乙和瓢湖

登録日:2021/06/10 Thu 00:23:20
更新日:2024/12/22 Sun 17:58:35
所要時間:約 4 分で読めます






“人間暗器”乙和瓢湖は相手の心理の裏に暗器を隠す!!


乙和(おとわ) 瓢湖(ひょうこ)とは漫画るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物。

目次

【プロフィール】

:上原健太
演:栁俊太郎
身長:183cm
体重:68kg
生年月日:天保14年*111月
年齢:34歳*2
星座:蠍座
出身:京都府
血液型:AB型
特技:手品

【概要】

雪代縁によって招集された集団六人の同志の一人であり、「人間暗器」の異名を持つ男。
細身で長身かつ、化粧をしているなど女性的な外見が特徴の暗器使い。
その外見から左之助からは「オカマモドキ」呼ばわりされた。
モデルは『サムライスピリッツ』の風間蒼月…と、思われがちだがそうではない*3

【人物】

弱い者イジメが趣味の快楽殺人者
闇乃武の中条*4とは「一夜に何人殺せるかを競い合った程の親友同士」であり、彼の仇討ちのため「人誅」に参加した。
しかし、親友の仇討ちは口実であり、真の目的はお手製の暗器の使用実験とただ殺戮を愉しみたいだけ。
更に剣心の強さを実感するや否や「たかが享楽のための戦いで痛い目に遭うなど御免だ」と戦闘中にもかかわらず逃走も視野に入れるなど根は小心者。
実際の所は闘いそのものではなく、自分よりも弱い人間を嬲り殺しにするのが好きなだけ。
自分よりも強い相手との闘いや、まして命懸けの死闘などは最初からやる気はない。

なお、同志の一人である戌亥番神とは性格が正反対ながらウマが合うようで小馬鹿にしつつもよく行動を共にしていた。
本人の前では馬鹿にするにしても「君は腕が立つが少々頭が悪い」と番神の自尊心を傷つけないように言葉を選んでたりする。

その他、普段は落ち着いた理知的な口調で話すが、不機嫌になるとべらんめえ口調で喋る。

【戦闘能力】

全身に13(+1)もの暗器を装備しており、戦闘ではこれらの暗器を用いる。…もっとも実際の作中では4つしか披露されなかったが。
本来暗器は奇襲用の武器であり、出来るだけ目立たないように身に着けるのが定石だが、乙和は「相手の心理の裏に暗器を隠す」と豪語するように、どれもが巧みに相手の心理の虚を突くよう「如何に」偽るかに重点を置いており、しかも様々な形で展開してくるためよほどの洞察力の持ち主でない限り初見での対策は困難を極める。
また、本人の好みもあってか掌に書いた梵字と掛け声だけで攻撃を繰り出す挙動で混乱させたり、ド派手な襟飾りに見える6本の刃「六道蠱」や磁力を用いての太刀筋の自動追尾「毘沙門剣と毘沙門粉」など、奇抜な暗器が目立つ。
その反面戦闘はこれらの暗器に頼りきったものであり、身体能力に秀でた描写はあまり無く武術に関しては素人同然であるなど、正面から戦った時の単純な戦闘力は6人中最弱と言える。

◆暗器

  • 梅花袖箭(ばいかちゅうぜん)
手首に装着し、6連装の鉄筒から強力なバネで鉄矢を打ち出す暗器。
「袖箭」という原型らしき暗器も存在し、闇の武の中条に譲っていた。こちらは1発限りの鉄矢を打ち出す。
使用の際は左手に描いた梵字と(オン)!」という奇声で一瞬の虚と相手の油断を作り出し、発射装置に絹糸を繋いで死角側の右手で発射する事で攻撃の出を悟らせない。作中では浦村署長の拳銃に鉄矢を打ち込み暴発させた事で、署長はあたかも妖術のような得体の知れない力と錯覚してしまった。
しかし剣心には実際に喰らった浦村署長の警告や過去に原型とも言える袖箭を使った中条と交戦した経緯があるためか、初見で見破られた。
実写映画版でもこれを装備しており、こちらは連射可能な代物となっている。

  • 六道蠱(りくどうこ)
普段彼が襟飾りとしてこれ見よがしに身に着けている六本の刃。
他の暗器と違って露骨に見せつけている為暗器になってなくね?と思わせるが逆にそれで油断させる事が目的であり、他の暗器を掻い潜って迫ってきた者をこれで滅多刺しにして仕留める切り札的な暗器。

