ファントモン

登録日:2022/12/21 Wed 02:00:15
更新日:2025/07/09 Wed 10:53:40
所要時間:約 11 分で読めます





禍々しき鎖鎌で獲物を収穫する、魂の刈人!


『ファントモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。


【基本データ】

世代 完全体
タイプ ゴースト型
属性 ウィルス種
必殺技 ソウルチョッパー
巨大な鎖鎌で敵の魂をも切り裂く技。
この技を受けたものは魂ごと消滅してしまうという。
もういちどソウルチョッパー
得意技 死の宣告
ディアボリックスター

【概要】

頭から真っ赤なローブを被り、そこから怪しげな目だけが覗く、死神のような姿のデジモン。
初登場は『デジモンペンデュラムVer3.0 ナイトメアソルジャーズ』

同じゴーストデジモンであるバケモンよりも上級の存在。
その手には巨大な鎌、もとい大鎖鎌を持っている。
このファントモンに憑りつかれたが最期、完全に死が訪れるだろう。

ローブの額部分には放射線のハザードマークの中央にドクロが配されたようなマークを付けている。
首からぶら下げている眼球の形をした水晶は、マンモンの紋章と同じく千里眼の力で全てを見通すことができるという。
その能力で、死期の近い者を見抜く。
また、体を覆う布の中身は別次元のデジタルワールドに通じていると言われている。

そんな恐ろし気なデジモンだが、イラストでは
バケモンと一緒に銭湯に行き「お前が 先に ぬげったら!!」ともじもじしたり、
大根やイモを「いつもより 多く 切って おりまーす」とスパスパスパーンして、幼年期デジモンにパチパチされたり、
と、コミカルな姿も見せていた。


【派生種】

◆メタルファントモン

魂を求め刈る、機械化の死神!
世代 完全体
タイプ サイボーグ型
属性 データ種
必殺技 ソウルプレデター
魂に飢えているかの如く、膨大なエネルギーを放出して鎌を巨大化させて敵に襲い掛かる技。
得意技 グレイブスクリーム
鎌から異様な怪奇音を発し、どんな装甲や盾も無意味にしてしまう。
ファントモンの体を全身機械化したサイボーグ型デジモン。
その姿は、エネルギーの塊から機械化された人骨の上半身のみが生えており、そこにフード付きのマントを着ている…といった感じ。
素顔を晒していなかった原種と比べ、髑髏そのものと呼べる素顔を晒している。
また、ターミネーターのエンドスケルトンよろしく、その眼窩の奥に赤く光る眼が覗いている。
必殺技はプレデターなのに

手に持つ鎌も鎖分銅がなくなり、柄の両側からエネルギー状の刃が発生しているという形に大きく変貌している。
なお、このメタルファントモンは別次元のデジタルワールドからのエネルギー供給で活動しているという。
そのため、何者かによって操られているという噂もある。

初登場は『デジモンペンデュラムエックス3.0』で、素の状態でX抗体を保有しているデジモンの一種。

なお、ファントモンがパワーアップしたにもかかわらず、世代は完全体のまま。
おまけに、属性はデータ種に変異している。



【関連種】

◆ゴクモン

全ての犯罪者に冥府を垣間見せる、断罪の死仮面(デスマスク)
世代 究極体
タイプ サイボーグ型
属性 ウィルス種
必殺技 髑髏乱舞(どくろらんぶ)
「ギルティーチェーン」で敵を拘束し、「ジャッジメントシックル」で相手の首を刈り取る技。
蛇炎煉獄(じゃえんれんごく)
地獄の業火で敵を焼き払う技。
髑髏旋風(どくろせんぷう)
燃え盛る炎の竜巻で敵を葬る技。
得意技 ギルティーチェーン
左腕の砲口から鎖を打ち出す。
ジャッジメントシックル
右腕そのものになっている大鎌。
指名手配犯リストのデータから生まれた逃亡者デジモン。
般若とも髑髏ともつかない黄金の面を付けた人型ロボットといった風貌。
実は自分が賞金首なのだが、“賞金稼ぎ(バウンティーハンター)”だと信じて疑わず、犯罪者狩りをしている不思議な存在。

