コノヨザル

登録日:2022/12/08 Thu 17:38:43
更新日:2024/02/22 Thu 10:46:10
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怒りのボルテージが臨界点を超えたとき、肉体という枠に縛られないパワーを手に入れた。


心に秘めた怒りのパワーをこぶしに込めて叩きつけると、相手を骨の髄から砕く。



コノヨザル』とは、「ポケットモンスター」シリーズに登場するポケモンの1匹である。


■データ

全国図鑑№979
分類:ふんどざるポケモン
英語名:Annihilape
高さ:1.2m
重さ:56.0kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂50% ♀50%


特性:やるき(ねむり・ねむけ状態にならない。)
せいしんりょく(ひるみ状態にならない。特性いかく無効化する)
隠れ特性:まけんき(敵から能力ランクを下げられたとき、こうげきのランクが2段階上昇する。)

種族値
HP:110
攻撃:115
防御:80
特攻:50
特防:90
素早さ:90

合計:535

努力値:攻撃+3

進化:マンキー→オコリザル(Lv28)→コノヨザル(ふんどのこぶしを20回使用してからレベルアップ)


■概要

ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」にて初登場したポケモン。
初代から登場していたぶたざるポケモンのオコリザルの進化形。
元々対の関係であったニャースがメディアで活躍したりリージョンフォーム分岐進化を得る中、苦節26年にして遂にスポットライトが当たった瞬間である。
オコリザルもサトシの一時手持ちだったけど。

進化した結果体毛は「怒髪天を衝く」かの如く逆立った灰色のボサボサ髪になり、目も真っ赤に充血し、隈までできている。
そして"肉体に縛られないパワー"の通り筋肉も増大したのか腕が太くなった。また左の腕輪は壊れており、右腕の腕輪に至っては壊れてしまったのか無くなっている。

怒り続けた結果、限界を超えたことで肉体に縛られないパワーを獲得し、その拳は相手の骨の髄まで破壊してしまう。
元々オコリザルは怒り過ぎると死んでしまうという設定があったことと、ゴーストタイプが追加されていることから、怒りのまま生ける屍のような存在になってしまったのだろうか……。


■ゲームでのコノヨザル

進化前のマンキーが序盤から野生で出現し、そのままオコリザルから進化させることで入手できる。
その進化方法は新たに覚えた新技「ふんどのこぶし」を20回使用してからレベルアップすること。この手法はヒスイ地方で進化する一部のポケモンと共通する。
なお、当たらなくてもカウントされるため、ノーマルタイプ相手にひたすら空振りし続けるのが手っ取り早い。

それなりの攻撃力の高さと素早さにタイプの通りの良さからストーリーは勿論、後述のテラレイドバトルでも活躍できる。
シナリオとしてはスター団かくとう組「チーム・カーフ」のボス、ビワが繰り出し、エースポケモンとして使用する。

追加コンテンツ「碧の仮面」の舞台であるキタカミの里では北の草原エリアに夜のみだがついに野生で出現。
ただし超低確率なので、サンドウィッチの効果を出さないといけないが…。


■対戦でのコノヨザル

進化した事により特攻と素早さが僅かに下がった以外は軒並み上昇。特にHPが大幅に上昇している。
多少抜けなくなる相手が出てしまったが、種族値自体は無駄が少なくバランスがいい。

タイプはゴーストが追加され、マーシャドー以来となるかくとうとゴーストの複合となった。
これでかくとうタイプの弱点であったエスパーにも対抗でき、この2タイプをどちらも半減以下にできるポケモンはほとんど存在せず、該当するのはノーマル・ゴースト複合のヒスイゾロアークくらいである。*1


特性はオコリザルの「いかりのつぼ」が「せいしんりょく」に変わった。
ひるまず「いかく」も無効にする点は好相性なのだが、そもそも「ねこだまし」無効かつ「いかく」も引き続き所持する「まけんき」でどうにかなるため採用は稀。基本的に残り二つから選ぶべきだろう。

