微妙な通常モンスター(遊戯王OCG)

登録日:2010/01/31 Sun 01:51:51
更新日:2025/01/23 Thu 08:18:38
所要時間:約 12 分で読めます





「上級ならモリンフェン様が最弱だろ」
「いやいやレオ・ウィザードも捨て難い」
「時期的にも誰得なシェイプ・スナッチだよ」


【概要】

遊戯王OCGで初期の通常モンスターについて語らう際、必ずといっていいほど話題になるのが「最弱の上級モンスターは誰か」。
その弱さゆえ、逆に知名度の高くなっているカードとしてはモリンフェンレオ・ウィザード等が存在する。

だが、忘れないでほしい。
彼ら以外にも、候補となりうる上級モンスターはいるのだということを……。

一応、強引にフィールドに出す方法としては、
《召喚師のスキル》
通常魔法
(1):デッキからレベル5以上の通常モンスター1体を手札に加える。

《古のルール》
通常魔法
手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。
この、2枚を使用するのが手っ取り早い。青眼の白龍で事足りる?
彼らの種族や属性が生かせるエクシーズモンスターなどが登場すれば見直される可能性もあるかもしれない。



【地味で微妙なモンスターたち】

《ガジェット・ソルジャー》
星6/地属性/機械族/攻1800/守2000
戦うために造られた機械の戦士。
さびない金属でできている。

海馬瀬人が使用する機械族モンスター。
Spell of Mask −仮面の呪縛−」に収録だが、女の子カードではない。
原作ではレベル4だったが、OCGでは攻守の合計の都合で上級モンスターになってしまった。攻めにも守りにも中途半端であり、当時としても凡庸なステータス。
このせいで原作で初登場の「光の仮面&闇の仮面」戦での出番がアニメではミノタウロスに差し替えられた

さりげなく「ガジェット」の一員であり、その元祖。
一応「起動兵士デッドリボルバー」の強化には使えるのだが、普通に三色ガジェットを使った方が遥かにお手軽なのは言うまでもない。

一応《古代の歯車機械》と《機械複製術》のコンボで2体リクルートでき、ランク6のエクシーズ召喚にも繋げられる。やはり手札事故が怖いけど。
フレーバーテキストによると「さびない金属」で出来ているらしいが、《酸の嵐》で破壊される。まあバニラだし仕方ないね。


《サンド・ストーン》
星5/地属性/岩石族/攻1300/守1600
地下から突然目の前に現れ、触手で攻撃してくる。
岩石でできた怪獣のような見た目のモンスター。
低い攻撃力に無駄に高いレベルとポテンシャルは十分なのだが、守備力が1600と微妙に高くあまり目立たない。
「触手で攻撃」とあるが、エロ同人の触手要員でこいつを使う人はいないだろう。

そして、こいつを語る際に外せないのは「岩石の巨兵
同じ属性・種族・攻撃力でレベルが高いにも関わらず守備力が劣るのはいわずもがな。
加えて《サンド・ストーン》と《岩石の巨兵》は登場したのが同じパックなのだ。
まさに出オチもいいところである。

一応、《カオスエンドマスター》や《巨大ネズミ》で容易に特殊召喚することができる。
しかし、レベル・属性・種族が同じ《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》の存在がかなり痛い。そちらは攻撃力は0だが守備力が3000もある。
《カオスエンドマスター》での特殊召喚を考えると、攻撃力が1600とより高い《ストーンジャイアント》が存在する。
《カオスエンドマスター》や《巨大ネズミ》を両方採用したデッキであれば何とかチャンスはある……といった所だろうか。

ちなみに一般的に「サンドストーン」とは堆積岩の一種である砂岩を意味する。


《サキュバス・ナイト》
星5/闇属性/戦士族/攻1650/守1300
魔法を唱え、相手を血祭りにあげる悪魔の魔法戦士。
Vol.シリーズ特有のセクシーな女性型モンスターの1体。
悪魔、魔法使い、戦士と、種族がわかりづらいフレーバーテキストをしている。どれだよ!
コウモリの羽を模した面積の小さいヌーブラ(?)を付けているので、おっぱいがとんでもなくエロい。
何度かこのカードの絵柄のお世話になったデュエリストもいるのではなかろうか

