微妙な通常モンスター(遊戯王OCG)

登録日:2010/01/31(日) 01:51:51
更新日:2022/10/28 Fri 09:08:55
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「上級ならモリンフェン様が最弱だろ」
「いやいやレオ・ウィザードも捨て難い」
「時期的にも誰得なシェイプ・スナッチだよ」



遊戯王OCGで初期の通常モンスターについて語らう際、必ずといっていいほど話題になるのが「最弱の上級モンスターは誰か」。
その弱さゆえ、逆に知名度の高くなっているカードとしてはモリンフェンレオ・ウィザード等が存在する。

だが、忘れないでほしい。
彼ら以外にも、候補となりうる上級モンスターはいるのだということを……



【地味で微妙なモンスターたち】
《ガジェット・ソルジャー》
星6/地属性/機械族/攻1800/守2000
戦うために造られた機械の戦士。
さびない金属でできている。

海馬瀬人が使用するモンスターの1体。
原作ではレベル4だったが、OCGでは上級モンスターになってしまった。

さりげなく「ガジェット」の一員であり、その元祖。
一応「起動兵士デッドリボルバー」の強化には使えるのだが、普通に三色ガジェットを使った方が遥かにお手軽なのは言うまでもない。
古代の歯車機械》と《機械複製術》のコンボで2体リクルートでき、ランク6のエクシーズ召喚にも繋げられるが、やはり手札事故が怖い。
「さびない金属」で出来ているらしいが、「酸の嵐」で破壊される。


《サンド・ストーン》
星5/地属性/岩石族/攻1300/守1600
地下から突然目の前に現れ、触手で攻撃してくる。

低い攻撃力に無駄に高いレベルとポテンシャルは十分なのだが、守備力が1600と微妙に高くあまり目立たない。
「触手で攻撃」とあるが、エロ同人の触手要員でこいつを使う人はいないだろう。

しかし、こいつを語る際に外せないのは「岩石の巨兵
同じ属性・種族・攻撃力でレベルが高いにも関わらず守備力が劣るのはいわずもがな、
何と「サンド・ストーン」と「岩石の巨兵」は登場したのが同じパックなのだ。
まさに出オチもいいところである。


《サキュバス・ナイト》
星5/闇属性/戦士族/攻1650/守1300
魔法を唱え、相手を血祭りにあげる悪魔の魔法戦士。

悪魔、魔法使い、戦士と、種族がわかりづらいフレーバーテキストをしている。どれだよ!
コウモリの羽を模した面積の小さいヌーブラ(?)を付けているので、おっぱいがとんでもなくエロい。
何度かこのカードの絵柄のお世話になったデュエリストもいるのではなかろうか

攻撃力がそこそこ高いが、そのせいでギリギリのところで「カオスエンドマスター」でリクルートできない。
この残念具合がネタになりそうなものだが、
攻撃力1610の「ダーク・キメラ」というニアピン野郎のせいで全く目立たない。
でもエロいのでry

ゲームボーイ版ではガルマソードの召喚に必要な生け贄モンスターなのだが、
DM4では中量級の中ではそこそこな攻撃力に加えて、倒されにくい黒魔族なので、
儀式素材の中では使いやすい部類だったりする。

《死の沈黙の天使 ドマ》
星5/闇属性/天使族/攻1600/守1400
死を司る天使。
こいつに睨まれたら、死から逃れられない。

初期に多い、イカした名前のモンスターの1体。
当初から闇属性の天使族というアイデンティティを守ってきたが、近年の堕天使ブームによってそれも失墜した。
少しイってしまった感じの眼も何故か寂しく見える。
しかし、《カオスエンドマスター》でリクルートできる最高攻撃力なので、この中ではマシな部類とも言える。

アニメ版DMでは遊戯に敗れたペガサスの前に現れたバクラが際にこのカードを引き、
ペガサスの運命を占ったシーンが印象的。

ダーク・キメラ
星5/闇属性/悪魔族/攻1610/守1460
魔界に生息するモンスター。闇の炎をはき攻撃する。

初期のモンスターの中でもかなり中途半端なステータスの持ち主。
上述のように「カオスエンドマスター」の効果でリクルートできない範囲での最低攻撃力を持つ、ある意味最も悲惨なカード。
弱小カードとしての知名度はレベル・属性・種族が同じ「モリンフェン」に劣るが、実際はこちらの方が使い道がないと言える。


《ボルト・エスカルゴ》
星5/水属性/雷族/攻1400/守1500
ネバネバの液をはきかけ、動けなくなったところに電撃アタック!