専用技として「ふんどのこぶし」を習得。
威力50ゴースト物理技。そのままでは低威力だが、攻撃を受ける度に威力が50ずつ上昇する。最大値はなんと350
1回攻撃を受けるだけでも威力100と物理ゴースト技ではトップクラスになるので、初期威力の低さのイメージに反して火力期待値は恐ろしく高い。
これだけでも十分強いが、更に恐ろしいのがたとえ交代したり瀕死になっても威力は上昇したままなので、「さいきのいのり」等で復活できれば高火力を維持したまま再起できる。
欠点はゴースト故にノーマルで無効化されることか。むしろだからこそ許されたと言うべきか。一貫性高い?言うな
シングルでは長期戦に持ち込むことで、ダブルではそれに加え相方に「ふくろだたき」等の連続技を撃ってもらうことで強化が見込める。
攻撃を何度も受けたり倒されたりするテラレイドバトルではとりわけ猛威を振るう。

勿論、かくとう技に関しては一通り習得できる。
ゴースト技に関しては「シャドーパンチ」「ゴーストダイブ」も一応習得可能だが、「ふんどのこぶし」が強力無比なので不要だろう。
そして何よりオコリザルの豊富なサブウェポンはそのまま健在であり、3色パンチに「ストーンエッジ」「いわなだれ」「がんせきふうじ」「ダストシュート」「じしん」「タネばくだん」「とんぼがえり」とより取り見取り。
加えてHP110でありながら「いのちがけ」まで覚えてしまう。HPに全振りしていればあのカバルドンですら一撃で吹き飛ばす。
反面先制技はDLCからの「しんくうは」のみなのがやや難点。

積み技は「ビルドアップ」程度だが、「ドレインパンチ」「ふんどのこぶし」との噛み合いが非常に良い。
補助技は「ステルスロック」「ちょうはつ」「アンコール」と、数は少ないながらも粒揃い。
ちなみに「のろい」も覚えるが、ゴーストタイプなので当然「呪い」になる。積めません。テラスタイプを変えれば積めるが、そもそも「ビルドアップ」がある上に素早さもそれなりに高いコノヨザルにはあまり魅力ある技ではないだろう。ゴーストタイプながら「おにび」を覚えないのも惜しい。

テラスタイプは物理アタッカーの天敵である火傷を防ぐほのお、弱点のフェアリータイプを半減できるはがねどく、シャドーボールなど強力なゴースト特殊技をスカせるノーマルなど。
元々火力はいくらでも引き出せる為、耐久面を意識した採用が基本。

特に多い型はビルドレイン+「ふんどのこぶし」型。
積みつつ被弾回数を増やして「ふんどのこぶし」の威力を引き上げ、消耗したら「ドレインパンチ」で相手のHPをおいしくいただくと言う戦い方は単純ながら強力。コノヨザルのスペックをフルに活かした型と言える。
4枠目は「ちょうはつ」の事が多く、対受けループメタを意識した構築が主。実際受けループからしたら速い上に高耐久で、しかも殴ってしまうと圧力が増すコノヨザルの「ちょうはつ」はかなりの殺し技であり、対策できなければ間違いなく相手にならない。
この型の弱点は自分より素早い特殊アタッカーや「ちょうはつ」が使える物理受けポケモン。前者はゲンガーやハバタクカミ、後者はファイアロー等が該当する。
特に型によってはコノヨザルが逆立ちしても抜けない素早さを持ち、かつ非常に高火力な攻撃ができるハバタクカミ、テツノツツミが解禁され猛威を奮ったレギュレーションB以降の環境では、やや環境的な立ち位置は逆境となりつつある。

他には先述の通りHP110からの「いのちがけ」持ちである為、「こだわりスカーフ」を持たせてぶっぱなす型も少なからず存在する。
かなり広範囲なポケモンを1体確実に持って行ける為、自分のパーティにとって不利なポケモンを強引に潰して行けるのは魅力的。

