バットオルフェノク

登録日:2022/04/18 Mon 23:01:00
更新日:2025/06/01 Sun 17:58:38
所要時間:約 4 分で読めます





※推奨BGM:「Justiφ's」


Open your eye's for the next φ's.


我々の側からオルフェノクを一体貸し出しましょう。
言わば、あなた方の『武器』として使ってもらって構いません。


啓太郎さん……

まさか君が……?


どうした木場!?…木場ァ!!









オルフェノクの力は、我々の想像を遥かに超えていた…

そうですか…。では、我々の側からオルフェノクを一体貸し出しましょう。
言わば、あなた方の『武器』として使ってもらって構いません。

しょ…所有してるんですか? オルフェノクを?

まあ、『偶然』手に入れましてね。幸運にも、完全な管理下に置く事ができた……



バットオルフェノクとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』に登場する怪人である。

演:大塚太心



【データ】

身長 214cm
体重 124kg
種族 オルフェノク
モチーフ コウモリ
特色・力 リボルバーの拳銃
肩のブーメラン
クリーチャーデザイン 篠原保
登場回 第43話「赤い風船」~第45話「王の目覚め」


【概要】

コウモリの特質を備えたオルフェノクで、テンガロンハットを被った西部劇のガンマンを思わせるスタイリッシュな外見が特徴。
第45話で披露した人間態はサングラスをかけ、ソフト帽と赤茶色のジャケットを身に纏った中年の男(『仮面ライダー図鑑』では「サングラスの男」表記)。
レギュラー枠ではないいわゆる「今週の怪人」枠でありながら、3週に渡って敵として登場し続けた。

劇中ではベルト所有者への刺客ではなく、スマートブレイン社長・村上峡児が人間の手の内を探るべく、警視庁の南雅彦に「武器」の名目で派遣した特異なオルフェノクとして登場。
村上は南達に対して本項目冒頭のように述べていたが、その実態は村上がオルフェノクに抵抗する人間側の動きを探り、「人類対オルフェノクの未来はどうなるのか」という未来を見極めるための工作員的存在。
また、「人間に管理され、隷属しているオルフェノク」という体裁だったためか、スマートブレイン側のオルフェノクの中では珍しく人間相手に死徒再生を行わなかった。


【人物像】

任務中は終始無言で会話による自己主張は一切しなかったため、明確な人物像やバックグラウンドは不明。
スマートブレイン配下らしく表向き協力関係にあった警官隊を躊躇いなく銃撃で皆殺しにする冷酷さを持ちながらも、
力に溺れたオルフェノクにありがちな「オルフェノクである事や己の強さをひけらかすような傲慢な態度」を見せなかったレアなタイプ。

任務外の日常では友人のオルフェノクの男性と共に普通に車の修理をしていたりと、傍から見れば雰囲気も含めて一般人と何ら変わりない。
彼と一緒にいた友人も鈴木照夫に対して「なんだ? 迷子か?」と心配そうに尋ねていた辺り、2人揃ってジェイ同様に公私はきっちり分けるタイプだったのかもしれない。

そしてあたかも人類に隷属し、管理されたオルフェノクを装える素振りから、仕事のためならオルフェノクとしてのプライドを捨てられるタイプの人物だった可能性もあり、事実上単独での潜入捜査を任せられた事から村上からの信頼もそれなりに高かったと思われる。


【能力】

外見に違わず、鉄鋼弾を発射する二丁拳銃を巧みに操る百発百中のガンスリンガーで、0.4秒間に4発繰り出す早撃ちが持ち味。
威力も相応に高く、ホースオルフェノク仮面ライダーファイズ乾巧)を銃撃だけで一方的に地に伏せさせ、自分が至近距離で食らった際には大きく吹き飛ばされたほど。
なお、銃弾のリロードが劇中で描写されていない事からして、弾丸は銃内で生成できるのかもしれない。
本編では未使用だが、設定上は両肩に備わった鋭利な刃をブーメランのように投げつける能力も持っている。

そしてこのオルフェノクの最大の特徴は、一般怪人枠とは思えないくらいに強い基礎戦闘力。
劇中で描かれただけでも、
  • 初戦では遠距離からの銃撃の連射でホースオルフェノクと巧ファイズの2人を相手に終始優勢を取る
  • ホースオルフェノク、クレインオルフェノク、巧ファイズの3人を前に拳銃をわざと捨てる舐めプ同然の挑発をかまし、拳銃なしの徒手空拳だけで3人を同時に相手取り、互角以上に渡り合う
  • 設定上並のオルフェノクなら触れただけで灰化するブラスターフォームに何回もボコボコに殴られても特に死ぬわけでもなく生存
    • その後日、後遺症を負う事もなく心身共に全くの無事な姿で普通に日常生活を送る
  • これまで戦いの経験値を重ねてきたはずのスネークオルフェノク仮面ライダーデルタ三原修二)を単騎+素手で殴り倒して終始圧倒し、乱入してきた巧ファイズ相手にも平然と奮戦
  • デルタとの戦いに乱入した巧ファイズのファイズエッジによる斬撃を不意打ちの初撃以外全て見切って回避し、巧ファイズに綺麗なカウンターまでかます
……といったように、基礎フィジカルの強さと純粋な技量のみで獅子奮迅の活躍を見せた*1
また、リスクヘッジもきっかりしており、人質戦法を駆使して不利な戦況や窮地を切り抜けるダーティな戦術も披露している。

