フリージ公国

登録日:2017/09/02 Sat 06:40:11
更新日:2023/12/16 Sat 02:04:32
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フリージ公国とは、ファイアーエムブレム 聖戦の系譜ファイアーエムブレム トラキア776に登場する家系である。
なお、書籍によっては「フリージ侯爵家」と記載されることもあり、ファンからは「フリージ家」と呼ばれることも多い。
当項目では公式サイト「ファイアーエムブレムミュージアム」の記載に従い、フリージ公国で統一する。



【概要】

グランベル王国を治める公爵家の一つ。
グランベルの最北西、アグストリア諸侯連合に最も近い場所に位置している。
グラン歴776年、いわゆる聖戦子世代では正反対の方角、ユグドラル大陸の南東にしてトラキア半島北部、マンスター地方の統治も任されていた。
レプトールは反乱成功の暁にはユグドラル北西部のアグストリアの王の座を約束されていたが、アルヴィスの裏切りとレプトールの死によりそれはなくなったようだ。

出番がないだけで、分家の人間にアグストリアの領権を譲っただけかもしれないが、
アグストリアと元々保有する軍などを含めるとグランベルに対抗できる程の勢力となる。これにドズル家やトラキアなども追従した場合はいかにグランベルとて危険である。
アルヴィスは大陸の国家を統一して差別のない善政を敷きたいという野望もあって、レプトールを裏切って逆賊として扱ったため(まあ逆賊であることは事実だが)、
アグストリアの王とする密約も握りつぶされたと見るべきだろう。


なお、マンスター地方に当主のブルームが居ることについては、
マンスター地方はレンスター王家の生き残りがどこかに潜んでおり、更にマンスター地方を獲得したことで戦後はグランベルとトラキアの仲も冷え込んでいたことから、
聖戦子世代では屈指の危険地帯となっているため、王自ら挑むのは責任者としては当然といえる。

雷戦士トードの血を引く者たちであり、雷魔法の扱いに長けている。
中でも王族直系の者が扱う神器『トールハンマー』は絶大な威力を誇る。
また、トードは魔法騎士の名も冠しており、魔法だけでなく剣術の扱いにも長けた戦士が多い。
騎兵、重装兵も数多く擁している事が特徴で、精鋭騎士団「ゲルプリッター」の存在は他の王家の騎士団とは一線を画している。
なお、ゲルプリッターのゲルプは黄色を指しており、フリージの黄色を表している。
ゲルプリッター以外にも、確認できるだけで少なくとも30の軍団が存在しているため、軍事力は抜きんでていると言っていいだろう。

美しい銀髪とスキル「怒り」を持っている者が多いのが特徴。



【主な人物】

レプトール

フリージ公国当主にして、グランベル王国の宰相を務めている。
しかし、クルト王子がシアルフィ家のバイロンを重用することから自分の立場を危ういとみて、ドズル家のランゴバルトを唆して反王子勢力を結成した。
つまり、ある意味では彼がこの物語の元凶の一部といえる。
イラストでは細身の老人であるが戦闘では鎧を着こんだバロン
親世代最後のボスであり、実質ラスボスともいえるか。
それに恥じぬ非常に高い能力を持ち、魔力はなんとクラスの限界を超えカンスト値の30。
これまで戦った聖戦士に比べてもエルトシャンと違い3割の確率で発動する「大盾」がある、ランゴバルトより攻撃の命中率が圧倒的に高く魔法なのでダメージも大きくなりやすい、と攻守共に強力。
お馴染みボスキラーの必殺武器で攻撃しても大盾に阻まれ回避困難+高火力の反撃で一転窮地に追い込まれる可能性があり、よほど魔防が高くないと油断ならない相手。
弱点は魔防が少し控えめなのに加え、運が0なこと。彼のその後の運命を考えれば納得できるが。
レヴィンフォルセティなら本人の強さに加えて3すくみでも有利、因縁的にも王道なティルフィング持ちシグルドなら魔防+20の補正も付くので安定して倒しやすい。
ちなみにレプトールに限らず親世代のキャラクターは全体的に幸運が低めではある。これも当然と言えば当然か

