防衛チーム(ウルトラシリーズ)

登録日:2012/09/25 Tue 23:37:22
更新日:2025/03/23 Sun 15:54:32
所要時間:約 32 分で読めます





「よーし、ウルトラマンを援護する!」

「「「了解!!」」」
ワンダバダバ ワンダバダバ ワンダバダバダ……



本項目における防衛チームとは、ウルトラシリーズにおいて人類を守るために活躍する組織の事を指す。
なお『ミラーマン』『ファイヤーマン』『ジャンボーグA』といった、ウルトラシリーズ以外の円谷巨大ヒーロー作品にも防衛チームは登場するが、ここではウルトラシリーズのみを扱うものとする。


【概要】

元々『ウルトラQ』では民間人が怪獣や怪事件に遭遇していた。
だが、それが毎週繰り返されるのは不自然であるということで『ウルトラマン』から怪事件専門のチームとして、科学特捜隊が設定されたのが始まりである。
因みにウルトラマンの原形となる正義の怪獣ベムラーの案が出たのはその後である。
「怪獣が毎回『正義の味方』扱いの陣営に協力するのも不自然かもなぁ」で異星人に変えてプロットを作ったらしっくりしたことでウルトラヒーローが成立した、と伝わっており、ある意味では防衛チームの設定を作ったこと自体が初マン兄さんが出てくる下地になったということになる。

以降、作劇において非常に便利な存在である事が認識されたのか、ウルトラシリーズには欠かせない存在となった。

大抵は主人公が所属する超科学を操る少数精鋭のチームであり、ドラマの多くもチームを中心に展開される。
そのため多くの作品において番組レギュラーは大抵防衛チーム関係者が大半である。

また、戦闘機等のメカニックは玩具、プラモ化され番組放送中の主力商品の一角となる。

チームの多くは全体のドラマで重要な役割を担い、隊員個人の主役エピソードも数多く存在する。
また、主人公にとっても頼りがいのある仲間であり、時には反目し時には助け合う事で成長の糧となっている。

レギュラーキャラクターの多くがチームに所属し、また事件の調査や敵と戦うため番組カラーが強く反映される。いわば「ウルトラマン」「怪獣」に続く第三の顔とも言えるだろう。

そのウルトラマンも人間態時には大抵の場合は所属している。
大体は力を得た後にスカウトや志願をして入隊しているが、ウルトラマンのハヤタのように最初から隊員であることも少なくない。
ナイトレイダーは最終回を除きウルトラマンネクサスに変身する人物が隊員ではなかった。

大組織のエリートという位置づけの場合もあれば、あくまで地球規模の防衛組織の支部の一つであることもある。
また、防衛軍とEYESのように考えの違いから組織内外で対立することもあった。

前線に立って直接触れるためか怪獣や宇宙人の保護をしたり、作品にもよるが偏見は少ない。

初期はウルトラマンに変身する隊員以外は地球人のみで構成されているのが基本だったが、やがて科学警備隊のピグを始めとするロボット、Mydoのデジタルカネゴンを始めとする宇宙生物、Xioのファントン星人グルマン博士を始めとする異星人といった、非人間(非地球人と書くべきか?)の隊員が存在する組織も見られるようになった。

残念ながら、ゼロシリーズや新世代ヒーローズでは地球の出番が減ったり、
子供たちが憧れるポジションではなく防衛チームの玩具が売れずに赤字を出すという理由から登場する機会が少なくなってきている。
しかし一般人が怪獣騒動にホイホイ首を突っ込むというのも不自然なので、制作サイドもどう世界観設定を成立させるかは悩みの種となっている。
予算的な面では衣装を統一しやすく、普段から同じ服装にしやすいため、衣装代が浮くというメリットがあるらしい。
そして、これまでの防衛チームとは異なる変則的なチームとなっていった。

ウルトラマンギンガS』と『ウルトラマンX』ではそれぞれ「UPG」「Xio」というチームが登場。
UPGは航空戦力を持たない新しいチームという形で、Xioは航空戦力を持つ王道とも言える防衛チームとして描かれ、どちらも要所でウルトラマンを大きく助けている。
Xioは防衛チームの玩具が売れずに赤字を出すという結果に終わったため、商業的には失敗だったのが残念なところ。
とはいえ科学者ポジションを異星人のファントン星人グルマン博士が務める、サイバーゴモラのようなウルトラマンの支援する怪獣を生み出すという目新しい要素もあり、後の作品に引き継がれている。
全てが間違っていたわけではないと言えるだろう。

ウルトラマンオーブ』では防衛チーム「ビートル隊」が脇役に回るという変則的な形となり、「怪獣に防衛チームが対応する」という要素と「主人公は防衛チームに所属しない風来坊」という要素を両立させた。
ただ、さすがに主人公が宿なしで情報収集の手段もないと物語が成立しないため、主人公のガイは怪奇現象を調査するサークル「SSP」に居候してそこで得た情報を元に活動を行っている。
ウルトラマンジード』『ウルトラマンR/B』でもこの要素は継承され、主人公には情報収集の手段があり、等身主人公の設備で対応できないスケールの大きな問題はオーバーテクノロジーを扱う外部の組織が対応するという形式になっている。

ウルトラマンタイガ』では民間警備組織「E.G.I.S.」が登場し、地球で暗躍する宇宙人達と戦うという形で主人公が宇宙人と交わる理由付けが行われている。
この組織は基本的に怪獣を専門外としているが、事務所に大型のモニターがあって怪獣などの情報収集を行うという点や、
スタッフの1人であるピリカがチートじみた技術力というか実際に地球人じゃなかったしそれが由来だったけどで警備活動の一環として怪獣関係の分析や対処を行うことがあるため、防衛チームのような側面を持ち合わせている。

ウルトラマンZ』からは久々に正統派な防衛チーム「ストレイジ」が登場して、主人公も防衛チームの隊員という王道の展開になった。
兵器玩具が売れないという問題は「戦闘機ではなくロボット型を主体とし、ウルトラマンと共に格闘戦を行うという設定(ソフビシリーズとして売る)にして、通信機などの小物類は最初から商品化しない」方向でクリアした。
特に『Z』は評価が高かったので、防衛チームを出しても魅力的な作品になることへの証明になったと言えるだろう。
玩具の売上も前年を上回ったことに加え、ソフビ人形は次回作が始まっても再販しやすいため、商業的にも成功かつ無駄が少ないと言える。
更に連作となった『ウルトラマントリガー』『ウルトラマンデッカー』では「防衛チームの武器を兼ねる変身アイテム」や「シリーズを跨いで登場する上、変形や合体ができるライドメカ」という変則的な形を取りつつ商業的な成功を収めている。



●ウルトラシリーズの防衛チーム一覧


人によっては『ウルトラQ』の星川航空や『ULTRAMAN』(2004年)の航空自衛隊などもカウントするとか。
なお、『ウルトラマンオーブ』のSSP、『ウルトラマンジード』のAIB、『ウルトラマンタイガ』のE.G.I.S.、『ウルトラマンアーク』のSKIPは作劇上防衛チームに近いポジションではあるものの、基本的に防衛チームには含まれない。
あくまでSSPは怪奇情報追跡サイト運営組織、AIBは地球に暮らす宇宙人たちの互助組織、E.G.I.S.は民間警備会社、SKIPは怪獣災害調査所に過ぎず、本来怪獣への対処や地球防衛を目的とする組織ではないためである。特に『オーブ』は先述したビートル隊、『アーク』は防衛隊の本部が別個に存在すること、どちらも正式な防衛チーム所属のレギュラーキャラが主人公たちの協力者として登場するのもあるだろう。
この点から「設定上の防衛チーム」と「シナリオ上の防衛チーム(戦闘能力やそれ前提の責務の有無によらず、メイン格のウルトラヒーローに変身できる人物が在籍している組織)」を区別したうえでカウントするファンもいるようだ。
『ウルトラマンR/B』ではホームドラマ性の強さゆえか防衛チーム的ポジションの組織自体が登場せず(強いて言えば事態の分析担当としてのイサミが相当する)*1、主人公達の実質的な敵組織である大企業アイゼンテックが怪獣に対処する事がある*2