「エア・イーター」や「フレイム・ケルベロス」といった、扱い易い通常モンスターがノーマルで封入されるようになったvol.6で、
「俺もいるぞ!」といわんばかりに登場した微妙カード。
「電撃アタック!」とあるが、エロ同人のリョナ要員でこ(ry

何気に長い間、雷族の通常モンスターとしては最強のステータスを誇っていた。
今では下級の「ジェムナイト・ルマリン」に抜かれている。

ゲームボーイ版デュエルモンスターズシリーズでは貴重な雷魔族という事に加えて、
融合召喚にて「水族+雷魔族モンスター」という簡単な組み合わせで生み出せるので、
序~中盤戦の融合モンスターとしては結構優秀な一体だったりする。

《キラー・マシーン》
星5/闇属性/機械族/攻1450/守1500
大きく反った剣を振りかざし暴れる、殺人マシン。
vol.7で大量に登場した、機械族不良品シリーズの1体。その中でもステータスの低さではこいつがぶっちぎり。
さっさとリメイクなりリコールなりしていただきたいものである。
あとド○ゴンクエ○トは関係ない

「シェイプ・スナッチ」と比べると、攻撃力が250高い分守備力が200低い。
「地獄の暴走召喚」でもして存分に暴れさせてやろう。
ノヴァ」の素材になり、そこから「インフィニティ」にランクアップできると考えると、案外侮れないかも。


《ラムーン》
通常モンスター
星5/光属性/魔法使い族/攻1200/守1700
月に住む魔法使い。月の持つ魔力で相手を魅了する。

BOOSTER3で登場した魔法使い。
守備力はそこそこあるが、攻撃は「レオ・ウィザード」や「サンド・ストーン」よりも低い1200しかない。

光属性かつ魔法使いなので「プレアデス」や「魔導皇聖トリス」などの素材にはなる。

ゲームボーイ版初代DMでは攻撃力1500前後が主力モンスターになる関係で、
壁モンスターの一体として活躍させやすい。
真DMではこいつと「アサシン」を融合させると、なぜか「進化の繭」になる。

その後ラッシュデュエルでリメイクされ、更に派生種も登場した。


《シーホース》
星5/地属性/獣族/攻1350/守1600
ウマとサカナの体を持つモンスター。海中を風のように駆け巡る。

なんだこいつ……
シーホースとはタツノオトシゴのことで海外名はまんま「Tatsunootoshigo」。
なのだが、イラストは上半身がウマで下半身がサカナと訳がわからない状態になっている。
お前のようなタツノオトシゴがいるか!(むしろケルピーでは…)
たぶん「海に住んでいる馬」だといいたいのだろう。


ただし、ステータスで考えても地属性・獣族とサカナの要素がまるでない。
せめて水属性だったなら「伝説の都 アトランティス」の効果を受けられた。だからどうしたというレベルではあるが。

「カイザー・シーホース」や海馬社長とも関係ない。
「サンダー・シーホース」という後輩が最近できた。かわいい。でも関係ない。
むしろこっちはタツノオトシゴな見た目であり、真にシーホースと言える。

このようなわけのわからんモンスターではあるが、
何と、ニコニコ動画のとある人気企画動画でマスコットキャラクターになっている
これだけならばここに書くことでもないが、なんとその企画をTFスタッフがネタにした。
そのデッキの中にシナジーが薄いこのカードが採用されている。(エクゾディオスの攻撃力上昇に使えるけど)

