登録日:2024/01/03 Mon 15:50:00
更新日:2025/07/14 Mon 03:44:01
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<概要>
白人男性。髪の色は黒。瞳の色は青。1992年生まれ。
超常的な力を持つ物体「パワーオブジェクト」に接触し、その力を得た超能力者「パラユーティリタリアン」の1人。
その中でも非常に強力な力を持っている。
アメリカ政府の機密機関「連邦
操作
局(FBC)」からは局長の第一候補6番「
P6
」のコードネームを与えられている。
<人物像>
作中ではヒスに汚染されたり17年間もFBCに収容されストレスを溜めている状態であるため、本来どのような人間だったのかはあまり描かれない。
しかし幼少期は姉としょっちゅう遊んでいたことやいじめられっこを遊びに誘ったりしているため普通の心優しい少年だったと思われる。
<経歴>
・オーディナリーAWE(AWE-24)
2002年8月30日、当時10歳だったディランは姉ジェシーと共に地元
ワシントン州オーディナリー
のゴミ集積所で遊んでいたところで
OOP15-UE/スライドプロジェクター
を発見し、プロジェクターで写し出した映像が異次元空間の入り口になっていることに気付いた。
複数存在したスライドの内、人形がたくさん置かれた異次元空間『ハウス』を姉弟の秘密基地にしていた。
その後、姉弟はいじめられっこの友人ニール・ホーゼンバーグを誘ってゴミ集積所へ連れ出したが、ニールは
マリファナが大量に生えた世界
に繋がるスライド『牧草地』に夢中になり、頻繁にそこを訪れる様になってしまった。
それが仇となり、ニールを虐めていたトム・バーロウ、ヒューゴ、フレドリック・バートウェルらにスライドプロジェクターの存在を知られ、奪われてしまった。
その後、フェイデン姉弟は数学教師のチェスター先生と共にトム達を追跡し、スレッドヒル洞窟をアジトにしていることを突き止めるが時既に遅し。
トム達はコンクリートで構成された倉庫やシェルターの様な世界『寺院』のスライドを再生しており、その世界の中で、
母ならざる者
という
超常現象生命体からミルクを与えられ、
汚い猿
と呼ばれる怪物に変貌していた。
チェスター先生は彼らを説得しようと試みるも、直ぐに足を折られ頭を割られ殺害されてしまった。
大人達は異変に気付いて警察に通報し、トム達は警察に連行されていった。
そして次の日、
オーディナリーの全ての大人が消失した。
全てはスライドプロジェクターが引き起こしたことだと悟ったフェイデン姉弟は町の子供達を率いて『寺院』の中に入り「汚い猿」達を追跡してスライドプロジェクターを奪還して逃亡するが、それに気付いた汚い猿達に追われ追い詰められてしまう。
ディランが転んで膝を痛めてしまい、絶体絶命かと思われたその時、
犬の怪物になってしまったニール
が駆けつけ汚い猿達を足止めしたことで助かったのだった。
ジェシーはプロジェクターを切ろうとしたが出来なかったため、『手』と呼ばれるスライドに切り替え、ディランと共にその世界へ避難した。
そこにいた超常現象生命体
「EID-19929(通称:ポラリス)」
はジェシーに憑依して超自然的な力を与え、プロジェクターの切り方を教えた。
ジェシーがプロジェクターを切ると汚い猿達や母ならざる者は消滅した。
全てが終わったあと、ジェシーは『手』以外の全てのスライドを燃やした。
9月14日、当時のFBC局長
ザカライア・トレンチと
キャスパー・ダーリング博士に先導されたレンジャー部隊によってジェシーやスライドプロジェクターもろとも発見されるもジェシーは逃亡。
ディランだけが収容されることとなった。
・オールデスト・ハウスへの収容
ディランはFBC本部オールデスト・ハウスに収容された。
そこでの調査により、ディランはパワーオブジェクトとの接触によりその力が結合され、強力なパラユーティリタリアンになっていたことが判明し、局長の第一候補「
P6
」のコードネームが与えられ教育を受けることになる。
はじめの内はFBCに協力的であり『スレッショルド・キッズ』を観てFBCの業務について学んだりしていたが、何年もFBCによる収容下に置かれ孤独やプライバシーの無い環境にストレスを感じる内に
姉やポラリスに見捨てられた
という思いが強くなっていった。
ポラリスを介してジェシーからのテレパシーを度々受け取っていたが、見捨てられたという思いから拒絶していた。
これらの要因から精神が不安定になっていったことで力を制御出来なくなり、
FBC職員のロバーツを誤って殺してしまう。
この事件を機に局長候補から外されてしまい、待遇が悪くなったことで反抗的になり更に何人かのFBC職員を殺害したため、変貌アイテムを収容するパノプティコンの「P6独房」と呼ばれる専用の収容装置に幽閉されてしまう。