攻撃力が1650とそこそこ高いが、そのせいで50というギリギリのところで《カオスエンドマスター》でリクルートできない
この残念具合がネタになりそうなものだが、攻撃力1610の《ダーク・キメラ》というさらに上を行くニアピン野郎のせいで全く目立たない。
でもエロいのでry

活路を見出すとすれば、地味に唯一の闇属性・戦士族・レベル5のバニラである点か。《蛮族の狂宴LV5》を使い、光属性・戦士族・レベル5と並べる事でフルスペックの《カオス・アンヘルー混沌の双翼ー》を呼ぶ事も出来る。

ゲームボーイ版ではガルマソードの召喚に必要な生け贄モンスターなのだが、
DM4では中量級の中ではそこそこな攻撃力に加えて、倒されにくい黒魔族なので、
儀式素材の中では使いやすい部類だったりする。

色違いモンスターに《ヴィシュワ・ランディー》がいる。あちらは同じく闇属性の戦士族だが、レベルは3なので扱いやすい。


《死の沈黙の天使 ドマ》
星5/闇属性/天使族/攻1600/守1400
死を司る天使。
こいつに睨まれたら、死から逃れられない。

初期に多い、イカした名前のモンスターの1体。
当初から闇属性の天使族というアイデンティティを守ってきたが、第9期で堕天使がカテゴリ化されるとともに多くの新規が登場し、それも失墜した。
少しイってしまった感じの眼も何故か寂しく見える。

しかし、《カオスエンドマスター》でリクルートできる最高攻撃力なので、この中ではマシな部類とも言える。

DM8では下記の《シーホース》などと並び初期デッキの微妙な通常モンスター4人集の1体として登場。…しかし闇で弱体化するのが致命的で、攻撃力1120にまで弱体化してはほんの少しストーリーを進めただけでただの下級モンスターにも負ける。よ、弱すぎる…

アニメ版DMでは遊戯に敗れたペガサスの前に現れたバクラが際にこのカードを引き、
ペガサスの運命を占ったシーンが印象的。


ダーク・キメラ
星5/闇属性/悪魔族/攻1610/守1460
魔界に生息するモンスター。闇の炎をはき攻撃する。

闇のプレイヤーキラーが使ったモンスターの1体。
初期のモンスターの中でもかなり中途半端なステータスの持ち主。
上述のように《カオスエンドマスター》の効果でリクルートできない範囲での最低攻撃力を持つ、ある意味最も悲惨なカード。

弱小カードとしての知名度はレベル・属性・種族が同じ《モリンフェン》に劣るが、実際はこちらの方が使い道がないと言える。
一応《ダークゾーン》を発動している状態で出せば、《サイバー・ドラゴン》の攻撃力を10だけ上回るだからどうしたという話だが。


《ボルト・エスカルゴ》
星5/水属性/雷族/攻1400/守1500
ネバネバの液をはきかけ、動けなくなったところに電撃アタック!
電撃攻撃を繰り出すカタツムリのモンスター。
《エア・イーター》や《フレイム・ケルベロス》(ともに攻撃力2100)といった、扱い易い通常モンスターがノーマルで封入されるようになったVol.6で、
俺もいるぞ!」といわんばかりに登場した微妙カード。

一応、現在では「グリズリーマザー」や「カオスエンドマスター」で容易に特殊召喚できる。このステータスを活かすことは難しいため素直に素材として活用しよう。
「電撃アタック!」とあるが、エロ同人のリョナ要員でこ(ry

意外にも長い間、雷族の通常モンスターとしては最強のステータスを誇っていた。
今では下級の《ジェムナイト・ルマリン》に抜かれている。

一方で初期の方のゲーム作品では恵まれている。
封印されし記憶では雷族扱いでもあるのでドラゴン族か雷族を掛け合わせることにより双頭の雷龍(遊戯王OCG)様をお呼びすることができる。

ゲームボーイ版デュエルモンスターズシリーズでは貴重な雷魔族という事に加え
融合召喚にて「水族+雷魔族モンスター」という簡単な組み合わせで生み出せるので、序~中盤戦の融合モンスターとしては結構優秀な一体だったりする。