【ワンダバ】

防衛チームといえばこれ! というぐらい有名な曲といえば「ワンダバ」である。

ウルトラ警備隊の音楽の男声コーラスをヒントにMATのテーマから採用された。
男声が「ワンダバ」というフレーズを中心に繰り返すこのコーラスは強い印象を残し、後の作品にも頻繁に採用されていった。『メビウス』版(CREW GUYSのテーマ)などは正規の曲名も「ワンダバ」である。
また、ZATの「ダーダバ」やMYDOの「M! Y! D! O! マーイドー」などの派生系も存在。

現在では特撮におけるパロディネタで採用されたり、防衛チームのテーマ曲を収録されたCDのタイトルになる等、防衛チームの曲の代名詞と言える存在である。


【隊員について】

隊員に関してはいくつかパターンやお約束となっているポジションも存在する。

◆隊長

チームである以上確実に存在するポジションである。キャップと呼称する場合も多い。
傾向としてはリーダーらしく強いリーダーシップや責任感を持ち、父性的な厳しさと広い度量の持ち主である。
冷静なタイプが多いが、スーパーGUTSのヒビキのような熱血隊長も少なからずいる。
基本的に基地・母艦から指揮を執るが、歴戦の勇士として前線に立つことも。上層部や他の組織との交渉・折衝の矢面に立つことも多く、
ときにはMATにみられるように、防衛チームの政治的立場すら左右する。

XIGは実質的な隊長ポジションの石室コマンダーが基地から一歩も出ず全体的な指示を出す総指揮、堤チーフが前線に出撃して細かい指示を出す現場責任者という形で分業化されている。
年長者ゆえの鋭い勘を持つことも多く、伊吹隊長以降「実は主人公がウルトラマンだと気付いていた」と最終回付近で明らかになるパターンもしばしば。
このパターンは後付けでパラレルの続編も含むならムラマツキャップが初となる。
中には元主人公かつ宇宙人なので最初からウルトラマンの正体や怪獣・宇宙人のことを知っているMACのダン隊長、新米隊長にして主人公なSKaRDのヒルマ・ゲントなんて例もあったり。

ストレイジのヘビクラ隊長は例外中の例外であり、表向きは冷静というより気さくで頼れる大人という顔を持ちながら、裏ではウルトラマンの正体どころか黒幕の存在まで最初から知っていたトリックスターとして暗躍するという、凄まじい立ち位置となっている。
演じる青柳さんいわく「判明する回以前でもかなり露骨にジャグラーにしてるつもりだった」「だからそっくりさんに過ぎない説が結構支持されていて驚いた」

隊長となっているのはほぼ男性で、女性はGUTSのイルマ隊長とチームUのアンナのみである*3(後の時系列なども含めれば他にもいるが)。


◆副隊長

作品によってはチーフ、リーダーと呼ばれる。
ハヤタを初めとするサブリーダーもチームのお約束だが作品によっては明確に設定されていない。とはいえ大体は副隊長格の存在がいる。
役割としては前線指揮が多い。ZATの荒垣副隊長は朝比奈隊長の不在が多いため実質的な隊長役も兼ねていた。
番組中盤から正式に副隊長に昇進したスーパーGUTSのコウダは珍しい例。

◆科学担当

科特隊のイデ隊員からスタートした役割で、新兵器開発から分析まで作品によって役割は様々。彼等の発明が突破口を開くことも多い。
インテリが多いためか、自らの存在意義や異生物とのコミュニケーションに悩むことも。あと太目も多く、その場合コメディリリーフを兼ねる。
XIG我夢は歴代ウルトラマン変身者で唯一分析担当だったが後のXioの大空大地も近い立ち位置となったためいまは後輩がいる。
中でもイデ隊員は別格であり、『甦れ!ウルトラマン』ではウルトラマンからも本当は宇宙人なのではないかと疑問を持たれ、『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』では作った兵器がチートすぎて複製不可能であり、ロストテクノロジーやメテオール*4になっている程……。

◆エースパイロット

平成の作品になってから特に多い戦闘機担当。
GUTSのレナやDASHのミズキ等女性隊員がこのポジションというパターンも見られる。
しかし、ウルトラマンが主役である以上、前線で出る回数が多い≒撃墜数も多いになりかねない。
ただ、その分助けられることが増えるのでウルトラマンへの信頼感が高くなりやすいようだ。

XIGのチームライトニング梶尾リーダーのように、エースパイロットで出撃回数が多い割に撃墜回数の極めて少ない隊員もシリーズによってはいる。
ナイトレイダーやGUYSのように、ラスボス級相手でもなければ滅多に撃墜されなかったチームまである。

昭和の作品においては平成以降ほど目立ってはいないが、主人公を魅せるためかパイロットもしくは特殊車両のドライバーの設定を与えられることが多い*5
実は主要人物がパイロットという設定は、『ウルトラQ』の万城目がルーツとされている。

ウルトラ警備隊のキリヤマやMATの伊吹など隊長がエースパイロットかつ演者が元兵士という奇遇なケースも見られる。
その場合は演技も半ばガチになっており、戦闘機で見事なアクロバット飛行をこなして怪獣や敵円盤を翻弄する場面などは、歴戦の勇士に相応しい名シーンとして視聴者の記憶にも残りやすい。

◆武闘派隊員

主に銃や格闘に長け、地上戦では二丁拳銃や重火器担当が多い隊員。
科特隊のアラシから始まり、TACの山中やDASHのコバのような二丁拳銃、陸戦兵器を扱うXIGのチームハーキュリーズ等。
アラシやハーキュリーズのように体力・射撃兼任の者もいれば、ウルトラ警備隊のフルハシとソガのように、体力と射撃で分担されていることも。
ナイトレイダーの平木隊員も設定を見ると該当すると思われるが、副隊長の方が銃のイメージが強い上に全員がライフルを使うため、なかば死に設定化してしまっている。

◆オペレーター

基地や母艦と現場を繋ぐ通信担当。インドアなイメージが強く、ハッキングなどの電子技術で活躍することも。
昭和では一般隊員とは別に、通信専門の名もない隊員が担当することが多かったが、平成ではレギュラー隊員が行う事が多くなった。
科学警備隊のピグ、GUTSのヤズミ、チームEYESのアヤノ、DASHのエリー等。
挙げたうちピグ、エリーは明確なロボット隊員であるのも特筆されるか。実は他の得意分野にロボット隊員が配されたことは稀で、せいぜい『デッカー』HANE2(ハネジロー)や『ブレーザー』AIとしてのアーくんのようにロボメカが担っていることがあるくらい。
エリー隊員はある意味では武闘派と兼任してるが。

◆コメディリリーフ

場を和ましたりする等隊の雰囲気を良くするのに貢献する。
ZATは全員素質があり前期MACには1人も存在しない。勿論、ナイトレイダーも1人も存在しない(一応、平木隊員が該当しないことも無い)。
TACの今野はこれを目指して失敗した感がある。