・ヒスと共存
2019年10月29日アラン・ウェイクの原稿によりオールデスト・ハウスで変貌世界事象が引き起こされる。
これにより、
ザカライア・トレンチが
ヒスをオールデスト・ハウス内に呼び込んでしまった。
ディランは侵入してきたヒスと交渉して自らヒスを受け入れ、
自我を保った最強のヒス生物
となり
収容装置を破壊
。自由の身となった。
<ヒスにより腐敗したディラン>
ヒス生物となったディランは他のヒス生物とは異なり
人間の姿を完全に保っており、理性や本人の自我も維持しているが、
ヒスの洗脳による思考誘導はされており、「閉じ込められていた自分に手を差しのべてくれた仲間」であるヒスの拡散を目的に行動する。
また、ヒス生物の特徴として
全ての毛髪が抜け落ち、
スキンヘッドになっている。
ヒスの発生源であるスライドプロジェクターと結合していたことが原因か、ヒス生物を統率したりヒスを次元を超えて拡散したりと
引っかき女や
ミスター・スクラッチと同じように
実体を持たない存在であるヒスそのものの顕現であるかの様に振る舞う。
・ヒスにより腐敗したディランの能力
元から強力なパラユーティリタリアンだったが、ヒスと共生を果たしたことでその力は更に強化された。
☆空中浮遊
元からの能力かヒスに汚染されたことで得た能力かは不明。
☆念力
元々相手に触れずに人体をねじ曲げ殺害する程度の力は持っていたが、ヒスに汚染されたことでFBCの収容装置を破壊できるほどの力を得た。
因みに後に
エミル・ハートマンやミスター・スクラッチも同じことをやってのけているため、収容装置の信頼性が危うい。
☆ヒスの拡散
「ヒスの呪文」によってヒスを拡散する。
また、呪文を唱えずとも遠隔で洗脳できるかの様な描写もある。
☆洗脳
ヒスに汚染した相手の精神世界に入り込み
ネチネチとした
精神攻撃を与える。
☆ヒス生物の操作
前述の通り、スライドプロジェクターと結合したためかヒス生物達を遠隔で操って統率したり、任意のエリアに召喚できる。
<ヒス生物としての動向>
・本編以前
ヒスに汚染された職員=ヒス生物たちを率いてオールデスト・ハウスを練り歩き、通信部リーダーのアルベルト・トマッシ、セキュリティリーダーのリン・サルバドールといった重要人物を次々とヒス生物に汚染していく。
サルバドールから奪ったカードキーでオールデスト・ハウス内部を調査する内に自分たち姉弟の資料を発見したり姉がFBCによって監視され続けており、自分に代わり第一候補P7とされていたこと等を知り憤る。
その過程でダーリング博士が開発した「
ヘドロン共鳴体増幅器
」を身に付けた職員はヒスに汚染されないことを知り、彼らを守る力の根源である超常現象生命体
ヘドロン
の抹殺を考える。
ヘドロンとポラリスの導きによりジェシーがオールデスト・ハウスに辿り着き、
色々あって局長に就任した
ことを察知すると、ジェシーにヘドロンの居場所を探させることを思い付き、警戒心を解くために
自らFBCに投降し収容装置に入る。
その後ジェシーを言葉で誘導し、彼女がヘドロンと対面したその時、テレパシーでジェシーの居場所を認識し
遠隔でヒス生物の大群を差し向けヘドロンを攻撃させる
。
ジェシーの奮闘も空しくヘドロンはヒス生物の総攻撃により殺害され、
遂にディランは天下を取る
。
ヘドロン共鳴体増幅器は最早機能せず、ジェシーを含む多数の職員がヒスに汚染され精神支配を受けることとなった。
今や神に等しい力を手に入れたディランだったが、そんな彼の望みは「
姉を下っ端のOLとしてこき使うブラック職場の主になる(という姉に逆らえない小学生の弟の妄想みたいな)世界
」であった……。
ネチネチ、ネチネチ……。
ミスター・スクラッチといい、レメディー作品の超常存在はどいつもこいつも俗物の極みである。
そんなディランの小学生の妄想が具現化した精神世界でブラック職場のOLとして「他の職員達から陰口を言われながらコピー用紙を準備したりコーヒーカップを片付けたり書類を配ったりさせられる」という
ネチネチとした精神攻撃
を受けていたジェシーだったが、ダーリング博士と
アーティ、そしてポラリスの助けを借りて正気を取り戻す。
一方のディランはスライドプロジェクターと接触したことでオールデスト・ハウスの主である超常現象生命体
ボード
がいる異次元空間「アストラル・プレーン」に侵入を果たし、そこにヒスを拡散させ汚染に成功するが、そこに
ボードのバフを受けたジェシー
が到着し、遂に最終決戦となる。
・ラスボス戦
まず、
ディランとの直接対決は無い
。
そもそもジェシーの目的は弟をヒスから救い出すことなのである意味当然である。
