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ベルモット
作中でボスと個人的なつながりを示唆されている組織の幹部。
彼女自身もそれなりの高齢でありながらかなり若い外見をしており、加えて誰にでも化けられる高い変装技術を持つ。
安室の漏らした台詞から、彼女自身がボスである可能性とは別に、既に故人であるボスのフリをして組織を牛耳っているという可能性もある。
ただし、この説についてはベルモットがジョディ・コナン・赤井と対決してから逃げ仰せた後、車の中でボスからメールを受け取った際に「OK…ボス…」と呟いている点が矛盾する。
一応考え方として、本編中のある時点まではボスは存命していたものの高齢故に息を引き取ったためベルモットがこっそり後を継ぐようになった…ということであれば辻褄は合わなくも無いかもしれない。
ただし、『黒鉄の魚影』においてもベルモットが秘密裏にボスとメールでやりとりするシーンが登場しているので、やはりボスはちゃんと独自に存在していると考えるのが妥当だろう。
◇宮野厚司
灰原の父親。妻・エレーナ共々数年前に事故死したとされている。
薬学の権威であり、ベルモットが憎んでいる「シェリーの両親の研究内容」とも合致する。
灰原の「ただでさえ信じがたい人物が浮かんでくるかもしれない」というセリフから、「まさか貴方でも私の父が黒幕だなんて予想もしないでしょう?」という意図の言葉だった説あり。
阿笠博士は、過去に発明品の発表会で彼に何度か会ったことがあり、「気さくで感じのいい男。自分の発明品も気に入ってくれた様子だった」と言っている。
しかし、自分が何の研究をしているかは阿笠には一度も話さず友人達に「自分の理論を認めてくれたスポンサーの大きな研究施設に行く」と話しており、
スポンサーというのも間違いなく黒の組織のことだと思われる。
顔は当初は明確に描かれておらず、『迷宮カクテル』での安室の回想で初めて容姿が判明した。
◇烏丸蓮耶
『集められた名探偵! 工藤新一vs怪盗キッド』にシルエットで登場する人物。
半世紀前に99歳で亡くなった大富豪とされるが、黒色で七つの子の歌詞に登場する「カラス」を苗字に含む、彼の死亡した時期が組織の極秘プロジェクトを開始した時期と一致するなど、
少ない情報が悉く一致する点から有力視されてた。
◇常盤栄策
『ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間』で実質名前のみの登場(顔が出たのは1コマのみ)。
黒の組織が、衆議院選挙に出馬する土門康輝の暗殺を狙っていた際、
コナン達が想定したターゲット候補の一人。
元々薬学に携わっており、組織に関する情報操作をするべく社会的地位を得る為に出馬し、対立するであろう土門を暗殺依頼したと一部ファンから予想されている。
組織が土門の当選を何故妨害しようとしていたのか作中ではっきり明かされることがないままこの回が終わりを迎えたためにこのような説が流れた。
◇鈴木史郎
鈴木財閥会長。
彼の年齢は「51歳」であり、丁度プロジェクトが始まる「半世紀前」の前後の年に誕生した事になる。
また、鈴木家の家宝は「漆黒の星」という名前の「黒」真珠であり、鈴木財閥はこの真珠を購入した60年前に創立されたと語られている。
「組織の正式名称であの方が誰だか分かる」という条件に当てはまる。
(この場合、正式名称が「鈴木財閥」となる。あるいは「漆黒の星」辺りか)
また新一の親友である鈴木園子の父親であり、「信じ難い人物」という条件にも合致する。
しかし『漆黒の特急』の事件が起きた際、ジンが史郎の従兄弟にして財閥相談役である鈴木次郎吉の事を「鈴木財閥の親玉」と表現したためこの説も少し怪しくなってきている。
(史郎本人に言及した訳ではないので少々微妙)
◇阿笠定子
阿笠博士の伯母。76歳の「高齢」であり「50年前」に死亡した兄・栗介(阿笠の伯父)の面倒を見ていた。
後述するアーント・アガサに関しても、aunt agasa=阿笠おばさんという説も。
阿笠の伯父の屋敷で起きた事件での阿笠曰く「昨年亡くなった」というが、シャロン(ベルモット)のような例があるので本当に死んだとは限らない。
◇Mr.正影
人気マジシャン。作中における10年前に失踪し、そのまま消息不明となっている。
自分が考案したマジックのネタ帳を紛失してしまった絶望から蒸発したのではないかと言われていた(実際は弟子の一人にネタ帳を盗まれたためであり、その盗んだ弟子は正影のことを尊敬する別の弟子によって殺害された)。
黒を連想させる"影"の文字が名前に入っているのに加えて、更に正影自身が結局何を思って姿を眩ましたのか、その後彼はどうなったのかなどが作中で一切明らかになっていないままであることなどが根拠であった。