◆主人公

作品の主人公となる隊員。基本的に主役ウルトラマンに変身する存在。
最初から隊員だったわけではなく、MATの郷やスーパーGUTSのアスカの様に「入隊テストを優秀な成績で合格した期待の新人」だったり、
科学警備隊のヒカリやGUTSのダイゴの様に「際立った能力は無いが勇気ある行動が認められて入隊した」というタイプが多い。

科学特捜隊の副隊長格だったハヤタや、分析担当として志願入隊したXIGの我夢は珍しいタイプと言える。
また、Xioの大地は研究開発セクション・ラボチームの研究員だが、同時に怪獣との実戦にも赴き分析を担当するというより珍しいタイプ。

ウルトラマンとして戦っているので、本来なら地球防衛に最も貢献している立場のはずだが、
撃墜されないとウルトラマンに変身するチャンスがないため、結果的に被撃墜数がトップクラスになったり、
肝心な時にいなくなる結果になるため、隊員としての活躍はいまいちと見なされることも。

怪獣が倒されウルトラマンが去っていった後に、撃墜されたり怪獣に突撃していったまま行方がわからなくなった主人公を心配していると
おーい!」と手を振りつつ無事に帰ってくるのはお約束。
オーブでは、毎回のようにこれをやる渋川が実はウルトラマンオーブなのではないか、というセルフパロディも行われた。

XIGの我夢は現場での分析と後方支援担当なので、変身に関係なく戦闘には殆ど参加しないとこれまた珍しい。
撃墜の危機が迫らないうちに変身し、自身の専用の戦闘機をAIに自動操縦させるため、撃墜脱出変身も皆無である。
Xioの大地は上述のように前線には行くが、本人が高所恐怖症なので戦闘機で出撃することもなかった。
ストレイジのハルキの場合はチーム自体がロボット兵器「特空機」を主力としている関係上、行動可能時間の限界を迎えて停止したら後はウルトラマン任せという構図が成立しており、しれっと変身しても違和感を抱かれることはなかった*6
徐々にではあるが、変身して不在になっても誰も気付かないというパターンが出てきている。

最終話しかウルトラマンに変身しなかったナイトレイダーの孤門、前線で戦う人間メンバー全員がウルトラマンというウルトラフォースという例外も存在する。
そもそも主人公が所属していないケースさえある(SRCや第2期TEAM EYESやチームU)。

◆長官

正確には後述の上部組織や防衛軍所属。
準レギュラーとして登場する事が多く、隊長より権限の強い立ち位置。長官自身でなくとも、大体は誰かしら上司が出てくる。

昭和第2期の長官は地球防衛庁の岸田長官やTACの高倉長官のような嫌味で人格に難のある人物が多めだが、
平成に入ってからはTPCのサワイ総監やUDFのトミオカ長官のような人のいい人物が増えてきている。
もちろん、昭和でもTDFのタケナカ参謀やMACの高倉長官(TACの上官とは同姓の別人)のように話の分かる人物もいれば、平成でもUPGの神山長官のような分からず屋はいる(最終的に改心したが)。

また、主人公と意見が対立する嫌味な上官ポジションであっても、言っていること自体は正論だったり、
私利私欲一切抜きで真摯に地球のため、平和のために行動している高潔な人物も存在する。

TPCのゴンドウ参謀やG.U.A.R.Dの千葉参謀はこの立ち位置だが、千葉参謀は、所属は上部組織でも役職はXIGの常任参謀なので、レギュラーとして登場する珍しいパターン。
隊長に代わって指揮をとることもあり、中には自分で直接前線に出て戦う凄まじくアクティブな人物も。
隊長と長官を兼任していたGUYSのサコミズという例もあるが、その事はかなりの終盤まで伏せられていたため*7、ポジション的にはトリヤマ補佐官の方が近かった。トリヤマは回によって「嫌味で人格に難のある」タイプに寄ったり「話が分かり、かつ『とりあえず隊員の判断を尊重してみる』が自然にできる」になったり一定していないが、一応は後者である(そもそも描写されないだけで避難誘導計画やその事後検証はトリヤマの仕事。前者のようなタイプの人に責任者をさせられないのは言わずもがなだろう)。これはこれで珍しいパターンか。


◆マスコット

厳密には隊員とは言い難いが、防衛隊の象徴となる動物やロボット、宇宙生物等である。
科学警備隊のピグとモンキ、Mydoのデジタルカネゴン、スーパーGUTSのハネジロー、DASHのココ、CREW GUYSのリムエレキング、SKIPのユピー等。
ハネジローは放映当時としてはかなり高いPCスキルを活かしたブログ運営で、リムエレキングは先述したトリヤマの提案(といっても補佐官としてのトリヤマなりのつじつま合わせと言い訳の色は強かったが*8)から組織としてのGUYSの公式マスコットキャラとして、それぞれチームの一般広報を担っており、作劇上マスコットだからと言って作中設定でもそうとは限らない。
他もMydo基地の偽装に大きく貢献しているデジタルカネゴン、そもそも分析機能があるココやユピーなど、多くのこの枠の所属者がなんらかの職務上の役職を任じられている。


以上よくあるパターンである。大抵はポジションを兼任する隊員も多い。


【装備、メカニック】

◆隊員服、携行装備

隊員服やヘルメットは現実世界ではまず不可能な耐熱性や耐毒性を持っている場合が多い。
昭和作品では全身を覆う薄手の服、平成作品以降ではジャケットが多い。

設定上の耐熱性能とは裏腹に、各所での役者さんへのインタビューでは「夏暑く冬寒い」という意見が大半を占める。
派手なカラーリングが多いのは、一般人への避難誘導や調査の際に気付かれやすいようにしているのかもしれない。それは警察と消防にやらせろよ。
宇宙服を兼ねている事も多く、作品によってはヘルメットの風防を下ろしただけで宇宙遊泳に出たりする。

銃は玩具展開によってはカートリッジで撃つ弾を変えられたり、合体し大型火器になるものも存在する。
人間サイズの敵にはもちろん、怪獣に撃っても効いてることがあるのでなかなかの威力のようだ。
中にはXioのウルトライザーや『トリガー』時代におけるGUTS-SELECTのGUTSスパークレンスのように、理論上はウルトラマンの光線と同等の火力で、並の怪獣なら瞬殺というトンデモ性能の武器も。

標準装備は拳銃、手練の武闘派隊員(あと時々科学担当)が大型火器を使うのがほとんどだが、全員がライフルを標準装備していたナイトレイダーという例もある。
また、特殊なところでは武装らしい武装が無い代わりに、メンバー自身が怪獣の力を持った怪獣娘に変身するための変身アイテムが配布されるGIRLSという例も。

科学特捜隊の先進的な装備と後の組織の装備、そしてGUYSの装備を比べると……イデ隊員……。

◆航空戦力・宇宙戦力

ほぼ全ての作品に登場する重要な存在。
大抵は複数の種類が量産されており*9、中には合体機能を持つものや巨大な飛行戦艦も存在する。
宇宙や他の惑星での任務のための宇宙船も存在し、戦闘機の中にはジェットビートルのように追加装備によって宇宙へ行けるものや、タックスペースのように追加装備なしで宇宙へ行けるものも存在する。
MACやUGMのように通常戦闘機を配備している例もある。
歴代戦闘機の多くは玩具やプラモになっており、ウルトラホーク1号ガッツウイング1号など現在でも根強い人気を誇るものも多い。
撃墜数も多いが撃破や援護が多いのもこいつ。保有していないのは今の所DEUS、チームU(Uローダーが飛行可能ではあるが航空戦力ではない)、UPGのみで、それ以外は「この意味での防衛チームではない」作品だけである(組織全体でならあるが、主人公たちがいるチームに配備が無い、であればSKaRDなどの例がある*10)。

