文化

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#contents() *&aname(衣,option=nolink){}衣 [[階級>階級と職務#階級]]を問わず共通の慣習として、女性はスカート、男性はズボンが基本となる。 紡糸、機織り、縫製、刺繍など、仕立ては全て手作業で行われる。 特に刺繍は平民女性の美人の条件となり&footnote(第15話、第105話)、貴族女性の嗜みとされる&footnote(第15話後書き、第306話他)。 古着屋も存在する&footnote(第85話、第92話)が、新しい衣装を仕立てる場合は個別に採寸するオーダーメイド方式となる&footnote(第43話、第85話、第227話)。 服の清潔さ&footnote(第25話、第26話、第29話、第85話)をはじめとし、継ぎ接ぎ&footnote(第2話、第7話、第12話、第15話後書き、第25話、第26話、第94話他)も含めた布の質&footnote(第81話、第220話)、布の量&footnote(第25話、第28話)、袖の長さ&footnote(第85話、2014年7月3日活動報告の2014年7月5日感想返し)やボタンの位置&footnote(SS44話、書籍版第四部III特典SS)などのデザインに、身分や立場が顕著に表れる。 貧民は、晴れ着以外は、生地の厚さと丈夫さが最優先で&footnote(第85話)、週一程度の洗濯&footnote(第63話、第85話)と、おさがり、継ぎ接ぎ&footnote(第85話)でしのぐ。 布の量の問題から、女の子の服はワンピースに限定される&footnote(第85話)。 富豪になると、布の質があがることは勿論、清潔さを重視した高頻度の着替え&footnote(第63話、第63話、第85話)、布の多用したデザイン性重視&footnote(第28話、第85話)へと移る。 貴族用の衣装は、基本的には側仕えが着せることを前提に作られており、一人で脱ぎ着ができない。&footnote(SS44話) 逆に、一人で脱ぎ着ができるようボタンが前についた衣装は、平民用の服と認識される。&footnote(SS44話、書籍版第四部III特典SS) 自分で動かなくても、[[側仕え>用語一覧#側仕え]]が動いてくれるので、服の汚れを気にしなくても良い立場だと示す場合は、邪魔なくらいに袖が長くなる&footnote(第85話、2014年7月3日活動報告の2014年7月5日感想返し)。 但し、貴族であっても、袖が長いのは自分が働く必要がない時に限定され、騎士や文官などの仕事服や神官の普段着は長くない。 儀式に臨む[[青色神官]]や、給仕の存在が前提となる食事時間の貴族は、袖の長い服を着る。 その為、汚さないように食べる練習が必須で、[[洗礼式>暦#洗礼式]]を終え、見苦しくなく食べられるようになるまで親と食事ができない。&footnote(2014年7月3日活動報告の2014年7月5日感想返し) :デザイン・流行| 同一色、相似色、補色、中差色、彩度、明度などのカラーコーディネートの概念が存在し&footnote(第85話)、[[貴色>魔力#属性]]を纏うことが決まっている儀式以外では、季節や髪や目の色等にあわせて、色の組み合わせを変える。 デザインを重視する一方で、富豪や貴族は流行を重視する。 領主一族や上級貴族は流行を発信する側である必要があり、下位の後追いは身分的に相応しくないと考えられている&footnote(第175話)。 その一方で、[[エーレンフェスト>エーレンフェストの領地]]では下位の貴族は上位の貴族の流行を後追いしなくてはいけないという暗黙の前提があった&footnote(第183話、第240話、第241話、SS9話)。 その前提の結果、体格に全く合わない服を着るという個人的な問題&footnote(第183話、第240話、第241話)や、均一な染の布を貴ぶ大領地の流行が持ち込まれたことで、それまで存在した蝋結染めや絞り染めが廃れる&footnote(第347話、第349話)という大きな問題なども生じていた。 [[ローゼマイン]]が領主の養女となった以降は、ローゼマインの薫陶の結果、各々に似合った服を身にまとったり、技術が流行で廃れないよう記録に残したりするように変化している&footnote(第274話、SS9話、第449話)。 :地域差| [[国境門>地理#国境門]]が開かなくなって十五年以上が経過している為、[[アーレンスバッハ>アーレンスバッハの領地]]以外では薄れているものの、国境門がある領地では、衣装等に、独自の異国風文化が存在する&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterまとめ その2)。 その一例として、アーレンスバッハの女性は、公式の場において必ずヴェールを身に付けるというものが挙げられる&footnote(第252話)。 同様に、シャツやズボンの上から、[[マント>#マント]]ではなく、薄くて大きな一枚布を体に巻き付けるようにまとうのが、アーレンスバッハ風の男性の装いとされている&footnote(第252話)。 **年齢による変化 女性は、年齢に応じてスカート丈や髪の結い方を変える。 10歳までは膝まで、10~15歳は脛位の長さと決まっており、15歳で成人したら足首も見えない長さが推奨される&footnote(第54話、第140話、第244話、第282話)。 更に髪を完全に結い上げるのは成人女性の証とされ、成人前の女子は結い上げず&footnote(第6話、第140話)、成人後は基本的に寝台の上以外では髪を解かない&footnote(第520話)。 髪型の基準は肩位置との関係であり、未成年の女性は肩より長くし、成人女性は肩より上げる&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)。 実際には、平民の労働階級の成人女性のスカート丈は足首あたりまでであり&footnote(第54話)、女性の貴族が[[騎獣]]に乗ったり採集に赴いたりする場合は、見た目がスカート風のキュロット([[騎獣服>#騎獣服]])を着用する&footnote(第290話)。 男性は、平民も貴族も10歳までは半ズボンもはくが、それ以降は大人と同じになる。 ただ、男性の服装などの変化は、女性ほど明確ではない。&footnote(ふぁんぶっく2 Q&A) **&aname(晴れ着,option=nolink){}晴れ着 [[洗礼式、成人式、星結びの儀式>暦#年中行事]]の衣装で、基本的には階級をまたいで共通となっている。 洗礼式は白の服&footnote(第15話、第20話、第175話、第212話)を、成人式や星結びの儀式では生まれた[[季節の貴色>魔力#属性]]の服&footnote(第181話、第183話、第196話、第494話)を身につける。 例外的に、農村では秋の収穫祭で一括して洗礼式・成人式・星結びの儀式を行うため、洗礼は白の服に秋の貴色の刺繍だが、成人や星結びは秋の貴色の服をまとう&footnote(第212話)。 **&aname(下着・靴下,option=nolink){}下着・靴下 下町の人間にとって靴下は防寒具である。 その為、夏は履かないし、冬は毛糸で編んだ巾着のような袋状のものに足を突っ込んで、紐を縛る。 この袋は足首までなので、その上に毛糸で編んだレッグウォーマーを膝の辺りまでつける。 見栄えではなく防寒重視なので、ズボンを数枚重ねて履き、その上に装着する。&footnote(第141話 ルムトプフと靴) 富豪・神殿関係者・貴族階級では、素足を見せるのは恥ずかしいことだとされているので、男も女も必ず靴下を着用する。 これは身嗜みとか礼儀のようなもので、靴下を履いていないのはとてもみっともないことだとされている。&footnote(第141話 ルムトプフと靴) 薄い布製の、太股の半ばまであるような長い靴下を履く。 ゴムが無い為、靴下には長い紐がついており、靴下をはく前に腰にまいた布の帯に紐を結びつける。 靴下を着用した後、膝より長くて、薄くて余裕がたっぷりあるドロワーズを履く。 スカートが捲れた際にドロワーズしか見えないように、ドロワーズの長さは、スカート丈、ひいては年齢に応じて変わる。 お腹の辺りに紐が通されていて、結ぶようになっている。10代未満の子供用は膝の辺りにも紐があったが、それ以降も紐なのか、年齢に応じて変わるのかは不明。 靴下とドロワーズを身につけた後に、上のシャツを着る。&footnote(第141話 ルムトプフと靴、第237話 新しい衣装、第279話 浦島太郎なわたし、第584話 じじさまとの対面) また、ボディスが存在し、身体の線を綺麗に見せる目的で、(裕福な)平民の女性は10歳から身につけるようになる。&footnote(書籍第三部IV プロローグ) その一方で、[[魔石>魔力#魔石]]による簡易鎧を衣装の下につける習慣があることから&footnote(第237話)、貴族女性は、身体を締め付ける目的の補正衣服を身につける必要がない。 **&aname(靴,option=nolink){}靴 下町の靴は、動きやすさを重視した皮製のショートブーツと、フランスのSabotのような木靴の二種類が存在する。 貧乏人は素足であることも珍しくない。 下(貧民)から上(富豪)にいくにつれて、素足、ぼろ布を巻くだけ、木靴、革靴となっていく。&footnote(第141話 ルムトプフと靴) 貴族階級は、足元の防寒対策を靴で行う。 冬は裏が起毛した膝くらいまでの深靴(ロングブーツ)を&footnote(第141話 ルムトプフと靴)中心に、夏は短靴(ショートブーツ)を中心に履き分ける。 靴の生地も、用途や見た目で使い分けられており、外出には硬めの馬皮製や柔らかめの豚皮製を、屋内では布製を使用する&footnote(第141話 ルムトプフと靴、第142話 金属活字の完成、第585話 メスティオノーラの書)。 貴族院で、魔石を変形させて鎧の靴を作る練習をする為や、緊急時や[[魔力]]の伝達を重視する場合に、魔石の靴を作って履くことができる&footnote(第585話 メスティオノーラの書、第657話 アドルフィーネの相談と儀式の準備)。 **&aname(装飾品,option=nolink){}装飾品 :&aname(マント,option=nolink){}マント| 富豪や貴族階級は、正装の一部としてマントを着用する&footnote(第81話、第126話、第176話、第219話他)。宴などでは[[季節の貴色>魔力#属性]]を使用する事もある。 貴族院等の公の場や、領地内にいる騎士団は、領地の色をまとうが、私的な場では特に色の制約はない&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)。 王家の色(黒)をまとうと後ろ指をさされる為使用しないだけで、特に明文化された禁止事項はない&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)。 貴族院に入学する子供は、[[ブローチ>魔術具と神具#選別の魔術具]]と[[領地の色>地理#ユルゲンシュミット1]]のマントを領主から与えられる&footnote(第282話)。 このマントは成人まで使える事を前提とした大きさで用意され&footnote(第282話 準備と授与式)、新品には刺繍は入っていない。&footnote(第415話) 守りの魔法陣の刺繍が施されると、防具または[[お守り>魔術具と神具#お守り]]代わりになるので、騎士も全身鎧の上から身に着ける&footnote(マントをまとう:第126話、第225話他、お守り:第328話、第346話、第421話)。 貴族院の一年時は、もらったばかりなので刺繍がないことが多く、年を重ねるごとに増えていく。 男性は、母親がしてくれたり、姉の実験台になったりすれば刺繍があるが、女性は将来の練習として自分で刺繍をする。&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A) 母親や同母姉妹がいない貴族は、マントに刺繍がないことも珍しくないため、結婚前であれば、刺繍がないマントを見られても、刺繍をしてくれるものがいないのかと思われて終わり、特に不憫がられることもない。&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A) マントへの刺繍の詳細に関しては[[男女交際>#求愛行動]]の項を参照。 :帯・ベルト| 貴族階級の者は、魔術具などを普段から使用するためベルトや帯を使用し、ベルト周りに引っかけるなどして携帯している。 [[各種薬品>薬と毒]]、[[魔石>魔力#魔石]]の入った金属の飾り、[[名捧げ]]の石、各種魔術具などが腰周りに収納されている。&footnote(第189話、第193話、第220話、第251話、第290話、第357話、第366話、第396話、第410話、第432話、第437話、第500話、第501話) **制服・専用服 :&aname(見習い服,option=nolink){}見習い服| 仕事着。基本的に洗礼式を終えた子供に親が新しいものを準備する。&footnote(第86話) 商会の見習い服は商会ごとに違うため所属を表す制服のような意味合いもあり、小銀貨10枚弱で一式が揃う。&footnote(第60話) :&aname(下働きのお仕着せ,option=nolink){}下働きのお仕着せ| [[アーレンスバッハ>地理#アーレンスバッハ]]の城では揃いの制服として下働きにまで支給されている。&footnote(第460話) :&aname(神殿の衣装,option=nolink){神殿の衣装}(神官服、儀式服)| [[神殿>地理#神殿]]では、[[灰色神官/巫女・見習い>青色神官]]は灰色の衣、[[青色神官/巫女・見習い>灰色神官]]は青の衣、[[神殿長]]は白の衣をまとう。&footnote(第66話) 神官/巫女服の袖はあまり長くなく、[[調合>魔力#調合]]の際などにもそのまま着用できる。 普通の衣装の上から被って着る形であり、衣の下は各自で適当に変えられる。&footnote(第79話) 青色神官/巫女は、最高神への信仰とこれから常に成長し続けることを誓う立場であることから、成長を促し助ける火の神の貴色であり、最高神の司る高く亭亭たる大空の色である青をまとう。&footnote(第79話) 青色神官/巫女の儀式服は、晴れ着に相当し、縁取りの刺繍や家の紋章の刺繍のある特別仕立てのものを用意する必要がある。&footnote(第90話) 帯は白地で、見習いは銀糸、成人は金糸で聖典の祈り文句が刺繍された物を用い&footnote(第125話)、季節の貴色の飾りを身につける。&footnote(第79話) 神殿長は、[[メスティオノーラの書>グルトリスハイト]]を賜った[[初代ツェント>ユルゲンシュミット国王]]やツェント候補達が[[メスティオノーラ>神々#メスティオノーラ]]と間違われて[[エーヴィリーベ>神々#エーヴィリーベ]]に襲われないように、エーヴィリーベの貴色である白をまとう。&footnote(第666話) 神殿長の儀式服は、裾が足元まである長さの白の衣に金のタスキ、帯、季節の貴色の小物(飾り紐などの帯飾り、髪飾り、タスキを留めるブローチなど)となっている。&footnote(第66話、第181話、第183話、第223話) ただし星結びの儀式では、黒と金の生地のタスキ、帯飾りなども黒と金となる。&footnote(第181話) ローゼマインが仕立てた儀式服の帯は銀色で&footnote(第223話、第425話)、エーレンフェストの領主の子を示す、神官長とお揃いの紋章が前身頃に入っている。&footnote(第181話/おそらくエーレンフェストの獅子の紋章) :貴族院の衣装| [[貴族院]]では、黒を基調とした衣装に[[領地の色>地理#ユルゲンシュミット1]]の[[マント>#マント]]と専用の[[ブローチ>魔術具と神具#選別の魔術具]]をまとうことが規定で決まっている。&footnote(第282話) 全てを吸収する闇の神に敬意を示し、貴族院での教えを貪欲に吸収する姿勢を見せることから黒の衣装を&footnote(第282話)、所属する領地を示した上で、領地別の寮の入室選別を行う目的でマントとブローチを身につける。&footnote(第282話、第283話、第284話) びっしりと色鮮やかな刺繍をしている者や、袖のぴったりとした服の上からボレロのような感じで袖のひらひらした上着を着て、講義内容によって袖の長さを調節している者もいる。ただし、このボレロ着脱式は領主候補生は不可とされた。&footnote(第286話) :奉納舞の衣装| 神殿の儀式服に似たデザインで、振袖のような長い袖となっている。 奉納舞の動きに合わせて翻るように透けるような薄い素材で作られ、腰から裾にかけていくつか切れ込みが入っている。 [[稽古時>貴族院#講義]]は銀色の帯、[[本番>貴族院#卒業式]]は成人を祝うので金色の帯となる。 また、役柄に合わせた神々の貴色の薄い布を頭からかぶる。&footnote(第297話) :&aname(調合服,option=nolink){}調合服| [[調合>魔力#調合]]する時は袖が邪魔にならない調合服に着替える。文官のお仕着せに少し似ている。 あまり袖がひらひらしておらず、作業の邪魔になりそうなレースやひだの装飾は極力排することと決められている。 調合服にはマントを付けず、マントと同色のスカーフのような布をブローチで留めることになっている。&footnote(第385話) :&aname(騎獣服,option=nolink){}騎獣服| 女性が騎乗型の[[騎獣]]を使う場合に着用する。裾がひらひらとしたスカートの外見をしているが、キュロットになっている。&footnote(第290話) :騎士の衣装| [[騎士>階級と職務#騎士]]は、いつでも戦えるように、魔石で作る鎧の基本となるものを衣装の下に着込む。 防弾チョッキのような役目を果たし、荒れている領地では、突然の攻撃を防ぐために、文官や側仕えさえ身に付けておくのが常識になっている。&footnote(第237話) その上で、護衛任務に付く際などは身軽な簡易鎧を身に着け、討伐や採集目的の遠征などの際は[[全身鎧>魔術具と神具#騎士の鎧]]を身に着ける。 :&aname(執務服,option=nolink){}執務服| ひらひらした部分が少なくて格段に動きやすい貴族の仕事服。 とは言え平民の衣装とは全然違うので、貴族である事は一目瞭然。&footnote(第677話) :&aname(文官のお仕着せ,option=nolink){}文官のお仕着せ| それほど袖がひらひらとしていない。&footnote(第343話) :&aname(側仕えのお仕着せ,option=nolink){}側仕えのお仕着せ| あまりひらひらとしていない。&footnote(第220話) *&aname(食,option=nolink){}食 お酒、[[チーズ>食品と油#チーズ]]&footnote(第17話、第125話)、[[酢>食品と油#酢]]([[ワインビネガー>食品と油#ワインビネガー]])が存在し&footnote(第23話)、貧民でも手に入れられることから、発酵技術は普及している。 ローゼマインのスープが広まるまで、平民・貴族問わず、スープは一度完全に茹でて茹で汁を捨てる調理法が定着していた。&footnote(第23話、第50話) 小さいゴミや砂などが入っていることがあるというのも茹で汁を捨てていた理由の一つだが、平民の料理人内で、良い子が恵まれなくなるとか、子供が生まれなくなるとか言われていることが大きい。&footnote(書籍第5巻書下ろし 神殿の料理人見習い) 貧民は非常に固い雑穀パン&footnote(第23話)、富豪は小麦だけで作られている白パン&footnote(第50話)という差異はあるが、天然酵母の発見はなされておらず、ローゼマインが天然酵母パンを導入するまで、パンは固いものというのが基本概念だった。 アーレンスバッハ経由で、[[ランツェナーヴェ>地理#ランツェナーヴェ]]より砂糖が輸入され始めているが&footnote(第436話)、普及率は依然低く、レシピは確立されていない。&footnote(第74話) 中央の砂糖菓子も見た目は素晴らしいが、味は完全に砂糖の塊となっている。&footnote(第287話) その為、ローゼマインが導入した[[お菓子の数々>創作物一覧]]は、富豪は勿論、貴族社会にも非常に高く受け入れられている。 食に関する特殊事例として、[[アウブ]]の命令によって騎士団が遠征する際は、転移陣で城から食事を送る慣習もある。&footnote(第626話) また、騎士団の遠征先では、作法も何もなく水を飲みながら携帯食料をかじるだけという簡易さとなる場合がある。&footnote(第250話) **食事内容 平民の富裕層でも、食事の量が多くなるだけで、それ以外の平民層と料理自体には大差ない。 貴族の食事は腕の良い料理人が、平民が使わない食材や調味料と、貴族の家でしか作らないレシピを用いて調理する為、味も品数も完全に違う。&footnote(第74話、第76話) 品数の違いを反映し、貴族社会では、コース料理によく似た順番で料理が出される。 飲み物が注がれて、前菜の次にスープで、メイン料理が続き、果物やデザート、食後のお茶へと続く&footnote(第110話)。 更に料理の飾り切りや盛り付けも工夫がなされており、レベルが高い&footnote(第110話)。 平民と貴族の差は大きいが、貴族院や[[領主会議>用語一覧#領主会議]]で毎年お茶会交流をしている影響か、[[中央>地理#ユルゲンシュミットの直轄地]]と各領地間での、料理の種類やレベルの差は比較的小さい。&footnote(第287話) その一方で、[[アーレンスバッハ>アーレンスバッハの領地]]の料理は[[ランツェナーヴェ>地理#ランツェナーヴェ]]から入ってくる調味料や香辛料の影響で、酸味が強く、辛みの強い物が多い。&footnote(SS32話) **&aname(飲料,option=nolink){}飲料 水分補給の際は、水は勿論、[[ハーブティ>食品と油#ハーブティ]]&footnote(第29話)をはじめとした様々な[[お茶>食品と油#お茶の葉]]や&footnote(第73話、第83話、第105話、第300話、第304話他多数)、[[濃い茶色の何か>食品と油#コーヒー]]や&footnote(第29話)、果汁水([[コルデ水>食品と油#コルデ水]])&footnote(第39話)なども飲まれている。 食事の意味合いが強いが、母乳の代用で[[山羊の乳>食品と油#山羊の乳]]が&footnote(第154話)、パン食補助で[[牛乳>食品と油#牛乳]]&footnote(第13話)やスープが飲食されている。 なお、ミルクはお茶に入れる形でも飲まれている。&footnote(第83話) お酒は平民から貴族まで愛飲している。 