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微妙な通常モンスター(遊戯王OCG)

登録日:2010/01/31 Sun 01:51:51
更新日:2026/07/15 Wed 15:22:32
所要時間:約 12 分で読めます





「上級なら《モリンフェン》様が最弱だろ」

「いやいや《レオ・ウィザード》も捨て難い」

「時期的にも誰得な《シェイプ・スナッチ》だよ」


「微妙な通常モンスター」とは、『遊戯王OCG』において、中途半端なステータス故に使いづらく目立たない存在と化してしまっている上級通常モンスターの総称。



概要

通常モンスターは大半がOCG初期に登場しているが、それについて語らう際、ファンの間で必ずといっていいほど話題になるのが「最弱の上級モンスターは誰か」。
その弱さゆえ、逆に知名度の高くなっているカードとしては《モリンフェン》や《レオ・ウィザード》等が存在する。

だが、忘れないでほしい。
彼ら以外にも、候補となりうる上級モンスターはいるのだということを……

一応、強引にフィールドに出す方法としては、


通常魔法
手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。

《召喚師のスキル/Summoner's Art》

通常魔法
(1):デッキからレベル5以上の通常モンスター1体を手札に加える。

長年の間、この2枚の併用が最も手っ取り早い方法として知られていた。青眼の白龍》で事足りる?

ステータスこそ弱くても、初期のゲーム作品内では独自の召喚魔族や融合システムから意外と活躍出来たカードも珍しくない。
そういう点では、どう頑張っても活用しづらい「ピンポイント過ぎるメタカード」よりも遥かにマシと言えるだろう。
原石】の登場で注目された《死神ブーメラン》のように、OCGでも彼らの種族や属性が生かせるカードが登場すれば見直される可能性もあるかもしれない。
種族と属性の組み合わせもありふれている?まあ……頑張れ。


地味で微妙なモンスターたち

《サキュバス・ナイト/Succubus Knight》

通常モンスター
星5/闇属性/戦士族/攻1650/守1300
魔法を唱え、相手を血祭りにあげる悪魔の魔法戦士。

Vol.3」で登場。Vol.シリーズ特有のセクシーな女性型モンスターの1体。
悪魔+魔法使い+戦士と、種族がわかりづらいフレーバーテキストをしている。どれだよ!
コウモリの羽を模した面積の小さいヌーブラ(?)を付けているので、おっぱいがとんでもなくエロい。
何度かこのカードの絵柄のお世話になったデュエリストもいるのではなかろうか。

攻撃力が1650とそこそこ高いが、そのせいで50というギリギリのところで《カオスエンドマスター》でリクルートできない
この残念具合がネタになりそうなものだが、攻撃力1610の《ダーク・キメラ》というさらに上を行くニアピン野郎のせいで全く目立たない。
でもエロいのでry

活路を見出すとすれば、地味に唯一の「闇属性・戦士族・レベル5のバニラ」である点か。
《蛮族の狂宴LV5》を使い、「光属性・戦士族・レベル5」と並べる事で、フルスペックの《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》を呼ぶ事も出来る。

ゲームボーイ版では《ガルマソード》の召喚に必要な生け贄モンスターなのだが、
『DM4』では中量級の中ではそこそこな攻撃力に加えて、倒されにくい黒魔族なので、儀式素材の中では使いやすい部類だったりする。

色違いモンスターに《ヴィシュワ・ランディー》がいる。あちらは同じく闇属性の戦士族だが、レベルは3なので扱いやすい。
また、あちらのみ『ラッシュデュエル』でも登場しており、《ヴィシュワ・ランバディ》という派生カードも存在する。


《サンド・ストーン/Sand Stone》

通常モンスター
星5/地属性/岩石族/攻1300/守1600
地下から突然目の前に現れ、触手で攻撃してくる。

こちらも「Vol.3」で登場。岩石でできた怪獣のような見た目のモンスター。

低い攻撃力に無駄に高いレベルとポテンシャルは十分なのだが、守備力が1600と微妙に高くあまり目立たない。
「触手で攻撃」とあるが、エロ同人の触手要員でこいつを使う人はいないだろう。

