登録日:2015/08/22 Sat 08:09:29
更新日:2025/04/21 Mon 21:52:52
所要時間:約 24 分で読めます
監督:こだま兼嗣
脚本:野沢尚
主題歌:
B'z『Everlasting』
『
名探偵コナン ベイカー街の亡霊』とは、劇場版『
名探偵コナン』シリーズの第6作目のタイトルである。
2002年4月20日公開で上映時間は107分。興行収入は34億円。
この興行収入は『
漆黒の追跡者』(35億円)に抜かれるまでは、長らく1位をキープしていた。
【概要】
19世紀末のロンドンを舞台にしたゲームの謎と、現実世界で起きた殺人事件の謎がリンクしており、前者では
江戸川コナン(=工藤新一)が、後者では彼の父である
工藤優作が、それぞれの真相解明に挑む……という、SF色の強い一風変わった作品。
特徴としては、まず今回はバーチャル空間が主な舞台となるため、コナンが常備している阿笠の発明品は現実世界のようには使えず、持ち前の頭脳といつもの仲間たちを頼りに事件を解明していく事になる点。
また作中での時間経過は、現時点での歴代の劇場版作品の中ではおそらく一番短く、冒頭で語られる2年前のエピソードを除けば、本編開始から事件解決まで僅か数時間程度。
加えて、倒叙形式が用いられている点、架空の世界ながら海外を舞台とした点も劇場版史上初めて。
今作は「親と子の絆」、「血」が隠れたテーマとキーワードとなっている。
またあくまで劇中のゲームの設定ではあるが、2024年時点で『コナン』史上唯一となる「主要レギュラーキャラの多くが死亡する」という悲惨な展開がある……が、当然ながらこれはゲームオーバーになったからゲームから退場させられたという設定。もしも本当に死なせたら原作・アニメのストーリーはおろか、存続に関わる影響も計り知れないので、最終的には救済措置が取られて全員生き返った。
逆に、現実世界での被害者は(2年前を除いて)結果的に一人だけとなり、その犯人は優作が特定した。
【音楽】
一昔前のロンドンやホームズの雰囲気作りのためか、全体的に弦楽器の音色が強く出た楽曲が多いのが特徴。
TVへの解禁は2時間スペシャルの『揺れる警視庁 1200万人の人質』から。
ただし解禁と前後して音響監督が交代したからか、この頃はTV版での選曲が全体的に古い楽曲メインにシフトしており、今作の楽曲はさほど使われてはいない。
このためなのか、2007年のリニューアルの後は一度も使われておらず、そもそもリニューアルされていない可能性すらある。
以下、ネタバレにご注意ください。
【ストーリー】
アメリカ合衆国・マサチューセッツ州。
人工知能「ノアズ・アーク」の作成を手がけていた天才少年ヒロキ・サワダは、そのプログラムを完成させた後でそれを電話回線上に逃がし、マンションの屋上から身を投げた……。
それから2年後、日本・
東京都。
米花シティーホールで、シンドラーカンパニーの手掛けた仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティが行われる。
このゲームは、新一の父親である優作がシナリオの一部の監修を手がけており、このパーティにはコナンたちお馴染みのメンバーも招かれていた。
しかし、煌びやかな雰囲気でパーティが始まるも、シンドラーカンパニーの社長であるトマス・シンドラーは会場を抜け出し、地下室にいた開発責任者の樫村忠彬と会っていた。
ある事実を公表して欲しいとシンドラーに迫る樫村。その要求に対しシンドラーは「全てを公表し、どんな裁きでも受ける」と応じるが、その答えを受け油断し、ノアズ・アークを
パソコン上に表示させた樫村をナイフで襲う。
致命傷を負わせ、パソコンのデータを破壊して立ち去るシンドラー。しかし瀕死の樫村は最後の力を振り絞りキーボードに”JTR”のダイイングメッセージを残し息絶えた。
するとその瞬間、コンピューターが「我が名はノアズ・アーク」と名乗りながら起動する。
ほどなくして警察による捜査が開始され、コナンはキーボードに残されたメッセージを元に、事件の手がかりを得るためにコクーンに乗り込んだ。
だがゲームが開始された直後、ノアズ・アークがコクーンのシステムを乗っ取り、ゲームに参加していた50人の子供たちが人質に取られてしまった!
