ファウンデーション王国(SEED FREEDOM)

登録日:2024/02/19 Mon 10:56:00
更新日:2025/09/25 Thu 13:12:09
所要時間:約 55 分で読めます



※この記事は『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の重大なネタバレを一切隠していません。
まだ映画未視聴の方はご注意ください。














ファウンデーション王国とは、映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場する架空の国家である。


【概要】

ザフトからの支援を受けてユーラシア連邦から独立した新興国家。首都名はイシュタリア。
人種・性別・年齢・ナチュラルやコーディネイターも関係無く、優秀な人間を登用したことで、C.E.75年の段階で目覚ましい復興と発展を遂げた。女王の声のせいで通称「ゆかり王国

ファウンデーションの独立成功は周辺地域に大きなインパクトを与えたらしく、他の地域でも独立を仄めかす動きが出てくるなどの「ファウンデーション・ショック」が起こっている。
国際的にはまだ認められておらず、ユーラシア連邦とも休戦状態と表立って喧嘩はしていないが良くもない関係。

作中に登場した地図をみるにカスピ海に面した立地で、現実のカザフスタンのアティラウ州辺りに位置すると思われる。


軍備はザフトから購入したジンFディンFといったMSの他「ブラックナイトスコード」と呼ばれる近衛師団を配備。
ちなみに「スコード」は「分隊」を意味する。リギルド・センチュリーの宗教とは関係ない。こっちは「squad」であっちは「SU-Cord」である
隊長はシュラ・サーペンタイン
コンパス側からは「ブラックナイツ」と呼称され、ファウンデーション軍はこの下部に位置している。
「黒騎士部隊」の通り黒色を基調とした専用の制服を着用している。
また彼らが乗る専用MSを指して呼ばれる事もあり、やはり何れも黒系の塗装が施されている。

宰相のオルフェが指揮する国王たるアウラの親衛隊というだけあって構成員の戦闘能力も搭乗MSも凄まじい強さを誇る。


【作中の活躍】

本編開始前発生したフリーダム強奪事件においてブラックナイツが出撃。テロリストに奪取されたストライクフリーダムを無力化した。

その後、以前から頭を悩ませていたブルーコスモスの首魁・ミケール大佐の逮捕を目的とし、
エルドア地区での合同作戦を世界平和監視機構コンパス総裁ラクス・クラインに依頼、コンパスの主力艦隊をイシュタリアに引き入れ作戦の実行を決定する。

当初コンパスのMS部隊による活躍でミケールの逮捕まであと少しというところまで迫ったが、コンパスのヤマト准将の軍事境界線侵犯が発生し、
急遽ブラックナイツがフリーダムの制止を命じられたところにユーラシア方面から発射された核ミサイルがエルドア一帯とイシュタリアに直撃。
コンパス部隊は壊滅的な被害を負い、イシュタリアでも15万人もの民間人の死者行方不明者を出した。*1
幸いオルフェらはラクスを引き連れ宇宙への脱出に成功、ブラックナイツもコンパス唯一の生存者となったアグネス・ギーベンラートを救出、宇宙へと離脱している。

だが、この出来事でかねてからのナチュラルに対する怒りが爆発したオルフェはユーラシア連邦首都への大規模な報復を決行。
更に「能力に嫉妬したナチュラルのせいで地球を追われた」という大義名分の下ザフト軍にクーデターを呼びかける。
そして「地球の全国家のデスティニープランの導入及び即時実行」を全世界に向けて要求。
直後に謎のハイジャック部隊により占拠されたミレニアムがオーブから出港するのを確認。
国家元首であるカガリ10分の逃れられぬ猶予だけを与えレクイエムの照準をオーブ首都オロファトに向けるのであった……



さらばだオーブ…



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ファウンデーション…聞こえるか
こちらはミレニアム…キラ・ヤマト

国際救難チャンネルで放送を受信!
何だと!?

残念だったね。僕はまだ生きている。
自分の国民を犠牲にしてまで殺そうとしたのにね

どういうことだシュラ!?
バカな…あの状況で!?

君たちは、人類を導く者なんかじゃない。

ただの殺戮者だ!

僕たちは真実を知っている。
証拠もある。世界中にそのことを訴える!

君たちの負けだ!

アコードか何か知らないが、虐殺者の企みは絶対に潰す!


言わせておけば……!
母上!

あの出来損ないを殺せ!

レクイエム、目標はミレニアムじゃ!

撃て!わらわの命じゃぁ!














ファウンデーション王国(SEED FREEDOM)(真のネタバレ)
登録日:2024/02/19 Mon 10:56:00
更新日:2025/09/25 Thu 13:12:09
所要時間:約 55 分で読めます


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【実態】


ファウンデーション王国とは、映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場する架空の国家であり、
本作で起きた事件全ての黒幕で、そしてキラの言う通りの「殺戮者」である。

コンパスに協力を求めた「ミケール大佐逮捕作戦」を囮にユーラシア連邦から核ミサイルを王国首都に撃ち込ませて15万人もの死者行方不明者を出し
更にその報復を名目に密かに修復したレクイエムでユーラシア連邦首都を攻撃するという壮大なマッチポンプ作戦を展開し、ザフト軍タカ派のクーデターを煽動。
そしてレクイエムによる砲撃を盾に「地球の全国家のデスティニープランの導入及び即時実行」を全世界に向けて通告し、
その際一切の市民避難も許さない事実上の完全無条件降伏を要求する暴虐を尽くしたが、キラアークエンジェルクルーを始末し損ねた事がきっかけに全ての作戦が崩壊。
キラ達との決戦に敗れて首脳部は全滅、それ以前に自ら首都を壊滅状態にしてしまっていたことで、国家としても滅亡したと思われる。


身も蓋もない言い方をしてしまえば、「世界征服を企むコッテコテの悪の組織」。
初代がリアリティ志向・SF志向の強い作品なだけあり、ガンダムシリーズの敵役には、
といったパターンが多く、ファウンデーション王国のように「自分達が世界を支配する」ことを最終目的にしているのは割と珍しい。
別作品を例に挙げるなら『機動武闘伝Gガンダム』のウォン・ユンファやウルベ・イシカワ、『機動戦士ガンダム00』のアレハンドロ・コーナーくらいか。

一応「優れた自分達が頂点に立ち、改めてデスティニープランを実行に移すことで争いも格差もない世界を作る」という大義名分がなくはないのだが、
そんなもので核攻撃とレクイエムによる自国民と他国民を含む一般市民の大量虐殺&世界への脅迫という超ド級の蛮行を正当化できるはずがない。
当たり前だが、同じく「世界征服を企むわかりやすい悪役」だった上記の3人ですら自国民の大量虐殺なんてマネはしていない

『SEED』でナチュラル・コーディネイターの差別なく、人類そのものを滅ぼさんと両者の壊滅戦争を起こさせようとしたクルーゼですら、
自身の部下であるクルーゼ隊所属者に対しては割と情のある対応をしており、捨て駒にしようとはしなかった。たぶん*2
後述のデュランダルも、いわゆる戦略兵器の使用や「交渉妥結に至らなければ撃つ」宣言をある程度やむなしと考えている、
デスティニープランを強行することを是とするなど、時に武力行使も辞さない「独裁者」じみた面をはっきりと見せてはいたが、
プラントとそこに住む者たちの繁栄、というよりデスティニープランによる安定した社会の実現そのものは本気で目指していたことを考えれば彼らの異質さが際立つ。
いかんせん当のファウンデーション王国が「実際にやったらこういう失敗をする可能性があるよね」を次々に披露してしまっているので、アウラの正体を抜きにしても、今更比べられても草葉の陰で議長は喜ばないだろうが。

序盤におけるブラックナイトスコードの面々の不遜な振る舞いや、
オルフェのラクスやキラへの言動、それらの傲慢さを裏打ちするには十分なだけの実力と凶悪な特殊能力、
そしてそういった序盤の鬱憤をまとめて晴らしてくれるカタルシスたっぷりの散り様と、お祭り映画色の強い本作を象徴するような敵役となっている。
反面、トップにして全ての元凶のアウラを除けば、オルフェたちの言動について
親のエゴに振り回され、『与えられた役割が全て』という価値観以外を知らずに育ってしまった体が大きいだけの子供
と考えられる一面もある。
そうはいってもやらかした事が事なので、まとめて爆発四散させられたのは、まあ残念でもないし当然なのだが。


同じく『SEED』に登場する、反コーディネイターを掲げる過激派組織・ブルーコスモスも、
「青き清浄なる世界の為に」をスローガンに、コーディネイター殲滅のためなら大量破壊兵器の使用すら躊躇わない一方で、
地球にもオーブを始めとしてコーディネイターが住む国はあるが、地球では核兵器を使用した事は今まで一度も無かった。
とはいえ同じく放射能汚染からマリューが使用を禁じたローエングリンを、連合は種運命でガルナハンに据えてザフト相手にぶっ放している。また、エクリプスで核兵器を使用した描写がある
その理由の一端が「『青き清浄なる世界』を自ら放射能汚染するなど言語道断」である事は想像に難くなく、過激派でも最低限の理性はあったと言える彼らと比べ、
敵の殲滅どころか自作自演の生け贄として地上で核を使い、平気で自国民15万人を葬り去った上、ユーラシア連邦にレクイエムを発射するなど、
おそらくはブルーコスモスから見ても、ファウンデーション王国のやり方は狂気の沙汰であろう。
彼らの思考はガンダムシリーズきっての過激派連中を更に上回る、最悪を超えた極悪と言っても過言ではない。

というか「我々は通常のコーディネイターの上位種で管理する立場だ」というスタンスはプラント全域を敵に回すものであり*3
連合はもとより、仮にも環境保護団体であるブルーコスモスとしても、地球に核とレクイエムを撃った時点で激怒してもおかしくなく、
最終決戦では宇宙での戦いしか描写されなかったものの、地球圏全域が反アコードで結束してもおかしくない振る舞いであった。
仮にキラやコンパスを倒せていたとしても、今度は「ファウンデーションvsオーブ&ザフト正規軍&大西洋連邦&ユーラシア連邦ら地球連合」等、
これまでの歴史を見ればカオスとしか言いようがない争いに繋がることは想像に難くなく、簡単に目的を達成できるかは微妙なところ。
まあレクイエムを用いた脅迫はそれを見越した上での行動であるが(ギルバート・デュランダルも同様)。

これらのことから、曲がりなりにも人類の未来のために行動していたデュランダルはもちろん、
過激な行動に走ったパトリックやアズラエルどころか、ジブリールですらもそれぞれが自分の中にある正義や信念のために行動していたと評価が回復し、
挙句の果てに「アウラに比べればユーレン(キラの父親)は子の未来を真摯に思っていたからマシ」とか言われる始末である。


【内政】


デュランダルが提唱したデスティニープランを国策として取り入れ、独立を果たし、奇跡的な復興を成し遂げた。
一方で、首都の近郊には荒れたスラム街もあり裏表のギャップが極めて極端。

小説版では「遺伝子で人を選別するならば、コーディネイターがナチュラルの上位に立つのは当然」というある意味自然の摂理に基づき、
「少数のコーディネイターが要職を占め、ナチュラルの活躍する機会をことごとく奪う」という、まさにデスティニープランの負の部分が現実になっていることが語られ、
また映画序盤で一瞬描かれた「スラムの人間の銃殺・逮捕の描写」はデスティニープラン反対のデモ参加者が弾圧された光景であると説明されている。
デモ隊はコンパスが国にやってくるタイミングで活動を狙ったが直前に弾圧されてコンパスにこの実情が伝わることはなかった。

デスティニープランによる適性は需給が噛み合っている間は良いのだが*4
現実には(例えば特定職種の求人数とその適性を持った労働者数が)ピッタリ合致するわけがなく、結果あぶれた人間が大量に発生しスラムに押し込まれるハメになる。

そもそも『ファウンデーション王国』とは、首脳部にとって隠れ蓑兼生け贄に過ぎない。
計画の邪魔となるコンパスの主戦力を罠に嵌めて葬り去り、ラクス・クラインを掌中に収め、プラントを内通者によるクーデターで掌握してレクイエムを確保した時点で、
アウラたちにとってはファウンデーション王国に残っていた国民は存在が不要になったと考えられる。

また、コンパスが入国した際に街中のスクリーンにはラクスのPVが放送されていたのだが、ミーアが混ざっていた
一瞬だったがこれに気づいた一部の視聴者から、デュランダルといたラクスは偽者だったとバレているはずなのになぜミーアが混じっているのか、
ファウンデーションの製作スタッフは区別がついていないのか、などの疑問の声が上がっていた。
福田監督によると、「専用のニュース映像作っていない、とギリギリに制作から言われて過去作ラクスの音楽ビデオ風に映像編集」したが、
「素材が足りないということなのでミーアを混ぜろと指示」したというのがメタ的な事情とのこと。
同コメント内で「デスティニープランの国だから多分仕事に愛がない。」とされており、民間の仕事ぶり一つをとっても、
「あくまで出来るからやらされているに過ぎない」と言わんばかりの責任感と矜持の欠如を現す演出という意味合いも込めているようだ。



