アーノルド・ノイマン

登録日:2024/02/18 Sun 00:55:30
更新日:2025/04/15 Tue 15:59:56
所要時間:約 16 分で読めます




機関、定格起動中。
コンジット及びFCSオンライン。パワーフロー正常。主動力コンタクト。システムオールグリーン。
アークエンジェル全システムオンライン。
発進準備完了。






アーノルド・ノイマンとは、『機動戦士ガンダムSEED』及びその続編の登場人物。
CV:千葉一伸


人種:ナチュラル
生年月日:C.E.46年6月9日
年齢:25歳(『SEED』時)→27歳(『SEED DESTINY』時)→28歳(『SEED FREEDOM』時)
性別:男
身長:175cm
体重:55kg
星座:ふたご座
所属:地球連合軍(大西洋連邦軍)→アークエンジェル→三隻同盟→民間人→アークエンジェル→オーブ軍→コンパス
階級:地球連合軍曹長→少尉(地球降下後)→オーブ軍三尉→一尉→コンパス大尉



【概要】

『SEED』第1話から登場している主人公チームの母艦、アークエンジェルの操舵手。
坊ちゃん狩りの黒髪に中肉中背というまさにどこにでも居そうな見た目で、別段目立った特徴も装身具も無い。
同じアークエンジェルの他のブリッジ要員たちと比べても、言ってしまえば見た目は特に没個性的。
代わりに他の正規クルー組の中では出番が多く、比較的キャラも立っている。

本作以前の「母艦のブリッジクルーキャラ」の多くがそうだったように、全く台詞が無い回や出番自体が無い回も珍しくなく、「名有りモブ同然」「地味なキャラ」と言って差し支えないだろう。おそらくライト層には顔や名前すら知られていないと思われる。
しかしある理由からガンダムファンの間ではカルト的な人気と知名度を誇り、とある分野における最強議論の常連……というかほぼ不動の一位、下手をすれば殿堂入り扱いで出禁・除外という支持率を持つ。

中立コロニー「ヘリオポリス」で建造されていた地球連合軍の新造艦アークエンジェルの正規クルーの一人にして、クルーゼ隊の襲撃によりその多くが死亡してしまった中で偶然生き残っていた数少ない者の一人である。この時点の階級は曹長。
時を下るにつれ地球連合軍という組織の(というより大西洋連邦上層部の)腐敗振りと悪辣振りが徐々に明らかになって行くが、彼はそういった後ろ暗い様子を見せる事は無く、一貫して高潔な軍人だった。
なお、曹長とはいえ実は生き延びた(=1話以降の)アークエンジェルの正規クルーとしてはマリュー、ナタルに次いで3番目に階級が高い。因みに年齢はナタルと同い年である。
その為か、序盤は他のマリュー・ナタル・ムウと共に今後の予定について打ち合わせをしたり、
自分より階級が低い者たちやヘリオポリスの学生組を取りまとめる、大人の軍人としての立場から色々説明してやるといった様子も見られる。