歴代で初めてモノクルを身に着けたキャラでもある。
悪の元凶だが、実の息子レックスにも容赦なく戦うランゴバルトと違い、ティルテュとの戦闘時には驚きを露わにするなど、娘への愛情はあった様に見える。
が、結局のところフリージ家の名誉のために手にかけようとするところはランゴバルトと似たもの同士か。
またマンフロイ曰く、レプトールやランゴバルトがいくら強欲でもロプト教団の存在を許しはしなかっただろうとのこと。
つまり、野心こそあるがこの世界における常識的な思考を持っていたと見ていいだろう。

ブルーム

レプトールの息子。ティルテュ、エスニャの兄にあたる。
やはりバロンの称号を持ち、トールハンマーを継承している。
初戦では神器を持った彼と戦わなければならないが、レプトールと違い魔力自体はさほどでもないので一発耐えられるキャラがいれば安定して戦える。
2度目の戦闘では娘のイシュタルに預けたまま戦いに臨んで散っていった。哀れ。
本編上では悪役でレプトールの策謀により、漁夫の利の形でマンスター地方を楽に手に入れることに成功した*1が、
フィンの活躍でリーフを見逃してしまい、レンスターを狙っていたトラキアからは睨まれ、ついでに暗黒教団の昔の本部が近くにある…。
(イード砂漠は色々な意味で危険地帯で一般人の通行は困難)
当然リーフ達、レンスター王国関係者からはトラキア王国と同じぐらいに憎まれている。と、周囲がこれでもかと敵と厄介者まみれである。
加えて、強大な父と有能な子供たちに、親殺し且つ裏切り者の妹達と非情な妻に挟まれ、良くも悪くもユリウスに娘を目に付けられていることもあり、実はかなりの苦労人と言える。その髪の色ももしかして若白髪なのだろうか。
妹達をヒルダと一緒にいじめてもさほどおかしくない立場だが、いじめには関わらなかった模様(フォローもあまりしなかった説や、フォローはしたかったようだが、ヒルダの権力が強すぎて敵わなかった説などがある)。
なんだかんだあってもティニーを育てていたあたり、色々と思うところがあったのかもしれない。

ヒルダ

ブルームの妻。
見るからに高慢な姿で、性格もきつい上に冷酷かつ残忍。バーハラの悲劇の後に裏切り者のティルテュやエスニャを苛め殺したほど。ブルームはこいつのどこに惚れたんだろうか
また、ユリウスに取り入るためにイシュタルをあてがう他、子供狩りも率先して行っており、泣き叫ぶ子供であろうと、それを取り返そうとする親であろうと容赦なく手にかける。
当然ながら聖戦プレイヤーからはマンフロイと同等かそれ以上に満場一致で嫌われており、終章ではいかにして撃破してやろうかと頭を巡らせる人も多数いる。
雷に弱い炎魔法がデフォルト装備であるため、特に因縁のあるアーサーティニー、アミッドリンダの兄妹で敵討ちをさせたいところ。アーサーとアミッドが風魔法を主体としていた場合には要注意。
ゲームでは唯一のクイーンである(もう一人存在するが、そちらは闘技場のキャラ)で、ステータス・指揮レベル共に高くボルガノンの低性能を補って余りある強敵。
ちなみに、本来はヴェルトマー家の人間らしく、ファラの血を引いているはずなのだが、ゲームでは明らかに関係ないであろうダインの血*2をひいている。十中八九バグ。

ティルテュ

レプトールの娘。アゼルとは家の関係で昔馴染みである。
エッダ家の神父クロードに憧れ、彼と行動を共にするうちにシグルドらの軍に加わることとなった。
難しいことは考えない明るく子供のような性格だが、父との仲は悪く無いため、内心では父と争うことに心を痛めている。
元々シグルドに助力しようとしていたわけではないが正義感は強かったため、クロードに倣ってそのままシグルド軍と行動を共にした。
また、バーハラの悲劇の後はシレジアに身を寄せていたが、
ヒルダによって娘のティニーともども連れ戻された後は持ち前の明るさも失われ、いつも悲しげな顔をしていたと語られている。
独身男性最後の砦だがカップリングの罠も多い魔性の女。