【アコード】

アウラがデュランダルと共にスペースコロニー『メンデル』の研究所にて、「コーディネイターを超える種を生み出す」という研究テーマの末に誕生した、
デスティニープラン施行後に世界を支配するための特別なコーディネイター。
「人の生き方・社会的役割を、各人が持つ遺伝子の特性に応じて決める」プランを体現する出自、
そして『SEED』と『DESTINY』二作で紡がれた「遺伝子に端を発する人の業」、その極点に立つ存在である。
ブラックナイトスコードの隊員達は全員がこのアコードであり、その点では全員が兄妹にして家族である。
ブラックナイトスコード各人に武器の名前が付いているのも、もしかしたら各々がデスティニープラン遂行のための武器という事を示すものなのであろうか。

そうして見ると、彼らもまた運命に全てを縛られた計画の駒だったのだろうが、「デスティニープラン施行下の人類を導く」という生まれ持った役割意識から、
自分達こそ愚民共を支配する上位種だ」という自負・超越者思考を持つに至った彼らに、自分の境遇を儚む者など居なかった。心の底まで見るとそうではない者もいたのだが。

また「役割に必要な最高値の能力」を与える為には、遺伝子調整の結果が十全に反映されなければならない以上、
ユーレン・ヒビキが『メンデル』で進めていた「スーパーコーディネイター」生成技術が大いにインスパイアされた事は想像に難くない。
劇中ではキラをアウラが「出来損ない」、オルフェが「失敗作」と嘲弄・揶揄する場面があったが、
これはキラ=スーパーコーディネイターがあくまで「遺伝子調整の結果が確実に反映されている」だけである事を踏まえた発言と考えられる。
余談だが、スーパーコーディネイターは設定があまり浸透していなかったころは「最高の能力を持ったコーディネイター」と誤解されていたが、
アコードは実際に「最高の能力を持ったコーディネイター」であるため、ある意味ではかつてのスーパーコーディネイター像が現実化した存在がアコードともいえる。

コーディネイター同様に高い資質を持たされて生まれ、鍛錬してきたことで高い能力を身に付けている他、
後述する一種の超能力のようなものを有しており、まさしく「コーディネイターを超える」という題目に沿った存在である。
一方で、コーディネイターは遺伝子調整の影響か、代を経るごとに特にコーディネイター同士では出生率が下がるという問題を抱えていたが、
アコードにも同様の問題がある、もしくはこの先起こる可能性があるのかは不明。

Accord(アコード)”とは「調和、協定、一致」といった意味の英単語だが、Advanced Coordinator(進歩したコーディネイター)にもかけているのかもしれない。
キラ(吉良)の敵だからアコー(赤穂)ドではないと思いたい。


《精神感応能力》

アコード達が有する超能力。
  • アコード同士でテレパシーのような思考共有を行う
  • 近くにいる人間の心を読み行動を把握・先読みする
  • 対象に自身の思念を送り込み通信手段を用いずとも自身の声を聴かせる
  • 心の闇に干渉する事で精神を汚染する
  • 宙域規模の敵機を全て一瞬で捕捉するなど優れた感知能力
  • アコード同士の精神を共有した状態で連携攻撃を仕掛ける「シンクロアタック」
といった驚異の効果を持つ。
キラが協定違反を犯す事になったのも、彼やアスラン、シンといったスーパーエースさえもが手玉に取られたのはこの能力のためであった。
特にアコード同士のテレパシーは非常に強力で、首都イシュタリアの地下指令室からエルドア地区までの長距離をタイムラグ無く自由に会話できる優れた射程距離を有する。
またテレパシーによる会話には一切の特殊装備や電子機器を介さないため、強力なジャミング下であろうとアコード側の通信と連携は一切悪影響を受けず、隠密性も非常に優れている。

その他、オルフェがラクスの手に触れると二人の間に不思議なイメージが発生し、言葉を交わす事なく互いに意思疎通するかのような不可思議な現象が発生しており、
この際にはラクスの目が「SEED」が発現した時と同じ描写になっていたが、詳細は不明。
監督のコメントによると「共鳴」とのことで、アムロとララァのシーンの現代アレンジという事らしい。
小説版では「あたたかい光に満ちた二人だけの空間」ともある。

思考の読み取りも厄介極まりなく、直接的な戦闘では「相手の攻撃も回避も全て見切り先手を打てる」絶対的な優位性と、
味方同士は超高度な連携をラグや諜報の危険性なく行えるなど圧倒的アドバンテージを誇る。
非戦闘行為である交渉事などにおいても「相手が何を考えているかわかる」のは限りなく事を優位に運べるカードであり、
ファウンデーションが短期間で急速発展した一因もここにあると考えられる。

ちなみに小説版では、映画本編では割とざっくりとした感じで流されていた超能力の掘り下げもなされており、
まず精神干渉に関しては
操りたい標的の精神波動を探る

補足した標的の精神波動をロックオンする

碇を打ち込むように標的との精神リンクを確立させる

「闇に堕ちろ」というワードを囁いて精神に干渉実行。
心の闇やトラウマを刺激して標的にありもしない幻覚を見せたり極度の譫妄状態に陥れる*5
というかなり悪質な原理が描かれている。
そして読心術の応用により、銃を突き付けて知りたい用語を投げかけることで隠されたパスコード情報を脳内に想起させる手段を保持していたことも描かれていた。
ブラックナイツがユーラシア側が有していた核ミサイルシステムを、いとも簡単に掌握できたのもこれが原因。
心の中に正解のパスコードが浮かび上がればその時点でアウトなのだから、初見であればどうしようもない。
ショボい警備で前線にそんなもん置いとくなってツッコミはごもっともだが

役割に応じ生まれ持った極めて高い資質に加えて、相手に対して「一切の嘘偽りを喝破し」、「あらゆる秘密や行動を読み取り」、
「それを間髪置かずに味方同士で共有可能」という、状況を問わず絶対的な優位性を確保できる超能力を持つ存在。
完璧に過ぎる、人類を統治すると驕るのもやむなしと思えるアコードだが、弱点もある。

生まれながらに「最高の能力」を与えられ、それを十全に発揮・行使できる環境に有ったが故に、
彼らには「失敗」や「挫折」といった「敗者となる機会」に直面する事は終ぞ無かった。
このため「物事は自分達の想定通りに全て動く」と思い込みがちな一方、非常時や想定外の事態への対応や判断、リカバリーに関する経験値が一切無い…、
どころか、そもそも彼らにとっては「ミスや想定外が起きる事」自体が発想の埒外にある。
要は温室栽培過ぎるが故に、万が一を考える力や逆境やイレギュラーに対する対処能力が著しく低い
例えるなら「切れ味は良いが硬い物にぶつかれば簡単に破損してしまうガラスのナイフ」
或いは「性能は良くとも故障や事故が起こることを想定したプログラムになっていないロボット」のようなもので、
事が思い通りになっている内はいいが、一度大きな理不尽に直面すれば容易に負の感情の爆発や混乱、現実逃避などの思考に陥り、
相手を警戒しない強権的な対応や力任せのゴリ押し一辺倒、最悪は目の前の状況にフリーズして立ち竦むといった余計に破滅への道を突き進む悪手を採ってしまう事になる。

また読心能力は作中後半ではろくに機能していない。
それはアコードの側は一度完勝した相手を完全に舐めてかかっており、読心能力をフル活用していなかった事が考えられ、
シン・アスランとブラックナイトスコードたちの再戦では、これが完全に災いし、
シンとの再戦では、以前と違って彼に優勢に立たれた時点でブラックナイツたちは読心能力を用いて逆転を狙うが、
シンの戦闘スタイル、及びその精神状態が特殊だったことで読心能力がかえって仇となってしまい、
アスランとシュラの再戦でも、アスランがシュラの読心能力を逆手に取る作戦を採ったことで、シュラは完全に翻弄されてしまった。
エスパーの弱点はゴーストあくだし…

アコード達全員に言えるが、彼らの読心や精神共有、精神汚染攻撃は、
言わねば伝わらぬ、言えば望もうが望むまいが伝わる」という『SEED』シリーズの根底のテーマに真っ向から立ち向かう一種のアンチテーゼである。
だが便利そうに見えて実際有利に働かせもしたが、最後はアコード全員それが仇となる形で死亡し、
一方のキラは一度はアコードとオルフェに完敗して心が折れるも、弱音を全て吐き出した事で周囲に支えられて立ち直り
さらに、ぎくしゃくしかけたラクスに対しても真正面から「愛している」と告げ、互いに気持ちを伝え合って関係を修復するという流れは、
結局「他人とのコミュニケーションで、直接言葉で互いに自分の心や考えを伝え合うに勝るものなしという事なのだろう。


【ブラックナイトスコード(ブラックナイツ)】

精鋭揃いのブラックナイツだが、一方でイングリット以外の隊員はどれも傲慢不遜な性格で、仲間とラクス以外の他人は極端に見下している。
ラクスが例外扱いされているのは、彼女の出自が絡んでいると思われる。*6

そのせいか、オルフェの脇を固める形でコンパス一行を出迎えた後は、
  • キラ達来賓が来ても敬礼するどころか、挨拶の一言も無しに無視して鍛錬
  • シュラが弾き飛ばしたサーベルが刺さりかけるが謝罪しない
  • あろうことか客人であるキラに向かって「一手御指南いただけませんか?」などと剣での決闘を要求。
    一見丁寧に見えるが、「一手御指南」とは道場破りが喧嘩を売る時の決まり文句である
  • キラが決闘を断ると「剣が使えない隊長さんかい?」「コンパスっての案外たいしたことないんじゃない?」「それはこないだ実証したし(フリーダム強奪事件のこと)」と侮辱。
    流石に眉を顰めたイングリットが「お客人に失礼ですよ、あなたたち!」と注意するが無視。
  • シュラに剣で打ち負かされたシンを嘲笑う
  • キラにシュラがサーベルの先端を突き付ける。再度イングリットが割って入るが無視
正規軍としてはあり得ない域でマナーが出来ていない
まともな軍隊なら来賓が来た時点で(本音はどうあれ)訓練中なら整列して敬礼する*7
ましてや、模擬試合で敗北したのを馬鹿にするなんて論外である。

劇中ではムウ「まともな軍隊には見えんってことだ」と言われ、
小説版ではムウのこの評価にルナマリアは「言われてみればそうだ」、「能力主義で自発性が求められるザフトでさえ、彼らよりはるかに軍隊らしい」、
「自分が彼等を指揮する立場じゃなくてよかった」*8とムウの意見に賛成し、内心安堵までしていた。

実態は裏で謀略や汚れ仕事を実行するオルフェ直属の特殊作戦部隊の側面も強く、ファントムペインに近しい部分もあり、合同作戦からその側面を露わにし始める。
ミケール大佐逮捕作戦では陰謀の第一段階としてキラに精神汚染攻撃を仕掛け、彼の暴走とそれによるユーラシア連邦の刺激を行う。
暴走したキラを止めるという建前で攻撃を行い、更にその裏でユーラシア連邦の核をファウンデーション首都に撃たせ、
その様子を目撃したアークエンジェルと防衛のために応戦したマーズ・ヒルベルトを撃墜。
シンのイモータルジャスティスも破壊し脱出したシンを仕留めようとするも、駆け付けたヒルダによって救出され取り逃がしてしまった。
後々この判断が最悪の形で身を滅ぼすことになるとは知らずに…

宇宙に合流した後、シン達の迎撃に向かったリデラード、ダニエル、リュー、グリフィンは、
一度負かした相手が、「デスティニープランの旗印」でもあるデスティニーガンダムに乗ってきたシン(と仲間たち)を完全に侮っていたが、
いざ接敵してみれば、一度戦った自分たちへの対策を講じてきたシンとデスティニーの前に、数的有利でありながら優勢を取られ、
焦って読心能力を使うも、「SEED」を発現したシンの「思考を介さず、反射と感覚で戦う」戦闘スタイルには効果がなく
精神操作を仕掛けてみても、その際に垣間見たシンの心の闇の深さに戦慄するという顛末になってしまって戦況を立て直せず、
その後にシンが仕掛けた「本物の分身」こと無数に分身したデスティニーが次々と迫ってくる光景に取り乱した隙を突かれ、
デスティニーの分身に紛れて突撃を仕掛けたヒルダの攻撃で、リデラードを撃墜されてしまう。
その際、全員の精神がリンクしていたのが災いしてリデラードの死に際の恐怖や絶望が他3人にも伝搬
完全に恐慌状態に陥ってしまった彼らに、シン&デスティニー本体とその分身を迎撃することなどできるはずもなく、
直後に残り3人もシンによってまともな抵抗すら出来ないまま次々に粉砕され、間も無くその後を追わされる事となった。
その今までの態度が嘘のように発狂する姿は、彼らが見たら確実に馬鹿にしたであろう薬や装置がないと生きていけない人間達を思わせる物であったのは何の皮肉だろうか…。*9
ミケール確保作戦ではヘルベルトやマーズを撃破し、キラやシンを追い詰め、アークエンジェルを破壊したブラックナイツだが、
最終決戦では揃ってろくな戦果もないまま戦死という惨憺たる結果で終わってしまった*10

結局終わってみれば、パイロット的にも機体性能的にも(彼らから見て)格下のシン&デスティニーに、数的有利でありながら終始翻弄・圧倒され、
相手に一太刀も浴びせること叶わず、最期は正しく怯え、竦み、MSの性能を活かせぬまま、自分たちの能力が裏目に出て全滅した訳であり*11
自分達の能力を使いこなすどころか能力に使われてしまっていたという事実を露呈する結果となった。

