BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX-

登録日:2024/12/08 Sun 23:59:32
更新日:2025/04/21 Mon 14:14:41
所要時間:約 21 分で読めます







これは全てを失った少年が

木ノ葉を守る影の物語




BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX(トゥー ブルー ボルテックス)-』とは、月刊誌Vジャンプの連載漫画である。
既刊4巻。*1

原作・監修:岸本斉史
漫画:池本幹雄


◆概要

うずまきボルトの少年期を描いた『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』の続編で、第二部・青年編にあたる作品。
Vジャンプ2023年6月号での第一部終了から4か月の休載期間を経て、2023年10月号より連載開始した。

制作体制に関しては第一部から引き続き、原作者である岸本先生による監修の下、元アシスタントの池本先生が漫画を担当する。
二人を取り上げた海外インタビューによると、基本的に絵とストーリーは全て池本先生が考えており、岸本先生は最初にちょっとした構想を与えて以降は原稿のチェックに徹している模様。
週刊連載の激務を経験した岸本先生にとって、『NARUTO』以降の連載が体力的にも時間的にも厳しい事は劇場版『BORUTO』や『サムライ8 八丸伝』等で度々漏らしており、今作では池本先生が描く漫画の「最初の読者」として携わるスタンスを取っている。

内容は第一部から三年後が舞台であり、作中での年数経過に伴って前々作『NARUTO‐ナルト‐』のアニメ無印に対する疾風伝のような改題が漫画本編でも行われる形となった。
ついにタイトルから「NARUTO」がいなくなり、次世代のボルトへと本格的に移行した事を印象付けている。
新たな副題の「TWO BLUE VORTEX」は意訳するなら二つの青い渦といった意味だが、これが指し示す事とは…?


◆あらすじ

神術「全能」によって人々の記憶と認識が書き換えられ、反逆者になったボルトがサスケと共に里を抜けてから三年の月日が流れた。
木ノ葉隠れの里では八代目火影に就任したシカマルによる統治の下、日々コードと爪アカの襲撃を警戒しながらも一定の平穏が保たれていた。

だが、そんな平穏を打ち破るかのように突如として大量の爪アカが里内に出没し、人々を襲い始めた。
火影の息子であるカワキや忍達が対応に追われる中、コードの奇襲を防ぐ形であのボルトが三年ぶりに帰郷を果たす。
圧倒的な強さで爪アカを屠りコードを捻じ伏せたボルトは、目的である十尾の処理を遂行しようと異空間へ飛ぶが、時すでに遅く十尾は新たなる脅威・人神樹へと変貌を遂げていた。
それは忍界を揺るがす未曽有の災厄の訪れ、そして忍と人神樹との星の命運を懸けた戦いの始まりでもあった。

かつて全てを失い、反逆者の汚名を着せられた少年は、人々に疎まれながらも木ノ葉を守るべく戦いに身を投じる。
父、うずまきナルトの背を追って────


◆用語

チャクラを練って忍術を操る、一種の傭兵に近い存在。
大戦から十数年が経った平和な時代にも依然として危機は蔓延っており、抜け忍の対処などで日々任務に当たっている。
しかし第一部の冒頭に描かれた未来では、崩壊した隠れ里を背景に忍の時代の終わりが宣言されており、近い将来に存亡を懸けた岐路に立たされる模様。

  • チャクラ
忍者が術を使用する際に必要とするエネルギー。
身体エネルギーと精神エネルギーを練り合わせ、印を結ぶことで術が発動する。
術は主に忍術・体術・幻術の3つに分類される。
本質的には「繋がる力」であり、その繋がりは空間を隔てても持続する程に強く、人々の意識もチャクラで繋がっている。

チャクラを練ることで発動する術。
性質変化と形態変化を始め、会得には特殊な技量が必要な医療忍術や時空間忍術、特定の一族にしか扱えない秘伝忍術や血継限界など、多種多様な忍術が存在する。

