レア・フィッシュ

登録日:2023/02/04 (土) 18:38:00
更新日:2023/03/12 Sun 22:54:03
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《レア・フィッシュ》
融合モンスター
星4/水属性/魚族/攻1500/守1200
「フュージョニスト」+「恍惚の人魚」

「獣の頭を持つ珍しい魚 性格はとても凶暴」

《レア・フィッシュ》とは「Vol.3」で登場した遊戯王のカードである。




【概要】

第1期で多数登場した、効果を持たない融合モンスターの1体。
その姿は、ライオンの上半身に緑色の魚の下半身といった感じ。

融合素材となるモンスターはこちら。

フュージョニスト
融合モンスター
星3/地属性/獣族/攻900/守700
「プチテンシ」+「スリーピィ」
《恍惚の人魚》
通常モンスター
星3/水属性/魚族/攻1200/守900
海を航海する者を誘惑しておぼれさせる、美しい人魚。

遊戯王OCGで初めて登場した、融合モンスターを融合素材に用いる融合モンスター。
このようなモンスターは《究極竜騎士》や《捕食植物ドラゴスタペリア》、《ダイノルフィア・レクスターム》などが存在する。

だが、本モンスターはどんな感じなのかと言うと…。










絶望的に使えないモンスター


……だった。










【《レア・フィッシュ》のあゆみ】

第1期における受難

まず、上記の通り融合モンスターである《フュージョニスト》を融合素材に用いるため、融合》を2回も使わなければ融合召喚できず、すなわち魔法2枚+モンスター3体分が必要。
しかも、公式ルール*1によって、1ターンに《融合》を2回使うことすらできず、正規での融合召喚は何重もの意味で困難。正規でない融合召喚手段はそもそも存在しない。
さらに、やっとのことで融合召喚に成功しても、レベル4相応のステータスで効果は無いという有様であり、同じ第1期に登場した通常モンスターの《デビル・ドラゴン》や《ペイルビースト》、《メデューサの亡霊》などと同じステータスである。
もはや存在価値が無いに等しいモンスターという体たらくであった。

《突然変異》と《簡易融合》

そんなモンスターである《レア・フィッシュ》であったが、第3期にてある魔法カードが登場する。それは、

突然変異(メタモルフォーゼ)
通常魔法(禁止カード)
自分フィールド上モンスター1体を生け贄に捧げる。
生け贄に捧げたモンスターのレベルと同じレベルの融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。

このカードの登場によって、存在価値の無かったこのカードに注目が浴びる。

心変わり》で相手のレベル4モンスターを奪い、
そのモンスターに《突然変異》を使って《レア・フィッシュ》を特殊召喚するという方法があり、
このコンボによって、エンドフェイズに奪ったモンスターが戻るのを防ぐという戦法が取れた。
当時のレベル4融合モンスターに効果モンスターが存在せず、
また、レベル4融合モンスターで一番攻撃力の高いモンスターは《カルボナーラ戦士》《暗黒火炎龍》、
そして《レア・フィッシュ》が1500で横並びだったため、このカードを融合デッキ*2に入れる十分な価値があった。*3

そして第5期に《簡易融合》が登場。
これによって、正規ではないが多大な手間をかけずに融合召喚できるようになった。
もっとも、レベル5までを出せる簡易融合でレベル4のこのカードを出すメリットは当時ほぼないが、融合デッキに上限がないので、万が一のためにでも入れておく理由はあった。

しかし、《突然変異》が禁止カード化してしまい、
EXデッキに上限が設けられてしまったことによって、簡易融合要員として雑に入れておくメリットは限りなく少なくなった。


シンクロ召喚の登場

第6期になるとシンクロ召喚が登場する。この頃は上記の、EXデッキに上限が設けられた時期であった。
シンクロ素材として使う場合、レベルが高ければ良いというものではなく、ステータスも重要ではないため、
《簡易融合》で召喚できる、無数に存在するレベル4・非チューナー要員のうちの1枚として一応存在意義はあった。
このカードは属性・種族がレアなので、差別化も見込むことができた。
特に、シンクロ素材を魚族モンスターに限定するチューナー《竜宮の白タウナギ》との組み合わせが挙げられる。