そもそも、「一度敗れた者が次は対策を取ってくる」*12などというのは常識的に考えれば想定できる事であり、
シンに対しても「破れかぶれではなく何かあるかもしれない」と警戒すべきだったのだが、
「敗者となった経験の乏しい人間」にそんな事は土台不可能で気が付いたのは全てが手遅れな時だった。

この顛末は、所詮、失敗から学んだり何か得る事もできない者は、失敗を反省しそれを糧としてより強くなる者にはいずれ追い抜かれてしまうという、
失敗する可能性を奪われたアコードとデスティニープランの脆さを身をもって示したと言えよう。


【人物】

国王

アウラ・マハ・ハイバル


参ろう、子供たちよ……新たなる未来へ


ファウンデーション王国女王。
コンパスに対しミケール大佐の逮捕に協力の申し出を届け、ミレニアムとアークエンジェルをファウンデーションに呼び寄せた。
見た目と声は幼女そのものだが、女王に相応しく振る舞いは高貴。だがその正体は本作における全ての黒幕にして元凶。

実はこう見えて実年齢は50歳
そして19年前はあのコロニー・メンデルの遺伝子研究者でもあった。
映画ではかつては年相応の大人の外見だった程度しか明かされていないが、小説版では「メンデル襲撃事件*13」にて、
「アコードについての研究と並行していたアンチエイジング*14に関わる開発中の薬剤を大量に浴びてしまった結果、数か月で幼女のような容姿に変貌した」と明かされている。
その際に凄まじい恐怖と苦痛を味わったこともあり、彼女自身は若返ったことを全く快く思っていなかった様子。
むしろ無力な子供の体について「自らの失敗を着て歩いているようなもの」と非常に深いコンプレックスを感じていたらしく、それが思想や人格の歪みを加速させていたようでもある。

外見については小説版で明かされる前に視聴者からは、
などの説が挙げられていた。なので、真相が明かされると「アウラの人格を植え付けられた幼女とかいなくて本当に良かった」と安心する声も上がった

デスティニープランの賛同者でもあり、デスティニープラン施行後の世界を支配すべくアコードを創造し、その母として振舞っているが、
思い通りに行かない事態を前に激しく取り乱して激怒するなど、本質的には傲慢で狭量な人物*15
ターミナルに出向中のアスランが「アコードはデュランダルとアウラの共同で生み出された」と語るなど、
少なくともメンデル時代のデュランダルとは交流があった事がうかがえるが、デュランダルがプラントの最高権力者となった『DESTINY』の頃の関係は不明瞭。
一方で小説版においてはデュランダルとは盟友関係で「自らの最高傑作」と自負しているラクスをあきらめて切り捨てる事に関してだけは反対していた。

ラクスの母と同志だったらしいが、ラクスを出産後に連れて行方を眩ました事を考えると、彼女とは決裂したように見える。
しかし彼女に対して悪感情を抱いてる様子は見受けられない。実際、メンデル時代当時のものと見られる二人で写っている写真を自室に飾っている。

また、キラとカガリの実父であるユーレン・ヒビキと同僚だったようだが、劇中で彼に言及する場面はない。
一方で、小説版では自らの研究や計画を「遺伝子を操るだけじゃ満足できずに、他人すべてを操ろうなんて、君はとことん傲岸だね」と言われたことで、
メンデルでライバルだった彼を激しく憎悪し、その憎いユーレンの子供たちも嫌っている*16

アルテミスを襲撃された後は、出撃するオルフェに代わり旗艦グルヴェイグで指揮を執るが、
オルフェと違ってただの元研究者の人間に軍の指揮がまともにできる筈もなく、ミレニアムの突撃に慌てふためいている内にラムアタックの衝撃で重傷を負う。
レクイエムの再発射でキラ達を道連れにできると確信していたためか、最後まで微笑みを浮かべたまま、ミレニアムの追加砲撃を叩き込まれたグルヴェイグと運命を共にしたが、
その直後にはシンのデスティニー+ゼウスシルエットによって、再発射を果たす前にレクイエムも破壊された。

劇場版の終盤においては不測の事態の連続で完全に余裕を失い、ほとんど見た目通りの子どものような醜態を晒したアウラだったが、
小説版では今際の際に、「どうしてこんなことになったのか……?でも、やっとこの身体から逃れられる」と考えていた。

小説版ではアスランとメイリンによって素性が調べられているが、
それによるとハイバル家自体はキプチャク・ハン国時代(西暦1242〜1502年)から続く由緒ある家柄とされる。
アウラの実家カイドゥ家はハイバル家の遠縁にあたり、C.E.72年に先帝の養子となり王位を継承した…ということらしい。
ハイバル家はアウラとデュランダルの計画(後のデスティニープランと思われる)に賛同しており、資金などを援助していた。

ただ、戸籍の改竄などは行わなかったらしく、「カイドゥ家に該当する年齢の女児はいない」、「記録上のアウラはC.E.25年生まれ」であることが暴かれている。
この時は流石に「戸籍上50歳のアウラ」と「ファウンデーションの女王アウラ」が同一人物とは気付いていなかった。


所謂「ロリババア」である事と劇中の態度や言動から、視聴者からは粛清!!ロリ神レクイエム☆の通称で呼ばれる事もある。*17


余談だが、アウラという名前、幼いルックスのロリババア、大量虐殺した報いで無様で悲惨な末路を遂げる等といった共通点から、
同時期にブームになっていた別の作品アウラとやたら絡めてネタにされることも多い。
ただしロリババアとしてのトシ格は向こうの方が10倍ほど上なのでその辺りからもネタにされていたりする。

ところで、彼女が「出来損ない」と見下した人物には失敗作、アウラ風に言うなれば「出来損ないの出来損ない」とでも言うべき存在が確認されている。
「出来損ない」よりも能力の劣る失敗作と考えた故に対処を後回しにしていたのだろうか。


閣僚

オルフェ・ラム・タオ


私ならできる。彼女の望む世界───戦いの連鎖もない、安定と調和の世界を創り出すことが。私には

CV:下野紘

20歳。一人称は「私」。
ファウンデーション王国宰相であると同時にブラックナイツの管理者的存在でもあり、
独立後間もないファウンデーションを短期間で急成長させたのは彼の政治手腕による。

ラクスの前では温和で美麗な貴公子然とした振る舞いを取っていたが、本性は非常に冷徹かつ高慢。
ナチュラルを「野蛮な旧人類」と見下す生粋のコーディネイター優生思想者で、
役割や義務とは無関係の感情論から来る『愛』の概念を心底侮蔑している。

「ラクスと結婚して世界を治める」ことを求められていることから、ラクスと結ばれることにひどく執心しており、
既にそのラクスと愛し合い、彼女のパートナーとしてその隣に立っているキラのことは強烈に敵視し、また露骨に見下している。
キラの出生や戦歴を把握した上で「君にはできない。戦うことしかできない君には」「その血塗られた手で彼女の手を取るつもりか?」と語りキラを糾弾するなど、
デスティニープランを否定しながらも未だ世界の混乱を解決できていないキラを見下す態度を取り続けた。
現在進行形で10万人単位の虐殺を企ててる身でよく言えたもんである。

彼に課せられたアコードとしての役割は「デスティニープランが導入された世界でラクスと夫婦となり、世界を導く事」
ラクスへの執着の強さも、そのラクスもオルフェに本能的に惹かれかけていたのも、
早い話、この二人は人為的にそのように設計されて生まれた「運命の人同士」だったのである。
そのため、「既にキラと結ばれているラクスを強引に奪おうとする」彼の行動は、まさしくNTRモノの間男同然のそれであるが、
オルフェの感覚からすれば生まれる前から決まっていた自分の運命の相手をぽっと出のキラに簒奪されたようなものであり、
キラを激しく憎悪しているのも、キラからすれば「知らんがな」としか言いようがないだろうがオルフェにとってはむしろキラの方が間男だからである。
オルフェの声を担当した下野氏も間男はキラの方だと述べ、福田監督も肯定している。

このように激しく「運命の女性」であるラクスを求める一方で、自身の右腕とも言えるイングリットが自分に好意を寄せていることには全く気付いておらず、
彼女がラクスを奪還されたことに激昂して平手打ちを喰らわせ、涙するイングリットを容赦なく詰ったり、
その後、彼女をサブパイロットとして共に出撃する際にもただ「役割を熟せ」と冷たく命じたりと、彼女に対してはほぼ終始冷淡である。
ただ、オルフェの運命の女性にして、計画の上でも重要なファクターであるラクスを奪還されるという大失態を平手打ちと叱責のみで実質許し、
共に出撃する際にも「お前も自分の価値を証明してみせろ」と彼女にとって名誉挽回の機会であることを強調したりと、
「自身の右腕」としてのイングリットの価値についてはオルフェも高く評価しており、劇中での彼女の失敗に対する容赦のなさも、その信頼の裏返しとも取れる。

宰相としての政治手腕もさることながら、MSのパイロットとしても指揮官としても能力は一流。
艦隊旗艦グルヴェイグを的確に指揮してミレニアムを苦しめた他、最終決戦では専用機のカルラに乗り、
「SEED」を発現させた*18キラのストライクフリーダムガンダム弐式を、数的有利もあって終始優勢を保って戦い、
一時は『DESTINY』で負けなしだったストライクフリーダムを撃墜寸前まで追い込むなど、その実力は紛れもなく本物である*19
視聴者からは乗機が2人乗り前提であることを弄られたりもしているが。*20

劇中では歯の浮くような甘い言葉や態度を弄してラクスに言い寄る一方、キラに対しては露骨な敵意を見せ、
既にメンタルが危うい状態にあるキラに悪意のある言葉をぶつけてさらにその精神を追い込み、
その後の作戦ではアコードの能力でキラの精神に干渉し、彼に軍事協定違反をさせた上で敢えてラクスにキラへの攻撃許可を求め、
しかもその発言をした瞬間にキラの精神汚染を解除し、「ラクスが自分を裏切った」ようにキラに解釈させた上で核ミサイルを発射させるなど、
あの手この手でキラとラクスの精神を追い詰め、彼らの仲を引き裂こうとした。

しかし、肝心のラクスはオルフェが「ラクスという器に与えられた必要性や役割」にしか興味を示さないことからオルフェを頑として拒絶し、
オルフェがどのような行動に出ようと、自身の「愛」に従い、キラへの想いを貫いた。
キラを核攻撃に巻き込んだ後は、キラが死んだと思って動揺する彼女に「あなたが討っていいと許可した」と追い打ちをかけ、泣き崩させるも、
それでもラクスは気丈な態度を緩めずにキラへの想いを捨てず、オルフェに対しても冷たい態度を崩さなかった。
その態度に苛立ったオルフェが衝動的にラクスを押し倒し、強引に犯そうとした時にも、
「例え何をされても自分の中のキラを消すことは出来ない」「あなたの愛する『ラクス・クライン』は私ではない」冷徹に返され、
その態度に逆に気圧されたオルフェは、結局それ以上何もできずに引き下がってしまった。*21*22

キラたちによってラクスを奪還されると、それを阻止できなかったイングリットを容赦なく殴りつけ、
「役割を果たせなければ、自分たちに存在する価値などない」と叱責する*23
そして、キラと彼の乗るストライクフリーダム弐式を自ら討つべく、イングリットと共に専用機カルラで出撃する。
自身に加勢するシュラと共に、機体の性能差と数的有利を活かしてフリーダムを撃墜寸前まで追い詰めるが、
ギリギリで加勢に間に合ったアスランとズゴック…の皮を脱ぎ捨てたインフィニットジャスティス弐式によって撃墜することは叶わなかった上、
舌戦ではアスランやシン、何よりもラクスとの語らいで精神的に立ち直ったキラの心を折ることは出来ず、逆に精神を乱され、
さらに、ラクスが乗るプラウドディフェンダーとフリーダムのドッキングを許したことで、戦局も逆転されてしまう。

そして、マイティーストライクフリーダムに乗るキラとラクスによってカルラも中破させられ、自身も瀕死の重傷を負って尚、
オルフェは「ラクスから愛されない」ことへの疑問と、自身の「役割」への執着を口にするが、
直前のキラたちの言葉に感化されたイングリットに抱きしめられ、彼女から想いを告白されると共に「もういいのよ」と声を掛けられると、
オルフェは静かに目を閉じ、自分を抱きしめるイングリットと共に、カルラの爆炎に飲み込まれていった。


私には……使命が……

もういいのよ、オルフェ…

イングリット…

私は知っているから…


劇中における立ち回りや金髪の美男子である事からあの調律者を彷彿とさせる面が多いが、
  • 歪んでいたとはいえラクスにはただ只管に一途
  • ラクスを押し倒すに留まらず服を剥ぎかけたが、拒絶されると狼狽し、胸を触ったけど何もできずに立ち去る
など人間性はオルフェの方が遥かにマシと言える。このためスパロボでの共演をいち早く見たいという人もしばしば見かけられる。
やらかした所業は決して許されるものではないが、彼もまたアコードとして定められた役割以外の生き方や振る舞いを知らなかったことがうかがえる。
そして、それゆえに「条件付きの愛は本物の愛ではない」ことに気が付けないまま死んでしまった事は、彼にとって最大の不幸だったと言えよう。

