俺は星間国家の悪徳領主!

登録日:2025/05/17 Sat 00:21:56
更新日:2025/07/08 Tue 19:31:38
所要時間:約 10 分で読めます






“悪徳領主”になって

好き勝手に生きてやる



星間国家の悪徳領主!』は、三嶋与夢による日本のライトノベルである。
イラストは高峰ナダレ。
小説家になろう」にて2018年8月から連載を開始された*1
書籍版は2020年よりオーバーラップ文庫より刊行されている。(既刊10巻)

略称は「星間国家」。


【概要】

小説家になろう」で連載をスタートした異世界転生作品である。
本作のコンセプトは、転生した主人公が前世で起こった不孝と裏切りを糧に、転生後は「悪徳領主」として私利私欲を尽くそうとするものの、実はその行いが周囲から賞賛を受ける形になってしまうという一種のギャグ的な要素が見所である。
ある意味シリアスギャグを追求したなろう作品に近いところがある。
書籍版は1巻がそのまま1章になっているため区切りが分かりやすい。

また、主人公が転生時に選択した世界はロボットや宇宙戦艦・ワープゲート・宇宙戦艦が登場するSFの世界である。
ロボットアニメらしい熱いバトルなども見所であるし、なろう作品らしいチートな展開も用意されている。
元々「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」の宣伝目的で執筆された作品であり、超展開も多々見られるがそこはご愛敬である。

メディアミックスとしては、灘島かい作画による原作準拠のコミカライズ版が「コミックガルド」より連載されている。
また、テレビアニメ版が2025年4月より放送されている。

他、スピンオフとして『あたしは星間国家の英雄騎士!』も存在。
こちらはバンフィールド領出身の新米騎士である少女エマ・ロッドマンを主役としたもの。

【あらすじ】


「“悪徳領主”になって、好き勝手に生きてやる!」

星間国家アルグランド帝国の辺境を治める伯爵家に生まれ、
幼くして当主となった転生者リアム。

善良さ故に奪われ続けた前世を反省した彼は、
今度は奪う側である「悪徳領主」となり民を虐げようと決意!

せっかくのSF世界なのだからロボットにだって乗りたい!
最強の剣術だって習得して、傍若無人に振る舞いたい!
ゆくゆくはハーレムを作って、酒池肉林も楽しみたい!!
──しかし。

リアムなりに「悪徳領主」らしく振る舞っているはずが、
なぜか民からは感謝されて好感度は上がりっぱなし……!?

魔法ありロボットありの星間国家を舞台に、
超銀河スケールでお贈りする勘違い領地経営譚が堂々開幕!!
(テレビアニメHPより引用)

【キャラクター】

主要人物

  • リアム・セラ・バンフィールド
CV:花江夏樹・前田佳織里(幼少期)・宮田俊哉(前世)
「好き勝手に生きてやる!」
本作の主人公。
辺境惑星を治めるバンフィールド伯爵家の当主である。
前世は一人娘がいるごく普通な家庭であったが、妻が他の男と不倫関係にあり、愛娘はその不倫相手との子どもであったことが発覚する。
離婚後は身に覚えの無い理由で仕事をクビになり、した覚えの無い借金まで背負わされる。借金返済や養育費を捻出すべくバイトの掛け持ちなどをして無理が祟った結果、アパートの一室で孤独死した。
その際、「案内人」と名乗る謎の存在により自身が転生できることを告げられ、彼が夢見たロボットが飛び交うSFの世界を希望した結果、現在のバンフィールド家の当主として落ち着いた*2

転生後は5歳の誕生日にプレゼントと称して領地や爵位を両親から相続する。だが、その真意は多額の負債を抱えた財政難の領地の運営を放棄し、早々に息子にそれらを継がせた挙句、自らは悠々自適の隠居暮らしを送ろうとしていた(場合によっては生活費を息子にタカるつもりですらある)。つまりはトカゲの尻尾切りの切られた尻尾。

