フュージョン(ドラゴンボール)

登録日:2024/11/10 Sun 00:50:00
更新日:2025/04/04 Fri 22:21:32
所要時間:約 8 分で読めます




フュー……

ジョン!

はっ!!!



【概要】

フュージョンとは融合を意味する英単語だが、ここでは鳥山明の漫画『ドラゴンボール』の技の方を説明する。
その効果は「二人の戦士を融合・合体させ、より強力な戦士を生み出す」というもの。
劇中ではセルとの戦いで死亡した孫悟空があの世でメタモル星人から教わった。
初登場は魔人ブウ編で、悟空が魔人ブウに対抗するために孫悟天トランクスに伝授した。

【フュージョンについて】

融合するには2人の気や体格がほぼ同じでなくてはならず*1、後述のフュージョンポーズを成功させることによってはじめて成功に到るため二人の呼吸を合わせることも重要である。
ポージングの角度や位置が1cm程度ズレただけで失敗と判定されてしまうので、成功させる為のハードルは相当に高い。
制限時間は30分で成功すれば強大な戦闘力を持つ超戦士が誕生する*2
しかし、失敗すると肥満体やガリガリの戦士が誕生して戦闘力が著しく落ち、30分経つまで解除されないなど欠点も多い。

制限時間の30分も、合体後に気の消耗が大きい変身を行うと短縮されるという問題点があり、ゴテンクスは超サイヤ人3の変身を行うと5分ほどしか戦闘できず*3、『GT』では同様に超サイヤ人4ゴジータのフュージョンが短時間(10分)で解除されてしまった(こちらは解除後も超サイヤ人4を維持)。

【ポタラとの比較】

同じく合体可能なポタラと比較すると合体の安定度と、気が全く同じ者同士でなければ成立しないので実力差がある者同士でフュージョンすると完成度が落ちるという点において、ポタラに大きく劣る。
ここはさすがに宇宙人の技と神のアイテムの差があると言えるだろう。

だが、フュージョンはポタラと違い30分経てば自然に分離されるため、分離が容易であることが一番のセールスポイントだと言える。
ポタラは分離は不可能ではないが分離条件が厳しく基本的にはそのまま。*4*5
また魔人ブウの吸収強化においては、原作では体内でもフュージョンは解除されないため制限時間つきではあるが有効となっている。

また、「条件こそシビアだが、ポーズさえ覚えればあと後述の恥ずかしさと特別な道具はいらない」フュージョンと「特別な道具こそ必要だが、それ以外はいらない」ポタラとそれぞれ一長一短なところもある。

ちなみにフュージョン後の戦士の服装はメタモル星人の服装である。

【フュージョンポーズ】

  • まず二人がある程度の距離を置いて立ち、腕を横に水平に伸ばす。腕の角度に注意。
  • 腕を反対にしながら二人が近づく、この時動かす足は3歩分。
  • 手はグーに変えて足を上げる。この時の足の角度にも注意。
  • 体を傾けてパートナーと人差し指を合わせる。外側の足をピーンと伸ばす必要もある。

以上の過程を項目冒頭のように「フュー……ジョン!はっ!!」の掛け声を発しつつパートナー同士左右対称で正確に行うことで発動する。

ポーズが成立していても必ず発動するわけではなく、原作で手本として悟空とピッコロが試した場合や、
アニオリだが悟空が帰った後に悟天とトランクスにお手本としてクリリンとピッコロがやって見せていた場合は合体していない。
体格や気の大きさが違いすぎると合体効果は発動すらしないようだ。

作中登場人物のフュージョンポーズに対する反応

『俺はあの世で見ていたんだ!冗談じゃねえ!あんなみっともないポーズができるか!』(原作より)
『何という恥ずかしいポーズだ…。死んだ方がマシだ…』(ドラゴンボール超 ブロリーより)

『(悟空に対し)お前…この技をベジータと二人でやってみたかったと言っていたが多分、ベジータが生きていても一緒にやってくれなかったと思う』(原作より)

『俺だって恥ずかしいわい…!』(アニオリでピッコロに練習相手に指名された際の反応)