名前の由来は江戸時代の死刑の一種である『獄門(ごくもん)*1であろう。

初登場は格闘ゲーム『デジモンテイマーズ バトルエボリューション』。
ストーリーはないゲームだが、本作のラスボス的立ち位置のキャラ。条件を満たせばプレイアブルにもなる。
そのような立ち位置のため、長年、メディアには出ていなかったが、アニメ『デジモンアドベンチャー:』でメタルファントモンから進化する形で登場した。
それまで進化ルートが繋がることはなかったが、ファントモンらとは、
『鎖と鎌を主武器とするウィルス種』(ファントモン)
『髑髏の顔を持つサイボーグ型』(メタルファントモン)
と意外と共通点が多く、配役の妙が光るチョイスである。


◆バケモン

世代 成熟期
タイプ ゴースト型
属性 ウィルス種
同じくゴースト型の成熟期デジモン。
更に派生種に帽子を被ったソウルモンも存在する。
詳しくは該当項目にて。


◆ネクロモン

世代 究極体
タイプ ゴースト型
属性 ウィルス種
コミック版『DIGIMON LIBERATOR』のEpisode 10[前編]で登場したバケモン系列の究極体。
詳しくはバケモンの項目にて。


【関連作品でのファントモン】

アニメ『デジモンアドベンチャー

CV:櫻井孝宏
ヴァンデモンの副官、右腕的立場としての登場。

本格的な活躍は第35話「お台場の妖精!リリモン開花」で、通勤ラッシュ時の新橋駅をバケモンを引き連れて襲撃。

「ファントモン 巨大な鎖鎌がトレードマークの完全体ゴーストデジモンだ。必殺技は…『ソウルチョッパー!!』

と、解説と電光掲示板(?)をぶった切った。
その後、バケモンたちを率いて人々をビッグサイトに連行した。

実はヴァンデモン配下のバケモンが本格的に出てくるのがファントモンが現れてから(それ以前はヴァンデモンの城の中か、現実世界の隠れ家の周辺のみ)なので、彼らの元締めなのかもしれない。

光が丘の太一らが住む団地も襲撃。その際、迎撃しようとしたグレイモンに手痛い一撃を繰り出し傷を負わせる。
光子郎の部屋にも襲い掛かったが、間一髪光子郎が「デジタルバリヤ」を展開したため、発見はできなかった。千里眼にも見えないものはあるということか。

一方ではビッグサイトから逃げ出したバードラモンと空を追跡。
空が一度太一・アグモンと合流した場面も目撃していたが、その場はあえて手を出さずに尾行を続け、ついにはヤマトたちの隠れ場所を突き止める。
満を持して現れたファントモンは「八人目を探さずとも、お前らを倒せば同じこと! ここで果てるがよい!!」とまさに正鵠を射た発言をしたうえで、タスクモンやスナイモンを召還してけしかける。
自身もヤマトを鎖鎌の分銅で締め上げ、無謀にも背後から襲い掛かった空にも容赦なく鎌を振るうなどして圧倒した。
結果として、知人が追い込まれていくのに耐えきれなくなった八神ヒカリが「わたしが8人目」と名乗ったうえで降伏したことで、彼女の嘆願を聞き入れて捕獲したうえで撤収、ヴァンデモンの元へ連行する。

襲撃できる場面であえて手を出さずに隠れ場所を探し出したり、八人目にこだわらなくても別の手があると見出したりといった知性の高さに加え、頭数の多いバケモンに加えてタスクモンやスナイモンといった成熟期ながら強力なデジモン*2を率いていたことから、ヴァンデモン配下でも相当な実力者だった模様。
配下のタスクモン・スナイモンが健在な状況で、敵にガルルモンとガルダモンしかいない状況で手を引いたのも、ガルダモンに加えてガルルモンまで完全体に進化されば不利は免れず、そうなる前に八人目の確保を優先したのなら納得も行く。