善良な市民として生活してきたにもかかわらず、裏切られた前世の反省を踏まえ、酒池肉林を楽しむことを目標に、悪徳領主として人民から金や財産を搾取して悪名を轟かせようと画策する。
しかし、財政難の領地の市民からは搾取するような余地など無く、まずは領地の健全化から手をつけることに。役人たちが不正を働いて得た金を巻き上げたり、それらが反発した際には容赦なく殺して弾圧する姿勢から*3一般市民からは称賛されている*4
一方、前世・現世ともに身内からひどい裏切りを食らっているというのに、相手が騙しに来ているという可能性が思考からさっぱり消えていることがあるなど、根が善人なタイプと言える。
なお、この世界においてはオリハルコンなど貴重な鉱石はいくらでもあるが、見た目の煌びやかさなどからを好んでおり、周りの人間からは不思議に思われている。

実は高い魔力を有しており*5、師匠である安士のいい加減な手ほどきが奇跡的に噛み合ったことで、魔力も用いた高レベルの我流剣術「一閃流」を会得している*6
酒池肉林を目指しているということでハーレムも理想として考えているが、実のところ前世の妻のせいで人間不信に陥っていることもあり、生身の女性への興味はあるが敷居が極端に高くなってしまっている。
ただ、自身の煩悩が時に行動やロボットの動きに再現されることもあるし、完成したばかりの天城にセクハラをする(胸を揉む)等の行為が見られ、周囲をドン引きさせてしまったことも。

  • 案内人
CV:子安武人
リアムを転生させた謎の存在。目元は常に隠れており、燕尾服にシルクハットといういかにも胡散臭い容姿である。
自身が望まぬ限り生物は認知することができない。
彼を救済するという名目で転生させたのだが、実際は人間の負の感情を栄養源とし、そのために人々を不幸に陥れる存在である。要するに邪神の類
運命に干渉する力を持っており、不正を完遂させリアムの前世を破滅に導いたのもコイツであり、心に闇を抱えたまま借金まみれの領地の貴族に転生させて更なる破滅の道を歩ませようと画策していた。
しかし、トントン拍子に活躍していくリアムは自分を転生させた案内人に感謝の意を抱き、負の感情(大好物)どころか正の感情(大量の劇毒)を叩きつけられてダメージを負わされるという裏腹な展開になってしまう。
なんとかしてリアムを陥れようとするものの、やることなすことリアムに利する行為になってしまっているため本作のメインヒロインと言われることも。

アニメ版では子安氏の怪演によりやたらハイテンション・オーバーリアクションとなっており、人の些細な不幸を嗜好品代わりに楽しむという設定も追加された。どう見てもバニル
アニメ版の次回予告のサブタイトル読みも担当。

  • 天城
CV:上田麗奈
「はじめてお目にかかります。旦那様の天城にございます」
リアムに仕えるAIメイドロボ
リアムが5歳の誕生日の際、領地と共に両親より与えられた。
容姿・機能はオーダーメイドで、リアムの嗜好を反映する形で目の色から性器の形に至るまで徹底的にカスタマイズされ、ポニーテールが特徴的な大和撫子風の容姿に整えられた。
一見して人間との区別はつかず、識別のため両肩にタグが印字されており、服装もそこだけ露出させる構造になっている。
名前の命名もリアムによるものだが、特に理由はないという。
帝国の歴史的な経緯からAIロボットは貴族を中心に忌み嫌われているが、転生者であるリアムは気にしていない。むしろ人間不信気味の彼にとって命令に忠実な彼女たちは最も信頼できる忠臣とさえ思っている節がある。
非常にハイスペックで領内の統治だけでなく、リアムが自身の機体で打って出る場合は、艦隊指揮を執ることもある。
両親があの体たらくのため、事実上天城がリアムの母といって過言ではなく、尊大なリアムも、天城に徹底的に詰められるとおとなしく言うことを聞く。

基本はAIであることから無表情であることが多いが、アニメのエンディング*7では普段見せない笑顔を披露しており、絵になるものとなっている。

  • 犬の霊
前世のリアムが飼っていた犬の幽霊。
リアムを陥れようとする案内人の魔の手から守るべく主に誘導する形で要所要所で活動している。
自身の寿命の何十倍もの年月を霊体として活動しているある意味超常的存在。