第一部の終盤に起きた大異変にして、ボルトを襲った悲劇の元凶。
元々は全知全能のが宿す「術者の望むままに何もかもを具現化できる」という能力なのだが、その神の断片が一人の少女に移植された結果、制御不能の「潜在的願望を無自覚に具現化させる」能力として発現した。
この力によって里中から追われていた最中のカワキが抱いた「ボルトと入れ替わりたい」という願望が叶えられ、人々の間でボルトは恩を仇で返した反逆者として認識されるようになってしまった。
更には発動後も、人々の意識から具現化に伴い生じた違和感を薄れさせる修正力まで働くため、様々な矛盾があるにも拘わらず現在では誰一人として入れ替わりの事実を疑っていない程である。
あまりにも強大すぎる力だが、極一部の者達は各々のやり方で改変された事実に気付き、「うずまきボルト」の協力者として味方している。

大筒木一族のバックアップシステム。
自らのデータを楔状の物体に圧縮して対象となる人間に刻む事で、徐々にデータが解凍して肉体を上書きしていき、最終的には対象を乗っ取る形で転生を果たせる。
第二部ではモモシキがボルトに刻んだものと、イッシキがカワキとコードに刻んだものの三つが存在し、いずれもイレギュラーな過程を経て転生が不可能な状態に陥っている。
しかし本来の機能を失っても大筒木の因子であることに変わりなく、ある者は転生のシステムを利用して最愛の娘の復活を図ったり、意図せず新たな脅威の誕生に繋がったりと、それぞれの「楔」が物語に影響を及ぼしている。

  • 神術
大筒木一族の神が宿していたとされる人知を超えた能力の呼称。
上述した全能や「楔」も神術の一種で、他には世界全域を観測できる「千里眼」やあらゆる被害を跳ね返す「反射」などが存在する。
実は忍術のオリジナルでもあり、チャクラを練り上げて印を結ぶ事で神術と同じ現象を再現したものが忍術である。
大筒木の神の細胞を移植する事で、人間でもいずれかの神術が扱えるようになる。
第二部では移植したとしても必ず発現する訳ではない事、後日偶発的に発現するケースもある事が判明し、新たな神術も登場した。

十尾の突然変異体。
本来なら大筒木一族を喰らう事で神樹に成長する十尾が「楔」の影響を受け、捕食無しのイレギュラーな進化を遂げてしまい、四体に分裂する形で誕生した。
名前の通り神樹でありながら人間と同じ姿形をしているのが特徴の種族で、一人の例外を除き、チャクラと面影を同じくする原型の人間が存在する。
全員が輪廻眼木遁と神術の一種である「爪痕」を宿し、大筒木一族にも比肩する強さを誇る。
完全な神樹化による地球の滅亡を最終目的とするため、それを阻止せんとするボルトや忍達と敵対している。


◆登場人物

本作の主人公。
うずまきナルト日向ヒナタの間に生まれた息子…だったのだが、三年前に起きた騒動で彼を取り巻く環境は一変する。
カワキとの立場を入れ替える全能の改変に加えて「ボルトがナルトを手に掛けた」という嘘を流布された結果、仲間や帰る場所のみならず「うずまき」の姓すらも失い、火影殺しの反逆者ボルト」として里から命を狙われる身となった。
しかし間一髪の場面でサスケに窮地を救われ、共に里を抜けた所で第一部は幕を閉じた。

第二部では、三年に及ぶ修業を経て肉体的にも精神的にも鍛えられ、以前とは別人のような強さを身に付けている。
草薙剣を用いたうちは流剣術や螺旋丸「渦彦」飛雷神の術といった強力な術を多数会得し、「楔」に頼らない素の実力を大幅に向上させた。
その反面、性格も明るく愛嬌のあった三年前から大きく変わってしまい、カワキやサスケの少年期を彷彿とさせる不遜な態度に出る事が多くなった。誰が言ったか「ボルトさん」
ただ、改変による違和感を大なり小なり勘付いた人間と接する時に限っては、以前の「だってばさ」の口癖と共に「うずまきボルト」としての面影を覗かせている。

