ドロボン

登録日:2022/07/25 Mon 16:54:59
更新日:2024/11/09 Sat 00:21:00
所要時間:約 6 分で読めます





ドロボンはウルトラシリーズに登場する怪獣。
初登場は『ウルトラマンタロウ』第52話「ウルトラの命を盗め!」。


【データ】

別名:泥棒怪獣
身長:51m
体重:30000t
出身地:ドロボン星
声:渡部猛


【概要】

他人から盗んだものだけで生活するというドロボン星の宇宙戦闘員。別名こそ「怪獣」だが、設定も作中描写もほぼ完全に宇宙人のそれである。
外見は原始人のような姿をしており、見た感じも怪獣というか宇宙人寄りである。
星間戦争を有利に進めるため、ウルトラマンタロウを配下にする、或るいはウルトラマンの力を手に入れるという図々しい野望を抱いて地球にやってきた。

口からは火炎を放つことが可能で、手には赤外線宇宙カンテラと2千tの重さを持つ金棒を持ち、これからは光線を放てる。
胸にはくぼみが存在しており、これにとあるものを装着すると……

ZATの森山からは「物凄いエネルギーです。今まで現れた怪獣の中でも一番」と評されていた。ホントか?バードンよりも?タイラントよりも?


【劇中での活躍】

宇宙空間で単独客演の不遇さに定評があり、今回は手袋とブーツが赤いジャックと激突。
ジャックに一方的な攻撃を加えて撃退した末に地球へと飛来し、タロウを探し始めるも現れなかったことに苛立ちを見せる。

その後もタロウを探し続け、街を破壊していた中で駆けつけたZATと交戦。
棍棒でスカイホエールを撃ち落とし、二谷副隊長が搭乗するスーパースワローを人質に取る。
地上戦へ移行したZATのウルフを破壊し、光太郎が変身したタロウと対決。
人質を取っていたこともあってタロウとの戦いでは優勢に立ち、一方的に痛めつけて撤退させる。

その頃、光太郎は傷ついていたジャックの地球での姿、郷秀樹と再会した。
ドロボンが地球に来た目的を宇宙戦争にタロウを引っ張り出し、味方にして助太刀させようとしていた、と語る。
依然人質が解放されない状況で郷はジャックに変身、自身のカラータイマーと人質の二谷副隊長が搭乗するスーパースワローの交換を取りかける。

『これと?よしよし、お前で我慢しよう…』

カラータイマーと引き換えに二谷副隊長は解放されたものの、カラータイマーを失ったことでジャックは萎んでしまった……。

一応の目的を果たし、地球を後にしようとするドロボンに光太郎は変身して再び立ち向かう。
一騎討ちを繰り広げるも、ドロボンにはカラータイマーによる力が上乗せされている上に、タロウは明らかに全力を出していない。

怪獣ドロボンには、自分の力にウルトラマンの力が加わっている。
二人力なのだ。タロウが敵わないのは当然なのだ。
ストリウム光線も使えない。もし使えば、兄・ウルトラマンのタイマーまで破壊する恐れがあるのだ。

カラータイマーは3分間で危険信号だ。
タロウは自分の力を節約し、一方ドロボンにわざと力を出させて逆転のチャンスを狙うのである。

タロウの劣勢は続くが、そんな中でドロボンのカラータイマーが点滅を始める。
なんと、ウルトラマンは地球上で3分間しか戦えないという弱点までコピーしていたことが仇となり弱体化。
実はタロウとジャックは作戦を立てていて、上述のナレーションの通り、ドロボンに全力を出させて逆転のチャンスを狙っていたのだ。

タロウにZATも加わって反撃が始まり、タロウはカラータイマーを奪い返してジャックを蘇らせることに成功する。
最後はウルトラ兄弟に義理が悪い、と汚名返上に燃える二谷副隊長のスカイホエールの攻撃で爆死した。