◆地上・地中戦力

戦車の割合は少なく*11、大抵はパトロール用の車両や武装を付けた車両が登場している。
また、地中移動用のドリル戦車は多くの作品に設定されているが、オープニングに映るだけで本編には登場しないままの作品も多く、出てきても機能停止させられる事が多々ある。
UPGは特殊車両が主力という珍しいパターン。Xioは従来のコアモジュール、スピーダーにあたる物が特殊車両のため同じく主力である。
ストレイジの場合は日本支部に関してはロボット部隊ということもあり、セブンガーウインダムなどの巨大ロボットがこのタイプの戦力となる*12

◆水中・海上戦力

これも多くの作品で設定されているが、水中戦は少ないため必然的に登場も少ない。
昭和シリーズ後期では設定やOP映像のみ登場で本編での活躍がないというかなり悪い扱いになっていることも。
大抵は少人数乗りの潜水艇だが、ダッシュバード3号やGUYSのシーウィンガーなど潜水機能を持つ戦闘機も。
また、海中を移動していた怪獣に壊されることも多々ある。
海上戦力はさらに少なく、登場してもただのモーターボートであったり、ウルトラ警備隊のマックス号のように活躍もできないまま破壊されることが多い。

◆基地

基地は種類が多く秘密基地や空中母艦、宇宙ステーションに霞ヶ関とバラエティに富んでいる。
最終決戦で破壊されたり機能麻痺に陥ることも。中には隊員や航空機ごと食われたりラスボス化してしまった事例まである。
司令室は大体専用のセットが作られているが、HEARTやUPGのように既存施設に各種設備を持ち込むパターンもある。
たいていはどっか広い土地のある郊外に所在してるっぽかったり、設定上実際に「関東のはずれ」にあることになっていたりするが、ZATの本部基地は例外的に東京都心のどまんなかに所在する(移動能力は持たされている)。
見学ツアーが組まれるための便宜、そもそも即応性が高く・市民と接することも増えるので支持されやすい、いざとなれば非常招集をかけやすいため、平和であれば隊員が余暇を繁華街や市街地で過ごしやすい*13と利点は多いが、やはり他防衛チームではスパイ対策や直接本陣を叩かれた場合の想定から難しいようだ…。
というかこれ自体が「なんやかんやいってZATの能力ってトップクラスだよね?」でよく挙がる。

◆巨大戦力

防衛隊が操縦する巨大ロボットや、使役する怪獣。
巨大ロボットや怪獣は侵略者側の兵器として使用されるのが主であったが、CREW GUYSのマケット怪獣を筆頭として、防衛隊の戦力として使用される例も増えていき、ストレイジ日本支部のようにロボット戦闘に特化した組織も登場するようになった。
他の戦力が射撃戦や一撃離脱戦法を基本としているのに対し、これらは怪獣との格闘戦が可能なのが特徴である。ちなみに飛行戦艦や空中基地は「巨大」な戦力ではあるが、ここでは含めないものとする。

怪獣と戦えるほどの性能を持った巨大ロボットを開発するのは、基本的に地球人の科学力を越えた技術であるため*14、地球に飛来した生物兵器や宇宙船の残骸の研究で得たデータを基にしたり、開発者に宇宙人が混ざっていたりと、宇宙人の技術が加わる事で実現している。
また宇宙人の残していった巨大ロボットの残骸を修復、改造して使用したキングジョーストレイジカスタムという例も存在する。

怪獣が戦力として使われる場合は、巨大生物を人類の手で操る事の危険性の問題もあってか、CREW GUYSのマケット怪獣やXioのサイバー怪獣のように、データを一時的に実体化させて使役するという形が取られる。
これも地球人の科学力を越えた技術であるため、宇宙人の技術が加わる事で実現している。

防衛隊の戦力の中でもかなり強力な部類であり、場合によってはウルトラマンと同等かそれ以上の戦力にもなり得るが、その反面、暴走したり、敵に奪われたりして人類の脅威となる例も多い。

マケット怪獣以前には、元地球防衛軍の科学者がブルドーザーを改造して格闘戦が可能な巨大兵器を開発したり、TPCの一部の人間が戦力になり得るクローン怪獣の違法な研究人造ウルトラマンの開発を秘密裏に行ったり、TDFや統合防衛軍JADFが侵略ロボットを回収、修復して兵器利用するといった例があったが、いずれも暴走または寄生生物に憑依されてウルトラマンや防衛隊に倒される結果に終わっている。
また宇宙人が母星の平和のための防衛兵器として開発した巨大戦力が、暴走してその星を滅ぼした後に地球に脅威をもたらすという例も存在する。

◆ゲスト武器

唐突に登場し、大体1話で退場してしまう今週のビックリドッキリメカ
そのまま標準装備となるケースもあり、XIGのパイロットウェーブ照射装置は波動生命体との戦いで度々活躍した。
特にZATの準備の良さは尋常ではなく、ウルトラブレスレットと同じ威力の回転ノコギリからコショウ、トリモチに至るまで、
隊長の「よーし、○○作戦だ!」の一言でなんでもスカイホエールから出てくる。コショウでも鈴でも酒でも何でも。それがギャグ抜きで怪獣に通用するのだから恐ろしい。
次点でそんなギャグメカが出てくるのはコスモスとダイナくらいである。

ゼットンを倒した無重力弾、キングジョーを倒したライトンR30爆弾なんかは量産すれば地球は安泰なんじゃないか? と思われるが、一向に量産される様子がない。
怪獣を一発で倒すような兵器が盗まれたり狙われたりして地球がピンチという事例もあるため、下手に作るのはかえって危険であると判断されているのかもしれない。
前述したように、科特隊の装備のうちイデ隊員(おそらく岩本博士も)が作ったものは地球の技術水準を超えており、
設計図が当人の頭の中にしかないものだから量産不可能なのもやむを得ないが。

ライトンR30爆弾に関しては『メビウス』で宇宙機雷として量産され成果を挙げているが、つまり言い換えれば量産までに数十年もかかっていることになる。

時には「R1号」や「スパイナー」のような、防衛という目的を逸脱してしまった強力な兵器も登場し、過剰な戦力を持つことやそれを使うことへの警鐘として扱われる。
もっとも、フレンドシップ計画のような使い方はともかく、大半は地球への天体衝突の危機に対する迎撃の為に用いられており、また、惑星破壊級の装備がなければ地球が滅亡していた事例が何度もあるのもまた事実なのだが。



【その活躍】

さて、そんなレギュラー的存在の防衛チームであるが、悲しい事に作品の主役はウルトラマンであり戦う相手は怪獣である。
作品のフォーマットの関係上、ウルトラマンがトドメを刺す事が多くなるのは仕方がないのである。

しかし、防衛チームは決して不要な存在ではない。ウルトラに暗い人達からは役立たずだの咬ませ犬だの言われるが、
数々の戦いにおいて防衛チーム抜きでは勝てなかった戦いは多い。

ウルトラマンがいれば自分たちは不要なのではないかと悩むイデ隊員に、
ハヤタ=ウルトラマン自身が科特隊がいなければ勝てなかった戦いが何度もあったことを実例とともに語ったこともある。