《キラー・マシーン》
星5/闇属性/機械族/攻1450/守1500
大きく反った剣を振りかざし暴れる、殺人マシン。
vol.7で大量に登場した、機械族不良品シリーズの1体。その中でもステータスの低さではこいつがぶっちぎり。
国民的RPG同名キャラと違って全然頼れないので、さっさとリメイクなりリコールなりしていただきたいものである。

攻撃力が低い分、《機甲部隊の最前線》から4つ星機械族をリクルートし《地獄の暴走召喚》に繋げるといった働きはしやすい。
また《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の素材になり、そこから《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》にランクアップできると考えると、案外侮れないかも。

《シェイプ・スナッチ》と比べると攻撃力が250高い分守備力が200低く、《メガソニック・アイ》《ゲート・キーパー》に比べると攻撃力が50・守備力が300劣るが《平和の使者》や《奈落の落とし穴》にかからない。
どうせ場に出してすぐ素材にするのであれば大した違いはないかもしれないが。


《ラムーン》
通常モンスター
星5/光属性/魔法使い族/攻1200/守1700
月に住む魔法使い。月の持つ魔力で相手を魅了する。

BOOSTER3で登場した魔法使い族。翼を生やした天使のような姿をしている。
守備力はそこそこあるが、攻撃力は《レオ・ウィザード》や《サンド・ストーン》よりも低い1200しかない。悲惨な数値だが、一応《オネスト》に対応しているのはありがたい。

光属性かつ魔法使いなので《セイクリッド・プレアデス》や《魔導皇聖トリス》などの素材にはなる。

ゲームボーイ版初代DMでは攻撃力1500前後が主力モンスターになる関係で、
壁モンスターの一体として活躍させやすい。
真DMではこいつと《アサシン》を融合させると、なぜか《進化の繭》になる。

その後ラッシュデュエルでリメイクされ、さらにバブリーな派生種も登場した。


《シーホース》
星5/地属性/獣族/攻1350/守1600
ウマとサカナの体を持つモンスター。海中を風のように駆け巡る。

なんだこいつ……
数ある獣族の中でも筆舌に尽くしがたい異様な姿をしたモンスター

シーホースとはタツノオトシゴのことで海外名はまんま「Tatsunootoshigo」。
なのだが、イラストは上半身がウマで下半身がサカナと訳がわからない状態になっている。
お前のようなタツノオトシゴがいるか!(むしろケルピーでは…)
たぶん「海に住んでいる馬」だといいたいのだろう。

ただし、ステータスで考えても地属性・獣族とサカナの要素がまるでない。
せめて水属性だったなら《伝説の都 アトランティス》の効果を受けられた。だからどうしたというレベルではあるが。

《カイザー・シーホース》や海馬社長とも関係ない。
《サンダー・シーホース》という後輩が最近できた。かわいい。でも関係ない。
むしろこっちはタツノオトシゴな見た目であり、真にシーホースと言える。

このようなわけのわからんモンスターではあるが、
何と、ニコニコ動画のとある人気企画動画マスコットキャラクターになっている
これだけならばここに書くことでもないが、なんとその企画をTFスタッフがネタにした。
そのデッキの中にシナジーが薄いこのカードが採用されている。(エクゾディオスの攻撃力上昇に使えるけど)

一人の決闘者の(なりゆきでの)愛がイメージを変える。そんなこともある……。

その後デッキビルドパック「ヴァリアント・スマッシャーズ」でメメントの一枚、《メメント・シーホース》としてリメイクされた。
しかもレアリティはスーパーレアであり、レベル、ステータスはそのままながら展開と墓地送りを同時にこなせるメメントデッキの潤滑油のような扱いである。
…だがメメントモンスターは基本的に元となったモンスターのフレーバーテキストを再現したような効果を持つのだが、このシーホースは「海中を風のように駆け巡る」スピードが特殊召喚効果になった…と推測される。


《フレイムキラー》
星5/炎属性/炎族/攻1900/守1300
炎の盾を使う剣士。その盾はどんな攻撃でも無効化してしまう。
銀の甲冑を纏った女戦士のモンスター。
Vol.シリーズのモンスターたちからは時期的に後になる第2期3番目のパックである「Curs of Anubis -アヌビスの呪い-」で登場した。
関連動画があるわけでもないのになぜかニコニコ大百科に項目が作られている。イラストがかわいいためだろうか。

攻撃力1900と、これまでの悲惨な連中に比べると相当に強いカードではある。……なのだが、同パックに完全上位互換である《ミスターボルケーノ》が登場しているので使う意味がまったくなかった。
その《ミスターボルケーノ》すらとても強いとは言えないカードなのに、なぜ完全下位互換を同じパックで印刷するのだろうか……?