全能による圧倒的不利な状況を物ともせず、時に改変を乗り越えた僅かな者達の助力を得ながら、大筒木としての逃れられぬ運命にも果敢に立ち向かっていく。
神樹に囚われた師匠を救うため、人神樹による星の危機を退けるため、そして兄弟と和解してうずまき家を取り戻すため、少年は忍界を奔走する。

木ノ葉隠れの里

第七班

もう一人の主人公。
大筒木イッシキが転生のために用意した「器」の少年で、後に「」を脱して木ノ葉に保護され、ナルトによる監視の名目でうずまき家の一員として居候する事になった。
ナルトを父親のように慕い、ボルトとも兄弟同然に接してきたのだが、モモシキに乗っ取られてナルトを殺しかけたボルトの存在をどうしても許容できず、後に兄弟殺しという形で解決しようと暴走。
ナルト夫婦を封印してボルトを殺そうとしたために反逆者として追われるも、その最中に全能の改変でボルトとの立場が逆転し、木ノ葉隠れの里で生まれ育った火影の息子うずまきカワキ」という事になった。

第二部でも大筒木の根絶とナルトの生存を絶対とする考えは変わっておらず、引き続き封印したままナルトを脅かすコードとボルトを排除し、最終的には大筒木である自分自身の抹殺をもって決着を付けようとしている。
「楔」の解凍が進んだ影響で新たに飛行能力を会得し、左目の黒眼も完全に開花して自在に縮小できるようになったが、師匠でもあったナルトを自分の手で封じてしまったために三年間まともに修業を行えていなかった。

三年ぶりに帰郷したボルトと対峙するが、後に誕生した人神樹からは捕食対象の大筒木として狙われ、カワキもまた運命の渦に巻き込まれていく。
第一部冒頭に描かれた未来では、ボルトに対して「忍の時代は終わる」「七代目と同じ所へ送ってやる」と宣言しているが、その真意は…?

うちはサスケ春野サクラの娘。
全能の影響が及ばなかった数少ない人物の一人で、改変後でもボルトの事は変わらず「うずまきボルト」として認識している。
第一部の終盤には、ナルトの死やボルトの絶望的窮地といった様々なショックを受けて万華鏡写輪眼を開眼し、サスケに「最初で最後のわがまま」としてボルトへの助力を懇願、父をボルトの味方に付ける事に貢献した。

第二部ではビジュアルを一新し、「うちは」の耳飾りを付けて髪型もショートに整え、「」の衣を彷彿とさせる赤と黒が基調の服を着崩して羽織り、第一部の頃からガラリとイメチェンした。
戦闘面では写輪眼と千鳥を巧みに操れるようになった一方、万華鏡に関しては開眼自体を自覚していないためか、第二部の序盤では固有瞳術を見せていない。
反逆者として追われるボルトとサスケの力になるべく、殺害命令を取り下げるよう火影のシカマルに直訴を繰り返していたが、そんな日々を送っていたために中忍にも昇格できず下忍のままだった。*2

絶大すぎる全能の影響力に途方に暮れていたある日、突然コードが大量の爪アカを引き連れて目の前に現れ、ボルトを里に呼び寄せるための餌として利用されかけてしまう。
その直後、サラダの危機に駆け付けるようにしてボルトが里へ帰郷し…。

  • ミツキ
大蛇丸が自身のDNAを利用して生み出した人造人間。
第二部では背丈と共に髪も伸ばし、義理の兄でもあるログこと「もう一人のミツキ」とはまた違った成長を遂げている。
少年期の頃よりも仙人モードを安定して扱えるようになり、蛇分身や蛇雷などの術の出力も上がった。
特に毒の威力は大筒木を蛇の一噛みで昏倒させる程にまで成長した。

カワキの事は自分という「月」を照らしてくれる「太陽」だと思っており、故にナルトを手に掛けカワキも殺しかけたボルトを激しく憎悪し、必ず自分の手で殺そうとしている。
だが、いつからか「太陽」がカワキから感じられなくなり、その事に対する漠然とした不安と違和感からアイデンティティも揺らいでしまい、半ば自暴自棄に陥っていた。
そんな折、密かにボルトが帰郷した事を知り、これを絶好の好機と見たミツキはカワキを止めてでも自ら始末しようと向かうが…。