発泡酒([[べレア>食品と油#べレア]])&footnote(第77話)、果実酒([[ダンケルフェルガー>地理#ダンケルフェルガー]]産[[ヴィゼ>食品と油#ヴィゼ]]他)&footnote(第5話、第363話)、[[蜂蜜酒>食品と油#蜂蜜酒]]&footnote(第23話)、蒸留酒([[クラッセンブルク>地理#クラッセンブルク]]や、エーレンフェストの北方産)&footnote(第74話、本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterこぼれ話)など種類も豊富に存在する。 なお、飲酒に年齢制限はない&footnote(ふぁんぶっく4 Q&A)。 **&aname(作法,option=nolink){}作法 平民と貴族では食事の作法も異なる。 食前の挨拶は、平民はいただきますと告げるだけだが、神殿や貴族階級は、両手を胸の前で交差して、食前の祈りを捧げる&footnote(第88話、第138話他)。 食べ方も、階級が高くなるほど、優雅な仕草が要求される。 貴族社会では、長い袖を汚さず食べられるようになるまで親とすら同席しないし&footnote(2014年7月3日活動報告の2014年7月5日感想返し)、中級貴族と上級貴族ですら仕草や作法にレベル差が存在する&footnote(書籍8巻書下ろし)。 貴族社会では、毒殺の危険回避を重視した習慣や礼儀が多い。 まず、食器やカトラリーは、招待された客が持参する上、壊したり、盗まれたりする危険がある食器は自分の従者が扱い、他のものには触らせない。&footnote(第109話、第110話) 更に、客が持参した物はその場で客の手で開封されて、毒見のために客自身が食べて見せることが礼儀となっている。同様に、招待主がお茶に口をつけ、毒が入っていないことを示してから、客側もお茶に口を付ける。&footnote(第144話) また、食事中に給仕を受けることが当たり前である為、身分差や職分・階級差に応じて食事の時間がずれる。 身分の高い者から順に食事をとると共に、先に食事をする者から後に食事をする者達へと下げ渡す習慣がある。&footnote(第87話、第205話、第212話) その一方で、上位者が下位者の料理に興味を示した場合、自分の皿を差し出し、相手が下げ渡すのを待たないといけない。&footnote(第146話) 食堂に求める清潔さも、貴族と(エーレンフェストの)平民では大きく異なる。 エーレンフェストの平民は、街の汚れ度合の影響を受けて、ごみのポイ捨てが当たり前となっていた。 その結果、カチカチの固いパンを皿代わりにして、いらなくなった食べ物は床に落として、犬に食べさせることで片付けとする文化を持っている。&footnote(第77話、第89話) 更に、大量の料理を運ぶせいで、平民の給仕は、乱暴だろうが、零れようが気にしない。&footnote(第110話) その一方で、貴族は教育の行き届いた側仕えによって給仕されることが前提であり、更に衛生面の向上から、貴族の間ではテーブルクロスではなく、ナプキンを使うようになっている。&footnote(第109話) **&aname(保存技術,option=nolink){}保存技術 神殿や貴族社会には[[貯蔵用氷室>魔術具と神具#貯蔵用氷室]](冷蔵庫)や&footnote(第133話)、[[時を止める魔術具>魔術具と神具#時を止める魔術具]]が存在する為&footnote(第322話)、そこで食材や料理を保管することは可能だが、魔力が必要になることから、平民も貴族も、秋に収穫したものを保存食に加工した上で、暗室に保管することが[[冬支度>暦#冬支度]]の基本となっている。 魔力節約目的で使用は控えられているものの、他領へ嫁ぐ際に、懐かしくなった時に食べられるようにと、故郷の料理を時を止める魔術具に保管して持参したりすることもある。&footnote(第369話) 保存食の一種として、騎士の遠征用に保存性と栄養価が追及された携帯食料が存在する。 粉末状にした雑穀や野菜などを酒と塩に漬け、水分を飛ばしてピンポン玉くらいの大きさに丸めて固めた茶色い塊で、余裕があれば沸かした湯でふやかして食べるが、余裕が無い時はそのままかじるだけで食事を済ませる為、保存性と味を多少犠牲にしているとしても薄めの塩味に調整してある。&footnote(第250話) *&aname(住,option=nolink){}住 **&aname(住居,option=nolink){}住居 貧民街は隙間の多い木肌そのものが露出した木造建屋だが、富豪が住む建屋は色とりどりに塗装されている。&footnote(書籍第四巻書下ろし「側仕えの自覚」、第360話、第368話) [[エーレンフェストの下町>エーレンフェスト#下町]]では2階程度までの[[白の建物>#白の建物]]の上に、自前で木造の建物を建造している。&footnote(第4話、第65話、第174話、第230話、第350話) かなり高層で、7階建てが存在している。&footnote(第4話、第28話) 水の入手が通りの井戸に限定されることもあり、下町では、1階は店舗で、その上の2階は大体店の持ち主の家族が住んでいる。3~6階が貸し出され、7階は店の住み込みの見習いや従業員の部屋になっていることが多い。通りに近く、井戸に近い階ほど家賃が高くなる。&footnote(第28話、第58話) 基本的に最上階は屋根裏部屋であり、夏は暑くて、冬は寒い。雨漏りをすることも、鳥を飼っていることも珍しくない。&footnote(第58話) [[エーレンフェストの貴族街>エーレンフェスト#貴族街]]は下町側の門から遠いほど高級住宅地になる。 一軒一軒が公園のような規模を持つが、冬のみ貴族街で暮らすギーベ達の[[冬の館>用語一覧#冬の館]]の庭のサイズは、一年中貴族街で暮らす者の家では庭のサイズより小さい。 騎獣か馬車が基本なので、道を歩いている者はいない。&footnote(第174話) [[領主の城>エーレンフェスト#領主の城]]の敷地内には、三階建てや四階建ての建物と庭園、農園、果樹園、騎士団の訓練場が存在している。 点在する建物は、城の本館、離れ、騎士団の寮、庭師の住まいや森の管理人の住まいなどである。 城の入口は、仕事用と領主の家族やごくプライベートな客人用に分かれており、エーレンフェストでは仕事用が南、家族用が北となっている。&footnote(第182話)   城や貴族院の寮や神殿は、性別によって使う階が分けられており、女の子は上の階を割り振られている(男性は2階、女性は3階)。&footnote(第530話) 貴族の館でも、女主人の部屋は上の階に存在することから&footnote(第451話、第532話)、貴族社会一般的な慣習である可能性が高い。 **&aname(トイレ,option=nolink){}トイレ 八十年程前に、[[ドレヴァンヒェル>地理#ドレヴァンヒェル]]がネバネバの有効活用として下水道の作成や利用方法を領地対抗戦で発表するまでは、周囲に汚物を捨てるのが常だった。&footnote(第345話) ドレヴァンヒェルの発表の後、領主会議で申請→権利を[[金銭>通貨]]で買い取り→許可取得→魔術改造実施という流れで上位領地から順に、下水処理とトイレの改造が進んだ。&footnote(第345話) 新式のトイレは深い穴が開いた落下式で、穴の底には、排泄物を分解するネバネバしたものがうごめいている。&footnote(第175話) アーレンスバッハからの嫁入り騒動の波紋で、[[エントヴィッケルン>呪文と祝詞#エントヴィッケルン]]による下水施設の整備が行きわたらなかった結果、エーレンフェストにおけるトイレと下水の整備は、貴族社会と神殿の集合捨て場のみに限定され、下町では、貧民から富豪まで、汚物を窓から道へポイ捨てすることが当たり前の習慣として続いていた。&footnote(第3話、第142話、第126話、第344話、第345話、第350話)   **&aname(風呂,option=nolink){}風呂 水場事情もあり、平民には風呂の習慣はないが、貴族社会では大理石の風呂が流行している。&footnote(第91話) 外国から入ってきたもので、貴族の間で美容と健康に良いと貴族社会では評判になっている。&footnote(第51話) 湯船につかる形式で、側仕えに手伝ってもらって入る。&footnote(第51話、第91話、第175話) 水瓶と水差しを繋ぐ魔術具である[[緑の魔石>魔術具と神具#緑の魔石]]の存在が&footnote(第299話)、貴族社会で普及した要因と考えられる。 領主一族、上級貴族の一部、騎士寮は、個人部屋に風呂があるが、貴族の邸宅では共同で使用することが多い。 城に住み込みの貴族でも、側仕えは共同の風呂となっている。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) 平民は一部例外を除き風呂を持っていないが、水浴びの習慣(冬はお湯浴び)はある。 商人は清潔さを重視する為、高頻度で水浴びをする。 工房も、指名されていない限り、お客に面接するものは、身体が清潔なものを優先する。&footnote(SS2話、書籍第二部I書き下ろし) 髪は水につけて汚れを落としているが、身体は、マイン達がしているように、水で濡らした布で体を拭いているのか、水を張った盥に完全につかっているのかは不明。 **&aname(照明,option=nolink){}照明 窓や隙間からの外光&footnote(第12話、第43話、第45話、第51話、第100話、第293話、第676話)、暖炉&footnote(第12話)、蝋燭(キャンドル)&footnote(第12話、第49話、第345話)、オイルランプ&footnote(第10話、第12話、第13話、第14話、第26話)、[[魔術具の明かり>魔術具と神具#魔力ランプ]]&footnote(第183話、第345話、第676話)が、照明として用いられている。 下町や神殿では、魔術具は使わず蝋燭を使用しているが、城や上級貴族の館では、魔術具の明かりが使われることが多く、あまり蝋燭が使われることはない。&footnote(第183話、第345話) 下町でも、貧富の差によって冬場に用いられるランプの数が異なり、貧民は一つしかない上に油を節約して、ぎりぎりまでランプを使用しない。&footnote(第12話) 冬前の蝋燭の確保は、下町における冬支度の一つであり、店や富豪一家は[[蝋工房>エーレンフェスト#蝋工房]]から購入し、それ以外の大多数は自前で製作する。 貧民以外の下町の平民は、金属製のキャンドルの型を持っており、型に芯と溶かした蝋を入れ固まるまで放置することで製作している。 なかでも[[職人>階級と職務#職人]]は、職場にある型を借りることもできるが、型の数に限りがあることから[[ダルア>階級と職務#ダルア]]は借りれないことも多い。 自前の型を持たず、職場から借りることもできなかった家では、油に紐を付けて乾かす作業を繰り返すことで、手間暇をかけて製作している。&footnote(2019年 10月29日活動報告) **&aname(白の建物,option=nolink){}白の建物 領主一族が[[貴族院>貴族院#講義]]で習う[[創造の魔術>魔力#創造の魔術]]で作られる白い建材の物。 領主の城、貴族街の住居、[[神殿]]、ギーベ領の[[夏の館>用語一覧#夏の館]]を始め、[[貴族院の施設]]や[[境界門>地理#境界門]]など、様々な物がこれにあたる。 貴族街や下町は白の石畳に覆われているが、農村は土がむき出しになっている。&footnote(第11話、SS26話) 魔力では傷が入らないが&footnote(第299話)、魔力の維持が絶たれると崩壊する上&footnote(第373話、第569話、第646話)、セキュリティの設定が製作者単位なので、守りの強さの異なる建屋を製作する場合は、領主以外の領主一族が担う必要がある。&footnote(第201話) 領主一族の魔力で製作されることから、領主の財産の扱いとなる為、建物を攻撃するだけでも反逆罪と見なされる。&footnote(第204話、第230話) なお、領主が製作した場合の建造物の守りの強さは、親子喧嘩や夫婦喧嘩をしたものが入れなくなるのを避ける為に、魔力攻撃に特化している。&footnote(第201話) その為、物理攻撃で壊すことは可能。&footnote(第618話) *&aname(日常生活,option=nolink){}日常生活 **&aname(時,option=nolink){}時 時間と暦は、平民から貴族まで広く共有されている。 長さの単位としては、鐘(一日内の時間の区切り)&footnote(第24話他)、日&footnote(「曜日」という呼称の使用例は第228話のみの上、書籍版ではどの曜日→土の日に修正されていることから、「曜日」という言葉自体は存在しない可能性あり。曜日に相当するものは存在し、内訳詳細は第48話で説明されている)、週&footnote(第17話他)、月&footnote(第5話他)、季節&footnote(第9話、第48話他)、年が存在する。 概念としての年は存在するが、〇〇王歴X年というような年号は使用されていない&footnote(第379話)。 -詳細は、[[暦]]を参照。 **&aname(言語,option=nolink){}言語 貴族院や領主会議で一同に会する機会をもつ影響か、[[ユルゲンシュミット>地理#ユルゲンシュミット]]国内では言語が統一されている。 その一方で、貴族社会は[[婉曲表現]]を用いる習慣がある為、言葉は通じているが意味が通じていない場面が発生する。 特に貴族と平民の間では、その差が顕著に存在する。 建国期から現代までの間に言い回しや&footnote(第361話、第398話、第411話、第519話、SS第8話)、[[文字]]&footnote(第485話、SS第28話)が変遷している。 一人称は、平民内では多少の多様性が存在するが、貴族内では、男性が「私」、女性が「わたくし」で統一されている。&footnote(2015年 03月04日 活動報告) :話し言葉| 「丁寧な表現」・「普通の表現」・「くだけた表現」が存在し、生活階層や話す相手によって使い分けられている。 平民の間では訛りが存在し、領地によって差異が生まれている。 貴族の女性は、基本的には親しい者や下位の者に対しても丁寧な表現を使用し、敬称や態度で差異をつけている。 同じ主に仕える貴族の[[側近]]同士は、階級に関わらず呼び捨てで名を呼ぶ&footnote(第462話、ふぁんぶっく2「側近生活の始まり」、特典SS「私の心を救うもの」)。 特に男性側近は、側近同士間での敬語の不使用も許される&footnote(第228話、第367話、第455話、第530話、書籍外伝1「アンゲリカ視点 神殿の護衛騎士」でダームエルが上位階級の同僚に敬語を使用していない。その一方で、書籍版第三部II「ユストクスの下町潜入大作戦」でラザファムがユストクスへ敬語を使用していることから、言葉を崩すか否かは性格や職業柄によると思われる。)。 :文字| 必要性と教育費の問題から、門番(兵士階級)、平民富裕層、貴族や貴族の側仕えは読み書きができるが、それ以外の平民は文字が読めない。 その一方で、市場で[[値段>通貨]]が木札表示されていることから、数字は読める。&footnote(第4話) なお、基本文字は全部で35種類ある。&footnote(第16話) 貴族でも古い書物を読める者は限定されている。 特に[[政変]]による粛清や中央への召し上げによって古い文字を読める者が急激に少なくなった。&footnote(SS第28話) -詳細は、[[文字]]を参照。 **&aname(挨拶,option=nolink){}挨拶 階級や場面に応じて様々な所作がある。 特に対人の挨拶は多岐に渡る。 兵士・騎士階級は、姿勢を正して右手の拳で二回左の胸を叩く。&footnote(第8話、第161話、第597話) 平民同士で、丁寧に挨拶をする場合は、軽く膝を曲げて腰を少し落とす。&footnote(第73話) 商人同士が春になって初めて会った場合は、胸の前で右手を拳にして、指を揃えた左手の手の平に付けながら、軽く目を伏せて[[春を寿ぐ挨拶>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]を告げる。&footnote(第59話) 商人が貴族に、あるいは、下位の貴族が上位の貴族に挨拶する際には、左の膝を立てて跪き、軽く首を垂れた状態で[[挨拶の言葉>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]を告げる。&footnote(第82話他) 貴族同士で初めて会った場合は、上記の挨拶を行い、相手の許可を得た上で、指輪に魔力を込めて祝福の魔力を贈る。&footnote(第174話他) 貴族が最大の感謝の意を示す際には、相手の前に跪き、相手の手を取り、手の甲に自分の額を押し付けた状態で礼の言葉を述べる。&footnote(第281話、第374話) 食前の挨拶は、平民はいただきますと告げるだけだが、神殿や貴族階級は、両手を胸の前で交差して、[[食前の祈り>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]を捧げる。&footnote(第88話、第138話他) 神事では儀式毎に様々な所作があるが、[[神に祈りを>用語一覧#神に祈りを]]捧げたり、[[神に感謝を>用語一覧#神に感謝を]]捧げたりする動作は、(神殿内または神殿関係者内では)儀式に関わりのない日常習慣と化している。&footnote(第66話) なお、ユルゲンシュミットでは、挨拶をする際に頭を下げたり腰を折ったりする習慣はない。&footnote(第8話、第170話) -挨拶言葉の詳細は、[[挨拶/決まり文句>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]を参照。 **&aname(貨幣,option=nolink){}貨幣 身分階層や領地を問わない、ユルゲンシュミット国内で共通の貨幣制度が存在する。 貨幣単位はリオンだが、実際には7種類存在する硬貨の種類と枚数で金額を示す場合が多い&footnote(第38話 ギルド長と髪飾り)。 預金の概念と機構が存在し、[[ギルドカード>魔術具と神具#ギルドカード]]のような個人認証機能と決済機能を持つカードも存在する&footnote(第38話 ギルド長と髪飾り)。 少額の場合や、[[商業ギルド>エーレンフェスト#商業ギルド]]に所属していない平民の場合は現金(硬貨)で取引が行われている。 その一方で、金額が大きい場合はカード決済が多い。 -詳細は、[[通貨]]を参照。 **&aname(家族,option=nolink){}家族 基本的には核家族で生活しているが、平民、貴族、領主一族で家族のあり方や距離間が異なる。 領主一族や王族以外は、養子にでる、住み込みで仕事を始める、結婚する等までは、親と共に暮らす。 領主一族や王族は、洗礼式前は、同じく洗礼式前の同母兄弟姉妹と同室で暮らしている&footnote(第182話、SS45話、購入特典SS「弟妹との時間」、第四部III「卒業式と祝福の光」、ふぁんぶっく3Q&A)が、洗礼式をもって親と別の館(北の離れ)に、それぞれの部屋を与えられて生活するようになる&footnote(SS39話、第182話、第205,207話、第263話、第四部III「卒業式と祝福の光」)。 但し、洗礼式前においても、親と接する時間は、朝食後の短時間や夕食後の挨拶と休日にのみ&footnote(第182話、第四部III「卒業式と祝福の光」、ふぁんぶっく3Q&A)と非常に短い。 一般的な貴族は、第一夫人とその子は、父親と同じ館で生活するが、第二夫人以降は敷地内に別の館を与えられ、夫人とその子供で生活する。&footnote(書籍第三部ISS「妹の護衛騎士」SS44話、第523話) 子供の育児権&footnote(第523話)や、魔力的な繋がり&footnote(第105話、特典SS「特別措置の申請」書籍版第四部IV「ハルデンツェルの奇跡」他)が、母親に付属していることもあり、同じ敷地内に暮らしている父を同じくする兄弟姉妹であっても、異母兄弟姉妹は別の家庭に近い扱いをされる。&footnote(第523話) 貴族の親子は洗礼式で決まることから、洗礼式で親子と公表すれば、以降は血がつながらなくても実の親子の扱いをされる。&footnote(第272話、第475話) 生さぬ仲なので、洗礼上の親兄弟とうまく行かない場合が多いが、母親次第では仲の良い関係となることもある。&footnote(第272話、第475話、SS39話、第531話) 貴族の階級が魔力で決まることと、貴族として生活するには[[魔力を溜めこむ魔術具>魔術具と神具#魔力を溜めこむ魔術具]]が必要で、かつ、該当魔術具が素材的にも製作的にも新規入手が難しい&footnote(第337-338話、ふぁんぶっく3 Q&A)ことから、貴族の家で生まれた子供は、生家で貴族になれるとは限らない。 [[魔力量>魔力#魔力量]]が家格に合わない場合は、生家の家格や財政に応じて、格下の家に養子に出したり、[[神殿]]に預けたり、平民に落とし家の下働きにしたりする。 &footnote(第166話、第337話、第540話、本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) その為、出来ない者は切り捨てて一族を盛り立てようとする、個より血族重視の基盤がある。&footnote(第228話、第451話) 家族の距離感の差は、感情表現にも表れている。 平民は基本的に家族間で感情を隠すことはなく、感情が表情に現れる&footnote(第132話、貴族院外伝 一年生「神殿の護衛騎士」)。 一方貴族は、魔力制御的にも身分社会的にも、感情を抑えることが重要であることから、幼い頃から感情制御の訓練がされ、[[隠し部屋]]の中以外では、家族に対しても感情を見せるべきではないとされる。&footnote(第562話他) 両親を失い、[[孤児>階級と職務#孤児]]となった場合は、親族が面倒を見たり、見習い仕事先が面倒を見たり、[[孤児院>用語一覧#孤児院]]に入ったりと様々であるが、自然環境が厳しい影響もあり路頭で浮浪児になる例は見受けられない。 -詳細は[[階級と職務>孤児>階級と職務#孤児]]を参照。 **&aname(仕事・教育,option=nolink){}仕事・教育 交代勤務である兵士や騎士を除き、基本的には[[土の日>暦#曜日]]が休みとなっている。&footnote(第48話) 貴族階級は思い思いの休暇を過ごすが、平民の、特に下働きなどいない貧民階層は、一週間分の家事に励む。&footnote(第63話) [[洗礼>#洗礼]]式前の子供に仕事をさせることは禁じられている。&footnote(第16話) その為、洗礼式前の平民の子供は、手伝いと言う名目で、[[平民用の森>エーレンフェスト#下町の森]]での食べ物採取や、教育を兼ねた家業手伝いをしている。 また、「本来なら登録も仕事もできないはずの洗礼前の子供に、商人が家業を手伝わせるために編み出した法の抜け道のようなもの」として、[[商業ギルド>エーレンフェスト#商業ギルド]]への「仮登録」もある。