なお、ジャックはタロウの付き添いで太陽へ向かい、エネルギーの補給を果たしている。


【ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団】

円谷プロとタイのチャイヨー・プロダクションが合作で制作した、現在は封印作品扱いの映画作品。

ゴモラ率いる怪獣軍団の一体として金棒を持っていない上に地底から出現。
一応宇宙人であるものの、宇宙怪獣であるアストロモンスタイラントも同じく地底から現れている。脚本の人はそこまで考えていなかったのだろう
タイ王国のドーナ第7ロケット基地を襲撃し、駆け付けてきた白猿ハヌマーンを5対1の数の暴力で一方的に痛めつけるも、駆け付けてきたウルトラ6兄弟の加勢により形勢逆転。
ここぞとばかりに躍起になったジャックにボコボコにやられ、アストロモンスダストパンがハヌマーンと戦っている隙をついて
仲間とはぐれてしまった初代ウルトラマンを襲うも、ハヌマーンが加勢したことで逆転される。

最期はウルトラマン&ハヌマーンとの激戦の末に、頭部と両腕の皮膚を生きながら剥され、白骨を露出した凄惨な姿にされてしまい、
止めにハヌマーンのハリケーンガンで全身の皮膚を吹き飛ばされ、完全に骸骨と化して崩れ落ちた


【その他媒体での登場】

漫画ウルトラマン超闘士激伝』ではゴモラの元悪友として登場し、タイラント率いる愚連隊を結成して第3回銀河武闘会に参加した。
作中では全くセリフも無くあっさりウルトラマンパワードに4体纏めてぶっ飛ばされて退場する役回りで、常に鼻をほじっていた

内山まもるの漫画『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦』ではアルファケンタウリ第9番惑星で初代ウルトラマンとジャックがドロボン軍団相手に大立ち回りを演じた。


【玩具展開】

ソフビは『ウルトラマンX』放送時にガシャポンで展開されたガシャポンウルトラヒーロー500&ウルトラ怪獣500第1弾で発売され、
ウルトラの母ミラーナイトケロニアといった面々と共にラインナップされた。

ガシャポン『ヒカルナル ウルトラマン カラータイマー03』ではドロボン仕様のカラータイマーがレアアソート枠でラインナップ。
発光と同時にドロボンの嗤い声が鳴り、点滅音も劇中のものを可能な限り再現している*1拘りの逸品と言えよう。

『HG外伝 ウルトラ兄弟 大ピンチ&大チャンス』では、『ウルトラマンレオ』第50話「レオの命よ!キングの奇跡!」に関する3種類と本エピソードに関する3種類の計6種類が収録された。
……のだがよりにもよって本エピソード側のドロボンとウルトラマンジャック(Ver.ピンチ)の2種類がレアアソートだったのでコンプリートを目指すファンはかなりの出費を強いられたという……


【余談】

  • デザインは鈴木儀雄。
    「ウルトラマンのカラータイマーを奪って自身の胸に嵌め込む」という脚本を前提にデザインされており、決定稿は胸にカラータイマーを装着したイラストとなっている。


  • 声を演じた渡部はウルトラシリーズでは『タロウ』のモチロン、ベロン、次回作『ウルトラマンレオ』のキララの声を演じているが、ドロボン以外のこれら3体は倒されず生き残っている。


  • 52話は元々、荒垣副隊長の主役回として、用意されていたエピソードであり、映像化するにあたり、新たに副隊長役を設定する必要があったと考えられる。脚本上では荒垣の登場シーン&セリフが二谷に変更となっただけでストーリーの進行的にはまったく変わらない。ただ脚本の冒頭には荒垣がゲン担ぎで理髪店で丸坊主にするというシーンが当初は存在していたらしい。


追記・修正はカラータイマーを奪い返してからお願いします。

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最終更新:2024年11月09日 00:21

*1 流石に当時の音源は残っていなかったのか、あくまで「再現している」だけで『タロウ』本編で使用された点滅音とは似てはいるものの異なる音である。