ディランはアストラル・プレーンのピラミッドの様な足場の上に浮かんでヒスの呪文を唱え続けているため、そこまで辿り着いてポラリスの力でヒスを浄化しなければならないが、その道中にディランが呼び込んだヒス生物の大群が現れる。3つのエリアのヒス生物を殲滅すると、ようやくディランのいる場所へ通じる足場が現れる。
つまり雑魚ラッシュ
である。
前述の通りこの際ジェシーはボードにより能力が強化されており殆どの敵を一撃で葬れるため、実質的にイベント戦と言える。
しかし本作は(というよりレメディー社作品全般に言えることだが)ボスより雑魚の方が強く、更にラッシュも非常に激しく一度に大量に(しかも四方から)出現してくるため、油断してるとあっさり死ぬことになるので注意が必要。
因みに3つ目のエリアに辿り着くと、ディランがいるピラミッド状の足場が巨大な隔壁に一瞬の内に覆われる。
アストラル・プレーンを汚染したことでこの空間を自由に操れるようにり、自身をジェシー及びポラリスから守るために出現させたと思われる。
3つ目のエリアの敵を殲滅するとディランを守る隔壁が消滅し、ディランの元へ辿り着くとポラリスの力で浄化できる。
<浄化された後の動向>
・『Control』エンディング後
2019年10月29日、ジェシーとポラリスによりヒスを浄化されたディランは昏睡状態となり、収容装置での監視が続けられる。
ヒスが浄化されたことで髭や髪が正常に伸びるようになった。
・『The Foundation』
2019年10月29日、アストラル・プレーンとオールデスト・ハウスを繋ぐ導管の役割を担う「ネイル」と呼ばれる物体が破損し、アストラル・プレーンがオールデスト・ハウスの基盤セクターに流入する事件が発生。
ディランはこの事件に関与しないが、条件を満たすと精神世界でジェシーに未来のビジョンを見せる。
・『レイクハウス』
2023年9月14日、
ミスター・スクラッチ率いる
闇の軍勢がコールドロンレイク・スレッショルドから出現しワシントン州ブライトフォールズ及びウォータリーにて変貌世界事象が引き起こされる。
それと同時に、コールドロンレイク付近に建設されたFBCの研究施設「レイクハウス」も
マーモント博士とマーモント博士が呼び込んだ闇の軍勢に侵略されたため、ブライトフォールズに滞在して活動していたFBC捜査部門のエージェント、
キラン・エステベスが調査することになった。
エステベスはレイクハウスを調査中に「オーシャンビューモーテルとカジノ」を介して
未知の異次元空間
の扉を開き、そこで収容装置に閉じ込められたディランと遭遇する。
ディランは何故か「マーモント博士がAIによって自動生成させた出鱈目な文章」を延々と呟き続けていたが、エステベスがやってきたことに気付くと彼女に対し「ジェシーに伝えてくれ 努力したと」と告げて彼女をレイクハウスに送り返した。
因みにディランと遭遇した時に解除される実績名は「殺人犯と被害者」。
少なくとも姉やポラリスに対する恨みはもう無く、改心したことが伺える。
<余談>
・ディランが言及した「別の世界」
ディランと会話すると彼が見た別の世界のビジョンである「夢」について以下のように語ってくれる。
→「暗い場所」は「dark place」の翻訳であり『Alan Wake』シリーズでは「闇の底/闇の世界」と訳される
異次元空間である
。
また、
「ミスター・ドア」は『Alan Wake Ⅱ』に実際に登場する。
→『
QUANTUM BREAK』には同じく次元や時間を飛び越える
ミスター・ハッチ
というキャラクターが登場する。
フルネームも
Warlin Doorと
Martin Hatchでスペルが酷似しており、本来は同じ俳優が演じる予定であったことを鑑みると、
同一人物である可能性が高い
。
- 『Alan Wake Ⅱ』に登場するティム・ブレーカーも別の世界で別の人生を歩む夢を見ていたことが描写されており、ティムと全く同じ顔と声の主人公が活躍する『QUANTUM BREAK』の内容について言及する場面がある。
これらのことから、RCUに含まれない作品も
アラン・ウェイクの草稿から生まれた別世界
として大まかには含まれているようである。
ディランを演じたショーン・ダリーは『QUANTUM BREAK』にてニック・マスターズを演じている。
また、ジェシーを演じたコートニー・ホープはベス・ワイルダーとして、前述のティムを演じたショーン・アシュモアは主人公の
ジャック・ジョイスとして登場している。
これだけなら単に役者被りに過ぎないのだが、作中で伏線とも取れる『Alan Wake』関連の要素が多数盛り込まれており、更に前述の通り本作に登場するミスター・ハッチとミスター・ドアが同一人物であるかのような描写が『Alan Wake Ⅱ』で為され、極めつけにティムは自分の考えをまとめるホワイトボードに以下の様に記している。
事実:
今までは!俺は常にここに辿り着くのか?出た時には忘れてしまうのか?