バンフィールド伯爵家関係者

  • ブライアン・ボーモンド
CV:上田燿司
リアムの曽祖父から仕える執事。
いわば古参の臣下である。財政難にあえぐバンフィールド領の現状とリアムの素行を嘆いている。
昔は冒険者やら役者やらいろいろやっていたらしく、見聞は広い。
盆栽が趣味で、彼の手作りヨーグルトをリアムは召し上がっている。
Web版の各話あとがきは(´・ω・`)に添えたブライアンの一言がお約束。つらいアン。モブせかの若木ちゃんとのコントも見どころ。

  • クリスティナ・レタ・ローズブレイア
CV:小松未可子
「やります。何だってして見せます!もう本当に夢のよう!」
水の惑星ミスティリアを本拠地とするリーベ聖王国の元第一王女。
愛称は「ティア」。
「姫騎士」の名前の通り、自ら機動騎士を駆り武勇を挙げる女性騎士であった。
しかし、帝国と内通しているゴアズ海賊団の策略にはまってしまい、自身は人体実験の非検体にされ、肉塊に等しい醜い身体に改造されてしまった。*8

その後、リアムが海賊団に乗り込んできた際、救出された。
肉塊に変えられたことに対して当初は死を望んだが、エリクサーを使った医療技術で肉体を再生することができ、現在は恩人であるリアムに崇拝とも言えるレベルで忠誠を誓っている。
また、上記の経緯もあってか海賊を心底嫌悪しており、海賊を攻撃する際は恍惚とした笑みを浮かべており、アニメ版に至っては顔芸と共に狂気の高笑いも挙げるほど。*9
コメディじゃなかったら死亡フラグだぞ

アニメ版では2話以降、並行して彼女がゴアズ海賊団に捕まるまでの経緯が描かれた。*10

なお、原作とアニメ版では救出のタイミングが異なっており、原作ではゴアズ戦の後、アニメ版ではゴアズ戦の前に救出され、
後者ではゴアズ船団が帝国正規軍と鉢合わせし逃走した後バンフィールド家に進撃すべく補給している間にリハビリを終え、ゴアズ戦に駆けつけリアムをサポートした。このため結果として活躍が前倒しされる形となった。

わい先生恒例のヒドイン筆頭…であるが、ヒドインとして本領発揮するのは4章以降であり、海賊への憎悪自体は(作中人物・読者共に)別にヒドイン扱いされる要因となっていない。

  • マリー・セラ・マリアン
かつて「帝国三騎士」と謳われた二千年前に活動していた女性騎士。
しかし、時の皇帝により一部の暗部と共に石化させられ、意識を正常に保たれたまま海賊達の手に渡っていた。
2章にて海賊のコレクションになっていたところを暗部と共にリアムに救助され、以来リアムに忠誠を誓っている。

こちらもティア並に忠誠心が天元突破しているが、だからこそティアとは同族嫌悪的な意味合いで極めて仲が悪く、互いに「化石」「ミンチ」と罵りあっており、派閥レベルで犬猿の仲。
ティアと並ぶヒドイン筆頭であり、リアムもその暴走ぶりに頭を抱えているが超有能な働き者でもあるので上司として大変扱いに困る存在である。

クラウディア家と縁があり、ロゼッタに対して親身に接している。

  • ククリ
暗殺者然とした大男で、マリーと共に石化させられた暗部の頭領でマリーと共に救出される。
リアム的には「なんかいい暗部が手に入った」的な認識ではあるが、暗部としての実力はピカ一であり、露払いや情報収集・操作を主に活動している。
マリーと同様に忠誠心は天元突破しているが、マリーと対照的に暴走することなく忠実に任務をこなしてくれるため、リアムからストレートに評価されており、お気に入りの刀を預ける程に信頼している。

  • クラウス・セラ・モント
300歳越えの妻子持ちのおっさん騎士。
前の士官先から困窮を理由に暇を出され(web版では滅んだ)、騎士不足に悩むバンフィールドに流れた。
そのため「リアム様のために!」みたいな強烈なモチベーションも「海賊皆殺しだヒャッハー!」みたいな戦闘欲もない、普通だがバンフィールド家においては浮いた存在。実際一兵卒としては一般の騎士レベル。
前職では手柄を上司・同僚・後輩問わず奪われ、代わりに失態を押し付けられていたこともあり、自身を「平凡な一騎士」と考えているが、その実司令官としてこの上ない実力を持ち、敵味方問わず実力を非常に高く評価されている。
当初は縁の下の力持ちな仕事をしていたが、前職と違い純粋に評価され、天城の推薦によりリアムの側近に大抜擢。
派閥関係なくバンフィールド家の利益を考え、軍の練度を把握し、損害をできるだけ出さず、上司の無茶ぶりも的確にフォローし、しかもそれらは即断即決。
これで平凡はどう考えても無理です本当にありがとうございました。
外伝では彼の内心が一切描かれないため理想の上司ぶりが更に際立っている。