ここではウルトラマンと防衛チームの共闘のパターンをいくつか紹介する。


◆ウルトラマンの援護

おそらく最も代表的なパターン。敵の猛攻にダウンしてしまったり間合いを取れないウルトラマン。

そこに

「ウルトラマンを援護する!」

の号令と共に行われる怪獣への攻撃、そして怯んでいる隙に体勢を立て直す、または逆転の一撃を繰り出すウルトラマンという構図は数多い。
特撮の都合上「今まで何してたんだ」「タイミング良すぎ」等のツッコミが入るのはお約束。そのままチームが倒してしまうことも。

代表例
MAT、XIGの活躍全般
中盤以降のナイトレイダー




◆ウルトラマンを直接救出

敵に捕らえられたり、エネルギー切れに陥ったウルトラマンに対して、自分達の科学力で必死に作った装置で窮地を救い、
そのまま大逆転というのは非常に燃える。この手の回はウルトラマンとの絆が特に強調され、非常に熱い。

代表例
ウルトラセブンユーリー星人ガッツ星人
ウルトラマンネクサスのダークメフィストとの決戦

ごくまれにウルトラマンに変身して救出することもある(ムサシ、カイト、リュウ)。


◆ウルトラマン「が」防衛チーム「を」援護

仲間が犠牲になった等の理由でいつになく防衛チームが自分達の手で倒すことに燃えている。
または強敵に対し、ウルトラマンの必殺技以上に有効な武器を開発した。
そんな時、ウルトラマンは必死に動きを封じて防衛チームに確実にトドメを刺させる。
そしてチームは言葉は通じずとも共に戦ってくれた巨人に感謝するのだ。まあ、大体隊員だから武器の詳細知っていたりするんだけどね!

代表例
ウルトラマンのケムラージェロニモン
ウルトラセブンのウルトラ警備隊西へ 後編
ウルトラマンタロウの怪獣軍団回


◆ウルトラマンの不在・戦闘不能時における防衛チームの奮戦による勝利

ウルトラマンが倒れる、または地球人の自立のために防衛チームだけで戦い勝利する。
ウルトラマン本人が変身を放棄して防衛チーム隊員として奮闘、勝利したケースもある(ウルトラマンタロウ最終回)。
ウルトラマンとの信頼関係がなく、元々自分たちで戦って戦果を出していたケースとしてはナイトレイダー等がある。
こうしてウルトラマンと共に肩を並べて戦える日まで戦っていくのである。

特殊な事例として、Xioはエックスが来るまで15年間も独力で怪獣や侵略者と戦い抜いており、設定上の実績はかなりのもの。
劇中でも、エックスがベムスターに捕らわれた時に巨大化したザラブ星人を瞬殺している。
しかし、より高い理想である怪獣保護の実現のための、SD化やダークサンダーエナジーの浄化にはエックスの力が必要不可欠であり、
また、頻繁に最強クラスの敵が襲来するという事態からウルトラマンの必要性も理由づけられている。

代表例
ウルトラマン最終回
ウルトラマン80最終回


◆ウルトラマンと防衛チームで別々に戦闘

宇宙人との戦いで宇宙人の繰り出す怪獣や巨大化した宇宙人とウルトラマンが戦い、一方で宇宙人のメカに防衛チームが挑む。
各々が得意なシチュエーションで戦い、また視聴者はウルトラマンの格闘戦と戦闘機のドッグファイトという二種類のバトルを見れてお得である。
また、円盤によるウルトラマンへの横槍を防ぐこともできる。



代表例
ウルトラマンのレッドキングギガス戦、ケロニア
ウルトラセブンのメトロン星人ビラ星人
ウルトラマングレート最終回等


◆ウルトラマンの移動手段

基本的に地上での活動時間に制限のあるウルトラマンにとっての影のサポート。
人間態で戦闘機などに乗って現場に急行することで、限りある変身時間を無駄なく戦闘に当てられる。
表立って描かれることは滅多にないが(そもそも正体を隠しているため防衛チームにその自覚もない)、実は一番頻度の高いサポートかもしれない。


◆怪獣の救助・保護

怪獣や宇宙人の中には争いを好まない大人しい怪獣や平和を愛する宇宙人、そして救いの手を求めている「要救助者」もいる。
そういった存在まで救い、保護していくとなると、いかにウルトラマンが万能の超人であってもたった一人で3分間だけという制限はあまりにも厳しい。
そんな時こそ頼りになるのが防衛チームという組織の力である。人と怪獣が共に生きていける日を夢見て、彼等は共存の道を探し続けるのだ。

本格的に描写されるのは平成に入ってからだが、昭和期にもたびたび存在し(ウルトラマンのシーボーズ回等)、
ZATは怪獣保護とまではいかなくとも、悪意のない怪獣は攻撃しない方針を公言している。シェルターのことは忘れろ

その反面TEAM EYESでは「保護されるべき動物という価値観が広まりすぎているがゆえに、悪意のない市民への対応自体は必要」という描写も存在する(歓迎しようとして怪獣を刺激する市民の制止、そもそも民間が怪獣を匿っているケースの判断や対応など)など、倒さないから捕まえて終わりの仕事、というわけではないのもまた一般的である。

代表例
TEAM EYES
Xio
GIRLS


まぁ、色々挙げたが正直ウルトラマンの戦いの前哨戦止まりも非常に多い。
主にUGMやTACによく見られたが、それだけにウルトラマンへの依存に対する疑問と反省を見せる展開へ繋がることもある。
ザ☆ウルトラマンや80の最終決戦は、まさにそれが大きなテーマであった。

映画でははぶられるか、援護で大活躍かの二択(稀に単体で活躍するが)。
GUYSのように本編の方で活躍する組織は前者が多い(まぁ、彼らの場合撮影中は役者が決まってないのもあるけど)。

また、防衛チームが怪獣と戦って足止めしていることで被害が抑えられるという面もあり(たまに誤射で余計に拡大させてしまうことも)、
また、直接戦闘以外でも防衛チームの調査をきっかけに敵の攻略法が判明することも多い。
防衛チームではないため戦闘力をほとんど持たないSSPやAIBも、情報面等でウルトラマンの戦いをサポートした。



【「防衛軍」「上層部」との関係】

ウルトラシリーズの中には、防衛チームとは別に、市民を守るための力を持った組織として「防衛軍」が登場する作品もあり、防衛チームとたびたび対立する。
また、防衛軍の他に、防衛チームに上層部がある場合も多い。防衛チームは全般に人数が少ないので、こういった外部の存在に憎まれ役やアンチテーゼをさせるのが一つのお約束なのである。


●ウルトラシリーズの「防衛軍」一覧


●ウルトラシリーズの上部組織一覧

  • 国際科学警察機構(科学特捜隊)*15
  • 地球防衛軍TDF(ウルトラ警備隊)
  • 地球防衛庁(MAT)
  • 地球防衛軍(MAC)
  • 地球防衛軍(科学警備隊)
  • 地球防衛軍UNDA(UGM)
  • 統合参謀本部IDC(W.I.N.R.)
  • 国家保安局(W.I.N.R.)
  • 国際防衛軍(Mydo)
  • 地球平和連合TPC(GUTS、スーパーGUTS、ネオスーパーGUTS)
  • 対根源的破滅地球防衛機構G.U.A.R.D.(XIG)
  • 地球防衛軍GSG(パイロットフィルム版ネオスのHEART)
  • 国際防衛機構DJ(HEART)
  • 科学調査サークルSRC(TEAM EYES、TEAM SEA)(※1)
  • 地球解放機構TLT(ナイトレイダー)
  • 地球防衛連合UDF(DASH)
  • 一条寺コンツェルン(UPG)
  • 国際防衛機構(UPG)
  • 地球防衛組織UNVER(Xio)
  • 地球平和同盟TPU(GUTS-SELECT)
  • 防災庁/内閣(禍特対)(※2)

