邪団法人ステマ乙

登録日:2023/12/09 Sat 16:16:27
更新日:2024/07/21 Sun 20:55:08
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「邪団法人ステマ乙」とは、スーパー戦隊シリーズ第37作……ではなく、その番外作品『非公認戦隊アキバレンジャー』に登場する悪の勢力である。



【概要】

萌え文化に染まった秋葉原を侵略し、自分達好みのハードな文化が浸透した場所に作り変えようとする悪の秘密結社。
当初は非公認戦隊アキバレンジャー一行の妄想の産物……つまり実在しない架空の集団と思われていたが、その実態はドクターZこと都築丈博がモエシニスキー粒子を利用し、自ら描いたキャラクター達を実体化させる事で生み出した勢力である。
純粋な人間であるドクターZ以外は、根城である妄想世界「デリュージョンワールド」から自力で出る事ができないため、
人間界に進出するべく人並み外れた妄想力を持つアキバレンジャーを利用し、第9話にてアキバレッド/赤木信夫の妄想力で現実世界と妄想世界の壁が壊された事を利用し、現実世界に本格的に進出する。

「法人」の名の通りれっきとした会社であり、幹部陣はもちろん、怪人や戦闘員にまで役職が割り振られており、特に幹部は初登場時には決まって名刺を投げ渡して自己紹介するのがお約束である。
終盤まで詳細な事実が描かれなかったため不明な点は多いものの、組織風土ならぬ社風はドクターZの独断で簡単にリストラが敢行されてしまう、典型的なブラック企業である模様。
ただし、社員同士の仲に関してはそこまで悪くもなく、特にマルシーナは係長と馬鹿騒ぎしながらおかしな作戦を行う事も多かった。

だが、劇中世界の創造主こと八手三郎のテコ入れによってドクターZが暴走した結果、「デリュ―ジョン帝国」に改名が起こった挙句、
遠い銀河の彼方に本星が存在し、秋葉原どころか地球そのものの征服に乗り出すなど組織そのものが迷走していき、最終的には再びステマ乙に戻ってしまうという、紆余曲折を辿ることになった。
結局そのまま番組が打ち切りになってしまい、アキバレンジャーとの決着を付けることなく物語からフェードアウトした。


【構成員】

首領

  • ドクターZ/都築丈博

貴様はもう私の娘ではない!

貴様が『ズキューーン葵』の主演声優を射止めた瞬間からなぁ……!

演:矢尾一樹

代表取締役。信夫には「ドクター」と間違えられた。
その正体は葉加瀬博世の実の父親。
白いスーツに黒いマント姿で、左腕と顔の左半分が機械のようになっているが、実際に改造しているのか単に被せているだけなのかは不明。
元々は天才的な頭脳を持った科学者であり、飛び級を繰り返した末に24歳で超一流大学教授になるような順風満帆な人生を歩んできたが、ある時かつて抱いていたアニメーターへの夢が再燃。
研究職を辞めた上に博世の母に当たる妻と離婚した末にアニメ業界に入るも、露出プレイや触手責めといったハードめの性癖を持ち、しかもそのスタンスを曲げようとしなかったせいで鳴かず飛ばずの期間が長引き、
やっとの思いで大人気深夜アニメ『にじよめ学園ズキューーン葵』のキャラクターデザイン原案に抜擢されるも、方向性が作風と合わないということで製作スタッフと揉めた末に降板。
博世の養育費を賄うべく再び科学者に戻ったが、その研究の最中に人の妄想を実体化させる力を持ったモエシニスキー粒子や、それが充満する平行世界を発見した事に加えて、
『ズキューーン葵』のキャラクターが自分の描いたものをそのままに他者名義で描かれたという事にされたため、自分のアイデアを認めなかった人々や、その土壌を作った秋葉原そのものを憎み、復讐のためにステマ乙を創設。

その一方で博世にモエモエズキューーンを送りアキバレンジャーを結成させるように仕向けた、本作における元凶である。
本格的に現実世界に進出して以降は八手三郎の介入によって冷酷な性格に変化した結果、声優である実の娘から声を奪おうとしたり、
まだ登場していない係長全員を問答無用でリストラするなどの凶行に走るようになり、しまいには新組織となるデリュ―ジョン帝国の建国を宣言して地球そのものの征服を狙うようになってしまう。
テコ入れを望まないアキバレンジャーの奮闘によって最終的には改心し、今までの悪行を反省して娘とよりを戻そうとするのだが……

演じる矢尾氏は公認戦隊である『忍者戦隊カクレンジャー』のニンジャマン/サムライマンを始め、数々の公認戦隊に出演してきた常連声優である。


幹部

  • 専務取締役 デリューナイト

黙って大人しく聞いてやったが、何が「嵐山長官推し」だ?