また最終決戦では憎しみの輪から逃れられず延々と憎み合いと殺し合いを続けるC.E.の人類に対し「皆愚か者だ!」と怒りを爆発させた。
言ってる事は間違っておらず、悲痛さも感じさせるものの、「他者に変わることを要求して自分は変わろうとはしない」なんて文句はオルフェが言えた義理ではない。
というか、『SEED』や『DESTINY』の時代と比較すれば、今作は確実に平和への芽吹きが始まっていると言ってよい状況で*24
彼やファウンデーション王国の行動はむしろ憎しみと殺しの火種を再燃させただけである。
自分都合で戦火を広げたという面では、パトリック、クルーゼ、デュランダルといった手合いと同じ穴の狢でしかなかったとも言える。

翻って見てみると、オルフェもキラも「世界を平和にする」という目標は同一のもので、
それについて「自分が(誰にも頼らず)率先してやらなければならない」という思い込みに囚われていたが、
キラが迷った時に正してくれる親友自分を慕って付いてきてくれる後輩同じ志を持って助けてくれる仲間達
そして弱さも受け入れてくれる最愛の人と世界を平和にするに足る理由があり、後者の思い込みも払拭せしめたのに対し、
オルフェがデスティニープランを施行して平和を目指す事、それを自分一人で背負おうとしたのはそうなるように作られ、育てられたからという違いがある。
総括すれば、オルフェの事を「C.E世界に絶望したアナザーキラ」「守りたい世界が無かったキラ」と評する人もいる。
また、これらのキラとの共通点の多さから、もしもキラと敵対する事情がなければ、あるいはキラと別の形で出会えていたならば、
幼馴染で親友であるアスランと同じくらいにキラと仲良くなれていたのではないか?と妄想するファンもいる。つまりはアウラ絶許

尚、デュランダルがラクス暗殺を目論んでいたことは知らなかったのか*25、小説版では今でも父親のように慕っていることが判明している*26

因みに「オルフェ」とはギリシャ神話に登場する吟遊詩人「オルペウス」のフランス語読み。
オルペウスといえば、亡くなった妻を冥界から連れ戻す道中「現世に戻るまで決して振り返ってはならない」という誓いを破り、途中で振り返ってしまったことで妻の蘇生に失敗したエピソードでよく知られる。
「振り返ってはならない約束を破ってしまった」オルペウスと「振り返ってさえいれば気付けたものもあったかもしれない」オルフェ、同じ名前ながらも対照的な運命を辿っているのが見て取れる。
なのでコズミック・イラで「オルフェ」だけど某スタジオとは関係ないぞ。
日本刀型武器を持つモビルスーツも出てきたけど元締めは『FREEDOM』には参加してないと言っているそうだぞ。


イングリット・トラドール


歌えなくなったこの人を、それでも貴方は愛してると言えるの!?


20歳。
ファウンデーション国務秘書官で、宰相オルフェの行政面の補佐を行っている。

好戦的かつ高慢な者ばかりなアコード達の中では珍しく礼儀正しい性格で、コンパス一行を挑発するブラックナイツを度々窘めている。

また、補佐しているオルフェに対して仲間意識を超えて異性として恋愛感情を向けているが、
オルフェは「ラクスと結ばれる役割」を課されているため、自身の恋が叶わないことも自覚しており、
自身の恋心と自身の役割(=ラクスと彼が結ばれることも補佐しなければならない)の板挟みに深く悩み苦しんでいた事が度々描写されている。
一方のオルフェはイングリットの恋心には全く気付いておらず、その献身も「役割からして当然のこと」と見做しているのか、
イングリットに対しては終始冷淡で、自身の補佐官としか見ていない様子。
そもそも(言い方は悪いが)イングリットが勝手に好意を向けているだけで、オルフェは別に誑かそうとしたわけではなく、
その想いに気付かないのも、オルフェの生い立ちを考えればしょうがない部分もあるが、「オルフェなんかに惚れてしまったイングリットが可哀想」という声も多いが、
イングリットは純粋にオルフェを愛しているため、「オルフェと結ばれてほしい」とその恋の成就を願う声もまた多い。

当初は「能力」と「それに見合った価値」を絶対視するアコードの思想に恭順し「人に必要とされて生きるのが私たちの幸せ」というアコードの在り方に拘泥していたが、
ラクスとの語らいと、そのラクスとキラが能力も価値も関係なく「ただ互いを愛し、必要としている」ことを目の当たりにしたことで、
自身の中のオルフェへの想いと真摯に向き合い始め、それを否定するアコードの思想からも解放されていく。
この立ち位置から本作の裏ヒロインと評す声も多い。

ブラックナイツの中で唯一単独でMS操縦を行っていない*27が、帯刀はしておりアウラやオルフェの護衛として帯同していることが伺えるシーンがいくつかある*28
もっとも、劇中ではラクスを人質に取った際のキラとラクスのやり取りに動揺した結果とはいえ、
その後のラクスの行動に驚いて思わず彼女の拘束を緩めた結果脱出され、ナチュラルのキサカに完全制圧されるなど、その身体能力は発揮できていなかった。

小説版では、実の妹であるリデラードのみならずアウラや他のアコードの面々も何より大切な家族と想いながらも、
実は他のアコード達に自分の恋心を悟られないよう、心を読まれないように必死に閉ざしていた事実が判明。
自作自演による核攻撃で滅んでしまった自国の首都イシュタリアの有様を見て、悲し気に顔を背けるなど、
劇場版の時点で痛ましい立場にいた彼女だが、小説版の方はより悲劇性が増してしまった。

宇宙に上がった後は宇宙要塞アルテミスでラクスの監視を兼ねた世話係を任されていたが、
頑なにオルフェを拒絶するラクスを説得しようとした結果、逆に彼女に「価値で人を愛するのではない」と説かれ動揺し始める。
ラクス奪還のためにキラたちが侵入してきた際には「貴女が作戦に必要だから来ただけ」と、キラが来てくれたことに嬉しそうなラクスに言い放ち、
やがてキラたちが自分たちのいる部屋に現れると、ラクスを拘束してナイフを突き付けて「ラクスの目を潰し喉を切る」と脅し、上記の台詞で問いただすが、
キラに「例えその目が見えなくとも、声が出なくなっても、自分は彼女の全てを愛している」と即答されて動揺した隙を衝かれて制圧され、ラクスを奪還される。
そして、互いに愛を告げながら抱き合う彼らの姿を思わず美しいと感じてしまったイングリットは、泣き崩れながら「行って!」と告げるしかなく、
ラクスを奪還されたことを咎められてオルフェに頬を張られて厳しく叱責された。

キラとラクスの姿に心を打たれたイングリットだったが、今更生き方を変えることなど出来ず、半ば諦観する形で心を押し殺しつつ、オルフェと共にカルラで出撃するが、
「愛し、愛されることに資格など必要ない」というキラの言葉や、彼と合流したラクスの言葉に感化されて自分の気持ちを抑えられなくなり、
そして、マイティーストライクフリーダムの前に敗れてもなお「役割」を果たそうとするオルフェを抱きしめると、自分の気持ちを彼に打ち明け、彼と共に戦死した。

ちなみに彼女の名前「イングリット」は実は由来を調べるとそのものズバリ北欧神話のフレイ神に由来する名前であったりする。
SEEDにおいての「フレイ」はつまるところ彼女であり、その作中の役回りも最後に死亡することこそ同じだが、
それ以外については鏡写しの如く対となっているため、意識されていた可能性が高い。
なお、福田監督からは「イングリットの救済はスパロボやってくれると信じてる」とコメントされており、まさかの原作公認のスパロボ救済対象者となった。
そして「イングリット救うにはまずオルフェをどうにか改心させないといけないんじゃね?」と言われた
あとミーアの存在ガン無視ですかね…ややこしくなりそうだけど…

余談だが、オルフェ役の下野氏とイングリット役の上坂氏は、福田氏が総監督を務める『グレンダイザーU』でもカップル役として共演予定だったりする。
グレンダイザーである以上、あっちもを巡った三角関係になる事が予想される。四角関係にならないだけマシなんだろうか


シュラ・サーペンタイン


我らに劣る貴様が勝つことはない!


18歳。
ファウンデーション王国国防長官兼近衛師団長で、ブラックナイツを束ねるリーダー格。
薄く青みがかった白い髪が特徴の、刃物のように鋭い相貌を持つ青年。

名前の「サーペンタイン」は、火縄銃の前世代型に当たる点火方式の銃の名前。

詳細は個別項目にて。


ブラックナイトスコード

リデラード・トラドール


ゴメンネーッ!ラクス姫は、もうアンタいらないってさぁ!


15歳。
オレンジ色の髪色を持つブラックナイツ最年少にして紅一点。
小説版によると、仲間内では「リデル」の愛称で呼ばれており、劇場版でも仲間がその愛称を口にする場面がある。
名字からも分かる通りイングリットの妹にあたるが*29、性格は姉とは逆に直感的かつ衝動的。
ひたすら他人を小馬鹿にして見下す生意気な態度が目立ち、遊び感覚で人を殺す残忍さを持つ。
ブラックナイツがキラを暴走させる前から「皆殺し~!」と言っており、神の視点で見ている視聴者に彼らの真の目的をバラしたりしている。
身も蓋もなく言えばメスガキの四文字で片付く人物だが、パイロット技能自体は本物であり、
キラ自身本調子ではなかったとはいえ、ライジングフリーダムのシールドブーメランによる一撃をあっさり躱し、
逆にカウンターを仕掛けてフリーダムのシールドの一部を切り飛ばす等、その実力は他のアコードに引けを取らない。
また、他の仲間との連携はそつなくこなせている上、アスランとのタイマンに熱くなるシュラを諌めて戦いを切り上げさせる等、
意外と仕事はしっかり果たすタイプのようで、この手のエキセントリックな言動の人物にありがちな、
「戦闘中に我欲で暴走し、部隊の輪を乱す」「命令を無視し最悪の結果を招く」といった面は一切見せていない。
小説版では、コンパスを裏切ってファウンデーション側についたアグネスに関しても、その行動に嫌味は言ったものの、
彼女が自陣に従軍することに関しては特に問題視していない等、柔軟性もある様子を見せた。
単に裏切ろうが戦局に支障はない、と見なしていただけかもだが……。

そんな獰猛な一面を見せる一方で、椅子に座るアウラの足にダニエル共々擦り寄ってリラックスしたり、
小説版ではこの時に「姫さま、綺麗だったね」と年相応の幼さが垣間見える言葉遣いをする場面もある。
後者についてはその生まれからラクスをそう思うように定められているだけという推測もできはなくはないが、
そもそもラクスは元々プラントで「歌姫」と称され、婚約者であったアスランも14歳の時に「とても可愛い」と心の中で思う*30など、
その容貌についてはナチュラル・コーディネイターの別なく「愛らしい」と言われている場面が多いため、素直にそう思った発言でもおかしくはない。

最終決戦でもその言動は変わらず、討ち洩らしたシン(デスティニー)が敵にいると知って「また墜としてあげる!」と軽口を叩いていたが、
仲間が精神攻撃を仕掛けた結果、逆にシンの深すぎる心の闇を垣間見た動揺をアコードの能力で共感してしまった直後、
返す刃でデスティニーが繰り出した膨大な数の分身での攻撃で仲間たちと共に大混乱に陥って隙を晒してしまい、
そこに、デスティニーの分身の影に隠れてのヒルダの駆るゲルググメナースの奇襲をまともに受け、コクピットを切り裂かれて撃墜・戦死。
ブラックナイツ最初の戦死者となったばかりか、その死の恐怖は仲間たちに伝播し、更なる恐慌状態を引き起こす引き金となってしまった。

キャアアアアアッ!!

自機のコクピットに攻撃を受けてから、彼女が機体と運命を共にするまではさほど間がなかったのだが、
それでも死の間際に彼女が感じた恐怖と絶望は凄まじいものだったことが、その最期とシンクロしてしまった他の3人の動揺ぶりから見て取れる。
呆気ない最期だったが、他の3人は死亡時のカットインや断末魔の叫びがなかったことに比べると、演出的にはまだマシな最期であった

幼少期の頃は大人しかったのか、他の6人がそれぞれ繋がりが深いメンバー*31と手を繋いでいる中、一人だけ所在無く佇んでいる写真がある。
またシンとの最終決戦でグリフィンがメンバーに呼びかける中、リデラードの名前のみ呼ばれないなど、何故か他のメンバーとの絡みが異様に少ない*32

ヘルメットにマーキングされたデザインは「炎」。
名前の「トラドール」は、16世紀頃にインドで使われていた銃のこと。



グリフィン・アルバレスト


学習能力ねえなあ。おまえごとき相手にならんと証明してやっただろうがァッ!!