  • 過水毒煙(かすいぶすえん)
雪代縁が上海から調達した暗器。
極めて小型な正方形の固形で、水に投げ入れると加水分解を起こしての煙幕を起こす。
とはいえ毒性は弱く精々4~5分しびれさせる程度のあくまで逃走用の暗器。
ただし本編では直後に鯨波のアームストロング砲で砲撃というハメ技まがいな事をしてきている。
剣心は殆ど吸わなかった為僅かに手先がしびれる程度で済み、危うく鯨波の攻撃に巻き込まれかけた浦村署長を救出する事ができた。

  • 毘沙門剣(びしゃもんけん)毘沙門粉(びしゃもんぷん)
緑が上海から調達した二対一体の暗器。
曰く「どんなド素人の技でも達人のそれに昇華させる魔剣」。毘沙門剣は鞘の内側に磁石を貼り付ける事で磁力を帯びさせた、毘沙門粉は砂鉄。
毘沙門粉を相手につける事で毘沙門剣に高速自動追尾の性能が追加され、剣術に関しては踏み込みが出鱈目で素人の彼でも弥彦を翻弄する程の剣速と命中率を叩き出す事が出来るようになる。
太刀筋が変わるほど強力な磁力なら、剣振る前から砂鉄の方からにくっつきだすだろ、という野暮すぎるツッコミは無しで

  • 針、毒、酸
本編未登場。弥彦と対峙していたときに使おうとしていた暗器

【作中の活躍】

「人誅編」にて雪代縁の召集した、人斬り抜刀斎への復讐を誓う『六人の同志』の1人として登場。
幕末の頃に友人の中条を抜刀斎に討たれており、それを口実に「人誅」に参加したものの、実際は自らの創り出した暗器により人を殺傷する名目が欲しかったから。

戌亥番神と組んで人誅に加わり、浦村署長宅を襲撃した。

神谷道場を襲撃した際には明神弥彦と闘い数々の暗器を駆使して優位に立つが、後ろで睨みを利かせる剣心の視線の重圧に勝負を焦り、性急に止めを刺そうとして弥彦の奥義・刃渡りを喉に受け敗北。
しかし自分の半分にも満たない年齢の子供に負けたことは受け入れられず、気絶するその時ですらも嗤っていた。

以降の消息は不明だが、他の同志と共に警官隊に捕縛された模様。

【派生作品】

◆再筆

再筆版では洋装のマジシャンという外見になっており、暗器もシルクハットなどマジシャンらしいものとなっている。
シルクハットは中が三層に分かれており、毒蛇・雀蜂・猿を隠し入れているという設定らしい。猿は暗殺に役立つよう調教されてあるのだという。帽子の中に猿なんか入れて重く無いのだろうか?
その他、六道蠱と同じ用途の暗器も髪飾りと見せかけて装着しているのだとか。

実写映画版

実写映画の『最終章 The Final』では戦いに愉悦を見出だす狂気的な一面が強調された人物になっている。
それに伴って女性的な外見ではなく、白粉(おしろい)を顔に塗って髪をざんばらにした、見るからにまともな精神の持ち主でないと一発で分かる風貌に変更された。
その他、大鎌のように湾曲した形の二本のをメインの武器として使用し、遠距離の攻撃には梅花袖箭を使っていた。
剣心の実力を認識すると逃げ腰になっていた原作と違い、最後まで積極的に剣心に挑み続け、梅花袖箭の連射およびそれによって生じた隙を突く戦法で剣心を手こずらせる。剣心にほとんどダメージを与えることは出来なかったものの間違いなく善戦したと言えるレベルである。
敗北して倒れ伏すと息も絶え絶えになりつつ笑みは絶やさず、苦悩する剣心への挑発を口にしながら、隠し持っていたダイナマイトに着火して自爆。剣心を吹っ飛ばした。
原作とは幾らか異なるキャラに仕上がってはいたのだが、映画最終章における一人目の敵としては非常に印象的な存在だったと言えよう。
なお、こちらでも彼は暗殺者仲間だった親友の仇討ちを口にしてはいるものの、これが原作同様に単なる戦いのための口実でしか無かったのか一応その親友の代わりにリベンジしてやろうという想いがあったのかは不明。

【余談】

作者の後発作品である『武装錬金』で「陣内」というキャラがリボーンしている。

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最終更新:2024年12月22日 17:58

*1 西暦1844年

*2 人誅編の時点で

*3 連載当時からかなりの数の指摘の手紙が来ていたらしいがコミックスのおまけコーナーで作者が明確に否定している。

*4 幕末、結界の森で最初に剣心を襲っていた痩身のオカッパ頭の刺客