ステラタイプ(ポケモン)

登録日:2024/01/03 Wed 23:32:23
更新日:2025/03/26 Wed 18:36:48
所要時間:約 11 分で読めます






テラパゴスの 影響であろうか。
大空洞内では 地上では 見たことがない
テラスタル現象が 起きている。
すべてのタイプを 宿した テラスタル……
は そのテラスタイプを 仮に
ステラと 呼ぶことにする。




ステラタイプとは、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に登場するシステム・テラスタルにおける特殊なテラスタイプである。


概要


同作のDLC『ゼロの秘宝』後編『藍の円盤』における新要素のひとつであり、その存在は前編配信前のトレーラーで明らかになっていた。
実際にこのタイプについて触れるのは後編のストーリー終盤になってからであり、プレイヤーが本格的に使用できるのもエンディング後となる。

ポケモンのタイプということでフェアリータイプに次ぐ10年ぶり19番目のタイプ…と言いたいところだが、このステラタイプを素の状態で持っているポケモンは一匹たりとも存在せず、テラスタルを使用した時に変化する「テラスタイプ」限定のタイプという特殊な扱い。同様にステラタイプを素の状態で持っている技も存在せず、ステラタイプのテラスタルを使用したときの「テラバースト」「テラクラスター」が一時的に変化するタイプという扱いである。
よって、ステラタイプに関する仕様もテラスタルに強く依存したものとなっており、次回作以降の作品にテラスタルが続投しない限りは本作独自のシステムと言ってもよい。
そのため、ステラタイプの仕様を把握するにはまずはじめにテラスタルの基本的な仕様について理解しなければならない。

作中ではテラパゴスの影響により発現した、全てのタイプの力を宿した特殊なテラスタイプとされており、エリアゼロ深部のゼロの大空洞のみでしか確認されておらず、オーリム博士フトゥー博士によって仮称という形ではあるがこのタイプが「ステラ」と命名されている。

テラスタルジュエルは王冠の上にノーマルフォルムのテラパゴスを模した像が載っており、その周囲を各タイプのアイコンが描かれてある宝石が周っているもの。


詳細な仕様


まずステラタイプの仕様をざっくり説明すると、
  • ステラタイプの技で攻撃する場合はテラスタル状態の相手に効果抜群、それ以外には等倍ダメージ
  • 自身がステラタイプにテラスタルした場合、自身のタイプ相性は元のタイプのものを引き継ぐ
  • 自身がステラタイプにテラスタルした場合、各タイプの技の威力が1回だけ強化される
となる。

…これだけでは分かりづらいので、実際に例を挙げて説明してみよう。

まず、テラスタイプがステラのリザードン(ほのお・ひこうタイプ)がおり、そのリザードンの技構成が以下の通りだったとする。

  • かえんほうしゃ(ほのお)
  • だいもんじ(ほのお)
  • きあいだま(かくとう)
  • おにび(ほのお・変化技)

このリザードンが戦闘中にテラスタルしてステラタイプになったシチュエーションを想定してみることにする。

①防御側のタイプ相性
ステラタイプにテラスタルしても元のリザードンのほのお・ひこう複合を引き継いでいるため、通常時と同じくいわ技が4倍弱点・みずとでんき技は2倍弱点となる。同様にじめん技もリザードンに対して通用しない。
全タイプの力を宿しているといっても、いわタイプのみが弱点になったり、くさ・むしタイプが1/32耐性になったりしない
また、「くさタイプに粉技は無効」のようなタイプによる固有の性質も元タイプのものを受け継ぐ。
この場合、リザードンはまきびし・どくびしやフィールドの効果は受けず、やけども無効となる。


②攻撃側のダメージ補正
  • タイプ一致技の場合
元のタイプと技タイプが一致していた場合、各タイプ最初の1回のみ技威力に2倍の補正がかかる。
リザードンがはじめにタイプ一致の「だいもんじ」(威力110)で攻撃し、技が命中した場合はこのだいもんじの威力に2倍の補正がかかり、実質威力も220となる。
しかしこの次のターンはだいもんじに加えて同じほのおタイプの攻撃技である「かえんほうしゃ」にはこの補正がかからず、通常時と同じ1.5倍のタイプ一致補正がかかる。

  • タイプ不一致技の場合
元のタイプと技タイプが一致してない場合、各タイプ最初の1回のみ技威力に1.2倍の補正がかかる。
タイプ不一致の「きあいだま」(威力120)を相手に命中させた場合は、このきあいだまの威力には1.2倍の補正がかかって実質威力が144になるが、次ターン以降はきあいだまで与えるダメージに何も補正が乗らない。
なお、あくまでタイプごとに判定されるため「ウェザーボール」など状況によってタイプが変わる技はその都度補正が乗る。
同様に「ゆびをふる」や「まねっこ」を使って他の攻撃技を出した場合も、各タイプそれぞれ1回ずつ補正が乗る。