そして、こいつを語る際に外せないのは《岩石の巨兵》。
同じ属性・種族・攻撃力でレベルが高いにも関わらず守備力が劣るのはいわずもがな。
加えて《サンド・ストーン》と《岩石の巨兵》は登場したのが同じパックなのだ。
まさに出オチもいいところである。

一応、《巨大ネズミ》や《カオスエンドマスター》で容易に特殊召喚することができる。
しかし、レベル・属性・種族が同じ《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》の存在がかなり痛い。そちらは攻撃力は0だが守備力が3000もある。
また、《カオスエンドマスター》での特殊召喚を考えると、攻撃力が1600とより高い《ストーンジャイアント》が存在する。
そのため、《カオスエンドマスター》や《巨大ネズミ》を両方採用したデッキであればこちらにもチャンスはある……といった強引な評価にならざるを得ない。

ちなみに一般的に「サンドストーン」とは堆積岩の一種である砂岩を意味する。


《ヤマドラン/Yamadron》

通常モンスター
星5/炎属性/ドラゴン族/攻1600/守1800
三つの頭でつぎつぎ炎をはき、あたり一面を炎の海にする!

応募者全員サービスパックの「LIMITED EDITION 1」で収録されたモンスター。
登場当時は、光物であること以外の特徴は特になく、《カース・オブ・ドラゴン》で事足りるようなカードであった。
一応、《カース・オブ・ドラゴン》より守備力が高いため、《ドラゴン族・封印の壺》などで守備表示にされた時に戦闘破壊されにくいという長所はあるが……。
また、応募者全員サービスで入手が容易だったため、《カース・オブ・ドラゴン》が入手できなかった人の中には愛用者もいたかもしれない*1

現在では、属性サポートの増加もあって、《カース・オブ・ドラゴン》との差別化は容易となった。
炎属性・ドラゴン族の通常モンスターなので「聖刻」で特殊召喚したり、「征竜」や「天盃龍」のサポートを受けることもできる。
ただし、炎属性・ドラゴン族の通常モンスターには《ヤマドラン》よりも攻守共に優れる《レッド・ドラゴン》が存在しており、あちらはレベル6のため《陽炎獣 バジリコック》のX召喚を狙える利点がある。
とはいえ、あちらは《カオスエンドマスター》でリクルートできずレベルも違うため、ランク5を扱うデッキなどであればこちらにも分があるだろう。

また、LE1に収録されたウルトラシークレットレア版は貴重であり、2026年現在(美品は)高価で取引されている
傷有りでも500円前後、そこそこの美品であれば数千円で取引され、鑑定済みの完美品ともなれば6万円を超える値が付くほど。

使い道は十分にあり、価値もそれなり高いため、この項目で紹介されているカードの中では恵まれている部類である。

DMシリーズでは、『DM1』では全国大会予選(か後作とのトレード)でしか入手できないレアカードで、『DM2』以降は儀式モンスターとなった。
…のだが、『DM2』・『真DM』の時はパスワードで入手できる上、投入コストも《千年の盾》同様普通のモンスターのルールと同じため、ただ儀式召喚できるだけの通常モンスターと同じ扱いだった。
『真DM』では融合召喚も可能なのだが、融合方法がゲーム中に単体では手に入らない《万華鏡-華麗なる分身-》を使ったものであるためこれまた現実的でない。上記の通りパスワードで入手した方が絶対楽。
『DM3』以降は名実ともに儀式モンスターのルールに沿うようになったが、同時に投入コストがカンストまで跳ね上がったためお察し。
そして『DM4』では儀式モンスター自体も儀式だけでしか出せなくなったので、更に扱いにくい。OCGで出すより「重い」「いらない」という、かなり可哀想な存在。

真DM2』ではオリジナルの特殊効果を2つも持つ儀式モンスターとして登場しているのだが、その効果も
(1):バトルしたマス及びその周辺1マス範囲内の地形を格闘場*2に変化させる
(2):リバースして表側表示になると現在地及びその周辺1マス範囲内の地形を格闘場に変化させる
という、これまた儀式召喚する旨味が弱い特殊効果になっている。