【人物】

性格はナタルほど硬過ぎず、ムウやマードックほどラフ過ぎもせずと、比較的温厚・真面目寄り。
  • 交代に遅刻して来たミリアリアやトールを軽く叱責する
  • 銃を一度も撃った事が無いのは軍人として威張れる事ではないと諫める
  • カガリのパイロットとしての腕前に感心する
  • オーブ寄港時には両親に会えるかもと期待する学生組に「入港できた事自体が奇跡みたいなもの(だから難しいだろう)」と現実を示しつつも「会えると良いな」と励ます
など、穏やかではあるが軍人としての真面目さも持ち合わせ、上記の様に学生組の兄貴分的立ち回りを担うなどある意味では一番「優しい軍人さん」らしい人物。
一方で
  • 砂漠への降下直後はドリンクのボトルを空中に置こうとして落とすといった「宇宙船乗りあるある」を披露する
  • 着地地点の地下が空洞だらけと聞いて「陥没して艦ごと埋まらないか」というトールの心配をナタルに「ですよね?」と丸投げする
  • 小説版では上記の質問に対してナタルが無言だったため更に続けて「……ですよね?」と心配そうに付け加える
  • 半ばゲーム感覚で戦闘機のシミュレーションに挑戦しようとするトールに「撃墜されたら飯抜き!」と冗談?を言い渡す
といったコミカルな一面を見せる事も。
第8艦隊の先遣隊を発見した際はチャンドラとハイタッチした上に肩を組みながら「(「まだ相当離れているがもし合流できれば」というパルやトノムラに対して)ああ! やっと少しは安心できるぜ!」と、普段は大人しいノイマンにしては珍しくノリの良い様子を見せている。
ムウとマリューが情熱的なキスをしている場面にばったり出くわしてしまった際は、一緒に居たチャンドラやトノムラと一緒にあんぐり口を開けて赤面するという場面もある。
後述するゲーム版での言動でもそうだが結構純情なのかもしれない。

『SEED DESTINY』以降も続投している数少ないクルーであり、出番は『SEED』よりさらに少なくなっているが、その「存在感」は消え去るどころか磨きが掛かっている。
ノイマンの凄さが劇中で語られる機会は皆無だが、出番の減少と反比例して視聴者からの株は上がり続けるという稀有な男である。


【能力】

存在感自体は極地味な半モブキャラくらいの彼が何故ここまでの注目を集めるのか?
その理由……というか、彼の最大の特徴と注目の理由はその非常に高い操艦技術にある。
元々その予定だったのかは不明だがヘリオポリスのドック内からの脱出というアークエンジェルの初陣以来、かの艦の主操舵手を務め続けており、JOSH-A到着後は他のブリッジクルー達は若干の配置換えがあったもののノイマンは操舵手の座から一度も動く事は無かった。
艦長の操舵指示を淀みなく実行し、時にはその指示さえ無いまま巧みに艦を操るその様は、コズミック・イラはおろか全ガンダムシリーズ中でもトップクラスの操舵手と名高く、
といった呼び声も高い。
これは当初はアークエンジェルが圧倒的に不利な状況に晒されてるのに中々落ちない事への揶揄を含んだ意味合いも強かったのだが、いつの間にかガチ評価に変化して行ったという経緯を辿っている。
時々亜光速で飛来するビーム兵器を見てから回避できるとまで言われる事もあるが、流石にこればかりは演出の都合と二次元の嘘でそう見えているに過ぎないと思われる。

他にも「ノイマンですら避け切れない攻撃」を引き合いに出される事もあるが、実際にはアークエンジェルの被弾率は極端に低い訳ではなく、敵の攻撃が直撃して大きなダメージを受ける場面自体は少なくない。
だが急所への被弾や致命傷はほぼ完璧に回避するため、他の操舵手と比べて群を抜いて凄腕と言われているのがノイマンである。


【劇中の活躍】

【SEED】

第1話から登場しており、ナタルと共に一般人に扮してヘリオポリス内部の工廠に向かっていた。
その後クルーゼ隊の襲撃に遭うも偶然難を逃れ、同じく工廠内で生き延び一人で生存者を探し回っていたナタルと鉄扉を蹴破って合流、救助した。
艦内に移った後にナタルの指示の下、瓦礫と残骸に埋もれたアークエンジェルを僅かな人員で起動させ、前方の瓦礫と隔壁をローエングリンで吹き飛ばして無理矢理発進させた
後に紡がれて行く「ノイマン伝説」の第一歩は、その一歩目にして早くも波乱の幕開けだったのである。
この時点では彼にはまだ「風格」のようなものは備わってはおらず、周りは残骸だらけ、人員はほんの数名、外にはザフト艦という状況で艦を発進させろというナタルの指示を前に弱気な発言をしていた。
しかしナタルの「外を放置してこのまま見過ごす訳には行かない」という頑なな姿勢に彼も腹を括ったのか、いざ発進準備となってからはもう迷いなく進めており、後の片鱗を見せ始めているとも言える。

