登録日:2017/09/18 (月) 17:25:28
更新日:2024/11/07 Thu 12:19:30
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松田陣平とは、漫画『
名探偵コナン』の登場人物。
概要
故人。警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係に所属していた刑事。殉職時の階級は巡査部長。
同係に配属される前は警視庁警備部
機動隊の爆発物処理班に所属していた。
そこに所属していた頃は
エースとして活躍し、複雑な構造の
爆弾もあっという間に解体したという。
爆弾を前にした時の口癖は
「この程度の仕掛け、3分もありゃ十分だ」だった。
年齢(享年)は推定20代後半で、
佐藤美和子に「君」付けで呼ばれていたことから、当初は彼女と同い年か年下だったと思われていた。
……が、後にそう呼んでいた理由について佐藤が「
刑事としては私の方が先輩だったから」と答えていることや、後述の経歴から、彼の同期の
伊達航と同じく彼女の一つ年上だったことが確定している。
名前の由来は、俳優の故・
松田優作と『
太陽にほえろ!』で彼が演じた柴田純刑事のニックネーム「
ジーパン刑事」から。松田が作中でよく欠伸をしていたのも、元ネタがよくそうしていたことからのオマージュらしい。
容貌
髪はボサボサで常にサングラスをかけており、スーツも着崩している。素顔は割と童顔寄り。
ちなみに顔は
高木渉と少し似ていて、
彼がカツラを被りサングラスをかけると松田そっくりになる。
その
そっくりさんぶりは周りも驚くほどで、生前の松田とは面識の無い
千葉和伸も写真を見て「目元を隠すと高木さんに似てるかも」と評した。
また、若い頃の外見は
快斗に少し似ている。
人物
一人称は「俺」。
二人称は、
幼なじみにして親友で同僚という気心の知れた間柄である
萩原研二に対しては「
萩」。
伊達航のことは「班長」、
降谷零のことは当初は「パツキン野郎」、親しくなってからは「
零」で、
諸伏景光のことは「
景の旦那」「
景」、警察学校時代の教場の教官だった鬼塚のことは「鬼公」。その他大体の相手には「お前」「あんた」あるいは苗字か名前の呼び捨て。
言動は荒々しく、それに加えて冷めた態度で周囲から反感を買いやすいが、
内には熱い心を秘めている。
そして荒々しい言動に違わずやはりワイルドな性格。
宮本由美いわく「顔だけは少し似ている高木と比べると、松田のほうが顔やワイルドさは10枚も20枚も上」らしい。
また劇場版では佐藤が「
柴犬とドーベルマンを足して2で割った感じかな」と振り返っている。聞いた
目暮警部と高木は面食らっていたが……。
さらに
優れた推理力も持っており、ある犯人が警視庁に送りつけた奇妙な暗号文を一目見ただけで瞬時に解き明かし、それが示す場所へすぐさま直行していた。
また本編ではあまり強調されていないものの、機動隊員であった事や『警察学校編 Wild Police Story』『ハロウィンの花嫁』での描写から体力面でも優れていると思われる。
加えて、自負するように人より指先が器用なほかメカにも詳しく、
携帯電話でメールを打つスピードも速かった。
その他、他人の車の中でも平気で煙草を吹かすなどかなりのヘビースモーカーでもあった。
本編での活躍とその最期
初登場は第36巻収録『悪意と聖者の行進』だが、本格的な登場を果たしたのは『揺れる警視庁 1200万人の人質』においてである。
本編開始から7年前。都内の高層マンション2箇所で発生した爆破事件を担当した際、萩原と別々の場所で爆弾の解体に挑む。
松田のほうはすぐに解体できたが、萩原のほうに仕掛けられていたものはタイムリミットまでに解体が間に合わず、警察は仕方なく爆弾犯の要求を呑んだ。
これによって爆弾のタイマーは止まったが、その後爆弾犯の男は逃走中に事故死し、男の共犯者によって再びタイマーが動き出す。
タイマーが停止した事でじっくり解体をしていた萩原だったが、タイマーが再び動き出すとすぐにその場から退避しようとする。
しかし間に合わず、萩原は爆発に巻き込まれて死亡。もう1人の犯人は特定できないまま事件は終わりを迎えた……。
萩原は松田にとって同僚で親友でもあったため、その仇をとるために事件後は爆弾事件を担当する特殊犯係への転属を何度も希望するようになる。
だが松田の事件に対する熱の入れようを見た上層部は「頭を冷やしたほうがいい」と判断し、一旦松田を同じ一課の強行犯係に配属する事を決めた。
かくして事件から4年後、捜査一課強行犯捜査三係に配属となる……が、行きたくもない部署に配属となったため、一課に来て早々悪態をつき同所属の刑事達の反感を買う。
