戌亥番神

登録日:2021/06/09 Wed 04:00:52
更新日:2025/07/03 Thu 14:25:11
所要時間:約 4 分で読めます





この“無敵手甲”の戌亥番神!!
生まれてこの方敗北を知らねぇ!!

戌亥(いぬい)番神(ばんじん)とは漫画るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物。

目次


プロフィール

:伊丸岡篤
演:須藤元気
身長:178cm
体重:75kg
生年月日:嘉永6年*14月
年齢:25歳*2
血液型:B型
流派:術式無敵流

【概要】

雪代縁によって招集された集団六人の同志の一人であり、「無敵鉄甲」異名を持つ男。
古流格闘術「術式無敵流」を継承する武術家で、人斬り抜刀斎時代に剣心が殺害した辰巳の弟子
迷彩模様をあしらったアーミールック風味の道着*3を着用しており、ドレッドヘアーとバンダナが特徴。
モデルは『サムライスピリッツ』の風間火月。

【人物】

性格は典型的な戦闘好きの単細胞。
大声で「ハッハー!」と叫ぶなど、テンションの高いバカであり、劇中の敵味方含めた多くの人物から「頭悪そう」と言われている。
高荷恵曰く「左之助の同類」。実際その通りではある
師匠は闇乃武の首領であった辰巳だが、剣心を狙う理由は敵討ちのためではなく「師匠が負けたからといって弟子の自分まで弱く見られるのは我慢ならない」という身勝手なもの。
さらに辰巳に対する尊敬の感情も全く無く、「負けた奴に敬意などいらない」と吐き捨てる、はじめて左之助に挑む際に倒した前川宮内や警官たちを踏み台にして突っ込むなど、ある意味弱肉強食を地で行く人物。
こういう点は相楽総三や安慈への敬意を忘れない左之助と完全に真逆と言える。

また、『無敵鉄甲』の二つ名を自称しているが彼にとって大事なのは「無敵」の部分であり、「鉄甲」はあまり思い入れが無い。
左之助との初対戦で無理を押して*4の二重の極みで鉄甲を破壊されても(反動で再び右手が大怪我を負った事に対して嘲笑いこそしたが)怒りはせず、激高したのは無敵のプライドを傷つけられた発言に対してだった。
さらに縁から新・無敵鉄甲を貰うやその上に重ねて装着、斬馬刀と相打ちになるもそれまで愛用していた鉄甲を完全に破壊されたことはノーコメント、それどころか初めから一杯食わせるつもりの口ぶりからするに端から捨て駒扱いである。

この辺りも斬馬刀に強い思い入れを持つ左之助と対照的である*5
自分の強さに絶対の自信を持っており「生まれてこの方敗北を知らない」と豪語するが、実際の所は自分より強い相手と命がけで戦った経験が殆ど無いらしく、左之助からはそれを看破された上で「手甲つけて無敵を気取る井の中の蛙(要約)」と言い捨てられた。

【戦闘能力】

古流格闘術「術式無敵流」の使い手。
鍛錬によって身体能力にも長け、単純な腕力だけでなく時には左之助を翻弄するほどの軽い身のこなしを見せた。
これに無敵鉄甲による防御を加えることで辰巳のものともやや異なる独自の戦闘スタイルを確立している。

◆無敵鉄甲

両腕に装着している丸みを帯びた特製のガントレット。
表面に独特の傾斜を付けることで太刀筋を滑らせ、分厚い装甲によって銃弾すらも弾いてしまう。
無論敵の攻撃をちゃんと受け流せる反応速度が無ければ使い物にはならないが、番神自身の鍛錬によって敵のあらゆる攻撃を捌き切る強力な装備となっている。
名前は無敵流に因んでいるが、元々は縁の武器マフィアから提供された物。
更に神谷道場襲撃時には、より丸みを帯び洗練された流線型の「新・無敵鉄甲」を提供されており、これを無敵鉄甲の下に重ねて装備している。

◆術式無敵流

番神が習得した武術流派。全体的にノリがプロレス技チックなのが特徴。
実は江戸幕府直属のスパイ組織『闇之武』が源流となっている殺人術の一種。

◆技

  • 轟斧爆(ごうふばく)
助走をつけながら力を込め硬化させた上腕二等筋を振るい首目掛けて放つラリアット
追憶編で辰巳が剣心に放ったときは「剛斧爆」と表記されていた。
技名はハルク・ホーガンアックス()ボンバー()が由来か。時代考証?知らん。

  • 雷神車(らいじんぐるま)
上空から回転しながら落下し、ハンマー・ブローの要領で両腕のを叩き付ける技。
無敵鉄甲で身を硬くしていたとはいえ神谷道場の門を破壊するほどの威力を持つ。
しかし特に意味も無く門を破壊しただけだったため技名や行動について「意味不明」「頭悪そう」と云われた。

