覇道(神座万象シリーズ)

登録日:2021/5/26 (水) 8:30:00
更新日:2024/10/19 Sat 16:45:46
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覇道


覇道(はどう)』とは神座万象シリーズで扱われる重要用語の一つである。
常軌を逸した祈りで世界法則を捻じ曲げ、自分だけの新しいルールを創造させる、求道と対を為す『渇望』
「世界はこうあってほしい」という自らの外側に向いた渇望である。

性格的には他者を染め上げる王の気質。渇望を満たすために自分ではなく環境を変えようとする影響の大きさが特徴。独立独歩の求道に比べ、「我に従え」という征服者の傲慢が多分に含まれている。
他作品でいうと「試練を与えることで、人類に愛と勇気の輝かしさを見せてもらいたい」光の魔王などが覇道タイプかもしれない。
覇道の渇望を高めることで自分の周囲を異界化させ、引きずり込むことができるようになる。



◆覇道神


覇道の渇望が神域に到達した者たちの名称。
世界を海にたとえれば、覇道神は大海を染め上げる墨、求道神は大海にあっても溶けることなく輝き続ける宝石とされる。
神座への挑戦権を有し、自らの法則を流れ出させ、宇宙の新たな支配者となれるのは覇道神のみ。

ただし世界を自己と同一とする性質上、自分の体内ともいえる世界に入って行動するには分身である「触覚」を創り出さなければならない。
例えば『Dies Irae』の作中で行動するメルクリウスは、そのほとんどが本体ではなく触覚としての登場である。

全宇宙を己の色で塗り潰す都合上、覇道神は他の覇道神と共存することができない。そして旧神を打倒し長く座を支配したとして、自身から生じた自壊衝動によっていつの日か滅ぼされることが決まっている。
以上から彼らはルールを定める支配者であるが、より上位のルールに縛られた不自由な存在でもある。

覇道神は他者の魂を取り込んで己の力と為すことができるため、覇道神の強さは本人の力+保有している魂(総軍・支配領域)の量と質によって決まる。
覇道神同士の戦いは魂の奪い合いなので、開幕時の魂の保有量に差があっても逆転は充分可能である。総軍は確かに重要だが、結局一番モノをいうのは本人の格なのだ。
逆に、いくら強くても自身の渇望の強さだけで完結し、他者の力を取り込めない求道神では覇道神に勝利することはできないとされる。
まあ何事にも例外は付き物なので、己の渇望のみで座の覇道神を凌駕する単独の神格といった規格外も存在する。

  • 総軍
覇道神が保有する魂のこと。
座を支配する当代の覇道神は宇宙の魂全てをその身と同一としているため、魂を力を行使する際の燃料として利用できる。
スケールこそ違うが理屈はエイヴィヒカイトと同じである。
この関係から外れているのは新たに発生した覇道神及びその眷属、求道神、そして解脱者のみ。
例えば第四神座の聖槍十三騎士団黄金の、第六神座の夜都賀波岐天魔・夜刀の総軍である。

  • 触覚
覇道神の分身となる存在。本人とほぼ同一の分身と、神の意志の代行者の2つのタイプに分かれる。

時代 覇道神 触覚
第一神座 真我 神剣アフラマズダ、魔王ナダレ
第四神座 メルクリウス 分身体
第五神座 マリィ 分身体
第六神座 畸形嚢腫 坂上覇吐
第六神座 第六天波旬 摩多羅夜行
第七神座 曙光 ヒルメ



◆歴代の神座における覇道



○第一神座 善悪二元真我(アフラ・マズダ)

黒白のアヴェスター』の舞台になった世界。
当代の覇道神である真我の他、スィリオス、クワルナフカイホスルーが該当する。
彼ら3人は同時に覇道神の階に足をかけており、己の法則を流れ出させる域には届いていないものの、現行の法則である真我(アヴェスター)の洗脳から脱している。
ただし、3人とも諸事情(真我の干渉や自身の根源への無自覚等)で不完全な覇道となっており、歴代で初となる神座の代替わりは彼らではなく覇道の資質を持たない男によって果たされることとなった。