あまりにも存在意義が分からないためレベル4と見間違えて「ついに俺も《ヂェミナイ・エルフ》級のモンスターを手に入れたんだ!」と大喜びで通常召喚し、
対戦相手に「生け贄!」と指摘されて初めてレベル5であることに気づいたという少年も多かったであろう。ほんとになんで同じパックに下位互換入れたんですかね?
そしてこの手の話題だと《モリンフェン》《レオ・ウィザード》など第一期の箸にも棒にもかからないカードばかりが挙げられることが多いので、話題にされることも少ないという結構悲惨な枠である。

……というわけで長年において忘れ去られていた彼女だったが、実はデザインをしたのが機動戦士ガンダム 水星の魔女主人公機「ガンダム・エアリアル」のメカデザイナーであるJNTHED氏であったことが判明。
曰く「性別の指定がなかったので女性として書いた」との事。だがゲームではその中性的な容姿のためか女性用装備に対応してなかったりする、というより当時は「男か女か」で意見が割れていた。
大人気シリーズのメカデザイナーが過去に手掛けたカードということで、意外なところで話題となるのであった。
(ちなみに氏は《フレイムキラー》の他にも「Curs of Anubis -アヌビスの呪い-」のカード10枚を手掛けている。)


《ミスターボルケーノ》
星5/炎属性/炎族/攻2100/守1300
炎をあやつる紳士。ふだんは温厚だが怒ると怖い。

イラストを見れば分かるが、どことなくエキゾチックでハンサムなオジサマ。ターバンのように見える部分は実は地毛。
フレーバー・テキストには「見りゃわかるよ」と思うことしか書いてない。
なんと《フレイムキラー》より攻撃力が200も高くて、それでいてレアリティは一緒。
一応こちらは、当時の小学生内で流行していた「守備力2000で耐え続けるデッキ」に対する答えとして使えるのでまだ活躍の場はあったが、当時よく使われていた《ゴブリン突撃部隊》に殴り殺されてしまうのでとても主流とはいかなかった。

しかし「名前が覚えやすい、というか当時のモンスターの中だと非常に浮いている」「外見がなんかエキゾチック」「なんだこのオッサン!?」というところから小学生の間では妙な人気があった。変なカードを集めたがるタイプの小学生や、通常モンスターを切り貼りして作るオリカの素材として微妙に需要があった。

ちなみに《フレイムキラー》もこのカードも最初に収録されてから一切再録されていない。持っている人は大切にしよう。


《ヴァルキリー》
星5/光属性/天使族/攻1800/守1700
神話に出てくる闘いの天使。
手にする槍で天罰を下す。

「Magic Ruler -魔法の支配者-」に収録されているレベル5モンスター。
上述の《レオ・ウィザード》たちよりはステータスが高いが、《ヂェミナイ・エルフ》《メカ・ハンター》には勝てないしょっぱいステータスである。
さらにステータス的にはもっとどうしようもないカードはたくさんあるため、本来ならこの手の項目に載せるのは適切とは言えない。
イラストを調べてみてほしい。大体それがすべてである。《ラムーン》の色違いとされているが、イラストの雰囲気はまったく異なる。

