地縛神 Aslla piscu

登録日:2024/11/04 Mon 21:04:36
更新日:2024/12/02 Mon 12:08:40
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今再び、五千年の時を越え、冥府の扉が開く!

我らが魂を新たなる世界の糧とするがいい!

降臨せよ! 《地縛神 Aslla piscu(アスラ ピスク)》!


《地縛神 Aslla piscu(アスラ ピスク)》とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つ。
第6期第4弾のパック「RAGING BATTLE」にて、《地縛神 Ccapac Apu》と共に「地縛神」の先陣を切って収録された。

カードテキスト

《地縛神 Aslla piscu》
効果モンスター
星10/闇属性/鳥獣族/攻2500/守2500
(1):「地縛神」モンスターはフィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):このカードは直接攻撃できる。
(3):相手モンスターはこのカードを攻撃対象に選択できない。
(4):フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合にこのカードは破壊される。
(5):表側表示のこのカードが、このカードの効果以外の方法でフィールドから離れた場合に発動する。
相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊し、破壊した数×800ダメージを相手に与える。

概要

ナスカの地上絵「ハチドリ」を由来にする地縛神。

(1)~(4)は地縛神共通の効果。
他の地縛神と比較すると、攻撃力が低めな点が直接攻撃効果持ちとしては少々ネックか。
逆に攻撃力が低めでも「攻撃対象にならない」ことで弱みを軽減できているとも言える。

(5)はこのカード固有の効果で、自身の(4)以外の理由でフィールドを離れた場合に発動する全体除去+バーン効果。
表側表示のモンスター全員を対象を取らず破壊しつつ、高倍率の効果ダメージが付随するため、「ボード」「ライフ」双方のアドバンテージを稼いでいる。
何より強制効果なのでタイミングを逃す心配が無く、各種素材やリリースコストにしてもしっかり発動できてしまう。
フィールドを離れれば相手ターンでも発動できるため、展開の最中に発動できれば盤面完成を阻止できる。


他の地縛神と比較しても、一度に稼ぐアドバンテージの量、発動条件の緩さ、
そして地縛神共通効果との齟齬の少なさ、どれをとっても高水準にまとまっている。
そのため「究極の破壊を齎す最強の地縛神」として評価されている。
…むしろ相手モンスターと戦闘を行う前提だったり、バトルフェイズを放棄させたり、ただでさえ重いのに追加コストも要したりと、他の地縛神が不自然すぎると言えなくもない。

相性の良いカード

(5)の効果トリガー

Lモンスターの効果というより、《地縛神 Aslla piscu》をL素材として手っ取り早く「フィールドから退かせる」点が重要。
前述の通りこの(5)効果は条件が緩くタイミングも逃さないので、適当なL素材にするだけで簡単に発動できる。
Sモンスターの素材にしても発動できるが、レベル10と高いため素材にできるのは《サイコ・エンド・パニッシャー》など極一部に限られる。

「一定期間だけフィールドから消える」効果が該当。
当然《地縛神 Aslla piscu》の(5)効果を発動できるほか、後で《地縛神 Aslla piscu》が場に戻るので戦線維持になる。
後はもう一度(5)効果を発動するも良し、直接攻撃でケリをつけるも良し。

  • 《ナイトメア・デーモンズ》
《ナイトメア・デーモンズ》
通常罠
(1):自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。
相手フィールドに「ナイトメア・デーモン・トークン」(悪魔族・闇・星6・攻/守2000)3体を攻撃表示で特殊召喚する。
「ナイトメア・デーモン・トークン」が破壊された時にそのコントローラーは1体につき800ダメージを受ける。

リリースコストで《地縛神 Aslla piscu》の発動条件を満たし、破壊用のマトまで用意する、効果構造全てが《地縛神 Aslla piscu》と強く合致した1枚
「ナイトメア・デーモン・トークン」自身も破壊されると800ダメージを相手に与える。
そのため単純に《地縛神 Aslla piscu》をコストに《ナイトメア・デーモンズ》を発動するだけで4800ダメージが発生。
《地縛神 Aslla piscu》の直接攻撃の後に発動すれば総ダメージ量は7300、他に破壊できるモンスターが1体以上いれば8000オーバーのダメージになる。

フィールドに用意するカード

デッキに眠る《地縛神 Aslla piscu》を、自分フィールドの闇属性or鳥獣族モンスターに装備させる。
《地縛神 Aslla piscu》の効果は「フィールドから離れる」条件なので、モンスターゾーンに限定されていない。
つまり装備魔法扱いの《地縛神 Aslla piscu》を適当な手段で退かしても効果を発動できる。
召喚を含めた諸々の手間軽減や、最悪手札からでも装備できることから安定性は高め。
理想的な1枚ではあったが、他にも様々な良からぬ真似を働いたために現在は禁止カードになっている。