シュラと同じ18歳。
緑の髪色をしたツーブロック+丸刈りヘアの浅黒い肌の少年。
年齢に反してかなり粗暴な性格で、「バカ」「学習しない」と真っ向から相手を虚仮にする挑発的な発言が非常に多い。
飄々とした態度ながら、精神汚染したキラをほくそ笑みながら見送ったり、
地上での戦いで乗機を落とされ、パラシュートで脱出したシンに追い討ちをかけて握り潰そうとする等、その本質は極めて残忍である。
しかしながら、小説版では子供らしさを残しているかのような側面も見せており、ラクスを「やさしそうだった。まるで女神みたいだ」と語っている。
また、市民と自国兵士を諸共巻き込む自爆テロに対して「なんて事しやがる!」とドン引きするなど良識らしいものが一応ある反応を見せてはいる。*34
対象の精神を暴走させる精神攻撃は彼が繰り出している。

暴走したキラをシュラ、リデラードと共に襲った後は、キラの危機を察知して彼の元に向かおうとしたシンの前に立ちはだかる。
ルドラ四人組の中では腕が一番立つのか、リーダー格のようなポジションにおり、
他の三人が裏工作やその目撃者の排除に勤しむ中、シンと10分を超える長時間互角以上に渡り合い*35
アークエンジェルが轟沈しシンが気を取られた一瞬の隙を突いてイモータルジャスティスを両断し完勝した*36

最終決戦でも言動は変わらず、特にシンに対しては初戦で完勝したこともあって、
デスティニーが敵陣にいると聞いても大して脅威とは思わずに「一般兵の練習相手くらいにはなる」と侮っていたが、初戦とは打って変わって苦戦。
精神攻撃時にシンの深すぎる心の闇を垣間見てダニエルと一緒に「コイツの闇は、深すぎる!」という迷言を遺したが、
デスティニーが繰り出した多数の分身に紛れたヒルダの奇襲で真っ先に戦死したリテラードの死のイメージにより混乱。
最期は混乱から立ち直る間もなく膨大な分身に翻弄され続け、機体を6本のフラッシュエッジⅡで胴体や頭部を切り刻まれた挙句、
損傷した部分に名無し砲のゼロ距離射撃場を受け、他二人と比べても念入りにトドメを刺される形で戦死した。
ブラックナイツ4人組の中では3番目の戦死者だったが、最初に戦死したリデラードと異なり断末魔はおろか死亡時のカットインすらない有様だった。
アストレイ三人娘ですら(断末魔はジュリのみだが)カットインはあったし、かませ扱いのネーナらチームトリニティ(00)やマジシャンズ8(AGE)辺りでも両方あったというのに…
小説版でもリュー・ダニエル共々たった2行の間にまとめて落とされるという扱いで、同様にあっけない死に様を晒すことになってしまった。
結果的には、何度も「学習能力がない」と過小評価したシンにまんまと返り討ちに遭う形で命を散らすことになった。
俺はガンダム(の攻撃)で逝く

ああああ……!

ちなみにこの時、先の戦いでコンパスを追い詰める大きな要因となっていた無人機群を接敵前にシン達に潰されていたため、
ブラックナイツは前とは違って「圧倒的火力での制圧」を封殺された状態となっていた。
その上、シンが乗っているデスティニーは対艦刀やビームブーメランなどフェムテク装甲に有効打を与えられる攻撃手段を複数持つ機体であり、
更に手持ち武器として本来のビームライフルではなくレールガンを装備してくるなど、武装構成の段階で対策されていた。
にも拘らず、それらを考慮せず*37、侮ってかかった結果返り討ちに遭ったのだから、
「学習能力がない」という彼の言葉はまさに特大ブーメランだったと言えよう*38*39実際ブーメランでズタズタにされてるし

また、死に際のシーンをよく見ると、
  • 一発目のブーメランで胴体に傷をつけられ左腕のシールドも弾かれ防御手段を奪われて後ろに仰け反らされる
  • 二発目のブーメランで頭部を後ろから斬り飛ばしてその勢いで体勢を崩し右手のライフルも弾き飛ばされながら前傾姿勢にされる
  • 完全に隙ができたところを傷のついた胴体をゼロ距離でビーム砲を撃たれて撃破される
という、他2人と違って明らかに殺意の高い仕留められ方をしているが、
  • ファウンデーション国内では散々自身を蔑称込みでコケにし、更に敬愛しているキラを「剣も使えない隊長さん」と見下す。
  • 地上での戦いでもコケにしてきた上に殺されかけ、更に最終決戦では自分の心に土足で上がり込もうとしてきた。
    その後彼らは「何故か他人の深層心理にいた何者かに威嚇されて追い返される」という恐怖体験をしているが、シンにとっては知ったこっちゃない
  • ↑の手法から、地上戦でキラの様子が変になった元凶であることがバレた(と思われる)*40
と、シン視点から見ても相当のやらかしをしているので、オーバーキルに処されるのも当然といえよう

ヘルメットにマーキングされたデザインは「2匹の蛇」。
名前の「アルバレスト」は、クロスボウや大型弩砲(バリスタ)のフランス語表記を意味する単語。
またCVの森崎氏は本職俳優でいわゆる「芸能人枠」ではあるが、声優や吹き替えの経験もあるためか違和感は感じられない。芸能人枠なのにほとんど目立ってないし。

尚、シンとの最終決戦でブラックナイツの僚機に声を掛ける際、何故かリデラードの名前だけ呼ばなかったが、理由は不明。


リュー・シェンチアン


やれやれ、シュラには勝てませんねぇ……


赤紫色の髪色をした東洋系の顔立ちの少年。成人っぽい風貌だが齢は17歳。
不良グループ同然なブラックナイツの中では比較的温和だが、表面的な物腰と言葉遣いが丁寧なだけで本性は慇懃無礼な皮肉屋。
殺人を「処理」と言い切る冷酷さを持ち、他人を小馬鹿にしたような態度は他メンバーと大差ない。
カガリの軽い言及とシンの回想のみでの登場となった『フリーダム強奪事件』においてストライクフリーダムを撃破したのは彼と思われる*41

初戦のブルーコスモス壊滅作戦ではダニエルと共に核ミサイルの発射設定を実行。
隠密行動に徹し、ダニエルと共に核ミサイルを管理していたユーラシア軍の軍人を皆殺しにし、パスコードを奪ったら躊躇いなく射殺する非道な作戦に従事。
その現場を発見したアークエンジェルを攻撃し、迎撃してきたヘルベルト・フォン・ラインハルトを撃墜する。

最終決戦では仲間たち共々、デスティニーの徹底的なメタ武装・攻撃とヒット&アウェイ戦法によってじわじわ追い詰められ、
痺れを切らして精神攻撃を仕掛けた結果、逆にシンの深すぎる心の闇を垣間見て精神的動揺を深くした結果、
瞬間移動と見まがうデスティニーの動きに「奴が消えた!?ありえない!!」と驚愕するなど、終始翻弄される。
最期はデスティニーが展開した膨大な分身と、リテラードの死のイメージにより混乱がピークに達し、
リデラードの名を絶叫した瞬間、コックピットをアロンダイトで串刺しにされて戦死した。グリフィン同様、断末魔や死亡時のカットインはなかった。

リデルゥウウウウッ!!

ちなみにシンへ4人がかりで精神をリンクさせての連携攻撃(曰く「シンクロアタック」)を提示したのは彼の判断。
「4人がかりで精神攻撃を行い、ルドラ4機で袋叩きにして確実に仕留める」という選択は、
あの状況において間違いなく万全を期した最善手と言えたかもしれないが、結果として完全に裏目に出てしまった。
まあ人の心を覗いたら、何故かそこにいた別の人(の霊魂)に脅されるカウンターを食らうとか流石に予想付かない。

ヘルメットにマーキングされたデザインは「赤い雷」。
名前の「シェンチアン」は、明時代の中国で使用されていた銃器「神槍」の中国語読みである。


ダニエル・ハルパー


……それはこないだ実証したし


16歳。
灰色の短髪をした、常に口元を覆う厳つい黒マスクを身に付けたダウナーな少年。
常にやる気を感じさせない気怠げな言動・態度を取っているが本性は残忍。
ダウナーな態度も他人を見下し過ぎてもはや馬鹿にするだけの興味すら無いことの表れかもしれない。
ミケール逮捕作戦の前にもリデラードと共にアウラに膝枕してもらいながらまどろむなど幼さも垣間見える。
とはいえ、そのリデラード同様、任務はしっかり果たす方でもあり、エルドア地区ではしっかり裏工作と目撃者たるアークエンジェルの排除も行い、
最終決戦でもデスティニーの猛攻で右腕ごとライフルを欠損したリューのルドラに自身のライフルを譲渡する等、基本的にダウナーながら同胞のアコードとの協調性はしっかりある。

初戦のブルーコスモス壊滅作戦ではリューと共に核ミサイルの発射を実行。
迎撃してきたマーズ・シメオンを撃墜し、最終的にアークエンジェルの艦橋をビームで撃ち抜きアークエンジェルにトドメを刺した。
なおこの時クルーはギリギリのところで脱出艇で脱出(ミサイルの雨に晒される直前に一瞬だけ確認可能)、艦長のマリューはブリッジのボッシュートをギリギリのところで起動して脱出し、
それぞれ核ミサイルの爆風圏外にそれぞれ逃げ延びたことで、艦は撃沈したがクルーはなんとか助かっている。

最終決戦でも気怠げな態度は相変わらずだったが、シンとデスティニーの前に仲間たち共々翻弄され、
SEEDを発現したシンの戦闘スタイルに結果的に読心能力を無効化されて「こいつ(何も)考えていないのか!?」という迷言を言い放つなど、徐々に追い詰められていき、
シンの深すぎる心の闇を垣間見た動揺の隙を突かれて繰り出された超高速機動に、「知らないよ! こんな武器!?」と絶叫する歳相応の心の弱さを暴かれてしまう。
このあとシリーズ視聴者すら知らないスパロボ殺法を目の当たりにした彼の胸中やいかに*42
そしてデスティニーの膨大な分身と超高速移動で混乱するなか、戦死したリテラードの死のイメージにより発狂。

嫌だァアアアアアッ!!

最期は精神を立て直す間もなく、貫通手刀*43で機体に穴を開けられると同時に、
パルマフィオキーナ(小説版ではレールガン)を叩き込まれて機体ごと惨めに爆散した。
ブラックナイツ4人組の中では最後の戦死者だったが、グリフィン同様、断末魔はなし。

ヘルメットにマーキングされたデザインは「髑髏」。
名前の「ハルパー」は、古代ギリシャで使われていた刀剣の一種を指す言葉。ブラックナイトスコードのメンバーの中では唯一銃に関係のない言葉だったりする*44
その雰囲気や口調などから一部のファンからは「シャニに似てる」「アコードのシャニ」などと呼ばれたりもしてる。
また、黒い騎士と言う要素から中の人が同じ黒い人を連想した人も。

尚、特徴的なマスクだが、本人に何かしらの疾患があるとかではなく、「匂い」が気になるからとのこと*45


その他人物


アグネス・ギーベンラート


私には、愛される資格があるのよ!


私情からファウンデーション陣営に鞍替えしたコンパスのMSパイロット。
詳細は個別項目を参照。


ハリ・ジャガンナート

CV:江頭宏哉

現プラント国防委員長。ザフト軍中佐の地位を持つ。

2度の大戦を経たにもかかわらずの結構なタカ派であり、物語序盤でシュラと極秘に面会している場面があったため不安視されていたが、
案の定ファウンデーション王国の武力蜂起に呼応してプラント内のシンパと結託しクーデターを実行。
多くの兵士や艦艇を巻き込んでファウンデーション王国の声明に同調し、コーディネイターが世界の支配者に立つ世界の実現を目論んだが、
プラント本部で発生したクーデターはバルトフェルドが率いる正規軍に鎮圧され失敗。
イザークの数回にも及ぶ投降の呼びかけにも応じず、最期は乗艦していたナスカ級高速戦闘艦をミレニアムへ突っ込ませ死なば諸共の特攻を目論んだが、
意を決したライトニングバスターに乗艦のスラスターを破壊された後、デュエルブリッツのランサーダートで艦橋を破壊されたことで戦死した。

「他者に変わることを要求し、自らは変わろうとしない」とはC.E.世界の人間達を揶揄したオルフェの弁だが、彼はまさにそれを象徴するかのような人物であった。

また、彼に引導を渡したイザークディアッカもかつて、
  • 勘違いで民間人の乗るシャトルを撃墜してしまい、罪もない民間人を虐殺してしまった
  • ナチュラルの女性を馬鹿にした挙句、(偶然とは言え)彼氏の死を揶揄った
  • 仲間がアスランを助けようとした末に愛機と共に悲惨な死を目の前で見た
  • アラスカ基地でフリーダムに助けられ、その直後実際に悲劇が起きた
  • パナマ基地制圧戦で、作戦成功後に味方が報復心の余り、無抵抗の敵軍兵士を問答無用で虐殺する光景を見た
  • 仲間の生存、及び三隻同盟へ渡ったことで感じた思いを知り戦争に疑問を持った

…などなど、これらの経験から2人ともナチュラルへの偏見を改めているため、「これらの悲劇を経験しなかったイザークまたはディアッカのIF」と評する人も。

なお、後述するがかつてアスランとムウによって破壊されたレクイエムを修復した張本人であり、今作における罪の無い人々への大量虐殺の大戦犯とも言える存在でもある。


【保有兵器】

コンパスの面々や地球の国家相手に堂々と宣戦布告をかましただけあり、保有兵器はどれも凶悪。
C.E.75年の蜂起までに起きたSEEDシリーズで起きた全ての戦争を安全地帯から静観して力を蓄え続けただけあり、
独自兵器であるブラックナイトスコードやリモートMS群、旗艦グルヴェイグなど高い技術力を持つ。

とはいえ戦力の大半は地球連合軍やザフト軍が持っていた旧世代兵器をそのまま流用或いは改造したものばかり。
一騎当千のエースを主軸にし、一般兵は後方支援や援護をする戦術だったのだろう。この世界は何かとスーパーエースが選局を左右させていることを考えれば理にかなっているといえる。
また、アレすぎる国家な面を抜きにしても、新興国の都合上、経済面は手堅くしたい実情からそのためには国防費を抑えたかった面もあるだろうし、
前述の戦術やリモートMSの導入により人件費や教育費のコストはカットできたと思われる。

本格的に行動を起こす際、蜂起したザフトのクーデター勢力と合流することで更なる戦力拡充を狙っていたのかもしれない。


ブラックナイトスコードシリーズ

ファウンデーション王国が独自開発したC.E.75年時点での最新鋭MS群。
共通して「ブラックナイトスコード〇〇」という名前で統一されている。
シヴァの解説書によると、ザフトの技術を取り入れてファウンデーションで開発された機体。
親衛隊であるブラックナイトスコード専用の主力機体で、共通してコックピットには最新鋭の全天周モニターを採用。
そして新世代装甲「フェムテク装甲(FT装甲)」を持つ。

劇中では以下の6体が登場しており、それぞれで特性や装備、運用方法は異なるが、基本的な性能はカルラ以外大差がないらしい。
グレートメカニックの解説ではブラックナイトスコード専用のワンオフ機とのことで、後述の特殊兵装含めて、アコードたちにより設計&整備が行われている*46
運用としては友軍(ザフト軍)の火力支援を貰いながら、機体の高い防御力を活かして敵陣深く潜り込み、その火力を自身に誘導して敵を叩くというコンセプトの兵器群であり、
そのため意図的に高火力武器の搭載を廃していたようだ。

なお、型式番号を見るとNOG-M3にあたる機体が存在しないことから、カルラとルドラの間にペーパープランのみで終わった機体が存在している可能性が高い*47
その他、統一感のある外見や各機のカラーリング、リーダーの差し色が赤であること、6機目だけ例外的な要素を多めに備えていること、
とも訳せるネーミング等から別の戦隊がモチーフなのではという声も。やってることは悪の組織そのものだが


フェムテク装甲(FT装甲)


これが噂のフェムテク装甲って奴か!