第七班の担当上忍であり、三代目火影・猿飛ヒルゼンの孫。
第二部では上忍としての立場に加え、シカマルの火影就任で空白になった補佐役にも繰り上がり、火影室ではシカマルの隣に付き添っている。
忍者として忍術の研鑽も積んでいたようで、形態変化を練り上げた新術「風遁・螺旋障壁」を身に付けている。

元班員でありナルトの仇でもあるボルトには反逆に対する怒りの感情も見せたが、ある程度割り切って情報を得るための任務に徹している。
また、物語が進む中で人神樹の1体・祭に捕食の標的として狙われる事となり、第七班の班員達と立ち向かっていく。

第十班

  • 奈良シカダイ
奈良シカマルと砂隠れのテマリの息子。
第二部では父親の火影就任に伴い、風影の甥っ子にして火影の息子というスーパーエリートになった。
普段は同じ第十班のいのじん・チョウチョウらと共に、ナルトの忘れ形見であるヒマワリの稽古に付き合っている。

父譲りの頭脳は相変わらず冴え渡っており、危機的な場面でも冷静な判断を下し、敵である人神樹から称賛される一幕もあった。やはり天才か…
班全体のためなら時に冷徹な行動を選択できる合理的な思考の持ち主だが、これもひとえに仲間を思う気持ちが故であり、それだけにボルトの裏切りには憤っている。

  • 山中いのじん
山中いのサイの息子。
髪型を母親譲りのポニーテールからマッシュルームカットに変え、小洒落た見た目に成長した。
得意の忍法・超獣戯画も健在で、特に実体化させた鳥が飛行手段として重宝されている。
ヒマワリの事は大切に思っており、彼女の危機には真っ先に動いて守ろうとする。

  • 秋道チョウチョウ
秋道チョウジと雲隠れのカルイの娘。
三年前からツインテールを伸ばし、新しくへそ出しコーデに衣装変えした。
父より受け継いだ倍化の術は「部分倍化」や「肉弾戦車」を以前以上に使いこなし、体術にも磨きをかけている。

  • 風祭モエギ
第十班の担当上忍。木ノ葉丸とは同期でもある。
物語の序盤、里に現れた爪アカから逃げ遅れた母子を守ろうとして犠牲になり、小型の神樹に囚われてしまう。
更にそのチャクラは神樹を通して十尾本体と繋がり、人神樹の1体・祭の誕生に利用された。
第二部では祭を撃破してモエギを助け出す事が、木ノ葉丸と第十班の大きな目標となっている。

上層部

ナルトの補佐役を務めていた木ノ葉隠れの知将。
第二部では三年前に七代目火影だったナルトが亡くなったために、補佐役からの繰上りでなんと八代目火影に就任している。
めんどくせぇ事を忌み嫌って極々普通の将来を考えていた少年が、よもやここまで普通と真逆の人生を歩む事になるとは夢にも思わなかっただろう。
ただし、あくまでも正式な就任はしていない暫定的な立場にあり、三年の猶予期間を経て火影になるつもりだった。
そのため、ミナトやナルトが羽織っていた伝統の火影マントには「〇代目火影」の刺繍が縫われておらず、顔岩も彫られていない。

IQ200以上の超天才と言えども全能の影響は免れず、火影として里の忍にコードの襲撃を警戒させつつ、反逆者のボルトに対する殺害命令を出していた。
しかし火影の正式就任が迫っていたある日、スミレとアマドのふとした会話を聞いて自身の記憶に疑念を持つようになり、程なくしてボルトとカワキの立ち位置を逆にする事で「うずまきボルト」になるという仮説に辿り着いた。
ボルト本人との会話で確証を得て以降は「うずまきボルト」の味方となり、大名や上層部の圧力を受けながらも陰からサポートしている。