『どうしようかっこ悪りぃぞ…』(原作にて)

『うん…』(原作にて、上記のトランクスの反応を受けて)
『恥ずかしいよ…』(アニオリにて)

『一度、あのカッコイイポーズやってみたかったんですけど』(ゲーム『ドラゴンボールファイターズ』より)


と、このポーズ自体は悟空とギニュー特戦隊の影響により感性がずれている悟飯以外からは『カッコ悪い』『恥ずかしい』と軒並み大不評である。
なので、『GT』では地球の危機に自らフュージョンを提案してきたベジータに対して悟空は笑いながら「最高だぜ……ベジータ!」と返している。

【主なフュージョン形態】

作中に登場したもの

原作に登場した唯一のフュージョン形態、孫悟天とトランクスがフュージョンすることにより誕生する。
詳細は項目参照。

アニオリの悟空とベジータがフュージョンした形態。
ポタラでの合体はベジットだが、フュージョンでの合体はゴジータ。初登場は劇場版映画『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』であり、GTにも登場。
その後長らく登場しなかったが、『ドラゴンボール超 ブロリー』で現実時間で20年以上の時を経て再登場した。
詳細は項目参照。

ゲームオリジナル

  • ヤム飯
ゲームオリジナルのヤムチャ天津飯がフュージョンした形態。
ゲーム『ドラゴンボールZ2』で初登場。
融合した二人が二人だからか、中途半端に髪が残ったハゲ頭というインパクト抜群な外見が特徴。

  • ゴハンクス
ドラゴンボールヒーローズ』オリジナルキャラとして登場した未来悟飯と未来トランクスがフュージョンした形態。なので厳密にはゴハンクス:未来名義。
「未来悟飯って隻腕だからフュージョンできなくない?」と思われるかもしれないが、当時のゲーム作品では未来悟飯の隻腕は再現されないのが普通だったのでゲームなら問題なく可能。
後に別時空の悟飯とトランクスがフュージョンしたゴハンクス:ゼノも登場した。
名前が余談の項にある矢吹先生のオリジナルフュージョン戦士と被っているが、デザインは全く別物なので恐らくたまたまだと思われる。

  • ピリリン
ピッコロとクリリンのフュージョン。後述の企画『フュージョン大会!!』の際に鳥山明によって描き下ろされたキャラクター。
後に『ドラゴンボールフュージョンズ』に登場した。

  • ナッツ
ナッパラディッツのフュージョン。『ドラゴンボールフュージョンズ』に登場。
後に漫画版ドラゴンボール超で登場したクリリンの上官の女性警官と同名だが、当然無関係。

  • グルース
  • リクータ
前者はグルドとジース、後者はリクームとバータのフュージョン。『ドラゴンボールフュージョンズ』に登場。
主人公達とギニュー特戦隊が交流を深め、互いに技を教え合った際に教わったフュージョンにより合体した。


【派生形態】

  • EXフュージョン
ゲーム『ドラゴンボールフュージョンズ』に登場。
ブルマが開発した「メタモリング」を使用して行うフュージョン。
戦闘力や体格の差を無視して合体できるが、効力は通常のフュージョンに劣る。制限時間はなく、分離する事も可能。
合体後の衣装はメタモル星人の衣装ではなく、両者の特徴を混ぜ合わせたようなものになる。

  • マキシフュージョン
ゲーム『ドラゴンボールフュージョンズ』に登場。
5人で行うフュージョン。同作のデフォルメ調で描かれたキャラではなくリアル頭身の戦士になるのが特徴。


【フュージョンの失敗例】

ゴテンクス


ゴジータ

  • ベジータが指を合わせるところで手をグーにした→肥満体(ベクウ)(ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ)
  • ベジータの上の指の位置がずれた→肥満体(ドラゴンボール超 ブロリー
  • 2人の最後のポーズの角度が異なっていた→ガリガリ(ドラゴンボール超 ブロリー)