自身のリンク先に鳥獣族モンスターが居る場合、デッキから《地縛神 Aslla piscu》を効果を無効にして特殊召喚する。
効果が無効になっているためフィールド魔法が無くても自壊せず、当然場から離れた時に発動する(5)は問題なく発動できる。
場から退かす方法も、《サモン・ソーサレス》等の他の自分モンスターと共に適当なL召喚をすればいいので楽。

一時期は禁止カードになったものの、エラッタを施されて禁止から解除された。
詳細なエラッタ内容説明は該当記事に譲るが、特殊召喚後の制約により「L素材として手っ取り早く場から退かす」ことはやりづらくなったものの一応は問題なく運用できる。

互いのターンのエンドフェイズに、空いている魔法・罠ゾーンの数以下のレベルの鳥獣族をデッキから特殊召喚するLモンスター。
《地縛神 Aslla piscu》はレベル10なので、お互いに魔法・罠ゾーンにカードが無い状態であればこの方法で調達できる。
狙い時の一つは相手が何も伏せようがない先攻1ターン目だが、こちらも魔法罠カードを残すことができない。
つまり《地縛神 Aslla piscu》のトリガー役や制圧面を補う手立てを、モンスター側で賄う必要がある。

  • 《ダブル・ワイルド》
自分の場にレベル5以下の鳥獣族がいるときに《地縛神 Aslla piscu》をサーチできる。
さらに手札を1枚捨てることで、サーチした《地縛神 Aslla piscu》をそのまま特殊召喚できる。
後半の特殊召喚は任意のため、【ふわんだりぃず】の様な特殊召喚ができないテーマでもサーチだけを使うことは可能。
意識しないと「自分の場にレベル5以下の鳥獣族がいる」状況を疎かにしがちなため、少々デッキは選ぶ方法になる。

  • 不完全蘇生カード
リビングデッドの呼び声》等の「このカードがフィールドを離れた時に蘇生させたカードも破壊する」蘇生効果が該当。
本来は蘇生モンスターの場持ちを悪くするデメリット効果だが、このカードに至っては寧ろトリガーとして好都合になる。

種族・属性サポート

鳥獣族モンスター1体をリリースして、フィールドのカード2枚を破壊する効果。
複数破壊効果が《地縛神 Aslla piscu》と重複気味だが、こちらはバックを破壊できる。

効果による通常召喚を連綿と繰り返す鳥獣族テーマ。
テーマ専用のフィールド魔法《ふわんだりぃずと謎の地図》があるので、維持条件も満たしている。
《ふわんだりぃず×いぐるん》の効果でサーチができ、他のカードで得た召喚権を使えばアドバンス召喚までいける。
能動的に(5)を発動する術として、別のアドバンス召喚のリリースにするか《ふわんだりぃずと旅じたく》コストで除外するか。

なお《地縛神 Aslla piscu》が破壊できるのは「表側表示の相手モンスター」なので、
《ふわんだりぃず×すのーる》《ふわんだりぃずと夢の町》で裏側守備表示にしたモンスターは破壊できない点に注意。

ビースト系の種族を取り扱うL召喚テーマ。
テーマ内には以下の様にビースト系モンスターを支援する魔法・罠カードが存在する。

鉄獣の凶襲(トライブリゲード・エアボーン)
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力以下で種族が異なる獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体をデッキから守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果はターン終了時まで無効化される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はLモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

鉄獣の抗戦(トライブリゲード・リボルト)
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地・除外状態の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ効果を無効にして特殊召喚し、
そのモンスターのみを素材として「トライブリゲード」Lモンスター1体のL召喚を行う。

自分フィールドに攻撃力2500以上のビースト系モンスターが居れば、《鉄獣の凶襲》で《地縛神 Aslla piscu》をデッキから特殊召喚。
仮に素引きした場合は《鉄獣戦線 ケラス》等の手札コストなどで墓地に捨てておき、《鉄獣の抗戦》で蘇生が効く。
いずれの場合も効果を無効にして特殊召喚するためフィールド魔法が不要で、
さらに《鉄獣の抗戦》は相手ターン中にL召喚したついでに全体除去をぶっぱなすマネも可能