◇大黒連太郎
本人は登場していないものの不老長寿の伝説がある人魚の島の名簿に名前が載っていた。
名前が組織のイメージカラーの黒であること、
服部平次によると昔の日本を動かしていた大物らしいことから表向きの仕事ではないかという説もあり、
名簿には灰原(宮野志保)、ジン(黒澤陣)、ウォッカ(魚塚三郎)の名前もあったことから有力な候補として扱われている。ちなみにこの描写、作者曰く「…伏線です」とのこと。
また組織の一員であるテキーラが絡んだ事件に大黒ビルという建物が登場している。
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ジェイムズ・ブラック
FBIで赤井・ジョディらの上司。
ホームズの宿敵ジェームズ・モリアーティと名前が一致、名前に組織のカラーであるブラック、
赤井が来葉峠で死んだことがホームズがライヘンバッハの滝で死んだ点と対応する等が怪しかった。
(黒の組織のモデルはモリアーティ一味という説あり)
物的証拠は薄いものの有力候補の一人とされている。
しかし『
異次元の狙撃手』、およびその後の原作における描写から、黒幕である可能性はグッと低くなった。
そして『
ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』ではギャグシーンとして今までにない意外な一面も見せており、好々爺の面が多くなっている。
登場当初の彼の怪しい・頭の切れる姿は、FBIだと判明するまでのミスリードとして描きたかったものと思われる。
だが一方で、モリアーティ関連で一つ気がかりな情報があるのも事実である。
ジェームズ・モリアーティには名前が同じ兄がいるのである。そのため、ジェイムズ・ブラックにも全く同じ名前の兄弟がおり、
その兄弟があの方なのではないかという説がある。
兄弟である可能性がある人物として有力なのは、彼と顔が似ているランディ・ホークあたりか。ランディ・ホークとはジェイムズが初登場したエピソードに登場したアメリカ人男性である。
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円谷光彦
小学1年生とは到底思えない知識量、時にコナンを凌ぐ推理力・観察力などを疑い、
「光彦はAPTX4869を飲んで体が縮んだ組織のボスではないか?」とされることもある。
(たとえネタでも)インターネットでのあの方予想では決まって「光彦だろ」「光彦でしょ」と書き込まれることが非常に多い。
この説を主張する読者の間では原作35巻に収録された「消えた光彦」がターニングポイントではないかとされる。
実際この回では光彦が黒の組織の末端構成員であった沼淵と接触したり、大人用の切符を誤って買っていたり、沼淵に抱えられてコナン達と再会した際に「声がおかしい」と元太に突っ込まれたりと、
深読みできそうな描写がちょくちょく挟まれており、更に「原作ではこの事件以降、一度も光彦のモノローグがない」というメタ的な視点から、
この回で本物の光彦は組織に拉致され、幼児化・変装した「あの方」と入れ替わっているのではないかという説が唱えられている。
しかし冷静に考察すれば疑問点もある。仮にそうだとして、致死率が非常に高い表向きは毒薬とされている薬を自ら飲むのは自殺願望以外では考えにくい。
元々毒薬ではない何らかの薬として研究させているのだから毒薬と捉えていなくてもおかしくはないが、
作中の描写で体が幼児化する可能性があると知っていたのは灰原くらいであり、しかも追い込まれた結果自殺を覚悟してイチかバチか飲んだだけである。
そうなると光彦があの方だとする場合、APTX4869以外の事情で既に幼児化していてAPTX4869は解毒目的で研究されていた副産物…あるいはセットになるべきだった薬品の様な形になるだろう。
もっともここまで考えると幼児化した時期が完全に不明になるため、ほぼ全員にあの方の容疑がかかってしまうのだが(50年前という歳月があまり参考にならない)。
また、「あの方はチキンなのに光彦は作中危険によく巻き込まれているのはおかしい」というツッコミも。
なお、この説に対する否定意見として「光彦には教師の両親と、中学生の姉の朝美がいるのだが、この家族に関しての説明はどうなる」という声もある。
しかし、光彦黒幕説は上記のように途中から入れ替わっているという前提の元に成り立っているので、存在自体は問題ない(どうやって誤魔化すのかなどは問題だが)。
また、比較的重要性は低いはずの沼淵とわざわざ直々に接触しようとする理由があるのか?(事故?)など、度を超えた慎重居士ならやらない行動の数々から、現状は弱めの説になるだろう。