一人の決闘者の(なりゆきでの)愛がイメージを変える。そんなこともある……


《フレイムキラー》
星5/炎属性/炎族/攻1900/守1300
炎の盾を使う剣士。その盾はどんな攻撃でも無効化してしまう。

上述のモンスターたちからは時期的にかなり後になる「Curs of Anubis -アヌビスの呪い-」で登場したカード。関連動画があるわけでもないのになぜかニコニコ大百科に項目が作られている。
攻撃力1900と、これまでの悲惨な連中に比べると相当に強いカード……なのだが、同パックに完全上位互換である《ミスターボルケーノ》が登場しているので使う意味がまったくない。
その《ミスターボルケーノ》すらとても強いとは言えないカードなのに、なぜ完全下位互換を同じパックで印刷するのだろうか。
あまりにも存在意義が分からないためレベル4と見間違えて「ついに俺も《ヂェミナイ・エルフ》級のモンスターを手に入れたんだ!」と大喜びで通常召喚し、
対戦相手に「生け贄!」と指摘されて初めてレベル5であることに気づくというほんとにどうしようもないカード。なんで同じパックに下位互換入れたんですかね?
そしてこの手の話題だと《モリンフェン》《レオ・ウィザード》など第一期の箸にも棒にもかからないカードばかりが話題になるせいで話題にもされないという結構悲惨な枠である。

というわけで長年において忘れ去られていた彼女だったが、実はデザインをしたのが機動戦士ガンダム 水星の魔女主人公機「ガンダム・エアリアル」のメカデザイナーであるJNTHED氏である。
曰く「性別の指定がなかったので女性として書いた」との事。だがゲームでは女性用装備に対応してなかったりする。
大人気シリーズのメカデザイナーの手掛けたカードということで意外なところで話題となるのであった。
(ちなみに氏はフレイムキラーの他にも「Curs of Anubis -アヌビスの呪い-」のカード10枚を手掛けている。)


《ミスターボルケーノ》
星5/炎属性/炎族/攻2100/守1300
炎をあやつる紳士。ふだんは温厚だが怒ると怖い。

イラストを見れば分かるが、どことなくイタリアンやアラビアンな感じのするおっさん。フレーバー・テキストには「見りゃわかるよ」と思うことしか書いてない。
なんと《フレイムキラー》より攻撃力が200も高くて、それでいてレアリティは一緒。
一応こちらは、当時の小学生内で流行していた「守備力2000で耐え続けるデッキ」に対する答えとして使えるのでまだ活躍の場はあった……のだが、《ゴブリン突撃部隊》に殴り殺されてしまうのでとても主流とはいかなかった。
しかし「名前が覚えやすい」「外見がなんかエキゾチック」「なんだこのオッサン!?」というところから小学生の間では妙な人気があり、変なカードを集めたがるタイプの小学生や、通常モンスターを切り貼りして作るオリカの素材として微妙に需要があった。


《ヴァルキリー》
星5/光属性/天使族/攻1800/守1700
神話に出てくる闘いの天使。
手にする槍で天罰を下す。

「Magic Ruler -魔法の支配者-」に収録されているレベル5モンスター。
上述の《レオ・ウィザード》たちよりはステータスが高いが、《ヂェミナイ・エルフ》《メカ・ハンター》には勝てないしょっぱいステータスである。
さらにステータス的にはもっとどうしようもないカードはたくさんあるため、本来ならこの手の項目に載せるのは適切とは言えない。
イラストを調べてみてほしい。大体それがすべてである。《ラムーン》の色違いとされているが、イラストの雰囲気はまったく異なる。

割と下世話な話になってしまうのだが、やたらでかい胸、挑発的な表情と姿勢、なぜかボディコン風の衣装、頑張れば見えそうなスカートの中……当時の小学生が合法的に入手できるものの中では《魂の解放》や電撃!ピカチュウカスミのなみだなどと並んでトップクラスに露骨なものだった。
そして「魔法の支配者」はカードゲーム的にも強い《マハー・ヴァイロ》《ハリケーン》《サイクロン》《強奪》《デーモンの斧》《悪魔の口づけ》にハンデス三種の神器など、当時の小学生でも強さが分かるカードが多かったので非常によく剥かれたのだ。
つまり思春期の芽生えともいえる年頃の子とのエンカウント率が高い女性モンスターだったことに加え、《ダンシング・エルフ》《ウンディーネ》《水の踊り子》なんかは譲ってくれとも言いづらいが、
《ヴァルキリー》なら目の前で友達が剥いたパックから出てくるので「そのゴミカードちょうだい!」と入手することができたり、遊戯王を始めると友達に触れ回った時に押し付けられる親切にくれるカードの中に入っていたりしたのである。