割と下世話な話になってしまうのだが、やたらでかい胸、挑発的な表情と姿勢、天使なのになぜかボディコン風の衣装、頑張れば見えそうなスカートの中……当時の小学生が合法的に閲覧・入手できるものの中では《魂の解放》や電撃!ピカチュウカスミのなみだなどと並んでトップクラスに露骨なものだった。
そして「魔法の支配者」はカードゲーム的にも強い《マハー・ヴァイロ》《ハリケーン》《サイクロン》《強奪》《デーモンの斧》《悪魔の口づけ》にハンデス三種の神器など、当時の小学生でも強さが分かるカードが多かったので非常によく剥かれたのだ。
つまり思春期の芽生えともいえる年頃の子とのエンカウント率が高い女性モンスターだったことに加え、《ダンシング・エルフ》《ウンディーネ》《水の踊り子》なんかは譲ってくれとも言いづらいが、
《ヴァルキリー》なら目の前で友達が剥いたパックから出てくるので「そのゴミカードちょうだい!」と入手することができたり、遊戯王を始めると友達に触れ回った時に押し付けられる親切にくれるカードの中に入っていたりしたのである。
今となってはバナー広告どころか、駅で見かけるソシャゲの広告がこんなイラストよりよほどセクシーなのですっかり時代を感じるが、昔は本当にすごかったのだ。

当然海外ではイラストを修正されている。その後《エレメント・ヴァルキリー》というカードが登場したせいで「ヴァルキリー」というとそちらのことを指すことが増えてしまい、立場としては微妙になってしまった。
ただ忘れられてはいないようで、《戦乙女の契約書》というイラストでは7体飛んでいるのが見える。


《ヤマドラン》
星5/炎属性/ドラゴン族/攻1600/守1800
三つの頭でつぎつぎ炎をはき、あたり一面を炎の海にする!

応募者全員パックのLIMITED EDITION 1で収録されたモンスター。
登場当時は、光物であること以外の特徴は特になく、《カース・オブ・ドラゴン》で事足りるようなカードであった。
一応、《カース・オブ・ドラゴン》より守備力が高いため、《ドラゴン族・封印の壺》などで守備表示にされた時に戦闘破壊されにくいという長所はあるが……。

炎属性・ドラゴン族の通常モンスターなので「聖刻」で特殊召喚したり、「征竜」や「天盃龍」のサポートを受けることもできる。
ただし、炎属性・ドラゴン族の通常モンスターには、「ヤマドラン」よりも攻守共に優れる「レッド・ドラゴン」が存在しており、こちらはレベル6のため「陽炎獣 バジリコック」のエクシーズ召喚を狙えるなど、かなり手強いライバルである。
とはいえ、あちらは「カオスエンドマスター」でリクルートできずレベルも違うため差別化は一応できるだろう。

また、LE1に収録されたウルトラシークレットレア版は貴重であり、2024現在(美品は)高価で取引されている
傷有りでも500円前後、そこそこの美品であれば数千円で取引され、鑑定済みの完美品ともなれば6万円を超える値が付くほど。

DMシリーズではDM1では全国大会予選(か後作とのトレード)でしか入手できないレアカードで、DM2以降は儀式モンスターとなった。
…のだが、DM2・真DMの時はパスワードで入手できる上投入コストも《千年の盾》同様普通のモンスターのルールと同じため、ただ儀式召喚できるだけの通常モンスターと同じ扱いだった。
真DMでは融合召喚も可能なのだが、融合方法がゲーム中に単体では手に入らない《万華鏡 ~華麗なる分身~》を使ったものであるためこれまた現実的でない。上記の通りパスワードで入手した方が絶対楽。
DM3以降は名実ともに儀式モンスターのルールに沿うようになったが、同時に投入コストがカンストまで跳ね上がったためお察し。OCGで出すより「重い」「いらない」という、かなり可哀想な存在。

真DM2ではオリジナルの特殊効果を二つも持つ儀式モンスターとして登場しているのだが、その効果も
①:バトルしたマス及びその周辺1マス範囲内の地形を格闘場*1に変化させる
②:リバースして表側表示になると現在地及びその周辺1マス範囲内の地形を格闘場に変化させる
という、これまた儀式召喚する旨味が弱い特殊効果になっている。