③その他の仕様
この技威力の強化補正は技が外れたり、タイプ相性や特性で無効化された場合は発動しない。また、攻撃技を使う前に変化技を使用してもこの強化補正は保持されたままとなる。
このリザードンの場合なら、だいもんじを外したり、「まもる」や「もらいび」で無効化された場合は2倍補正はそのまま残るほか、だいもんじかえんほうしゃを当てる前に「おにび」を当てた場合でもほのお技の2倍補正はそのまま、といった具合。
ただし、一撃必殺技を含む固定ダメージ技は通常のタイプ一致補正同様に強化の対象外となるが、そのタイプの技は使ったことになってしまう。

また、威力補正が適用される技のアイコンには虹色のエフェクトがかかっており、一度そのタイプの攻撃技が成功すれば虹色のエフェクトは消える。

なお、自身のテラスタイプと一致した威力60以下の技の威力を60に補正するという効果は、ステラタイプにテラスタルした場合は威力補正が乗った時のみ効果がある。

ちなみに、特性「てきおうりょく」持ちのポケモンがステラタイプにテラスタルした場合、初回時を除くタイプ一致技の威力2倍ダメージが適用されなくなり、実質特性なし状態で戦う羽目になるため注意。よって、てきおうりょくとステラテラスタルとの相性はかなり悪い。


「テラバースト」について

テラスタル中は自身のテラスタイプによってタイプが変わる技「テラバースト」だが、ステラタイプにテラスタルしたポケモンが使った場合は以下のような仕様となる。

  • 素の威力が80→100に強化
  • 技タイプが「ステラ」となり、テラスタル状態の相手にのみ2倍ダメージを与え、それ以外には等倍ダメージとなる
  • 使用後は攻撃と特攻ランクが1段階下がる
  • タイプ一致補正は乗らず、単に威力100の技となり、初回の威力強化補正も1.2倍となる

相手がステラ含むどのタイプにテラスタルしようが一律で弱点を突けるため、相手の不意のテラスタルで計算が狂うことが減るが、威力に対して攻撃と特攻が下がるのが痛く、基本的に通常のテラスタルとは違い居座りには向かない。交代技や「しろいハーブ」、「だっしゅつパック」などを上手く利用してこの反動を帳消しにしたいところ。
ただし、特性「あまのじゃく」持ちならステラタイプのテラバーストを使用すれば攻撃と特攻がしっかりと1段階上がるため、技威力の強化補正も帳消しにできる。
それと共に現状このステラテラバーストを一番うまく使いこなせてるあまのじゃく化身ラブトロスが「ステラおばさん」と呼ばれていたり。

なお、テラバーストのエフェクトは無数の宝石を相手に振らせるというものになっている。


テラパゴス独自の仕様

テラスタイプがステラに固定されており、テラスタル時にフォルムチェンジするテラパゴスは他のポケモンにはない独自の仕様が設けられている。
まず、ステラタイプにテラスタルした時は各タイプの技の威力が1回だけ強化されると上述したが、テラスタルしたテラパゴスは何度でもこの補正の恩恵を受けられる。
よって、ノーマル単タイプのテラパゴスなら、ノーマル技の威力は常時2倍、それ以外のタイプ不一致技でも1.2倍の恩恵を受けられるという「てきおうりょく」の上位互換じみた特殊仕様となっている。

また、テラパゴスの専用技である「テラクラスター」にも変化が起こり、通常時はノーマルタイプの特殊技であるが、テラパゴスがテラスタルした場合は「テラバースト」同様にステラタイプに変化し、加えて対象も相手単体から相手全体へと変化する。
注意点として、タイプ一致補正がなくなる故に実質威力も非テラスタル時の180から144に落ちるので、フォルムチェンジ時の特攻種族値上昇分を加味してもノーマル技が等倍で通る敵に対しては火力が多少落ちる点には注意。
それでも、本来なら半減以下に抑えられるいわ・はがね・ゴーストにもテラスタルを切ればこの技ひとつで等倍以上のダメージが通るという驚異の一貫性を実現しているのは強み(ただし相手のテラパゴスの特性「テラスシェル」の効果が発動していれば半減になる)。
しかし、PPは最大でも8と少なく、長期戦に持ち込まれるとガス欠を起こしやすくなるという点には注意されたし。
なお、テラバースト同様テラスタル使用後は使用者の攻撃と特攻の値のどちらが高いかによって物理技か特殊技かが変わってくる。