宇宙要塞アルテミスに囚われていた際は極めて希少なアークエンジェルの操舵主席に座っていないのに張り切っている場面がある。
この時はマリューらアークエンジェルの首脳メンバーが全員囚われていたため艦内食堂に集められていたクルー達の中で最も地位が高い者になっていたという事もあってか、
ガルシアがストライクを奪おうとしている事を見抜き彼に食って掛かったのを皮切りに、ブリッツの襲撃を受け警報が鳴っているにも係わらずクルー達を拘束する武装した兵士達にも丸腰で食って掛かり、遂には煮え切らない態度の兵士達に痺れを切らし兵士達を突破して食堂から飛び出している*1

その後は、「(デブリ帯に)この速度を維持して突っ込んだらこの艦もデブリの仲間入りです」と大幅な回り道で月基地を目指すルートを選択せざるを得ない事をナタルやマリューに説明する、
第8艦隊と合流した際にはマリューに「いいんですかねぇ? メネラオスの横っ面になんか着けて」などと軽口を叩く、
大気圏突入シークエンス中にストライクを拾うために降下軌道を無理矢理ずらすなど、ちょいちょい出番はありつつも目立った活躍は無かった。
バルトフェルド隊との最終決戦ではアークエンジェルの船体が廃工場の残骸に引っ掛かけてしまい、この時ばかりは流石に技術云々でどうする事もできず、ザフトの自殺点で拘束を脱するまで身動きができなくなる一幕も。
なお、ハルバートン提督の計らいによりアークエンジェルクルー全員が1階級ずつ昇格した事に伴い彼も砂漠に降りてからは曹長から少尉に昇進している*2

本格的にノイマンが覚醒を果たし視聴者の注目を集め始めたのはインド洋に於けるモラシム隊との二度目の戦闘である。
武装の配置の関係で下方向への有効な攻撃手段を持たないアークエンジェルは、モラシム隊が繰り出す2機のグーンにされるがままとなってしまい上手く迎撃できなかった。
この状況に業を煮やしたマリューは船体上部に配置されている主砲ゴットフリートを下方向に発射すべく、地球上でありながらアークエンジェルのバレルロール*3*4を命じる。

アークエンジェルは全長420m、現実の世界最大級の大型輸送機と比べても5~6倍近いサイズを誇る巨艦である。これほどの巨体となれば舵もスラスターの制動も相当効きが悪い(≒ハンドルを切ってもすぐには曲がらない、アクセルもブレーキもすぐにかからない)と思われる。
元々宇宙艦故に、形状もおよそ空力的に優れているようには見えず、そもそも十分に考慮されているかさえ疑わしい。
ペガサス級プトレマイオスのような不思議浮力が使われている様子もない*5――あれらの約1.5倍のサイズの船体を、おそらくはエンジン推力と主翼の揚力(と表面効果?)で無理矢理気味に飛ばしている。
とどのつまり、アークエンジェルは大気圏中でただ浮くだけ浮いていたり真っ直ぐ飛ぶだけならまだしも、アクロバット飛行などまず間違いなく想定していないと考えるのが自然である。

ノイマンも流石に面食らうも、マリューから続けて「やれるわね?」と聞かれた後は力強く「はい!」と回答、そしておそらくはぶっつけ本番ながら、アークエンジェルの大気圏内下バレルロールを見事に成功させてみせた
ロメロ・パルが直前に艦内アナウンスでバレルロール実施の予告を行ったとはいえ、流石に突然の事だったため身体の固定が間に合わなかった整備班を始めとした船内クルー達は大混乱となってしまったが、
先ほどまでの様に無防備な船底部に攻撃しようと水面から顔を出したらしたら目の前でアークエンジェルの巨体が裏返った様を目撃したグーンのパイロットは「……? おおぉ!!?」と度肝を抜かれている内にゴットフリートの直撃を受け爆散、アークエンジェルは窮地を脱する。
これを切っ掛けに、ノイマンは視聴者から「実はトンでもない操舵手なのではないか」と俄かに注目を集めて行く。