緑色に塗られたタヌキっぽい機動騎士「ラクーン」を操る。

  • チェンシー・セラ・トウレイ
中華美人然とした騎士。
司令官として優れるクラウスと対照的に武人として優れるが、気に入らなければ味方も平然と手をかける程の分かりやすい戦闘狂。
戦場で一騎当千の活躍をするリアムの首も平然と狙っている。
web版で同時に登場したクラウスとチェンシーだが、なんだかんだで相性はいいようで上司として大いに気に入っている。

赤色に塗られたキツネっぽい機動騎士「テウメッサ」を操る。


帝国領主とその関係者

  • クルト・セラ・エスクナー
2章にて修行先で出会ったエスクナー男爵の跡取り。
帝国のメジャー剣術であるアーレン流の免許皆伝持ちであり、軽く気絶させようかと振るったリアムの一撃を受け止めた。
リアムの盟友にしてヒドイン

  • ランドルフ・セラ・レーゼル
2章でリアムが修行することになった子爵当主。
貢物で待遇を大きく変え、リアムは接待されるはずだったが案内人の横槍で冷遇組に配属することになった。

  • デリック・セラ・バークリー
幼年学校で実家を笠に幅を利かす問題児。

  • カシミロ・セラ・バークリー
男爵ながらバークリーファミリーを形成し、帝国にエリクサーを献上することで権力を持っている海賊貴族。

帝国関係者

  • ニアス・カーリン
CV:竹達彩奈
「生産性も整備性もうちが優秀だったんです!それなのに従来よりも小さくなっているとか、デザインが気に入らないとか」
帝国の第七兵器工場に勤める中尉。
メガネが良く似合う知的な雰囲気。スタイルも良い。
機動騎士「アヴィド」の改修のためにバンフィールド家にやってきて整備作業を担当した。
さらに、技術者なのに何故か販売員もやらされ自身が開発した戦艦がコンペで敗れてしまったが納得いかず*11、リアムに下手なハニートラップまがいな行動も込みでプレゼンした結果、その残念っぷりに呆れられつつも商談契約を結ぶことにつなげられた。
「伯爵様~ニアスは戦艦を買って欲しいのお~」

  • ユリーシア・モリシル
CV:引坂理絵
第三兵器工場に勤める中尉で主に兵器の販売を担当している。販売員らしく容姿端麗。
原作では2章からの登場だが、アニメ版ではニアスが参加した兵器のトライアルで初登場。

玉の輿願望があり、そのためなら如何なる努力も惜しまない…が、努力の方向音痴な側面も強い残念女性である。

  • 宰相
CV:松山鷹志
帝国の中枢を担う老人。
帝国の腐敗に頭を悩ませる中、有能で帝国に従順なリアムに期待を寄せており、当主交代を訴えたクリフらを袖にした。

  • セリーナ
ブライアンの古い知人で、かつて帝国で侍女長を務めていた老婆。
貴族間の付き合いに必要な格式高い帝国の作法をバンフィールドに根付かせるためにブライアンが招いた。

  • ロゼッタ・セレ・クラウディア
金髪ツインドリルの公爵令嬢。しかし、その実態は二千年前の皇帝により見せしめで冷遇されている貧乏貴族。
デリックの横暴からリアムに助けられるも、何もかも持ったリアムに対し嫉妬にも似た感情で当たるが、
その対応がリアムの心を掴みくっ殺の要領で心を折るべく執拗に求婚されることになる。