【余談】

  • フュージョンの構想は鳥山明が超サイヤ人より強い形態を編み出そうと苦心していた時に、『I"s』や『電影少女』の作者桂正和の対談で『合体するしかないんじゃないですか』との一言をヒントに生み出された。

  • 鳥山曰く『“ジョン”の所は、確かテレビを観ていて芸人さんの決めポーズからヒントを得たんだと思う』との事で、『重要な技だからこそくだらないポーズ』というギャップが欲しかったためか、あのポーズが考案された模様。また、異性でのフュージョンは可能かどうかは『面白そうです。連載時に描いておけば良かったな(笑)』と語っている。

  • 原作では悟天とトランクスがフュージョンを披露する際に同じコマが連続で続いたことで、クリリンが『どうでもいいけど、さっきから作者は随分楽をしてないか…?こりゃどう考えてもほとんどコピーだぜ…』とメタ発言をしている。
    さらに同じコマにて鳥山明氏の自画像のキャラが描かれ、「編集長、このページの原稿料タダでよいので、ほんとに」と更にメタい発言をしている。

  • 週刊少年ジャンプ内『アニメJwing』で「DBZ夢のフュージョン大発表」なる企画が催されたことがある。賞を獲得した作品は以下の通り。
最優秀賞 セル仙人(セル亀仙人 尻尾は女しか吸収しないらしい
何だかミョーに味があるで賞 ポチ(ミスターポポ+チチ 「これじゃ あいされねぇべ」
超なつかしいで賞 ゴクゴリー(悟空+グレゴリー) 両手の甲にそれぞれ「5」「9」の数字が描かれている
イロっぽいで賞 ブルチ(ブルマ+チチ) お玉が武器
ナイスアイデア賞 悟仙人(悟空+亀仙人) イラストはカードダス状になっている
ブウも絶句で賞 ピコロット(ピッコロ+カカロット) 「超サイヤ人3に似てしまいそうな融合を上手にまとめている」との評価
なんだこりゃ?賞 テンブルハン(天津飯+ブルマ) 受賞では唯一の、異性でのフュージョン
カッコイイで賞 ゴハンクス(悟飯+青年トランクス) 受賞者は若き日の矢吹健太朗。両者の服装がうまく融合したコスチュームのデザインも評価されているが、それはポタラ合体の方ではないだろうか


  • 本来の使用者のメタモル星人は、原作・アニメともに姿が描かれておらず、台詞で言及されるのみとなっている。ヤードラット星人と違ってアニオリや『超』漫画版などでも、一切その姿を見せていない。ちなみにゲーム『舞空闘劇』ではギニューのIFストーリーで、特戦隊がヤードラットの次の標的にメタモル星を侵略すると言及されており、少なくとも星そのものは存在しているようである。


追記・修正はフュージョンに成功してから30分以内にお願いします。

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最終更新:2025年04月04日 22:21

*1 実力に差がある2人でも気を合わせる事で合体が成立している事から察するに気は合体時に全く同じでなければならない、というのが正しい模様。また、身長175cmの悟空と164cmのベジータでフュージョンが成立しているため多少体格差があっても合体可能な模様。

*2 悟空があの世で出会ったメタモル星人も単体では大したことないが合体すると相当なものになったとのこと。

*3 初めて変身した際には「5分ほどでフュージョンも解けてしまう」とトランクスが話しているが、実際の魔人ブウとの戦闘ではフュージョンの解除には至らず変身のみが解除されていた。一方、魔人ブウがゴテンクスとピッコロを吸収した際にはさしたるパワーダウンを挟まずにピッコロの要素が強く出る形態に移行したため、おそらく変身とフュージョンの両方が同時に解除されたと見られ、こちらはセリフ的にも30分の維持ができていたと思われる。

*4 原作では一生そのままだと老界王神キビト界王神に話す描写があるが、魔人ブウの体内に入り解除された悟空やベジータの例や、アニオリではあるがドラゴンボールに願うことによりキビト界王神も分離に成功しているため絶対に不可能という訳ではない。

*5 ドラゴンボール超では、合体する双方が界王神でない場合、1時間しか持たず、強大な力を使えば合体時間も縮まることになった。