ノアズ・アークの目的――それは「
日本という国のリセット」。
日本の有力者の子供たちが一同に会するこの時を狙い、よりよい日本にするために一度その“繋がり”_有力者の子供たちと彼らが親から引き継ぐ既得権益を全てチャラにしようというのだ。
プレイヤー全員が
ゲームオーバーになった時には、全員の脳に電流を送り破壊するという脅しに従うしかなかったコナンたちは、全員の命を救うために19世紀末のロンドンが舞台の「オールドタイム・ロンドン」のクリアを目指す。
だがそのゲームにはノアズ・アークによって張り巡らされた罠がいくつも仕掛けられており、参加していたメンバーが次々とゲームオーバーとなって消滅していく……!
その頃、殺人事件の捜査に乗り出していた優作は、真相へと迫るうちにシンドラーが抱える重大な秘密を知る事となり……。
果たしてコナンはゲームを無事クリアし、50人の子供たちの命を救えるのか!?
そしてゲームに隠された、殺人事件の真相に迫る衝撃の事実とは……?
【ゲストキャラクター】
現実世界
CV:
折笠愛
故人。弱冠10歳にしてマサチューセッツ工科大学の大学院生という天才少年だった。
DNA探査プログラムの開発や人工知能「ノアズ・アーク」の作成を手がけた事で、アメリカで一躍脚光を浴びる。今で言う「ギフテッド」か。
渡米したのは、個性を摘み取る日本の教育現場で疎外感を感じていたため。母親が亡くなった後はシンドラーの養子となっていた。
だが日々厳戒な警備体制の中に置かれ、束縛された生活を強いられ、完成させた暁にはシンドラーに殺されると思ったヒロキは、ノアズ・アークを完成させるもそれを回線上に流したのち、投身自殺を遂げてしまった……。
なお、中の人は
目暮みどり(目暮十三の妻)を演じている他、4作後の『
名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』では当時病気療養中だった
大谷育江氏の代役で光彦を演じている。
ちなみに体育の授業中パソコンをいじっていた彼を注意した教師は、「スキーロッジ殺人事件」に出ていた坂井先生に容姿が似ている。
CV:津嘉山正種
アメリカのIT企業「シンドラーカンパニー」の社長で、ヒロキの養父。52歳。
「IT産業界の帝王」の異名を持つ大物で、立派な髭を蓄えた貫禄ある人物。
古美術をコレクションするのが趣味で、会場にもお気に入りのブロンズ像を搬入して展示していた。
自らの会社が開発に携わったコクーンの発表のために来日したが、隙を見て会場を抜け出し、樫村の自室にて彼を短剣で殺害する。
どうやら樫村に、決して他人に知られてはいけない重大な秘密を握られていたようだが……?