数多くの変化技も取得するので、「ステルスロック」で相手のサイクルに負荷をかけながらこちらは蜻蛉返りでサイクルを自在に回す型、「でんきだま」を「なげつける」事ででんきタイプ以外の相手を麻痺させて足を止める型、「アンコール」で相手の戦術に縛りを入れる型、それらを諸々複合させて複数の役割を持つ型等、極めてバラエティに富んだ型を持つのもこのポケモンのアピールポイントである。

ランクバトルでは攻撃面で優秀な複合・唯一無二の性能「ふんどのこぶし」・アタッカーや起点作りなどと色々と役割ができるため安定した活躍をしており、パラドックスや四災解禁後でも大きく落ちることなく対戦で愛用されている。
一方でシリーズDではランドロスやサンダー等の受けが強いひこうタイプ、攻めに寄ったかくとうタイプであるウーラオスとの枠争いもあって相応に数を減らしている。
それでも前述した型の多さで器用に環境に適用しながら生きており、今後も対策を怠れないポケモンである事に違いは無い。もしかしたらその最大の特徴は、技の豊富さとそれを十全に使いこなせるだけの器用な種族値配分なのかもしれない。

ちなみにコノヨザル登場でオコリザルが「しんかのきせき」の対象になったが、
ぶっちゃけ輝石オコリザルの耐久はコノヨザルより低い為、よっぽど「いかりのつぼ」を活かしたい時以外はまず出番はない。まあ格闘でいかりのつぼといえば同期リージョンフォームを獲得したりもしているが…。


テラレイドバトルでのコノヨザル

マリルリやテツノカイナと比べると瞬発的な火力はないが、一致技の通りの良さからレイド攻略の汎用アタッカーとして有力なポケモンの一角。
ルール上「ふんどのこぶし」の威力が上げやすく、「ビルドアップ」「いやなおと」で更に火力を上げれば高レベルのポケモンでも簡単に沈められる。
特性の「やるき」「せいしんりょく」「まけんき」を上手く合わせれば相手の変化技を一部無視できる上、「ちょうはつ」も覚えるので相手の変化技使用の阻止も可能。
地味に「あまごい」「にほんばれ」も覚えるので、天候を活かしたバフ&デバフをかけるサポートもこなせる。

しかし、コノヨザルがテラレイドバトルで敵として出現した場合は凄まじい脅威となる。

技構成は星6が「シャドークロー/インファイト/ダメおし/きあいだめ」+特殊行動に「ビルドアップ/ふんどのこぶし」。HPはテラレイドバトルの仕様で通常の25倍ほど。
まず一致技の等倍範囲が凄まじく、両方を半減以下で受けられるのは上記の通りヒスイゾロアークのみだが、ちゃっかり搭載している悪技のダメおしで弱点を突かれてしまう。
更に長期戦で脅威となる「きあいだめ」を備えており、特に「シャドークロー」が確定急所になってしまうためバフデバフも効かずまともに受けきるのは困難。
体力減少時の特殊行動に2回の「ビルドアップ」があることも含め、早めに「ちょうはつ」で封じておかないと手がつけられなくなる。シールドを張られたら変化技は弾かれるので泣くしかない。
制限時間が残り少なくなると特殊行動で「ふんどのこぶし」も放ってくる。一度だけだがこの時点で威力が最大になっていることは言うまでもない。
加えて星6では隠れ特性の「まけんき」で固定。このためソロは味方NPCのケンタロスなどに「いかく」を投げられ暴走するため詰みかねない。
そしてテラレイドバトルである以上相手はテラスタル化しており、一致テラスタルでダメージを上げられたり弱点を突きづらいタイプになっていれば更に高難易度化。