その他登場人物

  • 安士(やすし)
CV:三木眞一郎
自称・一閃流の剣術を体得しているサムライ。
目も見えぬ抜刀で瞬時に物体を切り裂いてしまう脅威の剣術の持ち主として、リアムの剣の師匠になった。
その正体はインチキ剣術で金を騙し取る香具師(やし)であり、上記の技もただの手品。
本来は凄腕の剣士に師事するはずが案内人の横槍により剣術の素人にとって代わられてしまったのだ。
リアムには修行という名目で多額のレッスン料を請求し、無茶苦茶な課題をやらせて金蔓にしようとしていた。しかし、リアムが思った以上に力を付けてしまったために、今後の身の振りを悩む結果になった。
ニアスのような知的な女性がタイプであり、アプローチを仕掛けるも袖にされている。後にニアス似の女を落とすことに成功するが…

  • ゴアズ
CV:稲田徹
ゴアズ海賊団の首領。
帝国の一部機関との癒着を利用して、悪事を重ねてきた。
捕らえた美男美女たちに人体改造を施し、醜い姿に変えることを楽しむ極悪非道な嗜好を有している。
原作では案内人の差し金でバンフィールド家を襲撃したポっと出のキャラだったが、
アニメ版ではティアの母星襲撃などの様子が描かれている他、配下の海賊がリアムに襲われるなど対決前から因縁ができており、出番が増えている。

稲田氏は「(上述の所業も相まって)とにかく煽って煽って視聴者から嫌われる役回りの演技を追求した」とインタビューで語っている。


  • 前世のリアムの妻
CV:大原さやか
前世でリアムと結婚していた女性。
実は不倫相手との間に設けていた子どもを前世のリアムとの一人娘としてこれまで育ててきた。
後に前世のリアムとは離婚し、彼を過労死に追い込んだ諸悪の元凶の一人。
リアムに借金を背負わせて(アニメではリアムの仕事場の上司と不倫・結託し会社の横領事件をリアムに着せて)離婚後に不倫相手との優雅な生活を夢見るも、案内人から用済みとされたことで破滅*12。自身は娘を抱えてたちまち極貧生活を余儀なくされ*13、小金欲しさに娘を売春させようとするほどに落ちぶれる*14
なろう原作にありがちな「ざまあ枠」のような立ち位置だが、リアム自身は彼女が破滅したことを知らないためずっと恨み続けている。
そもそも舞台装置1号に過ぎないものを過剰に盛ったアニメ制作陣の判断とは…?

  • 前世リアムの上司
CV:森田順平
アニメオリジナルキャラクター。前世のリアムが勤めていた会社の上司。前世の彼の妻と不倫関係を築いていたなど、原作における元妻の不倫相手のポジションも兼ねる。
リアムにパワハラ染みた言動で精神的に追い込んだあげく、後に横領事件の罪を彼に着せた極悪非道っぷりを見せる。
案内人から用済みとされた後は、原作ではリアムの妻を振った後は特に描写はなく遠回しに案内人の餌食になったことが示唆されるのみだったが、アニメ版ではリアムの妻と結婚しようとした時に横領が警察に露呈し、逮捕された。

  • 新田君
前世のリアムの友人。根っからのオタクであり、オタクでないリアムのオタク知識は彼によるもの。

【用語】

  • 星間国家アルグランド帝国
本作の舞台となる帝国。
皇帝を頂点とした貴族制国家である。
支配する上において誰かに任せた方が安上がりということで貴族制社会を展開させている。
長く続いてきたこともあってか腐敗が非常に深刻。

  • バンフィールド家
リアムが統括する領地。本星は惑星ハイドラ。
先々々代の領主アリスターの時は優秀な統治であったが、そこから続く先々代・先代がその威光に胡坐をかいた劣悪な統治だったために借金漬けの財政難で、資金繰りが苦しい状況。
このため、リアムの両親であるクリフとダーシーは彼が5歳という幼い年齢にもかかわらず家督を継承させ、自身は隠居生活を図るという暴挙に出た*15

  • 人間の寿命
本作の人間の寿命は非常に長く、50歳で成人、100歳で立派な大人と見なされる。
50歳でも容姿は13歳前後くらいの容姿で、アンチエイジング技術もめざましく老化も緩やかで600歳以上も普通にいる。
長命の亜人の代表格であるエルフ以上に長命な種族。

  • 人工知能
過去人類は人工知能に支配された歴史を有していることから、貴族を中心にAIを始めとする人工知能を忌み嫌う風習があった。
しかしリアムの場合、転生者である為か天城にはその感情を有しておらず、むしろ頼りにしており、天城以外の人工知能も積極的に導入している。