その後は佐藤が彼の教育係となるも、強行犯係の仕事にはあまり意欲を示さず、事件の聞きこみもいつもの調子の荒っぽい態度で行ったせいで彼女に度々注意されていた。
そして転属から一週間が経った11月7日、運命の日。
3年前から1年おきに警視庁に送られてくる「大きな数字が書かれているだけのFAX」を爆弾のカウントダウンと考え、今回で必ず爆弾犯が動くと確信して今年のFAXが送られてくるのを待つ。
そのFAXは今までと違って暗号めいた内容のものだったが、それをすぐに解いて爆弾処理の道具を片手に杯戸ショッピングモールの大観覧車へと向かった。
到着後、観覧車のゴンドラの1つにやはり爆発物らしきものが仕掛けられているのを発見。佐藤の制止を聞かずにそれに乗り込んだ。
爆弾を見つけてすぐに構造を把握し、解体に取り掛かるが、その瞬間爆弾の液晶パネルにもう1つの爆弾の在処を示唆するメッセージが表示される。
それを見た事で爆弾犯の狙いに気づき、自分が今置かれている状況と2つ目の爆弾の在処の見当を佐藤に電話で伝える。
その後は爆弾を解体せず次の暗号を手に入れるために
自ら犠牲となる道を選び、ヒントが表示された瞬間に2つ目の爆弾のある場所を推理。すぐにその場所を佐藤の携帯電話にメールで送信した。
その直後ゴンドラの爆弾が爆発し、ゴンドラに乗っていた松田はそれに巻き込まれて死亡したが、彼の勇気ある決断は多くの人々の命を救うこととなった。享年26歳。
そして爆死する直前に送信していたメールでは、追伸で佐藤に「あんたの事割と好きだったぜ」と自分の本心を伝えていた。
松田の死後の出来事
親友の萩原の仇を取れないまま殉職してしまった松田だが、その生き様は佐藤達の心にしっかりと刻み込まれている。
だが、それと同時に彼の死はトラウマとして佐藤の心に深い傷を残すことともなり、彼女は「自分が大切に想った人はみんないなくなる」と感じ、自分に思いを寄せる高木を遠ざけようとした時期もあった。
しかしこの3年後、松田が追っていた爆弾犯を逮捕したことで、佐藤はようやく彼への思いを断ち切るとともに、その今際の際に送られてきたメールも削除できたのだった……。
このように既に殉職しているので、その後は佐藤の回想でのみ何度か登場するようになる。
当然
江戸川コナンは生前の松田と面識が無いものの、その活躍については佐藤たちから聞いてはいる。
同期
劇場版『純黒の悪夢』で、台詞は無かったものの劇場版初登場を果たしたとともに、警察庁警備局警備企画課に所属している安室透(降谷零)とは警察学校時代の友人であった事が判明。
安室に爆弾解体の知識と教訓を教えていたことで、彼はとある場所に仕掛けられていた爆弾を時間内に無事処理できた。
この設定は当初、青山氏は松田と安室の関係について「警察学校の同期だとは思うけど」と答えており、後に原作でも明言され、設定が
逆輸入されている。
降谷は松田の死後も、コナンとのやり取りの中で彼について言及する際には「
僕の友人」と称しているほか、後述の「焦りこそ……」のフレーズも口にしており、対立を乗り越え良き友となっていたことがわかる。
前者では安室の
回想シーンなどで登場したほか、後者では最初のメインを務めている。
学科と実技の成績はピカ一だったが、この頃は本編とは正反対の熱血漢だったことが発覚。
おまけに協調性に欠けるうえ不遜な態度のせいで、教官達からは鼻つまみ者のような扱いを受けていた。
安室=降谷ともこの頃は険悪で、優等生の彼が気に食わない松田はマラソンの時には張り合いまくり、さらに「
パツキン野郎」呼ばわりしては突っかかっていた。そもそも
第一話の扉絵で降谷と互いの顔が腫れるまで殴り合い、双方ボロボロになっているほど。
また萩原いわく「
解体魔」であることや、父親はプロボクサーだったが冤罪で誤認逮捕されていたことも判明、それ以来警察を毛嫌いしているという。
そんな経緯があるのに松田が警察官を志した理由は「
警視総監をぶん殴るため」という衝撃的なものだった。
よく採用されたな。
降谷とは上述のように不仲だった時期もあったが、和解してからは冗談を言って笑い合うようにまでなるなど仲は改善され、『警察学校編』終盤では爆弾の解体方法と、自身の信条ともいえる「焦りこそ最大のトラップ」との言葉を降谷に伝えた。
また、萩原編では教官の乗ってきた
マツダ・RX-7の話題になった際、「この車は自分のものではなく、元の持ち主である殉職した先輩刑事の娘が将来刑事になると宣言したのでそれまで預かっているものだ」と知らされた松田は「
刑事になりたいってんなら男勝りのジャジャ馬娘だろ?」と言っていた。