しかしそんな事は露知らず、大西洋連邦上層部はアークエンジェル諸共彼を用済みと判断しサイクロプスによる自爆作戦の捨て駒としてムウ・ナタル・フレイを除いた他のクルー達と纏めて始末しようとする。実に勿体ない
ザフトの大部隊を相手にするにはあまりに少ない戦力での迎撃命令や指揮系統が崩壊しつつある状況での戦闘続行は無茶だとマリューに提言し、ムウからJOSH-A防衛作戦の真実を聞いた時も「俺達はここで死ねと……そう言うことですか!?」と流石に動揺していたが、
いざ脱出となった際は船体各部に重度のダメージを負った状況でありながら奮闘、最終的には損害率30%以上、推力43%以下という状況まで追い詰められ彼の腕を以てしても姿勢維持困難というピンチにまで陥り遂にはジンに肉薄を許してしまうも、直後に駆け付けたキラの助けもあり遂には艦を安全圏まで導いた。

なお、JOSH-Aやこの後のオーブ侵攻作戦の際にはアークエンジェルは殺到するミサイル群やビーム砲撃をひらりと飛んで避ける、ロボゲーのステップ移動のようにさっと動いて躱すといった凄まじい挙動をさせている。
何れのシーンでもアークエンジェルのすぐ傍に居た僚艦は直撃を浴びて轟沈しており、アークエンジェルの運動性とそれを十二分に活かすノイマンの技能が窺える場面の一つである。
いくらなんでも流石に「サッと飛んで回避」は演出上の描写と思われるが……。

地球連合のオーブ侵攻作戦を前にしてアークエンジェルのクルーには退艦許可が降りるものの、初期ブリッジクルー達と共に残留、以降も最後まで戦い抜くことを選ぶ。この時ムウとマリューのキスシーンを偶然目撃してしまい、一緒にいたトノムラにチャンドラらと共に赤面していた
最終決戦でのドミニオンを抑えるべく一対一の対決の終盤では、「脱出艇を発進させ総員退艦したと見られる」「今攻撃したらそれが間違いなく巻き込まれる」「そもそもドミニオンの位置自体目の前」という状況もあってか、
ドミニオン艦橋に閉じ込められたアズラエルが半ばヤケになりながら照準したローエングリンの発射兆候を目にした際には、顔を凄まじく引き攣らせながら必死に操縦桿を引き絞るも「駄目です!! 間に合いません!!」と悲鳴を上げさせられてしまう。
ムウの犠牲で助かった後、アークエンジェルの反撃でドミニオンが沈んで行く様子はマリューや他のブリッジクルーらと同じく呆然とした表情で見送っていた。

因みにこの時は回避が間に合わず危うく沈められかけていたが、ノイマンは場合によっては「回避運動が間に合わないだけ」なら回避可能である。
……何を言っているのか訳が分からないかもしれないが、実際紅海でバレルロールする前の一度目のモラシム隊との戦闘でグーンに魚雷を撃たれた際はノイマンは回避は間に合わないと判断したが、マリューに急速離水を指示されそのまま魚雷の回避に成功している
流石に唐突な急浮上で転んでしまったマードックは「何やってやがんだ!」と文句を言っていたが。


