ムルタ・アズラエル

登録日:2009/10/07 Wed 00:38:09
更新日:2025/04/28 Mon 05:10:38NEW!
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核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、強力な兵器なんですよ!

兵器は使わなきゃ♪高い金掛けて作ったのは、使うためでしょ…?

さ?さっさと撃って、さっさと終わらせて下さい。こんな戦争は……


ムルタ・アズラエルとは『機動戦士ガンダムSEED』の登場人物である。

CV:檜山修之
かつて『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』ではシロー・アマダを担当していた。
同作でミケル・ニノリッチを演じていた結城比呂(現:優希比呂)がクロト・ブエル役で出演しており、奇しくも再び上司と部下の役になった。


【概要】

C.E.41年生まれ。
コーディネイター団体『ブルーコスモス』の盟主にして軍需産業に強いアズラエル財閥のボンボンであり、自らもいくつかの会社を経営している。
ついでに言えばロゴスの代表でもある。

その立場上、地球連合軍に強い発言権を持ち、オブザーバーという名目で自ら戦艦に乗り込むと、
本来門外漢であるにも関わらず作戦に口を出し、時には直接軍事行動の命令を下す
という斜め上の行動力を発揮。
言うまでもなくシビリアンコントロールの逸脱であるが、ウィリアム・サザーランドのようなブルーコスモス派閥の軍人にはさも当然のように受け入れられ、
そればかりか彼らはまるでアズラエルを司令官の如く扱い、その指示を仰ぐという有様であった。
これに対して異議を唱えたのはナタル・バジルールのみである辺り、連合軍とブルーコスモスの癒着ぶりが窺える。

視聴者からの愛称は「盟主王」「アズにゃん」等。福田監督は「ムルタくん」と呼んだ
ちなみに、作中では一切出て来なかったが、設定上は妻子持ちである。

また、後藤リウ先生によるノベライズ版では、彼のどことなくねっとりとした声色・口調を再現するためか、
「核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、強力な兵器なんですヨ?」「一時撤退です。全軍テッタイ」のように、台詞の語尾、あるいは一部がカタカナになる独特の表記になっている。


【人物】

元来軍人ではないために、戦術などに関しては素人と大差ないが、知識と洞察力には優れており、
新型GATシリーズ三機を敵に回して互角以上に立ち回るフリーダムジャスティスの映像を見ただけで、
その機動力や武装等から「従来のバッテリー機では賄えない」と考えて核駆動の可能性を推察し、プラントの核解禁を早くから警戒していた。
また、その新型GATシリーズに搭乗する三馬鹿の体調管理(調教)も彼の役目。
といっても、生体CPUという呼称等からも分かる通り、彼らはパイロットではなく道具扱いであり、
お仕置きと称して投薬をさせずに禁断症状で三人を苦しめ折檻するなど、そのやり方も非情そのもの。
スウェン・カル・バヤンがいた養成施設にも絡んでいたらしく、ムチャクチャなことを言っていたのか職員と口論になっている姿も目撃されている。
実はこの時に兵士の薬中化でモメていたらしく、職員はその考えに反対していた。生体CPU量産化する気満々。

普段は紳士的に振る舞うキザな性格だがメンタル面が弱く、自分の思い通りに行かないとすぐ癇癪を起こし、職権乱用してでも我儘を通そうとする。
重症なほどのジャイアニズムな考え方の持ち主でもあり、地球上の国家なら自分達の味方であって当然と考えており、要約すると「オーブは俺のモノ」といった発言もしている。
若くして地位や権力を得た者が陥りがちな負の全能感が、際限なく肥大化した人物とも言える。

当然人望はほとんど無く、ドミニオンから撤退する際には誰にも助けて貰えなかったが、
  • 気取っていたかと思えば突発的にキレる落ち着きの無さ
  • 普段のエキセントリックな言動から時折言い放つ正論(っぽい方便)
  • ブルーコスモス特有の差別思想丸出しの、わかりやすい位にストレートな巨悪としての振る舞い
  • 積極的に前線に出張るアグレッシブな行動力
  • 恵まれた地位にありながらコンプレックスに塗れた人間臭さ
から普通に彼を気に入るファンも多く、SEED後半の物語を盛り上げた名悪役であった。
中の人もお気に入りの悪役らしく、(ヒーロー役の集大成が獅子王凱なのに対して、アズラエルは)「悪役の集大成」、「自分が演じた代表的な悪役」とまで語るほどである。