エスニャ

ティルテュの妹。ゲームには未登場。
父や姉とは違い、茶色の髪をしている。
子供の境遇を見るに、シレジアに渡って男性と結ばれたらしいが、その後はティルテュと同じような人生を送ったと言われている。
なお、トラキア776に登場するミランダの母、アルスター王妃や、ユグドラルに伝わる大地母神の名も同じだったりする。

イシュトー

ブルームの長男にしてイシュタルの兄。通称タケシ
しかし長男なのに聖痕が現れずトールハンマーを継承できなかったという悲劇の男。
だが聖痕はなくとも戦士としての実力は非常に高いと評判で、実際ゲームでも少々厄介な配置や装備をしている。
ティルテュの使用していたトローンを持つが、その際のは彼には反映されないこともある意味不幸。
子世代前半に登場するせいで、後半に出てくるボス達に比べてステータスそのものはそれほど高くない。
イシュタルと同様、子供狩りに反対し、ティニーとリンダには優しかったという善人なのだが、セリスらとの戦いを避けることはできなかった。
ライザという副官兼恋人がいるが、別々に出てくるためラブラブアタックは発生しない。
しかし地味にライザの撃破前後でセリフが変わるあたり、流石に凝っている。
ゲームでは糸目なのだが何故か旧TCGのイラストでは開眼している。

イシュタル

ブルームの娘にしてトールハンマーを受け継ぎ、雷神の名を冠する王女。
こと戦闘においては苛烈な一面を見せるが、子供狩りに反対し、ティニーやリンダにも姉のように優しく接していた。
ユリウスの愛人で彼女もユリウスを愛しているが、彼の非道を止める事ができず、その板挟みに最期まで悩み続けていた。小説版では彼の子供を身籠っていた模様。
何度も戦うことになるが、どんどん強くなっていき、最終的には高いステータス、トールハンマーの命中率、発動率5割の連続で容赦なく事故死を誘発させる、ある意味最強の敵。
また、終章では親衛隊として強力なペガサス三姉妹がいる事も彼女の強さを印象付けている。
下手すれば三姉妹の方が強いという話もある程。
一応単騎ならばイシュタルの方が概ね恐ろしいだろうが、見切りや大盾がない事やサイレスが効くことなど、突破口は用意されている。
ちなみにその3人はバーハラ王家に使えるヴァイスリッターの一員であり、フリージ家との直接的な繋がりがあるわけではない。

アーサー

ティルテュの息子。
マイペースな性格で、シレジアからトラキアまで徒歩で渡るという無茶なことをやろうとしていた。フィーに出会えてよかったという他ない。
妹のティニーのことをいつも気にかけていて、無謀な旅路での登場も彼女を探すため。その描写のせいかアンソロなどでは度を越したシスコンになったりする…。
父によって大きく使い勝手が変わるキャラで、中でもレヴィンを父としたフォルアーサーは語り草となっている。

ティニー

ティルテュの娘にしてアーサーの妹。
ヒルダに母共々いじめっれていたことから普段はおとなしい性格であるものの、
ヒルダに対しては明確に殺意を露わにする過激な一面も持っている。
ヒルダはあまりにも酷い女なので当然と言えば当然だが。

アミッド

エスニャの息子。
フリージ家でも珍しい緑の髪を持っており、エスニャがシレジアに渡った際に設けた子ではないかと思われる。
シレジア育ちらしく、彼自身もウインドマージとして風魔法を得意としている。
ちなみに、聖戦の系譜でウインドマージとして仲間になるのは彼のみ。
しかしアーサーと違ってマージナイトではなくマージファイターになるため、進軍速度で損をしてしまう可能性も高い。
スキルも「連続」しか持ってないのが辛いところ。
ついでに見た目のせいで若くして前髪後退だとか言われてしまうかわいそうな人。