《ガルヴァス》
通常モンスター
星6/地属性/獣族/攻2000/守1700
ライオンに羽の生えた、獣のような姿をした悪の化身。

BOOSTER6で登場した上級通常モンスター。
攻守の値はともかくとして、そこ以外のステータスとイラストとフレーバーテキストのほぼ全てに突っ込み所しかない存在。
  • テキストによると「ライオン」が主体の容姿らしいが、イラスト側にはせいぜい尻尾と鬣ぐらいにしかその要素が残ってない。一応、ゲーム版だと《ライオンの儀式》の指定素材にされてはいるが。
  • しかも「獣のような姿をした」という割には、イラストが精悍な体つきの人間のような容姿をしている。海外版だと下半身が暗灰色に修正されたせいで、ズボンを穿いているっぽく見えてしまうのがさらにそれを助長する。
  • 「悪の化身」らしいのに闇属性でも悪魔族でもないどころか、むしろイラストの羽が天使のそれ。
    ゲーム版の真DM1ではここをクローズアップされたのか、獣族と天使族との融合から出てくる。実は堕天使だとか言わないよなお前
なので結局、これが何なのかは文章からもイラストからもさっぱり判然としない意味不明のモンスターと化している。

ちなみに海外版のDM78では若干フレーバーテキストが加筆修正されており、
A ferocious lion beast that has a powerful set of wings.
It is the embodiment of evil.
(強力な翼を持つ獰猛なライオンの獣。
 悪を体現している。
となっており、「悪と形容されながら一貫して種族を獣扱いされる」ことへの解答とも取れる内容になっている。



だがこうした微妙な通常モンスターに救いがないわけではない。

《地を這うドラゴン》
星5/地属性/ドラゴン族/攻1600/守1400
力が弱り、空を飛べなくなったドラゴン。
しかしまだ攻撃は強い。

《鎧武者斬鬼》
星5/地属性/戦士族/攻1500/守1700
一騎打ちを好む。一瞬のスキをついて、居合い抜きで攻撃!

原作でバンデット・キースによりデッキを手入れされたゴースト骨塚が使用したカード。
アックス・レイダーの前に散ったが……

「フフフフ……リビングデッドの呼び声によって、全てのモンスターがゾンビ化したゾ!」

《ドラゴン・ゾンビ》
星3/闇属性/ドラゴン族/攻1600/守  0
魔力により蘇ったドラゴン。
はく息は触れるものを腐食させる。

《鎧武者ゾンビ》
星3/闇属性/戦士族/攻1500/守  0
怨念により蘇った武者。
闇雲にふりまわすカタナに注意。

OCG的には圧倒的強化である。

守備力が0になっただけでレベルが2つも下がっており、格段に扱いやすくなっている。元のカード?知らんな
ちなみに《ドラゴン・ゾンビ》の方は、レベル3軸の【凡骨ローレベル】で採用されていたカード。当時はこれでも攻撃力が高い方だったのだ。《地を這うドラゴン》?こいつ原作にいたっけ?
きっとどんなモンスターも、手札でゾンビになれば救われるのではないだろうか。
希望論にしてはあまりにおぞましすぎるが




●微妙な融合モンスター
初期は、攻900守700の《フュージョニスト》を始めとして能力値が低く効果も持たない融合モンスターが多かった。

だが、かつては《魔導サイエンティスト》《突然変異》等で特殊召喚されたり、
現在も《簡易融合》や《簡素融合》によってシンクロ召喚エクシーズ召喚リンク召喚のサポートとして多くの初期融合モンスターが使われている。

きちんと融合召喚される機会はほとんど無いが、まともな働き口が見つかった分、上記の通常モンスターよりは救われているといえるだろう。

とはいえ、《ヒューマイノイド・ドレイク》《デビル・ボックス》《カイザー・ドラゴン》のように、「星7以上かつ低ステータス」のモンスターも何体か存在している(《簡易融合》で特殊召喚できるのは星5以下、《簡素融合》は効果を持たない星6以下)。
中には《迷宮の魔戦車》の様に融合素材の片割れ禁止カードになって出す事が難しくなっているモンスターすら存在する。
彼らが救済される日は来るのだろうか。




【現在】
最近は通常モンスター自体の新登場が少なくなっている。
新規の通常モンスターは、ステータスが優秀であったり、コンボを前提とするものなど、概ね有用なカードばかりである*2
効果モンスターで「微妙」と評されるものも多いが、大半はなんとかして使い道を見つけられる。大半は。

