンボも存在。
永続トラップという奇襲性、ライフ・アドバンテージという軽視されがちな要素に絡むこともあって意外と成立する。
ここに「ビッグバンガール」が加わればバーンダメージでの勝利も理論上は可能。


類似カード

漆黒のトバリ
永続魔法
ドローフェイズにドローしたカードが闇属性モンスターだった場合、
そのカードを相手に見せる事で、そのカードを墓地に送る。
自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。
闇属性用。範囲が非常に広い上に使いやすいはずなのだが、墓地に送ってその後の処理でドロー、という処理が足を引っ張る。
当然手札は増えないし、墓地に送らなければドローできないので複数枚あってもドローできるのは1枚だけ。
ただしこちらとの併用は可能なので、エクゾディア本体を引いてもブースト可能というのが強み。墓地に送るから後でサルベージしないといけないが。

光神テテュス
効果モンスター
星5/光属性/天使族/攻2400/守1800
(1):自分がカードをドローした時、そのカードが天使族モンスターだった場合、そのカードを相手に見せて発動できる。
このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、自分はデッキから1枚ドローする。
天使族用。フェイズを問わずドローした時に発動するので、手札抹殺などでも追加ドローが行える。
自分自身をドローしても追加ドローが行えるが、上級モンスターなのでどうやって場に出すかというのが問題。
《神の居城-ヴァルハラ-》等で出すにしてもぶっちゃけ他に出したいカードが多いので優先順位は低い。
宣告者などと相性がいいので天使族カテゴリが出てくるとすぐ注目されるが、手軽さに欠けるために今一つ主役にまで上り詰められない存在でもある。

ちなみに、上記3種全てに引っかかってくれる「闇属性」で「天使族」の「通常モンスター」は「死の沈黙の天使 ドマ」と「光をもたらす者 ルシファー」の2種類しかない。
必ずどれかが反応しないので、どれか一つに特化した方がいいだろう。


元ネタ

原作・アニメDMで海馬が城之内に対してつけたあだ名「凡骨」が元ネタ。イラストの人物は城之内を意識したような外見である。
海馬はしょっちゅう小バカにする意図で使用しているが、言葉自体の意味は「平凡な人」「普通の人」である。
遊戯王で非常に有名になった言葉であり、「ポンコツ」と混同している語感がよく似ている上に海馬社長の超人的なキャラをうまく表した、高橋和希の言語センスが光るチョイス。

さらにこの他、城之内に対するあだ名の一つ「馬の骨」から来た「馬の骨の対価」も通常モンスターに絡むカードであったことから、
現在では「凡骨=通常モンスター」の図式が成立している。社長の嫁も当てはまるのは有名な話。
実際にゲーム作品では「馬の骨の対価」ともども城之内が使用した際にセリフが用意されている。

ただ肝心の城之内は通常モンスターこそ使うが、基本的には効果モンスターと魔法・罠のコンボに各種ギャンブルカードを絡めて戦うため、
アニメでもゲームでも彼のデッキとはあんまり相性が良くない。王国編だったら結構バニラがいるのだが。

なお、下記の海馬の台詞も含め、「んこつ」と読み間違えられることが多いのだが、後年、本当に《ポンコツの意地》というカードが誕生してしまった。

ちなみに関連カードは以下。

・馬の骨の対価
通常魔法。効果モンスター以外のモンスター1体を墓地に送ることで、2枚ドローする。
ジェムナイト・パールなど「効果も効果外テキストもないモンスター」ならば該当するので、むろん通常モンスターでもOK。
ただしトークンは場を離れると消滅、ペンデュラムモンスターはそもそも墓地に行かないためコストにできないことに注意。

・凡人の施し
通常罠。2枚ドローし、その後手札の通常モンスター1枚を除外する。
描かれている人物は「凡骨の意地」で戦っている青年と同一人物。「天使の施し」の調整版というべきカードだが、凡人ゆえか墓地肥しではなく除外、ドロー枚数も2枚である。
「補充要員」をチェーンすることで一気に手札を4枚増やすというコンボも存在。ただ上述したように凡骨の意地と微妙に噛み合わない点も。
ただ噛み合わなくても結局「仕事が難しいバニラを1枚除外するだけで手札を2枚増やせる」というのは嬉しいものであり、かつては2~3枚普通に積まれていた。


原作・アニメにおいて

原作では登場していない。
アニメDMではKCグランプリ編にて遊戯が持つカードとして登場、ドラゴン族の通常モンスターばかり集めたデッキを持つ少年・リックにプレゼントされた。
その後、某没落貴族の横やりでドームに閉じ込められ、レベル最強のデュエルコンピューターと戦う羽目になったリックに代わって彼のデッキで参戦した闇遊戯が使用。

手札・ライフともギリギリの状況でこのカードを引き当てて発動、次のターンで合計6枚のドラゴンをドローするとともに7枚目で《スピリット・ドラゴン》をドロー。
攻撃力7000まで跳ね上げてサイコ・ショッカーを粉砕し、見事勝利を飾ったのであった。*2

この時闇遊戯の使ったコンボを再現したデッキが【スピリット・ドラゴン1キル】である。
とんでもない大博打デッキな上にコンボパーツが揃いにくいが、決まれば爽快。

余談だが上記のとおり、「凡骨」は城之内に対する海馬からのあだ名であるため、発動時には城之内本人が「凡骨だとー!?」とリアクションを飛ばした。

ドームの外に出た後にも「なんであんなの持ってたんだよ」と聞かれたが、
闇遊戯は「あれは、その……」と返答に窮した末「後は頼む!」と表遊戯に押し付けて逃げた
闇遊戯の貴重なコメディシーンである。その後の遊戯のリアクションを見る限り、城之内に似ているという印象は持っていた様子。

本田「まあいいじゃねえか、凡骨でも役に立ったんだからよ」
城之内「テメェまで言うか!!」

↓その後

城之内「海馬ー! テメーのとこのミスでえらい目にあったんだぞ!」
海馬「わめくな凡骨!」

ちなみに表遊戯はもう一枚このカードを持っており、闘いの儀に備えてデッキを組んでいるシーンで確認できる。
ただ遊戯もアテムも基本的に通常モンスターは大型で、下級は効果モンスターばかりなので、やっぱり相性はあまり良くない。


ドローフェイズに未完成項目をドローした時、相手に見せることで追記・修正できる!

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最終更新:2023年10月17日 18:07

*1 もう少し言ってしまうと、当時はこういった「ガチデッキ」とそれ以外は住み分けをすることがマナーとされた。つまり凡骨は事実上妨害されることが少なかったのである。

*2 ちなみにこの時、ほとんどモンスターばかりのデッキで装備魔法を引き当てる、複数回ハンデスを食らいながらも全て上級モンスターだった=壁となる下級モンスターを常に維持し続けるなど、闇遊戯の運命力の凄まじさが改めてわかる一戦でもあった。