《シーホース》

通常モンスター
星5/地属性/獣族/攻1350/守1600
ウマとサカナの体を持つモンスター。
海中を風のように駆け巡る。

なんだこいつ……
「BOOSTER3」で登場した、数ある獣族の中でも筆舌に尽くしがたい異様な姿をしたモンスター

シーホースとはタツノオトシゴのことで海外名はまんま「Tatsunootoshigo」*3
なのだが、イラストは上半身がウマで下半身がサカナと訳がわからない状態になっている。
お前のようなタツノオトシゴがいるか!(むしろケルピーでは…)
たぶん「海に住んでいる馬」だといいたいのだろう。

ただし、ステータスで考えても地属性・獣族とサカナの要素がまるでない。
せめて水属性だったなら《伝説の都 アトランティス》の効果を受けられたが、受けられたところでどうしたというレベル。

《カイザー・シーホース》や海馬社長とも、後発カードの《サンダー・シーホース》とも無関係。
《サンダー・シーホース》はタツノオトシゴな見た目であり、真にシーホースと言える。

このようなわけのわからんモンスターではあるが、何と、ニコニコ動画のとある人気企画動画マスコットキャラクターになっている
これだけならばここに書くことでもないが、なんとその企画をTFスタッフがネタにした。
そのデッキの中にシナジーが薄いこのカードが採用されている(エクゾディオスの攻撃力上昇に使えるけど)。
1人の決闘者の(なりゆきでの)愛がイメージを変える。そんなこともある……。

その後デッキビルドパック「ヴァリアント・スマッシャーズ」でメメントの1枚・《メメント・シーホース》としてリメイクされた。
しかもレアリティはスーパーレアであり、レベル・ステータスはそのままながら展開と墓地送りを同時にこなせる【メメント】の潤滑油のような扱いである。
メメントモンスターは基本的に元となったモンスターのフレーバーテキストを再現したような効果を持つのだが、このシーホースは「海中を風のように駆け巡る」スピードが特殊召喚効果になった…と推測される。


《ラムーン》

通常モンスター
星5/光属性/魔法使い族/攻1200/守1700
月に住む魔法使い。月の持つ魔力で相手を魅了する。

「BOOSTER3」で登場した魔法使い族。翼を生やした天使のような姿をしている。
守備力はそこそこあるが、攻撃力は《レオ・ウィザード》や《サンド・ストーン》よりも低い1200しかない。
悲惨な数値だが、光属性かつ魔法使いなので《セイクリッド・プレアデス》や《魔導皇聖 トリス》などの素材にはなる。
一応《オネスト》に対応しているのはありがたい。

ゲームボーイ版初代『DM』では攻撃力1500前後が主力モンスターになる関係で、壁モンスターの1体として活躍させやすい。
『真DM』ではこいつと《アサシン》を融合させると、なぜか《進化の繭》になる。

ラッシュデュエル』でも登場し、バブリーな派生種《ワンレン・ラムーン》も登場した。

更にOCGでも、第11期終盤に23年半の時を経て《ペンデュラムーン》としてリメイクされた。
その名の通りのペンデュラムモンスターで、EXデッキの表側表示のペンデュラムモンスターの回収に特化した性能をしている。


《死の沈黙の天使 ドマ/Doma The Angel of Silence》

通常モンスター
星5/闇属性/天使族/攻1600/守1400
死を司る天使。
こいつに睨まれたら、死から逃れられない。

Vol.4」で登場。初期に多い、イカした名前のモンスターの1体。
当初から「闇属性の天使族」というアイデンティティを守ってきたが、第9期堕天使がカテゴリ化されるとともに多くの新規が登場し、それも失墜した。
少しイってしまった感じの眼も何故か寂しく見える。

しかし、《カオスエンドマスター》でリクルートできる最高攻撃力なので、この中ではマシな部類とも言える。

『DM8』では下記の《シーホース》などと並び初期デッキの微妙な通常モンスター4人集の1体として登場。
…しかし《闇》*4で弱体化するのが致命的で、弱体化後の攻撃力1120はほんの少しストーリーを進めただけでただの下級モンスターにも負ける程度。よ、弱すぎる…
一方、初代『DM』では海馬辺りからそれなりの確立で手に入る割にはそこそこ高い攻撃力を持つため、中盤以降の主力候補になりうる。

アニメ版『DM』では、遊戯に敗れたペガサスの前に現れたバクラが彼の運命を占った際に、このカードを引いている。


《ボルト・エスカルゴ》

通常モンスター
星5/水属性/雷族/攻1400/守1500
ネバネバの液をはきかけ、動けなくなったところに電撃アタック!