そして、テラパゴスはフォルムチェンジが関わる特殊なテラスタルを採用しているため、オーガポンと同様に宝食堂でテラスタルのタイプを変更できない事に注意。そのため、弱点となるかくとうタイプを他のポケモンみたいにテラスタルで無理やりスカすというような立ち回りは不可能となる。
また、これらの特殊テラスタルは「へんしん」「かわりもの」「イリュージョン」でコピーすることはできない。


テラレイドバトルにおけるステラタイプ

テラレイドバトルに限り、テラパゴス以外のポケモンでも技威力の強化補正を何度でも受けられるようになる。
しかしステラテラス下では元タイプと一致する技も不一致扱いになる為シールドの破壊速度が一致テラスより大きく劣ってしまう。2倍の強化倍率を差し引いてもこれは厳しい(そもそも2倍というのは一致テラスを切った時の倍率と同じである)。
テラス一致扱いになるのは「テラバースト」のみであり、これを採用しないのであれば攻撃面でステラテラスを切る意味はない。

むしろ注目すべきは攻撃ではなく、防御面での「テラスタル前後でタイプ耐性が変化しない」という点。
例えばテツノカイナならひこう技や「でんじは」への耐性を残したままシールドの破壊力を高められる。従来のかくとうテラスの場合ひこうタイプのポケモンに投げるには不安が残るためそこを補えることは大きい。
サーフゴーもゴースト/はがねの優秀な耐性をそのままに殴っていける。
つまり「複合タイプのポケモンのタイプ相性を活かしたい場合」に採用が視野に入る*1
レイドで有用なポケモンなら上記2体の他にコノヨザルガチグマソウブレイズが該当するほか、大変ピンポイントだがワルビアルも「かちき」「アシストパワー」「でんじは」と厄介な要素を取り揃えるゴチルゼルを完封できる耐性を手放さずに済む。
それでも火力に乏しい問題は解決できないため、「テラバースト」は優先的に採用したい。
「はらだいこ」のおかげで一瞬で積みが完結する上に攻撃低下のデメリットも比較的軽いテツノカイナ及びガチグマと、「おうごんのからだ」で変化技を無効化しつつ悠々と「わるだくみ」「きんぞくおん」を使えるサーフゴーは特に相性がいい。

他に相性がいいのはアルセウス。プレートでタイプを変更しつつ「さばきのつぶて」で弱点を突くことで軽減率をカバーする超広範囲特殊アタッカーとして運用できる。
後はタイプ一致でない技をそれなりの頻度で使用したいポケモンでも採用の余地がある。代表はメインウエポンは「パラボラチャージ」だが、相手の特防を二段階下げる「アシッドボム」と相手の攻撃を一段落下げる「ひやみず」も駆使する必要があるハラバリー
他方、「テラバースト」のデメリットをメリットに変換できる特性「あまのじゃく」勢、特に代表格のラランテスジャローダとはあまり相性がよくなかったりする。
高速の積み及びテラスタルオーブチャージを兼ねる「リーフストーム」と回復技の「ギガドレイン」があるため、ステラテラスでは火力面で及ばない上継戦能力の面でも厳しい。
活かすのであれば「くさ半減」かつ「くさタイプの耐性を活かすことが出来る」相手を見極めたい。

一方でテラパゴスはというと、実質威力144かつデメリットもない「テラクラスター」を特攻種族値130という高ステータスで振り回せ、仕様上どのレイドボスにも弱点を突ける。
だがしかしテラクラスターのPPは最大で8しかなく、能動的に回復できる技が「ねむる」しかないため、持ち物は必然的にかいがらのすずで固定、テラスタルオーブのチャージは別の技で補う、事前に積み技で火力を上げるといった工夫が別途必要となる。
とはいえ、かいがらのすずと特性のコンボによりテラスタル相手の耐久性能はすこぶる高く、一度テラスタルしてしまえば大抵のポケモンはテラクラスターを連発しているだけで安定してダメージを稼ぐことができてしまう。ソロで行う分には自身の安定が第一になることから、比較的時間がかかるとはいえソロレイドでは一考の余地があると言えるだろう。

技威力補正のまとめ

最後に、これまで挙げてきたステラタイプの技威力の補正倍率を通常のテラスタルと共にまとめると以下の表の通りになる。
元タイプ&テラスタイプ共に一致 元タイプかテラスタイプのどちらかが一致 元タイプ&テラスタイプ共に不一致
通常テラスタル 2倍 1.5倍 1倍

タイプ一致技 タイプ不一致技&ステラタイプ技
一般ステラテラスポケモン(初回) 2倍 1.2倍
一般ステラテラスポケモン(2回目以降) 1.5倍 1倍
テラパゴス&レイド時(永続) 2倍 1.2倍