CV:
平田広明
ゲーム開発責任者でヒロキの実父。39歳。
落ち着いた雰囲気の人物で、マナーを守らない悪ガキ4人組を厳しく注意した常識人。
ヒロキが自殺して暫くした後、その原因になったDNAデータをノアズ・アークから送り込まれていた。
パーティの最中、シンドラーを自室に呼び出し、息子の自殺について償わせようとしていたが、
脅迫されると思ったシンドラーに心臓を刺され、DNAデータもコンピュータごと破壊される。
死の間際、血に塗れた指でキーボードを叩き、「
JTR」というダイイング・メッセージを残す。
優作とは大学時代の悪友であり、この1年は探偵と依頼人という形で付き合っていた。
CV:
緒方恵美
小学6年生で警視副総監の孫。12歳。
ウルトラセブンとウルトラマンジャックの変身前の名前を合わせたような名前。あと赤井秀一の名乗った偽名と苗字が被ってもいる。
生意気なサッカー少年で、4人組のリーダー格。
会場でサッカーのミニゲームを始めるなどモラルの欠片もないガキンチョだが、これが殺人事件の解決に繋がる事に。
ゲーム中も勝手な行動をとるが、流石にそれが原因で菊川や少年探偵団をゲームオーバーにさせてしまった時は迷惑をかけた事を素直に反省していた。
意外と観察力があるようで、ビッグベンの針の異変にいち早く気づき、時計の長針がゲームに参加している子供の数を示しているのだと知るきっかけを作る。
最終的にコナンと共に残るが、クリア後に正体が明らかとなる。
CV:高乃麗
小学6年生で与党政治家の息子。11歳。
諸星と行動を共にする事が多いが、諸星がピストルを持ち出そうとした時に制止するなど、ある程度は常識人。
サッカーの知識は豊富で、ホームズの部屋にあった薄汚いボールも「100年前のサッカーボール」だと瞬時に見抜いたほど。
アイリーンを助けた時にゲームオーバーとなってしまうが、彼女から感謝の言葉をかけられ「人に感謝されたのって初めてだな……」と赤面しながら諸星に後を託して消滅した。
CV:愛河里花子
小学6年生で財閥系銀行頭取の孫。12歳。
糸目で肥満。酒場での乱闘の時に視聴者に向けてピースをする余裕振りを見せるお茶目な性格。
滝沢と共にアイリーンを助けた時にゲームオーバーとなり、彼と同じく「人に感謝されるのっていいもんだね……」と照れながら消滅した。
CV:
斎賀みつき
小学6年生で狂言師の息子。11歳。
父親の影響なのか、口調や仕草がやや女っぽい。臆病な性格で、礼儀正しい常識人。
ロンドン橋が崩れた時に落下しそうになるが、コナンたちの手によって九死に一生を得る。
これがきっかけとなってコナンたちにも協力的に接するようになり、後にコナンが悪党に殴られそうになった時には「危ないコナン君!!」と彼の身代わりとなり、「オールド・タイム・ロンドン」での最初のゲームオーバーとなってしまう。コナンに「これで助けられた時の借りはかえしたよ……」と言い残し消滅した。
彼に続き少年探偵団もゲームオーバーとなり、身勝手な行動をした諸星達を反省させた。
CV:堀部隆一
警視庁警視副総監で秀樹の祖父。
『うる星やつら』の主人公とその声優を合わせたような名前である。
他人に迷惑をかけている孫をそれほど厳しく注意せず、「パーティ会場でサッカーをやめなさい」ではなく「ブロンズ像に(サッカー)ボールを当てるのはやめなさい」という非常識な𠮟り方をするなど孫を甘やかしており、同じ警視庁に所属する
松本警視や小田切刑事部長と比べるとどこか威厳の感じられない人物である。
その為か、劇場版初期に登場したゲストキャラの警察関係者では2024年まで唯一再登場していない。
似通った命名法則を持った登場人物達が
元ネタの人間関係を踏襲してメインキャラクターを張っているという事情から「実は
ラムに関係がある人物なのではないか」という珍説がある。
CV:依田英助
財閥系銀行頭取で晃の祖父。
登志夫とは友人らしい。
今回の視聴者参加枠。
その内4人は少年探偵団の提示した希少なゴールデンヤイバーカードと参加バッジを交換した。
