虚憶(スパロボ)

登録日:2021/12/05 (日) 09:47:00
更新日:2024/03/21 Thu 21:24:01
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リュウセイ・ダテ……我はお前を知って……いや、“覚えて”いるぞ。

マサキ・アンドー……そして、サイバスター。その存在も“覚えて”いる。

我とお前の前世は交わっていた……いや、お前だけではなく、他の者とも。


虚憶とは『スーパーロボット大戦シリーズ』における設定の一つ。



概要


第2次スーパーロボット大戦OG』難ルート最終話「古の忌憶」にて、アルテウル・シュタインベック改めユーゼス・ゴッツォに対してシュウ・シラカワは疑問を投げかけた。
何故、クロスゲートガンエデンの詳細を知っていたのか。
ユーゼスは答えた。ゼ・バルマリィ帝国にそれらに関する伝承や文献があり、そして自身に虚憶の欠片があったからだと。

虚憶とは、一大劫(いちだいごう)を経て再有生(さいゆうしょう)し、受け継がれる記憶…言わば前世の記憶である。
記憶を辿っても明確な答えは出ず、おぼろげに存在している知識。きっかけがなければ自覚しないまま一生を終える。

一大劫とは仏教の用語であり、世界が誕生してから消滅するまでの過程を
  • 成劫(じょうこう)
  • 住劫(じゅうこう)
  • 壊劫(えこう)
  • 空劫(くうこう)
の四段階、すなわち四劫に分かれていると考えられており、それら全ての時間を合わせて一大劫と呼ばれる。
再有生とは一大劫を経て同じような姿、気性、能力を保つこと。
例えばマサキ・アンドーシュウ・シラカワ。この二人も再有生を遂げ、並行世界も一大劫も超えて互いに強固な因縁で結ばれている。

鋼龍戦隊の中にも虚憶を持つ者がいる。見聞きなきはずのクロスゲートやガンエデン、その名や姿に覚えのある者が。
実際、南極でのルイーナとの決戦において、ファブラ・フォレースの真の姿であるクロスゲートについて、一部のメンバーは初めて見るはずなのに見覚えがある発言をしていたし、
ペルフェクティオとの戦いで窮地に陥った鋼龍戦隊をイルイが救った際、クスハは「以前にもこんなことがあったような」と感じていた。

虚憶の有無、内容については個体差がある。その要因となるものは縁…一大劫前からの因縁である。
別の形で生まれ変わる者もいれば、一大劫を経て再有生する者もいる。虚憶の持ち主のほとんどが後者となる。

四劫は宇宙の真理。それを知らずとも破界と再世は繰り返される。
再有生を遂げなくても、虚憶がなくても、それらに気づかずとも、人は生まれ死んでいく。
ただ、仮に再有生の実感があるとすれば今の姿のままではいられない、ともユーゼスは言う。マサキとサイバスターの場合はつまり

再有生を可能とする条件は「運命、宿命」であり、それを定めたのは「神だとでも認識される存在」らしい。
再有生を自らの意思で行うことは出来ないが、希にそれを知り、四劫の超越を試みる…というよりそうせざるを得ない者達がいる。それがユーゼスであり、イングラムもそうらしい。

長々と書いたが一言で言ってしまえば、要するに『他シリーズのスパロボの記憶』である。
ヒーロー戦記に登場したアムロとかがギリアムに対して「何か会ったことあるような…」みたいなことを口走るのは大体この虚憶だと思って良い。
ただし、逆にその世界からやって来た本人という例もあるのでややこしくなっている。

一応の分類としては
①本当に虚憶として設定されてるか
②スタッフのただのお遊び(ファンサービス)なのか
③同時に存在する平行世界を観測しているだけか
という感じに分けられるだろう

端的に分けるなら上述のユーゼスが語ったようなシリアスな場面での「何か覚えがある気がする…!」という反応は虚憶
原作でのお約束や顛末(いわゆる死亡フラグ関係)はファンサービス
Zシリーズのジ・エーデル・ベルナルが語る様々な未来はただの平行世界を観測した結果
というような分類がわかりやすいかも知れない。
ギリアム・イェーガーも「並行世界の放浪者」要するに「平行世界を渡り歩いている存在」であるため、彼も実際に見てきた記憶を述べているのみである。