また、ビジネスに例えてクルーに無茶な要求をしたり、立場を盾にナタルの進言を撥ね退けて自分の意見を押し通すなど、自分勝手な面が目立つアズラエルだが、
  • 核を躊躇なく使用する姿勢を咎められ「勝ち目のない戦いに部下を送る上官よりは自分の方が優しい」と返す
  • 壊滅的な被害状況で救援を優先する対応に「そんなことより、また撃たれたら終わりなジェネシスの破壊が最優先」と強弁する
…など、その主張自体はある一面では正しい見解であることも多く、ナタルも(彼の態度はともかく)言っていることは正しいと暗に認めている場面もある他、
良くも悪くも決断力のある外道であるため、「門外漢が軍事に出しゃばって足を引っ張る」という印象は薄い。

冒頭に記した核兵器に関する持論も、20世紀以降の現実の核抑止論に照らせば暴論に聞こえるが、
C.E.は既に連合によって核が行使され、報復としてニュートロンジャマーを投入し核を無力化したプラントが、
今度は先んじて核を解禁させ、さながら絶滅戦争の様相を呈していた時勢である。
核抑止が破綻している以上、最大の戦力をもって敵の機先を制すべきである、というのは戦略の一面からは正しいと言える。

とはいえ先述した通り、いくら連合の有力なスポンサーであろうが、一民間人でしかないアズラエルが軍の指揮系統に割り込み、
あまつさえ最前線で観戦しながら軍に対して横車を押す行為自体がとても褒められたものではない。
また、ジェネシスの脅威を声高に叫ぶシーンでも、核攻撃の目標をジェネシスではなくプラントのコロニー群とするなど、
相手が反論しにくい正論を盾に、自身の『コーディネイター殲滅』という目的を押し通そうとしている感も強い*1
そもそもプラント側にジェネシスの使用を決意させた要因の一つは、アズラエルに背中を押される形で地球連合が行ったボアズへの核攻撃と、
その後のプラントへの核攻撃部隊の派遣であり、アズラエルが戦火の拡大につながる行動をいたずらに行ったとは言わざるを得まい。
まあ律儀に倫理を守って戦えば向こうが大人しくジェネシスをお蔵入りさせてくれたかというと疑わしいが……

尤も、アズラエルにとっての『敵』である当時のプラント及びザフト上層部も、ザラ議長を筆頭とするナチュラル憎しの強硬派たちは、
連合の核攻撃・核使用をジェネシスの使用、ないしナチュラル殲滅への大義名分として利用している節が見られ、
「自分の同胞や故郷が絶体絶命の窮地に立たされている」という大義名分で、相手方の軍に留まらず一般市民までもの殲滅を正当化しているという点では、
アズラエルを含めた連合・ザフト両陣営の上層部の言動はどっこいどっこいと言える。


【劇中での活躍】

\アズラエル/


ザフトが「オペレーション・ウロボロス」の一角として行ったパナマ侵攻により、全てのマスドライバーを失った地球連合軍が開いた会議にて、本編初登場。
アズラエルは「地球の一国家である以上、オーブも地球連合に協力するべきだ」という持論を展開し、
オーブのマスドライバー「カグヤ」(とモルゲンレーテ)、ザフトに奪われたビクトリア基地のマスドライバーを奪還するという二方面作戦を立案する。

その後、アズラエルはオブザーバーとして、オーブ侵攻作戦に参加。
自身が開発に関わったカラミティフォビドゥンレイダーの実地テストをしたいという思惑もあってか、
事実上は武力を盾にした脅迫と言っていい、オーブにとっては到底受け入れがたいであろう無理難題を盛り込んだ協力要請を行った。
当然(当時)オーブの首長であったウズミ・ナラ・アスハはこれを拒否し、開戦と相成るわけだが、アズラエルも端から受け容れられるとは思っておらず、
拒絶を通達されても、気分を害した風もなく「いやぁ流石アスハ前代表。期待を裏切らない人ですねぇ」と軽口を叩き、
「ホントの所、要求飲まれちゃったら(後期GAT-Xのテストができないから)どうしようかなぁと思っていたんですよ」とまで嘯いている。