露店の主が店番をさせるため我が子を登録する等で、血族でもない子供が仮登録される前例はエーレンフェストではなかった&footnote(第37話 商業ギルド)。 一方、神殿や貴族社会では、洗礼式前の子供は人間として認められていない。&footnote(第92話、第261話) その為、基本的には家の外にでず、母親の友人が連れてきた子供と遊んだり&footnote(SS10話)、教育を受けたりして過ごす。 洗礼式を受けることで、社会の一員として認められる。&footnote(第20話、第261話) 洗礼式を受けた平民の子供は、親から与えられた見習い服と仕事道具を使って[[見習い>階級と職務#見習い]]の仕事を行う。これには各職種に必要な教育も含まれる。洗礼式直後は教育の割合が多く、雇用側の負荷が大きいこともあり、見習いの就労時間は週に半分程度である&footnote(第20話)。 エーレンフェストの下町の子供は、基本的に親や親戚の紹介で、見習い仕事を始める。その為、大体は親の仕事に関連した職種につくが、甘えが出やすいので、同じ職種でも親の仕事場に行くことは少ない。&footnote(第24話) 貴族の子は、洗礼式の後、社会に関わり始める。城でのお披露目をした後、冬の社交期間は、城の一角に7~10歳の子供達が集められ、集団生活を送る&footnote(第221話、SS10話)。冬以外は、騎士希望の子が騎士の訓練を受けたり&footnote(ニコラウスの場合)、側仕え希望の子が親戚の上で実地演習をしたりする場合もあるが&footnote(ベルティルデの場合)、各家庭内の教育が中心となっていると思われる。&footnote(子供部屋での子供達の教育レベルや、ローデリヒやフィリーネ状況) 商人向の文字や計算の教育費は、週に三日、鐘一つ分だけの授業で、月に最低大銀貨一枚、10万[[リオン>通貨]]必要となる&footnote(活動報告掲載SS「トゥーリ視点 困った妹」)。 その為、教育費が不足する下級貴族と、教育にお金をかけられる上級貴族で、教育のレベル格差が存在する&footnote(第220話、第221話、第289話)。 自領の歴史に至っては、領主一族や領主一族の傍系レベルしか詳しく知らない&footnote(第481話)。 商人や職人の見習いは、店長との雇用契約の[[ダルア>階級と職務#ダルア]]と、将来的に店や業務を任せるための徒弟契約の[[ダプラ>階級と職務#ダプラ]]の二種類が存在する&footnote(第76話)。 将来独立して工房や店を構えたい者や、終身雇用を望まない者、能力的にタプラ契約の打診を受けられなかった者は、ダルア契約でつなぐが、そうでない者は、大体が洗礼時のダルア契約が切れる10~11才時点で、実家や将来働きたいと思う工房や店とタプラ契約を結ぶ&footnote(第76話、第239話)。 タプラの見習い期間は8年で、見習い期間が終了すると給料があがる&footnote(第76話)。 貴族は、10~15才の間が見習い期間となる。該当する年齢の冬は全領地の学生が集う貴族院に通い、国内の地理や国の歴史、一般教養的な共通知識および技能と、文官・側仕え・騎士・領主候補生という職種に応じた専門知識と技能を学ぶ。 それ以外の期間は、各領地で見習いとして訓練を受けたり実務を行ったりする。 成人後は、基本的に週休一日体制であり、[[土の日>暦#曜日]]以外はフルで働く。 平民の職種は、農民、商人、側仕え、下働き、職人、門番(兵士)に大別され、貴族の職種は、領主、領主候補生、文官、騎士、側仕えに大別される。 -職種についての詳細は、[[平民の職務>階級と職務#平民の職務]]・[[貴族の職務>階級と職務#貴族の職務]]を参照。 **&aname(娯楽,option=nolink){}娯楽 平民、貴族問わず、遊びや娯楽の概念が存在する。&footnote(第6話、第60話、第136話) 平民は、あまり余裕のない生活をしていることから&footnote(第136話 三者会談)、お手伝い中のおしゃべりや競争&footnote(書籍第一部I書き下ろしSS「マインのいない日常」)、大人の真似事や悪戯&footnote(第76話 閑話 私と旦那様)等が中心となるが、おもちゃ&footnote(第159話、第160話でおもちゃの説明が通じている)や人形&footnote(第6話 閑話 変になった妹)も存在する。 貴族の場合は、女性のお茶会や&footnote(第188話、第328話他)、男性の狩猟や[[ゲヴィンネン>魔術具と神具#ゲヴィンネン]]大会&footnote(第328話 社交週間の始まり)が娯楽的要素を持つが、情報交換を兼ねた社交の意味合いが強い。 貴族も階級によっては裕福とは言えないが、雪に閉ざされる冬は、暇が潰れて、目先が変わる娯楽用品を購入する。&footnote(第53話 冬の始まり) 貴族社会にもぬいぐるみは存在するが&footnote(第483話、第509話、第516話、SS24話、SS26話等で、ぬいぐるみで話が通じている)、娯楽専用のカードもなく&footnote(第136話 三者会談)、魔力を用いて駒を動かす三次元チェスのようなゲヴィンネン&footnote(第136話 三者会談、第229話 祈念式に向かって)程度しか登場していない。 例外的に、[[ラオブルート]]が[[ヒルデブラント]]に渡す玩具は、箱を開けると何やら飛び出してきたり、正しい手順通りに動かさなければ開かなかったりと種類が多い。&footnote(第461話 プロローグ) その一方で、[[レティーツィア]]が[[レオンツィオ]]から受け取った花弁が飛び出して室内を舞うクラッカーのような玩具の存在や&footnote(SS32話)、[[ラオブルート]]とランツェナーヴェの関係、他国は魔石が少ない為&footnote(第539話)、魔石を用いない道具や文化が発展する素地があることから、これらの玩具はランツェナーヴェ製品の可能性も高い。 娯楽用品が少ないという背景と、子供の教育に大きく役立つことから、ローゼマインがもたらした、[[トランプ>創作物一覧#トランプ]]や[[カルタ>創作物一覧#カルタ]]、[[各種出版物>出版物一覧]]はエーレンフェストにおいて広く受け入れられた。 特に本は、貴族院内での流行を介してユルゲンシュミットにも広まりつつある。 同様に世に出された、[[チェス>創作物一覧#チェス]]や[[リバーシ>創作物一覧#リバーシ]]は、平民の間ではそこそこ売れているが、貴族内での売れ行きは、本や知育玩具の購入に押されて芳しくない。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) また、領地によって、娯楽の重みづけが異なる。 [[ダンケルフェルガー>地理#ダンケルフェルガー]]では、貴族同士で行う競技である[[ディッター]]が盛んであり、何かにつけてディッターを行う。 [[クラッセンブルク>地理#クラッセンブルク]]では、神話を元にした[[演劇>#舞台芸術]]が領地内のエンターテインメントとなっており、[[青色神官や青色巫女>青色神官]]が演じている。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) :イベント行事| 日常的な遊びとは別に、イベント的な娯楽も存在する。 エーレンフェスト以外の町や村では、[[収穫祭>暦#収穫祭]]で行われる[[ボルフェ>魔獣と魔木#ボルフェ]]&footnote(第212話 ハッセの収穫祭、第213話 収穫祭)、エーレンフェストの下町では、[[星祭り>暦#星祭り]]で行われる[[タウの実>魔獣と魔木#タウの実]]のぶつけあい&footnote(第60話 既得権益、第97話 星祭りの準備)が相当する。 ボルフェは、秋と冬の戦いを模して行われる、魔獣ボルフェをボールとした村対抗球技で、ゴール枠外はサッカー、ゴール枠内はラグビーやハンドボールのような形式で進む。&footnote(第213話 収穫祭) 一方、タウの実のぶつけあいは、拳大の水風船状態となったタウの実を、未婚者が、中央広場に揃った新郎新婦にぶつけることから開始し、新郎は新婦を守りつつ新居に走り込む。最終的には、街中を走り回りながらの相手を問わないぶつけあいが、広場に祝いの食事が並べられるまで続く。&footnote(第97話 星祭りの準備) 貴族の娯楽行事としては、貴族の森で開催される大規模な[[狩猟大会>暦#狩猟大会]]が挙げられる。&footnote(第264話 ヴィルフリートの行い) **&aname(医療,option=nolink){}医療 平民社会における医者の存在は明確にされていないが、[[薬>薬と毒]]および薬を売買するものは存在する&footnote(第275話。ふぁんぶっくで下町にもいるにはいるとコメントされた)。 貴族社会における医者は、人の体内に流れる魔力を調べる魔法陣を用いて健康診断をしたり&footnote(第173話)、状態を診て適切な投薬をしたり&footnote(第269話)、戦闘等で精神的に不安定になったものに向き合って心のケアをしたりしている&footnote(第624話)。 中には研究好きな変わり者もいて、珍しい事例を聞きつけると飛びついたりもする&footnote(第170話)。 病院の存在が示されていない一方で、主治医の概念はあり、少なくとも領主一族の階級には専属医が存在する&footnote(第421話、第624話)。 医者が存在する一方で、常時は医者にかかることなく、自作または側近に作らせた薬で対処している。 魔力や体力を回復させる薬([[回復薬>薬と毒#回復薬]])や、[[解毒薬>薬と毒#解毒薬]]、体内での魔力凝固の抑制と溶解を行う薬([[ユレーヴェ>薬と毒#ユレーヴェ]]&footnote(第174話、名前の初出は第197話))が存在し、素材の収集から薬の製作までを、自前または側近や同僚に依頼して行っている。 ユルゲンシュミットの貴族は全員が、回復薬やユレーヴェの作り方を貴族院で学ぶが、個人研究や一族の秘法により、より回復力の強い回復薬のレシピを使用している者もいる。 魔力を多く消費する為、使用場面や使用者は限定されるが、必要に応じて癒しの呪文が使用される。 傷を清めたり、魔力を満たしたりする場合は、[[フリュートレーネ>神々#フリュートレーネ]]の癒しが使用され&footnote(第420話)、 体力的な疲労を回復させたり&footnote(第494話)、傷を塞いだり、炎症を治めたりする&footnote(第420話、第616話)場合は[[ルングシュメール>神々#ルングシュメール]]の癒しが用いられる。 ただし、癒しでは流れた血は戻らない&footnote(第616話)為、多くの血が流れた場合は、十分な休養を必要とする。 近視や老眼は存在するが、近代的な眼鏡は普及していない。 貴族は訓練すれば視力強化の魔術が使用できるようになるが、魔力の消費が大きいことから、モノクルのような形状をした魔術具を使用している。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterこぼれ話) **&aname(契約,option=nolink){}契約 羊皮紙での文書契約を基本とする。 ダルア契約(徒弟契約)&footnote(第76話、第239話)・タブラ契約(雇用契約)&footnote(第76話、第239話)・売買契約等、各種契約を基本とした社会形式になっている。 ユルゲンシュミットが魔力を基幹とした国であることから、魔力関係の特殊な契約が存在する。 [[従属契約>用語一覧#従属契約]]&footnote(第163話、第255話、第448話)、街限定の[[契約魔術>魔力#契約魔術]]&footnote(第30話、第45話、第61話、第70話、第134話)、領地全体の契約魔術&footnote(第256話)、領地をまたがる契約魔術&footnote(第261話、第266話、第337話)、[[名捧げ]]等、魔力的な行動の縛りが存在する。 **&aname(宗教,option=nolink){}宗教 七つの大神とその眷属神を信じる多神教。&footnote(第61話、第66話他) [[暦や節目の行事>暦]]に密接に紐づいている為、平民から貴族まで同じ神々を信仰対象としているが、信仰レベルは各階層および生活場所によって異なる。 下町の平民は、日常生活において貴族や神々の恩恵を身近に感じていないことから、信仰心が薄く&footnote(第152話、第196話、第88話)、[[挨拶や決まり文句>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]で口にする程度である。 農村の平民は、収穫が[[祈念式>暦#祈念式]]の魔力奉納に直結していることから、信仰心が篤い。&footnote(第146話、第152話) 貴族は、効率を優先して神々への[[祝詞>呪文と祝詞#祝詞]]を省略した[[呪文>呪文と祝詞#呪文]]を作って使用したり&footnote(第402話)、神事や[[神殿>神殿#歴史]]の本来機能が忘れられて変質したりした結果(詳細は[[個別ページ>歴史#ユルゲンシュミットの歴史]]参照)&footnote(第78話、第92話、第119話、第354話、第404話、第468話、第483話、第485話、第493話、第585話他)、神々は、神の加護を得る儀式の為に貴族院の講義で名前を覚え&footnote(第226話、第466話、第534話)、その後は忘れていく程度の認識に落ちていた。&footnote(第534話) ローゼマインが、[[孤児院>エーレンフェスト#孤児院]]を改革し&footnote(第94話、第95話、第360話)孤児達を[[神殿>エーレンフェスト#神殿]]の外の平民達と交流させたり&footnote(第95話、第198話、第248話、第257話他)、神殿の儀式で新成人達に祈りによる加護を示したり&footnote(第196話)、祈りの重要性&footnote(第468話、第493話)や祝詞を用いた儀式の効果&footnote(第354話、第494話、第487話、第556話他)を示したりした結果、平民達や貴族達も[[神殿]]を見直し真摯に祈るように変わりつつある。 -神々や神話に関する詳細は、[[神々]]を参照。 **&aname(独自常識,option=nolink){}独自常識 階級毎に独特の言い回しがある。商人が価格を口にすることなく指のサインで示したり&footnote(第38話、第73話)、貴族が非常に分かりにくい[[婉曲表現]]を用いたりと、相手の常識を知らないと会話が成立していない場合も存在する。 :面会予約| 貴族社会で正式に面会を求める場合は、例えお互いに他の用事がなくても、本人が目の前にいたとしても、数日前に書面でお願いしなければならない。&footnote(第93話) 特に下級貴族は、この数日間の猶予を用いて貴族としての体面を整えている。&footnote(書籍版第四部III特典SS) 上級以上の貴族の面会やお茶会の調整は、基本的に側仕え同士で実施する。 急な事でも主が決定せず、側仕えに任せることが正しいとされている。&footnote(第393話) その一方で、緊急時には、[[オルドナンツ>魔術具と神具#オルドナンツ]]を用いて直接伝言することもできる。 また、貴族が平民に面会を要求する場合は、相手の都合を確認することなく、一方的に召喚状を送り付ける。 :訪問方法| 貴族の場合、[[騎獣]]での移動の方が容易だが、よほど訪問を知られたくないような間柄や気安くて仲の良い者でなければ、貴族の館を訪問する時は馬車を使用する。&footnote(第626話) :恭順の姿勢| 身分が下の者が上の者に対して敬意や恭順の意を示す場合は、両腕を胸の前で交差させる。&footnote(第118話、第350話) 敬意や恭順の度合いに応じて、軽く首を項垂れたり、軽く腰を落としたり、跪いたりという動作が加わる。 *&aname(男女交際,option=nolink){}男女交際 貴族社会において男女間に求められる節度は、実年齢ではなく外見で変わる。 身体的な成長に伴い、周りの反応が完全に変わり、今まで許されていた関係や距離感を見直すように求められる。&footnote(第624話) 少なくとも片方が未婚の場合は、外聞への影響が大きくなり、[[隠し部屋]]の扱いなども変わってくる。&footnote(第632話) 恋人同士や婚約者でもない異性との相乗りは、騎獣を持っていない年齢、つまり[[貴族院]]入学前の子供を除くと、問題視をされる。&footnote(書籍版第四部VII「東屋での逢瀬」) 他領からきた女性が、独身の下級騎士を故郷から連れてきて重用すると、変な噂を招きかねないし&footnote(第574話)、側近や親戚であったとしても、未婚の女性が仮縫いを行う時に同じ館の中にいるのは外聞が良くないとされる。&footnote(第626話) その一方で、[[娼婦>階級と職務#売春婦]]に相当する者も存在し、下町では酒場の女給が&footnote(第110話、書籍第二部II書き下ろし「神殿の料理人見習い」)、貴族社会では神殿の灰色巫女が&footnote(第90話他)該当する役割を負っている。 特に貴族社会では、[[花捧げ>階級と職務#花捧げ]]という呼び名で隠喩されている。&footnote(第98話他) 貴族やエーレンフェストの下町の平民の未婚の成人は、[[星結びの儀式(星祭り)>暦#星結びの儀式]]の夜に結婚相手を探す場を与えられる。&footnote(第97話 星祭りの準備、第182話 領主の城、第183話 星結びの儀式 貴族編) 但し貴族の場合は、貴族院に通っている間が一番相手に恵まれる為&footnote(第246話 神官長の還俗と衣装のお披露目)、その間に相手を探す場合も多い。 **&aname(求愛行動,option=nolink){}求愛行動 貴族社会における一般的な求愛は、[[求婚の決まり文句>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]と共に、[[求婚用の魔石>魔術具と神具#求婚の魔石]]を相手に捧げるというものである。&footnote(第274話 閑話 二つの結婚話、書籍版第三部IV ダームエルの申し出) 求婚の前段階として、求婚用の魔石からは少し質が落ちる[[求愛の魔石>魔術具と神具#求愛の魔石]]と自分の魔力で鎖部分を作成した求愛のネックレス([[求愛の魔術具>魔術具と神具#求愛の魔術具]])を贈る場合もある。 貴族の男性は、女性が父親以外の男の魔力をまとうことに嫌悪感を抱き、女性は、父親に贈られた[[お守り>魔術具と神具#お守り]]を少しずつ男性から貰う魔石に変えていくことに喜びを覚える。&footnote(第455話 閑話 忙しい冬の始まり) そのような事情から、相手の魔力で鎖部分を作ったネックレスは婚約指輪と同じ扱いとなる。 [[求愛の魔術具>魔術具と神具#求愛の魔術具]]が金粉化するような事態は、[[魔力量>魔力#魔力量]]を感じられないにも関わらず求愛する身の程知らずということが公になってしまう大変な事態である。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterこぼれ話) 貴族の女性の場合は、ハンカチのような布に刺繍をして好きな人に渡したり、「貴方のマントに刺繍をしたい」と告げたりすることも、女性から男性への告白と見なされる&footnote(第356話 留守番中の生活 前編)。 これは、身につける布に魔法陣を固定するには、魔力を持つ者が、自身の魔力で染めた糸を用いて刺繍することが一番確実であること&footnote(第345話 シュバルツ達の衣装)、糸にこもった魔力の持ち主が、自身で刺繍した方が魔法陣の効力が高いこと&footnote(第349話 消えるインクと城への帰還)、魔法陣の使用者と魔法陣の作成者の魔力が同じである方が魔法陣の効力が高いこと&footnote(第454話 別離)、親子や夫婦は魔力が近いことや、それに伴う魔力をまとう物を身につけることに関する男女の感覚等から、[[マント>#マント]]に刺繍ができるのは、自分自身、親子、夫婦に限定されていることに由来する。&footnote(第356話 留守番中の生活 前編) これらの魔力重視の一端として、貴族院の東屋で、男性がてのひらに集めた魔力を、女性がてのひらを重ねて受け入れる行為が、恋人たちの睦み合いと見なされている。&footnote(書籍版第四部VII「東屋での逢瀬」) 特殊例として、[[ダンケルフェルガー>地理#ダンケルフェルガー]]では、[[意中の男性の身体を押さえつけて課題を要求すること>用語一覧#ダンケルフェルガー式の求婚]]が、(親の意に背く相手に対する)求婚行為と見なされている&footnote(番外編11・12・15話、SS第31話 ハルトムート視点 クラリッサとの出会い、本編第419話 ハルトムートの結婚相手)。 更に、ダンケルフェルガーでは、[[嫁取りディッター>ディッター#嫁取りディッター]]が存在し、負けた場合、男側はきっぱり求婚を諦めることが慣例となっている。&footnote(第508話 ダンケルフェルガーとの社交 後編) **&aname(婚約,option=nolink){}婚約 平民の婚約は、両親が認めれば整う。 儀式的には、女性の父親と男性の間に一つだけ杯を置き、約束の印としての酒をお互いが注いだ後に、順番に飲み干す事で成立する。&footnote(第677話) 具体的な段取りとしては、まず、婚約する女性が、女性の父親の隣に座り、その対面に、婚約する男性と男性の父親が隣に並んで座る。 テーブルの中央に木製の杯を一つ置いた後、婚約する男性の母親が酒の瓶を、婚約する男性の父親に渡す。 婚約する男性の父親が、杯に少しだけ酒を注ぎ、続けて、婚約する女性の父親が酒を継ぎ足し、最後に婚約する男性が、満杯近くなるまで酒を継ぎ足す。 そうして満ちた杯の酒を、まず女性の父親が大きく一口のみ、「娘を頼む」という類の言葉と共に杯を婚約する男性に渡す。 続けて、婚約する男性が了承の胸の言葉を返し、受け取った杯の酒を飲み干すという流れになっており、飲み干した時点でて婚約が成立する。&footnote(第677話、書籍版第五部IV購入特典SS「婚約の事情」) なお、婚約する男性の親が死別等で同席できない場合は、婚約する男性の親の役割を、婚約する女性の親が担う。&footnote(第677話) 貴族は、正式に婚約または求婚する前に、自力で準備可能な範囲内で最も品質の高い魔石を準備し、自分の魔力で染め、その上で、相手の属性の魔力を込め、最後の仕上げとして、求愛の文字を入れるという手順で、[[求婚用の魔石>魔術具と神具#求婚用の魔石]]を製作する。&footnote(第388話 音楽のお茶会と講義終了) 求婚をする側であっても、求婚を受ける側であっても、貴族が婚約をする場合は、互いに[[求婚用の魔石>魔術具と神具#求婚の魔石]]を準備し、交換し合う。