リンダ

エスニャの娘で、アミッドの妹。
アカネイア大陸に同名の女性魔道士がいたと考えるのはエムブレマーならば誰もが通る道。髪の毛も茶髪だしね!
兄と違い、ひそかに怒りとエリートを持っている。その為か、アミッドとは本当に兄妹なのかと思う疑惑も…
トード傍系のサンダーマージなのでCC前から雷レベルAのトローンが使えるという利点もある(ティニーは雷B)など、優秀な点は多い。

ラインハルト

雷戦士トードの再来とまで言われるほどの騎士。
雷神の右腕として幼少よりイシュタルの世話役をしていたが、ユリウスに疎まれたためにトラキア半島に左遷させられていた。
性格は高潔だが、そのためにかえって味方になることはなかった。妹には甘いが、やはり味方にはならない。
待ち伏せ大盾連続突撃と、これでもかとスキルを詰め込んだうえで指揮レベル、再行動レベルも高い。
更に2回連続攻撃のダイムサンダ(とマスターソード)を放ってくるトラキア最大の問題児。
しかし救済措置的な妹とのイベントがなくとも、トラキアで猛威を振るう杖の前には…。正面対決?やめておけ。
イシュトーやイシュタルの件と言い、フリージ子世代は才能の宝庫である。
ついでにいうとFEHでも鬼のように強い。

オルエン

ラインハルトの妹。
アーサーとは逆に兄を慕っているブラコン枠だったが、ケンプフに捕えられたことでフリージの闇を知り、それを止めるべくリーフに協力した。

フレッド

オルエンの副官。
まだ若い彼女に忠誠を誓う騎士の鑑。ついでにいかづちの剣を最大3本も持ってきてくれるありがたい人。
戦いの後、周囲が驚くほど年の離れた女性と結ばれたらしいが……まぁ、そういうことなんだろう。きっと。

ケンプフ

フリージ軍第12軍団の軍団長。
みんな大好きナーシェン系男子の先駆け。
歪み切った性格の持ち主であり、ラインハルトへの嫉妬からオルエンをいびる日々を送る小物。
強力な武器であるマスターソードよりもどくの剣を愛用するあたり、その性格は徹底しているといえよう。
なお、ルートによってはいつの間にかフェードアウトしてしまうということも有りうる悲しい一面も持っている。

イリオス

フリージ軍所属の平民。
平民でありながらフリージ軍第15軍団の軍団長を務めるほどの実力の持ち主。
だが、それがもとで嫉妬を買い、彼自身も貴族に対して強いコンプレックスを抱いている。

アマルダ

フリージ軍第10軍団の軍団長を務める将軍。
アルヴィスにあこがれて軍人となるも、やはり子供狩りには否定的で、ひそかに子供を開放していた。
クラスはパラディンだが女性なので、ナンナエスリンのように槍ではなく杖を扱うことが可能。
それも後半参入とは言え、最初から杖レベルがCと中々高く、指揮や再行動にれんぞくまで持っている優秀なユニット。ナンナが疲労している時の代役として便利である。

ムハマド

聖戦8章にて戦うことになるアーマー部隊の指揮官。
ジェネラルなので大盾を発動してくるため確殺がやや難しい事以外に言うことはない……と思いきや、何故か顔がシャガール(アグストリアの王族)そのままで色違いですらないという謎の個性を持つ。

オーヴォ

同じく聖戦8章にて戦う騎馬部隊の指揮官。
エルサンダーを使うマージナイト。
バックボーンは特にないボスなのだが、顔グラが何故かオンリーワンで、彼以外に使いまわしと色違いが存在しない。

ヴァンパ・フェトラ・エリウ

聖戦7章、8章で戦うマージ三人組。
フリージ軍にしては珍しくファイアマージ・サンダーマージ・ウィンドマージの3人セットという構図になっている。
何故か近接武器にも平気で隣接攻撃をしてくるが、うっかり囲まれるとトライアングルアタックを狙ってくるため要注意。

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最終更新:2023年12月16日 02:04

*1 別な見方をすれば、ブルームのおかげでレンスターはトラキアからの襲撃を防げていたともとれる

*2 ダインはトラキアを建国した竜騎士であり、ヴェルトマー家の聖戦士ファラとの関連性は薄い。