【SEED DESTINY】

戦後はマリューらと同じくオーブ市民として平穏に暮らしていたようだが、ラクス暗殺未遂事件を切っ掛けにアークエンジェルが再び立ち上がった際に合流、
以前とは異なり今や積極的に戦場に戻る理由も無くなった身でありながらも、チャンドラやマードックと共に再びアークエンジェルに乗り込む。
マリューはバルトフェルドに艦長を譲ろうとしていたが、ノイマンもバルトフェルドや他のクルーらと同様にマリューがアークエンジェルの艦長を務める事に信頼の眼差しを向けている。
中盤からの登場の上にアークエンジェルが物語の中心から離れたことで出番は大幅に減ったが、そのテクニックは2年のブランクを全く感じさせない。
前作の後でサブマリナーにでもなっていない限りは事前に訓練など全くしていない筈だが何気におそらく初めてのはずの水中航行もソツ無くこなしている

おそらく本作で最も輝いたのは第34話。
オーブを目指し移動中のアークエンジェルがザフトのエンジェルダウン作戦を受け、ザフト部隊の攻撃を必死で凌ぎながら北海に向けて脱出を目指していた最中。
ウィラード隊のMSの攻撃をキラがなんとか凌ぎながらも必死に逃げ回るが、遅れて到着したミネルバがアークエンジェルの真正面に回り込む。
「吹雪」に「山間部」という著しい視界不良に加え、事前にミネルバがジャミング弾を発射していた事でアークエンジェルはこの時代の索敵に不可欠な熱センサーも麻痺した中、
ミネルバはアークエンジェルの目の前に山の陰から突如として現れ、その直後に副砲イゾルデを発射する。
突然姿を現したミネルバにマリューも驚愕し、指示を出す間もなかったが……

「えぇいっ!!」

ノイマンは自らの判断でアークエンジェルを90度右に倒し、飛来する砲弾を躱しつつ山にもミネルバにもぶつける事なくすれ違ってみせた
ビームでもレールガンでもない初速が比較的遅いであろう火薬実弾のイゾルデとはいえ、上記のアークエンジェル側に圧倒的に不利な条件下でまさか避けられるとは思わず、これにはミネルバのタリアとアーサーはもちろん、後方のウィラード隊の副官も目を剝いて「あれをかわすとは……」と驚愕していた。
人間スケールで例えれば明かりの無い夜道で自転車を漕いでいたら、建物の角から無灯火の自転車がいきなり現れて物を投げつけられたのを、咄嗟に飛び上がり壁面を走って避けたようなものである。
作劇的に言っても、重力下バレルロールは表向きマリューの決断として描かれているが、これは純然たるノイマン一人の手柄として描かれた場面という点で他と一線を画した部分がある。

一方、何も声を掛ける暇も無くまたしても地上アクロバット飛行させてしまったため、今度ばかりは隣のカガリに「すみません……」と乱暴運転を謝罪していた。
とはいえここで咄嗟の判断を実行し、そして成功させていなければこの場で大きなダメージを負っていたのは間違いなく、これはナイス判断と言う他ないだろう。実際カガリも大して気にしてはいなかった。というか明らかに困惑混じりの反応であった。威張らず謝罪すらしたノイマンは謙虚かつ紳士である。
海に出た直後に撃たれたタンホイザーは潜航準備中だったためか流石に避けられず潜航直前に大ダメージを負ってしまうも、トリムの一部が使用不能となり轟沈偽装の為に被弾したメインエンジンの一部を分離という状況ながらなんとかオーブまで逃げ延びている。

最終決戦のレクイエム中継ステーションでの戦いでは、アークエンジェルはタリアの戦術によりミネルバのタンホイザーを回避できるが、する訳には行かないという状況に陥っている。
これは、位置関係上アークエンジェルが回避すると後ろのエターナルにタンホイザーが直撃するという状況を作られてしまったためで、マリューはその事実に気付いて愕然とし、ノイマンもまたそれを理解していたのか今度ばかりは勝手に回避運動という訳にも行かず、万事休すの危機に陥る。

如何なノイマンでもやることが「操舵」である以上、「避けてはいけない」という制約下ではほぼできることはない。いや操舵で避けれる前提がおかしいんだよ
一度その神業を見ていた故なのか、シリーズを通しても唯一の「合理的なノイマン対策」が炸裂した場面であり、タリアの戦術家としての株が上がった場面と言えよう。

