人神樹(BORUTO)

登録日:2024/10/01 Tue 23:59:23
更新日:2025/04/21 Mon 14:35:57
所要時間:約 8 分で読めます






我々はいささか「進化」してしまったようだ


君によって呼び覚まされた………「自我」によって



人神樹とは、漫画BORUTO‐ボルト‐』に登場する種族。


概要

第二部「TWO BLUE VORTEX」から登場した最強尾獣十尾突然変異体であり、複数体存在する。
命名したのは果心居士。作中では「十尾」「神樹」と呼ばれる事もある。

本来、神樹とは十尾の最終形態にして途方もなく巨大な大木だが、彼ら人神樹は名前の通り神樹でありながら人間と同じ姿形をしているのが特徴。
加えて明確な自我も有しており、チャクラを求めて暴れ回るだけだった十尾と異なり、知的好奇心に基づいた個々の意志による活動を可能にしている。

第二部における主な敵対勢力であり、大筒木一族と「」に続く新たな脅威として忍界の平和を脅かし、ボルトや忍達と対峙する事となる。


誕生までの経緯

十尾とは「チャクラを喰らう事」のみが本能に刻まれた自我を持たない獣であり、大筒木一族がチャクラの実を採取するために利用していた神樹の苗木だった。
生きたままの大筒木を喰らう事で神樹へと成長し、惑星中の生物からチャクラを根こそぎ吸い取ってチャクラの実を実らせる事が本来の役割である。

ところが、大筒木イッシキの所有する個体は幾つものイレギュラーな出来事を経て、思いもよらぬ進化を遂げる事となった。
イッシキの部下であり「白き楔」を刻まれし少年・コードが神術「爪痕」でもって十尾を拘束し、爪痕を媒介して無数の小型十尾「爪アカ」へと分解したのである。
三年もの間コードの手駒として利用されていた十尾だったが、爪痕を通してコードのチャクラに触れ続けた事で大筒木の因子たる「楔」が影響を及ぼしたらしく、なんと大筒木一族を喰らわずして神樹への進化を開始
十尾本体が四つに分裂する形で、人の形を成した神樹こと人神樹へと新生を果たした。

こうして誕生した人神樹たちはコードによる制御をも振り切り、ついには独立して動き出してしまうのだった…。


生態

最大の特徴は新たに獲得した知性
本能のままに動く獣でしかなかった十尾と決定的に異なる点であり、人神樹たちは知的好奇心の赴くまま、感情の動きや新たな経験といった情報を得る事を目的として活動する。
その欲求は十尾としての本能を押し退ける程に強く、書物を読み漁るなどして情報を学習しようとする事もあれば、時には情報獲得の邪魔となる対象の排除を厭わない人神樹の凶悪性にも繋がっている。

一部の例外を除き、基本的には爪アカに食われて小型神樹に囚われた人々の性質を反映しているのも特徴である。
例として、人神樹の1体である(ヒダリ)うちはサスケに似た姿と全く同じチャクラを備えており、千鳥や火遁といったサスケの習得していた忍術も生まれながらに扱える。
更には知的好奇心の延長として、原型となった人たちにとって所縁のある人間を喰らおうとする習性も確認されている。

また、神樹としてはまだ成長し切っていない未成熟の状態にあり、十尾と神樹の中間体のような存在でもある。
このため、十尾の本能である「大筒木一族の捕食」と共に大木の神樹へと変化して惑星を死に至らせてしまう危険性もそのまま残っている。
人神樹たちはそうした本能より上述した知的好奇心を優先しながらも、最終的にはボルトかカワキを喰らって完全な神樹になる事を目的としていて、1体1体が地球を滅ぼしかねない危険極まりない種族として成立させている。

戦闘能力

十尾から発展した存在という事もあってか、全員が輪廻眼を開眼している。
もっとも、六道の術を初めとした輪廻眼特有の瞳術を扱う様子は確認されておらず、視界の共有なども機能していない。
ただし一部の個体は輪廻眼を起点として術を発動しており、瞳力自体は宿っている模様。

コードの手で十尾に装着させられていた爪痕も引き継いでいて、人神樹たちが着ているポツポツの付いた黒い衣服は全て爪痕で構築されている。
飛雷神の術のようなマーキングによる瞬間移動ができる爪痕を纏う事によって、人神樹たちは時空間忍術こそ使えないものの、大筒木一族のような異空間への移動を可能にしている。

