怪獣8号

登録日:2021/03/04 Thu 02:00:00
更新日:2025/03/16 Sun 20:12:25
所要時間:約 7 分で読めます






この男、

正体は怪獣……!



『怪獣8号』とは、漫画アプリ「少年ジャンプ+」で連載*1されている漫画。
作者は松本直也。既刊12巻(2024年6月時点)。


【概要】



近年再び注目され始めた怪獣作品の一つであり、『シン・ゴジラ』や『パシフィック・リム』など災害を暗喩した作品の系譜に当たる。
迫力のある画風とジャンプの王道を行く熱い物語で瞬く間に「少年ジャンプ+」の看板作品の一つとなった。
本作はジャンプ史上最速で総合売上300万部を突破した作品でもあり、8巻では遂に「8」に因んで888万部をマーク、
9巻で遂に1000万部の大台に到達した。

怪獣が跋扈するのが当たり前の現代世界で、幼い頃に交わした約束と夢をかなえるため、主人公が異形となりながらも邁進する姿が描かれる。
ハードになりがちな設定でありながらひたすら前向きな主人公や周囲の人物のおかげもあり、暗さを感じさせず、ストレスなく読ませるものとなっている。
ジャンプ作品としては比較的少数である三十代の主人公という設定は、キャリアは長いがヒット作が出なかった作者の境遇とも重なって興味深い。*2

怪獣パニックものと変身ヒーローものを合わせた作風が特徴であり、この手の作品に親しむ層にとってはオマージュ元を探したり展開を予測するのは容易である。
よく言えば王道、悪く言えば諸々を極限までシンプルに簡略化したような内容で、「目新しい展開」や「斬新な設定」などは控えめな点に注意されたし。

また、怪獣の造形は人型や頭部だけが人間になったものも登場する。
ガメラゴジラで見られるような『野生動物をモチーフにした怪獣』ではなく、ウルトラ怪獣のようなキメラ型が多い。
主人公自身が人型怪獣であることや、防衛軍が肉弾戦で応戦している(わかりやすく言うと『ゴジラ FINAL WARS』や『スターシップトゥルーパーズ』に近い)ことからも、
従来の特撮モノとしては仮面ライダーULTRAMANが近いといえる。
怪獣同士のプロレスではなく異能バトルとして見れば、より楽しめるだろう。
若者に追い立てられながらも頑張る中年ヒーローとしてはTIGER&BUNNYを彷彿とさせるところがある。

2022年8月5日、アニメ化が発表された。制作はProduction I.Gで、2024年4月から放送。続編の制作も決定している。
シリーズ構成は大河内一楼が担当。
公式サイトでは、原作では特に呼称されない怪獣の正式名称や身長・体重も見ることが出来る。

本作はフランスで非常に人気が高く、仏語版1巻が発売された際には国立図書館とコラボまでしている。

タイトルロゴがバカでかいので「表紙が全部8巻に見える」と言われがちな作品でもあり、8巻の袖ではとうとう作者本人までネタにしていた。

【用語】



怪獣
その巨体をもって街を破壊し人間に危害を加える危険生物。
姿は様々で知能の有無は不明だが、人間を積極的に襲うため防衛隊の存在が欠かせない。
作中の日本国は世界的に見ても屈指の出現率を誇り、怪獣大国と呼ばれている。
いつから存在しているかは不明だが、遅くとも室町時代には怪獣対策専門の家系が存在するらしく、歴史はかなり古い。
作中における最大の人的被害は、1657年に起きたとされる「明暦の大怪獣」によるもので、江戸は半壊し関東一円が火の海になったとされる。
元ネタは実際に発生した『明暦の大火』。別の世界では町奴の大親分が忍者との大喧嘩で起こしていたが。

他作品の怪獣の先輩の様に通常兵器では傷一つ与えられないと言った様な頑強さは無いものの、代わりに怪物的な生命力や再生能力を有しており、
体内に必ず一つある「核」を壊さない限りどんなダメージを負っても元通り回復してしまう。