&footnote(第247話 会食と販売会、第388話 音楽のお茶会と講義終了、第440話 来訪者と対策、第441話 歓迎の宴、第581話 初週の講義 前編) その上で、受け取った求婚用の魔石を身につけて肌に馴染ませることで、これから自分はこの魔力を受け入れるのだ、と心の準備をする&footnote(第581話 初週の講義 前編)。 親から婚約が認められ、[[色合わせ>用語一覧#色合わせ]]を経ると正式に婚約成立となる。通常、婚約期間は1年間とされる。&footnote(第434、528話) 貴族院に通っている間に相手を見出し、婚約が成立した場合は、卒業式のエスコートの相手となることで公に披露する。&footnote(第313話 エグランティーヌとのお茶会) 婚約披露の場として求婚の魔石を交換する婚約式を行う場合もある。 [[領主一族>#領主一族]]や[[上級貴族>#上級貴族]]が第二夫人を娶るのは、派閥のバランスを考えた結果だったり、第一夫人に子ができないことが理由だったり、子を増やすことが目的だったりする。 外交を担当する第一夫人は他領から迎えた妻の実家の援助やそれに付随する関係を上手く利用するために迎える存在。自領の妻は第二夫人として領地内の貴族を取りまとめるために迎える存在。という形を取るのが、大領地においては半ば常識となっている。&footnote(第507話) 求婚の魔石を身に着ける際は、相手の魔力で作った鎖で加工され、女性はネックレスの形にする。 男性は第二夫人や第三夫人への配慮もあるため、あまり見えない形で腕輪やネックレスなど様々な形にする。 その後、[[星結びの儀式>暦#星結びの儀式]]を経て、婚姻が成立する(以降は[[結婚>#結婚]]の項を参照)。 なお、求愛と婚約で贈るネックレスは形状は異なるが、婚約から結婚へ移行することでネックレスを新調するケースは少なく、そのまま婚約ネックレスを使用し続ける。 ただし幼少期に婚約が成立し、成長によって[[魔力量>魔力#魔力量]]が大きく増えて金粉化の危険性がある場合は、結婚のネックレスとして新調する。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterこぼれ話) *&aname(通過儀礼,option=nolink){}通過儀礼 年齢は[[季節>暦#季節]]区切りの満年齢で数える。 **&aname(出産・生誕,option=nolink){}出産・生誕 新生児誕生時の対応は、平民と貴族で大きく異なる。 平民のお産は男子禁制で、産婆と近所のご婦人方の手伝いの元、専用の椅子に座って行う。 更に、誕生後すぐに、出産を手伝ってくれた人々を労い、赤子と赤子の名を披露する「[[命名会>用語一覧#命名会]]」を行う。 記録に残す文化がない為、多くの人に披露し覚えてもらって、記憶に残すことを目的としている。 同じ理由で、職場も含めなるべく多くの人に報告し、一人でも多くの人におぼえてもらうよう心がける。 お祝いのお返しは、お祝いをくれた人に子供ができた時に返せばよいという考えであり、貰う都度にお返しをしたりはしない。&footnote(第153話) 貴族はお産の際に、魔力を与えることがある。夫や実子といった血族でないと魔力の反発が大きい為、血族が立ち合って行う。&footnote(第576話) 生まれた子供には[[魔術具>魔術具と神具#魔力を溜めこむ魔術具]]を与え、貴族院に入学するまでの10年間で溢れる魔力を魔石に溜めさせる。 貴族社会では魔力を重視し、[[魔力量>魔力#魔力量]]が家格に合わない場合は、格下の家に養子に出したり、[[神殿]]に預けたり、家の[[下働き>階級と職務#下働き]]にしたりする。 その関係上、正妻の子供ならば生まれた時に祝いをするが、第二夫人や第三夫人の子になると、生まれた知らせをわざわざしないことも珍しくはない。貴族社会にその家の子供としてお披露目されるのは洗礼式の時である為、それまでは、子供がどれだけいるのか、よほど仲の良い友人でもなければ、知られることは少ない。&footnote(第166話) 生まれたばかりの貴族の赤子は、他人の魔力をうまく取り込むことができなくて体調を崩しやすいことから&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)、産まれてから季節2つ分は母親の母乳を与える習慣がある&footnote(第253話)。 平民の母親は魔力量の問題で基本的に問題ないものの、身分的に平民女性が乳母に召し上げられることはない為、生まれてすぐに母親を失った子供は、母親の魔石や父親の魔力から作り出された液状魔力を与えられる&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)。 **&aname(洗礼,option=nolink){}洗礼 7歳は階級共通の節目年齢となっている。 どの階級でも7才時点で[[洗礼式>暦#洗礼式]]を行い、子供達は白を基調とした晴れ着を身につける。 「洗礼式前の子供は人として数えられていない」&footnote(第261話 イルクナーに出発)――とは言うが、洗礼式前に[[養子>用語一覧#養子縁組]]に出されることがある&footnote(第166話 これからのわたし)(例、[[レティーツィア]])のでその場合は養家で家族の数に入れられるわけだから、基準が曖昧である。 平民の子供は洗礼式を終えた後に見習いとして仕事を始める。 [[エーレンフェスト神殿>エーレンフェスト#神殿]]の[[孤児院>エーレンフェスト#孤児院]]では、[[成人>#成人]]式に準じ&footnote(第140話 ロジーナの成人式)、朝早くに孤児院地階から出されて清めが行われ、新しく支給された服を着た後、礼拝室で祈りと感謝を捧げるものと推定される。その後側仕えに召し出される場合もあるが、大抵はそのまま孤児院に戻り&footnote(第91話 孤児院の実情)、[[灰色神官]]見習い・灰色巫女見習いになる。 貴族の場合は、洗礼式を迎えた年の冬の社交が開始する[[始まりの宴>暦#始まりの宴]]で、王族の場合は、洗礼式以降初めて行われる春の[[領主会議>用語一覧#領主会議]]時に[[お披露目>用語一覧#お披露目]]がなされ、貴族社会の一員と認められる。 貴族社会では洗礼式の際に正式に対応した親兄弟を、実の親兄弟と見なす。 生さぬ仲なので良好な関係を結べることは珍しいが、愛人の子が優秀なため、第一夫人の子として洗礼式を受けるということも珍しくはない。&footnote(第272話) その一方で、血のつながりがあっても、孤児院に入ったり、兄弟として洗礼をしなかったりすると、以降、実の兄弟として接することが難しくなる&footnote(第564話、第579話)。 [[青色神官や青色巫女>青色神官]]は貴族出身であり、[[神殿]]へ入る前に洗礼式をして家とのつながりを明らかにする。洗礼式で[[魔力を量る魔術具>魔術具と神具#魔力を吸い取る魔術具]]を光らせることができれば貴族で、家格に見合う魔力がない場合は平民扱いになる。後に貴族社会に戻る可能性のある者は必ず洗礼式を行うが、家の[[下働き>階級と職務#下働き]]になる血縁者の中には洗礼式をしていない[[無戸籍>階級と職務#無戸籍]]の者もいる&footnote(ふぁんぶっく4 Q&A)。 洗礼式の際に、各個人の魔力が領地に登録される。 平民は血を[[メダル>魔術具と神具#登録証]]に押し付けることで、血中に含まれる魔力を登録する&footnote(第66話、第231話)。 その後は神話を聞き、祈りのポーズを取って神に祈ると終了する。通常、青色神官による魔力での祝福は行われない。 エーレンフェスト街の洗礼式は神殿で季節毎に年4回、直轄地の農村では秋の収穫祭で一括して行われる。街の平民のメダルは神殿で、それ以外の直轄地(ハッセなど)の平民の分は城で文官が管理している&footnote(第231話 選別の扉)。ギーベ領の平民については、儀式の場で神官によって登録されたメダルを徴税官がギーベの館で受け取るので&footnote(第371話 収穫祭とグレッシェル)、メダル保管場所については明言されていないがギーベの館か領都の城と推定される。 貴族は[[魔術具の棒>魔術具と神具#魔力を吸い取る魔術具]]に魔力を注いだものを神官に渡し、神官が棒に注がれた魔力をメダルに登録する。 メダルに魔力を移す際に、何に[[適性>魔力#適性]]があるのかが示されるため、通常はその際に適性を知らされる&footnote(第176話、第212話、第425話、第578話、第581話)。 魔術具の棒を光らせられない貴族の子は、貴族として認められない&footnote(第220話)。 無事に登録を終えた子供は、親から貴族の子の証として[[魔力を放出する為の指輪>魔術具と神具#魔術具の指輪]]を渡され、以後は挨拶の際に魔力を使った祝福を与える事ができるようになる。 その後、神具を使った青色神官に祝福を与えられ&footnote(SS42話)、指輪を使って祝福を返す。この時にやり取りされる祝福の魔力は普通の挨拶程度。 基本的に季節ごとに各家庭に神官を招いて行うが、冬生まれの子や遠隔地で神官を呼べなかった家庭の分は始まりの宴の際のお披露目と同時に城で行われる。 貴族のメダルは城や王宮で管理されるが、アダルジーザ出身の傍系王族のメダルは[[中央神殿]]で管理されている&footnote(第640話 アルステーデの話)。  **&aname(10歳の節目,option=nolink){}10歳の節目 7歳の次の節目年齢は10歳となる。 平民の10歳は、見習いとしての三年間の契約が切れる年で、別の工房と契約するのか、契約を更新するのか、はたまた、才能を見出されてダプラ契約を行うのかを決める、ある意味区切りの年となる&footnote(第244話)。 貴族の10歳は、貴族院に入学する年である。[[始まりの宴>暦#始まりの宴]]の際に領主からマントと[[ブローチ>魔術具と神具#選別の魔術具]]を手渡される。 貴族院は冬限定の教育機関である為、春から冬までを同じ年と見なし、春になった段階で年が切り替わる。 なお、貴族院の学年設定における、春の開始時期の基準は不明である。 **&aname(魔力感知の発現,option=nolink){}魔力感知の発現 貴族の子の第二次性徴の一つで、10~15才位の間に起こる変化。 [[魔力感知>魔力#魔力感知]]が発現している人間の内、[[魔力量>魔力#魔力量]]の近い者を感じ取れるようになる。 魔力量の差が大きいと子供ができにくいことから、魔力感知が発現することは、結婚の適齢期に入ったことを周囲に知らせることになる。 その為、貴族の女性が魔力感知を発現させ、かつ、その女性を正式に結婚させる予定がある場合、その親は親族や知人に声をかけ、結婚相手の候補となる未婚の男性とその保護者を集めてお祝いをする。 声のかけやすさから、祝いの会合は、魔力感知を発現した後、最初に訪れる、星結びの時期か冬の社交時期に開かれる。&footnote(ふぁんぶっく4「魔力感知と結婚相手の条件」) **&aname(成人,option=nolink){}成人 ユルゲンシュミットにおける成人年齢は階級共通で15歳である。 [[成人式>暦#成人式]]が行われ、子供達は生まれ季節の貴色を基調とした晴れ着を身につける。 平民の場合、エーレンフェスト街の成人式は神殿で季節毎に年4回、直轄地の農村では秋の収穫祭で一括して行われる(その為、農村の成人は秋の貴色の晴れ着を着る)。 灰色神官、灰色巫女の成人式は、朝早くに清めを行い、新しく支給された服を着て、礼拝室で祈りと感謝を捧げる事で成立し、この儀式は下町の成人式が始まる3の鐘までには終えられる。側仕えとして召し出されている者は、この際に主から贈り物をされる事もある。&footnote(第140話 ロジーナの成人式) 貴族社会では、貴族院の[[卒業式>貴族院#卒業式]]の日の午前中に行われる。入場にはエスコートが必須とされ、エスコートの相手は婚約者もしくは一目で対象外と分かる親族が務める&footnote(第313話)。 なお、貴族の二次性徴には[[魔力の感知>文化#魔力感知の発現]]が含まれるため、妊娠は二次性徴後に可能となる。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) 一般的に成人より前には年頃となり、同程度の[[魔力量>魔力#魔力量]]の相手の魔力が感じられるようになる。属性は感じられないので[[色合わせ>用語一覧#色合わせ]]で確認する事になる。 **&aname(結婚,option=nolink){}結婚 平民の女性と貴族は二十歳まで、平民の男性は二十歳前半が適齢期となる&footnote(第535話)。 平民の男性のみ遅いのは、家族を養っていける頃合いを加味するとその頃が妥当という判断による&footnote(第535話)。 平民も貴族も、親が結婚相手を選ぶ事は普通であり、貴族社会ではしばしば政略結婚が行われる。 家長は3人まで結婚相手を持つことができる。一夫多妻が多いが、一妻多夫も許容されている&footnote(ハンネ番外第21話)。 [[婚約>#婚約]]期間を経て、[[星結びの儀式>用語一覧#星結びの儀式]](結婚式)を受けると正式に婚姻成立となる。 星結びの儀式は各階級別に一年に一度のみ執り行われる。 下町の平民は夏に神殿で、農民は秋に[[収穫祭>暦#収穫祭]]で、貴族は夏に城で、[[領主候補生]]や王族は春に[[領主会議>用語一覧#領主会議]]の場で行う。 貴族は、通常一年間の婚約期間を設けるため、星結びの儀式は卒業後最短で二年後となる。&footnote(第434、528話) ただし、状況次第では、卒業の翌年に星結びの儀式を行う場合もある。&footnote(第434話) 貴族街では、上級貴族でも建物を勝手に増やせないことから、領主が白の魔術で製作した敷地内の離れの数が妻と愛妾を足した人数の上限値(=3)となる。 [[ギーベ]]の土地など、貴族街以外の土地であれば、自己裁量で建物を増やせるため、三人の妻以外に、平民の愛妾をもつことが可能となる。 なお貴族の愛妾は、星結びの儀式をしなかった存在を指し、身食いや、下働きとして育てられた貴族の子等の貴族院を卒業していない者や、血筋が良くても正式に嫁入りができない女性や、子も実家もない未亡人等の身寄りを失って持参金や後ろ盾のない貴族女性がなることが多い。&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A) 平民(特に貧民)と貴族では、結婚相手に求める基準が異なる。 貧民街における良い嫁とは、まず、健康で丈夫であること第一条件で、次いで気立てが良くて働き者であることが続く。美人の条件に裁縫の腕ややりくり上手などが加わる&footnote(第105話)。 一方、貴族は魔力的な釣り合いが取れないと子供ができない為&footnote(第105話、第238話、ふぁんぶっく4 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン「魔力量に大きな差がなく、魔力が合えば子供はできます。子ができるかどうかに属性はあまり関係がありません。」)、魔力の釣り合いが第一で、次いで身分や派閥関係の調整が挙げられる。 相手に合わせて魔力濃度を薄める事で釣り合わせれば子供はできるが、濃度調節は身体に負担をかける上、薄めた魔力で生まれる子は家の魔力基準に満たず、神殿行きか下働きになる可能性が高い。 子供の[[魔力量>魔力#魔力量]]は妊娠中の母親が注ぐ魔力量に左右されるので&footnote(第466話)、妊婦はなるべく多く魔力を与えられるように、他への魔力の使用を控える。かといって、期待をかけすぎて初期に大量に注ぎすぎると流産しやすく、母体にも良くないため&footnote(第403話)、適切に行う必要がある。 この為、一般の貴族女性は妊娠、出産、子育て期間は丸々職から離れることになり&footnote(第535話)、女性領主も[[礎>魔術具と神具#礎の魔術具]]に魔力を注げなくなる。この制約から、女性が領主となる場合は、必ず夫も領主候補生でなくてはならない。&footnote(第253話) なお、妊娠期間はほぼ9か月であり、多少の個人差はあるものの魔力による変化はない。&footnote(ふぁんぶっく3 Q&A) 子供は母親とほぼ同じ魔力だが、夫婦関係が良好な場合は、互いに染まり合い、夫婦の魔力が近い状態になる。&footnote(第581話、第585話) 子供を父親の魔力に近付けるには、妊娠期間中もなるべく頻繁に夫から妻へ魔力を流すようにした方が良い。この辺りの事情もあって、妻が妊娠中に他の妻を娶らない方が良いとされている。&footnote(第581話) 一般的に1ヶ月程度で染め合った魔力は元に戻るため、離れると互いの影響が薄れることになる。&footnote(第581話、第585話) 夫の影響が薄くなった母親は本来の自分の色に戻り、子供の魔力は生まれた時が基準になるので、成長すれば親子でも差が出てくる。 子供の魔力に大きな影響を与えるのが母親である為、貴族の結婚の血統禁忌は、同じ母親につながるか否かで異なる。 同母の場合、兄妹(第二親等)での結婚は許されないが、異母の場合は許される。なお養女は異母妹と同じ扱いになる。 血筋を遡った際に、同一の女性に至る場合、従兄妹(第四親等)から結婚を許可される。&footnote(第440話) 同母の年の離れた妹を養女にした場合の息子と養女の結婚可否や、父娘間の可否、洗礼式で戸籍変更した場合の血筋上のみ兄妹間の結婚可否等は不明。 通常の貴族で、他領からの輿入れがある場合、それぞれの領主の許可を得た後、親族だけで領地の境界にある門へと迎えに行き、お互いに挨拶をして、花嫁や花婿を連れて帰ってくる。この時点ではまだ儀式を終えていない婚約者の状態で、正式な婚姻は夏の星結びの儀式を待つことになる。&footnote(第366話) 王族や領主候補生の婚姻は、領主だけでなく、王の許可が必要になるため、領主会議の時に[[中央神殿]]から[[神殿長]]がやってきて、星結びの儀式を行う。貴族院の祭壇のある礼拝室で星結びの儀式を執り行い、その後、領地ではお披露目のみが行われる。&footnote(第366話) いずれにせよ、他領に輿入れする場合は、洗礼式の際に登録した[[メダル>魔術具と神具#登録証]]を持参する。&footnote(第536話) **&aname(離婚,option=nolink){}離婚 所定の手続きを踏むことで、離婚することができる。 ただし、星結びの儀式で最高神の祝福を得たのにも関わらず離婚した場合、それから先は最高神の祝福を得にくくなり、普通にお祈りしても半分くらいしか祝福を得られなくなる。&footnote(第657話 アドルフィーネの相談と儀式の準備) **&aname(死亡,option=nolink){}死亡 平均寿命は栄養状態で決まり、貴族が六十三歳くらいで、平民は五十歳位&footnote(ふぁんぶっく3 Q&A)。ただし魔力持ちは、魔力を適切に抜くことができなければ、長生きができない&footnote(第337話、ふぁんぶっく3 Q&Aでのヨナサーラの選択肢および貴族の寿命に関する記載他)。 魔力を持つもの(魔獣を含む)は、死ぬと[[魔力を溜める器官>魔力#魔力を溜める器官]]へと魔力が流れ込んで固まり、血液凝固のように固まって[[魔石>魔力#魔石]]が形成される。&footnote(第174話、設定等まとめ Twitterこぼれ話) 戦闘で死ぬ、[[即死毒>薬と毒#即死毒]]で死ぬなどの特殊な例を除くと、死んですぐさま魔石になるということはない。&footnote(設定等まとめ Twitterこぼれ話) 死後どのような形態になるのかは、肉体の部位(魔獣で言うと素材)が身体から切り離される際に、魔石になる部位がどういう状態だったかで変わる。 死ぬ前かつ魔石を傷つけられる前に剥ぎとられたものは生前の状態で、死後や魔石を傷つけられた後は、魔石以外の部位はどろりと溶けてなくなる。&footnote(第226話、書籍第1巻書下ろし) :&aname(遺言,option=nolink){}遺言| 今際の台詞が話題にあがることはあるが、故人の財産の処分等、遺された生者の行為に効力を持つ「遺言」の存在は明示されていない。&footnote(本編・SS・ハンネ・設定集を通じて「遺言」という単語の登場は、「第524話 領主一族の会議 後編」における、ローゼマインの脳内考察のみ。「遺言のようなもの」は後述) その一方で、魔力を持つ者が、自身の魔力を振り絞って助けを求めた場合、助けを求めた相手に声と映像が飛ぶ現象が生じることと、その性質上、該当現象が戦死や処刑などの際に起こりやすいことから、貴族はこの現象を死の間際の「遺言のようなもの」として扱っている。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン/助命権限を持つ者や助命能力を持つ者に対するヘルプコールなので、実際には遺言ではない) **&aname(葬式,option=nolink){}葬式 平民は、死後すぐに葬儀を執り行う。 家族とその近所の住民は、黒い布を腕に巻くことで、葬儀に関係していることを示す。 死者の国の扉が開くのは、闇の神と光の女神が出会う夜明けであり、無事に朝日が昇る時、夫婦神の導きで死者の国へと迎え入れられると考えられている。 その為、井戸の広場に黒の布を腕に巻いて結んだ近所の人達が集まり、故人が無事に死者の国に迎え入れられるまで、故人の思い出を語りながら夜を明かす。 葬式が終わるまで、肉の類は口にしてはならず、2の鐘が鳴り響く頃に婦人方が配るパンとお茶で朝食とする。 朝食後に、近所の皆で板を担いで、神殿へと向かい、死亡したという届出をして、埋葬に必要な[[メダル>魔術具と神具#登録証]]を受け取る。 洗礼時に登録したメダルが埋葬の許可証となる。金をかけて墓石や墓碑を準備できない者は墓石代わりに使う。 神殿でメダルを受け取ったら、街の外にある墓地へと向かい、木箱を埋葬し、板を土に差し込む。 板に墓石代わりのメダルを押し付けるとピタリとくっついて離れなくなる為、この板を墓標として、葬式は終了になる。 死んだのが一家の主であれば、遺産相続についての話し合いやこれから先の一家を支える跡継ぎの決意表明のようなものがある。&footnote(第168話) 神殿が近隣にないことから、[[エーレンフェスト]]以外の平民の登録証([[メダル>魔術具と神具#登録証]])の受け渡しは直ぐにできない。 その為、死者を神殿に運ぶ代わりに、葬式時に死者の血を木札に取っておき、秋の収穫祭時に[[文官>階級と職務#文官]](徴税官)に報告して木札(血)を渡す&footnote(第232話 処分)。 文官は徴税の品物と一緒に、木札(血)を発送専用の[[転移陣>魔術具と神具#転移陣]]で&footnote(第197話 収穫祭の打ち合わせ、第213話 収穫祭)、登録証が保管されている城に送る。 死者の登録証は、血にこもった魔力&footnote(第346話 魔術具のインク)を目印とした魔術で取り出され、木札に貼り付けられた状態で送り返される。&footnote(第213話。