何の因果か、それから4年後には誰あろうそのジャジャ馬娘とコンビを組むことになるとは夢にも思わずに……。
劇場版での活躍
前述の通り、劇場版初登場自体は一瞬ながら『純黒の悪夢』で果たしているが、初めてセリフ付きで登場したのは『
ハロウィンの花嫁』においてである。
コナンは既に本編でも松田の名前と活躍は知っているが、本作において安室=降谷に同期と写った写真を見せられて初めて同期だったことを知ったとともに、松田の顔と名前が一致したものと思われる。
3年前の11月6日、萩原の墓参りの帰りに通った渋谷で、松田は降谷、伊達、景光とともに正体不明の人物と遭遇・対峙。
その人物の後ろにあった物体を瞬時に爆弾だと見抜いて、その大きさから炸裂した場合の被害規模まで予想してのけた。更に緊迫した状況の中でも、件の爆弾魔の取った行動から相手が単独犯であることも看破していた。
その後、降谷と応援に駆け付けた伊達と諸伏の3人に追跡を任せ、自身は現場にあった爆弾解体に臨む。一度は解除したと思ったところにまた作動し始めて絶体絶命の危機に陥るが、萩原がかつてした「あること」をヒントに切り抜け、降谷が負傷したものの全員生還を果たすことができた。
なお爆弾魔と出くわす直前、降谷と松田は現場に囚われていたロシア人と思われる男性を発見。
彼は相手に警察手帳を示したあと、「警察に止められたらこの名刺を見せろ」と告げるとともに、捜査一課に転属になってから受け取ったばかりの名刺を渡して解放した。
だが、この名刺が発端となり、数年の時を経て思わぬ事態へと展開していき……顛末は劇場版を参照。
余談
- 演じた神奈延年氏は、松田について「見た目も生き方もかっこよく、そして常に命を張っているから刹那的で、魅力満載のキャラクター」とコメントしており、「当時の僕が演じるには少し早いくらいの素敵な大人」と評している。
- 『警察学校編』のQ&Aによれば、解体用の工具をいつも持ち歩いているらしい。
また、初恋の相手は萩原の姉である千速だったといい、Twitter(現X)上で行われた企画においての「千速に松田はいつ告白したんですか?また、千速は松田に好かれてると気づいてたんですか?それとも告白された?」という質問への回答によれば「いつというか、事あるごとに「付き合ってくれよ」と言ってた。何回もフラレてると思う(笑)」とのこと。
- 『警察学校編』の作中で描写された逮捕術の授業では伊達に敗れており「ただの殴り合いなら負けねぇのによォ」と発言しているが、上記のQ&Aによれば「いい勝負だと思う。」とされている。
追記・修正は、爆発物処理班に所属していた方にお願いします。
- かっこよかったよなあこの人。安室さんの過去話が描かれるなら再登場してほしい。 -- 名無しさん (2017-09-19 00:40:49)
- 好きなキャラクターだから物語の核心にめり込んでくれたのが嬉しい -- 名無しさん (2017-09-19 15:03:47)
- また台詞つきで再登場してほしいキャラ -- 名無しさん (2017-10-01 09:42:56)
- 松田、バーボン、スコッチ、伊達が同期ってとんだ黄金世代だな -- 名無しさん (2018-05-13 21:32:22)
- ↑超優秀で日本警察の未来を担ったであろう親友5人組が降谷を遺して全員非業の死・・・・・・魂は高木刑事や佐藤刑事、安室さん達に受け継がれたとはいえ、警察学校の関係者さん達は本当に悔やしかっただろうなあ・・・・・・。 -- 名無しさん (2018-05-14 02:05:29)
- 降谷(安室)とは知り合いどころか殴り合いするほどの喧嘩友達だった模様 -- 名無しさん (2019-10-02 19:06:29)
- ↑2 まるで何かに呪われているような -- 名無しさん (2022-03-19 23:05:02)
- 今年の劇場版だとある意味陰の主役だった -- 名無しさん (2022-04-15 22:48:18)
- 松田含め警察組は後付けだろうけど、物語としては上手くいってるから嬉しいね -- 名無しさん (2022-05-08 02:44:20)
- 高木刑事に顔の形が似てるとか言われてたけど、顔付き自体は工藤新一に似てる気がする(青山先生の描くイケメンは大抵は新一顔だけど) -- 名無しさん (2022-05-08 03:02:08)
- 警察学校組はみんなカッコ良いけど松田くんの人気はゼロと並ぶと思う。 -- 名無しさん (2022-11-02 18:49:26)
- ありがとう松田 -- 名無しさん (2024-11-07 12:19:30)
最終更新:2024年11月07日 12:19