宇宙人?ドア?
UFO?多面体
俺が知っている者たちだが、彼らも何かが違う?赤毛の女?
『QUANTUM BREAK』を履修済みならわかると思うが、直接的な表現こそ
大人の事情で避けているものの間違いなく『QUANTUM BREAK』の内容を指しているのである。
ティムはこの「夢」に関して「
別の現実かもしれない
」と述べており、ディランの「夢」に出てきたドアもまた「様々な別の世界が存在する」と語っている。
彼らの言葉を鵜呑みにするなら、
ディランとニックは並行世界の同一人物
と言えるだろう。
<関連キャラクター>
ディランの姉。ディランを探し続けていた。
その身にポラリスを宿しており、ポラリスとヘドロンの導きでオールデスト・ハウスへ辿り着いた。
ヒスと同様にスライドスケープ36に存在していた
超常現象生命体。
詳細は個別項目を参照。
ディランに宿った異世界からの侵略者。
ポラリスやヘドロンとは敵対。
詳しくは個別項目を参照。
前FBC局長。
詳しくは個別項目参照。
FBC前々局長。ディランが現れるまでは歴代最強のパラユーティリタリアンだった。
ディラン同様に力を制御できなくなったため局長を辞任し、オールデスト・ハウスの全ての電力を賄う発電所
ノースムーア・サルコファガス・コンテイナー(NSC)発電所
の生きた動力源となった(発電機の内部のサーモグラフィー画像が写し出されたモニターがある)。
ディランの夢に現れたという多元宇宙を渡り歩くビジネススーツを着た黒人男性の姿をした次元間生命体。
『Quantum Break』に登場したマーティン・ハッチの別宇宙の同位体であることが露骨に示唆されている。
詳しくは個別項目参照。
FBC本部オールデスト・ハウスの
家主
とでも言うべき超常現象生命体。
逆さに浮かぶ、巨大で真っ黒なピラミッドの姿をしており、アストラル・プレーンという異次元空間に存在する。
詳しくは個別項目を参照。
フィンランド人の清掃員の姿をした存在。
詳しくは個別項目参照。
FBC研究リーダー。ディランやスライドスケープ36を研究していた。
詳しくは個別項目参照。
FBC捜査部門エージェント。
ワシントン州ブライトフォールズに滞在してコールドロンレイクを監視していた。
『
Alan Wake Ⅱ』のDLC『レイクハウス』にてディランと遭遇する。
詳しくは個別項目を参照。
追記、修正はヒスに汚染されてブラック労働を楽しんでからお願いします。
- 無関係の記事にSCPのタグ付けるのやめて欲しいです。 -- 名無しさん (2024-02-15 14:02:00)
- ↑controlはSCPの影響を受けた作品なので無関係ではない -- 名無しさん (2024-02-17 09:06:27)
- どうしても「オーディナリーAWE」の部分を簡略化したいのであれば変貌世界事象の「オーディナリーAWE」の欄に移植することを提案します。また、本項目は他項目で「オーディナリーAWE」の詳細のリンク先にもなっているため、そちらの修正もする必要があります -- 名無しさん (2025-07-11 03:39:32)
- オーディナリーAWEを詳細に書きすぎており、読みづらいと判断しました。異世界に関する説明はプロジェクターにもあり、この項目のキャラクターに対してどう影響したのかも分かりませんので。提案したとおりの編集で構いませんので、やってください。 -- 名無しさん (2025-07-11 12:04:38)
- いや簡略化したいと言っているのは貴方なのだからやって下さいではなく、貴方が責任持って移植なりリンク先修正なりやるべきではないでしょうか?そもそも私は現状のままで良いと考えています -- jaja (2025-07-11 12:20:37)
- オーディナリーAWEは複数の超常現象生命体やパワーオブジェクトが絡むので、終始関与し続けたディランの項目で説明するのが都合が良いと判断したため詳細に記述しました。また前述の通り、本項目は他項目での「オーディナリーAWE」の参照項目となっているので詳細な記述が無意味なわけではありません。 -- jaja (2025-07-11 12:41:09)
最終更新:2025年07月14日 03:44