また、本拠地にある木の根を利用した再生能力も備えており、たとえ致命傷を負っても根に繋げば瞬く間に修復可能。
加えて本拠地には爪痕の箱が置いてあるため、その場から本拠地へ移動して完全回復→爪痕で即座に戦線復帰という理不尽極まりない戦法を取ってくる。
よって、人神樹を倒すためには大技の一撃で確実に仕留めるか、爪痕による退路を断つ事が必須となる。

棘魂(とげだま)

人神樹にとって重要な器官と思わしき物体。
名前の通り、複数の棘が付いた球根のような見た目をしており、底部には輪廻眼が開いている。

作中では、木端微塵に破壊された人神樹の塵芥が集合してこの物体に戻る場合と、人神樹の本拠地にある木の根より新たに採取される場合が確認された。
また、人神樹の意思で体外に排出し、更には分離しながら活動する事も可能。

人神樹の原型にあたる人間を解放するために必要とされている他、撃破された人神樹の復活や新たな人神樹の誕生にも用いられている。
彼らにとっての核に相当する事が示唆されているものの、詳細は謎に包まれたままである。


作中に登場した個体

基本的に、原型となった人物の特徴を漢字一文字に落とし込んだコードネームのような名前を持ち、羽織っている爪痕の服にはそれぞれに固有の色が付いている。
当初は十尾本体から分裂する形で四体の人神樹が登場し、その後も新たに採取した棘魂をベースに数を増やしつつある。

十羅(ジュラ)

「うずまきナルト… 彼を喰おうと思っている」
原型の人物:なし(十尾の化身)
捕食の標的:うずまきナルト、うずまきヒマワリ

側頭部を剃り上げた独特な髪型?の人神樹で、輪廻眼の模様が背に描かれたマントを羽織り、よくズボンのポケットに手を突っ込んでいる。
基本的には落ち着いた物腰であり、情報の獲得には特に貪欲で暇さえあれば本を読み漁っている。
人神樹たちの活動を扇動するリーダーと呼べる存在であり、最初に自らの意見を述べて行動を促すなど他の個体を導く場面が多く、それぞれの人神樹の判断に逐一「良い選択(チョイス)だ」と肯定する姿も見せている。

原型となった人物は存在せず、その正体は十尾そのものの化身
名前の「十」も十尾から取ったものと思われる。
固有能力として、十尾が扱っていた木遁や尾獣玉を自在に操る事ができ、人神樹の中でも別格の力を有する。

捕食の標的は、かつて七代目火影に就任していたうずまきナルト
後にナルト捜索の手掛かりだった九喇嘛を通して、娘のヒマワリにも興味を示している。

(ヒダリ)

「一体オレ達は 何者なんだ…?」
原型の人物:うちはサスケ
捕食の標的:うちはサラダ

顔を右側だけ覗かせるフードを羽織った人神樹。
人神樹の中でも口数が少なく、自らのアイデンティティについて思い悩む場面もあり、自分が何者なのかを探っている。

原型は、ナルトと双璧を成す伝説の忍・うちはサスケ
名前はナルトとの激闘で失われた利き腕の「左」から取ったと思われるが、実に皮肉めいたネーミングである。
固有能力として、サスケの術である千鳥や火遁を使用する他、人神樹の中でも特に爪痕の扱いに長けている。

捕食の標的は、サスケにとって最愛の娘であるうちはサラダ

(マムシ)

「自らノコノコと…… 喰われに来たのか…?」
原型の人物:バグ
捕食の標的:エイダ

顔面に逆Y字の爪痕を装着し、長い髭をたくわえボロボロの歯並びをした老人のような姿の人神樹。
地面に寝転んだりヤンキー座りしたりする物ぐさな性格。

原型は、「」の一員にしてボロの教団に所属していたバグ
名前は長らく分かっていなかったのだが、13話にてようやく判明した。
固有能力として、腕を巨大なトラバサミの如き形状に変形させて攻撃でき、千里眼の逆探知すら可能にしている。

捕食の標的は、バグが魅了の能力で好意を抱かされていたエイダ

(マツリ)