そもそも誰だそれは?


西洋甲冑とロボットを掛け合わせたかのようなスタイリッシュな姿をしており、ハッキリ言ってパロディ作品のキャラとは思えないレベルでかっこいい。
常に冷静沈着だが、アキバレンジャーと同じくメタ発言をかましたり、上記のようにアキバレッドの名乗りにツッコミを入れるなど、やはり今作のキャラらしくコメディタッチなシーンも少なくない。
当初はドクターZに忠実ながらもアキバレッドとの戦いに己を見出す正統派ライバル枠だったのだが、彼もまた八手三郎の介入によってキャラが迷走し、
唐突にドクターZを裏切ってデリュ―ジョン帝国を乗っ取ろうとしたかと思えば、何事もなかったかのように彼の手の内に収まって大暴れするようになる。
一方、幹部怪人だけあって戦闘能力そのものは高く、初戦闘ではアキバレンジャー総出でも一切寄せ付けない強さを発揮した。
武器は機械的なモールドが入った長剣で、青い斬撃を放つ必殺技「デリュージョンミラージュ」はダイソレタキャノンファイヤーを相殺する威力を誇る上、連射も可能という破格の性能を誇る。

演じる平田氏は公認戦隊である『海賊戦隊ゴーカイジャー』にて、炎神マッハルコンを演じた前歴がある。

  • 再開発部長 マルシーナ

もう勝ったも同然ね!
それじゃあ、任せたわよ?シブヤ……アブラムシ!

演:穂花

組織の女幹部。
露出度の高い黒い軍服に身を包み、スタイルも抜群。その姿は信夫曰く理想の幹部らしい。
終盤になってドクターZやデリューナイトが登場するまでは唯一の幹部であり、係長と共に妄想世界で様々な悪事を働いてきた。
敵も味方もイロモノ揃いの本作では数少ない常識人枠であり、ステマ乙が現実世界に侵攻できるようにあらゆる手を使ってアキバレンジャーを利用して翻弄してきたが、
ドクターZが表舞台に出てきた後は愛想を尽かされたのか一気に冷遇されていき、意気消沈する中で信夫と改めて鉢合わせて「番組外現実」の介入に気付き、自分達の運命を変えるべく彼と共闘する。
戦闘シーンは殆どなかったが、幹部怪人らしくマシンガン程度ならば致命傷を負わない頑丈さを持つ。


係長

本作における「今週の怪人」枠。
名前の由来は「東京の地名+モチーフになった生き物の名前」で統一されているが、そのモチーフになって生き物がマニアックな物ばかりなこともあって名前がいちいち長く、時にはマルシーナさえ全部言えない場合すらある。
戦隊の怪人と言えば巨大化……なのだが、番組そのものが低予算なのもあって彼らには巨大化する力もそのための外的要因も持っていない。
組織がデリュ―ジョン帝国に改名した際には、機械的な外見の「モウソボーグ」が代わりに登場したが、打ち切り間際だったこともあって2回限りで終わった。


戦闘員

  • 平社員 シャチーク
「ノルマ」「ザンギョウ」という鳴き声を発し、戦闘以外にもマルシーナの付き人までこなす。
のっぺらぼうの白い顔に黒縁眼鏡とサラリーマン的なスーツ姿が特徴だが、係長の個性に合わせた服装で出てくる事も。
マルシーナを差し置いてS.H.Figuarts化された。


巨大戦力

  • ブーメランタイタン
デリュ―ジョン帝国……もといステマ乙が保有する唯一の巨大戦力。
組織の技術の粋を集めて作られた最終兵器で、公認様にもたまに出てくる「最初から巨大な怪人」枠に当たる。
仏像のように黄金に輝く姿を持ち、体中に装備したブーメランを飛ばして攻撃する他、下半身を変形させて飛行することもできる。
デリューナイトに操られ、唐突に巨大化したイタッシャーロボを相手に決戦を繰り広げるが……?


追記・修正は、理想のアニメを作ってからお願いします。

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最終更新:2024年07月21日 20:55