Vol.6」で登場。電撃攻撃を繰り出すカタツムリのモンスター。
《エア・イーター》や《フレイム・ケルベロス》(ともに攻撃力2100)といった、扱い易い通常モンスターがノーマルで封入されるようになったVol.6で、「俺もいるぞ!」といわんばかりに登場した微妙カード。

一応、現在では《グリズリーマザー》や《カオスエンドマスター》で容易に特殊召喚できる。
水属性・雷族・レベル5のバニラというステータスは唯一無二なのだが、受けられるサポートは《サキュバス・ナイト》ほど多くはなく、このステータスを活かすことは難しい。
「電撃アタック!」とあるが、エロ同人のリョナ要員でこ(ry

上級モンスターとしては低いステータスが悪目立ちするが、意外にも長い間、雷族の通常モンスターとしては最強のステータスを誇っていた。
今では下級の《ジェムナイト・ルマリン》に抜かれているが、この記録を更新するのに10年以上を要したところに、雷族の不遇ぶりがにじみ出ている。

一方で、初期の方のゲーム作品では恵まれている。
遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズ〜封印されし記憶〜』では雷族扱いでもあるので、ドラゴン族か雷族を掛け合わせることにより《双頭の雷龍》の融合召喚が可能。

ゲームボーイ版DMシリーズでは貴重な雷魔族という事に加え、「水族+雷魔族モンスター」という簡単な組み合わせで融合召喚にて生み出せるので、序~中盤戦の融合モンスターとしては結構優秀な1体。
また、水族モンスターは微妙なステータスの物が多いので、彼と《スパイクシードラ》への融合は水族モンスターにおける面目躍如ともいうべきシチュエーションと言えなくもない。


《ガルヴァス》

通常モンスター
星6/地属性/獣族/攻2000/守1700
ライオンに羽の生えた、獣のような姿をした悪の化身。

「BOOSTER6」で登場。

攻守の値はともかくとして、そこ以外のステータスとイラストとフレーバーテキストのほぼ全てに突っ込み所しかない存在。
  • テキストによると「ライオン」が主体の容姿らしいが、イラスト側にはせいぜい尻尾と鬣ぐらいにしかその要素が残ってない。
    一応、ゲーム版だと《ライオンの儀式》の指定素材にされてはいるが。
  • しかも「獣のような姿をした」という割には、イラストが精悍な体つきの人間のような容姿をしている。
    海外版だと下半身が暗灰色に修正されたせいで、ズボンを穿いているっぽく見えてしまうのがさらにそれを助長する。
  • 「悪の化身」らしいのに闇属性でも悪魔族でもないどころか、むしろイラストの羽が天使のそれ。
    ゲーム版の『真DM1』ではここをクローズアップされたのか、獣族と天使族との融合から出てくる。実は堕天使だとか言わないよなお前?
なので結局、これが何なのかは文章からもイラストからもさっぱり判然としない意味不明のモンスターと化している。

ちなみに海外版の『DM78』では若干フレーバーテキストが加筆修正されており、
A ferocious lion beast that has a powerful set of wings.
It is the embodiment of evil.
(強力な翼を持つ獰猛なライオンの獣。
 悪を体現している。
となっており、「悪と形容されながら一貫して種族を獣扱いされる」ことへの解答とも取れる内容になっている。


ダーク・キメラ

Vol.7」で登場。闇のプレイヤーキラーが使ったモンスターの1体。

詳細は個別項目を参照されたいが、初期のモンスターの中でもかなり中途半端なステータスの持ち主。
上述のように《カオスエンドマスター》の効果でリクルートできない範囲での最低攻撃力を持つ、ある意味最も悲惨なカード

弱小カードとしての知名度はレベル・属性・種族が同じ《モリンフェン》に劣るが、実際はこちらの方が使い道がないと言える。
一応《ダークゾーン》を発動している状態で出せば、《サイバー・ドラゴン》の攻撃力を10だけ上回るだからどうしたという話だが。