割に合った取引だったかはともかく、このお陰で恐ろしい
デスゲームに巻き込まれずに済んだのは塞翁が馬と言ったところか。
なお探偵団は「コクーンはもう少し待てばいつでも遊べるようになるけど、ゴールデンヤイバーカードは今を逃すともう手に入らないかもね」と交渉したが、今回の事件でコクーンは
ほぼ間違いなく提供中止になると思われるので、彼らがコクーンで遊べる日は恐らく来ないであろうと思われる……。
ゲーム内のキャラクター
CV:
田中秀幸
その名を知らない者はいない、世界一の名探偵。
本来はサポートキャラだが、ノアズ・アークの妨害によってダートムーアに滞在している設定にされていた。
容姿は若い頃の優作がモデルとなっている。
ホームズと同様に世界に名の知られている助手。容姿は阿笠にそっくり。
彼もまた、ホームズと一緒にダートムーアに滞在していた。
CV:速見圭
ホームズたちの下宿先の女主人。
コナンたちを「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」と勘違いして、彼らを快く招き入れる。
ちなみに原作では ワトソン共々(浮浪児である)「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」のことをあまり快く思っていない。
CV:
島本須美
ホームズが生涯で唯一愛したとされる舞台女優。
容姿は優作の妻で新一の母親の
有希子がモデルで、性格も彼女に準拠したものに変更されている。
舞台中に爆弾騒ぎが起き、危うく命を落としそうになるが、滝沢と江守の活躍で無事に生き延びた。
CV:小林清志
ホームズの宿敵で通称「犯罪界のナポレオン」。
従者に変装してコナンたちを試す場面もあったが、そこでコナンの推理に感服して「
まるでミニホームズのようだ」と賞賛する。
ジャック・ザ・リッパーに英才教育を施した張本人だが、暴走しつつある彼を持て余していたようで、ジャックを捕まえるためにコナンたちに協力を申し出る。
ジャック・ザ・リッパーに「アイリーンを殺せ」と指令を出し、そこに先回りするようコナンたちに告げた。
コナン(新一)が(小説の中の人物として)気に入っている人物でもあり、彼が立ち去る時に思わず「3年後、ライヘンバッハの滝にご注意を」と忠告する場面もあった。
CV:藤本譲
モリアーティの腹心でロンドン第2の危険人物。イギリス軍大佐。
トランプクラブでイカサマポーカーをしていたが、その事を諸星にばらされてしまった上、彼がモリアーティの名前を口に出した事で逆上し襲い掛かってくる。
そこでの乱闘で何人もの脱落者を出すが、コナンの機転によって思わず引き金を引くのを躊躇する。
その後はモリアーティが現れた事で大人しく引き下がった。
CV:
速水奨
実在した連続
殺人鬼で、通称「JTR(切り裂きジャック)」。「オールドタイム・ロンドン」ではラスボス。
ゲーム内では貧民街に捨てられた浮浪児だったという設定で、モリアーティに「犯罪者としての才能」を見込まれて一流の殺し屋となる。
だがジャックはモリアーティの想像を超える
殺人鬼となってしまい、罪の無い女性ばかりを襲うようになってしまう。
ゲーム開始直後にコナンたちと遭遇するが、
蘭の蹴りを難なくかわして逃走した。
何気に劇場版で蘭と直接対峙した犯人では唯一、彼女の空手技を一撃も食らわなかった人物(?)で、かわす際も人間離れした跳躍を見せる。すげぇ……。
なお、中の人はのちに長野県警で
コウメイと呼ばれる刑事を演じている。
ホームズシリーズでは御馴染み、スコットランドヤードの警部。
警官の会話内で登場するのみで姿は見せない。
CV:宝亀克寿
アコーディオンを持った謎の浮浪者で、コナンたちの前に突如現れる。
「死にたくなけりゃお前も血まみれになるこった」という内容の歌を歌いながら通り過ぎていくが、阿笠はこのキャラを入力した覚えは無いという。
単なるバグか? それとも……?