そして、「48時間以内に現政権の即時退陣、及び国家の解体が行わなければ武力攻撃を行う」という最後通牒にオーブが答えなかったことを口実に、
いよいよ地球連合軍による、オーブ連合首長国への侵攻作戦が開始された。
連合軍はアズラエルの虎の子である後期GAT-Xシリーズやストライクダガーなど多数の戦力を投入するが、
M1アストレイ等のオーブ軍戦力のみならず、連合を脱走してオーブ側に加勢したアークエンジェルとそこに身を寄せるフリーダム、
さらに、突如としてフリーダムの加勢に現れたジャスティスや、アークエンジェルに加勢したバスターによる激しい抵抗に遭い、
思うようにオーブ侵攻を進められずにいたところ、新型の『G』三機のパイロットが「時間切れ」を迎えたこともあり、一時撤退を決定。

ただし、アズラエルとしても連合軍としても、このまま引き下がるつもりは毛頭なく、
オーブからの再三の交渉要請には一切応じることなく、その翌朝には再び侵攻を開始する。
単純な物量差もあり、連合軍はオーブ侵攻を優位に進めていき、マスドライバー確保まであと一歩というところまで辿り着くも、
そこでオーブの首脳陣がマスドライバーやモルゲンレーテの主要施設と共に、軍本部ごと自爆。
アズラエルと連合軍はオーブのまさかの行動で目的を一つも達成できず、オーブ侵攻は事実上失敗となった。


しかし、その後に行われたビクトリア基地奪還作戦で連合軍はようやくマスドライバーを確保。
アズラエルはサザーランドと共に、自ら月へ向かうことを決定し、3機の『G』と共にナタル・バジルールが艦長を務めるドミニオンに乗艦。

宇宙に上がってからは、核エンジン搭載機と思しき未知なる新型MSを擁するアークエンジェル追撃をメインとしていたが、
コロニー・メンデル付近で「戦争を終わらせる鍵」を持っていると訴えるフレイ・アルスターの救助ポットを気まぐれで回収させる。

彼女から受け取った「戦争を終わらせる鍵」とは、ザフトが開発した「ニュートロンジャマーキャンセラー」の設計図であった。
自室のモニターでその情報を確認したアズラエルは、発狂したかのように異様なハイテンションで高笑いし、歓喜の雄叫びを上げるのであった。


ハッハッハッハッハ!!ハッハッハッハッハ!!

ィやったァァァァっっ!!!



担当声優の檜山氏は元々熱いシャウトに定評のある人物であり、この狂喜の叫びはやたらに力がこもっている。
いくら戦争の趨勢を決定づけるほどの貴重な情報とはいえ、その悪の親玉とは思えない喜びようにより、このシーンをもってアズラエルのネタキャラ化は確固たるものとなった。

そのデータをもとに、核攻撃部隊「ピースメーカー」部隊を編成。ザフトの軍事衛星「ボアズ」に核ミサイルを撃ち込み、撃破に成功する。
地球軍がためらいなく核攻撃を行ったことは、プラントと三隻同盟に大きな衝撃を与えた。

最終決戦の第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦でも核攻撃を実施するが、フリーダム・ジャスティスら三隻同盟の活躍により核ミサイルは全弾撃墜され、失敗に終わる。

さらにパトリック・ザラ主導の元、核ミサイルの報復として大量破壊兵器である巨大なガンマ線レーザー砲ジェネシスが発射される。
これにより地球連合軍の艦隊は半数が消し飛ばされて壊滅、恐慌状態に陥る。

激情と恐怖に駆られた彼は、戦闘の継続すらままならないほど戦力を失ったにもかかわらず、残った戦力を集めてジェネシスの破壊を命じようとしていた。


あそこにィ!!あんなもの残していくわけにはいかないんだよ!!!
何がナチュラルの野蛮な核だ…!あそこからでも地球を撃てる奴らのこのとんでもない兵器の方が、遥かに野蛮じゃないか!

そしてもう、いつその照準が地球に向けられるかわからないんだぞ!撃たれてからじゃ遅い…!