総評

通常のテラスタルが自身のタイプを変更して耐性を変えるというのが良く使われる活用法なのに対し、ステラタイプへのテラスタルは耐性が変化しないのも相まって「自身の攻撃面を強化する」に尽きるのが最大のポイント。
ただ、攻撃面の強化と言っても一部のケースを除いて技の威力の強化は一度しか行われず、瞬間火力に特化したものであるため、通常のテラスタル以上に切り札といった側面が強く、テラバーストの能力低下も相まって居座りに不向きなため、使いどころをよく判断する必要がある。
加えて通常のテラスタルとは違い、タイプ相性を変えて強引に突破するという運用はできないため、従来とはまた違った立ち回りを求められる。
全体を通して玄人向けの戦略といったところだろう。

そのため、元の複合タイプによる耐性が優秀だったり、メイン・サブウェポン共に技範囲が広くかつ共に攻撃面のステータスが高めなポケモンに使うといった運用方法が挙げられる。特に対戦ではメインウェポンの技の通りが良く、サブウェポンのラインナップもそれなりに充実しているハバタクカミが主な使用者として名を挙げている。


ステラタイプへの変更


テラスタイプをステラにするには他タイプ同様宝食堂で「テラピースステラ」を50個消費する必要があるが、肝心のテラピースステラは他のテラピースとは違いレイドでは一切入手できない。
そのため以下の特殊な手段で調達しなければならない。


①野生のテラスタルポケモンを倒す
『藍の円盤』エンディング後にテラリウムドームにて野生のステラタイプのテラスタルポケモンが出現するようになる。このポケモンを倒すか捕まえるかすると戦闘後にテラピースステラが10個手に入る。
各エリアにステラタイプのテラスタルポケモンは3体ずつ出現するため、この方法で1日に得られるテラピースの総量は計120個となる。
1日に2匹以上のペースでテラスタイプをステラに変更するというケースがレアな上、下記の「どうぐプリンター」を回しまくっているなら有り余るほど手に入る為、数がなくて困るという事態にはなりにくいだろう。


②どうぐプリンターで量産する
BPの寄付でリーグ部部室に備え付けられる「どうぐプリンター」を利用する方法。
最大まで改良するとテラピースステラが生成されるようになり、同時に行われる道具の生成量増加も相まって一度に生成される量も10個前後となる。
必ずしもテラピースステラが生成されるわけではなく、大量のポケモンのおとしものとBPを浪費する*2点には注意。ほかに生成されるアイテムも相応に旨味がある為回しまくっても損はしない。

他にも特定の場所にテラスタイプ変更1回分に相当するテラピースステラが50個落ちている。
ただ、フィールド上で手に入れられるテラピースステラはこれだけなので、更に欲しい場合はやはり上記の方法で確保する必要がある。


余談


  • ステラ(Stellar)は英語で「星の、星型の」という意味。また、パルデア地方のモチーフとなったスペイン語圏においては"Astral"となり、こちらも英語及びスペイン語で「星の、星のような」という意味で、漢字では「星幽」とも表記されることもある。*3
    また、バドレックスの専用技である「アストラルビット」にもこの"Astral"という単語があてがわれている。

  • ごく一部の作品でしか登場しないシステムとして、類似したものがポケモンコロシアムポケモンXDに「ダークわざ」というものが登場している。
    ダークわざは技タイプそのものが設定されてないが、ダークポケモンには効果今一つ、それ以外のポケモンには効果抜群となる特殊仕様が設けられており、ステラタイプの「テラスタルポケモンにのみ効果抜群」という仕様を彷彿とさせる。




追記・修正はステラタイプにテラスタルしてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

愚痴や煽り、誹謗中傷等を行った場合、IPの規制等の措置をとらせて頂く場合ありますのでご了承下さい。

+ タグ編集
  • タグ:
  • ポケモン
  • ポケモンSV
  • SV
  • ポケモンタイプ項目
  • テラスタル
  • ステラタイプ
  • 宝石
  • 全属性
  • テラパゴス
  • ゼロの秘宝
  • ステラ
最終更新:2025年03月26日 18:36

*1 活かす手段が殆どないが、あらゆる技の補正が不一致扱いになる都合、元タイプと異なるタイプの技のシールド破壊効率が一致技と比べ大幅に減るデメリットが逆の意味で機能しないという利点もある

*2 どうぐプリンターの最大改良まで2325BPを要するうえに、『藍の円盤』のエンディングを迎えなければならない。

*3 ちなみに中国語圏でのステラタイプの名称は「星晶」となる。