《キラー・マシーン/Sword Slasher》

通常モンスター
星5/闇属性/機械族/攻1450/守1500
大きく反った剣を振りかざし暴れ回る、殺人マシン。

Vol.7」で大量に登場した、機械族不良品シリーズの1体。その中でもステータスの低さではこいつがぶっちぎり。
国民的RPG同名キャラと違って全然頼れないので、さっさとリメイクなりリコールなりしていただきたいものである。

攻撃力が低い分、《機甲部隊の最前線》からモンスターをリクルートし《地獄の暴走召喚》に繋げるといった働きはしやすい。
レベル5の機械族なので、《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》・《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》の素材になれると考えると、案外侮れないかも。

《シェイプ・スナッチ》と比べると攻撃力が250高い分守備力が200低く、《メガソニック・アイ》《ゲート・キーパー》に比べると攻撃力が50・守備力が300劣るが《平和の使者》や《奈落の落とし穴》にかからない。
場に出してすぐ素材にするのであれば大した違いはないかもしれないが。


《ヴァルキリー/Dark Witch》

通常モンスター
星5/光属性/天使族/攻1800/守1700
神話に出てくる闘いの天使。
手にする槍で天罰を下す。

Vol.シリーズからは時期的に後となる、第2期第1弾パック「Magic Ruler -魔法の支配者-」に収録されたレベル5モンスター。
上述の《レオ・ウィザード》たちよりはステータスが高いが、《ヂェミナイ・エルフ》・《メカ・ハンター》には勝てないしょっぱいステータスである。
さらにステータス的にはもっとどうしようもないカードはたくさんあるため、本来ならこの手の項目に載せるのは適切とは言えない。
イラストを調べてみてほしい。大体それがすべてである。《ラムーン》の色違いとされているが、イラストの雰囲気はまったく異なる。

割と下世話な話になってしまうのだが、やたらでかい胸、挑発的な表情と姿勢、天使なのになぜかボディコン風の衣装、頑張れば見えそうなスカートの中……
当時の小学生が合法的に閲覧・入手できるものの中では《魂の解放》や『電撃!ピカチュウ』、カスミのなみだなどと並んでトップクラスに露骨なものだった。
そして「魔法の支配者」はカードゲーム的にも強い《マハー・ヴァイロ》・《ハリケーン》・《サイクロン》・《強奪》・《デーモンの斧》・《悪魔のくちづけ》にハンデス三種の神器など、当時の小学生でも強さが分かるカードが多かったので非常によく剥かれたのだ。
つまり思春期の芽生えともいえる年頃の子とのエンカウント率が高い女性モンスターだったことに加え、《ダンシング・エルフ》・《ウンディーネ》・《水の踊り子》なんかは譲ってくれとも言いづらいが、
《ヴァルキリー》なら目の前で友達が剥いたパックから出てくるので「そのゴミカードちょうだい!」と入手することができたり、遊戯王を始めると友達に触れ回った時に押し付けられる親切にくれるカードの中に入っていたりしたのである。
今となってはバナー広告どころか、駅で見かけるソシャゲの広告がこんなイラストよりよほどセクシーなのですっかり時代を感じるが、昔は本当にすごかったのだ。

当然、海外ではイラストを修正されている。
その後《エレメント・ヴァルキリー》というカードが登場したせいで「ヴァルキリー」というとそちらのことを指すことが増えてしまい、立場としては微妙になってしまった。
ただ忘れられてはいないようで、《戦乙女の契約書》というイラストでは7体飛んでいるのが見える。


《フレイムキラー/Flame Champion》

通常モンスター
星5/炎属性/炎族/攻1900/守1300
炎の盾を使う剣士。
その盾はどんな攻撃でも無効化してしまう。

第2期第3弾パック「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で登場。銀の甲冑を纏った女戦士のモンスター。
関連動画があるわけでもないのになぜかニコニコ大百科に項目が作られている。イラストがかわいいためだろうか。

攻撃力1900と、これまでの悲惨な連中に比べると相当に強いカードではある……のだが、同パックに完全上位互換である《ミスターボルケーノ》が登場しているので使う意味がまったくなかった。
その《ミスターボルケーノ》すらとても強いとは言えないカードなのに、なぜ完全下位互換を同じパックで印刷するのだろうか……?