徴税官が、発送専用の魔法陣と受け取り専用の魔法陣の両方を持参しており、その場で、魔方陣の描かれた布を、発送専用から受け取り専用に交換して待機し、多少の時差で城から戻されたものを引き渡す……というのが一番効率が良いが、効率より儀礼的な手順を重視する為仕事の進め方が非常に遅い、城付貴族の文官がそれをしているかどうかは不明。従って、最速で収穫祭翌日、最遅で翌年の収穫祭時の返却となる) 従って、遺族が受け取った登録証付きの木札を墓標につけるのは、送り返された木札を受け取った後となり、葬式から相当日数が経過する。&footnote(第232話 処分) 貴族は[[時を止める魔術具>魔術具と神具#時を止める魔術具]]を持つため、死亡時期と葬式の時期が乖離することが多い。 領主が死亡した場合は、領主会議で次期領主が承認された後、周辺の領地を招いて葬式を執り行う。 葬式は[[青色神官]]を呼び、遺体から[[命の神の神具>魔術具と神具#エーヴィリーベの剣]]を使って[[魔石>魔力#魔石]]を取り出し継承を行う。 魔石を取り出すと遺体が消える為、遺体の埋葬はしない。 魔石は日用品と共に各家の館の当主しか入れない地下室に保管される。&footnote(ふぁんぶっく3 Q&A、2018年11月10日活動報告 11/12感想返し https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/372556/blogkey/2167133/) 魔石は先祖代々受け継ぐが、保管し続けるか使用するかは継承者次第である。&footnote(設定等まとめ Twitterこぼれ話) 血族の魔石は、その属性や品質から[[子供が生まれた時に与える魔術具>魔術具と神具#魔力を溜めこむ魔術具]]を調合するのに向いているため、各家庭の財政状況にもよるが、その為に使用されることが多いと推測される。&footnote(ふぁんぶっく3 Q&A、2018年11月10日活動報告 11/12感想返し https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/372556/blogkey/2167133/) [[青色神官]]は魔力を持つので、遺体の性質的には貴族に近いが、墓参り対象となることから、儀式で魔石を取り出すことなく墓に埋葬されると推測される。&footnote(第245話 領主夫妻の帰還、第252話 ゲオルギーネの来訪、第253話 閑話 お茶会) 反逆者は葬式がなされず墓標も存在しない。 領主と領主候補生のみ使用できる[[闇の神の魔術>呪文と祝詞#メダル破棄の祝詞]]で、[[メダル>魔術具と神具#登録証]]を破棄して処刑を行う。&footnote(第232話、第523話) 処刑されたものは灰すら残らない。 *&aname(芸術,option=nolink){}芸術 **&aname(文芸,option=nolink){}文芸 文芸(言語芸術) は、親から子や吟遊詩人から大衆への口承が中心だったが、エーレンフェストの印刷本の台頭により、記載文学が普及しつつある。 口承文学は広く普及している。&footnote(第19話、第221話、第228話、第258話、第372話、第386話、SS8話、SS12話、書籍版第一部II 洗濯中の井戸端会議) 平民や貴族を問わず、親が子に物語を語ったり&footnote(第19話、第221話、第386話)、[[吟遊詩人>階級と職務#吟遊詩人]]が騎士物語を語ったりしている。&footnote(書籍版第一部II 洗濯中の井戸端会議、SS8話) 記録媒体が、木板か羊皮紙と、没食子インクであり、羊皮紙とインクが[[非常に高額>通貨]]であること&footnote(第8話、第38話、第43話、第241話)、更に印刷がなく手書きで作成するしかなかったことから&footnote(第5話、第121話)、本の絶対数が少ない。&footnote(第5話、第119話) 蔵書場所も、神殿の図書室&footnote(第67話、第80話)、上級貴族の書斎&footnote(第289話、第565話)、城の図書室&footnote(第207話)、[[貴族院の図書館]]&footnote(第292話)等に限定される。 貴族院の図書館の蔵書量でも、貧乏貴族救済目的で成績の良い者や字が綺麗な者の参考書を毎年購入したり&footnote(第293話)、成績優秀者についてまとめた資料を毎年保管したり&footnote(第303話)しているにもかかわらず、保存用の書庫に収めた古い資料まで含めて、3~4万程度にとどまっている。&footnote(第301話) これらの状況に加えて、エーレンフェストの本が広く認識されるまでは、本は一点ものであり芸術品であると考えられていた。 その為、美しい字を書く者に本文を書かせ、芸術家や絵の工房に色鮮やかな挿絵を頼み、皮の職人に宝石や金をあしらえた皮張りの表紙をつけさせて、初めて本と認められた。&footnote(第121話、第130話、第479話、SS第8話) 結果として、中級貴族ですら手に出しにくいほど高額になり&footnote(第227話、第479話)、重くて持ち運びどころか紙を捲るのにも労力がいる物となっていた。&footnote(SS8話、第479話) 価格面で手が出しにくいことに加えて、聖典や古い書物は、日常で使用されている新しい言葉とは異なる、古い言葉で記載されている為&footnote(SS8話、SS28話、第303話、第485話、書籍版第二部III「神殿の昼食時間」)、古い言葉に親しんでいる少数の者&footnote(SS28話)以外には、読書行為自体が負荷となっていた。&footnote(SS8話) 一方で、エーレンフェストの印刷本は、植物紙に([[植物油>食品と油]]と煤等からなる)印刷インキで印刷され、和綴じで製本され、皮の表紙はついていないことから、価格も重さも捲りやすさも大きく改善されている。 加えて、新しい言葉で記載されていることから&footnote(SS8話)、古い言葉の知識のない者でも容易に読むことができる。 これらの事情から、エーレンフェストの印刷本の台頭により、記載文学が一気に普及しつつある。 なお、印刷技術自体は、写本で収入を得ている下級貴族や青色の生活を圧迫するのではないかという危惧を抱かれていたが&footnote(第152話、書籍版第三部I特典SS お姉様とのお茶会)、絵画の印刷により、その価値が貴族にも受け入れられた。&footnote(書籍版第三部I特典SS お姉様とのお茶会) **&aname(美術,option=nolink){}美術 美術(造形芸術・視覚芸術)として、彫刻と絵画が存在する。 彫刻物は、[[神殿]]にある神々や神々以外&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン)の石像、礼拝室や図書室等の壁や柱や棚等の彫刻およびレリーフ等で見受けられる。&footnote(第15話、第16話、第381話、第454話、第583話、第602話) 彫刻の内、像の制作は平民の芸術関係の工房が担っている。&footnote(第186話) 建物は王や領主の創造魔術で作られていることや、彫刻物の一部が魔法陣と連動していることから&footnote(第381話、第583話、第602話)、貴族が魔術で制作したものも存在すると思われる。 神殿の宗教画&footnote(第96話)、城等の肖像画&footnote(書籍版第四部III書き下ろし)、本の表紙や挿絵&footnote(第121話)、資料の絵&footnote(第303話)など、主に貴族社会において絵が見受けられる。 絵画は写実的に描かれており&footnote(第96話、第496話)、デフォルメは認められていない。&footnote(第96話) 音楽ほどではないものの、貴族は嗜みとして画力も求められており、自称不得意でもそれほど下手ではなく&footnote(第303話)、得意と言うと絵師になれるレベルとなる。&footnote(第496話) 絵具の材料である素材(鉱物・[[油>食品と油]])や、絵を描く布や紙それぞれが魔力を持ち、互いの属性の影響を受ける為&footnote(第346話、第348話)、同じ鉱物でも異なる油に混ぜると様々な色に変化したり、絵具同士を混ぜると黒になったり、絵具を紙に塗ると時間と共に変色したりする。&footnote(第156話、第157話) この為、絵具の製法は完全に工房独自の物で秘匿されて、同じ工房に注文しなければ、同じ色を取り寄せることができない。 加えて、絵具は下町には売りに出されておらず、貴族向けには注文を受けた工房が作って直接納めに行く形式をとっている。 なお、塗った後の色の変化の抑制は、予め色を付ける対象に定着剤を塗って、定着剤が乾いた後に色をつけることで回避している。&footnote(第157話) [[ローゼマイン]]の出資で印刷用の色インク製造技術が確立した結果、同じインク工房から取り寄せた色インクで多色刷りができるようになった。&footnote(第157話、第339話) 更に、[[ハイディ]]の研究により、上から塗ってインクを変色させることなく保護する薬剤の開発された。&footnote(第348話) **&aname(音楽,option=nolink){}音楽 伴奏を伴う声楽が中心であり、伴奏用の楽器として、弦楽器([[フェシュピール>用語一覧#フェシュピール]]&footnote(第105話))、管楽器(横笛&footnote(第147話)、笛&footnote(第297話))、打楽器(太鼓&footnote(第297話))が存在する。 農村で暮らす平民とって音楽は歓喜の表現であり、収穫祭にて、手拍子、足拍子、口笛や楽器と共に、大きな声で歌い踊る。&footnote(第213話) 貴族にとって音楽は嗜みであり&footnote(第104話、第206話)、奏者の技量と場との調和が必要となる。 貴族のお茶会では、[[楽師>階級と職務#楽師]]が複数呼ばれて、代わる代わる演奏する。&footnote(第110話) 曲目は、[[最高神と五柱の大神>神々]]に捧げる歌や[[芸術の女神>神々#キュントズィール]]に捧げる曲、戦いの時に鼓舞する軍歌のような曲が多く、[[英知の女神>メスティオノーラ]]に捧げられる曲は少ない。&footnote(第304話) ローゼマインが[[クラシック>創作物一覧#クラシック曲]]や[[アニソン>>創作物一覧#アニメソング]]等の曲をもたらした結果、曲の種類が一気に増えた。 エーレンフェストで印刷がはじまるまでは、家庭で音楽の教師から学ぶか、貴族院の講義で学ぶか&footnote(第380話)、お茶会で他の楽師が披露した曲を耳で覚えた後に楽譜をおこす&footnote(第305話)かすることで、曲が広まっていた。 エーレンフェストで印刷製の楽譜の販売を開始したことから&footnote(第247話)、楽譜をもとにした曲の普及も進んでいる。 洗礼式の[[お披露目>用語一覧#お披露目]]&footnote(第206話、第219話、第220話)、貴族院の実技の講義&footnote(SS10話、第289話他)、[[貴族院の卒業式>貴族院#卒業式]]の奉納用の音楽や歌と&footnote(第334話、第517話)、自身の腕前を披露する公式の場が多いことから、洗礼式を迎える前から練習を重ねる。 音楽の演習は、フェシュピールで、音階や歌、曲を覚えておくことを基本とし、その上で、自分に合った楽器を探す。&footnote(第206話) その一方で、教育費の結果生じる、楽器や教師の質の差で、演奏の腕前に差が生じることから、お披露目は下位階級から行うし&footnote(第219話、第220話)、貴族院の練習も貴族階級で分かれる。&footnote(第289話) 貴族が専属楽師になる場合は、[[側仕え>階級と職務#側仕え]]を兼任する。 平民でも、音楽の才能が高い場合は、専属楽師として身を立てる場合もある。 魔力量の問題で貴族になれずに平民となった、貴族一族の者がなる場合がほとんどだが、神殿の灰色神官や灰色巫女が楽師となる場合もある。 いずれにせよ、音楽的な才能と貴族社会で浮かない立ち居振る舞いが必要とされる。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) **&aname(舞台芸術,option=nolink){}舞台芸術 舞台芸術として、舞や演劇が存在する。 貴族は、貴族院の卒業式で歌舞音曲の奉納を行う。&footnote(第334話) その中で、[[領主候補生]]は奉納舞を、騎士の内選抜されたものは剣舞を披露する為、貴族院の実技の講義の中に、奉納舞の練習や剣舞の練習が組み込まれている。&footnote(第281話、第297話、第334話他) お茶会や狩猟大会以外の、娯楽的な催しの有無や種類は領地によって変わる。 [[クラッセンブルク>地理#クラッセンブルク]]では、神殿の青色神官や青色巫女が演じる神話をもとにした演劇が楽しまれている。&footnote(ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) *&aname(交易,option=nolink){}交易 国内の領地間、ユルゲンシュミットと外国間で交易が存在する。 国内の交易は、貴族院の領地対抗戦で交易対象物を示し、[[領主会議>用語一覧#領主会議]]の場で具体的な取引量と取引内容を決める。 その取り決めに従い、平民の商人達が、領地間を移動して商品を入手・輸送する。 ユルゲンシュミットと外国間の交易は、領主が[[境界門>地理#境界門]]を開き、王が[[グルトリスハイト]]を用いて[[国境門>地理#国境門]]を開け、[[国境門内にある転移陣>魔術具と神具#国と国を繋ぐ転移陣]]を用いることで可能となる。&footnote(第600話) 交易実績のある外国として、[[ボースガイツ>地理#ボースガイツ]]、[[ランツェナーヴェ>地理#ランツェナーヴェ]]が存在する。 外国では[[魔石>魔力#魔石]]があまり存在しない珍しい物らしく、何よりも欲しがられ、平民でも狩れるような弱い魔獣の小さい魔石でも高額で取引されている。&footnote(第539話) 先代[[ツェント>ユルゲンシュミット国王]]の治世時は、約200年前に断交したボースガイツを除いた国境門から繋がる五ヶ国と交易していたと思われるが、[[政変]]を経た[[ツェント・トラオクヴァール>トラオクヴァール]]の治世時の交易相手はランツェナーヴェに限定されている。&footnote(第510話) *コメント #blockquote{&b(){このコメント欄はwikiの情報充実のために設けた物です。} 編集が苦手な方は以下のコメントフォームへ書き込んで頂ければ有志でページに取り込みます。 &color(red,){表示される親コメントには限りがあるので、返信の際は返信したいコメント横のチェックを付けて返信するようご協力お願いします。}} #pcomment(noname,reply,size=100,new,文化/コメント)
#contents() *&aname(衣,option=nolink){}衣 [[階級>階級と職務#階級]]を問わず共通の慣習として、女性はスカート、男性はズボンが基本となる。 紡糸、機織り、縫製、刺繍など、仕立ては全て手作業で行われる。 特に刺繍は平民女性の美人の条件となり&footnote(第15話、第105話)、貴族女性の嗜みとされる&footnote(第15話後書き、第306話他)。 古着屋も存在する&footnote(第85話、第92話)が、新しい衣装を仕立てる場合は個別に採寸するオーダーメイド方式となる&footnote(第43話、第85話、第227話)。 服の清潔さ&footnote(第25話、第26話、第29話、第85話)をはじめとし、継ぎ接ぎ&footnote(第2話、第7話、第12話、第15話後書き、第25話、第26話、第94話他)も含めた布の質&footnote(第81話、第220話)、布の量&footnote(第25話、第28話)、袖の長さ&footnote(第85話、2014年7月3日活動報告の2014年7月5日感想返し)やボタンの位置&footnote(SS44話、書籍版第四部III特典SS)などのデザインに、身分や立場が顕著に表れる。 貧民は、晴れ着以外は、生地の厚さと丈夫さが最優先で&footnote(第85話)、週一程度の洗濯&footnote(第63話、第85話)と、おさがり、継ぎ接ぎ&footnote(第85話)でしのぐ。 布の量の問題から、女の子の服はワンピースに限定される&footnote(第85話)。 富豪になると、布の質があがることは勿論、清潔さを重視した高頻度の着替え&footnote(第63話、第63話、第85話)、布の多用したデザイン性重視&footnote(第28話、第85話)へと移る。 貴族用の衣装は、基本的には側仕えが着せることを前提に作られており、一人で脱ぎ着ができない。&footnote(SS44話) 逆に、一人で脱ぎ着ができるようボタンが前についた衣装は、平民用の服と認識される。&footnote(SS44話、書籍版第四部III特典SS) 自分で動かなくても、[[側仕え>用語一覧#側仕え]]が動いてくれるので、服の汚れを気にしなくても良い立場だと示す場合は、邪魔なくらいに袖が長くなる&footnote(第85話、2014年7月3日活動報告の2014年7月5日感想返し)。 但し、貴族であっても、袖が長いのは自分が働く必要がない時に限定され、騎士や文官などの仕事服や神官の普段着は長くない。 儀式に臨む[[青色神官]]や、給仕の存在が前提となる食事時間の貴族は、袖の長い服を着る。 その為、汚さないように食べる練習が必須で、[[洗礼式>暦#洗礼式]]を終え、見苦しくなく食べられるようになるまで親と食事ができない。&footnote(2014年7月3日活動報告の2014年7月5日感想返し) :デザイン・流行| 同一色、相似色、補色、中差色、彩度、明度などのカラーコーディネートの概念が存在し&footnote(第85話)、[[貴色>魔力#属性]]を纏うことが決まっている儀式以外では、季節や髪や目の色等にあわせて、色の組み合わせを変える。 デザインを重視する一方で、富豪や貴族は流行を重視する。 領主一族や上級貴族は流行を発信する側である必要があり、下位の後追いは身分的に相応しくないと考えられている&footnote(第175話)。 その一方で、[[エーレンフェスト>エーレンフェストの領地]]では下位の貴族は上位の貴族の流行を後追いしなくてはいけないという暗黙の前提があった&footnote(第183話、第240話、第241話、SS9話)。 その前提の結果、体格に全く合わない服を着るという個人的な問題&footnote(第183話、第240話、第241話)や、均一な染の布を貴ぶ大領地の流行が持ち込まれたことで、それまで存在した蝋結染めや絞り染めが廃れる&footnote(第347話、第349話)という大きな問題なども生じていた。 [[ローゼマイン]]が領主の養女となった以降は、ローゼマインの薫陶の結果、各々に似合った服を身にまとったり、技術が流行で廃れないよう記録に残したりするように変化している&footnote(第274話、SS9話、第449話)。 :地域差| [[国境門>地理#国境門]]が開かなくなって十五年以上が経過している為、[[アーレンスバッハ>アーレンスバッハの領地]]以外では薄れているものの、国境門がある領地では、衣装等に、独自の異国風文化が存在する&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterまとめ その2)。 その一例として、アーレンスバッハの女性は、公式の場において必ずヴェールを身に付けるというものが挙げられる&footnote(第252話)。 同様に、シャツやズボンの上から、[[マント>#マント]]ではなく、薄くて大きな一枚布を体に巻き付けるようにまとうのが、アーレンスバッハ風の男性の装いとされている&footnote(第252話)。 **年齢による変化 女性は、年齢に応じてスカート丈や髪の結い方を変える。 10歳までは膝まで、10~15歳は脛位の長さと決まっており、15歳で成人したら足首も見えない長さが推奨される&footnote(第54話、第140話、第244話、第282話)。 更に髪を完全に結い上げるのは成人女性の証とされ、成人前の女子は結い上げず&footnote(第6話、第140話)、成人後は基本的に寝台の上以外では髪を解かない&footnote(第520話)。 髪型の基準は肩位置との関係であり、未成年の女性は肩より長くし、成人女性は肩より上げる&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)。 実際には、平民の労働階級の成人女性のスカート丈は足首あたりまでであり&footnote(第54話)、女性の貴族が[[騎獣]]に乗ったり採集に赴いたりする場合は、見た目がスカート風のキュロット([[騎獣服>#騎獣服]])を着用する&footnote(第290話)。 男性は、平民も貴族も10歳までは半ズボンもはくが、それ以降は大人と同じになる。 ただ、男性の服装などの変化は、女性ほど明確ではない。&footnote(ふぁんぶっく2 Q&A) **&aname(晴れ着,option=nolink){}晴れ着 [[洗礼式、成人式、星結びの儀式>暦#年中行事]]の衣装で、基本的には階級をまたいで共通となっている。 洗礼式は白の服を&footnote(第15話、第20話、第175話、第212話)、成人式や星結びの儀式では生まれた[[季節の貴色>魔力#属性]]の服を身につける&footnote(第181話、第183話、第196話、第494話)。 例外的に、農村では秋の収穫祭で一括して洗礼式・成人式・星結びの儀式を行うため、洗礼は白の服に秋の貴色の刺繍だが、成人や星結びは秋の貴色の服をまとう&footnote(第212話)。 **&aname(下着・靴下,option=nolink){}下着・靴下 下町の人間にとって靴下は防寒具である。 その為、夏は履かないし、冬は毛糸で編んだ巾着のような袋状のものに足を突っ込んで、紐を縛る。 この袋は足首までなので、その上に毛糸で編んだレッグウォーマーを膝の辺りまでつける。 見栄えではなく防寒重視なので、ズボンを数枚重ねて履き、その上に装着する。&footnote(第141話 ルムトプフと靴) 富豪・神殿関係者・貴族階級では、素足を見せるのは恥ずかしいことだとされているので、男も女も必ず靴下を着用する。 これは身嗜みとか礼儀のようなもので、靴下を履いていないのはとてもみっともないことだとされている。&footnote(第141話 ルムトプフと靴) 薄い布製の、太股の半ばまであるような長い靴下を履く。 ゴムが無い為、靴下には長い紐がついており、靴下をはく前に腰にまいた布の帯に紐を結びつける。 靴下を着用した後、膝より長くて、薄くて余裕がたっぷりあるドロワーズを履く。 スカートが捲れた際にドロワーズしか見えないように、ドロワーズの長さは、スカート丈、ひいては年齢に応じて変わる。 お腹の辺りに紐が通されていて、結ぶようになっている。10代未満の子供用は膝の辺りにも紐があったが、それ以降も紐なのか、年齢に応じて変わるのかは不明。 