  • カプセル
カプセルの中に入ることによって、知識の刷り込みや身体強化を行う装置。
使用後にリハビリを行う必要があるものの、義務教育で得られる知識を半年で習熟できるほどの詰め込みが可能。
これにより、本世界では産まれ以上にどの程度の教育を受けることができたかが重要視される。

  • 一閃流
リアムが安士から学んだ剣術の流派。
剣技と魔法を組み合わせて剣技を展開するもので、奥義に至っては文字通り剣の「一閃」で瞬時に対象を斬ってしまうという驚異的な剣術である。
…とまあ、これは建前で本当は安士によるただの手品。前述のとおり安士はそれっぽい見た目にした大道芸人に過ぎず、凄そうな奥義もトリックの産物。

  • 騎士
教育カプセルなどでみっちり訓練を受けた兵士。リアムら貴族も肉体スペックは騎士に準じる。
一般の兵士とはニンジャとモータルくらい戦闘力に差があり、騎士の存在は軍の士気にも直結する。
当然機動騎士のスペックも兵士とは比較にならないくらい引き出すことができる。
訓練は戦略面にも及び、多数の兵士・戦艦を率いる将としての側面も持ち、むしろ「騎士の強さ」としてはこちらの方が重視されるきらいがある。

  • 機動騎士
機動戦士ではない。
魔力によってパイロットと同調して動くことが可能な人型機動兵器。

  • ワープゲート
本作では長距離用と短距離用があるが、明確な距離での区分は確認されていない。
しかし、長距離ゲートに関しては巨大な機械の門が存在している。
使用には通行料が必要で、使用者の信用度次第では前金で請求される。
当然リアムのところは信用度がないので、高額の通行料を請求された。
アニメ作中ではゴアスら宇宙海賊の手がかかっており、管理が杜撰なところも散見される。
短距離ワープは魔法の術式によって、展開されるものを指示している。

【メカニック】

機動騎士

  • BFC-X001LS アヴィド
リアムが搭乗している黒色の専用機。
第七兵器工場製でかつてリアムの曽祖父が使っていた骨董品とも言える機体をニアスが最新技術を持って改修した機動騎士。
一般に使われる機動騎士が18mなのに対し、アヴィドは24mと大型。
貴族当主専用機らしく武装が豪華であり、空間魔法などで重火器など多くの武装を有している。安士の計略(?)によりアシスト機能が外され、操縦には高い技量が必要で並の騎士でも操縦は困難。
安士による適当な指導の影響を受けていたリアムは、操縦が困難なこれを使いこなすことこそが一流への道と信じている。
アヴィドを介して一閃を放つこともでき、戦場では最早MAP兵器のごとき存在感を放っている。
アニメでは「男のロマン」ということで、リアムの希望でロケットパンチが盛り込まれたが、亜空間より打ち出される物となり、思っていたのと違うもの(曰くパンチの見た目をしたミサイル)になった*16。とはいえ、これはこれでありと捉えたのか、その後も大量のロケットパンチを召喚したり、巨大なロケットパンチのアタッチメントを装着したりと創意工夫を凝らしている。
章が進むたびに魔改造が施され、リアムの頼れる相棒となっている。

  • AG003-M114 ネヴァン
第三兵器工場製の最新鋭中型機動騎士。
甲冑のようなデザインが施されている。
背面には巨大なブースターが装備されており、これにより高い機動性を有している。

  • AG003-M114S ネヴァン(クリスティアナ機)
上記のネヴァンの指揮官機。前線で現場指揮が取れるようにパイロット向けにチューンされている。
ティア機は白を基調としたカラーリングとなり装飾などから騎士らしさが強まっている。

  • AG00L-M079 モーヘイブ
安価で揃えやすい帝国の中型機動騎士。某作品で言えばザクやジムみたいなものか?
時代と共にアップデートが繰り返されており、ロールアウトされた世代によって性能差があるという。
初登場は外伝であり、アニメ化にあたって逆輸入された。