自分たちが核攻撃を行った報復としてツケが回ってきたといえばそれまでだが、
同胞もろとも地球からナチュラルを根絶することすら辞さないパトリック・ザラの暴挙を危惧するのはもっともであり、
事実としてエリカ・シモンズによる一射目の威力(出力約60%)を基にした試算では、
強烈なエネルギー輻射と着弾時の衝撃、気象変動等の影響で地球上の全生物の80%を一掃できる威力のそれを、
射線上にいる友軍のみならず地球に住まう同胞達に目もくれず撃とうとしていた。

そして、この後の第二射を受けて月面のプトレマイオス基地から出立した増援艦隊の半数も消滅。
更にその後方にあったプトレマイオス基地そのものも一撃で崩壊してしまう。

恐らくは命令系統すらも崩壊し、「いつ発射されるか分からない絶滅兵器」と「それを守るザフト宇宙軍総戦力」に対して破れかぶれの突撃が出来てもあと1度きりという状況では、
生存者の救助よりも生存部隊をかき集めて補給と整備を済ませ、一刻も早いジェネシスの無力化を優先するのは自然かつ当然と言える。
だからといってプラント本土を優先して狙う必要性は全くないが。
さらにはヒーローの役を得意とする檜山氏の熱演も相まって、身勝手な悪役でありながら何となく彼に共感してしまった視聴者もいたことだろう。
奇しくも、「撃たれてからでは遅い」「一刻も早くジェネシスの無力化をしなければならない」という2点のみに於いては、三隻同盟と共通の目的であった。

そして、アークエンジェルとドミニオンが対峙した際、見切りをつけたナタルが彼に造反。
クルーも我らが盟主王を置いて退艦してしまった上、ナタルによってドミニオンのブリッジに閉じ込められてしまう。

僕にこんな事をして!どうなるか分かってるんだろうなぁッ!

貴方は、ここで死すべき人だ…私と共に!


この造反劇にはさしもの盟主も激昂し、ナタルに対して発砲。彼女に苦悶の声を上げさせた。


アズラエル!何を!?

僕は勝つんだ……そうさ……! いつだって……!

貴様ぁぁぁぁぁ!


アズラエルはローエングリンの発射操作を自ら実行、ドミニオンの脱出艇が巻き込まれかねない状況だったのにも構わず発射。
距離の近さに加えてあまりにあり得ない状況下での発砲故にかアークエンジェルも回避不能に陥る。
しかし、ムウ・ラ・フラガが駆るストライクガンダムが割って入り、機体と引き換えにローエングリンの一撃を防がれ、アークエンジェルを撃沈し損ねる。


貴方の…負けです……!

撃てぇぇぇぇぇッ! マリュー・ラミアスゥゥゥッ!!


ア…アア……嗚呼アアアアアアアアアアアアッ!!??


ストライクは爆散するも、被弾を免れたアークエンジェルにローエングリンを撃ち込まれる。
呆然とした表情のまま断末魔の絶叫を上げ、彼を道連れにしたナタル諸共、狂気の死の商人は宇宙の塵となった。


【どうしてコーディネイターが嫌いなの?】

実は幼少期に、同年代のコーディネイターにどうしても敵わず、多人数で痛めつけようとして返り討ちに遭うという挫折を経験している。
さらにその後、母親に「どうして自分をコーディネイターにしてくれなかったのか」と訴えて頬を叩かれた。*2
恐らくこのことが、ムルタくんアズラエルがコーディネイターを憎むきっかけになったと思われる。
どう考えても逆恨みだしリンチを行おうとした時点で自業自得にしか見えないが。

そしてその構図は、奇しくもキラサイ構図とよく似ていた

しかしながら、ブルーコスモスにコーディネイターが所属するのを認めたり*3、自分の経営する会社にコーディネイターを採用するなどの柔軟性も持っていた。

本編での暴挙や凶行は、もともと前述の事情で抱えていたコーディネイターへのコンプレックスや悪感情が、戦争の狂気のなかで悪い方向へ爆発してしまったことによるようで、
もともとコーディネイターを憎んではいたものの、ブルーコスモスの中でも割と穏健派に属する人物であったようだ。
下記の発言や、ナチュラルに絶対服従するような戦闘用コーディネイターの開発に出資していたところを見るに、
自分たちで管理が出来るのなら脅威ではなくなるため、当初は存在してはいけないというほどには否定していなかったのだろう。
あるいは過去に母に止められたコーディネイターになりたいという夢を実現させる為に出資していたのかもしれない