マリューは敗北を覚悟したが、アカツキに乗るネオ・ロアノーク…いや、ムウ・ラ・フラガの復活と共にアークエンジェルは危機を逃れた。

月面でのミネルバとの最後の対決ではマリューの指示を受け今一度バレルロールを敢行、ミネルバの頭上から攻撃を行い事実上のトドメを刺させる事に成功している。
地球上の1/6Gとはいえ非無重力下でまたしてもバレルロールを行えというマリューの指示にノイマンは今度は「はいっ!」と迷わず返答、当たり前のように成功させている
「地球上でバレルロール」程のインパクトは無いものの地味ながらこれもノイマンの見せ場の一つに数えて良いだろう。



【SEED FREEDOM】

引き続きオーブ軍からの出向という形でコンパス所属のアークエンジェル操舵手として続投。
直接的な出番ではないが、ミレニアムと共にファウンデーション王国首都の前の海(湖?)に着水した際、ミレニアムは大量の水飛沫を上げていたのに対し、アークエンジェルの水飛沫は僅かだった*6
船体形状が大きく違うので単純比較はできないが、ノイマンの腕前を表現する細かい描写として人気である。
事実として公開後に福田監督はこの描写は「地上に不慣れな新人が操舵するミレニアムに対して、重力下に慣れた熟練操舵手が操るアークエンジェルの対比」という意図的な演出だった事を明かしている。
本格的な出番は後半からだが、よーく見るとコンパスの歓迎パーティーにてキラの後ろでうろうろしていたり。



【本編外の活躍】

見せ場こそあれど基本的には名ありモブに近い存在の彼だが、GBAのゲーム『友と君と戦場で。』では専用のイベントが用意されている。
このイベントによるとノイマンとナタルはアークエンジェルの乗組員に選定される以前から付き合いがあるようである。
内容はなんと実はナタルに片思いしており、どうすれば良いものか実際に恋人関係にあるトールとミリアリアに恋愛相談を持ち掛けるというもの。しかもちょっと顔が赤くなった専用の顔グラ付き
ノリノリなトールとミリアリア、そしてそれに巻き込まれる形でキラがキューピッド役を務めることになり、
ミリアリアがテキトーな恋占いをする、カズイも軽く茶番に付き合う、キラがナタルを相手にチンピラみたいな態度を取らされるなどした末、
遂にナタルと展望デッキで二人きりとなった中で激しく緊張しながら想いを伝え、上手く行けばめでたく恋人同士となる。
その場合、ワンシーンのみとはいえナタルが軍人口調を止めるという珍しい様子を拝む事もできる。
またこのイベントを成功させていた場合、ナタルが生存しドミニオン撃沈後にアークエンジェルに戻って来るというIF展開が発生する。一緒に脱出した筈のフレイは合流できず本編通りに死亡する

因みにこのイベントはカガリが停電中にお尻を触られる(そしてその犯人だったムウがロリコンスケベオヤジ呼ばわりされる)イベントとほぼ同時期に発生する。


スーパーロボット大戦シリーズでも登場。概ねアークエンジェルのサブパイロット要員。
ミリアリアやサイを差し置いてサブパイロット定位置というのは人気故か。サブパイロットにナタルがいる場合はストーリー進行でナタル離脱後に代わりにサブパイになるというパターンが多い。
W』では戦艦サブパイロットでありながら精神コマンド「ひらめき」*12を覚える。あと、スポット参戦時はナタルが、正式参戦時はノイマンがサブパイロットになるという形なのだが、
よりにもよってナタルはノイマンとは違って「加速」*13が使えないのでスポット参戦時のアークエンジェルは足が遅くなってしまい、こんなところでノイマンの重要性を認識する羽目になったプレイヤーもいたとか。
たかが移動力アップのためだけにマリューに「愛」*14を使ってもらったなんて事も
初登場となる『第3次α』では上述のイベントを意識したのか、ナタルを気にかける場面が散見されている。
なお、J』のみ何故かストーリー含めて全く登場しなかった加速は『J』ではサブパイ枠のミリアリア*15が覚えるので心配しなくていい