あまりにも存在意義が分からないためレベル4と見間違えて「ついに俺も《ヂェミナイ・エルフ》級のモンスターを手に入れたんだ!」と大喜びで通常召喚し、
対戦相手に「生け贄!」と指摘されて初めてレベル5であることに気づいたという少年も多かったであろう。ほんとになんで同じパックに下位互換入れたんですかね?
そしてこの手の話題だと《モリンフェン》・《レオ・ウィザード》など第1期の箸にも棒にもかからないカードばかりが挙げられることが多いので、話題にされることも少ないという結構悲惨な枠である。

……というわけで長年において忘れ去られていた彼女だったが、実はデザインをしたのが『機動戦士ガンダム 水星の魔女』主人公機「ガンダム・エアリアル」のメカデザイナーであるJNTHED氏であったことが判明。
曰く「性別の指定がなかったので女性として書いた」との事。だがゲームではその中性的な容姿のためか女性用装備に対応してなかったりする、というより当時は「男か女か」で意見が割れていた。
大人気シリーズのメカデザイナーが過去に手掛けたカードということで、意外なところで話題となるのであった。
(ちなみに氏は《フレイムキラー》の他にも「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」のカード10枚を手掛けている。)

なお、このカードもまた『ラッシュデュエル』でも登場している。

ゲームボーイの『DM4』では、レベル5~6モンスターの攻撃力の上限が2000となる関係で、炎デッキの主力モンスターに抜擢されやすい。
本家OCGでは微妙だった彼もゲームの中では《ヂェミナイ・エルフ》と対等に渡り合える存在になったのだ。


《ミスターボルケーノ/Mr. Volcano》

通常モンスター
星5/炎属性/炎族/攻2100/守1300
炎をあやつる紳士。ふだんは温厚だが怒ると怖い。

第2期第3弾パック「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で登場。

イラストを見れば分かるが、どことなくエキゾチックでハンサムなオジサマ。ターバンのように見える部分は実は地毛。
フレーバー・テキストには「見りゃわかるよ」と思うことしか書いてない。
なんと《フレイムキラー》より攻撃力が200も高くて、それでいてレアリティは一緒。
一応こちらは、当時の小学生内で流行していた「守備力2000で耐え続けるデッキ」に対する答えとして使えるのでまだ活躍の場はあったが、当時よく使われていた《ゴブリン突撃部隊》に殴り殺されてしまうのでとても主流とはいかなかった。

しかし「名前が覚えやすい、というか当時のモンスターの中だと非常に浮いている」「外見がなんかエキゾチック」「なんだこのオッサン!?」というところから小学生の間では妙な人気があった。
変なカードを集めたがるタイプの小学生や、通常モンスターを切り貼りして作るオリカの素材として微妙に需要があった。

ちなみに《フレイムキラー》もこのカードも最初に収録されてから一切再録されていない。持っている人は大切にしよう。


《ガジェット・ソルジャー/Gadget Soldier》

通常モンスター
星6/地属性/機械族/攻1800/守2000
戦うために造られた機械の戦士。
さびない金属でできている。

海馬瀬人が使用したモンスター。
第2期第5弾パック「Spell of Mask −仮面の呪縛−」が初出だが、女の子カードではない。

原作ではレベル4だったが、OCGでは攻守の合計の都合で上級モンスターになってしまった。
攻めにも守りにも中途半端であり、当時としても凡庸なステータス。
このせいで原作で初登場の「光の仮面&闇の仮面」戦での出番がアニメでは《ミノタウルス》に差し替えられた。

さりげなく「ガジェット」の一員であり、その元祖。
一応《起動兵士デッドリボルバー》の強化には使えるのだが、普通に3色ガジェットを使った方が遥かにお手軽なのは言うまでもない。

また、《古代の歯車機械》と《機械複製術》のコンボで2体リクルートでき、ランク6のエクシーズ召喚にも繋げられる。やはり手札事故が怖いけど。
フレーバーテキストによると「さびない金属」で出来ているらしいが、《酸の嵐》で破壊される。まあバニラだし仕方ないね。

ちなみに『ラッシュデュエル』にも進出している。通常召喚の回数に制限がないため、出しやすさだけならマシになっている。
ただ、あちらではOCGで言うところの「テーマ」が存在しないため、ただでさえ薄かった「ガジェット」の名を持つ意味が完全になくなっている。


本当に「微妙」なのか……?