【その後】

続編の『SEED DESTINY』の時期にはロード・ジブリールがブルーコスモスの盟主及びロゴスの代表を引き継いでいる。
そのロゴス構成メンバーの中にはブルーノ・アズラエルという名字と髪型が完全に一致しているキャラクターが登場しており、彼の親族と推察されている。

彼は彼で色々と画策しており、実際にかなりの規模の被害や犠牲を生み出している。
だが、終始デュランダル議長に踊らされていたように見えたことでアズラエルよりも小物だと見られがちであった。
特に裏で手を引くばかりで表に現れず、都合が悪くなるとすぐ逃げ出す点は、よくも悪くも最前線にまで出張ってきていたアズラエルとは対照的。
コーディネイターへのコンプレックス以外あらゆる局面でアズラエルと正反対のダメっぷり*4を見せてしまったことで、評価は相対的に上がることになった。

というか、アズラエルはむやみに戦場に出たりしなければ、普通に優秀な経営者や政治家として大成していたかもしれない。
あのノイマンが「駄目です!間に合いませんッ!!」と断言したレベルの砲撃を単独でやり遂げたので砲手としても大成したという説もある。
それと、ジブリールはジブリールでかなり人間臭いキャラなので、やはり彼には彼で一定のファンがついた。


名言集】

『だいたい我々は弱い生き物なんだからさ。強い牙を持つヤツは、ちゃんと閉じ込めておくか、繋いでおくかしないと危ないからさぁ』

『核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、強力な兵器なんですよ。兵器は使わなきゃ。高い金掛けて作ったのは使うためでしょ?』

『無理を無理と言うことくらい誰にでも出来ますよ。それでもやり遂げるのが優秀な人物。コレ、ビジネス界じゃ常識なんですけど?』

『勝ち目の無い戦いに「死んで来い」って自分の部下を送る人達より、僕の方がよっぽど優しいと思うけど?』

『あそこにぃ! あんなもの残しとくワケにはいかないんだよ! なにが「ナチュラルの野蛮な核」だ! あそこからでも地球を撃てる! 奴らのこのとんでもない兵器の方がはるかに野蛮じゃないか!』

『さあ!今度こそケリにしましょう!』

『核攻撃隊を出せ! 目標はプラント群だ! あの忌々しい砂時計、一基残らず叩き落とすんだ!』

『撃てぇ!撃たなければ撃たれるぞぉ!!』

『僕は勝つんだ……そうさ……!いつだって……!!』

『ふざけるんじゃないよぉ……!ドアを開けろぉっ!!』

『YATTAAAA!!!』


【その他のメディア】

第3次スーパーロボット大戦α

相変わらず、ブルーコスモス盟主。
戦闘時はサブパイロットに近い状態だが、勇者王が参戦しているためついで録りも出来たのかDVEも複数用意されていたりと、様々な面でなかなか優遇された扱いを受けている。
ただ、シナプス艦長や、三輪長官を配下に加えるものの、銀河クラスの抗争を前にシナリオの都合で唐突に湧いて出たプラント憎しで行動する上、
結局のところ補完を目論む老人たちの手先でしかなかったりと小物感マシマシだが。
ちなみに、勇者王と戦うと……

アズラエル氏「おい! さっさとあのライオンロボを落とせよ!」
ナタル「落ち着いて下さい、理事!」
理事、それある意味自虐です。

ついでに冷静な時だと…
アズラエル氏「あのライオンロボ…何か気に入りませんねぇ」
どうやら理事は精神コマンド『直感』が使えるようです。

他にも中断メッセージでは、
「敵に確実にダメージを与えたい時には、精神コマンドの熱血と必中を使いましょう。勇気などという不確かなものに頼っていてはいつか敗北しますよ
なんて一言も。理事、勇気には熱血と必中含まれてます。