このようにテラレイドの中でも頭ひとつ以上図抜けた難易度になっており、攻略は至難を極める。仲間を集めて腰を据えて攻略するべし。
ソロクリアを狙うなら、確定急所を阻止できるシェルアーマー持ちでコノヨザルに弱点を突かれない隠れ特性コータスがオススメ。
隠れ特性個体の入手は楽ではないが、コータスは星4の中難易度レイドでも出現するため探してみるのも一興。
また特性無効化と一致高威力ドレイン技を兼ね備えるポケモンでも勝ちの目がある。
全技を等倍以下に抑え込めるゴーゴートやワナイダーなら運が絡むものの全タイプを突破可能*2
碧の仮面配信後において最有力候補とされているのがドダイトス
隠れ特性「シェルアーマー」で「きあいだめ」を無視し、「なやみのタネ」で「まけんき」を書き消し、「ギガドレイン」で攻撃と回復をこなすと、上記3体のいいとこ取りをしたような性能を持つ。
加えて「インファイト」も余裕をもって受けることが出来る*3耐久と彼らが持たないデバフ技「くすぐる」も備えたまさに最適解。
現状SV単体で入手するにはDLCが必要で隠れ特性の確保も骨が折れるが、用意する価値は十分にある。


ポケモンGOでのコノヨザル

2024年1月より、オコリザルからの進化が可能となった。
進化条件は、アメ100個+オコリザルを相棒にした状態でエスパーまたはゴーストタイプのポケモンを30匹倒すこと。
この2タイプはゴースト技が効果抜群となるタイプなので、本編における「ふんどのこぶし」の回数条件の再現だろう。
条件を満たすには、フレンドに八百長試合を頼むのが最も手っ取り早いが、
ソロならばエスパー・ゴースト使いのGOロケット団戦で、2匹倒して撤退を15回繰り返すと比較的ラク*4
なお、この手の条件の例に漏れず、必ずしもオコリザルをバトルに出して撃破させる必要はない。

本作のオコリザルはかなり不遇な立ち位置にあったが、進化により種族値が大幅強化されたことで、一気に一線級の性能へと躍り出た。
現状では唯一無二のかくとう・ゴーストというタイプを持つのもポイント。
ノーマルアタックにゴースト技は持たないので基本的にはかくとうアタッカーとして運用することになるが、
スペシャルアタックには「シャドーボール」を持つので、安易なゴースト受けを許さない。
耐久も非常に高く、相性補完に優秀な「れいとうパンチ」まで覚えるため、ジム防衛における攻守共に非常に優秀なポケモンとして評価を得ている。

しかし、かくとうスペシャルアタックが低威力の「ローキック」か、
ゲージ蓄積が遅くトレーナー戦だと防御ダウン効果もある「インファイト」の2択であり、取り回しには少々難を抱えている。
進化前から「クロスチョップ」を引き継いでくれていれば、
トレーナー戦では「カウンター」と併せて怒涛のスペシャルアタック連打が可能だったのだが……。

ただその欠点がほとんど気にならないほどにトレーナー戦では猛威を振るっており、
高性能技「カウンター」を一致で使いつつ相手の「カウンター」のダメージを大幅減させることができるという利点や、
先述の「れいとうパンチ」や「シャドーボール」といった技範囲の異常な広さによる止まりにくさから、
特にスーパーリーグにおけるかくとうタイプの中では非常に高い使用率を誇っている。
かくとうタイプでありながらゴーストタイプで簡単に止まらないのも魅力だが、直接タイマン勝負に持ち込まれると少々厳しい。

■余談

名前の由来は「この世+猿」もしくは「この世を去る」、「この世ならざる」だと思われる。いずれにせよ豚要素はなくなったようだ



追記・修正はふんどのこぶしを20回使用してからしてからお願いします。

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最終更新:2024年02月22日 10:46

*1 特性やテラスタル込みならきよめのしおのキョジオーンをひこうやフェアリーにテラスタルさせれば実現可能

*2 メトロノームを持たせ「なやみのタネ/いえき」で「まけんき」を打ち消した後に「ギガドレイン/きゅうけつ」で攻める。もちろん「いかく」持ちがNPCに混ざったらリセット。

*3 これによってコノヨザルの耐久も下がっていくため一石二鳥

*4 3匹倒すと逃げてしまうが、この手法なら撃破数を保持しつつ勝つまで挑戦し続けられるため。