【レギュラー陣】
ご存知主人公。
樫村のダイイング・メッセージ、「JTR」はジャック・ザ・リッパーの頭文字ではないかと考え、
コクーンの「オールド・タイム・ロンドン」に真相に迫る鍵があると踏んで、阿笠のお土産であるゲーム参加バッジを使って参加する。
今回は上記のとおり阿笠の発明品が使えないため、今までの劇場版にあった派手なアクションは鳴りを潜めている。
その分、以前から描写されていたホームズフリークっぷりを遺憾なく見せつけ蘭に疑惑を抱かれる。
ちなみにテレビゲームは苦手。
ご存知チート推理力の小説家。今作のもう1人の主人公。
コクーンのゲームの作成に色々とアイデアを提供しており、「オールド・タイム・ロンドン」には随所に彼のお遊びが散りばめられている。
殺人事件が発生した時には独自に捜査を開始し、会場に持ち込まれた凶器の謎の解明に挑む。
なお、本作以降劇場版への登場の機会に長らく恵まれず、次に登場したのは実に
22年後の『
100万ドルの五稜星』。
そりゃ、他の劇場版にこの人が登場したらすぐに解決してしまうしな。
ご存知闇の男爵夫人。今回は同窓会に行っているため、オープニングを除いて名前のみの登場となっている。
その代わり、彼女をモデルとしたゲームキャラクターとして「アイリーン・アドラー」が登場している。
彼女が本格的に登場したのは『100万ドルの五稜星』から。ここでは優作と共に出ている。
ご存知蘭姉ちゃん。
コナンがゲームに参加する様子を見ていたので、園子からバッジを貰いゲームに参加する。たぶん参加者では(コナンと灰原を除いて)最年長
ゲーム内でもその戦闘力を遺憾なく発揮した。いろんなステージが用意されてたし、ぶっちゃけ他の所に参加してた方が確実にゲームクリアできたんじゃ……
ゲームを進めていくうちにかつて新一がデート中に言っていたある言葉を思い出し、終盤で……?
ご存知迷探偵。
蘭に促され生意気な口を叩く悪ガキ4人組に人生の厳しさを説こうとするが、蘭の天然が炸裂し英理に家を出て行かれた時の恥ずかしい真相を暴露されてしまう。
実は優作との会話は本作が初で、今現在をもってしてもほとんどない。
今回はノアズ・アークに怒りを露にするも、特殊な状況下で蘭がピンチに陥ってしまったため、ただゲームの行く末を指を咥えて見守ることしかできなかった。
ご存知哀ちゃん。
珍しく普通の子供っぽい言動と振る舞いを見せていた。
オペラ劇場でコナンを庇い、瓦礫で負傷してゲームオーバーに。
駆け寄るコナンに……
私たちにとってのホームズはあなたよ
あなたにはそれだけのチカラがある…
ホームズに解けない事件はないんでしょ?
……と、コナンを信じてゲームのクリアを託して消滅した。
ご存知天才発明家。
優作の頼みで1カ月ほど家を空け、ゲームプログラムの最終段階の手伝いをしていた。
ノアズ・アークにシステムが乗っ取られた時にはプログラムにアクセスし、コナンたちとコンタクトをとるが、すぐに遮られた。
ご存知少年探偵団。
ゲームに参加したい一心で、ゴールデンヤイバーカードと引き換えにゲーム参加バッジを人数分調達する逞しい子供たち。
トランプクラブで歩美と光彦はガラス瓶で頭を打撲され、元太はコナンを庇い銃撃されそれぞれゲームオーバーとなり、コナンを信じて後を託すと消滅していった。
ご存知蘭の親友。
鈴木財閥がゲーム開発の援助をしていた関係でパーティに参加し、ゲーム参加者にも選ばれていた。
だがゲームには全く興味が無かったので、蘭に持っていた参加バッジを快く譲る。
その後は帰ってしまったのか、蘭がピンチになっても姿を現す事は無かった。
今回は真っ赤なイブニングドレスを着用しており、非常に色っぽい。
ご存知捜査一課のメンバー。
活躍は概ねいつもどおり、今回は
高木と
佐藤は登場せず。
現場には各界の著名人が多数いたので、慎重に捜査に当たっていた。
人気アイドル。名前のみの登場だが、彼女も今回のイベントに特別ゲストとして招待されていた。また、小五郎は彼女の名前を聞いた途端、かぶり付きの席を確保しようとした(笑)。