靴下とドロワーズを身につけた後に、上のシャツを着る。&footnote(第141話 ルムトプフと靴、第237話 新しい衣装、第279話 浦島太郎なわたし、第584話 じじさまとの対面) また、ボディスが存在し、身体の線を綺麗に見せる目的で、(裕福な)平民の女性は10歳から身につけるようになる。&footnote(書籍第三部IV プロローグ) その一方で、[[魔石>魔力#魔石]]による簡易鎧を衣装の下につける習慣があることから&footnote(第237話)、貴族女性は、身体を締め付ける目的の補正衣服を身につける必要がない。 **&aname(靴,option=nolink){}靴 下町の靴は、動きやすさを重視した皮製のショートブーツと、フランスのSabotのような木靴の二種類が存在する。 貧乏人は素足であることも珍しくない。 下(貧民)から上(富豪)にいくにつれて、素足、ぼろ布を巻くだけ、木靴、革靴となっていく。&footnote(第141話 ルムトプフと靴) 貴族階級は、足元の防寒対策を靴で行う。 冬は裏が起毛した膝くらいまでの深靴(ロングブーツ)を中心に&footnote(第141話 ルムトプフと靴)、夏は短靴(ショートブーツ)を中心に履き分ける。 靴の生地も、用途や見た目で使い分けられており、外出には硬めの馬皮製や柔らかめの豚皮製を、屋内では布製を使用する&footnote(第141話 ルムトプフと靴、第142話 金属活字の完成、第585話 メスティオノーラの書)。 貴族院で、魔石を変形させて鎧の靴を作る練習をする為や、緊急時や[[魔力]]の伝達を重視する場合に、魔石の靴を作って履くことができる&footnote(第585話 メスティオノーラの書、第657話 アドルフィーネの相談と儀式の準備)。 また、貴族の使う魔石は魔力で温度調節が出来る。 **&aname(装飾品,option=nolink){}装飾品 :&aname(マント,option=nolink){}マント| 富豪や貴族階級は、正装の一部としてマントを着用する&footnote(第81話、第126話、第176話、第219話他)。宴などでは[[季節の貴色>魔力#属性]]を使用する事もある。 貴族院等の公の場や、領地内にいる騎士団は、領地の色をまとうが、私的な場では特に色の制約はない&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)。 王家の色(黒)をまとうと後ろ指をさされる為使用しないだけで、特に明文化された禁止事項はない&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)。 貴族院に入学する子供は、[[ブローチ>魔術具と神具#選別の魔術具]]と[[領地の色>地理#ユルゲンシュミット1]]のマントを領主から与えられる&footnote(第282話)。 このマントは成人まで使える事を前提とした大きさで用意され&footnote(第282話 準備と授与式)、新品には刺繍は入っていない。&footnote(第415話) 守りの魔法陣の刺繍が施されると、防具または[[お守り>魔術具と神具#お守り]]代わりになるので、騎士も全身鎧の上から身に着ける&footnote(マントをまとう:第126話、第225話他、お守り:第328話、第346話、第421話)。 貴族院の一年時は、もらったばかりなので刺繍がないことが多く、年を重ねるごとに増えていく。 男性は、母親がしてくれたり、姉の実験台になったりすれば刺繍があるが、女性は将来の練習として自分で刺繍をする。&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A) 母親や同母姉妹がいない貴族は、マントに刺繍がないことも珍しくないため、結婚前であれば、刺繍がないマントを見られても、刺繍をしてくれるものがいないのかと思われて終わり、特に不憫がられることもない。&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A) マントへの刺繍の詳細に関しては[[男女交際>#求愛行動]]の項を参照。 :帯・ベルト| 貴族階級の者は、魔術具などを普段から使用するためベルトや帯を使用し、ベルト周りに引っかけるなどして携帯している。 [[各種薬品>薬と毒]]、[[魔石>魔力#魔石]]の入った金属の飾り、[[名捧げ]]の石、各種魔術具などが腰周りに収納されている。&footnote(第189話、第193話、第220話、第251話、第290話、第357話、第366話、第396話、第410話、第432話、第437話、第500話、第501話) **制服・専用服 :&aname(見習い服,option=nolink){}見習い服| 仕事着。基本的に洗礼式を終えた子供に親が新しいものを準備する。&footnote(第86話) 商会の見習い服は商会ごとに違うため所属を表す制服のような意味合いもあり、小銀貨10枚弱で一式が揃う。&footnote(第60話) :&aname(下働きのお仕着せ,option=nolink){}下働きのお仕着せ| [[アーレンスバッハ>地理#アーレンスバッハ]]の城では揃いの制服として下働きにまで支給されている。&footnote(第460話) :&aname(神殿の衣装,option=nolink){神殿の衣装}(神官服、儀式服)| [[神殿>地理#神殿]]では、[[灰色神官/巫女・見習い>青色神官]]は灰色の衣、[[青色神官/巫女・見習い>灰色神官]]は青の衣、[[神殿長]]は白の衣をまとう。&footnote(第66話) 神官/巫女服の袖はあまり長くなく、[[調合>魔力#調合]]の際などにもそのまま着用できる。 普通の衣装の上から被って着る形であり、衣の下は各自で適当に変えられる。&footnote(第79話) 青色神官/巫女は、最高神への信仰とこれから常に成長し続けることを誓う立場であることから、成長を促し助ける火の神の貴色であり、最高神の司る高く亭亭たる大空の色である青をまとう。&footnote(第79話) 青色神官/巫女の儀式服は、晴れ着に相当し、縁取りの刺繍や家の紋章の刺繍のある特別仕立てのものを用意する必要がある。&footnote(第90話) 帯は白地で、見習いは銀糸、成人は金糸で聖典の祈り文句が刺繍された物を用い&footnote(第125話)、季節の貴色の飾りを身につける。&footnote(第79話) 神殿長は、[[メスティオノーラの書>グルトリスハイト]]を賜った[[初代ツェント>ユルゲンシュミット国王]]やツェント候補達が[[メスティオノーラ>神々#メスティオノーラ]]と間違われて[[エーヴィリーベ>神々#エーヴィリーベ]]に襲われないように、エーヴィリーベの貴色である白をまとう。&footnote(第666話) 神殿長の儀式服は、裾が足元まである長さの白の衣に金のタスキ、帯、季節の貴色の小物(飾り紐などの帯飾り、髪飾り、タスキを留めるブローチなど)となっている。&footnote(第66話、第181話、第183話、第223話) ただし星結びの儀式では、黒と金の生地のタスキ、帯飾りなども黒と金となる。&footnote(第181話) ローゼマインが仕立てた儀式服の帯は銀色で&footnote(第223話、第425話)、エーレンフェストの領主の子を示す、神官長とお揃いの紋章が前身頃に入っている。&footnote(第181話/おそらくエーレンフェストの獅子の紋章) :貴族院の衣装| [[貴族院]]では、黒を基調とした衣装に[[領地の色>地理#ユルゲンシュミット1]]の[[マント>#マント]]と専用の[[ブローチ>魔術具と神具#選別の魔術具]]をまとうことが規定で決まっている。&footnote(第282話) 全てを吸収する闇の神に敬意を示し、貴族院での教えを貪欲に吸収する姿勢を見せることから黒の衣装を&footnote(第282話)、所属する領地を示した上で、領地別の寮の入室選別を行う目的でマントとブローチを身につける。&footnote(第282話、第283話、第284話) びっしりと色鮮やかな刺繍をしている者や、袖のぴったりとした服の上からボレロのような感じで袖のひらひらした上着を着て、講義内容によって袖の長さを調節している者もいる。ただし、このボレロ着脱式は領主候補生は不可とされた。&footnote(第282話) 貴族院の先生のマントの裏やスカーフは、出身領地の色になっている。&footnote(コミック版第四部IIIカバー裏) :奉納舞の衣装| 神殿の儀式服に似たデザインで、振袖のような長い袖となっている。 奉納舞の動きに合わせて翻るように透けるような薄い素材で作られ、腰から裾にかけていくつか切れ込みが入っている。 [[稽古時>貴族院#講義]]は銀色の帯、[[本番>貴族院#卒業式]]は成人を祝うので金色の帯となる。 また、役柄に合わせた神々の貴色の薄い布を頭からかぶる。&footnote(第297話) :&aname(調合服,option=nolink){}調合服| [[調合>魔力#調合]]する時は袖が邪魔にならない調合服に着替える。文官のお仕着せに少し似ている。 あまり袖がひらひらしておらず、作業の邪魔になりそうなレースやひだの装飾は極力排することと決められている。 調合服にはマントを付けず、マントと同色のスカーフのような布をブローチで留めることになっている。&footnote(第385話) :&aname(騎獣服,option=nolink){}騎獣服| 女性が騎乗型の[[騎獣]]を使う場合に着用する。裾がひらひらとしたスカートの外見をしているが、キュロットになっている。&footnote(第290話) :騎士の衣装| [[騎士>階級と職務#騎士]]は、いつでも戦えるように、魔石で作る鎧の基本となるものを衣装の下に着込む。 防弾チョッキのような役目を果たし、荒れている領地では、突然の攻撃を防ぐために、文官や側仕えさえ身に付けておくのが常識になっている。&footnote(第237話) その上で、護衛任務に付く際などは身軽な簡易鎧を身に着け、討伐や採集目的の遠征などの際は[[全身鎧>魔術具と神具#騎士の鎧]]を身に着ける。 :&aname(執務服,option=nolink){}執務服| ひらひらした部分が少なくて格段に動きやすい貴族の仕事服。 とは言え平民の衣装とは全然違うので、貴族である事は一目瞭然。&footnote(第677話) :&aname(文官のお仕着せ,option=nolink){}文官のお仕着せ| それほど袖がひらひらとしていない。&footnote(第343話) :&aname(側仕えのお仕着せ,option=nolink){}側仕えのお仕着せ| あまりひらひらとしていない。&footnote(第220話) *&aname(食,option=nolink){}食 お酒、[[チーズ>食品と油#チーズ]]&footnote(第17話、第125話)、[[酢>食品と油#酢]]([[ワインビネガー>食品と油#ワインビネガー]])が存在し&footnote(第23話)、貧民でも手に入れられることから、発酵技術は普及している。 ローゼマインのスープが広まるまで、平民・貴族問わず、スープは一度完全に茹でて茹で汁を捨てる調理法が定着していた。&footnote(第23話、第50話) 小さいゴミや砂などが入っていることがあるというのも茹で汁を捨てていた理由の一つだが、平民の料理人内で、良い子が恵まれなくなるとか、子供が生まれなくなるとか言われていることが大きい。&footnote(書籍第5巻書下ろし 神殿の料理人見習い) 貧民は非常に固い雑穀パン&footnote(第23話)、富豪は小麦だけで作られている白パン&footnote(第50話)という差異はあるが、天然酵母の発見はなされておらず、ローゼマインが天然酵母パンを導入するまで、パンは固いものというのが基本概念だった。 アーレンスバッハ経由で、[[ランツェナーヴェ>地理#ランツェナーヴェ]]より砂糖が輸入され始めているが&footnote(第436話)、普及率は依然低く、レシピは確立されていない。&footnote(第74話) 中央の砂糖菓子も見た目は素晴らしいが、味は完全に砂糖の塊となっている。&footnote(第287話) その為、ローゼマインが導入した[[お菓子の数々>創作物一覧]]は、富豪は勿論、貴族社会にも非常に高く受け入れられている。 食に関する特殊事例として、[[アウブ]]の命令によって騎士団が遠征する際は、転移陣で城から食事を送る慣習もある。&footnote(第626話) また、騎士団の遠征先では、作法も何もなく水を飲みながら携帯食料をかじるだけという簡易さとなる場合がある。&footnote(第250話) **食事内容 平民の富裕層でも、食事の量が多くなるだけで、それ以外の平民層と料理自体には大差ない。 貴族の食事は腕の良い料理人が、平民が使わない食材や調味料と、貴族の家でしか作らないレシピを用いて調理する為、味も品数も完全に違う。&footnote(第74話、第76話) 品数の違いを反映し、貴族社会では、コース料理によく似た順番で料理が出される。 飲み物が注がれて、前菜の次にスープで、メイン料理が続き、果物やデザート、食後のお茶へと続く&footnote(第110話)。 更に料理の飾り切りや盛り付けも工夫がなされており、レベルが高い&footnote(第110話)。 平民と貴族の差は大きいが、貴族院や[[領主会議>用語一覧#領主会議]]で毎年お茶会交流をしている影響か、[[中央>地理#ユルゲンシュミットの直轄地]]と各領地間での、料理の種類やレベルの差は比較的小さい。&footnote(第287話)また、中央のお菓子は特に甘 く砂糖をそのまま固めたようなものであり、ローゼマインもお茶を飲みながらその甘さに耐えていた。それが故にエーレンフェストの素朴なお菓子がとてもウケた理由でもある。お菓子がとてつもなく甘い分、お茶はちょっと苦め。 その一方で、[[アーレンスバッハ>アーレンスバッハの領地]]の料理は[[ランツェナーヴェ>地理#ランツェナーヴェ]]から入ってくる調味料や香辛料の影響で、酸味が強く、辛みの強い物が多い。&footnote(SS32話) 新しい料理や珍しい味は社交の会食において大きな役割を果たしているが、珍しいだけではなく、他領の者に受け入れられる味であることも重要となっている。 アーレンスバッハ特有の酸味や辛みの強い料理は、他領に受け入れられないことがある為、アーレンスバッハでは、アーレンスバッハの者ではなく他領からきた配偶者が社交の会食の料理において采配を振るう。&footnote(SS32話) **&aname(飲料,option=nolink){}飲料 水分補給の際は、水は勿論、[[ハーブティ>食品と油#ハーブティ]]&footnote(第29話)をはじめとした様々な[[お茶>食品と油#お茶の葉]]や&footnote(第73話、第83話、第105話、第300話、第304話他多数)、[[濃い茶色の何か>食品と油#コーヒー]]や&footnote(第29話)、果汁水([[コルデ水>食品と油#コルデ水]])&footnote(第39話)なども飲まれている。また、パルゥなどの木の実の果汁をそのまま飲むこともある。 食事の意味合いが強いが、母乳の代用で[[山羊の乳>食品と油#山羊の乳]]が&footnote(第154話)、パン食補助で[[牛乳>食品と油#牛乳]]&footnote(第13話)やスープが飲食されている。 なお、ミルクはお茶に入れる形でも飲まれている。&footnote(第83話) お酒は平民から貴族まで愛飲している。 発泡酒([[べレア>食品と油#べレア]])&footnote(第77話)、果実酒([[ダンケルフェルガー>地理#ダンケルフェルガー]]産[[ヴィゼ>食品と油#ヴィゼ]]他)&footnote(第5話、第363話)、[[蜂蜜酒>食品と油#蜂蜜酒]]&footnote(第23話)、蒸留酒([[クラッセンブルク>地理#クラッセンブルク]]や、エーレンフェストの北方産)&footnote(第74話、本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterこぼれ話)など種類も豊富に存在する。 なお、飲酒に年齢制限はない&footnote(ふぁんぶっく4 Q&A)。 **&aname(作法,option=nolink){}作法 平民と貴族では食事の作法も異なる。 食前の挨拶は、平民はいただきますと告げるだけだが、神殿や貴族階級は、両手を胸の前で交差して、食前の祈りを捧げる&footnote(第88話、第138話他)。 食べ方も、階級が高くなるほど、優雅な仕草が要求される。 貴族社会では、長い袖を汚さず食べられるようになるまで親とすら同席しないし&footnote(2014年7月3日活動報告の2014年7月5日感想返し)、中級貴族と上級貴族ですら仕草や作法にレベル差が存在する&footnote(書籍8巻書下ろし)。 貴族社会では、毒殺の危険回避を重視した習慣や礼儀が多い。 まず、食器やカトラリーは、招待された客が持参する上、壊したり、盗まれたりする危険がある食器は自分の従者が扱い、他のものには触らせない。&footnote(第109話、第110話) 更に、客が持参した物はその場で客の手で開封されて、毒見のために客自身が食べて見せることが礼儀となっている。同様に、招待主がお茶に口をつけ、毒が入っていないことを示してから、客側もお茶に口を付ける。&footnote(第144話) また、食事中に給仕を受けることが当たり前である為、身分差や職分・階級差に応じて食事の時間がずれる。 身分の高い者から順に食事をとると共に、先に食事をする者から後に食事をする者達へと下げ渡す習慣がある。&footnote(第87話、第205話、第212話) その一方で、上位者が下位者の料理に興味を示した場合、自分の皿を差し出し、相手が下げ渡すのを待たないといけない。&footnote(第146話) 食堂に求める清潔さも、貴族と(エーレンフェストの)平民では大きく異なる。 エーレンフェストの平民は、街の汚れ度合の影響を受けて、ごみのポイ捨てが当たり前となっていた。 その結果、カチカチの固いパンを皿代わりにして、いらなくなった食べ物は床に落として、犬に食べさせることで片付けとする文化を持っている。&footnote(第77話、第89話) 更に、大量の料理を運ぶせいで、平民の給仕は、乱暴だろうが、零れようが気にしない。&footnote(第110話) その一方で、貴族は教育の行き届いた側仕えによって給仕されることが前提であり、更に衛生面の向上から、貴族の間ではテーブルクロスではなく、ナプキンを使うようになっている。&footnote(第109話) **&aname(保存技術,option=nolink){}保存技術 神殿や貴族社会には[[貯蔵用氷室>魔術具と神具#貯蔵用氷室]](冷蔵庫)や&footnote(第133話)、[[時を止める魔術具>魔術具と神具#時を止める魔術具]]が存在する為&footnote(第322話)、そこで食材や料理を保管することは可能だが、魔力が必要になることから、平民も貴族も、秋に収穫したものを保存食に加工した上で、暗室に保管することが[[冬支度>暦#冬支度]]の基本となっている。 魔力節約目的で使用は控えられているものの、他領へ嫁ぐ際に、懐かしくなった時に食べられるようにと、故郷の料理を時を止める魔術具に保管して持参したりすることもある。&footnote(第369話) 保存食の一種として、騎士の遠征用に保存性と栄養価が追及された携帯食料が存在する。 粉末状にした雑穀や野菜などを酒と塩に漬け、水分を飛ばしてピンポン玉くらいの大きさに丸めて固めた茶色い塊で、余裕があれば沸かした湯でふやかして食べるが、余裕が無い時はそのままかじるだけで食事を済ませる為、保存性と味を多少犠牲にしているとしても薄めの塩味に調整してある。&footnote(第250話) *&aname(住,option=nolink){}住 **&aname(住居,option=nolink){}住居 貧民街は隙間の多い木肌そのものが露出した木造建屋だが、富豪が住む建屋は色とりどりに塗装されている。&footnote(書籍第四巻書下ろし「側仕えの自覚」、第360話、第368話) [[エーレンフェストの下町>エーレンフェスト#下町]]では2階程度までの[[白の建物>#白の建物]]の上に、自前で木造の建物を建造している。&footnote(第4話、第65話、第174話、第230話、第350話) かなり高層で、7階建てが存在している。&footnote(第4話、第28話) 水の入手が通りの井戸に限定されることもあり、下町では、1階は店舗で、その上の2階は大体店の持ち主の家族が住んでいる。3~6階が貸し出され、7階は店の住み込みの見習いや従業員の部屋になっていることが多い。通りに近く、井戸に近い階ほど家賃が高くなる。&footnote(第28話、第58話) 基本的に最上階は屋根裏部屋であり、夏は暑くて、冬は寒い。雨漏りをすることも、鳥を飼っていることも珍しくない。&footnote(第58話) [[エーレンフェストの貴族街>エーレンフェスト#貴族街]]は下町側の門から遠いほど高級住宅地になる。 一軒一軒が公園のような規模を持つが、冬のみ貴族街で暮らすギーベ達の[[冬の館>用語一覧#冬の館]]の庭のサイズは、一年中貴族街で暮らす者の家では庭のサイズより小さい。 騎獣か馬車が基本なので、道を歩いている者はいない。&footnote(第174話) [[領主の城>エーレンフェスト#領主の城]]の敷地内には、三階建てや四階建ての建物と庭園、農園、果樹園、騎士団の訓練場が存在している。 点在する建物は、城の本館、離れ、騎士団の寮、庭師の住まいや森の管理人の住まいなどである。 城の入口は、仕事用と領主の家族やごくプライベートな客人用に分かれており、エーレンフェストでは仕事用が南、家族用が北となっている。&footnote(第182話)   城や貴族院の寮や神殿は、性別によって使う階が分けられており、女の子は上の階を割り振られている(男性は2階、女性は3階)。&footnote(第530話) 貴族の館でも、女主人の部屋は上の階に存在することから&footnote(第451話、第532話)、貴族社会一般的な慣習である可能性が高い。 **&aname(トイレ,option=nolink){}トイレ 八十年程前に、[[ドレヴァンヒェル>地理#ドレヴァンヒェル]]がネバネバの有効活用として下水道の作成や利用方法を[[領地対抗戦>貴族院#領地対抗戦]]で発表するまでは、周囲に汚物を捨てるのが常だった。&footnote(第345話) ドレヴァンヒェルの発表の後、領主会議で申請→権利を[[金銭>通貨]]で買い取り→許可取得→魔術改造実施という流れで上位領地から順に、下水処理とトイレの改造が進んだ。&footnote(第345話) 新式のトイレは深い穴が開いた落下式で、穴の底には、排泄物を分解する[[ネバネバしたもの>魔獣と魔木#魔力食らい]]がうごめいている。