  • AG00L-M079C モーヘイブ指揮官機
上記のモーヘイブの指揮官用にカスタマイズされた機体である。

  • MTMK-18 ルサーレイ
ミスティリア軍で使われている中型機動騎士。
高機動の戦闘を得意としている。なおミステイリア軍に所属していた時のティアはこの機体の指揮官機(MTMK-18S クリスティアナ専用ルサーレイ)に搭乗していた。こちらは、ティアの機体にふさわしく騎士を模したデザインになっている。


戦艦

  • AGS007-BB120 アッシュバイパー
バンフィールド軍の旗艦として導入された最新鋭の戦艦。

  • AGS007-BB117 スパルトイ級
バンフィールド軍の中枢を担っている戦艦。

  • AGS006-BB78 キャノンヘッド
リアムが就任した時に主力を担っていた戦艦。


【テレビアニメ版】

2025年4月~6月にかけてテレビアニメ放映中。
朝日放送の「ANIMAZING!!!」枠での放送となる。
1話に関してはオリジナルでリアムの前世における仕打ちを、アニメオリジナル描写を交えながら丁寧に掘り下げた。
以降もアニメオリジナル描写が多く、原作勢も新鮮な気持ちで楽しめるが非常に困惑した人も多くぶっちゃけ賛否両論
一方で山根理宏氏や西澤晋氏など多くのロボットアニメに携わったアニメーターが参加しており、それもあってかロボ戦のクオリティは高い。

アニメーション制作はQuad。

主題歌

OP:「宇宙的MYSTERY」 最終未来少女によるオープニングテーマ。
ED:「なんとなく」藤咲凪によるエンディングテーマ。

【外部出演】

アニメ最終話放送直前になって『スーパーロボット大戦DD』へのイベント期間限定参戦が発表された。


【余談】

書籍版発売記念のコラボSSでは作者の別作品である『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』と世界観を共有している事が語られており、『モブせか』の舞台は『悪徳領主』の宇宙に存在する未開の惑星という設定が語られている。

コメントの合言葉は「案内人(さん)に感謝を」。
リアムに倣うのと同時に、邪神に対する嫌がらせである。



追記・修正は悪徳領主として成り上がった時にお願いします

この項目が面白かったなら……\一閃っ!/

最終更新:2025年07月08日 19:31

*1 連載当初は「星間国家が存在する異世界に転生したので悪徳領主を目指してみた!」というタイトルだった

*2 原作では諦観から吟味する気もなく無意識に選んだが、アニメ版では前世の同僚の「新田くん」の影響とのこと。

*3 前世で横領の罪を着せられたことからこれらの不正行為に対する憎悪が強い

*4 これは財政難に伴う生活苦もさることながら、先代・先々代ともに放蕩に耽るダメ貴族で費用捻出のために過剰な負担を強いられていた。

*5 貴族は基本的に教育カプセルによる身体能力向上が行われているため。

*6 リアム本人は安士から教わった技術と認識しているが、実態はリアムと安士の共同開発した剣術であり、リアムは初代剣士である。

*7 描写から、天城がスリープ状態になっている際に見た「もし自分が人間だったら」という夢と思われる

*8 ティアの意識は残っている。このため、改造後の容姿のまま実験室に監禁されるという地獄の日々を過ごしていた

*9 仕打ちが仕打ちなのでリアムに救われた事と合わせて歪むのは当然と擁護する意見はあるが…。

*10 その際は画面上下に黒帯が被さりシネスコサイズとなる演出が取られた。

*11 機動性など兵器としての性能面は競合相手を上回っていたが、性能を重視するあまり、デザインや居住性を無視したのがコンペで敗れた原因である。戦艦で生活するので居住性は我々が思う以上に重要である。

*12 原作では不倫相手の心変わりにより切り捨てられ、アニメ版では不倫相手が逮捕される

*13 一応生活保護を受けてはいたが、余計な物まで買ってしまうため、当然打ち切られてしまった。

*14 尤も原作・コミカライズ版での不倫相手に絶縁状を叩きつけられた直後の言動と、書籍版7巻のプロローグとエピローグで見せた数々の醜態を考慮すると、他者依存で自分に甘い性格は元からの物である事が窺える。

*15 当然ながら現在の窮状は伏せたまま。さらに、契約書によって自分に仕送りをさせている。

*16 いわゆるリアルロボットタイプであるため、パンチできるほどの強度を拳に盛り込めないなどの問題があるため。