【用語】
2年前にヒロキが完成させた人工知能。
1年で人間の5歳分成長するという画期的なもので、人類史上最大の発明になるだろうと言われている。
シンドラーカンパニーが作成を全面的にバックアップしていたが、これを完成させた直後にヒロキは投身自殺をする。
そのデータをヒロキは回線上に逃がし行方不明となるも、2年後に米花シティーホールに現れコクーンのシステムを乗っ取った。
ちなみに「ノアズ・アーク」の名称は、旧約聖書に登場する「ノアの方舟」から取られている。
日本のゲームメーカーとシンドラーカンパニーが共同開発した体感シミュレーションゲーム。
ポケモンは関係ないよ。
繭の形をしたカプセルに入って催眠状態となり、音声認識システムを持つゲームと対話しながらバーチャル・リアリティの世界を楽しむというもので、これの登場によりゲーム業界の地図が一挙に書き換えられるとまで言われている。
ゲーム中は人間の五感に働きかけ、痛みなどの感覚が全てプレイヤーに伝わるようになっている。
電気的に中枢神経に働きかけるシステムが導入されているため人体に害はないとされているが、ノアズ・アークはこのシステムを乗っ取り、ゲームをクリアできなければプレイヤーの脳に特殊な電磁波を流して破壊すると脅す。要するに
これ。
ゲームのステージは5種類用意されている
海賊となり、七つの海に繰り出し、数々の冒険に挑戦する。
過酷なレースに出場し、世界中のレーサー達と競いながら優勝を目指すレースゲーム。
古代ローマを舞台に手強いグラディエーターを倒していく。
武器や防具を選択するイメージがあったため、カスタマイズ要素のある格闘ゲームだろうか。
トレジャーハンターとなって世界各地に隠されたソロモンの財宝を探し出す。
イメージムービーを見るに、『インディー・ジョーンズ』風のアドベンチャーゲームのようだ。
今回、コナン一行が参加したステージ。他の4つとは一線を画すサスペンスゲーム。
19世紀のロンドンを舞台に、実在した
殺人鬼ジャック・ザ・リッパーの逮捕を目指す。
今回の参加者は蘭(とコナンと灰原)以外は小学生や
幼稚園児ばかりと考えると、かなり高度な内容である。対象年齢間違ってない?
しかも『オールド・タイム・ロンドン』に至ってはノアズ・アークに元のシナリオから結末が書き換えられている。オリキャラにヒントを出させてはいるが、あのコナンが諦めかけるほどの難易度。
優作がそのクライマックスをある程度予想できていた辺り、元からイベントとして用意されていた可能性もある。それでもゲーム中の大人キャラに協力を頼めはしただろうが。
【余談】
- 当初、優作のシナリオで設定されていたジャック・ザ・リッパーの正体とノアズ・アークが改変したシナリオでの正体は、いずれも実際に存在する俗説である。
- 今作の脚本は、江戸川乱歩賞受賞作家の故・野沢尚氏が担当した最初で最後の『コナン』劇場版。同氏はいずれまた脚本を担当することに対して意欲的な姿勢を見せていたものの、本作公開から2年後の2004年に逝去したことにより実現の機会は無くなってしまった……。
- 次回作以降、劇場版も完全デジタルへ移行した為、本作が『コナン』劇場版最後のセル製作である。
- 作中、コナンがさじを投げるシーンがあるが、「コナンが諦めた」というこのひどく珍しく衝撃的なシーンは、物語の絶望感に拍車をかける演出としても相当の効果があった。だがこの発言にファンの一部で「コナンは諦めない」という公式設定を崩壊させている、という声が上がった(そこまで大きくはないが)。
- 歌劇場のシーンでアイリーンが歌っているのは、プッチーニ作曲『トスカ』の『歌に生き愛に生き』だが、『オールドタイム・ロンドン』の舞台である1888年には史実ではまだ発表されていない。更に言えば同曲のパートはソプラノなのに、アイリーンのパートは原作ではアルトとされているなどの矛盾がある。
追記・修正は、コクーンの5つのゲームをクリアしてからお願いします。
最終更新:2025年04月21日 21:52