欠点

  • 効果を発動させない除去
このカードの(5)効果は発動条件が緩く、相手の除去を躊躇わせる利点も有している。
しかし「デッキに戻す」「XモンスターのX素材として吸収」「裏側表示で除外」「裏側守備表示にしてから除去」した場合、この(5)効果を発動できない。

またいくら条件が緩いと言っても除去効果である以上、相手の場にモンスターが居なければ意味はない。
なのでコンボ前に適当な手段で退かし、(5)効果を空振りさせる抜け道もある。

更に挙げると、効果を無効にしていない場合はフィールド魔法が無い時に(4)効果で自壊し(5)効果を発動できない。
これすなわち、相手はこちらのコンボの前にフィールド魔法を破壊することで《地縛神 Aslla piscu》もついでに始末する「1:2交換」を達成できてしまう。

  • 事故要因
身も蓋もない欠点を挙げると、このカード自体が事故要因になる可能性が高い。

まずこのカードは最上級モンスターでありながら、自己特殊召喚効果を持っていない。
効果を使うには一旦フィールドに出す必要があるため、各種カード効果で召喚までのお膳立てをしなくてはならない。

一度墓地に落として蘇生させるよりデッキから直接場に出す方が手っ取り早い(尚且つ、ビーステッド等を踏む心配がない)ため、その手管でコンボを練られることが多い。
事実上記の相性が良いカードにも、デッキから取り出すカードが何枚か記載されている。
しかしこれはうっかり《地縛神 Aslla piscu》を素引きしてしまった場合の処理に困る側面も持つ
(この辺り《ユニオン・キャリアー》の禁止が悔やまれる)。

相性の良いデッキは確かにあるのは紛れもなく事実。
しかし実際のところ、強いは強いが無くても何とかなるという部分も否定できず、事故回避を理由に採用されないケースもざら。
特に元々手札事故と隣り合わせにいる【ふわんだりぃず】は顕著で、ここでさらに最上級モンスターを採用するには勇気がいる。

そもそもこのカードが登場したのは2009年。この記事が経った時点で考えても、15年もの月日が経過している。
全体除去という効果の強力さゆえに全く使えない訳ではないとはいえ、遊戯王と言うゲームのインフレの早さを考えれば、力不足は当然の事なのだ。

【鉄獣戦線】においても、いわゆる「ガチ」構築では《鉄獣の凶襲》は採用されないカードになる。
そのため《地縛神 Aslla piscu》の取り回しはよろしくなく採用を見送る状態にはなっている。
リターンそのものは大きく、注目されていないからこそ派手な活躍が期待できるため、多少の事故は覚悟の元で使ってみるのも一興と言えよう。


アニメでの活躍

アニメ遊戯王5D'sにて、ダークシグナーに堕ちて転生したカーリー渚が所持する地縛神。

初使用は「カーリー渚 vs ディヴァイン(2戦目)」。
2体のフォーチュンレディをリリースしてアドバンス召喚し、直後にカーリー自身のフィールド魔法《フューチャー・ヴィジョン》でわざと除外。
これにより(5)効果を発動させ、ディヴァインの《ストーム・サモナー》《マジカル・アンドロイド》を纏めて破壊しエンドカードとなった。

他の地縛神と同様の巨躯で、このカードの場合は高層ビル程の背丈を有していた。
ディヴァインも思わず「バカな!こんな巨大なモンスターがいるのか!?」と驚愕を隠せず、効果を発動した際は嘴の一突きでモンスターと共にビルまで派手に破壊していた。


その後のジャックとのライディングデュエルでも使用。
直接攻撃でジャックに止めを刺すも《バトルフェーダー》に阻まれてしまう。
さらにその後《セイヴァー・デモン・ドラゴン》によって効果も無効になり攻撃力まで奪われてしまう。

ジャックは《破壊輪》の類似カード《ショック・ウェーブ》で相打ち、共に消滅する予定であったが、それより先にカーリーが《自縛開放》を発動。
《地縛神 Aslla piscu》はリリースされ《セイヴァー・デモン・ドラゴン》を破壊しその攻撃力分のダメージを与える…はずが、
《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の効果により破壊はされず、逆に《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の強制効果ダメージを受けることでカーリーは敗北してしまった。
このデュエルでは途中からカーリーの肉体が地縛神に乗っ取られていたが、描写を見るに「皆に愛されるキングでいてほしい」カーリーの思いが一瞬だけ地縛神を上回り《自縛開放》の発動に至った模様。


追記・修正はAslla piscuのダイレクトアタックと効果を併せて相手のライフポイントに7300ダメージを与えたらお願いします。


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最終更新:2024年12月02日 12:08