当然海外ではイラストを修正されている。その後《エレメント・ヴァルキリー》というカードが登場したせいで「ヴァルキリー」というとそちらのことを指すことが増えてしまい、立場としては微妙になってしまった。
ただ忘れられてはいないようで、《戦乙女の契約書》というイラストでは7体飛んでいるのが見える。


●微妙な融合モンスター
初期は、攻900守700の《フュージョニスト》を始めとして能力値が低く効果も持たない融合モンスターが多かった。

だが、かつては《魔導サイエンティスト》《突然変異》等で特殊召喚されたり、
現在も《簡易融合》や《簡素融合》によってシンクロ召喚エクシーズ召喚リンク召喚のサポートとして多くの初期融合モンスターが使われている。

きちんと融合召喚される機会はほとんど無いが、まともな働き口が見つかった分、上記の通常モンスターよりは救われているといえるだろう。

とはいえ、《ヒューマイノイド・ドレイク》《デビル・ボックス》《カイザー・ドラゴン》のように、「星7以上かつ低ステータス」のモンスターも何体か存在している(《簡易融合》で特殊召喚できるのは星5以下、《簡素融合》は効果を持たない星6以下)。
中には《迷宮の魔戦車》の様に融合素材の片割れ禁止カードになって出す事が難しくなっているモンスターすら存在する。
彼らが救済される日は来るのだろうか。




【現在】
最近は通常モンスター自体の新登場が少なくなっている。
効果モンスターで「微妙」と評されるものも多いが、大半はなんとかして使い道を見つけられる。


そういう意味では、上記のような誰得カードの登場は淘汰されたといっていいだろう。


しかし、当時を知る者にとっては古きよき時代を思い出させてくれるカードたちであることもまた事実である。
遊戯王OCGも20年以上の歴史を積み重ねている。ヴァリュアブルブック1を開いて、過去を思い返してみるのも悪くはないだろう。

また、シンクロやエクシーズ等の召喚が増えてきたようにどのカードも素材としての価値を持ち得るようになった。
我こそはと思う者は自らの手で使ってみても良いかもしれない

【原作の遊戯王では】
原作の「マジック&ウィザーズ」の初期ではまだ生贄召喚ルールが作られていなかったからか、強いとは言い難いモンスターカードでも星レベルが5、6と設定されることが多かった。

例として
  • ガーゴイル レベル5 攻撃力1000 守備力500 
  • 暗黒のドラゴン レベル6 攻撃力1500 守備力800
  • 人喰い植物 レベル5 攻撃力800 守備力600

初期の遊戯王を知らない今のデュエリストが見たら「なぁにこれぇ?」と驚いてしまうものである。
その為か生贄ルールが採用されたバトルシティ編では王国編までに使っていたレベル5以上の下級モンスター*1は殆ど使われることはなくなった。*2
アニメ版「DM」では星レベルがOCG準拠の為か、王国編からバトルシティ編になっても引き続きその下級モンスターが登場したこともあった。

サンド・ストーン「なんで俺らはレベルが5なんだろうな。せめて4なら……」
シーホース「まあそう腐らないでください。時代の流れには逆らえませんから(僕は公式でネタにされたけどね)」
キラー・マシーン「しかし、俺らみたいな踏み台がいなければ今日の発展はありえなかったろうぜ」
ボルト・エスカルゴ「今は大人しく押し入れの中で眠ってようや。いつかマスターにリクルートされる日までな」



サキュバス・ナイト「……」
ダーク・キメラ「がう」



この他にも日の当たらないカードたちはたくさんいます。
追記・修正して記憶に留めてあげましょう。

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最終更新:2022年10月28日 09:08

*1 例として武藤遊戯の使っていた下級モンスターの当時の代表格であるグレムリンや砦を守る翼竜等

*2 例外としては孔雀舞の代表格であるモンスター「ハーピィ・レディ」はレベル5で普通に召喚する時は生贄が必要だが、愛着が残っていた為か引き続きバトルシティ編でも使われた