「猿飛木ノ葉丸 食べちゃいたいかも」
原型の人物:風祭モエギ
捕食の標的:猿飛木ノ葉丸

人神樹の中では唯一の女性型で、ジェスターハットのような髪型をして肩から紫色の布を羽織っている。
全身タイツのようにも見えるが、実は背中部分だけ肌がハート型に露出しており中々にセクシー。
毒舌が目立つキツイ性格の持ち主。

原型は、シカダイたち第十班を率いる風祭モエギ
名前も苗字の「祭」から取られている。
固有能力として、地面を盛り上げて対象を拘束する土遁のような術を使用し、世界のどこかに遍在する「木々」の声を聴ける感知系の能力も有する。

捕食の標的は、モエギの同期である猿飛木ノ葉丸
人神樹の中でも珍しく、標的に対して恋愛感情を抱いている。

余談だが、祭という名前のキャラはNARUTOにも存在する。こちらはカタカナ表記の「マツリ」だが。
まぁ「フー」と「フウ」、磁遁使いと新世代の「トロイ」といった名前被りキャラの前例はあるので…
我愛羅がチヨバアの蘇生忍術で蘇った際、泣いて喜ぶ隣の忍を小突き我愛羅に駆け寄ったくのいちの1人。
原作での出番ではそれのみだが、アニメでは2部開始前のアニオリから登場していた。声優は坂本真綾

(リュウ)

「オレの事分かってますね…十羅先輩」
原型の人物:シンキ
捕食の標的:我愛羅

熊取りのような爪痕と首元も隠れるコートを備えた男性型の人神樹。
誕生前から果心居士の神術“十方”によってその存在が未来視されており、新たに実った棘魂をベースに人神樹たちが見守る中で誕生した。
気の良い後輩のような性格で、自分より先に生まれた4体の人神樹を「先輩」と呼び慕っている。

原型は、砂隠れの忍であるシンキ
名前に関しては十羅が命名したもので、シンキが磁遁で操る砂鉄を「粒」に見立てたものと思われる。
固有能力として、磁遁の如く砂鉄を生じさせて自在に操作できる。

捕食の標的は、シンキの養父である五代目風影・砂瀑の我愛羅


近縁種

  • 爪アカ
コードが爪痕でもって十尾から大量に分裂させた小型の十尾たち。
全員が爪痕を装着していて、人間を食らえば「神樹の成り損ない」とも呼べる小型の樹木に変形する。
これらの小型神樹は本体の十尾とリンクしており、囚われた人々のチャクラが十羅を除く人神樹たちの誕生に利用されている。
また、人神樹たちはコードのように爪アカを操る事が可能で、特定の場所へと動かす事で異空間の本拠地から爪痕越しに目的地へと移動する、戦闘時には大量の個体を出現させて相手を攪乱しつつ爪痕から不意の攻撃を仕掛ける、などの運用を取っている。

かつて六道仙人が陰陽遁を操り、十尾を九つに分割して生み出した尾を持つ獣たち。
「十尾の分裂体」という点では人神樹と同族であり、実際に十羅も自分たちを尾獣として扱っている。
ただし、尾獣達は仙人に命を吹き込まれて誕生した存在であり、独りでに分裂して勝手に自我まで生えてきた人神樹とは対照的である。

木ノ葉隠れの里を築いた初代火影。
神樹の力に先祖返りしたかの如き強力無比な木遁を操れる他、れっきとした人間でありながら神樹の作り出した生体兵器・白ゼツとほぼ同じDNAを持ち、細胞単位での異常な性質を誇る規格外の人物。
ある意味では「人型の神樹」と呼べるような存在であり、人間よりも人神樹に近しいと言える。
彼についてはアシュラの転生者という背景を踏まえても異質な点が多く、読者の間では人神樹を通して柱間と細胞の謎が明かされる事も期待されている。

前作のラスボスにして大筒木一族の一員。
チャクラの実だけでなく神樹そのものと融合を遂げた異色の大筒木でもあり、柱間より更に遡って「人型の神樹」として成立した存在である。
ただ、人神樹が曲がりなりにも完全な神樹への進化を目的としているのに対し、カグヤは戦闘時に苗木の姿へと退化させる「十尾化」を使用しており、神樹の状態に関しては真逆の方針を取っている。



追記・修正は大筒木一族を食べるより前にお願いします。

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