保科によれば現在の主流な学説では「プレートテクトニクスにより生じたエネルギーが発生源」らしく
動植物に外見が似ているのが多いのは、その細胞をもとに変成したからと思われる。
よって基本的には地底怪獣or深海怪獣とみなして差支えは無い。
まあ、中にはどこから出現したのかわからない翼竜怪獣みたいなのもいるが。

サイズによって「小型」「中型」「大型」「超大型」に分類され、さらに怪獣の有しているエネルギー量を表す数値にフォルティチュード(Ft)*3という独特の単位が用いられている。
小型のものでも数メートル、超大型に至っては100mを超える巨体を持ち、圧倒的な巨体と身体能力でもって都市を破壊、進攻する。
肉食の個体であれば明確に人を捕食している。(小説版のエリマキトカゲ型や、群発災害時に結婚式場を襲った怪獣等)こともあり、極めて危険である。
出現の際は緊急災害速報のように携帯アラームが鳴り、退治されるまでは電気を消して家にこもるかシェルターに逃げ込まなくてはならない。

◇識別怪獣/大怪獣
Ftが極端に高く、甚大な被害を及ぼす可能性があるとして国が認定した怪獣のこと。Ftが8を超えれば現場判断で即認定される。
主人公である怪獣8号は8番目に出現したということでそのまま名づけられており、現時点で15号まで確認されている。
「大怪獣」と俗称されており、これは体のサイズではなく危険度が「大」ということが由来。
故にただ図体が大きいだけでは「大型怪獣」「巨大怪獣」としか呼ばれない。
BLEACH』で例えると、大虚(メノス・グランデ)破面(アランカル)が大怪獣(識別怪獣)で、巨大虚(ヒュージ・ホロウ)が巨大怪獣である。

◇本獣と余獣
メインで発生したものを「本獣」、それに付属する形で発生したものを「余獣」と呼ぶ。
本獣と同ルートを通って現れるもの、本獣に寄生していたもの、本獣が作り出したものなど様々なタイプがある。

◇ユニ器官・増殖器官
一部の怪獣が持つ特殊な臓器。基本的には本獣のみが所有しているが、例外もある。
ユニ器官は怪獣の特性を発揮するためのもので、エネルギー弾の発射、凍結、爆裂、発電、衝撃波発生など多様な機能を持つ。
有用性の高いものは怪獣から採取後、防衛隊の武器などに使用されている。数十年前の採取物が現役で使用されているため、再生、培養技術もかなり発展しているらしい。
増殖器官はその名の通り、新たな怪獣を発生させるためのもの。厄介なことに怪獣が死亡しても機能を停止せず、死骸から新たな怪獣が発生することすらある。

討伐後は死体となるため、遺骸処理事業や遺骸を利用した工業も発達しており、実際に防衛隊のスーツもこれを利用して製造されている。



日本防衛隊
文字通り怪獣から人類を守るために活躍する組織
自衛隊とは全く別の組織で、討伐庁という組織に属する(おそらく)国家公務員。(一部基地は兼用)
街に出現した怪獣と戦う他、現地での人命救助も行っている。
特徴として、戦闘の際には航空機や車両を用いず身体能力を高める独自のスーツを装備しており、これはスーツ適性が高ければ高いほどその効果が上がる。
基本的には討伐専門の学校に通って志願するようである。なお英名は不明だがJAKDFと記載されている。
以前は募集条件が30歳未満だったが、33歳未満へと引き上げられた。

バトルスーツ
日本防衛隊にて隊員が着用する、装着者の身体能力を強化するスーツ。
装着者の筋力や移動を補助するほか、ある程度の防御力とシールド発生能力、生命維持装置としての機能も持っている。
常人の目にもとまらぬ速さで駆け抜け、巨大な近接武器を片手で軽々と振り回し、圧倒的な破壊力で怪獣を屠るさまはまさに超人。
怪獣への対処に軍隊及び大規模破壊兵器ではなく防衛隊が投入される一因となっている。

装着者の戦闘力の指標として「解放戦力」という数値が当てられている。
スーツの性能をどれだけ引き出せているかを表す数値で、訓練を積んだ一般隊員で20%前後、40%を超えれば小隊長クラスの戦闘力を持つ。
これは装着車の身体能力だけでなく何故か所持している武器の破壊力にも影響し、同じ武器でも小銃と戦車砲レベルの威力の差が描写されている。