ただし、その最期はエンジェモンのヘブンスナックル…の余波を受けての消滅、とあっけないものであった。


WSソフト『デジモンアドベンチャー アノードテイマー/カソードテイマー』

他の完全体の例に漏れず、ヴァリアブル技として登場。
ヴァリアブル技としてはバケモン+ソウルモンの組み合わせで覚える。
効果は『敵全体のAP-9』。


アニメ『デジモンアドベンチャー02

第38話 「ホーリーナイト デジモン大集合!」
人間界に迷い込んだデジモンの一体としてファントモンが登場。
数体のバケモン、ヌメモンと共にイッカクモンと対峙するが、ホルスモンの「ウジャトゲイズ」で麻痺させられ、デジタルワールドに送還された。


PSソフト『デジモンワールド2』

パーティを組んで不思議なダンジョンを探索し、3on3のバトルをする形式になった『デジモンワールド』の2作目。
育成可能枠の一体としてファントモンが登場。
必殺技の『ソウルチョッパー』は「この技を受けてターゲットが気絶*3した場合はもう一度技が出せる」という効果がある。
なお、技の発動時には画面に技名とボイスが出るのだが、この効果が発動した場合は「もういちどソウルチョッパー」とご丁寧に表記される。
ボイスも通常のソウルチョッパーとは別撮りされているご丁寧っぷり。


PSソフト『デジモンワールド デジタルカードアリーナ』

ムゲンタワーのバトルアリーナの2番手として登場。
使用デックは自身のカードも持つ「すいとる」効果メインの『死神のカマデック』。

カードとしても登場。
能力値はヴァンデモンとほぼ同じで、〇攻撃「ソウルチョッパー」の数値がヴァンデモンの「ナイトレイド」よりわずかに低い程度。
HPがわずか1100しかないのも、×攻撃の特殊能力が「すいとる」なのも同じ。
しかし〇攻撃の差を反映してか、必要進化パワーがヴァンデモンの50に対してファントモンはわずか30と少ない。
この少なさは暗黒属性完全体では二位(一位はインフェルモンの20)で、「全体的な能力が高いが、進化スピードが遅い」という暗黒属性にあって、素早く出せる完全体として重宝する。
また援護能力はヴァンデモンとは異なり、「自分の山札から七枚捨て、自分の攻撃に「すいとる」を付与する」というもの。
山札へのダメージは大きいが、高い威力を出せる〇攻撃にも、それこそ「じばく」にも「すいとる」を付与できるため、ヴァンデモンとは全く違った使い方ができる。


アニメ『デジモンフロンティア

第34話「決戦!バラの明星 オファニモン救出作戦」にファントモンが登場。
2体のコンビ(CV:奥田啓人、小島一成)で、ケルビモン配下として城門の守護に当たっていた。
なんと、奇襲を仕掛けてレーベモン以外を水晶玉に捕らえることに成功する。
しかし、レーベモンにはその闇の力で存在を感知され、衝突させられることで水晶玉を破壊され、そのまま倒されてしまった。


PSソフト『デジモンテイマーズ バトルエボリューション』

上述した通り、ゴクモンの初登場作品(CV:山口健)
プレイキャラとしては、多段ヒットなどの強力な近接攻撃を多数持つ、ラスボスに相応しい性能。
ただし、遠距離はやや苦手という弱点もある。


ゲーム『デジモンバトルクロニクル』

2004年にPS2、ゲームキューブ、X-BOXの3機種で同時発売されたゲーム。

本ゲームには取得するとランダムで効果が発生するアイテムが出現する事がある。
そして、その中の一つに「ファントモン」が存在する*4
ちなみに、その効果は「現れたファントモンに触れると 即 死」という凄まじいもの。