エクシーズ召喚の登場

そして、第7期にてエクシーズ召喚が登場。
レベル4のモンスターを素材とするランク4モンスターは優秀なモンスターが多数揃う激戦区であり、
簡易融合で特殊召喚可能な(召喚権を使わずに出せる)レベル4モンスターとして一定の価値を得た。。
特に《レア・フィッシュ》は、《スノーダスト・ジャイアント》などの水属性指定ランク4エクシーズ素材としても使えるようになった。
とはいえ、環境で活躍したかというとまた別問題であったのだが……。

そんな《レア・フィッシュ》であったが、彼らの登場によって再び注目が浴びる。

バハムート・シャーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100
水属性レベル4モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
EXデッキからランク3以下の水属性Xモンスター1体を特殊召喚する。
このターン、このカードは攻撃できない。

餅カエル
エクシーズ・効果モンスター
ランク2/水属性/水族/攻2200/守0
水族レベル2モンスター×2
(1):自分・相手のスタンバイフェイズにこのカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから「ガエル」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、相手がモンスターの効果・魔法・罠カードを発動した時、
自分の手札・フィールドの水族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
その後、破壊したカードを自分フィールドにセットできる。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の水属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

彼らについては《バハムート・シャーク》および《餅カエル》を参照してほしいが、《レア・フィッシュ》は、「レベル4・水属性・魚族」という要素が《バハムート・シャーク》の素材として最適であった。
そしてその相棒と言える存在である《餅カエル》の登場によって、相棒を特殊召喚するための《バハムート・シャーク》の素材として価値がより一層上がる。
このカードは、《簡易融合》で召喚できる水属性レベル4モンスターの片割れとして採用されるようになった(なお、もう片割れは例のカップ麺旧神である)。


バハシャ餅の弱体化、ライバルの登場

しかし、第10期にルールはかの悪名高い新マスタールールへ移行
多くのEXデッキのモンスターが弱体化し、《バハムート・シャーク》と《餅カエル》も例外ではなかった。
これによって《レア・フィッシュ》の価値は再び落ちてしまい、さらに種族は違えど属性・レベルが同じのライバルが現れた。

沼地のドロゴン
融合・効果モンスター
星4/水属性/幻竜族/攻1900/守1600
同じ属性で種族が異なるモンスター×2
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手はこのカード及びこのカードと同じ属性を持つフィールドのモンスターを効果の対象にできない。
(2):1ターンに1度、属性を1つ宣言して発動できる。
このカードはターン終了時まで宣言した属性になる。
この効果は相手ターンでも発動できる。

《沼地のドロゴン》は《レア・フィッシュ》とは違って効果持ちであり、《レア・フィッシュ》の価値はさらに落ちてしまった。


《簡素融合》、そしてさよなら《餅カエル》

だが、第11期でルールは変わり、《バハムート・シャーク》は力を取り戻し、その後、《簡易融合》の相互互換と言うべき《簡素融合》が登場。
効果モンスターである《沼地のドロゴン》はこのカードで融合召喚することはできないが、効果モンスター以外のモンスターである《レア・フィッシュ》は融合召喚することができる。
勿論、《バハムート・シャーク》と《餅カエル》は健在であり、《簡素融合》の登場によって《レア・フィッシュ》は三度、評価が上がった。

しかし、悲劇が起きる。
《バハムート・シャーク》の相棒である《餅カエル》が(コイツのせいで)禁止カード化。
《バハムート・シャーク》の弱体化と同時に、《レア・フィッシュ》もまたこれで何度目かと思えるくらい評価が落ちてしまった。