人名 位階 固有能力
真我 流出 二元の覇道(仮称)
スィリオス 流出 無価値の覇道(仮称)
流出 昇華無神楽土
クワルナフ 流出 満たし万象を救い給え、我が不変なる美よ
カイホスルー 流出 欲望の覇道(仮称)
マグサリオン 流出 外装の覇道(仮称)


○第二神座 堕天無慙楽土(パラダイスロスト)

『PARADISE LOST』の舞台になった世界。
覇道神である無慙の他、ネロス・サタナイル、モルタリア・サマエルが該当する。

人名 位階 固有能力
無慙 流出 外装の覇道(仮称)
サタナイル 流出 傲慢の覇道(仮称)
モルタリア 不明 不明


○第三神座 明星悲想天(ツォアル)

明星の治世下に覇道神は現れなかったが、いくつかの要因から外宇宙の神格を発生させるに至った。


○第四神座 永劫水銀回帰(オメガ・エイヴィヒカイト)

Dies Irae』の舞台になった世界。
エイヴィヒカイト創造/流出位階におけるタイプの1つ。
「~であればいいのに」といった外側に向ける渇望から生まれる異界創造能力。多数を相手にした戦争向きの能力。
自分の常識を無理矢理押し付ける都合上、他者からの反発をモロに受けるために維持時間も短くなり、また同格を複数巻き込むと効果が分散しやすいのが欠点。


この内覇道神の有資格者は蓮、ラインハルト、マリィであり、一つの時代に主神を含む四人の覇道神が誕生する異常事態となった。

人名 位階 固有能力
メルクリウス 流出 生と死の刹那に未知の結末を見る
藤井蓮 創造 死想清浄・諧謔
創造 涅槃寂静・終曲
流出 新世界へ語れ超越の物語
遊佐司狼 創造 不明
氷室玲愛 流出 壷中聖櫃・不死創造する生贄祭壇
ベイ 創造 死森の薔薇騎士
ルサルカ 創造 拷問城の食人影
櫻井武蔵 創造 此久佐須良比失比氏罪登云布罪波在良自
櫻井鈴 創造 乃神夜良比爾夜良比賜也
エレオノーレ 創造 焦熱世界・激痛の剣
クラウディア 創造 Date et dabitur vobis
イザーク 流出 壷中聖櫃・不死創造する生贄祭壇
ラインハルト 創造 至高天・黄金冠す第五宇宙
流出 混沌より溢れよ怒りの日
マリィ 流出 すべての想いに巡り来る祝福を


○第五神座 黄昏輪廻転生(アニマ・エンテレケイア)

主神の黄昏の元で刹那水銀黄金が守護を担う。
治世の末期に第六天波旬が求道型覇道神として座に襲来する。


○第六神座 波旬大欲界天狗道(マハーマーラ)

神咒神威神楽』の舞台になった世界。
太極の形の一つ。
自己愛に汚染されたこの世界では覇道の渇望が生まれないため、覇道神である波旬、前時代の生き残りの夜刀紅葉、奴奈比売、常世、宿儺龍明を除けば、久雅竜胆のみが該当する。

人名 位階 固有能力
波旬 太極 大欲界天狗道
夜刀 太極 無間大紅蓮地獄
紅葉 太極 無間等活地獄
奴奈比売 太極 無間黒縄地獄
常世 太極 無間衆合地獄
宿儺 太極 無間身洋受苦処地獄
龍明 太極 修羅曼荼羅・大焼炙
竜胆 太極 天照坐皇大御神


◆番外


○第零神座 事象地平戦線アーディティヤ

善悪二元真我(アフラ・マズダ)』が発生する前の世界。
この時代にはまだ覇道・求道は存在しないが、相当する概念として「アヴァターラ」という特殊能力がある。
その内、「類感系アヴァターラ」は力の影響を他人に分け与えられ、「空間系アヴァターラ」は空間そのものに影響を与えると覇道に似通った性質を持つ。
ただしこの2つのタイプは希少であり、空間系に至っては本編開始時点で噂レベルでも2名しか確認されていない。
主要人物となる6人の中で、アリヤだけが覇道適正を持っていない。







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最終更新:2024年10月19日 16:45