&footnote(第175話) アーレンスバッハからの嫁入り騒動の波紋で、[[エントヴィッケルン>呪文と祝詞#エントヴィッケルン]]による下水施設の整備が行きわたらなかった結果、エーレンフェストにおけるトイレと下水の整備は、貴族社会と神殿の集合捨て場のみに限定され、下町では、貧民から富豪まで、汚物を窓から道へポイ捨てすることが当たり前の習慣として続いていた。&footnote(第3話、第142話、第126話、第344話、第345話、第350話)   **&aname(風呂,option=nolink){}風呂 水場事情もあり、平民には風呂の習慣はないが、貴族社会では大理石の風呂が流行している。&footnote(第91話) 外国から入ってきたもので、貴族の間で美容と健康に良いと貴族社会では評判になっている。&footnote(第51話) 湯船につかる形式で、側仕えに手伝ってもらって入る。&footnote(第51話、第91話、第175話) 水瓶と水差しを繋ぐ魔術具である[[緑の魔石>魔術具と神具#緑の魔石]]の存在が&footnote(第299話)、貴族社会で普及した要因と考えられる。 領主一族、上級貴族の一部、騎士寮は、個人部屋に風呂があるが、貴族の邸宅では共同で使用することが多い。 城に住み込みの貴族でも、側仕えは共同の風呂となっている。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) 平民は一部例外を除き風呂を持っていないが、水浴びの習慣(冬はお湯浴び)はある。 商人は清潔さを重視する為、高頻度で水浴びをする。 工房も、指名されていない限り、お客に面接するものは、身体が清潔なものを優先する。&footnote(SS2話、書籍第二部I書き下ろし) 髪は水につけて汚れを落としているが、身体は、マイン達がしているように、水で濡らした布で体を拭いているのか、水を張った盥に完全につかっているのかは不明。 **&aname(照明,option=nolink){}照明 窓や隙間からの外光&footnote(第12話、第43話、第45話、第51話、第100話、第293話、第676話)、暖炉&footnote(第12話)、蝋燭(キャンドル)&footnote(第12話、第49話、第345話)、オイルランプ&footnote(第10話、第12話、第13話、第14話、第26話)、[[魔術具の明かり>魔術具と神具#魔力ランプ]]&footnote(第183話、第345話、第676話)が、照明として用いられている。 下町や神殿では、魔術具は使わず蝋燭を使用しているが、城や上級貴族の館では、魔術具の明かりが使われることが多く、あまり蝋燭が使われることはない。&footnote(第183話、第345話) 下町でも、貧富の差によって冬場に用いられるランプの数が異なり、貧民は一つしかない上に油を節約して、ぎりぎりまでランプを使用しない。&footnote(第12話) 冬前の蝋燭の確保は、下町における冬支度の一つであり、店や富豪一家は[[蝋工房>エーレンフェスト#蝋工房]]から購入し、それ以外の大多数は自前で製作する。 貧民以外の下町の平民は、金属製のキャンドルの型を持っており、型に芯と溶かした蝋を入れ固まるまで放置することで製作している。 なかでも[[職人>階級と職務#職人]]は、職場にある型を借りることもできるが、型の数に限りがあることから[[ダルア>階級と職務#ダルア]]は借りれないことも多い。 自前の型を持たず、職場から借りることもできなかった家では、油に紐を付けて乾かす作業を繰り返すことで、手間暇をかけて製作している。&footnote(2019年 10月29日活動報告) **&aname(白の建物,option=nolink){}白の建物 領主一族が[[貴族院>貴族院#講義]]で習う[[創造の魔術>魔力#創造の魔術]]で作られる白い建材の物。 領主の城、貴族街の住居、[[神殿]]、ギーベ領の[[夏の館>用語一覧#夏の館]]を始め、[[貴族院の施設]]や[[境界門>地理#境界門]]など、様々な物がこれにあたる。 貴族街や下町は白の石畳に覆われているが、農村は土がむき出しになっている。&footnote(第11話、SS26話) 魔力では傷が入らないが&footnote(第299話)、魔力の維持が絶たれると崩壊する上&footnote(第373話、第569話、第646話)、セキュリティの設定が製作者単位なので、守りの強さの異なる建屋を製作する場合は、領主以外の領主一族が担う必要がある。&footnote(第201話) 領主一族の魔力で製作されることから、領主の財産の扱いとなる為、建物を攻撃するだけでも反逆罪と見なされる。&footnote(第204話、第230話) なお、領主が製作した場合の建造物の守りの強さは、親子喧嘩や夫婦喧嘩をしたものが入れなくなるのを避ける為に、魔力攻撃に特化している。&footnote(第201話) その為、物理攻撃で壊すことは可能。&footnote(第618話) *&aname(日常生活,option=nolink){}日常生活 **&aname(時,option=nolink){}時 時間と暦は、平民から貴族まで広く共有されている。 長さの単位としては、鐘(一日内の時間の区切り)&footnote(第24話他)、日&footnote(「曜日」という呼称の使用例は第228話のみの上、書籍版ではどの曜日→土の日に修正されていることから、「曜日」という言葉自体は存在しない可能性あり。曜日に相当するものは存在し、内訳詳細は第48話で説明されている)、週&footnote(第17話他)、月&footnote(第5話他)、季節&footnote(第9話、第48話他)、年が存在する。 概念としての年は存在するが、〇〇王歴X年というような年号は使用されていない&footnote(第379話)。 -詳細は、[[暦]]を参照。 **&aname(言語,option=nolink){}言語 貴族院や領主会議で一同に会する機会をもつ影響か、[[ユルゲンシュミット>地理#ユルゲンシュミット]]国内では言語が統一されている。 その一方で、貴族社会は[[婉曲表現]]を用いる習慣がある為、言葉は通じているが意味が通じていない場面が発生する。 特に貴族と平民の間では、その差が顕著に存在する。 建国期から現代までの間に言い回しや&footnote(第361話、第398話、第411話、第519話、SS第8話)、[[文字]]&footnote(第485話、SS第28話)が変遷している。 一人称は、平民内では多少の多様性が存在するが、貴族内では、男性が「私」、女性が「わたくし」で統一されている。&footnote(2015年 03月04日 活動報告) :話し言葉| 「丁寧な表現」・「普通の表現」・「くだけた表現」が存在し、生活階層や話す相手によって使い分けられている。 平民の間では訛りが存在し、領地によって差異が生まれている。 貴族の女性は、基本的には親しい者や下位の者に対しても丁寧な表現を使用し、敬称や態度で差異をつけている。 同じ主に仕える貴族の[[側近]]同士は、階級に関わらず呼び捨てで名を呼ぶ&footnote(第462話、ふぁんぶっく2「側近生活の始まり」、特典SS「私の心を救うもの」)。 特に男性側近は、側近同士間での敬語の不使用も許される&footnote(第228話、第367話、第455話、第530話、書籍外伝1「アンゲリカ視点 神殿の護衛騎士」でダームエルが上位階級の同僚に敬語を使用していない。その一方で、書籍版第三部II「ユストクスの下町潜入大作戦」でラザファムがユストクスへ敬語を使用していることから、言葉を崩すか否かは性格や職業柄によると思われる。)。 :文字| 必要性と教育費の問題から、門番(兵士階級)、平民富裕層、貴族や貴族の側仕えは読み書きができるが、それ以外の平民は文字が読めない。 その一方で、市場で[[値段>通貨]]が木札表示されていることから、数字は読める。&footnote(第4話) なお、基本文字は全部で35種類ある。&footnote(第16話) 貴族でも古い書物を読める者は限定されている。 特に[[政変]]による粛清や中央への召し上げによって古い文字を読める者が急激に少なくなった。&footnote(SS第28話) -詳細は、[[文字]]を参照。 **&aname(挨拶,option=nolink){}挨拶 階級や場面に応じて様々な所作がある。 特に対人の挨拶は多岐に渡る。 兵士・騎士階級は、姿勢を正して右手の拳で二回左の胸を叩く。&footnote(第8話、第161話、第597話) 平民同士で、丁寧に挨拶をする場合は、軽く膝を曲げて腰を少し落とす。&footnote(第73話) 商人同士が春になって初めて会った場合は、胸の前で右手を拳にして、指を揃えた左手の手の平に付けながら、軽く目を伏せて[[春を寿ぐ挨拶>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]を告げる。&footnote(第59話) 商人が貴族に、あるいは、下位の貴族が上位の貴族に挨拶する際には、左の膝を立てて跪き、軽く首を垂れた状態で[[挨拶の言葉>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]を告げる。&footnote(第82話他) 貴族同士で初めて会った場合は、上記の挨拶を行い、相手の許可を得た上で、指輪に魔力を込めて祝福の魔力を贈る。&footnote(第174話他) 貴族が最大の感謝の意を示す際には、相手の前に跪き、相手の手を取り、手の甲に自分の額を押し付けた状態で礼の言葉を述べる。&footnote(第281話、第374話) 食前の挨拶は、平民はいただきますと告げるだけだが、神殿や貴族階級は、両手を胸の前で交差して、[[食前の祈り>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]を捧げる。&footnote(第88話、第138話他) 神事では儀式毎に様々な所作があるが、[[神に祈りを>用語一覧#神に祈りを]]捧げたり、[[神に感謝を>用語一覧#神に感謝を]]捧げたりする動作は、(神殿内または神殿関係者内では)儀式に関わりのない日常習慣と化している。&footnote(第66話) なお、ユルゲンシュミットでは、挨拶をする際に頭を下げたり腰を折ったりする習慣はない。&footnote(第8話、第170話) -挨拶言葉の詳細は、[[挨拶/決まり文句>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]を参照。 **&aname(貨幣,option=nolink){}貨幣 身分階層や領地を問わない、ユルゲンシュミット国内で共通の貨幣制度が存在する。 貨幣単位はリオンだが、実際には7種類存在する硬貨の種類と枚数で金額を示す場合が多い&footnote(第38話 ギルド長と髪飾り)。 預金の概念と機構が存在し、[[ギルドカード>魔術具と神具#ギルドカード]]のような個人認証機能と決済機能を持つカードも存在する&footnote(第38話 ギルド長と髪飾り)。 少額の場合や、[[商業ギルド>エーレンフェスト#商業ギルド]]に所属していない平民の場合は現金(硬貨)で取引が行われている。 その一方で、金額が大きい場合はカード決済が多い。 -詳細は、[[通貨]]を参照。 **&aname(家族,option=nolink){}家族 基本的には核家族で生活しているが、平民、貴族、領主一族で家族のあり方や距離間が異なる。 領主一族や王族以外は、養子にでる、住み込みで仕事を始める、結婚する等までは、親と共に暮らす。 領主一族や王族は、洗礼式前は、同じく洗礼式前の同母兄弟姉妹と同室で暮らしている&footnote(第182話、SS45話、購入特典SS「弟妹との時間」、第四部III「卒業式と祝福の光」、ふぁんぶっく3Q&A)が、洗礼式をもって親と別の館(北の離れ)に、それぞれの部屋を与えられて生活するようになる&footnote(SS39話、第182話、第205,207話、第263話、第四部III「卒業式と祝福の光」)。 但し、洗礼式前においても、親と接する時間は、朝食後の短時間や夕食後の挨拶と休日にのみ&footnote(第182話、第四部III「卒業式と祝福の光」、ふぁんぶっく3Q&A)と非常に短い。 一般的な貴族は、第一夫人とその子は、父親と同じ館で生活するが、第二夫人以降は敷地内に別の館を与えられ、夫人とその子供で生活する。&footnote(書籍第三部ISS「妹の護衛騎士」SS44話、第523話) 子供の育児権&footnote(第523話)や、魔力的な繋がり&footnote(第105話、特典SS「特別措置の申請」書籍版第四部IV「ハルデンツェルの奇跡」他)が、母親に付属していることもあり、同じ敷地内に暮らしている父を同じくする兄弟姉妹であっても、異母兄弟姉妹は別の家庭に近い扱いをされる。&footnote(第523話) 貴族の親子は洗礼式で決まることから、洗礼式で親子と公表すれば、以降は血がつながらなくても実の親子の扱いをされる。&footnote(第272話、第475話) 生さぬ仲なので、洗礼上の親兄弟とうまく行かない場合が多いが、母親次第では仲の良い関係となることもある。&footnote(第272話、第475話、SS39話、第531話) 貴族の階級が魔力で決まることと、貴族として生活するには[[魔力を溜めこむ魔術具>魔術具と神具#魔力を溜めこむ魔術具]]が必要で、かつ、該当魔術具が素材的にも製作的にも新規入手が難しい&footnote(第337-338話、ふぁんぶっく3 Q&A)ことから、貴族の家で生まれた子供は、生家で貴族になれるとは限らない。 [[魔力量>魔力#魔力量]]が家格に合わない場合は、生家の家格や財政に応じて、格下の家に養子に出したり、[[神殿]]に預けたり、平民に落とし家の下働きにしたりする。 &footnote(第166話、第337話、第540話、本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) その為、出来ない者は切り捨てて一族を盛り立てようとする、個より血族重視の基盤がある。&footnote(第228話、第451話) 家族の距離感の差は、感情表現にも表れている。 平民は基本的に家族間で感情を隠すことはなく、感情が表情に現れる&footnote(第132話、貴族院外伝 一年生「神殿の護衛騎士」)。 一方貴族は、魔力制御的にも身分社会的にも、感情を抑えることが重要であることから、幼い頃から感情制御の訓練がされ、[[隠し部屋]]の中以外では、家族に対しても感情を見せるべきではないとされる。&footnote(第562話他) 両親を失い、[[孤児>階級と職務#孤児]]となった場合は、親族が面倒を見たり、見習い仕事先が面倒を見たり、[[孤児院>用語一覧#孤児院]]に入ったりと様々であるが、自然環境が厳しい影響もあり路頭で浮浪児になる例は見受けられない。 -詳細は[[階級と職務>孤児>階級と職務#孤児]]を参照。 **&aname(仕事・教育,option=nolink){}仕事・教育 交代勤務である兵士や騎士を除き、基本的には[[土の日>暦#曜日]]が休みとなっている。&footnote(第48話) 貴族階級は思い思いの休暇を過ごすが、平民の、特に下働きなどいない貧民階層は、一週間分の家事に励む。&footnote(第63話) [[洗礼>#洗礼]]式前の子供に仕事をさせることは禁じられている。&footnote(第16話) その為、洗礼式前の平民の子供は、手伝いと言う名目で、[[平民用の森>エーレンフェスト#下町の森]]での食べ物採取や、教育を兼ねた家業手伝いをしている。 また、「本来なら登録も仕事もできないはずの洗礼前の子供に、商人が家業を手伝わせるために編み出した法の抜け道のようなもの」として、[[商業ギルド>エーレンフェスト#商業ギルド]]への「仮登録」もある。露店の主が店番をさせるため我が子を登録する等で、血族でもない子供が仮登録される前例はエーレンフェストではなかった&footnote(第37話 商業ギルド)。 一方、神殿や貴族社会では、洗礼式前の子供は人間として認められていない。&footnote(第92話、第261話) その為、基本的には家の外にでず、母親の友人が連れてきた子供と遊んだり&footnote(SS10話)、教育を受けたりして過ごす。 洗礼式を受けることで、社会の一員として認められる。&footnote(第20話、第261話) 洗礼式を受けた平民の子供は、親から与えられた見習い服と仕事道具を使って[[見習い>階級と職務#見習い]]の仕事を行う。これには各職種に必要な教育も含まれる。洗礼式直後は教育の割合が多く、雇用側の負荷が大きいこともあり、見習いの就労時間は週に半分程度である&footnote(第20話)。 エーレンフェストの下町の子供は、基本的に親や親戚の紹介で、見習い仕事を始める。その為、大体は親の仕事に関連した職種につくが、甘えが出やすいので、同じ職種でも親の仕事場に行くことは少ない。&footnote(第24話) 貴族の子は、洗礼式の後、社会に関わり始める。城でのお披露目をした後、冬の社交期間は、城の一角に7~10歳の子供達が集められ、集団生活を送る&footnote(第221話、SS10話)。冬以外は、騎士希望の子が騎士の訓練を受けたり&footnote(ニコラウスの場合)、側仕え希望の子が親戚の上で実地演習をしたりする場合もあるが&footnote(ベルティルデの場合)、各家庭内の教育が中心となっていると思われる。&footnote(子供部屋での子供達の教育レベルや、ローデリヒやフィリーネ状況) 商人向の文字や計算の教育費は、週に三日、鐘一つ分だけの授業で、月に最低大銀貨一枚、10万[[リオン>通貨]]必要となる&footnote(活動報告掲載SS「トゥーリ視点 困った妹」)。 その為、教育費が不足する下級貴族と、教育にお金をかけられる上級貴族で、教育のレベル格差が存在する&footnote(第220話、第221話、第289話)。 自領の歴史に至っては、領主一族や領主一族の傍系レベルしか詳しく知らない&footnote(第481話)。 商人や職人の見習いは、店長との雇用契約の[[ダルア>階級と職務#ダルア]]と、将来的に店や業務を任せるための徒弟契約の[[ダプラ>階級と職務#ダプラ]]の二種類が存在する&footnote(第76話)。 将来独立して工房や店を構えたい者や、終身雇用を望まない者、能力的にタプラ契約の打診を受けられなかった者は、ダルア契約でつなぐが、そうでない者は、大体が洗礼時のダルア契約が切れる10~11才時点で、実家や将来働きたいと思う工房や店とタプラ契約を結ぶ&footnote(第76話、第239話)。 タプラの見習い期間は8年で、見習い期間が終了すると給料があがる&footnote(第76話)。 貴族は、10~15才の間が見習い期間となる。該当する年齢の冬は全領地の学生が集う貴族院に通い、国内の地理や国の歴史、一般教養的な共通知識および技能と、文官・側仕え・騎士・領主候補生という職種に応じた専門知識と技能を学ぶ。 それ以外の期間は、各領地で見習いとして訓練を受けたり実務を行ったりする。 成人後は、基本的に週休一日体制であり、[[土の日>暦#曜日]]以外はフルで働く。 平民の職種は、農民、商人、側仕え、下働き、職人、門番(兵士)に大別され、貴族の職種は、領主、領主候補生、文官、騎士、側仕えに大別される。 -職種についての詳細は、[[平民の職務>階級と職務#平民の職務]]・[[貴族の職務>階級と職務#貴族の職務]]を参照。 **&aname(娯楽,option=nolink){}娯楽 平民、貴族問わず、遊びや娯楽の概念が存在する。&footnote(第6話、第60話、第136話) 平民は、あまり余裕のない生活をしていることから&footnote(第136話 三者会談)、お手伝い中のおしゃべりや競争&footnote(書籍第一部I書き下ろしSS「マインのいない日常」)、大人の真似事や悪戯&footnote(第76話 閑話 私と旦那様)等が中心となるが、おもちゃ&footnote(第159話、第160話でおもちゃの説明が通じている)や人形&footnote(第6話 閑話 変になった妹)も存在する。 貴族の場合は、女性のお茶会や&footnote(第188話、第328話他)、男性の狩猟や[[ゲヴィンネン>魔術具と神具#ゲヴィンネン]]大会&footnote(第328話 社交週間の始まり)が娯楽的要素を持つが、情報交換を兼ねた社交の意味合いが強い。 貴族も階級によっては裕福とは言えないが、雪に閉ざされる冬は、暇が潰れて、目先が変わる娯楽用品を購入する。&footnote(第53話 冬の始まり) 貴族社会にもぬいぐるみは存在するが&footnote(第483話、第509話、第516話、SS24話、SS26話等で、ぬいぐるみで話が通じている)、娯楽専用のカードもなく&footnote(第136話 三者会談)、魔力を用いて駒を動かす三次元チェスのようなゲヴィンネン&footnote(第136話 三者会談、第229話 祈念式に向かって)程度しか登場していない。 例外的に、[[ラオブルート]]が[[ヒルデブラント]]に渡す玩具は、箱を開けると何やら飛び出してきたり、正しい手順通りに動かさなければ開かなかったりと種類が多い。&footnote(第461話 プロローグ) その一方で、[[レティーツィア]]が[[レオンツィオ]]から受け取った花弁が飛び出して室内を舞うクラッカーのような玩具の存在や&footnote(SS32話)、[[ラオブルート]]とランツェナーヴェの関係、他国は魔石が少ない為&footnote(第539話)、魔石を用いない道具や文化が発展する素地があることから、これらの玩具はランツェナーヴェ製品の可能性も高い。 娯楽用品が少ないという背景と、子供の教育に大きく役立つことから、ローゼマインがもたらした、[[トランプ>創作物一覧#トランプ]]や[[カルタ>創作物一覧#カルタ]]、[[各種出版物>出版物一覧]]はエーレンフェストにおいて広く受け入れられた。 特に本は、貴族院内での流行を介してユルゲンシュミットにも広まりつつある。 同様に世に出された、[[チェス>創作物一覧#チェス]]や[[リバーシ>創作物一覧#リバーシ]]は、平民の間ではそこそこ売れているが、貴族内での売れ行きは、本や知育玩具の購入に押されて芳しくない。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) また、領地によって、娯楽の重みづけが異なる。 [[ダンケルフェルガー>地理#ダンケルフェルガー]]では、貴族同士で行う競技である[[ディッター]]が盛んであり、何かにつけてディッターを行う。 [[クラッセンブルク>地理#クラッセンブルク]]では、神話を元にした[[演劇>#舞台芸術]]が領地内のエンターテインメントとなっており、[[青色神官や青色巫女>青色神官]]が演じている。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) :イベント行事| 日常的な遊びとは別に、イベント的な娯楽も存在する。 