【現在の活用法】

上記の通り《レア・フィッシュ》は、最初は使えないモンスターとして登場し、その後、相性の良いカードの登場や禁止化などによって評価が上がったり下がったりしていた。
では、現在はどうなのかというと、「《簡易融合》または《簡素融合》で特殊召喚」を前提として、以下の活用法がある。
  • シンクロ召喚での活用
魚族でレベル5の《黒き人食い鮫》等との使い分けで、シンクロ召喚のためのレベル調整に使える。
例えば、《竜宮の白タウナギ》とのシンクロ召喚で《白闘気白鯨》を出したりなど。
  • エクシーズ召喚での活用
上記の《バハムート・シャーク》だけでなく、色々なランク4のエクシーズモンスターの特殊召喚に使える。
それだけでなく、本カードは魚族ゆえに《エクシーズ・リモーラ》や《ダブルフィン・シャーク》の貴重な蘇生対象となる。
《バハムート・シャーク》自体が禁止されたり、利用価値が見出せないほど弱体化したわけではないため、このカードもまだ健在である。
  • リンク召喚での活用
水属性モンスター2体を素材とする《マスター・ボーイ》などのリンク召喚に使える。
  • その他
魚族として、フィールド上のカード1枚を破壊し、カードを1枚ドローする《フィッシャーチャージ》のリリース要員になったりなどできる。

本カードを正規融合するには?

ここまで《レア・フィッシュ》のことを書いてきたが、見ての通り今に至って「全く正規融合で特殊召喚されていない」。
では、《レア・フィッシュ》を「《簡易融合》《簡素融合》無しで正規で融合召喚する」にはどうすればいいのか。
方法としては、
  • 普通に融合カードを2枚使う
第1期の公式ルールは既に廃止され、魔法・罠カードを1ターンに何枚も出すことができるため、普通に融合カードを2枚使って融合召喚する。
しかし、《プチテンシ》と《スリーピィ》(《フュージョニスト》の融合素材)、《恍惚の人魚》、そして融合カード2枚の計5枚が必要となる。
デュエル開始時の先攻1ターン目の手札枚数は5枚なので…。
  • 《フュージョン・ゲート》
融合素材モンスターは除外されるが、手札・フィールドのモンスター3体とこのカード1枚だけで融合召喚することができる。
《プチテンシ》と《スリーピィ》を除外して《フュージョニスト》を融合召喚し、続けて《フュージョニスト》と《恍惚の人魚》を除外して《レア・フィッシュ》を融合召喚する。
デッキ融合の代表。ただし、融合召喚にはタイムラグがある。
《プチテンシ》と《スリーピィ》をデッキから墓地へ送り、《フュージョニスト》を融合召喚。
その後、《フュージョニスト》と《恍惚の人魚》を融合カードで融合させて《レア・フィッシュ》を融合召喚する。

とまあ、ご覧のように現代ですら結構な手間がかかるうえに、もちろん実用性は微塵も無い。


【余談】

ゲームボーイ作品では、通常召喚可能な通常モンスターとして登場している。
なぜ、OCG化にあたり融合モンスターにしたのだろうか。
そのようなモンスターは他にも沢山存在する*4からまだいいとして、まさか融合素材に融合モンスターを用いることになるとは…。



追記・修正は、《レア・フィッシュ》を正規融合してからお願いします。

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最終更新:2023年03月12日 22:54

*1 遊戯王OCGの一番最初のルール。「生け贄召喚(アドバンス召喚)の概念がなく、レベル5以上のモンスターを生け贄(リリース)無しで召喚できる」「魔法・罠カードは、それぞれ1ターンに1枚しか手札から出すことができない」等、現在のルールとは大きく異なる点が多い。

*2 現在のEXデッキ

*3 攻撃力を気にしないのであれば、《マブラス》や《カオス・ウィザード》でも可能。

*4 《フュージョニスト》の他、《カイザー・ドラゴン》《炎の騎士 キラー》など