  • 阿修羅砕(あしゅらさい)
相手の身体をかけ上がるようにバック宙返りを行い、半回転したところで相手の首を掴んでブレーキ。勢いを殺すと同時に頸動脈を締め、背後への着地を利用して頸椎を極め、そのまま首を支点にして強引に前方に投げ飛ばす。
「締め」「極め」「投げ」の三種類のダメージを相手の首元へ与える強力な大技。
その特性上左之助の打たれ強さも効果が薄く、一発では倒れなかったとはいえ呼吸をおかしくさせるほどの大ダメージを与えた左之助特効みたいな技。
本人の言う通り、もう一発叩き込めば左之助を倒せた可能性は高いが、二重の極みとの再戦に拘ったためにその機は失われてしまった。

【作中の活躍】

「人誅編」にて雪代縁の召集した、抜刀斎への復讐を誓う『六人の同志』の1人として登場。
前川道場を襲撃し、駆けつけた警官隊を単身返り討ちにして悦に浸るっていたところ、前川道場に駆けつけた左之助と交戦。
当初、左之助は、「復讐」という動機なら、最後は剣心がケリをつけるべきと考えていたが、戌亥が「人誅」に参加した理由は、師匠の敵討ちを名目に戦闘を愉しみたいという理由でしかなく、上述のように「負けた奴に敬意などいらない」と吐き捨てた事からそれなら剣心に任せる必要がないとして戦闘を再開。
左之助が放った二重の極みで鉄甲を中破されるも、外印が割って入ってきた事で戦闘を中断し撤退した。

神谷道場での決戦では、右手が負傷中につき二重の極みが使用不能となっている左之助と交戦。
ほぼ互角の闘いを演じるも阿修羅砕をヒットさせたことで、左之助を立っているのもやっとの状態にまで追い込む。
しかし最後は左之助の提案で彼の最後の一撃を真っ向から受け止めることになり、彼が治療中の右手と引き換えに放った渾身の二重の極みで両手の鉄甲を両腕ごと破壊されてしまう。
両腕を負傷し攻撃も防御もままならなくなったところに、トドメに頭部へ頭突きを叩き込まれ、生涯初めての敗北を喫する。

敗北した後は左之助に雪辱を誓うも、左之助からの「鉄甲で打たれ弱さを克服した気になるな」という忠告を受けて、悔しそうな呻き声を漏らしていた。
その後は他の同志と共に警官隊に捕縛された模様。

【派生作品】

◆再筆

再筆版では無敵鉄甲が液体金属となっており、これを全身に塗る事であらゆる攻撃を防ぐと言う変身タイプに近いキャラクターにされた。
ただし30分もすると液体金属が固まってしまい、さらに1時間経つと金属中毒で死んでしまうという時間制限が付いており、中和剤が手放せない。

実写映画版

実写映画版では1作目から登場し、武田観柳の私兵として登場。
外見及び言動が大きく変わって寡黙でストイックな人物となっており、キリスト教徒の菜食主義者と設定が大きく異なっている。無敵鉄甲も使わない。
どちらかと言うと、御庭番衆の式尉に近いキャラとなっている。
外印と異なり、人誅編を描いた4作目では出す必要があったのか、
そちらでは原作漫画の番神に近い設定である映画オリジナルキャラクター乾天門(いぬい てんもん)(演:丞威)」が登場している。こちらは鉄甲を両腕だけでなく両脚にも装着している。
天門は劇中では、原作の番神と同じように前川道場を襲撃して暴れ回るものの左之助が道場に駆け付けた頃には既に立ち去っており、その後は縁のアジトで斎藤と戦うことに。そのため左之助と最強バカ決定戦交戦することはなかった。
なお、道場内では散々暴威を振るった挙げ句にあぐらをかいて酒を楽しみ、酒瓶を前川師範の頭に叩き付けるなど原作で番神が行った以上の暴虐ぶりを見せていた。
彼が人誅に参加した理由は語られていない。

キネマ版

実写映画公開と同時期に執筆された『るろうに剣心-キネマ版-』でも外印と共に登場。見た目や性格は原作とほぼ変わらないが、無敵鉄甲は再筆版の設定が使われ液体金属となっており、こちらは一度塗ると即座に固まる設定となっている。
おかげで切り札扱いとして「第二幕の始まりだ!」と全身塗りを披露するも、身動きが取れなくなってしまい、結果自滅するというバカなオチがついた。
また、最後は強引に破られたものの二重の極みに対しては有効だった液体金属版無敵装甲だが、「即座に固まる」特性から握り拳で固めて殴る事しかできなくなるため、
原作での左之助への有効打だった阿修羅砕が使えないので実は左之助に対しては非常に相性が悪い*6

ちなみに原作での師匠に当たる辰巳もキネマ版開始時点では生きているが、この世界線では師弟ではない模様。原作の彼の性格上、師弟でも辰巳が死んだ事にあまり反応示さないのは間違っちゃいないとも言えるけど

【余談】

後に同作者の『武装錬金』で「金城」というキャラがリボーンし、こちらはやたら「ヒャッホウ!!」と言う。


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最終更新:2025年07月03日 14:25

*1 西暦1853年

*2 本編の時点で

*3 形は辰巳の戦装束と酷似しており、無敵流の独自の戦闘服であると思われる。

*4 志々雄編で負った右手の重傷がまだまだ治っていない状態だった

*5 余談だが左之助もかつては得物の名前がついた二つ名を持っていた

*6 本人も途中で決め手がない事に焦り始めている。