なお、ゲーム内容自体は…お察しください。


アニメ『デジモンセイバーズ

「彷徨え、人間たち…」

第15話「母さんの思い出 吠えろマッハガオガモン」にてメタルファントモンが登場(CV:山口健)。
なお、メタルファントモンはこれがアニメ初登場である。

無限氷壁を目指す大達の一行はビルが崖から無数に生えた谷へ差し掛かる。
そこで、無数のドクグモンの奇襲を受けて、捕らえられてしまう。
そして、この谷の主がメタルファントモンであった。

「フフハハハ…人間たちは、自分自身の心の奥にある、『恐れている』こと、『見たくない』こと、『忘れたい』こと、『逃げたい』こと、『思い出したくない』ことの中に囚われているのだ。」
「もう戻れはしない…!」

メタルファントモンは大鎌の力を使い、悪夢を見せた上で彼らの魂を吸い取ろうと画策していた。
トーマには幼少期の母親と共に過ごした記憶…からの死別、という記憶を追体験させた。
だが、それが逆にトーマの逆鱗に触れた。
大切な、かけがえのない記憶に(足はないが)土足で踏み込んだメタルファントモンへの怒りが、デジソウルを湧きあがらせ、
ガオモンはマッハガオガモンへ完全体進化を果たす。

戦闘では、サイボーグのボディで攻撃を受け止め、攻撃ではビル群を利用するなど、有利に展開を運ぶ。
だが、そのビルを投げ返され、『ソウルプレデター』での反撃も空しく、『ウイニングナックル』でとどめを刺された。


NDSソフト『デジモンストーリー サンバースト/ムーンライト』

育成可能枠の一体としてファントモンが登場。
前作や自作と比べ、進化ルートが独特な部分が多い本作だが、なんとファントモンはアポカリモンへ進化可能である。
ムーンライト限定でだが。
デスモン(黒)へも進化可能で、こちらはバージョン共通


アニメ『デジモンアドベンチャー:

第31話「新たな闇ミレ二アモン」
三体のバケモンが登場し、黒い雷でメタルファントモンへと進化を遂げる。
そして、そのうちの一体が更にゴクモンへと進化を遂げる。なお、上述したようにゴクモンはこれがアニメ初登場。

ただ、いずれもセリフはなく、メタルファントモンはガルダモンに、ゴクモンはウォーグレイモンに倒される。


アニメ『デジモンゴーストゲーム

第8話「百鬼夜行」にメタルファントモンが登場(CV:江川央生)

無辜のデジモン達を強制的にレースに参加させ、高速道路で行われるデスレースに無理やり参加させる悪逆非道なデジモン。
そして、脱落したり逃走を図ったものの魂を鎌に吸収する、まさに地獄の捕食者(プレデター)

……と、思われていたが、実は真の黒幕はレースにも参加していたシスタモン シエル。
実は、彼女の「最速で最強」を証明するという欲求の下、メタルファントモンと契約を結びデスレースを開催するという強行に出ていたのであった*5

と、真相が明らかになると、ほぼ舞台装置の様な扱いになってしまった。
その上、瑠璃の口車に乗せられたシスタモンに攻撃を受ける始末。。。
なお、最後は路上に現れたブラックテイルモンが空けたゲートに、シスタモンや他のレース参加デジモンと共に吸い込まれ、デジタルワールドへ帰っていった。

なお、上述したようにCVは設定されているが、ほぼうめき声で明確なセリフはないのが残念。



追記・修正をお願いしま…『ソウルチョッパー!!』

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最終更新:2025年07月09日 10:53

*1 斬首刑の後、刎ねた首を獄門台に載せて3日間見せしめとして晒しものにする刑罰。

*2 タスクモン:パンチ一発でガルルモンをビルを飛び越えるほど吹っ飛ばす、スナイモン:完全体のガルダモンを弾き飛ばしてビルに叩きつける

*3 要は敵を倒した場合

*4 ちなみに、唯一のデジモン要素のあるアイテム効果

*5 設定では「性格はおっとりしているが芯が強い」「日中は和気藹々と平和に暮らすが、夜になると不穏分子を狩る暗殺者に一変する。」というくらいで、スピード狂に繋がりそうなものはない