※1 SRCは『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』ではそれ自体が実質上防衛チームだったので、上記の分類にも含まれる。
※2 禍特対は禍威獣対応の場において自衛隊の部隊指揮権が委譲される為、ある意味自衛隊の上位組織的側面を持つ。が、基本的に互いの組織は独立しており、指揮権の委譲も限定的なものなので、組織としては対等な立場である。

●防衛軍との対立

防衛軍vs防衛チームの軋轢はなんと初代『ウルトラマン』の第2話、製作順ではNo.1という非常に早い段階から描かれている。
施設を占拠した謎の宇宙人(後にバルタン星人と判明する前から黒板に「バルタン星人対策」とか書いてある事は画面の前の君にだけ教えてあげよう。友達には内緒だぜ)にどう対処するかで、核兵器による即時攻撃を主張する防衛軍代表と対話を試みるべきというムラマツキャップが舌戦を繰り広げた。
結論として「まずは対話」となったものの対話は失敗。その後の防衛軍の攻撃も効果はなく、防衛軍vs防衛チームの軋轢としては痛み分けの形で終わっている。

また、『ウルトラマンコスモス』では「市民を守るためには怪獣抹殺も辞さない」という防衛軍と「市民も怪獣も守る」というEYESとの対立を作中の見どころの一つとしていた。
ここで注意してほしいのは、「ムサシも『戦う』選択肢の必要性を理解していないわけではない」「少なくとも(最も頻繁に登場した)佐原司令官はムサシの考え方やEYESの理念も必要なものと解してはいる」点である*16

以上のような描写から見て取れるように、防衛軍は基本的に防衛チームと比べてタカ派思考であるケースが多め。
結果的に防衛チームの引き立て役扱いになってしまうことが多く、ミスを防衛チームが尻拭いすることさえある。
それでも彼らは「敵(かたき)役」ではあっても「敵(てき)」ではない。どちらも「脅威から市民を守る」という目標は同じであり、そのアプローチの仕方が違うだけなのだ。

ウルトラマンダイナ』でタカ派な言動や行動(しかも裏目に出まくった)を繰り返したゴンドウ参謀は典型的な憎まれ役であったが、
これらは人類を憂いての行動であり、紛れもない漢であった(はきはき物を言う上、考案する作戦や言っている事自体は正しいことが多く、むしろ周りより信頼できるキャラだと言う人も)。

『ウルトラマンコスモス』ではカオスヘッダーへの対策についてEYES側もその方向性が少しずつブレはじめ、
それらを危惧する主人公春野ムサシと防衛軍佐原司令官の対談シーンがTV本編にあり、
説得力のある佐原司令官の言葉やその考え方の危うさを指摘するムサシの言葉、そしてそのムサシの意見をも正論・本来あるべき対応として肯定してはいた佐原にはかなり考えさせられる。

まあ中には佐原司令官の部下の西条武官等、露骨に人格的な問題があってフォローもされない関係者が描かれることもあるが……。

上層部との関係が悪いチームは比較的少なく、むしろ「頼れる後援者」であるケースが大半だが、それでもやはり作戦や方針をめぐって大きな溝が生まれるケースは多い。

シン・ウルトラマン』では上層部が日本国政府という一国家である関係上、政治的都合により禍特対は大いに振り回されている。


【防衛チームと世論】

多くの場合、防衛チームは一般市民にも認知されている。
自分たちを怪獣や宇宙人から守っている防衛チームに対し、一般市民の世論は好意的であるのが通例で、子どもの憧れともなる。

ときには、防衛チームの呼びかけに応じた一般市民の協力で、ウルトラマンの窮地を打開するという熱い展開もある(ウルトラマンティガキリエル人の回など)。
しかし、世界観に少しでもシビアさがあった場合はこの限りではない。

典型的なのは、予想外の強豪怪獣や宇宙人に防衛チーム&ウルトラマンが対処しきれない場合。
例えばMATは常に厳しい目にさらされ、上層部から解散の圧力をかけられていた。

TACは、警察と縄張り争いをしたり、後述のヒッポリト星人やフブギララ、ガスゲゴンの際に一般人から非難されたりした*17

そしてGUYSはイエロージャーナリスト・ヒルカワに付け狙われ、彼の書く反GUYS記事が巷で好評を得ていたことから、
一般市民の中にGUYSを快く思わない人間が相当数いたことがうかがえる(第43話で彼が強気の原稿料交渉を行っていることからも、反GUYS記事の人気の高さがうかがい知れる)。
トリヤマ補佐官が世論を気にして苛立っていることもたびたびあり、日本政府からの圧力がかかったこともあった。
45話でデスレムによってGUYSが人質に取られたときには、新聞には、「市民より仲間が大切?」「GUYSへの非難高まる」と報道されていて、
市民や記者の中には、「市民と仲間どっちが大切なんだ」「人質になるくらいなら死んでくれればよかった」「恥を知れ」などと暴言を吐く市民までいたほどである。

一部で、こう言った市民を「防衛チームに守ってもらいながらそれはないだろ」「敵より邪魔な味方」と評価する者もいるが、
日本は過去に軍隊のクーデターによるファシズム化を経験しているため、現実における自衛隊の扱いを見れば明白なように、
日本人は「戦闘力を持つ組織」に対し警戒心や猜疑心を抱きやすいことが原因と思われる。
また、防衛チームも多くが国家公認の組織であるため*18、彼らのような市民がいないと、防衛チームも成り立たないのも事実である。

こうした市民感情との軋轢が防衛チームの足を引っ張ってしまった例もある。

『ウルトラマンエース』では、エースの引き渡しを要求するヒッポリト星人に立ち向かうTACに対し、
星人の被害を受けた一般市民からの「エースを渡せ」という電話が殺到したり、
「地球を明け渡すことと自分達が星人の奴隷になることは話が別」などという暴言を吐く一般市民までいた始末だった。

『ウルトラマンタロウ』では、キングゼミラを閉じ込め寿命(1週間)を待っていたところ、
「鳴き声が我慢できない」という理由で檻を燃やし、逃がして自ら被害を大きくした一般市民たちがいた。

また、市民感情はしばしば上層部と同調し、市民感情に沿った対応を取る上層部と、現場主義の防衛チームの軋轢の原因となる。
宇宙人への恐怖から平和的な宇宙人に過酷な対応を取ったネリル星人キーフのエピソードや、
地球を覆い尽くしたドビシやゾグへの恐怖から戦闘をやめようとしてしまったエピソードは、見方を変えれば一般市民と防衛チームの軋轢の一つの形である。

なお、ウルトラマンXのXioの場合は作中で「激撮!Xio密着24時」という番組が放送されていた。
序盤でも一般市民が拠点のオペレーションベースXに見学に来ている描写もあるため、
世論への対応はかなりきっちりしていると思われる(見学コースにはファントン星人グルマン博士に会える! というものも存在している模様)。

ウルトラマンオーブのビートル隊は劇中でもその全容が世間に中々明らかになっていないことから、
SSPのメンバーのシンから「機密機密で隠し事ばっかり」と言われており、かなり閉鎖的な秘密組織となっている。
また、『忘れられない場所』では、サンダーブレスターの一件が原因となり、国民から「ウルトラマンオーブは正義の味方ではないのか?」「オーブも怪獣と同じ存在なのか」と疑念や不信感の声が上がり、更にオーブへの非難・批判の声が殺到、国会の前では「オーブを許すな!」というデモが起こる大惨事となったことも。