  • 水戸門ホムラ
  • うたたねコハル
木ノ葉隠れの相談役である宿老。
ナルトの少年時代から現役だった二人だが、なんと『BORUTO』の時代でもまだご健在。
容姿は第一部のアニオリで登場した時からほぼ変わらず。

シカマルが火影としてまだ正式就任していないためなのか、実質的に火影以上の権限を有する木ノ葉の最高権力者であり、シカマルもホムラとコハルに対しては敬語で接する。
そんな二人でも火の国の大名には平身低頭で、カワキを殺そうとしたボルトの抹殺には大名からの強い要望もあって手を尽くしており、シカマルに命じて何が何でも始末させようとしている。

元七代目火影。
第四次忍界大戦を終戦に導いた木ノ葉の英雄であり、後にヒナタと結婚してカワキとヒマワリを授かった。
三年前に余所者であるボルトの手に掛かって妻のヒナタ共々殺された…という事になっているが、これは全能の影響とカワキの虚言で定着した偽りの情報。
実際には、コードとボルトからナルトを守りたかったカワキが時空間忍術で「時の止まった異空間」に閉じ込め、ヒナタと共に封印されているのが真相である。

第二部でもカワキによって夫婦揃って封印されたままで、世間からは完全に亡くなったものとして扱われ、生存の真実を知る者はボルトやサスケ等ごく僅かしかいない。
ボルトにとっては以前と変わらない偉大な父親であると同時に、全てを失った今では努力で皆を認めさせた先達として背中を追うようになった。
ボルトとカワキ以外にも、サラダからは目指すべき火影の手本として今も憧れられており、人神樹のリーダーには捕食対象として興味を惹かれる等、封印されて尚様々な人物に影響を与えている。

研究者・民間人など

  • うずまきヒマワリ
ナルトとヒナタの間に生まれた娘であり、兄にカワキがいる。
三年前から髪を伸ばして若き日の母のような長髪に変え、服装も名前の通り、向日葵の柄が縫われた鮮やかな黄色のトップスを着るようになった。

居候していたボルトに裏切られて両親も失う痛ましい目に遭ったが、当のヒマワリは気丈に振る舞い、第十班の面々に稽古を付けてもらっていた。
こうした修業の日々を送る理由はボルトにあり、以前自分と父を命懸けで守ってくれた経験から「お父さんを殺す訳ない、何か訳がある」と思っており、里に追われるボルトの力になるべく強くなろうとしていた。
また、父の存在も「どこかで生きてる」として漠然と感じ取っている。

物語が進む中で、どういう訳か人神樹がヒマワリから九尾のチャクラ反応を感知し、敵味方の双方を困惑させた。
以前にも彼女からは何らかの「迫力」が感じ取られており、何か秘密があるようだが…?


かつて「」の研究・開発部門を担っていた壮年の男。
最初期のメンバーとして「殻」に与していたが、実は地球の滅亡を回避するべく密かに裏切りを計画しており、後に木ノ葉へ亡命して様々な情報を提供し、打倒イッシキに貢献した。
その真の目的は「楔」を使って娘のアケビを転生させる事にあり、カワキの「楔」を利用して生き返らせるつもりだった。
しかし、当のカワキが暴走した上に全能の発動で立場の入れ替わったボルトは追われる身になってしまい、望みは絶たれたかに思われた。

第二部では、火影の息子でありながら知らぬ間に科学忍具で改造されていたカワキの身体を物証として、なんと自身の記憶が改竄されている事に気付く。
ボルトとカワキの入れ替わりまでには思い至らなかったものの、自分が必要とするアケビのデータ入り「楔」をカワキが持っている事から、現在はボルトではなくカワキの協力を欲している。