その通り、見たら死ね!

ブラックナイトスコードシリーズ最大の特色。
中遠距離からのビーム兵器を一方的に無効化する極めて強力なビーム耐性を持つ新世代装甲。
ビームが命中すると細かい正六角形が集まったような薄紫色の膜が生じビームを弾く仕組みとなる。
HGの取説の解説によると、原理としてはフェムトメートルの領域を支配する技術を使用したことで電力消費無しで半永久的に防御力を維持し続けるとされ、
「PS装甲の次世代型」とも形容される恐るべき代物。
おまけに、通常装甲なら突破できるアークエンジェルのイーゲルシュテルンの直撃を棒立ちで喰らってもまともなダメージを負わない、
至近距離でムラサメ改のミサイル兵装のハヤテを喰らってもノーダメージ等、実弾に対しても通常装甲以上の防御力を持つ。

その対ビーム防御は圧倒的であり、MS用の武装で通じるのはビームサーベルに限られる
デスティニーSpecⅡの「名無し砲」こと「M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲」をもってしても、そのまま撃つだけでは「効かない」ようで、
実際アスラン搭乗時のストライクフリーダム弐式のトヴァシュトリ超高インパルス砲がシヴァの胴体に直撃したにもかかわらず全くの無傷と、
C.E.73年当時最強クラスの威力を持つビーム砲ですら基本的には通じない恐るべき性質を持っている。
両機を上回る火力(出力?)があるとされるイモータルジャスティスのビームライフルも通じなかったため、
MSの携行火器程度のビーム砲は原則としては一切通じないと考えるのが妥当。後述の通り例外はあるが。
このせいでドラグーン・システムに対してはガンメタと言って差し支えない強固な耐性を誇っている*48*49
なお艦艇の主砲クラスのビーム砲や、陽電子砲までもが無効化できるのかは不明。


実体弾についても通常装甲以上の防御力があるが、PS装甲ほどではないらしく、
実体剣といった物理的な近接武器(つまりSEED世界のこのMS達は天敵だろう)や、レールガンのような高速実弾銃器での攻撃は効く。
ただし、そのPS装甲対策としてビーム兵器に系統している傾向があるC.E.73~75年代の高性能MSには強力な実弾兵器があまり持たされていない。
弱点のレールガンに関しても、一撃当てた程度では大破しない耐久力を誇っており*50
例としてレールガンを連続3発当てて、ようやくシヴァの右腕が破損するレベル*51
そして並のパイロットでは地力が上の機体相手に近接武器や、ビームより弾速が劣るレールガンを当てる事は難しいだろう。

またシールドの装甲材としても使えるらしく*52、レールガンの直撃はおろか、大抵のシールドを紙細工のように切り裂ける対艦刀クラスの武装でさえ一撃で両断できない*53等、
装甲の厚さ次第では作中トップクラスの防御力を誇る事が分かる。

アークエンジェルを筆頭にC.E.世界の艦船に主に使用されている「ラミネート装甲」をMS用の装甲材として使用できるようにしたといった印象で、
別のガンダム作品では「鉄血のオルフェンズ」のMSに施されているナノラミネートアーマーに似た性質である。
また耐久性能的には実弾耐性とビーム耐性を入れ替えたPS装甲とも言えるが、あちらはビーム兵器の普及以降は些か過剰とも言える実弾耐性となってしまっているため、
必要十分な実弾耐性と優秀なビーム耐性を合わせ持つ本装甲がC.E.において最も耐性のバランスが良いモビルスーツ用装甲と言える。

作品世界内での耐ビーム性能に着目すると、
  • 先述した戦艦が有する「ラミネート装甲」
  • デストロイやレクイエムが持つ「陽電子リフレクター」
  • アカツキが持つビームを跳ね返す「ヤタノカガミ」
といった超技術がありフェムテク装甲は些か地味な印象も持たれるが、ラミネート装甲は原理上MSサイズでは気休め程度の耐ビーム性能*54しか持たせられず、
陽電子リフレクターは小型化が難しく外伝作品も含めてMSサイズの機体への搭載事例がない。
そしてヤタノカガミはコストが高すぎて量産には向かない&実弾の防御能力は低いという事情から、
MSの携行ビーム兵器程度なら問題なく無効化でき、MSサイズでも全身に採用できて量産も可能、
そして実弾防御も並以上でエネルギー消費が無いというフェムテク装甲の総合性能の凄まじさが分かる。

作中ではデスティニーSpecⅡのパルマフィオキーナと高エネルギー長射程ビーム砲、
マイティ―ストライクフリーダムのディスラプターがフェムテク装甲にダメージを与えている場面があるが、
高エネルギー長射程ビーム砲については福田監督曰く「装甲をビームブーメランで破壊したから通じた」(意訳)とのことで、パルマフィオキーナも同様の解釈*55である様子。
また、流石に関節には仕込まれていないらしく関節にパルマフィオキーナをピンポイントで撃ち抜かれて腕を破壊されたブラックナイツもいた。
ディスラプターについては命中した対象物を原子崩壊させる「防御不能の究極兵器」であり、
フェムテク装甲が素で一切通じない現状唯一のビーム砲(というかビームサーベルみたいなもんだが)という代物である。


ブラックナイトスコード ルドラ


二分で片付ける!
キャハハハ!死んじゃえー!
問題ありませんよ。こちらも処理(・・)するだけです。
どーせ同じじゃん(・・・・・・・・)。めんどくせー……

型式番号:NOG-M4F1(ガーネット)
     NOG-M4F2(エメラルド)
     NOG-M4F3(スピネル)
     NOG-M4F4(サファイア)
全高:19.42m
重量:81.30t
装甲材質:フェムテク装甲

リデラードらブラックナイツ隊員4名が搭乗するMS。「ロア」という略称を持つとされる。
その名の通り全身黒と濃灰で塗装されており、どことなく西洋甲冑にも見える悪役感満点デザインがなされている。
ちなみにカメラアイは左眼の部分に赤色のスリッド状のモノアイ、右眼の部分に後述のレーザーポインターとこちらも悪役らしさ全開。
パイロットによって差し色が異なっており、それによって宝石に因む個別のコードネームを持つ。具体的には
  • リデラード機:橙で通称「ガーネット」
  • グリフィン機:緑で通称「エメラルド」
  • リュー機:ピンクで通称「スピネル」
  • ダニエル機:青で通称「サファイア」
となっており、事実上の専用機である。

武装構成はビームライフル、ビームソード、物理シールド、ビームマントのみと極めてシンプル過ぎるレベルでオーソドックスな汎用機。
だが前述した通り、フェムテク装甲によるビーム耐性抜きにしてもイーゲルシュテルンの直撃に全く動じないため素の耐久力も尋常でないほど高く、
これにアコードの精神感応能力やフェムテク装甲のビーム耐性が合わさり、中遠距離攻撃に対してはほぼ無敵ともいえる理不尽なまでの防御性能を発揮する。
更に機動力も極めて高く、トップスピードに乗っているハズのライジングフリーダムにすらアッサリ追いつき、
イモータルジャスティスでさえヒットアンドアウェイに徹する本機に翻弄される程。
機体のパワーも優れており、デスティニーSpecⅡとの対艦刀同士のぶつけ合いでも互角のパワーを誇る。
加えてルドラと後述のシヴァにはデスティニーのミラージュコロイドのように飛行中に紅い残像を生み出して敵機を幻惑する機能を有しており、
この幻惑能力によって近接戦でも強気で相手を圧する事が可能と、シンプルながらトリッキーさも併せ持つ。
また頭部にはレーザーポインターを照射する機能があり、これで無人機に攻撃目標を指定させることができる。

敢えて弱点を挙げれば強力な高火力兵装の類が無い事だが、この点はジン-Rもしくはディン-Rを常に随伴させる事でカバー。
そもそもそれが弱点というのも「敢えて言えば」程度のもので、パイロットの非常に高い操縦能力と連携の前ではほぼ問題とはなっていない。
寧ろ突出し過ぎた兵器が無い分、苦手分野や隙を減らしていることにも繋がり、
ビーム火器を封殺しながらの中距離戦や機動力を生かした接近戦などパイロットと機体の性能で堅実に撃破する運用は理に適っている。*56
……問題は、最終決戦で相対した相手が「読心能力や精神干渉を無効化できるパイロット」が搭乗する、
「超高機動と数々の高火力武装、そして規格外の攪乱兵装を用いた一撃離脱戦法を最も得意とするMS」という、凶悪なまでのメタキャラだった事なのだが。

遠近揃った武装と大型刀、分身能力を搭載している点から、おそらくはデスティニーを参考にし、
デスティニーからクセの強い兵装を取り払い、よりバランスや連携能力を追求した機体だと思われる。
実際リューがデスティニーを知っていたり、ダニエルが「知らないよ、こんな武器!」と叫んだことから、彼らも前大戦のデスティニーの戦闘資料を見ているということになる*57

ガンプラとしてはエメラルドのみが通常販売、それ以外は3体セットでプレバンでの限定販売となっている。


名前の由来はインド神話の暴風神「ルドラ(Rudra)」と思われるが、綴りはRud-ro.Aとなっている。


ブラックナイトスコード シヴァ


貴様は勝てない。それがおまえの運命(さだめ)だからだ!

型式番号:NOG-M1A1
全高:19.27m
重量:74.87t
装甲材質:フェムテク装甲

ブラックナイツ団長シュラの愛機。差し色は真紅
ルドラのカスタム機と思われ、黒基調のカラーリングと甲冑めいたデザイン、ビームマント、フェムテク装甲、分身機能はルドラと共通だが、
頭部形状の変更や暗い金色となった関節部、装甲の増設・形状変更など随所にアレンジが施されている。

その他武装に関する情報はシュラの項目にて。


ブラックナイトスコード カルラ


ならば、その愚鈍な愛と共に滅びるがいい!