TLT及びナイトレイダーは、相手にしているスペースビーストの性質上、存在そのものが高度に隠蔽されているため、
一般市民は支持も批判もできなかった特殊な例である。

AIBも同様に世間からは隠蔽されているが、一方で、ウルトラマンジードは「ジジーは見た目がドーにも好かん」と、その見た目から世間から冷たい目で見られることもあり、
テレビ番組での世論のジードへの反応がたびたび描写された。時には、リクがそれによって不貞腐れてしまったことも。
ちなみにジードの場合、レム経由で世間に名前等をジード側から知らせているため、意思疎通ができる相手と認識されているのも大きい様子。


【防衛チームの暗部・不祥事】

防衛チームは、作中では「正義のチーム」として描かれているのではあるが、
その一方で、地球を守るための行動の過激化、組織の保身のための非人道的行為が行われた事例が数例存在する。

特にウルトラ警備隊の属していた地球防衛軍(TDF)は、このような暗部がよく描かれた組織であった。
昭和期における、新兵器実験(とは名ばかりの外宇宙に対する見せしめ)のために、罪も無い惑星の生命を滅ぼした「超兵器R1号」*19、過去に外宇宙から襲来した人類に住処を追われ、海底で生活していた先住知的生命体を独断で滅ぼした「ノンマルトの使者」は有名である*20

また、平成期では、地球に侵略者が襲来しないよう、知的生命体の存在する惑星に先制攻撃(=侵略)を行う「フレンドシップ計画」を進めるなど、
「防衛」とは名ばかりの悪行に手を染めている。

その他の組織では、
科学特捜隊がパリ本部からの指令とはいえ、一人の宇宙飛行士を宇宙怪獣として始末し、某国のスキャンダル隠蔽に加担
MATは善良な宇宙人と、共に暮らす地球人の少年を標的にしたヘイトクライムに対し、何の対処もしなかったために宇宙人は死亡、それによって怪獣が出現して被害を拡大させてしまう。
TACは休眠状態にある侵略宇宙人を一部の隊員が復讐心から無断で攻撃して目覚めさせる
長官が自分に反発した隊員を有人式の超光速恒星間弾道ミサイルの操縦者に選び、操縦ロケット部分の離脱ができないというミサイルの欠陥が判明してもそのまま運転を続行する命令を与える
ZATが訓練に巻き込まれた怪獣を助けるはずがミスを犯して逆に苦痛を与えてしまい、怪獣を暴走させてしまう
MACが逃げ遅れた市民を助ける努力もせずに見殺しにする命令を出し、それを無視して救助活動を行い更に怪獣の弱点まで見つけた隊員に、他のメンバーは軽蔑や哀れみの視線を向けながら筋違いの非難を浴びせ、更に弱点を説明されても「そう簡単に背後を見せるわけがない」と一蹴した*21
といった事例がある。

これらの防衛チームの暗黒面は、隊員たちの心を良心と任務の間で引き裂き、苦悩させる。
そして防衛チームやウルトラマンの「正義」とは何かを視聴者に問いかけるものとなる。

また、変わったところでは、組織その物は関わっていないものの黒幕が内部に潜んでいたナイトレイダー、
そもそも侵略者が自分以外の侵略者を排除する事を目的に組織したDEUS等がある。

中にはそのようなテーマ性とは無縁な、高官による危険物処理失敗を隊員に隠蔽工作させたらそれにも失敗し、怪獣を出現させてしまったGUYSの例のようなアホなものもあるっちゃあるが。
結果論とは言え「(サコミズ)隊長に正直に知らせた方がいい」と判断したミライは一歩間違えばトリヤマ懲戒免職の引き金を引くことになっていた。*22
…シリアスな場面では有能なんだ。ギャグ回ということで大目にみよう。


【防衛チームによるウルトラマンへの攻撃】

防衛チームとウルトラマンはお互いに頼れる仲間たちなのであるが、
長いウルトラシリーズの歴史の中においてウルトラマンへの攻撃を敢行したチームがいくつか存在する。

洗脳されたケースも含めればMATが最初であるが、自分たちの意思で攻撃を加えたチームはMAC、ウルトラマンを敵とみなして攻撃したのはUMAが最初となる。

このケースについての談義になった際、真っ先に名前が挙がることが多いのがナイトレイダーである。
彼らが戦う相手であるスペースビーストは人類とは生体の根本からして相互理解不可能な敵であり、その関係で序盤はネクサスを敵とみなして攻撃を加えたり、
ネクサスに命を救われた経験のある孤門が味方だと訴えても反発したりとウルトラマンも敵とみなしていた期間がかなり長かった。
現場要員であるナイトレイダーがネクサスを味方と認めた後も上部組織であるTLTはまだ懐疑的な態度をとっており、
遂には、適応者を拘束して人体実験まがいの行為を行うという後にも先にも例のない行為に手を染めたことすらあった。

大体の場合、これらのチームはM78ワールドとは別の世界で活動している場合が大半を占めているが、
彼らにとってはウルトラマンは怪獣となんら変わらない未知の存在であり、敵対的判断を下すのもある意味では間違っていないのかもしれない。
実際、W.I.N.Rのサンダースは初めて現れたパワードを見て「俺たち、友達に見えますかね? それとも虫けら…?」と言っている。

また、メビウスではそれまでの歴史上「味方であるウルトラマンは赤い」ということこそ認識されていたものの「青いウルトラマン」は未確認であったため、
復讐のために戦っていたハンターナイトツルギ及び彼が本来の姿に戻ったウルトラマンヒカリは、市民や上層部からは当初敵視されていた。

しかし、ウルトラマンはそれでも人々を守り、防衛チームのピンチを救う。
その姿を見た防衛チームは次第にウルトラマンへの信頼を強めていき、そしてやがては頼れる戦友となっていくのである。

少し変わった例としてはMACがあり、分身能力を持ったフリップ星人戦において、
モロボシ隊長がレオに心眼を使わせるためにマッキー3号でレオを攻撃し、怯んだところで顔に泡を浴びせかけて視界を奪っている。

また、ビートル隊はオーブが一度勝ち取った信頼をある事件で一度台無しにしたことから、「次、ウルトラマンオーブが出れば攻撃をするかもしれない」という声が上がり、17話では前よりはマシとはいえ暴れっぷりを見せたため、ついにはビートル隊にまずはオーブに攻撃を集中するように指示が下り実際に攻撃する事態に*23

この時のビートル隊が(一部の音声のみのため)組織としてどんな判断が行われたかの全容は不明だが、出撃するビートル隊のパイロットが指揮官に「本当にいいんですか…!?」と戸惑いながら問うと「いいんだ!!」と返答され苦渋の決断を強いられる描写があるため、少なくとも現場のパイロットは攻撃命令に戸惑っており、組織の方針というよりは世論を意識し過ぎた上層部の判断という方が正しいと思われる*24

この手のお約束を逆手に取ったのがニセウルトラマンガイアとXIGで、見た目を完コピして1人で現れた偽物に対する攻撃命令が下され、戦闘機パイロット達が困惑するという場面があった。*25



