ホワイトスワン/鹿鳴館香

登録日:2022/05/03 Tue 09:48:43
更新日:2025/06/15 Sun 15:14:53
所要時間:約 5 分で読めます




私、決めましたわ。戦います。ジェントルマンとして!

…ジェットマンよ?




鹿鳴館(ろくめいかん)(かおり)は、スーパー戦隊シリーズ第15作目『鳥人戦隊ジェットマン』のメンバーであり、ホワイトスワンに変身するヒロインである。

演:岸田里佳、小出由華(幼少期)


【概要】

鹿鳴館財閥の一人娘。
世間知らずの夢見るお嬢様といった感じの性格。
財力に関しても、200億かけて東京中のダイヤを買い占める事が出来るほどのとんでもない大金持ちである。

偶然バードニックウェーブを浴びたことでジェットマンの一員に選ばれる。
竜以外の4人の中では唯一、自分から進んでジェットマンになる事を決めた。
だがそれは退屈な日常から抜けるためであり、戦いと訓練の過酷さに音を上げる事も多々ある。
機械の扱いも苦手なせいで、ジェットマシンの操縦訓練を拒否したこともあった。
だが、それについては後に克服しており、機械を用いた分析なども担当するようになる。
普段はお淑やかなお嬢様口調だが、怒ると乱暴な口調に変わる事もある。

第4話では訓練失敗による腹いせもあり、婚約者である北大路総一郎との結婚を決意。
そこにバイラム出現の報せが入り、竜達が先行する一方、教会では香と総一郎の結婚式が挙げられていた。
「お前を信じて待っている」という竜の言葉に揺れ動き、式を中断して戦場に向かおうとするが、総一郎はそれを許さないばかりか必死に戦う竜達を「虫ケラ」と吐き捨てる。
その傲慢さに愛想を尽かし、自分の愚かさを悟った香は誓いの言葉を迫る総一郎の手をはねのけた。


じゃかあしい!汚え手で触るんじゃねえよ、スカタン!!

テメエは自分の事しか考えてねえじゃねえかよ!でも竜達は違う!

みんな自分を捨て、戦士として戦っているんだ!
そして私も戦士なんだ!!

わかったか!?このタコ!!


そう言って総一郎に金的を見舞うと教会を飛び出し、ドレス姿のままバイクに乗って戦場に駆けつけた。
ただ、それで勝利フラグかと思えばそううまくは行かず、この時点では訓練不足が祟ってジェットスワンの操縦中に大怪我を負う事となる。
その事でまた弱気になるのだが、自身を案じる凱と厳しく戦士としての香を奮い立たせる竜により、戦士として生まれ変わる事となる。

当初からの強さに惹かれ、彼に想いを寄せるようになる。
その為、からの好意については受け入れられずにいた。
しかし戦いの中で、凱の真剣さに心を打たれ、彼にも好意を抱くようになる。
一時は凱と共にジェットマンを抜け、両親への挨拶もしたが、凱の自由さ、戦士としての心意気に負けて、その関係は終わりを告げる事になる。
そして改めて竜と向き合い、リエと戦う彼を支える。
そして、復讐に囚われて竜の目を覚まさせ、竜のリエへの想いに決着をつけさせる事に貢献した。

両親は海外暮らしで滅多に帰国せず、普段はじいやと共に過ごしている。
幼い頃から面倒を見てもらっているじいやを信頼しており、じいやもまた香を大切に思っている。
しかし、敵の恐怖に怯えた際には香を奮い立たせる厳しい一面もある。
ちなみに、じいやもジェットマンのことをジェントルマンと勘違いしているようだ。

ジハンキジゲンによってジェットマン全員の深層心理を暴かれた時は「金持ち特有の僻みっぽさ」があると言われたりもした。
僻みっぽいというよりは金持ちを鼻にかけるとんでもない悪女であった。
ただ、彼女の場合は他のエピソードでも金に物を言わせて物事を解決する一面がある事が明確に描かれている。
実際、第8話ではダイヤジゲンによって金の亡者にされたアコを正気に戻すべく、買い占めた東京中のダイヤを目の前でバラ撒くという荒療治に出た。
当然本人はそれを恥じており、事件後には必死にその本性を否定した。