これらの活躍から視聴者に「最強の一般オルフェノク」と呼ばれる事も多い。
巧ファイズが反動の大きいブラスターフォームへの変身を決意した劇中屈指の強豪であり、ほぼ間違いなく「オリジナル」のオルフェノクであった可能性が濃厚。
とはいえ、肉体のパワーとタフネスさこそずば抜けていたが、流石にアクセルフォームの超絶スピードには対応し切れず、それが敗因に繋がった。

ちなみにファイズ ブラスターフォームは(『仮面ライダーディケイド』や映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』などのクロスオーバー作品を除いた)『555』関連作品において、映画『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』も含めてわずか5回ほどしか披露されておらず、
その対戦相手もバットオルフェノクを除くと
という劇中屈指の強豪の中の強豪揃いとなっている。「このメンツに何食わぬ顔で紛れ込んでいるバットオルフェノクの方が何かおかしい」という意見は禁句

「これほどの実力者が何故ラッキークローバーの候補として白羽の矢が立たなかったのか」と邪推する声もあるが、村上としては自己主張が強くて扱いにくいラッキークローバーの面々よりも、従順なこちらは敢えて手元に置いておきたかったのではないかとも考えられる。
現に村上の側近であったライノセラスビートルオルフェノク/スタッグビートルオルフェノクも連携前提とはいえ、スパイダーオルフェノク草加雅人が変身した仮面ライダーカイザを打ち破る実力を披露している。


【劇中での活躍】


一体どういうつもりなの、村上くん…? 我々の敵に便宜を図るなんて……

……知りたいんですよ、私は。
彼ら人間がオルフェノクに対して何をするのか? 何ができるのか?

それを知る事によって、『人間対オルフェノク』の未来を占う事ができる……


村上の要請を受けて日本警察が秘密裏に設立したオルフェノク研究所の用心棒として出撃。
最初は「長田結花と木場勇治の捕獲」と「オルフェノク研究所に邪魔な沢村刑事の抹殺」を目論む南によって上記の作戦の応援に動員されたが、作戦は失敗。
初戦では巧ファイズの手で「発射直前に自分の拳銃の向きを至近距離で無理矢理変える」という奇策によって自分で自分を撃ってしまい、大きく吹っ飛ばされて撤退を余儀なくされた。

その後、長田結花捕獲作戦に同行し、同行した武装警官隊を全員射殺した上で木場、結花、巧ファイズを殺害しようとし、3人を圧倒した。
巧ファイズがブラスターフォームに変身した事で流石に不利な状況に陥ったが、ホースオルフェノクを肉壁にした人質戦法と巧自身が戦場から撤退した結果、命拾いしている。
その後、警察側のオルフェノク研究所が結花を殺された怒りに震える木場の手で壊滅した事で村上からの命令は実質終了し、用心棒として振る舞う事はなくなった。


おーい! まだかー?


その後日、プライベートの友人と思わしき金髪の男と共に人間態の姿で登場。
友人に車を修理させていたところに現れた照夫とうっかり遭遇してしまい、彼の内に潜むアークオルフェノクが友人の命を奪う様を見た事で一時撤退。
そして正気を取り戻した照夫の隙を狙って容赦なく猛スピードで車を走らせて轢き殺そうとしたが、駆けつけた海堂直也と三原の妨害により、照夫殺害は失敗。
そのままバットオルフェノクに変身すると、正面からステゴロだけでスネークオルフェノクと三原デルタを圧倒し続けたが、巧が2人の加勢に現れた事で形勢が逆転。


Start up.

ヌゥ!?

ハアァッ!!


最期はデルタに気を取られた隙を突かれ、ファイズ アクセルフォームの四方から叩き込まれる逃げ場のない全方位5連続「アクセルクリムゾンスマッシュ」の直撃を受けてようやく灰と化した。
一応、周囲を取り囲む無数のポイントマーカー自体に反応できてはいたのだが、それでも防ぎ切れず、なおかつ避けようのない攻撃だったのがバットオルフェノクの運の尽きであった。


【余談】

  • デザインを手掛けた篠原保氏によれば「(恐らくは一般怪人の)新規はこれが最後(意訳)」と言われた事を受け、何か特別なモチーフをという事で初代『仮面ライダー』第2話の敵怪人と同じコウモリをモチーフとしたという。
    テンガロンハットをコウモリの羽に見立てたガンマンという造形は、篠原氏が9年前の『忍者戦隊カクレンジャー』から温めていた案であり、頭部のデザインはすんなり決まったものの、逆に胴体側をどうするか苦労したらしく、最終的にコウモリ要素を頭部に集中させて、首から下はフリンジに見立てた小さな羽を手足にあしらうに留めたとの事。




……知りたいんですよ、私は。
彼らWiki篭りが項目に対して何を追記するのか? 何が修正できるのか?

それを知る事によって、『アニヲタWiki(仮)』の未来を占う事ができる……

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最終更新:2025年06月01日 17:58

*1 なお、劇中で相手したホースオルフェノクとクレインオルフェノクはオルフェノクの中でも強豪に位置する存在「オリジナル」である。