肩の装甲には「討伐庁」「出雲テック」の文字が記されている。
素材に怪獣の筋繊維などが用いられているらしく、その性能も合わさり一般には普及していない。
ただし、数は少ないながらも個人所有のスーツも存在している模様。

怪獣清掃業者
作中冒頭にてカフカが務めている、撃破された怪獣の死体を処理する企業。
巨大な怪獣の残骸を片付け、街を清掃するのに欠かせない必須の仕事ではあるが、尋常でない身体構造を持つ怪獣の死骸に携わる業務の為、
強固な骨や血液・尿・便などの腐臭汚物、消化液などの危険物などと戦わなければならず重労働。防護服は着用しているが気休めにしかなっていない。
防衛隊と比べると日陰の職業ともいえる(その分給料は高いようだが)。
解体された死骸は部位ごとに選別され、筋繊維や骨格など有用な部分は他企業に売却するなどしている。

作中ではカフカの働く「怪獣専門清掃業者(株)モンスタースイーパー」の他、「イイダ解体」や「TSCleaning」など複数の業者が一つの場面で登場しており、
必要に応じて各地の清掃業者が流動的に作業を負担しているらしい。



【ストーリー】



その巨躯をもって怪獣が容赦なく人々の日常生活を破壊する“怪獣大国”・日本。
怪獣を退治する防衛隊は人々の称賛を集め、多くの若者の憧れの職業となっていた。

怪獣死体の清掃を生業とするベテラン清掃員日比野カフカも防衛隊に憧れた若者の1人だった。
幼い頃に住む町が破壊され、幼馴染の亜白ミナとともに防衛隊に「怪獣を全滅させよう」と約束していた。

エースとして活躍するミナとは対照的に、日の当たらない職場で何とか自分を納得させながら日々を送っていたカフカだが、
アルバイトの市川レノとの出会いにより再び夢を実現させることを誓う。

その矢先、謎の生物に浸食されて身体を怪獣に変えられてしまうカフカ。
「怪獣8号」と呼ばれ日本国中の防衛隊に追われる身になりながらも、夢を叶えるための一歩を踏み出すのであった。


【登場人物】

【メインキャラクター】



日比野(ひびの)カフカ
CV:福西勝也
この物語の主人公。

本編開始時における現在では、討伐隊が倒した怪獣の死体を処理する怪獣専門清掃会社『モンスタースイーパー』の社員として働いている。
幼少の頃に幼馴染のミナとした約束により日本防衛隊に入ることを夢見ていたものの、試験を突破できないまま年齢制限を迎えてしまったことで鬱屈した日々を送っていた。
後輩となった市川レノから33歳まで年齢制限が上がったことを告げられ、夢を叶え約束を守るため隊員を目指すことになるが……?
面倒見が良く人のピンチを見逃せない善良な性格で、同僚からの信頼も厚い。
特に人助けをしようとして我が身を顧みない行動をすることもしばしばで、その度にレノから注意を受けることも。
比較的珍しい30代の主人公であり、体つきは頑丈なものの、年齢の為かお腹が多少出てしまっている。
とはいえ創作の30代らしく精神的に成熟した様子を見せることはほぼ無く、むしろ青臭く目の前の課題に取り組んだり歳下の先輩後輩にツッコミを入れられたりやらかしをフォローされるなどの姿が目立つ。

名前の元ネタはフランツ・カフカと思われる。

怪獣8号()
カフカが変身させられた「人型怪獣」。
角が生えた髑髏のような顔つきと筋肉模型に背びれの生えたような黒い巨体が特徴であり、自身よりも遥かに巨大な怪獣を軽々と粉々にするパワーを持ち合わせている。
だが人間としての心は全く失われておらず、カフカの正義感と怪獣のパワーを併せ持っている
また、体の形状や機能を任意で変形・変質させる事も可能で、エルボーロケットよろしく肘に加速器を増設してパンチの破壊力を増大させるなど応用も効く。
ただし制御にはコツがいるらしく、初めて変身した際には制御できず大量の触腕やインナーマウスなど人外化著しいフォルムになってしまった事も。