型式番号:NOG-M2D1/E
全高:21.10m
重量:87.72t
装甲材質:フェムテク装甲

『SEED FREEDOM』のラスボス機体でオルフェ専用機。正式名称は「Cal-re.A」で、「レア」と略されるという。
タンデム式の二人乗りであり、前部座席はオルフェが操縦、後部座席ではイングリットが乗り、ジグラートの火器管制を担う。
名称こそ「ブラックナイト」だがこちらは一転してメインカラーは純白と金
こちらも西洋甲冑風のデザインに加えて全身の各部に金色のエングレービングが施された豪奢な外見で、さながら王国のフラッグシップ機とも呼べる機体。
プラントの技術が取り込まれているとされ、実際よく見れば各部にザフト系MSの影響が見て取れる。

ルドラ・シヴァ同様フェムテク装甲と全天周モニターを採用。全体的にストライクフリーダムガンダムを彷彿とさせる武装構成となっている。
支援機のジグラートとの連携を含めたオールレンジ攻撃によりシヴァを凌駕する圧倒的な攻撃力を持つ反面、ビームマントはオミットされており分身発生機能も備えていない。
小説及び解説本では「ブラックナイトスコード最強の機体」と形容されるがHGの説明書によると運動性と電子戦能力に特化した機体とされ、
凶悪な武装を複数搭載していながらなんと火力特化という訳ではない。
戦闘時には後述のジグラートを随伴させることで大火力を補っている。
グレートメカニックの解説では「上位機種」「象徴に近い機体」という位置付けであるが、複座の採用によって火器管制能力が向上。
通常のブラックナイトスコードよりも遥かに多くの火力制御が可能になった以外に大きな機体性能の差はないとのこと。


名前の由来はインド神話の神鳥「ガルダ」から転じた仏教の守護神「迦楼羅(かるら)天」と思われる。
またデザインが『コードギアス』のナイトメアフレームや、『機動戦士ガンダムF91』に登場するコスモ・バビロニア系MSっぽいという声もある。
果ては「白と金のラスボス」ということから監督が好きな『仮面ライダークウガ』のン・ダグバ・ゼバを連想する声もあったり。
そういえばこの作品ライジングとかマイティとかアメイジングとかいった聞き覚えのある修飾語が出てくるな


その他MS

ファウンデーション軍の一般兵に供与されている機体。カラーリングは後述のR型と同じく青系になっている。
旧式となったザフトのかつての主力機を安く買い取ったもの。
これまたガンダムでは珍しいが現実では先進国で一線を退いた中古兵器が中小国に安価で払い下げられるというのはよくある事である。
実際コズミック・イラでも旧式の連合МSは払い下げられて発展途上国で使用されている。

武装はザフトの頃から特に変化は無く、重突撃機銃やM68キャットゥスやM69バルルス改、M66キャニス等多種多様で中にはD型装備(拠点攻撃型重武装)が施されたものもある。
なお、ザフトではジンにしか施されていなかったD型装備だが、ファウンデーション軍ではディンに装備されたものもある。
またセットで購入したのか、一部のジンはグゥルに乗っている。
グゥルに装備されているミサイルランチャーはザフト機は滅多に使用しなかったがこちらは積極的に撃ちまくっている。

ライジングフリーダムやイモータルジャスティスに搭載されているVPS装甲に対しては実弾兵器であるミサイルや携行火器では有効打は与え辛いが、
武装やウイングバインダー、関節など装甲の薄いorPS装甲ではない部分にはダメージを与えられるため、
作中では大量のミサイルを直撃させてライジングフリーダムの左翼とアンテナの一部を、イモータルジャスティスの左翼と右足の一部を吹き飛ばしている。
勿論、非フェイズシフト装甲機であれば尚の事脅威であり、ヒルダが搭乗していたギャンの左腕はミサイルで破壊されている(と思われる)。
ミサイルの迎撃に定評があるアークエンジェルに対しては、迎撃用のイーゲルシュテルンやミサイルを全てブラックナイツに破壊された上で、
回避の難しい地形にて大量のミサイルで襲撃されたのが実質のトドメとなっている。
ただし一機一機の戦闘力は例によって大したことがなく、最終決戦ではヒルダのゲルググやミレニアムの誘導砲に秒殺されている。

なお、作中ではC.E75年にはもはや旧式機と化しているデスティニーを見たブラックナイツが「兵共の訓練にはちょうどいい」と発言する場面があるが、
その「兵共」が乗っている機体が二回り以上片落ちのジンという事にツッコミと同情が集まった。

名称の末尾にある「F」はファウンデーションの意味で、「ファウンデーション軍仕様」を意味する。
よく見るとF型は型番の末尾の数字が1増えている。
なお、ダガーのような連合製MSは見受けられない。

  • ZGMF-1017Q ジン-R
  • AMF-101Q/4 ディン-R
ブラックナイトスコードルドラの随伴機として運用される無人機群
無人機化に対応するためか共に頭部とコクピット部の形状が変更されている以外はカラーリングも装備も含めてF型と同様。
この時代のMSとしては余りに心もとないのだが、大量に配備された無人MS群が繰り出すミサイルと装備する武器による飽和射撃は馬鹿にできず、
実際純粋な数の暴力から繰り出される遠距離からの弾幕は旧式でもコンパスの面々を大いに苦しめた。
その反省からか最終決戦で現れたときはシンとルナマリアに優先的に撃墜された。

ちなみに、
「本来はルドラが先に接敵する筈だったのが、ミレニアムに正面突破されたことで陣形の裏表が入れ替わった状態になったため、本来後衛の無人機を先に接敵させざるを得なくなってしまったのではないか」
という考察もある。

前述の通り先にこいつらを投入してしまったことでブラックナイツは無人機を使った連携攻撃をすることが出来なくなってしまったようで、
最終決戦においてルドラはデスティニーに追い詰められる終盤まで照準レーザーを使う事すらしていなかった*60

名称の末尾にある「R」はリモートを意味し、「親機に随伴する無人機」を意味する。


艦艇

  • ヴァナヘイム級惑星間航宙戦艦 グルヴェイグ
型番:BCI-183
全長:約850m

ファウンデーション軍総旗艦。女王のアウラ、宰相のオルフェらが搭乗する。
ミレニアム以上のサイズを持つ巨大な二又状の構造で、黒を基調としたカラーリングと船体左右から前方に伸びる電磁レールカタパルト、王宮のような艦橋デザインが特徴的な戦艦。
船体各部には機関砲やゴッドフリートに似た複連装ビーム砲、超高速誘導弾を発射するミサイルハッチを多数装備。
船体中央には「12連陽電子砲」というこれまた凄まじい主砲を持つ。
MSの発着艦も可能で、ブラックナイトスコードルドラ・カルラを艦内に搭載し出撃させることもできる。

しかしその構成上、陽電子砲を放つ時は当然正面やその近くに味方艦を置くことはできない。
言い換えれば、陣形に縦深の浅い部分を作るか本艦を最前線に配置するかしなければならない。
そのため、これを万が一正面から掻い潜られると敵艦に陣形突破、或いは旗艦撃破を早々に許しかねない、というのが一応の弱点となる。
無論、そんな事が簡単にできれば苦労はしないのだが、ミレニアムにはこの点を突かれて真正面から突破されてしまっている。*61

名前の由来は恐らく北欧神話に登場する黄金を擬人化させた女神「グルヴェイグ」。
また「ヴァナヘイム」とは、北欧神話に登場する9つの世界の1つ「ヴァン神族の国」の事を指す。


  • バルドル級惑星間航宙戦艦
全長:約300m

ファウンデーション軍の主力宇宙戦艦。
グルヴェイグ同様どの陣営の艦艇にも属さない黒のカラーリングを施された独自デザインが特徴。
MS格納庫と兵装庫は中央船体と分離した構造になっており、中央部が被弾した場合でも人的損害を最小限に抑えることができる。
船体中央には三連装の陽電子砲を持つ。

最終決戦ではミレニアム相手に落とされまくっているので、ラミネート装甲などは施されていないか、或いは陽電子砲の砲口といった急所に砲撃を叩き込まれているのかもしれない。
何にせよ生存性を重視した割には脆い印象を受けるのは否めない。

名前の由来は恐らく北欧神話に登場する光を司る女神「バルドル」。


ファウンデーション軍の主力宇宙戦艦。
ジンやディン同様ザフトから安価に買い取ったもの。
こちらはカラーリングの変更等は無くザフト仕様そのままで運用されている。


その他兵器関連

元々は地球連合軍の、後にザフトが接収した戦略巨大ビーム砲。
月の裏面のダイダロス基地に設置されており、複数の中継器によってビームの軌道を自在に曲げ、地球を含む射程内のどこでも砲撃する事ができる。

第2次大戦の後に解体された筈だったらしいが、ジャガンナートによって秘密裏に修復された後ファウンデーションが接収し、
デスティニープランを実行させるべく地球国家をこれで脅迫した。
差し当たり、ファウンデーションへの「核攻撃」に対する報復と称してユーラシア連邦首都モスクワを砲撃、
無数の無辜の一般市民を一瞬で炭化させてそのまま首都もろとも消し飛ばした。
その後はレクイエムを攻撃しようとした地球軍艦隊にも砲撃、艦隊を全滅させている。
『DESTINY』では切り札的扱いで多用されなかったが本作ではレクイエム祭りと言わんばかりに撃ちまくる。
流石にチャージや中継ステーションの移動に時間はかかるようだが、事前に準備はしていたであろうが宣告から10分で撃てる*62

中継ステーションは、前作までは巨大な廃棄コロニーを使用していたのに対して今回はリング状になっている。
しかも発射直前以外はミラージュコロイドで姿を消すことができるようになっており、隠密性が大きく向上している。
その代わりに自航できないため移動させる際は別の宇宙艦で曳航する必要があり、また大幅に小型化した分強度も落ちている。
中継ステーションが全てミラージュコロイドで隠蔽されているのでそちらを破壊してレクイエムの砲撃を阻止することはできないが、
レクイエムの設置位置の都合上、第一中継ステーションだけは必ずレクイエムの直上に(少なくとも発射直前の時点で)置いておかないといけない。コンパスの面々はそこに突破口を見出すことになった。

  • ファウンデーション衛星基地ステーション
ファウンデーション王国が宇宙での活動拠点として利用している衛星基地。
その正体はかつてユーラシア連邦が保有していた宇宙要塞アルテミス
全方位光波防御帯、通称「アルテミスの傘」による鉄壁の防御を誇ったが、
『SEED』序盤には傘の存在による慢心もあってニコルのブリッツの侵入を許し陥落。
その後は外伝で登場し、海賊に乗っ取られたり、ユーラシアが奪還し特務部隊Xを運用したり、
破棄されてから地球連合商業組合に買い上げられたり……と持ち主を変え続けていたが、今作ではいつの間にかファウンデーションが確保し彼らの真の本拠地となっていた。
ファウンデーションが使い始めてからまだ1年も経っていないこともあり、かつてガルシアが居た基地司令用の個室は本作でも当時とほぼ同じ間取り、同じ構造のままである。
TV本編と全く同じ画角で外観が描かれる場面もあるため、勘の良い人やこの機に本編をおさらいしていた人なら名前が明かされる前に勘付いていたかもしれない。

サプライズ気味の登場ではあったものの、鉄壁の防御力は健在だが欠点もそのままだったのが災いし、
ニコルがアルテミス要塞を攻略したのと同じ手口でズゴックの侵入を許し、そのままメイリンのハッキングで全セキュリティを掌握されてコンパスの突入部隊に制圧された。
突入後に内部でズゴックが物理的にも暴れ回っていたこともあり、本拠地としての機能は喪失してしまった模様。

なお、『SEED』ではヘリオポリスと同じラグランジュ3=月から地球を挟んで反対側に設置されていたが、本作ではラグランジュ1=月の真正面近くに移設されている。

  • ジグラート
型式番号:AMO-01
全長:132.8m
重量:1034.06t

カルラの後部座席で遠隔操作されるステルス爆撃機や戦闘機のような外見の超大型ドラグーン。本編では操作はイングリットが担当。
豪奢なカラーリングを施されたカルラとは対照的に色は銀色のみと、豪奢さとは無縁のかなり無骨なデザインでサイズはミーティアを上回る。
3機生産されており、それぞれA(オードリー)」「B(ブリジット)」「C(クラウディア)のコールサインを持つ。

特徴として大量のミサイルポッドとフォビドゥンガンダムの「フレスベルグ」のような大型偏向ビーム砲を機体中央に1門搭載。
遠距離の後方から偏向ビームと大量のミサイルを撃ち込み支援攻撃を行うカルラ版ミーティアのような運用が行われる。
加えてサブフライトシステムとしても機能し、グゥルやジャスティスガンダムのファトゥムのように上にカルラを乗せて宇宙空間を移動することもできる。


劇中では3機配備され、カルラに随伴する形で出撃。
宇宙要塞メサイアの残骸を盾にカルラへの支援砲撃を行い続けたが、マイティーストライクフリーダムのディスラプターの一撃によりメサイア諸共ぶった斬られ3機纏めて爆散した。

名前の由来は恐らく古代メソポタミアで建築された煉瓦造りの巨大聖塔「ジグラット(Ziggurat)」から。


【余談】

王国名であるファウンデーションとは、英語で「土台」「礎」「基盤」「財団」を指す言葉である。
ある界隈に立ち寄る人にとっては「財団」の印象が強い言葉であるため、
「ファウンデーション」とだけ呼ばれるシーンが多いこともあって国名であることを飲み込むのに時間がかかった人も多いとか……。
その一方で「化粧品の下塗り用のおしろい(白粉)」という英訳意味もあるので、煌びやかな王国の一角にあるスラム街の存在も、
おそらく厚化粧で塗りたぐられたかのように醜悪な部分を隠すものとして名付けられた可能性もある。
そういう所で名称の真実はいつ語られるのやら……。

上記の通り「ゆかり王国」という通称が付いているが、そのおかげでGoogleサジェスト検索に「ゆかり王国 核ミサイル」「ゆかり王国 崩壊」など物騒なワードも並ぶという風評被害も発生している。
因みにゆかり王国の建国宣言が成されたのは2004年……つまり映画公開年は建国20周年となる。とんだ衝突事故である。


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最終更新:2025年09月25日 13:12

*1 核攻撃から数日後の時点での報道発表によるもので、内訳は死者が5万人と負傷者・行方不明者の合計が10万人とされる。

*2 物語序盤を中心に、アスランやイザーク等を慮る様子は度々あり、少なくともどうでもいいとは思っていなかった、あるいは上官として彼らには本当に期待を寄せていたと思われ、副官のハデスも(おそらくはクルーゼの真の目的などには気付いていなかったが)クルーゼに信頼を寄せていたと思われる。

*3 プラント内部に広げていた勢力は早い段階に対応されている

*4 この需給調整の段階から行うことでなんとか維持できるデスティニープランを実現したのが『ASTRAYシリーズ』火星居住者たち。もともと需給の給にあたる人材があんまりにも少なすぎるのが第一の問題だったことから導入した特殊なケースであるため可能だった

