センチピードアンデッド(仮面ライダー剣)

登録日:2020/08/08 Sat 08:34:30
更新日:2023/10/28 Sat 19:56:34
所要時間:約 4 分で読めます





いいか、そいつに手は出させるな!抗体を見つけるのが先だ!


センチピードアンデッドとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー剣』に登場する怪人である。




【データ】

身長 214cm
体重 118kg
種族 アンデッド
生物モチーフ ムカデ
スート ハート
カテゴリー 10
特色・力 口から放つ毒液
ピードチェーン
カード名 シャッフルセンチピード
声優 塩野勝美
クリーチャーデザイン 韮沢靖
初登場回 『剣』第5話「過去への挑戦」


【概要】

現代において解放されたアンデッドの一体で、ハートスートのカテゴリー10に属する。 
ムカデの祖たる不死生物で、洞窟などの湿気が多い場所を好み、暗闇をものともしないを持つ。
赤色のレザー状の肌に全身に生えた無数のスパイクとモチーフ元よろしく張り巡らされた多数の脚の意匠、そして髑髏型の仮面と巨大な牙が特徴。

口から「ピードジョウ」という緑色の粘液状の猛毒(セロトニン・ヒスタミン系*1)を吐き、これに触れた人間を激痛と40℃以上の高熱で苦しめ、死に至らしめる。
なお、この毒液に触れた者は顔面に緑色の血管模様が浮かび上がるという特徴がある。
しかも質の悪い事に、治療するには右肩に装着された小型ムカデの集合体である大ムカデ「ピードアグレゲーション」内部にある抗体を使う以外に方法は無い。
即ち、この手のタイプにありがちな「単純に敵を倒してしまえば自動的に毒が消える」という類のお約束一切通用しないのである。

武器は100m離れた敵を捕縛する事が出来る鎖鎌「ピードチェーン」
また、前述の「ピードアグレゲーション」は分離しての活動が出来る他、先端部分を手持ちの短剣やブーメラン代わりに使用する事もある。

仮面ライダーカリスを軽々と投げ飛ばす腕力を持つが、他のアンデッドやライダー達に比べると戦闘能力は低いのか、大したダメージを与えられずに苦戦している描写が多い。
特に上級アンデッドの中でも(ファンの間では)弱い方と見做されている矢沢/カプリコーンアンデッド一方的にボコられる醜態を晒した事もある。

だが、真に恐ろしいのはその性格。
アンデッドの本来の目的は「バトルファイト」に勝利し、「万能の力」を得て地球上における種の覇権を握る事なので、人間を襲うのは単なる闘争本能によるものに過ぎない。
しかし、このアンデッドは自分から他のアンデッドと闘おうとはせず、洞窟で待ち伏せたり森でハイカーを襲ったりと明らかに趣味の領域で30人以上は殺害している。
幼稚園バスジャックを行い、泣き喚く園児達(エキストラとはいえ仮面ライダーに出演してうっきうきの表情なのは気にしてはいけない)や先生などを全員殺害しているあたり*2自分より弱い生物を甚振るのが好みなのだろうか?
このような性格や先述の性質の悪い毒液も相まって、下級アンデッドの中でも危険度はかなり高い方に入ると言ってもいいかもしれない。

ラウズカードとしての能力は、自分と相手の持ち札を全て入れ変える「センチピードシャッフル」で、
仮面ライダーレンゲルのようにカードのコンボを多用する相手には非常に有効な、対ライダーに特化した妨害手段と云える。
封印元のアンデッドの能力と全然関係ないじゃん」とか「チート揃いの他のカテゴリー10と比べてイマイチパッとしない能力」だとか言ってはいけない
劇中ではカリスが一度使用しかけたが、レンゲルが発動したテイピアリモートで妨害されて失敗。以降、その後の戦いでも使われる事なく終わってしまっている。



【劇中での活躍】

広瀬義人の手でカードから解放された後は、死者の声が聞こえるという都市伝説を持つ「(よび)()の洞窟」に潜み、訪れた人々を次々と猛毒で襲撃していた。
亡くなった父親・栗原晋の声を聞こうと訪れた栗原天音もそのぶっかけ毒牙にかけ、付き添いの剣崎一真/仮面ライダーブレイドと交戦するも、隙を見て逃走し、剣崎も天音の介抱を優先して撤退。

その後、自身を封印しようとする仮面ライダーギャレンと交戦するが、天音の為に抗体を手に入れようとする相川始がカリスに変身し、ギャレンを妨害した事で標的をカリスに変更。
ちなみに封印を妨害されたギャレンは駆けつけたブレイドに事情を説明されるも、心身の不調で焦るあまり、全く聞き入れずに壮絶な仲間割れライダーバトルを始めてしまっている。


どこだ?どこに抗体が……!?

……あれか!!