そういう意味では、上記のような誰得カードの登場は淘汰されたといっていいだろう。

しかし、当時を知る者にとっては古きよき時代を思い出させてくれるカードたちであることもまた事実である。
遊戯王OCGも20年以上の歴史を積み重ねている。ヴァリュアブルブック1を開いて、過去を思い返してみるのも悪くはないだろう。

また、シンクロやエクシーズ等の召喚が増えてきたようにどのカードも素材としての価値を持ち得るようになった。
我こそはと思う者は自らの手で使ってみても良いかもしれない

と思いきやこんなカードが登場した。
原石竜インペリアル・ドラゴン
効果モンスター
星6/地属性/ドラゴン族/攻2600/守 0
このカードは通常モンスター1体をリリースした場合のみ召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手メインフェイズに、手札のこのカードを相手に見せて発動できる。
「原石」モンスター1体の召喚を行う。
(2):このカードがアドバンス召喚した場合に発動できる。
以下の効果をそれぞれ適用する。
●相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。
●種族か属性が、自分の墓地の通常モンスターのいずれかと同じとなる
相手フィールドのモンスターを全て除外する。
この2の効果がなかなかのミソであり、上手く使えば種族、属性が固定されている相手テーマを封殺することも可能である。

また原石のサポートカードには「バニラモンスターを特殊召喚」「自分のバニラモンスターより相手の攻撃力が高い場合、コントロール奪取or除外」というものもあるため、単純にステータスが高い事は利点になりえなくなった。
無論追撃にも使えるため、逆にステータスが高いほうがいいかもしれないがこの辺りは好みで決めていいだろう。
2024年8月の時点で早速《ドラゴン・エッガー》が炎族レベル7のドラゴン族ということで【メタル化】デッキとのシナジーが注目され使われている他、同じ理由で《ヤマドラン》なんかも候補に上がっている。
とにもかくにも「環境によって採用するバニラが変わる」「バニラであればなんでも呼べる」「ステータスはデュエリストの好み」「手札にダブついたバニラカードもコストに使える」という破格のサポートが来たことにより、このページに乗っているモンスターたちにも希望が生まれた。



【原作の遊戯王では】
原作の「マジック&ウィザーズ」の初期ではまだ生贄召喚ルールが作られていなかったからか、強いとは言い難いモンスターカードでも星レベルが5、6と設定されることが多かった。

例として
  • ガーゴイル レベル5 攻撃力1000 守備力500 
  • 暗黒のドラゴン レベル6 攻撃力1500 守備力800
  • 人喰い植物 レベル5 攻撃力800 守備力600

初期の遊戯王を知らない今のデュエリストが見たら「なぁにこれぇ?」と驚いてしまうものである。
その為か生贄ルールが採用されたバトルシティ編では王国編までに使っていたレベル5以上の下級モンスター*3は殆ど使われることはなくなった。*4
アニメ版「DM」では星レベルがOCG準拠の為か、王国編からバトルシティ編になっても引き続きその下級モンスターが登場したこともあった。

サンド・ストーン「なんで俺らはレベルが5なんだろうな。せめて4なら……」
シーホース「まあそう腐らないでください。時代の流れには逆らえませんから(僕は公式でネタにされたけどね)」
キラー・マシーン「しかし、俺らみたいな踏み台がいなければ今日の発展はありえなかったろうぜ」
ボルト・エスカルゴ「今は大人しく押し入れの中で眠ってようや。いつかマスターにリクルートされる日までな」



サキュバス・ナイト「……」
ダーク・キメラ「がう」



この他にも日の当たらないカードたちはたくさんいます。
追記・修正して記憶に留めてあげましょう。

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最終更新:2025年01月23日 08:18

*1 良くも悪くもモンスターに一切の影響を及ぼさない、『ノーマル地形』という呼び名もある普通の地形

*2 もっとも環境で通用するかは別問題である他、プロモカードでは実用性を度外視した物もある。

*3 例として武藤遊戯の使っていた下級モンスターの当時の代表格であるグレムリンや砦を守る翼竜

*4 例外としては孔雀舞の代表格であるモンスター「ハーピィ・レディ」はレベル5で普通に召喚する時は生贄が必要だが、愛着が残っていた為か引き続きバトルシティ編でも使われた