入隊試験時に記録されたフォルティチュードは圧巻の9.8。歴史に残る大怪獣クラスだが、目視されていないことや現場の混乱から機材の故障と見なされている。
初変身時に一般人に目撃され、さらに初めての未討伐怪獣となったことにより「怪獣8号」のコードネームが付けられた。
怪獣の姿が基本のようであり、普段は人間に擬態していると言った方が正しく、気を抜くと地の姿が出てしまうようだ。

第2話でいきなり披露された「乳首からおしっこが出る」という設定が読者に呪いめいた強烈なインパクトを与えてしまい、
後のシリアスなシーンで「でもこいつ乳首からおしっこ出すんだよな…」と考えてしまう読者も少なくない。

プラモデルも発売され、テレビドラマ『量産型リコ』では第7話(8話じゃないんだ…)で登場した。

市川(いちかわ)レノ
CV:加藤渉
防衛隊に入隊することを夢見る青年。18歳。アルバイトとしてモンスタースイーパーに入りカフカの後輩となった。
当初は夢破れたカフカを軽視する態度を取っていたが、その人柄に触れすぐに打ち解けた。
一見すると冷めていて生意気な態度に見えるが、誰かの危機に命がけの行動をとるなどカフカと似たところもあり、良き相棒として豊富な知識でサポートをする。
一方でやや抜けたところのあるカフカにしばしばツッコミを入れることも。
本部解散後は伊春と共に長野県松本市の第五部隊に一時出向となり、凍結攻撃を有する怪獣6号の専用兵器適合者に選ばれる。
群発災害時には冷凍光線を発射するオールレンジ兵器を拝領し、一騎当千の活躍を見せた。

役割的には副主人公であるが、その献身っぷりから読者からしばしば「ヒロイン」に例えられているとかなんとか。
特撮ファンにもわかりやすく言うと仮面ライダークウガ一条さんポジ。


亜白(あしろ)ミナ
CV:瀬戸麻沙美
本作のヒロイン。27歳。カフカの幼馴染で現在は日本防衛隊の第三部隊の隊長を務めている。
27歳で黒髪赤目巨乳でしかも料理がド下手なジャンプ+のヒロイン…どこかで見たような…
隊員としては若いながら圧倒的な実力を持ち、クールかつ容姿端麗なことも相まって隊内外で人気を集めており彼女に憧れるものも多い。バトルスーツの解放戦力は96%。
基本的に怪獣を倒すことに関心を寄せているように見えるが、これは幼少期にカフカと「二人で怪獣を全滅させよう」と約束したことを忠実に守っているだけのようだ。
カフカに関することでは昔と変わらないところがうかがえ、時折約束のことを思い出したり彼の関わるところでは感情をにじませる描写が散見される。
銃器への適性は凄まじいが、刃物の方は「包丁すら握りたくない」ほど苦手としており、自分と真逆で刀のスペシャリストである保科を心から信頼している。


四ノ宮(しのみや)キコル
CV:ファイルーズあい
防衛隊長官・四ノ宮功の娘。もう1人のヒロイン。
金髪ツインテール釣り目という今時珍しいほどの正統派ツンデレヒロイン。
カリフォルニア討伐大学を16歳の異例の若さで飛び級・最年少首席卒業し、史上最高の逸材と謳われている。
体力にも優れ、プライベートスーツを持ち「怪獣を倒すこと」が趣味と言ってのけている。
家柄実力共に兼ね備えており高慢かつ高飛車な性格だが、父のために完璧であろうとしたり脱落者が出ぬよう手助けするなど真面目な面も持つ。
入隊試験で窮地に陥っていた所を救われた時にカフカが怪獣8号であることを知るが、同時に彼が人間としての心を失っていない事も知り、秘密を共有する仲となった。
銃器も使用するが近接戦の実力が非常に高く、小説版にて大剣を使用、怪獣10号戦以降は大斧を愛用している。


出雲(いずも)ハルイチ
CV:河本啓佑
討伐大学主席卒業の秀才。
爽やかかつ優雅な物腰の青年で、それを崩すこともない冷静さも持ち合わせている。
バトルスーツを始めとした対怪獣兵器製造の国内最大手「出雲テックス」の御曹司だが、それを鼻に掛けることは無い。
事業を継がず防衛隊員を目指すことについては『家の事情』と答えているが詳細は不明。
群発災害時に専用武器として毒矢を拝領。これは複数発当てれば巨大怪獣も麻痺させるほどの毒性を持っている。
ところでコイツ、そんな毒の雨を市街地の地面に向かって放っているのだが周辺環境は大丈夫なのだろうか?