【余談】

以上のように様々な個性のある防衛チームだが、防衛チーム談義になった時のお約束として

最弱のチームはMAC*26
一番就職したくないのはTAC*27

というのがある。その逆はなかなか結論が出ないのもお約束である。

一応、あえて「最強なのはどの防衛チームか?」「入隊したいのはどこか?」という話題になれば、
  • 怪獣撃破数がダントツで多い科学特捜隊やZAT
  • 等身大の宇宙人や宇宙船・円盤群を多数撃破したウルトラ警備隊
  • 特空機のおかげで本編でもウルトラマン無しの撃破例があるし、更には前日談で長年対怪獣組織として活躍してきた実績もあるストレイジ
などが強豪チームとして名を馳せており、ZATのように職場の雰囲気が明るく隊員同士も仲良しな所に入隊したいと言われている。
  • 科特隊のムラマツやウルトラ警備隊のキリヤマなど隊長の人徳や統率力
  • ウルトラ警備隊のように上層部が話の分かりやすい人達
  • 科学センターの岩本博士といった外部組織のバックアップや連携
  • 問題のある外部や上層部から横槍や無理難題を押し付けられても対応できる政治力
といった要素もチームが評価されるポイントとなっている。
そのほかオーバーテクノロジーを有したチームの人気も根強く、やはり結論が出ないといえる。

また、防衛チームをドラマとして見た場合、「子供に媚びない、本気の大人の芝居をする」という方針が、初代『ウルトラマン』の時代から確立されている。
これは科特隊のムラマツキャップを演じた故・小林昭二氏*28が共演者に対して提案したのが始まりで、以後の作品でも脈々と受け継がれている。

このため、真面目な顔で難解な用語を並べる人物は多いし、大人向けドラマでも通用するような本気のアクションが展開される作品も多い。
防衛チームが登場しない、或いは主人公が防衛チームに所属しない近年の作品でも、この傾向は受け継がれている。




追記・修正はTACの高倉長官以下、山中、今野、(初期の)西条凪、石堀とMACで戦い誕生日パーティーをしながらでお願いします。

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最終更新:2025年03月23日 15:54

*1 「シナリオ上の~」だとブティック・クワトロMになるが、本作では特にウルトラマンとしてと素顔の人物としてが線引きされており、クワトロMとしては終盤のあるどんでん返しまでまったくと言っていいほどウルトラヒーロー業に関与することはなかった

*2 ちなみにアイゼンテックも防衛組織ではないが、社長の愛染マコトはウルトラマンオーブダークを助ける防衛組織の設立を計画していたらしい

*3 しかもチームUはメンバー全員が女性で、かつあるネタバレ事情を考えれば特殊な人事ゆえとも言える。

*4 異星人が持ち込んできた兵器など、地球以外のコミュニティ由来の兵装。一部の「設計上はスペシウム光線と同威力」とかが該当しているようだ

*5 ウルトラ警備隊のモロボシ・ダンは元々ドライバーから入隊して成長するという設定で始まるはずだったが、演者の森次氏が運転免許を撮影開始当初は持っていなかったので設定を変えられた。ただし、作中ではポインターを運転している場面が非常に多く、偽装したラリー車も運転している

*6 さすがにヘビクラ隊長は先に触れた理由からほぼ毎回気づいていると思われる

*7 単なる「現場の責任者」には認められないはずのドキュメント・フォビドゥンのその場での閲覧権限があるなど、長官の正体はGUYSメンバーにも明かされていない話と合わせると推測できる描写は存在したが

*8 簡単に言うとチームの装備の試験の際にミスった上、それでほぼ事故のように生まれちゃったのがリムエレキングのため。トリヤマもさすがに「だから何が起こるかわからんので殺します」は口がスキューラ並みに裂けたとしても言えなかったのだろう。…「何が起こるかわからん」については、ふざけたり怒ったりしてスタッフを(ギャグ描写として)感電させてしまうという形で当たってしまったが。

*9 実際、TACやMAC等は怪獣などに撃墜されても次の回には何事も無かったかのように登場するなんてことが頻繁にあった。

*10 といっても指揮の優先権が航空隊側の指揮官ではなくゲント隊長たち側にある可能性の高いシーンが多く、事実上SKaRDが飛ばしている回は珍しくない

*11 UGMのゴリゴンUGM及びスカイハイヤーの戦車形態、XIGのMLRSバイソンとGBTスティンガー、ナイトレイダーのメガキャノンチェスター、Xioのランドマスケッティ、ストレイジのキングジョー・ストレイジカスタムのタンクモード。この内UGMのものはいずれも未登場。尚昭和シリーズにおける地球防衛軍や、コスモスの統合防衛軍などは通常戦車を数多く配備している

*12 ただしこれらの機体は特殊”空挺”機甲、つまり空輸による投入を前提とした名前で、単独での飛行機能を持つ。

*13 そもそも主人公・光太郎の休暇描写のほとんどは確実に「基地からそんな遠くないエリアの市街地」である。なんせ「一応出勤できますけどなんか変わったことないですか」「無いからゆっくりしなよ」が日常ギャグ描写になるレベルなんで…

*14 地中鮫ゲオザークを開発したサイテックコーポレーションという例外もあるが

*15 PCソフト『空想特撮シリーズ ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ!」』は防衛軍の下部組織とされている

*16 明確に「侵略者」である場合はムサシもコスモスがコロナモードになるのを制止することはないし、自身も怒りをあらわにすることは多い(ノワール星人の回に至っては声を荒げている)。西条もEYES側との議論や意見交換を重要視している、ムゲラの見送りに参加するなど「最終的に攻撃指示がいらずに済めばそれに越したことはない」「EYESの案件だけで終わればそれは良いことである」と考えている描写は多い

*17 フブギララの場合は、完全に市民側の言いがかりだが。

*18 そもそも、もし国家公認ではなかったら、あんな大規模な基地の建設や最新技術を使った装備なんて作れないし、予算も出てこないだろう。

*19 六ヶ月にわたる事前調査で「生物はいない」と判断されていたが、そういう問題ではないだろう

*20 もっとも、ノンマルトについては人類の潜水艦を強奪したり、それを使って海底開発の関係者とは無関係の街を襲ったり、相手が碌に話し合いもせず、公的な声明も出さずにいきなり攻撃を仕掛けてきたということは無視できない。また、ノンマルト側の主張が「正しい」とされているのは後のシリーズとはパラレルワールドとも言える平成セブンでの設定であり、「ノンマルトの使者」における描写では海底都市を完全に破壊したこともあって真相は謎となっている。

*21 ベキラの事件。その隊員も命令無視で救助活動を行ったのは事実だし、非難を浴びせる隊員達を咎めない隊長にも問題はあるが

*22 ただしこの時点ではミライどころかトリヤマですら「サコミズ隊長が総監を兼任している」ことは一切知らない。「アーカイブ内でも特に強いものと同種の怪獣が出現する可能性高し」である以上、CREW GUYS全体を動かしての対応を進言しているミライの判断は…地球人の人情として適切なものであったかは間違いなく疑問視されるだろうが…防衛チームの対応戦略としては自然な考えではあるだろう

*23 この時、怪獣であるゼッパンドンよりも先にウルトラマンが狙われたが、ゼッパンドンはこの時は特に人的被害を与えていないため、前回まで暴れたオーブから狙われるのは妥当とはいえる

*24 実際に17話のラストでは世論がオーブを再び支持したことで撃退方針をあっさりと撤回している

*25 本物が後から出てきて偽物の化けの皮を剥いだため、パイロットたちは迷いを振り払って全力で攻撃している。

*26 怪獣撃破実績がほぼ皆無で、殉職者が非常に多く、更に仲も(序盤の話とはいえ)ギスギスしていて、最終的には全滅したため

*27 とにかく人間関係が悪いため。ただし、戦果はそこそこ挙げてる上、北斗の方にも問題行動が多いこと、根は自分の命に代えても仲間を救おうとする強い絆も持っていることは無視すべきではない

*28 小林氏はレギュラー出演者の間でもリーダー的な存在であり、ドラマの中のみならずカメラが回らない場所でも「キャップ」として親しまれていた