勿論Gジェネレーションシリーズでも登場。
クロスレイズでは操舵能力の初期値は非常に高い…のだが成長が鈍く、最終的にはトール辺りにも追いつかれてしまう。らしくないが、こればっかりはゲームバランス上の問題なので仕方ないだろう。
パイロットとしての運用も可能だが流石に本職ではないのでステータスは低め。
とはいえ台詞は色々収録されており、特に戦闘中は動くことに集中できるのは一人乗りの利点と宣うのはさすがノイマンと言ったところ。
たまにはMSに乗せてドライビングをさせてやるのも悪くはないかもしれない。ゴッドフィンガーの台詞もある事だし。



【余談】

「ノイマン(Neumann/Neuman)」はドイツ系の苗字で、「ナウマン」や「ニーマン」も発音の違いだけで同一の名前である。英語では「ニューマン」となる。
意味は「新しい人」
そのため「つまりノイマンはコズミック・イラ世界のニュータイプ」「それを思えばあの神がかり的操艦技術も納得」などとネタにされる事も。


『マリューの「回避!」に対して「もうやってます!」と回答したことがある』という話がネットではよく語られるが、少なくとも本編にはそのようなセリフは無い。
近いものとして、バルトフェルド隊との最終決戦にて工場の残骸に船体を引っ掛けてしまった際の
「スラスター全開! 上昇! ゴットフリートの射線が取れない!」
やってます! しかし、船体が何かに引っかかってて……」
や、
メンデルでドミニオンとの初対決時の
「デブリに気を付けて! 特に、テザー用のメタポリマーストリングは危険よ!」
わかってます!
といった会話があり、これがノイマンの回避伝説と合わさって生まれたと思われる。結局のところ指示より先に動いているのには変わりないのだが。

他にも、第8艦隊の先遣隊がアークエンジェルを捜索している信号をキャッチした際、
「追えるのか?」
やってますよ!
というナタルとパルの会話もあり、こちらと混ざった可能性もある。

それはそれとしてマリューのビジネスの右腕ってこいつじゃないかな…


担当声優の千葉氏は他にもレドニル・キサカ役を兼任している。
千葉氏はいわゆる「モブ役」「サブキャラ役」を演じることも多い為、それが尚更ノイマンの表面上の地味さを強調している。


ノイマンほどではないが機動新世紀ガンダムXのフリーデンの操舵手「シンゴ・モリ」も、始めての宇宙戦艦を難なく扱ったということで話題に出ることが多い。
また彼の活躍のお陰で他のガンダムシリーズの操舵手や戦艦クルーにも注目される事となった。

その為か、アークエンジェルのバレルロールの元ネタと思われるほんの先日まで民間人だったのにホワイトベースの背面飛行を成功させたことがあるミライがピックアップされる機会はかなり少ない。
先述の理由でアークエンジェルの方が何かとインパクトがあったためだろうか。


『SEED FREEDOM』公開記念企画として行われたSEED本編シリーズ全キャラとMSを対象とした人気投票では、キャラクター部門中間発表の時点でなんとラクスやイザークに次ぎ、ムウ、ディアッカ、ステラを凌ぐ第7位というまさかの順位となっていた。そして最終結果では周囲の順位が変動している中、7位をキープして逃げ切ると言う安定感を見せ、MCを担当したメイリンから「信頼度高過ぎます!」とコメントされた。
更に『SEED FREEDOM』のヒットを記念した2024年3月のイベントでは千葉氏は出演していないにもかかわらず千葉氏宛てのフラワースタンド(しかもノイマンをイメージしてか紺と山吹色の花で統一されている)が贈られていた。
これらのことはX上で千葉氏も確認しており、感慨深そうな反応を示している。






ノイマン少尉! 一度で良い、記事を追記修正させて!