「殻」の改造人間の一人。
世界全域を見渡せる神術「千里眼」とほぼ全ての人間を自身の虜にできる出自不明の能力「魅了」を併せ持ち、その能力の危険性から「殻」でも封印されていた過去を持つ。
魅了が通じない大筒木のカワキに恋をしており、封印を解除したコードとはカワキの身柄確保と引き換えに結託するも、後に木ノ葉側から里に移住する打診を受けてそちらに付いた。
夢見ていたカワキとの共同生活を叶えたが、後に暴走して里中から追われたカワキを助けようと魅了の本質───神術「全能」を無意識に発動させ、ボルトとカワキの立場逆転を引き起こした。
だが、故意でないにしろボルトを追い詰めた事は申し訳なく思っており、お詫びにボルトとサスケを決して千里眼で探さないと約束し、弟と共に二人を見送った。

第二部では、二人と交わした約束を守りながらカワキとの共同生活を送っているが、相変わらずカワキには素っ気ない態度を取られ続けていた。
里側からはコードや人神樹といった脅威に対する感知手段として重宝される中で、エイダ自身も人神樹の1体・虫に捕食の標的として狙われる事に。

  • デイモン
「殻」の改造人間の一人。
大筒木シバイの細胞移植で神術「反射」に目覚めており、脅威的なカウンター能力を有する。
しかしその強さの本質は体術にあり、真の力を取り戻したコードでさえ為す術もなく圧倒される程。
エイダの弟でもあり、姉からは我儘な所に辟易とされながらも、自分を守ってくれる騎士として頼りにされている。

第二部ではどういう訳か、三年前から全く背丈が伸びていない姿で再登場した。シバイ細胞によって成長が止まっているのだろうか?
三年前の別れ際に「うんと強くなれ」と声をかけたボルトの劇的な成長を悦び、螺旋丸「渦彦」のカラクリにも遠くからただ一人勘付いて興奮していた。
一方、カワキに関しては姉へのぞんざいな態度もあってあまり好感度は高くなく、面と向かって「お前がどうなろうがどうでもいい」とまで言い放っている。

【犯罪者・抜け忍】

七代目火影と双璧を成す伝説の忍。
三年前の騒動でもやはり全能の影響を受け、修業を付けて見事モモシキを倒した「うずまきカワキ」の師匠として反逆者「ボルト」の抹殺に動いたが、サラダの決死の懇願を受けてボルトと共に人生二度目の里抜けを敢行した。
端から見れば盟友にして恩人のナルトが死亡濃厚になった途端、殺害の実行犯を庇うようにして里抜けという常軌を逸した行動であり、サスケ本人も「とんでもない間違いを犯しているのかも知れない」と自覚しながらも、娘を信じて自らの記憶をも疑い、覚悟を決めた結果の里抜けだった。

第二部では木に囚われた衝撃の姿で再登場し、ボルトの回想で里抜け以降の動向が明らかになる。
如何にしてボルトを鍛え、共に過ごし、木に囚われる事となったのか───

かつては「殻」の内陣を担っていた伝説の三忍・自来也のクローン。
大筒木イッシキとの戦いに敗北して以降姿を消していたが、実はその際、死に瀕した事で未来視の神術「十方」を開眼していた事が判明する。
役目を終えて死に殉ずるつもりの居士だったが、「起こり得る全ての未来が見える」という十方の未来視により、十尾が人神樹へと進化して星を滅ぼす最悪の未来を幾つも目撃し、イッシキを倒したとて終わりではない事を痛感。
星の危機を回避する使命に目覚め、十尾そのものの根絶に向けて動くべく行方を晦ましたのである。

ボルトの事は十方で予め全能による立場逆転の未来を観ていたために「うずまきボルト」と認識しており、里に追われていた最中の彼を探し当てて協力を要請し、最悪の未来を避けるべく共に行動するようになった。
以来、十方で得た未来の情報を提供してボルトの修業の効率化を図ったり、視覚共有した蛙を付かせて逐次情報を教えたりして、ボルトのサポートに徹している。

「殻」の内陣を担っていた少年。
シバイの細胞移植で神術「爪痕」に目覚めており、イッシキより刻まれたイレギュラーな「白き楔」も宿している。
内陣最後の一人としてイッシキより大筒木の意思を受け継ぎ、星に神樹を生やすべく大筒木のボルトとカワキを求めて暗躍。
カワキに殺されかけたり仲間だった姉弟から離反されたりと様々な困難に遭いながらも、本来の力を取り戻して十尾より意のままに操れる怪物「爪アカ」を量産し、着実に力を蓄えていった。