古橋(ふるはし)伊春(いはる)
CV:新祐樹
八王子討伐高専主席卒業の実力者。
ギザ歯と三白眼が特徴で、活発で競争意識も強く年齢が近いレノと張り合うことも多い。
主席卒業ながらレノやキコルの強引な誤魔化しに騙されるなど根は単純。
群発災害時には専用武器として、怪獣の体内で電撃を発射して爆散するショットガンを拝領。
さらに特殊な脳の構造によって一瞬だけ解放戦力を爆発的に上げられる特異体質の持ち主であり、具体的にどういう理屈なのかは分からないがとにかくナンバーズを着たレノを超える戦闘力を瞬間的に発揮できる。

神楽木(かぐらぎ)(あおい)
CV:武内駿輔
陸自の若手ホープで、防衛隊への編入希望をした。
名前は女性的だが褐色かつがっしりとした肉体を持つ、軍人らしい体格の持ち主。
寡黙なように見えてハルイチと競ったりミナの話に夢中になって揃ってのぼせるなどお茶目な一面も見せる。
群発災害時には専用武器としてパイルバンカーを拝領。

保科(ほしな)宗四郎(そうしろう)
CV:河西健吾
日本防衛隊の第三部隊副隊長。ミナの副官として作戦の説明やサポートも行っており、試験の教官も務める。
室町時代から続く怪獣狩りの名門・保科家の跡取り息子。
関西弁で笑い上戸など、朗らかで軽い態度を取っており、眼鏡をかけた女性隊員(小此木)とノリツッコミしていることも。
隊員としての戦闘力も高く、刀による接近戦が得意。
バトルスーツの最大解放戦力は92%を記録しており、その本気の剣戟は怪獣状態のカフカでも「人間の動きじゃねえ」と評するほど。
一見、トリックスターめいた胡散臭い人物だが、根は熱いタイプ。
寡黙なミナの表情を読み取ったりカフカの潜在能力を見ぬくなど、観察眼にも優れている。
上官や父親から「これからの時代刀は向かない」と散々言われ続けたせいか、直接戦闘以外に貢献の道を見出すカフカを真摯に評価している。
なお糸目が特徴だが、やっぱり本気を出すと目を見開く。

人気投票は1位

怪獣10号との戦いでその実力を認められ、群発災害時には10号そのものを改造した専用武器を身に纏い戦う。

四ノ宮(しのみや)(いさお)
CV:玄田哲章
防衛隊長官を務める四ノ宮キコルの父。
鋭い眼光をもつ初老の男性で素晴らしい成績を収めたキコルに対しても『完璧』であることを求めるなど非常に厳格。
何気に第一話から名前が登場している。
専用武器は怪獣2号をベースとした衝撃波を放つダブルトンファー。高層ビルを一撃で破壊するほどの威力を有する。

鳴海(なるみ)(げん)
CV:内山昂輝
防衛部隊第一部隊隊長。
ワガママで見栄っ張り、そのくせ些細なことで大人げなくすぐムキになり、協調性も皆無で金遣いも荒く仕事でもサボりの常習犯というどうしようもないヤツ。
しかし実力だけは本当に凄く現在の日本国の防衛隊の中では最上位の力を持つ作中最強キャラ……という立ち位置のはずなのだが、
作中では上述の性格上の欠点を描写されたり他キャラに能力を比較されて負けたり敵の怪獣に辛勝したりと、最強キャラらしく他と隔絶した実力を見せるシーンはほぼ無く、微妙に情けない姿の方が目立つとんだ食わせ物。