スーパーロボット大戦J

やっぱりブルーコスモス盟主。
ほぼ原作通りだが、真空管ハゲことコルベットと異様に仲が良いため、「SEEDにこんな人いたかな?」と勘違いさせることになった。
※彼は『SEED』ではなくテッカマンブレードの人です
デビルガンダム事件の黒幕だったようだが、失敗したためカワイク不貞寝しちゃいます。
ちなみに、ナデシコと戦わせると熱くなるナタルにちょっと引いてる。
なお本作では勇者王は未参戦だったが、「オーブの獅子」ウズミをわざわざ「オーブの獅子王」と呼んでいたりする場面も。

スーパーロボット大戦W

もちろん、ここでもブルーコスモス盟主。
今作でもコルベットとは仲良し。デキムレナードとも組んでる。
フレイが持ったNJCには興味を示すも、自軍部隊に回収されてしまう*5
これで勝利のカギを逃した…と思いきや、核どころじゃないフェルミオンミサイルがあったので別に問題は無かった。さすがは我らの盟主王。
しかし、乗り込んできたに追い詰められた*6上にドミニオンに一人取り残され、
最期は真空管ハゲもろともフェルミオンミサイルで宇宙の塵と化す、原作以上に完全敗北な最期を迎える羽目に。
ちなみに、僕らの勇者王とは分岐の都合で戦えませんでした。

Gジェネレーション DS

当然ながら、ブルーコスモス盟主。
色々ハジケたゲームとして有名だが、ぼくらの理事もなかなかハジケていらっしゃる。
平成ガンダムルートではOZ寄り、宇宙世紀ルートではティターンズ寄りになる。
宇宙世紀ルートではパプテマス・シロッコと良く行動を共にしており、終盤にちょっと出て来る程度。
強いて言えばドゴス・ギアに乗ってくることくらいか。カテ公に付き纏われたりこのゲームのシロッコは苦労人
平成ガンダムルートでは原作通りの暴れっぷりをしてくれる上、「良い兵器じゃん」とモビルドールをガンガン投入してくる。
そのため、MDを嫌っているトレーズ閣下には造反される羽目に。
今作では破滅変態仮面から貰ったものが黒歴史のデータになっているため、
核攻撃を行うピースメーカー隊の機体としてガンダム試作2号機を量産したり、デスアーミーをプラントに投入したりとやりたい放題でご満悦の理事が見れます。
しかし、OZの撤退命令にも従わずプラント攻撃を強要したため、事実上世界の敵になる我らの盟主王。
最期はほぼ原作通り、アークエンジェルに撃たれて入滅。


と思ったか?


Gガンダムルートを通っている場合、デビルガンダムに乗って華麗な復活を遂げる。『スパロボJ』では出来なかった野望をGジェネで果たす。
天使(アズラエル)の名を冠した人間が散々悪魔のような所業(しかも原作以上)を行った挙句に、
最終的に悪魔の名を冠した機体(デビルガンダム)に乗り込んでしまうという、なかなか皮肉がこもった展開だったりする。

ちなみに「Gガンダム」本編でのウルベの代役としての登場。またIDコマンドは強くなってるがステータスは弱くなってたりする。しょせんDGレインの前哨戦程度の相手である。
ちなみに、本作には指揮技能というものがあるが我らが理事はたったの1(最高5、平均的な艦長は3)しかない。
ジャマイカンやキリングの2にも劣るが、理事は本職の指揮官ではないのであるだけマシとも言える。

ちなみに、隠しルートの「ライバルルート」ではデビルガンダムを侍従させている。こいつをドモンで撃破すると東方先生が加入する。
だがやっぱりトレーズ閣下に造反された上に、それを見たジェリド・メサが真っ先に反旗を翻し、ナタルらもそれに同調。さらに条件次第では三馬鹿共も反旗を翻してしまう。
アズラエルには一切救済の余地は無かったのである……。

なお、家庭用据置機のGジェネ作品では、『WARS』の「ガンダム00」編のシナリオでウォーズブレイクすると登場し、ソレスタルビーイングのガンダムを鹵獲しようと狙ってくる。
“天使の名前を冠したガンダム”を鹵獲しようと狙う“天使の名前を冠した人物”ってのも十分皮肉。