だが、こうした微妙な通常モンスターに救いがないわけではない。

《地を這うドラゴン/Crawling Dragon》

通常モンスター
星5/地属性/ドラゴン族/攻1600/守1400
力が弱り、空を飛べなくなったドラゴン。
しかしまだ攻撃は強い。

《鎧武者斬鬼(ザンキ)

通常モンスター
星5/地属性/戦士族/攻1500/守1700
一騎打ちを好む。一瞬のスキをついて、居合い抜きで攻撃!

この2つは原作でバンデット・キースによりデッキを手入れされたゴースト骨塚が使用したカード。
いずれも下級モンスターである《アックス・レイダー》の前に散ったが……


「フフフフ……《リビングデッドの呼び声》によって、全てのモンスターがゾンビ化したゾ!」


《ドラゴン・ゾンビ/Dragon Zombie》

通常モンスター
星3/闇属性/ドラゴン族/攻1600/守0
魔力により蘇ったドラゴン。
はく息は触れるものを腐食させる。

《鎧武者ゾンビ/Armored Zombie》

通常モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1500/守 0
怨念により蘇った武者。
闇雲にふりまわすカタナに注意。

OCG的には圧倒的強化である

守備力が0になっただけでレベルが2つも下がっており、格段に扱いやすくなっている。元のカード?知らんな。
加えて「守備力0」という点についても、現在は《カメンレオン》で蘇生できる等のメリットと化している。現環境下でこいつらがデッキに入る余地があるかどうかは別として。
ちなみに《ドラゴン・ゾンビ》の方は、レベル3軸の【凡骨ローレベル】で採用されていたカード。当時はこれでも攻撃力が高い方だったのだ。《地を這うドラゴン》?こいつ原作にいたっけ?
きっとどんなモンスターも、手札でゾンビになれば救われるのではないだろうか。
希望論にしてはあまりにおぞましすぎるが。


微妙な(効果モンスター以外の)融合モンスター

初期は、攻900・守700の《フュージョニスト》を始めとして、能力値が低く効果も持たない融合モンスターが多かった。
だが、かつては《魔導サイエンティスト》・《突然変異》等で特殊召喚されたり、現在も《簡易融合》・《簡素融合》によってSXL召喚のサポートとして多くの初期融合モンスターが使われている。

きちんと融合召喚される機会はほとんど無いが、まともな働き口が見つかった分、上記の通常モンスターよりは救われているといえるだろう。
また、後発のものでは《テセウスの魔棲物》・《無の畢竟 オールヴェイン》といった「効果なしの融合チューナーモンスター」も登場しており、《簡易融合》・《簡素融合》で呼び出せるというアイデンティティの重要性はさらに増している。

とはいえ、《ヒューマイノイド・ドレイク》・《デビル・ボックス》・《カイザー・ドラゴン》のように、「レベル7以上かつ低ステータス」のモンスターも何体か存在している(《簡易融合》で特殊召喚できるのはレベル5以下、《簡素融合》は効果を持たないレベル6以下)。
中には《迷宮の魔戦車》の様に融合素材の片割れ禁止カードになって出す事が難しくなっているモンスターすら存在する。
彼らが救済される日は来るのだろうか。


現在

最近は通常モンスター自体の新登場が少なくなっている。
新規の通常モンスターは、ステータスが優秀であったり、特定カテゴリに属する(=コンボを前提とする)ものなど、概ね有用なカードばかりである*5
効果モンスターで「微妙」と評されるものも多いが、大半はなんとかして使い道を見つけられる。大半は

そういう意味では、上記のような誰得カードの登場は淘汰されたといっていいだろう。

しかし、当時を知る者にとっては古きよき時代を思い出させてくれるカードたちであることもまた事実である。
遊戯王OCGも20年以上の歴史を積み重ねている。
「ヴァリュアブルブック1」を開いて、過去を思い返してみるのも悪くはないだろう。

また、シンクロやエクシーズ等の召喚が増えてきたようにどのカードも素材としての価値を持ち得るようになった。
我こそはと思う者は自らの手で使ってみても良いかもしれない……