専用武器は怪獣1号をベースとした、相手の生体電流を読むカメラアイと、焦熱波を放つ銃剣。


【怪獣】



怪獣9号
CV:吉野裕行
菌類のような頭部とむき出しの歯茎が特徴の、カフカ以外の『人型怪獣』。
人間サイズながら他の怪獣を知能・強さ共に上回る力を持ち、極めて学習力の高い怪獣。
指から衝撃波のような物を発射し、電磁波を攪乱することが出来る。
目的や正体は謎に包まれており、神出鬼没で他の怪獣の死骸を操るなど各地で暗躍している。
相模原討伐作戦時から防衛隊に存在を知られることになり、「怪獣9号」のコードネームが付けられた。

謎の幼獣()
CV:TARAKO
カフカの口内に侵入し、彼を怪獣に変貌させたすべての元凶。
怪獣であると言及されているが、余獣はおろか人間よりも小さく昆虫と魚を合わせたような奇怪な姿をしている。
カフカを見て「ミツケタ」とつぶやいていたため目的をもって合体したと推測されるが、わずか数ページの登場ともあってほぼ謎に包まれている。

怪獣10号
CV:三宅健太
フォルティチュード6.2以上の強さを持ち、単独行動を主とする翼竜系怪獣数十体を束ねて基地を襲撃した人型怪獣。
超が付くほどの戦闘狂であり、全身が8号以上の装甲で覆われ、拳やデコピンの風圧だけで建物を破壊するほどの超怪力を有する。
襲撃当初の推定フォルティチュードは8.3だったが、保科との交戦中に巨大化、フォルティチュードも9.0にまで上昇。
凄まじい戦闘力で保科を追い詰めたが駆け付けたミナの銃撃で戦局を返され、保科やキコルとの連携で核を撃ち抜かれ敗北。
しかし最後の命令で残った翼竜全てを集めて超巨大な爆弾に変え、基地諸共道連れにしようと目論む。
保科との戦いの中で「拮抗!」と言いまくったため、一部の読者からキッコーマンと呼ばれている。

敗れはしたものの、保科を戦力全解放解除まで追い詰め、ミナの銃撃も機動力を奪われるまでは核を避け続け結果的に全弾使わせるなど、
大怪獣がいかに強く厄介かを改めて見せつける形となった。

その後、首だけでもフォルティチュード5.7というあり得ない数値を出しつつ水槽の中に保管されており、
保科との「取引」に応じ、自らを保科の専用装備にするよう持ち掛ける。

怪獣11号、12号、13号、14号、15号
群発災害を引き起こすために怪獣9号が送り込んだ刺客怪獣。
いずれも「対防衛隊」を目的として製作された為、固有の特殊能力を有する。
まあどいつもこいつも対防衛隊を目的として作られた割には、やたら対策方法がピンポイント/対策になってるのかすら微妙だったりでそこそこ粘った12号を除きあっさり倒されてしまったのだが。

【余談】


  • コミックス発売時にニュースを模したCMが作られている。PVが多く作られており、怪獣8号の頭部を立体化するなど様々な動画があるので興味があれば一度見て見てほしい。

  • SPY×FAMILY』とコラボしたジャンプ+のCMは、作品の知名度もあって2回も放送されている。
アーニャ「ふぉるててーどひゃく!」
ベッキー「言えてないよアーニャちゃん…」

  • 本作の背景を担当している小岩井おっさ氏が、許可を取ってYouTubeで作画メイキングを公開している。漫画家志望は必見。
    なお小岩井氏のアイコンであるコアラが、作中の背景にちょくちょく描かれている。探してみよう。




追記・修正をするひとは、防衛隊に入隊してからお願いします。

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最終更新:2025年03月16日 20:12

*1 当初は毎週更新だったが2022年からは隔週更新に切り替わり、アニメ化した2024年辺りからは更新が月1だけになることも多くなっている。

*2 『ねこわっぱ』や『ポチクロ』といった連載もあり、決して評価が低かったわけではない。

*3 なお、フォルティチュードの意味が判明したのはアニメの公式サイト。原作では何を表す数値なのか一切解説されておらず頻発して出てくる割に何の意味かわからないという不可解な状況になっている。