小説版でも主な部分は変わらず、退屈な日常から抜け出るためにジェットマンとなる。
竜の事は当初から理想の男性像そっくりであるとして思いを寄せていたが、後に凱と出会い、戦いと挫折を経て凱と駆け落ちをする。
そしてその中で、なんと凱の子を身籠った。
だが、ジューザの謎の力により、人間の赤子が生まれる前からバケモノにされたのを目の当たりにした香は、体内のそれを恐れるようになってしまう。
しかし、最終決戦で流産した事を悟った際には、その魂が救われるようにと強く祈っていた。


【香ちゃん憲法】

幼い頃にじいやと一緒に決めた約束事。
劇中で語られたのは以下の4つである。

▼第一条:ご挨拶は元気よく。

▼第二条:ご飯の後は歯磨きしましょう。

▼第三条:よく遊び、よく学べ。

▼第九条:自分の事は自分でする事。

第19話でウラナイジゲンに恐怖心を植え付けられ、戦闘不能に陥った際、般若の面を付けたじいやに剣を向けられながら、これらの内容を問われる。
しかし、第九条を思い出すと同時に復活し、落ちていた棒切れでじいやの面を叩き割った。
そして、剣道着姿で現れた香は木刀でウラナイジゲンを攻撃し、異空間に閉じ込められた竜達を救出する。
変身後はバードブラスターとスワニーアタックのつるべ打ちでウラナイジゲンを追い詰め、見事勝機を掴んだ。


【その後】

バイラムとの決戦から三年後、竜への想いが通じ、彼と結ばれた。
バージンロードは親ではなく小田切長官と共に歩いていた。
竜との間に生まれた子供の名前は「凱」である。
B-CLUBで連載された続編漫画『時を駆けて』では子供は娘であり、小田切長官から取って「綾」と名付けている。

海賊戦隊ゴーカイジャー』のエピソード「翼は永遠に」では、竜と共に凱の墓に毎日のように墓参りをしている事が語られた。
彼女は花束をお供えしていると思われる。


クロスチェンジャー!

ホワイト、スワン!!


ホワイトスワン


スーツアクター:蜂須賀祐一(16話まで)、赤田昌人(17話以降)

香がクロスチェンジャーで変身した姿。
スーツは白をメインに、ピンクのアクセントが入った姿をしている。
モチーフはその名の通り白鳥。そもそも直訳すると「白き白鳥」
銃の扱いに長けており、華麗な動きを得意とする。
また、じいや仕込みの剣道のおかげか、剣術も扱える。


【主な技】

  • スワンウイング
広げた翼を羽ばたかせ、その風で敵を吹き飛ばす。
ダイスオーでも必殺技として採用されている。

  • スワニーアタック
宙に舞い上がりウイングガントレットの一撃を放つ必殺技。


【その他】

『海賊戦隊ゴーカイジャー』では、ゴーカイピンクがホワイトスワンのレンジャーキーを使用。
やはりお嬢様キャラという共通点があるため、原点通りのイメージとなっている。
というより、他のメンバーが赤い無頼漢青い長身男性黄色いスマートな女性黒いコメディリリーフ(元は緑)と、原作のイメージから遠いものばかりであるため、ジェットマンらしいのは彼女くらいである。

スーパー戦隊最強バトル!!』では、ガオレッド率いる陸海空チームに所属しているが、彼女は戦闘メンバーに選ばれなかった為、出番なしで終わった。


【余談】

ビデオに収録されていた「ジェットマン体操」では、メンバーで唯一変身前の姿で踊っていた。

演じた岸田氏は、3年後に『忍者戦隊カクレンジャー』にてレポーター役でゲスト出演した。
後に海外に移住していたが、帰国して舞台などで役者業を再開。
2022年には『ジェットマン』以来に井上敏樹氏がメイン脚本を務めた『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の夏の劇場版『暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』で荷物を受け取った宅配先の客としてカメオ出演。
役名も「結木(ゆうき)かおり」で、香とあったかもしれない未来を意識したものとなっている。

中の人的にはお嬢様キャラは難しく、本人曰く「早坂アコの方が合っていた」とのこと。

スーツアクターの蜂須賀祐一氏は第17話撮影中に大怪我を負ったため、赤田昌人氏に交代。復帰まで数年を要するほどであったという。

幼少期を演じた小出由華氏は6年後、メタルヒーローシリーズの『ビーロボカブタック』に三鷹小百合役でレギュラー出演した。



追記・修正は東京中のダイヤを買い占めてからお願いします。

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最終更新:2025年06月15日 15:14