*5 この時干渉された相手の瞳が赤く染まるという現象が起きているが、本当に色が変わるのか演出的なモノなのかは不明。

*6 単なる「クライン家の世継ぎ」の時点で周囲には非アコードしかいない環境下だっただろうことを考えれば、キラと初対面の時点ですでに「普通の穏健派な政治家」的な性格や行動指針であることはむしろ自然と言える

*7 『DESTINY』期のシンを思い出してもらいたい。本音ではどう思っていても、少なくともザフト在籍中のアスラン相手は「執務・勤務中は」常に敬語、カガリ批判はあくまでも周りにごく近しい同僚しかいないときにしか口にしない(実際にほとんどは「同じくミネルバに所属するMSパイロット」か「カガリ当人」のどちらかしか目の前にいないときを選んでいるし、それも後半ではあまり公然とは口にしないようになる)など、良くも悪くも若くて経験薄めなこの頃の彼ですら「軍籍にあるものは、制服姿で礼を失するようなことを言ってはならない」はちゃんと身に着けていた上、別件になるが記者であるジェスがセカンドステージシリーズの取材に訪れた時もマーレ・ストロードのような一部を除いて、各テストパイロットはナチュラルへの偏見を見せず、取材にも真摯に対応し、むしろ彼ら民間のMS専門家の考察をいい意味で面白がるなど取材にも好意的に接していた。ザフトですら大半の者が「公の場でナチュラル差別や失礼な態度を取るなんて、プラントの品性が疑われる」という事を理解していた事情を考えると、アコード側がどれだけ異常な対応をしていたのかがわかるだろう。

*8 イザーク隊を考えてもらうとわかりやすいが、軍としてのザフトはこういう方針なだけで総合的に考えると規律はむしろ連合やオーブと同程度には求めているのは言うまでもない。(厳密には意義も建前も違うのだが)無断での脱走および敵対陣営への助力を行ったディアッカのことを「本人の判断だから」「結果的に最悪の結果を阻止してくれたから」で通さずにちゃんとペナルティを与えるなども実例。

*9 反面、彼らが撃破したマーズやヘルベルトは死に際ですら情けない断末魔どころか叫び声すら上げずに「これが新型・・・」「すまねぇ、姐さん!」と敵の強さを認める・苦楽を共にしたヒルダへの謝罪を口にして散ったが、皮肉にも「最終的にやられたが最後の最後までベテランであり続けたマーズやヘルベルト」「そんな彼らを撃破したが最後は精神的な未熟さと醜態を晒しながら散ったアコード」と見事なまでの対比となっている。

*10 オルフェ&イングリッドやシュラはアスランやキラの機体にダメージを与えることは出来ていた。

*11 厳密にはリデラードはヒルダが撃墜したものの、ワンサイドゲーム同然のあの戦いぶりを見るに仮にシン単騎で戦っても結末は大して変わらなかったと思われる

*12 実際シン達は以前の戦いで追い詰められる原因の一つとなっていた無人MSを真っ先に潰している。

*13 メンデルが何者かに襲撃されたのは複数回あるが、「幼い姿となったアウラと幼少期のアコード達」が映った写真があるためキラ達が誕生直後のC.E.55年の事件を指していると思われる

*14 研究資金獲得とプラントの住人の若さの維持による出生率低下の抑制のため。

*15 小説版の設定を考慮すると、ユーレンに自らの成果を否定され、若返ったことで周りから侮りの目で見られていると思い込んだことも影響していると思われる

*16 アウラは知る由もないが、デュランダルの語るDPの内容についてキラも彼を「傲慢」と断じた事がある。

*17 元ネタはVtuber兼イラストレーターであるしぐれういの持ち歌『粛聖!!ロリ神レクイエム☆』。こっちは粛清ではなく粛聖。なお、しぐれういはこの連想ネタがきっかけとなりSEEDシリーズの視聴を始めたとの事。

*18 カルラが参戦した直後にキラはSEEDを発現させており、オルフェは最初から最後までSEED発現状態のキラと戦った数少ないパイロットでもある。

*19 しかしよく見るとストライクフリーダム弐式へのダメージはドラグーンを撃墜した程度で、本体へのカルラの攻撃は全て防御されてまともダメージを与えられていない

*20 あくまでイングリットの担当はジクラートの操作のみであり、状況・機体性能共に有利だったとはいえ、SEED発現&ベストコンディションのキラと対等以上に渡り合い、尚且つストライクフリーダム弐式を上回る性能のカルラを使いこなしているオルフェのパイロット技能は間違いなく高い。

*21 尚、退室する際に一瞬出入口とは反対側に歩こうとしており、オルフェの動揺具合が伺える描写となっている。また、ラクスの服を剥ごうとした際も一瞬だけ罪悪感に満ちた表情を浮かべている。

*22 因みにオルフェが退出した後のラクスは、目を腕で覆いながら涙を流しており、気丈な態度を取りつつも内心はかなり怯えていた様子。遺伝子的な相性もあり、オルフェが強引に事を進めればもしかしたら堕とせたかもしれないが、彼のプライドなどを加味すれば、これ以上は無理だっただろう。

*23 この場面は奪還されたラクスが、演説の中で改めてデスティニープラン、つまり「人々に役割を押し付けること」を批判する内容に差し掛かったタイミングで描写されており、「例え生まれる前に決められていたとしても、今のラクスにとってオルフェは伴侶として望ましい相手ではない」ことが暗示されているようにも思える。

*24 血みどろの戦いを繰り広げた結果、連邦、プラント双方共にトップは穏健派となり、ブルーコスモスのような存在が軍を牛耳るなどという異常事態も是正されている

*25 オルフェたちへの悪影響を懸念し、意図的にアウラが情報を伏せていた可能性がある。

*26 尚、他のアコードたちもだが、DPの旗頭たるデスティニーを駆りながら、デュランダルを守りきれなかったシンについてどう思っていたのかは不明。

*27 専用機のブラックナイトスコードも用意されていないので、端からそういう役割が用意されていないと考えられる。

*28 ユーラシアの高官がラクスに食ってかかった場面や、ラクスがオルフェを拒絶した場面にて抜刀しようとする彼女の姿が視れる。

*29 ただし、二人が直接絡むシーンは小説版含めて現時点では全く無い。会話どころか互いに言及した事もなく、リデラードが戦死した際すら無反応な上に、幼年期の写真でもオルフェやシュラと手を繋ぐイングリットに対して、一人孤立している感があるリデラードなど、理由は不明だが妙に姉との距離感がある描写が目立つ。

*30 「スーツCD 3」

*31 オルフェとシュラとイングリット。グリフィンとリューとダニエルの二組。

*32 シュラとリューの模擬戦をダニエルとのんびり見物していたり、戦死時にリューに名前を呼ばれたあたり、特に他のメンバーと不仲というワケではなさそうだが……。

*33 ポプ子とピピ美の声優は回によって変わる

*34 後の行動を見る限りコンパスの面々に本心を見せないための演技だった可能性もあり、実際小説版ではブルーコスモスのテロはエルドア地区介入の口実作りのためのファウンデーションの差し金である。しかし明確に「自爆テロをせよ」とまでは指示しなかったようでシュラが「工作員を潜り込ませていたが、ブルーコスモスの奴らは期待以上に派手な行動に出てくれた」と内心で語っている為、グリフィンも素でブルーコスモスのやり口に驚いていたのかもしれない。

*35 とはいえ、シンも友軍と思っていたブラックナイツの急な裏切りと、キラとアークエンジェルの危機に動揺しており、乗機のイモータルジャスティスも格闘戦にさえ持ち込めば分があるとはいえ、ブラックナイトスコードルドラのヒットアンドアウェイに徹する戦闘スタイルにとの相性は悪く、グリフィン指揮下のジン・ディンら無人機群の横槍を頻繁に受け続け、少しづつ武装と機動力を削られていく等、メンタルも戦況も最悪な状態であった。

*36 尚、この構図は奇しくも前大戦にてシンがフリーダムを撃墜した時の状況に近い。

*37 リューが「デスティニーだと?」と発言している事などからしても、前大戦で圧倒的な力を見せつけたデスティニーがどういう機体であるのかを彼らが知らないはずがない

*38 「前回完勝した相手が旧型機に乗って挑んできた」というだけならまだ侮るのも分かるが、無人機を真っ先に撃破するなど明らかにこちらの戦術にメタを張った行動をしているにも関わらず「学習能力がない」と言うのは流石に擁護し難い

*39 彼が蔑称の意味合いで呼んでいたシンの異名の「フリーダムキラー」は、シンがフリーダムの挙動を徹底的に「学習」し、勝利し、得た称号である。

*40 闇堕ちを仕掛けられたことでユーラシア軍に攻撃を仕掛けてしまったキラは世間的にマズい立場に追い込まれているだけでなく、彼が所属するコンパスまでもが非難の対象となっている。シンが激怒するのも当然である

*41 本人は特に言及はしていないが、シンの回想の中でテロリストが駆るストライクフリーダムと交戦していたルドラのカラーが彼のものである。

*42 なお、「こんな武器」がデスティニーの繰り出した多数の分身攻撃と勘違いされがちだが、実際はリューと同じく直前の超高速移動に対しての発言である。動揺したところに、ヴォワチュール・リュミエールの推力によるデスティニーの、瞬間移動もかくやの脅威的なスピードを目の当たりにしたとなれば、この反応も頷けるだろうか。

*43 特殊な武装ではなく、VPS装甲の物理的な剛性を活かした近接格闘攻撃

*44 因みにファーストネームも、彼とリデラード以外は神や幻獣にまつわるものが多く(オルフェ→ギリシャ神話に登場する吟遊詩人 イングリット→北欧神話のフレイ神の別名 シュラ→インド神話の鬼もしくは仏教の守護神 グリフィン→鷲とライオンが合体した幻獣 リュー→龍?)、その面でもダニエルは少し浮いている。

*45 幼少期の写真では未装着。

*46 実際、劇中でもシュラがシヴァのチェックを行うシーンがある。

*47 ストライクフリーダム、インフィニットジャスティス、デスティニーに並んで、前大戦の高性能機だったレジェンド、或いはシンによって多大な戦果を挙げたインパルスをベースにした機体だった可能性がある。前者ならストライクフリーダムをベースにしたカルラとオールレンジ攻撃要素被る故。後者なら分離&換装機構が不要要素と判断されたのだろうか?

*48 劇中において、ブラックナイトスコード・シヴァがドラグーンによる牽制攻撃を明確に避けるシーンがあるが、装甲で覆われていない関節部や携行武器は被弾すると破損するため、ある程度回避行動を取ること自体は決して誤った判断ではない。実際、ルドラがデスティニーS2のパルマフィオキーナによって右腕関節部を破壊されるシーンがある。

*49 徹底的にビーム兵器対策をされた仕様からして、ブラックナイトスコードは対ストライクフリーダムを主眼に入れて開発されていたのかもしれない。

*50 有効打を食らう武装には違いないので、アコードたちも回避するか防御するか、武装そのものを速攻で破壊する等の対処はしっかりしている。

*51 ただし装甲の厚みにもより、カルラのドラグーン「サハスラブジャ」はストライクフリーダム弐式のレールガンの一撃で撃墜されている。

*52 明確な描写があったのはシヴァのシールド「スヴァローグ」で、アスラン搭乗時のストライクフリーダム弐式戦でビームを防いだ際に本体と同様のエフェクトが発生していた

*53 例として、デスティニーガンダムSpecⅡのアロンダイトの場合、ルドラのシールドを両断するのに四回以上の回転斬りを要した。

*54 ラミネート装甲は「ビームを熱エネルギーへ変換した上で装甲全体に拡散させ、ビームによるダメージを無効化ないし軽減するが、事実上の耐久値である排熱許容量を超えれば致命的なダメージが入る」という作動原理である。そのため、基本的に「面積が広ければ広いほど排熱許容量も増大するため耐久力も高くなる」という特性を持つが、逆に言えばこれは「面積が狭ければ狭いほど排熱許容量も小さいので耐久力もそのまま下がる」ということでもある。実際、本作にも出てくる105ダガーは胴体部にラミネート装甲を採用しているが、如何せん面積が狭いのでその防御性能はお察しである。

*55 こちらは貫手で装甲を破壊されると同時に叩き込まれた

*56 前述したFT装甲の省エネ性能が判明するまでは、装甲に安定したエネルギー供給を行う為にシンプルな装備で纏めているという考察も出ていた。

*57 接敵直前のグリフィンたちの言動からして、シンのメンタルが最悪な時期だったとはいえ少なくとも前大戦のデスティニーなら快勝できる自信はあったのかもしれない。実際の戦闘では(視聴者共々)戦闘資料を遥かに凌駕するモノを見せつけられたワケだが。

*58 タイマンになったイモータルジャスティス相手にも使っている

*59 作中では、4回もの回転斬りで漸く両断できた。

*60 見方を変えれば、終盤では無人機には頼れないという事実を失念する程にまで焦りがピークに達していたともとれるか

*61 基本的にナチュラルを見下しているオルフェも、これには「やるな賊どもが」と感嘆混じりの言葉を思わず漏らしている

*62 民間人の避難を一切許さないと事前に宣告しているので、そういう配慮で10分間の猶予を与えている訳ではない模様