と思いきや、第12期になってこんなカードが登場した。


効果モンスター
星6/地属性/ドラゴン族/攻2600/守 0
このカードは通常モンスター1体をリリースした場合のみ召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手メインフェイズに、手札のこのカードを相手に見せて発動できる。
「原石」モンスター1体の召喚を行う。
(2):このカードがアドバンス召喚した場合に発動できる。
以下の効果をそれぞれ適用する。
●相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。
●種族か属性が、自分の墓地の通常モンスターのいずれかと同じとなる
相手フィールドのモンスターを全て除外する。

この(2)の効果がなかなかのミソであり、上手く使えば種族・属性が固定されている相手テーマを封殺することも可能である。

また原石のサポートカードは、バニラモンスターの特殊召喚や墓地送り以外にも、
  • 自分のバニラモンスターより攻撃力が低い相手モンスターを除外する《原石の鳴獰》
  • 自分のバニラモンスターより攻撃力が高い相手モンスターのコントロールを奪う《原石の号咆》
という攻撃力を参照したものもあるため、単純にステータスが高い事は利点になりえなくなった。
無論追撃にも使えるため、逆にステータスが高いほうがいいかもしれないがこの辺りは好みで決めていいだろう。

【原石】が登場した直後の2024年8月の時点で、早速《ドラゴン・エッガー》が炎族レベル7のドラゴン族ということで【メタル化】デッキとのシナジーが注目され、同じ理由で上記の《ヤマドラン》なんかも候補に上がった。

とにもかくにも「環境によって採用するバニラが変わる」「バニラであればなんでも呼べる」「ステータスはデュエリストの好み」「手札にダブついたバニラカードもコストに使える」という破格のサポートが来たことにより、このページに乗っているモンスターたちにも希望が生まれた。


原作の遊戯王では

原作の「マジック&ウィザーズ」の初期ではまだ生け贄召喚ルールが作られていなかったからか、強いとは言い難いモンスターカードでもレベルが5or6と設定されることが多かった。

例として
  • 《ガーゴイル》:レベル5・攻撃力1000・守備力500 
  • 《暗黒のドラゴン》:レベル6・攻撃力1500・守備力800
  • 《人喰い植物》:レベル5・攻撃力800・守備力600

初期の遊戯王を知らない今のデュエリストが見たら「なぁにこれぇ?」と驚いてしまうものである。
その為か、生け贄ルールが採用された「バトルシティ編」では「王国編」までに使っていたレベル5以上の下級モンスター*6は殆ど使われることはなくなった*7
アニメ版『DM』ではレベルがOCG準拠の為か、「王国編」から「バトルシティ編」になっても引き続きその下級モンスターが登場したこともあった。


サンド・ストーン「なんで俺らはレベルが5なんだろうな。せめて4なら……」
シーホース「まあそう腐らないでください。時代の流れには逆らえませんから(僕は公式でネタにされたけどね)」
キラー・マシーン「しかし、俺らみたいな踏み台がいなければ今日の発展はありえなかったろうぜ」
ボルト・エスカルゴ「今は大人しく押し入れの中で眠ってようや。いつかマスターにリクルートされる日までな」


サキュバス・ナイト「……」
ダーク・キメラ「がう」




この他にも日の当たらないカードたちはたくさんいます。
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最終更新:2026年07月15日 15:22

*1 このカードが登場前後では、『Vol.2』のウルトラレア、小学生のお小遣いでは安いとはいえない『EX』くらいしか《カース・オブ・ドラゴン》の入手手段がなかった。

*2 良くも悪くもモンスターに一切の影響を及ぼさない、『ノーマル地形』という呼び名もある普通の地形。

*3 TCGでは発売されていないカードであり、これは『遊戯王オンライン』での名称。

*4 OCGでは変化する値が「魔法使い族・悪魔族の攻守200増・天使族の攻守200減」と据え置きなのに対し、同作内では「魔法使い族・悪魔族の攻守30%増・天使族の攻守30%減」と変動型になっている。

*5 もっとも環境で通用するかは別問題である他、プロモカードでは実用性を度外視した物もある。

*6 例として、武藤遊戯の使っていた下級モンスターの当時の代表格である《グレムリン》や《砦を守る翼竜》等。

*7 例外として、孔雀舞の代表格であるモンスター《ハーピィ・レディ》はレベル5で普通に召喚する時は生け贄が必要だが、愛着があった為か引き続き「バトルシティ編」でも使われた。