抗体を手に入れる為、全力で戦えないカリスを攻撃し続けるセンチピードアンデッドだったが、カリスのインセクトファインダーによって抗体が右肩にあると見抜かれ、カリスアローの一撃で右肩を切り落とされてしまう。
抗体を奪われてダメージを負いながらもピードチェーンを投げ放つセンチピードアンデッドだったが、
カリスアローで弾き返された上にプラントバイオで動きを止められ、引き寄せられたところをヘッドチョップで止めを刺されて完全に敗北し、アンデッドバックルが開放。
そのまま用済みと言わんばかりにカリスが投げ込んだプロパーブランク・♥10に封印され、♥10・SHUFFLEのカードと化したのだった。


























……と、ここまでなら普通に今週の怪人という扱いで終わっただろうが、ここからがセンチピードアンデッドの受難の始まりであった。


リモートによる受難の幕開け

それからしばらくして、第17話にて仮面ライダーレンゲルのテイピアリモートで解放された……
のだが、同話のオープニング明けでレンゲルの駆るグリンクローバーに追いつかれ翻弄された挙句、ポーラーブリザードで呆気なく凍らされて完全に身動きが取れなくなってしまい、
すかさず彼が投げ込んだコモンブランクに吸収され、W(ワイルド)10・SHUFFLEのカードとして再封印されてしまった。
同時に解放されたボアアンデッドと比べると、扱いは不遇気味。

更に第20話ではレンゲルバックルの返却を迫る剣崎を撒く為にまたもレンゲルに解放されブレイドに襲い掛かるがまるで歯が立たず、ディア―サンダーをくらうとそのまま逃走。
当初は山中でハイカーを襲っていたが、突如「フォ━━(0∀0)━━ウゥ!!」という雄叫びと共に仮面ライダーを探しに現れた矢沢を人間と勘違いして襲い掛かるが、
「無駄よ。君クラスじゃあ私は倒せない」と人間態のまま放った衝撃波で吹き飛ばされ、叩きつけられた衝撃で血を噴き出すほどのダメージを負い一蹴されてしまう。
その後は街中でバトルファイトそっちのけで人々を襲っていたが、駆けつけたカリスに一方的にボコられ、最後はスピニングダンスを食らって再々封印された。

……と思ったら第36話ではジョーカー捜索の為にドラゴンフライアンデッド、シェルアンデッド、プラントアンデッドモスアンデッド共々またまたレンゲルに解放され、遊園地で人々を襲っていたが、最後は現れたジョーカーの一撃で再三封印された。
そしてこれを最後に再解放される事はなく、受難の日々はようやく幕を閉じたのだった。

なお、映画『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE』では再解放されなかったのか、それとも改めて封印されたのかは不明だが、残念ながら(?)未登場に終わっている。



【余談】

劇中で最も多く解放され、最も多く封印されたアンデッド。
広瀬義人の回想シーンや1万年前のバトルファイトでの回想シーンも含めると、『剣』TV本編の登場話数は計7話で、下級アンデッドの中ではドラゴンフライアンデッドと並んで最も多い。
ただ、活躍自体はかませ犬、或いは当て馬にされる事が多く、デアゴスティーニ刊『週刊仮面ライダー オフィシャルパーフェクトファイル』でも「種の覇権を競っていたとは信じられないほど弱かった」とかなり手厳しい評価を下されている。
また、他のカテゴリー10のアンデッドには時間停止能力を持つスカラベアンデッドや相手の姿に擬態し能力まで再現するカメレオンアンデッド
アンデッドを解放し、意のままに操るセンチピードアンデッド過労死の諸悪の根源テイピアアンデッドという一際チートめいた特殊な能力を持つ個体が多く、
それらと比べて地味かつカードの効果が本体に反映されていないなど、そうした点でも見劣りしてしまう感は否めない。

とはいえ、一応尤もらしいフォローを入れるならば、
  • 封印しただけでは治癒出来ず、抗体を手に入れるには封印前にアンデッド本体から奪取する必要がある
  • 上記のようにカードのコンボ技を多用するライダー相手には厄介な能力になり得るセンチピードシャッフル
……と、カード効果と本体の能力の齟齬を無視してそれぞれ単体で見る限りでは、アンデッド及びラウズカードとしてもかなり強い部類に入る……かもしれない。

そう考えると前作『仮面ライダー555』で数々の修羅場から逃げ切り、最終決戦後も生き残った同じムカデモチーフのセンチピードオルフェノクとはある意味真逆と言えるか。

このように劇中ではサンドバッグも同然のいいとこ無しな扱いで終わってしまったが、
デザインに関してはアンデッドの特徴である髑髏・金属類・レザーを盛り込んだ意匠からかなり人気が高く、雑誌の特集などでもしばしば取り上げられている。

また、第6話冒頭でブレイドとギャレンのライダーバトルが一先ず決着した際、ブレイドが倒れかけたギャレンの身を案じて駆け寄るも、
そのギャレンは一切目配せせずにギャレンラウザーの零距離射撃をブレイドに浴びせてそのままオープニングテーマの『Round ZERO~BLADE BRAVE』に突入する…というファンから「世界一面白いOPの入り」と評されるある意味衝撃的なシーンがあるが、
プレミアムバンダイで受注販売された「COMPLETE SELECTION MODIFICATION ギャレンバックル&ラウズアブゾーバー&ギャレンラウザー」ではこの一連の流れが再現出来るようになっており*3
『仮面ライダーおもちゃウェブ』の公式Twitterでもこのギミックの遊び方動画がアップされている。フナセンさん色んな所に力入れ過ぎです



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最終更新:2023年10月28日 19:56

*1 現実でいうと、ハチの毒の成分がこれに近い。

*2 殺害シーンそのものは描写されていないが、始が駆けつけた時は別の場所で警官達を襲っていた為、手遅れだった可能性が高い。

*3 ギャレンバックル側にオープニングテーマ、ギャレンラウザー側にブレイドの台詞(「橘さん!」と「うわぁっ!」の2種類で、「COMPLETE SELECTION MODIFICATION ブレイバックル」用の音声を流用したもの)が別個で収録されており、ユーザー側がそれぞれのスイッチやトリガーを操作して切り替える仕様になっている。