第二部では逆恨みの対象であるボルトの捜索が一向に進展しない事から、とうとう爪アカ軍団を引き連れて木ノ葉隠れの里に直接侵攻し、仲間を傷付け誘き寄せようと企む。
しかし、狙い通りに駆け付けたボルトからは完膚なきまでに圧倒され、爪アカの大元である十尾までもが人神樹へと進化して制御不能に陥ってしまう。
大筒木の捕食を人神樹たちの意思に委ねて早々に行方を晦ますも、目的を果たそうとする中で片目や片手を失っていく事に…。

大筒木一族

チャクラの祖である大筒木カグヤの同族。
直系の者達は殆どが封印や死亡といった形で既に姿を消しており、現在は「楔」の刻印で大筒木の肉体に作り変えられたボルトとカワキを残すのみとなった。

カグヤを追って大筒木キンシキと共に地球に降り立った大筒木の男。
ナルト達との戦いには敗れながらも、予めボルトに刻んだ「楔」で転生による復活を目論み、徐々にその身体を蝕んでいった。
最終的にはボルトによる決死の行動で転生は頓挫したものの、いずれボルトに訪れる最悪の未来を予見しており、その時に精神を折って肉体を乗っ取る方向にシフトする。
しかし、ついに迎えた最悪の未来で全てを失って尚ボルトの心は折れず、モモシキはただ圧倒されるばかりだった。

この三年間は沈黙を貫いており、精神内でボルトに語り掛ける事も肉体の主導権を奪おうとする事もなかった。
だが、以前ボルトが「楔」を発動した際に肉体が乗っ取られるような感覚を覚えており、実質「楔」が使用できない状態を余儀なくされている。

かつて共に地球を訪れたカグヤの手で致命傷を負わされ、やむなくとある修行僧に寄生して生き永らえた大筒木の男。
第一部では「」を率いて完全な形での転生とチャクラの実の生成を目論んだものの、アマドと果心居士の裏切りやナルト達の奮戦によって「器」のストックを失った状態で倒され、魂ごと完全に消滅した。

第二部でも死亡済みだが、イッシキの遺した「楔」や十尾が新たな騒動を呼び起こしており、拭えぬ傷痕となっている。

一族の最終目的である「」の境地へ至ったとされる太古の大筒木。
幾度もの進化を重ね数々の神術を有し、後に肉体を捨て去って高次元へと渡った。
現在は抜け殻である遺体のみが残されており、そこから採取したシバイの細胞を人間に移植すれば運次第でいずれかの神術が発現する。

イッシキと同じく既にこの世から消えていながらも、遺体の齎した神術が世界に影響を及ぼしている。

人神樹

人神樹たちを導く実質的なリーダーにして、原型となる人間が存在しない十尾そのものの化身。
知的好奇心が特に旺盛な個体で、時には里の古書店へ買い出しに行く程に読書を好み、無数の本から情報を貪っている。
本能に対して忠実に従う事で人神樹という種族の進化を志しており、自らも本能が求めるナルトの捕食を狙っている。
戦闘面では圧倒的な体術と尾獣玉の高度な応用を可能にしており、人神樹の中でも群を抜いた力を有する。

  • (ヒダリ)
うちはサスケを原型とする人神樹。
アイデンティティが特に不安定な個体で、自らが何者なのかも分からず、本能が求めるサラダの捕食を狙っている。
戦闘面ではサスケ由来の火遁や千鳥を操り、人神樹の中でも特に爪痕の扱いに長けている。
ボルトにとっては木に囚われた師匠を救出するための因縁の相手でもある。



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最終更新:2025年04月21日 14:14

*1 2025年2月現在

*2 一方、第一部のアニメではアニオリのエピソードで中忍に昇任しており、設定に食い違いが発生している。おそらく第二部がアニメ化した際にアニメ独自の補完が行われるものと思われる。