虚憶の兆候を見せたキャラクター



バンプレストオリジナル


ユーゼス・ゴッツォ
先述の通り。しかし第2次OGでは自分にとって都合の悪い部分の記憶が完全に欠けており、自滅の道を辿ってしまった。
詳細はアルテウルの個別項目を参照。

イングラム・プリスケン
彼も先述の通り。『OG1』での死亡時に「何回目の、何人目の俺であるかはわからないが、迎える結末は全て同じらしい」と語っている。

マサキ・アンドー
先述のry…に加えて、『OG1』でギリアムを見た時に「あんた、どっかで俺と会ったことねえか?」と発言している。

リュウセイ・ダテ
『第2次OG』でクロスゲートに既視感を持っていた(これはアヤやマイ、クスハブリットも同様であったが、念動力者ではないライは反応を示さなかった)。
更に『α外伝』でもターンXの溶断破砕マニュピレーターに対して「俺の知っているシャイニングフィンガーはそんな技じゃねぇ」と発言している。


アニエス・ベルジュ
UX』のEDにて落語の「芝浜」の話題が出た際に「どこかで聞いた事がある…」と発言する。
アーニーが芝浜の話題の際にその場にいたのは中断メッセージナイアが大十字九郎に見せた夢の中なので、あの夢で描かれた世界は実際に過去に存在した(故にアーニーは虚憶を持っていた)と思われる。


版権作品の登場人物


アムロ・レイ
第4次』でギリアムの名に反応を示していた。
また、『D』の部隊名決めて『64』の部隊名であるマーチウィンドの名前を挙げようとした(が、ノインから「それには色々と問題が…」と止められた)。

兜甲児
部隊名決めに際していつも「兜甲児とゆかいな仲間達」を提案する。
(『MX』では「今度こそ兜甲児と愉快な仲間達にしようと思ってたのによぉ」と明らかに虚憶があるとしか思えない発言をしていた)
また、『α』では火星に対して「何となく最終決戦地って感じがする」と第4次の虚憶があるような反応をしていた。
(この場に同席していたメンバーの内、竜馬は「強大な敵が潜んでいるような気もする」と同意していたが、
デュオの方は彼が参戦している『F完』では火星が最終ステージでないためか「前にもこの星で戦ったことがあるような口振りだな。そんなにヤバい所なのかよ?」と疑問に思っていた)


渚カヲル
第3次α』において、「かつて僕がいた世界は、機械仕掛けの神の歌声によって一度死に、生まれ変わった。その世界に住まう者達が望んだ『約束の地』としてね」と、バサラに『MX』世界のことを話していた
…のだが、「だが、その地もかの者が定めた死と新生の輪廻からは逃れられなかった」とも語っている。MXの世界が滅びてしまったと思いたくはないが…。
また、『第3次Z時獄篇』でもバサラとの初対面時に「相変わらず、いい歌だね」と発言している。
…もっとも、彼の場合は「『虚』憶」なのかが疑わしく、この3人のカヲル君は同一人物なのではないかという説もあるのだが。
というより、第3次αのカヲルは作中死亡していないにもかかわらず最終話で霊体として現れている事から、
「MX世界(あるいはそれにに近い世界)からαシリーズの世界に飛んできてバサラと交流したカヲル」と「αでシンジに殺され、第3次α最終話で霊体となって応援に来たカヲル」の2人いると考えても矛盾がなかったりする。


C.C.
30』でアドヴェントの名に「どこかで聞いたような気がする」と反応している。
また、アドヴェントは第3次Zでの出来事を「1億2000万年以上は昔の話」と語っており、30の世界はZの世界が一大劫を経て新生したものであるとうかがえる。



追記・修正は虚憶を感じたことのある方にお願いします。

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最終更新:2024年03月21日 21:24