えぇ!?

事実誤認の部分を取り除く。一度で済ませてよ、ナタル

!……分かりました。

少尉! やれるわね?

……! はい!


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  • 6月生まれ
  • 6月9日生まれ
  • ふたご座
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  • 頭文字N
最終更新:2025年04月15日 15:59

*1 流石に兵士達に撃たれかけたが、更に続いて飛び出したチャンドラらが兵士を取り押さえたことで無事ブリッジまで到着した

*2 階級章の設定を見るに、地球連合軍の「一般正規兵(まともな兵士)」には「准尉」は無い模様(「まともではない兵士」なら『SEED ECLIPSE』で「准尉扱い」として登場した。)。実際准尉に相当する階級の有無や扱いは国によってまちまちで、自衛隊も後に新設されるまでは設定されていなかった。

*3 厳密に言うと、バレルロールは回転と同時に機首を上げて螺旋軌道を描く目的のマニューバで、AAのこれは直進したまま回転するので性質が異なる。

*4 『SEED FREEDOM』のドラマCDでもハインラインに言及されており、「あれは正確にはバレルロールとは言い難いが、アークエンジェルのような形状の大型機で『ロールしながら直線飛行』しようとすると空気抵抗その他の作用でバレルロールに見える挙動を取ることがある(要約)」と解説されている。

*5 一応「レビテーター」なる浮力発生装置が備わっているらしいことは『SEED』劇中で言及されてはいるのだが、そのシーン以外に言及されるシーンは無くアークエンジェルに関する設定としても一度も触れられたことがない。しかも「レビテーター」が浮力発生装置であることが明確に語られたのは『SEED』放送から20年以上経った後に発売されたHGブラックナイトスコード・カルラのインストなので、制作当時・放送当時のアークエンジェルの浮遊原理に関する設定として「レビテーターの作用」が、少なくともイメージにどこまで反映されているかはかなり疑問が残る。

*6 映画館の4DX席ではその差が震動でダイレクトに伝わってくる

*7 ちなみにマリュー達が「侵入」した際コノエは「海賊きたから乗組員はみんな逃げなさ~い(意訳)」と軍人としては賛否分かれる放送を艦内にしていたが、この放送で正規の操舵手が脱出したかは不明。

*8 小説版では「操舵席には当然、ノイマンが着いた」とある。正規の操舵手は泣いてもいい…と言いたいところだが相手が相手なのでやむ無し。

*9 完全に挑発に乗った感があるが、ファウンデーション側としても逃げるのに時間がかかるオーブと違って、万が一本当に証拠の数々を提示されたら、自国に核撃ち込ませてまで作った大義名分が完全に消滅するため、先にミレニアムを片付けるのは悪い選択肢といえない。もしこれがブラフだろうとどのみち殴り合いでケンカ売ってきてるため結局は消す必要はある。

*10 なおタンホイザーの起動・展開自体はレクイエムの着弾前に行われている。エアブレーキ代わりにした可能性も指摘されているが、「ノイマンなら回避できるだろう」というマリュー以下ミレニアムクルーからの信頼が透けて見えるようでもある

*11 そもそもキラがファウンデーションを煽ったのは「レクイエムがオーブにあと10分で放たれる」という情報がミレニアムに入ったからであり、時間的猶予を考えるとクルーと相談する時間はなくキラの独断だと思われる。軽い説明程度はあったかもしれないがノイマンに与えられた時間はおそらく5分とない

*12 一度だけ攻撃を100%回避

*13 移動力+3

*14 加速をはじめとして複数の精神コマンドが一気にかかるが非常に燃費が悪い。

*15 同じくサブパイ枠のトールも覚えるが原作通り永久離脱する。