スーパーロボット大戦DD

ブルーコスモス盟主として登場。
今回は『SEED』の話が思いっきりすっ飛ばされまくり*7だったが、最終決戦には原作通り登場。
勇者王とデビルマンがドミニオンに乗り込むクロスオーバー展開により無事ナタルは救出。
盟主王も生き残るかと思いきや、人の体を持ちながらも悪魔のような所業を行ったとして悪魔であるデビルマンに殺されてしまった
これまた、悪魔の所業をなさんとする天使(アズラエル)の名を冠した人間が本物の悪魔(デビルマン)によって裁かれる、という皮肉な結末と言える*8




【余談】

ドミニオンとアークエンジェルの最終決戦でローエングリンの照準と砲撃を一人でこなした件に関して、

一人で
  • 艦の姿勢制御
  • ローエングリンのチャージ
  • 照準合わせ
  • 発射
まであのノイマンですら回避が間に合わないほどのスピードでこなす離れ業を見せ付け、アークエンジェルを砲撃した。

と語られる事が多く、アズラエルは能力自体は優秀だったことを示すエピソードとしてよく引き合いに出されるが、実はこれはあまり正確な表現ではない
実際にはナタルの退艦指示が出る直前にオペレーターが既にローエングリンの発射シークエンスの立ち上げ自体は行っている描写があり、アズラエルは「後はトリガーを引くだけ」の状態で微調整しただけ程度の可能性が高い
ノイマンが避け切れなかったのは事実ではあるが、それを踏まえると実際には「ノイマンすら回避が間に合わない程ローエングリン照準~発射が早かった」というより「発射タイミングが意外過ぎて避けられなかった」という状況だったと考える方が自然である。

ともあれ、20年以上経った劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でノイマンがあの戦略兵器を避けてしまったため、「ノイマンをして回避不能と言わしめた砲撃を繰り出した」アズラエルに突然注目が集まる珍事に発展した。




Wiki篭りを出せ! 追記目標はこの項目だ! あの忌々しい誤字脱字、一字残らず修正するんだ!


\アズラエル/

画像出典:『機動戦士ガンダムSEED』HD デジタルリマスター
36.PHASE-38 2012年9月4日放映、44.PHASE-4610月30日放映
制作:サンライズ


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最終更新:2025年04月28日 05:10

*1 と同時に、それに唯々諾々として従い、あまつさえ戦場ですら指示を仰ぐ大西洋連邦の惰弱さも際立っている

*2 自らのコーディネイターとしての出自に苦悩し、それを両親に質してしまうかもしれないと恐れたキラとは対照的であるともいえる。

*3 コーディネイターの中には、自らの出生に悩んだ末、遺伝子操作の禁止を提唱する者もいる

*4 ただし政治面についてはキラたちが妨害していなかったらオーブを手に入れていたかもしれない。決定的にダメになったのもデュランダルの言うことを(半ば真実とはいえ)民衆があっさりと真に受けたためであり、その局面までは打った手が全て悪いとは言えない。

*5 原作通りにアズラエルが手に入れるとゲームオーバー

*6 加えて、敢えてサングラスを外した劾の素顔を見て、正体に気付きビビった

*7 砂漠の虎戦、三馬鹿戦を丸々カット

*8 この『DD』に参戦している原作漫画版のデビルマン本編にも、デーモンへの恐怖に駆られるあまりに狂気に走り「悪魔」と認定された無実の人間たちを惨殺し狂乱の様相を呈する地獄絵図のような現場を目の当たりにしたデビルマンがそれを行った悪魔特捜隊に対し「おれはからだは悪魔になった……だが 人間の心を失わなかった!」「きさまらは人間のからだを持ちながら悪魔に!」「悪魔になったんだぞ!」「これが! これが! おれが身をすてて守ろうとした人間の正体か! 地獄へおちろ人間ども!」と怒りをぶつけるという場面があり、その時の悪魔特捜隊の面々は命乞いしていたが、デビルマンは殺してしまうという場面があり、原作漫画に於いてもこのシーンはトラウマ場面として語られている。元ネタもこれであり、アズラエルも悪魔特捜隊と同じくコーディネイターへの憎しみと恐怖に駆られて核をプラントに打ち込んで虐殺しようとしていたり、最後も命乞いをしたりしている点も共通している。