エーレンフェスト以外の町や村では、[[収穫祭>暦#収穫祭]]で行われる[[ボルフェ>魔獣と魔木#ボルフェ]]&footnote(第212話 ハッセの収穫祭、第213話 収穫祭)、エーレンフェストの下町では、[[星祭り>暦#星祭り]]で行われる[[タウの実>魔獣と魔木#タウの実]]のぶつけあい&footnote(第60話 既得権益、第97話 星祭りの準備)が相当する。 ボルフェは、秋と冬の戦いを模して行われる、魔獣ボルフェをボールとした村対抗球技で、ゴール枠外はサッカー、ゴール枠内はラグビーやハンドボールのような形式で進む。&footnote(第213話 収穫祭) 一方、タウの実のぶつけあいは、拳大の水風船状態となったタウの実を、未婚者が、中央広場に揃った新郎新婦にぶつけることから開始し、新郎は新婦を守りつつ新居に走り込む。最終的には、街中を走り回りながらの相手を問わないぶつけあいが、広場に祝いの食事が並べられるまで続く。&footnote(第97話 星祭りの準備) 貴族の娯楽行事としては、貴族の森で開催される大規模な[[狩猟大会>暦#狩猟大会]]が挙げられる。&footnote(第264話 ヴィルフリートの行い) **&aname(医療,option=nolink){}医療 平民社会における医者の存在は明確にされていないが、[[薬>薬と毒]]および薬を売買するものは存在する&footnote(第275話。ふぁんぶっくで下町にもいるにはいるとコメントされた)。 貴族社会における医者は、人の体内に流れる魔力を調べる魔法陣を用いて健康診断をしたり&footnote(第173話)、状態を診て適切な投薬をしたり&footnote(第269話)、戦闘等で精神的に不安定になったものに向き合って心のケアをしたりしている&footnote(第624話)。 中には研究好きな変わり者もいて、珍しい事例を聞きつけると飛びついたりもする&footnote(第170話)。 病院の存在が示されていない一方で、主治医の概念はあり、少なくとも領主一族の階級には専属医が存在する&footnote(第421話、第624話)。 医者が存在する一方で、常時は医者にかかることなく、自作または側近に作らせた薬で対処している。 魔力や体力を回復させる薬([[回復薬>薬と毒#回復薬]])や、[[解毒薬>薬と毒#解毒薬]]、体内での魔力凝固の抑制と溶解を行う薬([[ユレーヴェ>薬と毒#ユレーヴェ]]&footnote(第174話、名前の初出は第197話))が存在し、素材の収集から薬の製作までを、自前または側近や同僚に依頼して行っている。 ユルゲンシュミットの貴族は全員が、回復薬やユレーヴェの作り方を貴族院で学ぶが、個人研究や一族の秘法により、より回復力の強い回復薬のレシピを使用している者もいる。 魔力を多く消費する為、使用場面や使用者は限定されるが、必要に応じて癒しの呪文が使用される。 傷を清めたり、魔力を満たしたりする場合は、[[フリュートレーネ>神々#フリュートレーネ]]の癒しが使用され&footnote(第420話)、 体力的な疲労を回復させたり&footnote(第494話)、傷を塞いだり、炎症を治めたりする&footnote(第420話、第616話)場合は[[ルングシュメール>神々#ルングシュメール]]の癒しが用いられる。 ただし、癒しでは流れた血は戻らない&footnote(第616話)為、多くの血が流れた場合は、十分な休養を必要とする。 近視や老眼は存在するが、近代的な眼鏡は普及していない。 貴族は訓練すれば視力強化の魔術が使用できるようになるが、魔力の消費が大きいことから、モノクルのような形状をした魔術具を使用している。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterこぼれ話) **&aname(契約,option=nolink){}契約 羊皮紙での文書契約を基本とする。 ダルア契約(徒弟契約)&footnote(第76話、第239話)・タブラ契約(雇用契約)&footnote(第76話、第239話)・売買契約等、各種契約を基本とした社会形式になっている。 ユルゲンシュミットが魔力を基幹とした国であることから、魔力関係の特殊な契約が存在する。 [[従属契約>用語一覧#従属契約]]&footnote(第163話、第255話、第448話)、街限定の[[契約魔術>魔力#契約魔術]]&footnote(第30話、第45話、第61話、第70話、第134話)、領地全体の契約魔術&footnote(第256話)、領地をまたがる契約魔術&footnote(第261話、第266話、第337話)、[[名捧げ]]等、魔力的な行動の縛りが存在する。 **&aname(宗教,option=nolink){}宗教 七つの大神とその眷属神を信じる多神教。&footnote(第61話、第66話他) [[暦や節目の行事>暦]]に密接に紐づいている為、平民から貴族まで同じ神々を信仰対象としているが、信仰レベルは各階層および生活場所によって異なる。 下町の平民は、日常生活において貴族や神々の恩恵を身近に感じていないことから、信仰心が薄く&footnote(第152話、第196話、第88話)、[[挨拶や決まり文句>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]で口にする程度である。 農村の平民は、収穫が[[祈念式>暦#祈念式]]の魔力奉納に直結していることから、信仰心が篤い。&footnote(第146話、第152話) 貴族は、効率を優先して神々への[[祝詞>呪文と祝詞#祝詞]]を省略した[[呪文>呪文と祝詞#呪文]]を作って使用したり&footnote(第402話)、神事や[[神殿>神殿#歴史]]の本来機能が忘れられて変質したりした結果(詳細は[[個別ページ>歴史#ユルゲンシュミットの歴史]]参照)&footnote(第78話、第92話、第119話、第354話、第404話、第468話、第483話、第485話、第493話、第585話他)、神々は、神の加護を得る儀式の為に貴族院の講義で名前を覚え&footnote(第226話、第466話、第534話)、その後は忘れていく程度の認識に落ちていた。&footnote(第534話) ローゼマインが、[[孤児院>エーレンフェスト#孤児院]]を改革し&footnote(第94話、第95話、第360話)孤児達を[[神殿>エーレンフェスト#神殿]]の外の平民達と交流させたり&footnote(第95話、第198話、第248話、第257話他)、神殿の儀式で新成人達に祈りによる加護を示したり&footnote(第196話)、祈りの重要性&footnote(第468話、第493話)や祝詞を用いた儀式の効果&footnote(第354話、第494話、第487話、第556話他)を示したりした結果、平民達や貴族達も[[神殿]]を見直し真摯に祈るように変わりつつある。 -神々や神話に関する詳細は、[[神々]]を参照。 **&aname(独自常識,option=nolink){}独自常識 階級毎に独特の言い回しがある。商人が価格を口にすることなく指のサインで示したり&footnote(第38話、第73話)、貴族が非常に分かりにくい[[婉曲表現]]を用いたりと、相手の常識を知らないと会話が成立していない場合も存在する。 :面会予約| 貴族社会で正式に面会を求める場合は、例えお互いに他の用事がなくても、本人が目の前にいたとしても、数日前に書面でお願いしなければならない。&footnote(第93話) 特に下級貴族は、この数日間の猶予を用いて貴族としての体面を整えている。&footnote(書籍版第四部III特典SS) 上級以上の貴族の面会やお茶会の調整は、基本的に側仕え同士で実施する。 急な事でも主が決定せず、側仕えに任せることが正しいとされている。&footnote(第393話) その一方で、緊急時には、[[オルドナンツ>魔術具と神具#オルドナンツ]]を用いて直接伝言することもできる。 また、貴族が平民に面会を要求する場合は、相手の都合を確認することなく、一方的に召喚状を送り付ける。 :訪問方法| 貴族の場合、[[騎獣]]での移動の方が容易だが、よほど訪問を知られたくないような間柄や気安くて仲の良い者でなければ、貴族の館を訪問する時は馬車を使用する。&footnote(第626話) :恭順の姿勢| 身分が下の者が上の者に対して敬意や恭順の意を示す場合は、両腕を胸の前で交差させる。&footnote(第118話、第350話) 敬意や恭順の度合いに応じて、軽く首を項垂れたり、軽く腰を落としたり、跪いたりという動作が加わる。 *&aname(男女交際,option=nolink){}男女交際 貴族社会において男女間に求められる節度は、実年齢ではなく外見で変わる。 身体的な成長に伴い、周りの反応が完全に変わり、今まで許されていた関係や距離感を見直すように求められる。&footnote(第624話) 少なくとも片方が未婚の場合は、外聞への影響が大きくなり、[[隠し部屋]]の扱いなども変わってくる。&footnote(第632話) 恋人同士や婚約者でもない異性との相乗りは、騎獣を持っていない年齢、つまり[[貴族院]]入学前の子供を除くと、問題視をされる。&footnote(書籍版第四部VII「東屋での逢瀬」) 他領からきた女性が、独身の下級騎士を故郷から連れてきて重用すると、変な噂を招きかねないし&footnote(第574話)、側近や親戚であったとしても、未婚の女性が仮縫いを行う時に同じ館の中にいるのは外聞が良くないとされる。&footnote(第626話) その一方で、[[娼婦>階級と職務#売春婦]]に相当する者も存在し、下町では酒場の女給が&footnote(第110話、書籍第二部II書き下ろし「神殿の料理人見習い」)、貴族社会では神殿の灰色巫女が&footnote(第90話他)該当する役割を負っている。 特に貴族社会では、[[花捧げ>階級と職務#花捧げ]]という呼び名で隠喩されている。&footnote(第98話他) 貴族やエーレンフェストの下町の平民の未婚の成人は、[[星結びの儀式(星祭り)>暦#星結びの儀式]]の夜に結婚相手を探す場を与えられる。&footnote(第97話 星祭りの準備、第182話 領主の城、第183話 星結びの儀式 貴族編) 但し貴族の場合は、貴族院に通っている間が一番相手に恵まれる為&footnote(第246話 神官長の還俗と衣装のお披露目)、その間に相手を探す場合も多い。 **&aname(求愛行動,option=nolink){}求愛行動 貴族社会における一般的な求愛は、[[求婚の決まり文句>婉曲表現#挨拶/決まり文句]]と共に、[[求婚用の魔石>魔術具と神具#求婚の魔石]]を相手に捧げるというものである。&footnote(第274話 閑話 二つの結婚話、書籍版第三部IV ダームエルの申し出) 求婚の前段階として、求婚用の魔石からは少し質が落ちる[[求愛の魔石>魔術具と神具#求愛の魔石]]と自分の魔力で鎖部分を作成した求愛のネックレス([[求愛の魔術具>魔術具と神具#求愛の魔術具]])を贈る場合もある。 貴族の男性は、女性が父親以外の男の魔力をまとうことに嫌悪感を抱き、女性は、父親に贈られた[[お守り>魔術具と神具#お守り]]を少しずつ男性から貰う魔石に変えていくことに喜びを覚える。&footnote(第455話 閑話 忙しい冬の始まり) そのような事情から、相手の魔力で鎖部分を作ったネックレスは婚約指輪と同じ扱いとなる。 [[求愛の魔術具>魔術具と神具#求愛の魔術具]]が金粉化するような事態は、[[魔力量>魔力#魔力量]]を感じられないにも関わらず求愛する身の程知らずということが公になってしまう大変な事態である。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterこぼれ話) 貴族の女性の場合は、ハンカチのような布に刺繍をして好きな人に渡したり、「貴方のマントに刺繍をしたい」と告げたりすることも、女性から男性への告白と見なされる&footnote(第356話 留守番中の生活 前編)。 これは、身につける布に魔法陣を固定するには、魔力を持つ者が、自身の魔力で染めた糸を用いて刺繍することが一番確実であること&footnote(第345話 シュバルツ達の衣装)、糸にこもった魔力の持ち主が、自身で刺繍した方が魔法陣の効力が高いこと&footnote(第349話 消えるインクと城への帰還)、魔法陣の使用者と魔法陣の作成者の魔力が同じである方が魔法陣の効力が高いこと&footnote(第454話 別離)、親子や夫婦は魔力が近いことや、それに伴う魔力をまとう物を身につけることに関する男女の感覚等から、[[マント>#マント]]に刺繍ができるのは、自分自身、親子、夫婦に限定されていることに由来する。&footnote(第356話 留守番中の生活 前編) これらの魔力重視の一端として、貴族院の東屋で、男性がてのひらに集めた魔力を、女性がてのひらを重ねて受け入れる行為が、恋人たちの睦み合いと見なされている。&footnote(書籍版第四部VII「東屋での逢瀬」) 特殊例として、[[ダンケルフェルガー>地理#ダンケルフェルガー]]では、[[意中の男性の身体を押さえつけて課題を要求すること>用語一覧#ダンケルフェルガー式の求婚]]が、(親の意に背く相手に対する)求婚行為と見なされている&footnote(番外編11・12・15話、SS第31話 ハルトムート視点 クラリッサとの出会い、本編第419話 ハルトムートの結婚相手)。 更に、ダンケルフェルガーでは、[[嫁取りディッター>ディッター#嫁取りディッター]]が存在し、負けた場合、男側はきっぱり求婚を諦めることが慣例となっている。&footnote(第508話 ダンケルフェルガーとの社交 後編) **&aname(婚約,option=nolink){}婚約 平民の婚約は、両親が認めれば整う。 儀式的には、女性の父親と男性の間に一つだけ杯を置き、約束の印としての酒をお互いが注いだ後に、順番に飲み干す事で成立する。&footnote(第677話) 具体的な段取りとしては、まず、婚約する女性が、女性の父親の隣に座り、その対面に、婚約する男性と男性の父親が隣に並んで座る。 テーブルの中央に木製の杯を一つ置いた後、婚約する男性の母親が酒の瓶を、婚約する男性の父親に渡す。 婚約する男性の父親が、杯に少しだけ酒を注ぎ、続けて、婚約する女性の父親が酒を継ぎ足し、最後に婚約する男性が、満杯近くなるまで酒を継ぎ足す。 そうして満ちた杯の酒を、まず女性の父親が大きく一口のみ、「娘を頼む」という類の言葉と共に杯を婚約する男性に渡す。 続けて、婚約する男性が了承の旨の言葉を返し、受け取った杯の酒を飲み干すという流れになっており、飲み干した時点でて婚約が成立する。&footnote(第677話、書籍版第五部IV購入特典SS「婚約の事情」) なお、婚約する男性の親が死別等で同席できない場合は、婚約する男性の親の役割を、婚約する女性の親が担う。&footnote(第677話) 貴族は、正式に婚約または求婚する前に、自力で準備可能な範囲内で最も品質の高い魔石を準備し、自分の魔力で染め、その上で、相手の属性の魔力を込め、最後の仕上げとして、求愛の文字を入れるという手順で、[[求婚用の魔石>魔術具と神具#求婚用の魔石]]を製作する。&footnote(第388話 音楽のお茶会と講義終了) 求婚をする側であっても、求婚を受ける側であっても、貴族が婚約をする場合は、互いに[[求婚用の魔石>魔術具と神具#求婚の魔石]]を準備し、交換し合う。&footnote(第247話 会食と販売会、第388話 音楽のお茶会と講義終了、第440話 来訪者と対策、第441話 歓迎の宴、第581話 初週の講義 前編) その上で、受け取った求婚用の魔石を身につけて肌に馴染ませることで、これから自分はこの魔力を受け入れるのだ、と心の準備をする&footnote(第581話 初週の講義 前編)。 親から婚約が認められ、[[色合わせ>用語一覧#色合わせ]]を経ると正式に婚約成立となる。通常、婚約期間は1年間とされる。&footnote(第434、528話) 貴族院に通っている間に相手を見出し、婚約が成立した場合は、卒業式のエスコートの相手となることで公に披露する。&footnote(第313話 エグランティーヌとのお茶会) 婚約披露の場として求婚の魔石を交換する婚約式を行う場合もある。 [[領主一族>#領主一族]]や[[上級貴族>#上級貴族]]が第二夫人を娶るのは、派閥のバランスを考えた結果だったり、第一夫人に子ができないことが理由だったり、子を増やすことが目的だったりする。 外交を担当する第一夫人は他領から迎えた妻の実家の援助やそれに付随する関係を上手く利用するために迎える存在。自領の妻は第二夫人として領地内の貴族を取りまとめるために迎える存在。という形を取るのが、大領地においては半ば常識となっている。&footnote(第507話) 求婚の魔石を身に着ける際は、相手の魔力で作った鎖で加工され、女性はネックレスの形にする。 男性は第二夫人や第三夫人への配慮もあるため、あまり見えない形で腕輪やネックレスなど様々な形にする。 その後、[[星結びの儀式>暦#星結びの儀式]]を経て、婚姻が成立する(以降は[[結婚>#結婚]]の項を参照)。 なお、求愛と婚約で贈るネックレスは形状は異なるが、婚約から結婚へ移行することでネックレスを新調するケースは少なく、そのまま婚約ネックレスを使用し続ける。 ただし幼少期に婚約が成立し、成長によって[[魔力量>魔力#魔力量]]が大きく増えて金粉化の危険性がある場合は、結婚のネックレスとして新調する。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ Twitterこぼれ話) *&aname(通過儀礼,option=nolink){}通過儀礼 年齢は[[季節>暦#季節]]区切りの満年齢で数える。 **&aname(出産・生誕,option=nolink){}出産・生誕 新生児誕生時の対応は、平民と貴族で大きく異なる。 平民のお産は男子禁制で、産婆と近所のご婦人方の手伝いの元、専用の椅子に座って行う。 更に、誕生後すぐに、出産を手伝ってくれた人々を労い、赤子と赤子の名を披露する「[[命名会>用語一覧#命名会]]」を行う。 記録に残す文化がない為、多くの人に披露し覚えてもらって、記憶に残すことを目的としている。 同じ理由で、職場も含めなるべく多くの人に報告し、一人でも多くの人におぼえてもらうよう心がける。 お祝いのお返しは、お祝いをくれた人に子供ができた時に返せばよいという考えであり、貰う都度にお返しをしたりはしない。&footnote(第153話) 貴族はお産の際に、魔力を与えることがある。夫や実子といった血族でないと魔力の反発が大きい為、血族が立ち合って行う。&footnote(第576話) 生まれた子供には[[魔術具>魔術具と神具#魔力を溜めこむ魔術具]]を与え、貴族院に入学するまでの10年間で溢れる魔力を魔石に溜めさせる。 貴族社会では魔力を重視し、[[魔力量>魔力#魔力量]]が家格に合わない場合は、格下の家に養子に出したり、[[神殿]]に預けたり、家の[[下働き>階級と職務#下働き]]にしたりする。 その関係上、正妻の子供ならば生まれた時に祝いをするが、第二夫人や第三夫人の子になると、生まれた知らせをわざわざしないことも珍しくはない。貴族社会にその家の子供としてお披露目されるのは洗礼式の時である為、それまでは、子供がどれだけいるのか、よほど仲の良い友人でもなければ、知られることは少ない。&footnote(妊娠や出産がわかっていても質問や公言をしないだけであって、絶対に隠し通さなければならないわけではない。/第166話、本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく6 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン&回答既出) 生まれたばかりの貴族の赤子は、他人の魔力をうまく取り込むことができなくて体調を崩しやすいことから&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)、産まれてから季節2つ分は母親の母乳を与える習慣がある&footnote(第253話)。 平民の母親は魔力量の問題で基本的に問題ないものの、身分的に平民女性が乳母に召し上げられることはない為、生まれてすぐに母親を失った子供は、母親の魔石や父親の魔力から作り出された液状魔力を与えられる&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A)。 **&aname(洗礼,option=nolink){}洗礼 7歳は階級共通の節目年齢となっている。 どの階級でも7才時点で[[洗礼式>暦#洗礼式]]を行い、子供達は白を基調とした晴れ着を身につける。 「洗礼式前の子供は人として数えられていない」&footnote(第261話 イルクナーに出発)――とは言うが、洗礼式前に[[養子>用語一覧#養子縁組]]に出されることがある&footnote(第166話 これからのわたし)(例、[[レティーツィア]])のでその場合は養家で家族の数に入れられるわけだから、基準が曖昧である。 平民の子供は洗礼式を終えた後に見習いとして仕事を始める。 [[エーレンフェスト神殿>エーレンフェスト#神殿]]の[[孤児院>エーレンフェスト#孤児院]]では、[[成人>#成人]]式に準じ&footnote(第140話 ロジーナの成人式)、朝早くに孤児院地階から出されて清めが行われ、新しく支給された服を着た後、礼拝室で祈りと感謝を捧げるものと推定される。その後側仕えに召し出される場合もあるが、大抵はそのまま孤児院に戻り&footnote(第91話 孤児院の実情)、[[灰色神官]]見習い・灰色巫女見習いになる。 貴族の場合は、洗礼式を迎えた年の冬の社交が開始する[[始まりの宴>暦#始まりの宴]]で、王族の場合は、洗礼式以降初めて行われる春の[[領主会議>用語一覧#領主会議]]時に[[お披露目>用語一覧#お披露目]]がなされ、貴族社会の一員と認められる。 貴族社会では洗礼式の際に正式に対応した親兄弟を、実の親兄弟と見なす。 生さぬ仲なので良好な関係を結べることは珍しいが、愛人の子が優秀なため、第一夫人の子として洗礼式を受けるということも珍しくはない。&footnote(第272話) その一方で、血のつながりがあっても、孤児院に入ったり、兄弟として洗礼をしなかったりすると、以降、実の兄弟として接することが難しくなる&footnote(第564話、第579話)。 [[青色神官や青色巫女>青色神官]]は貴族出身であり、[[神殿]]へ入る前に洗礼式をして家とのつながりを明らかにする。洗礼式で[[魔力を量る魔術具>魔術具と神具#魔力を吸い取る魔術具]]を光らせることができれば貴族で、家格に見合う魔力がない場合は平民扱いになる。後に貴族社会に戻る可能性のある者は必ず洗礼式を行うが、家の[[下働き>階級と職務#下働き]]になる血縁者の中には洗礼式をしていない[[無戸籍>階級と職務#無戸籍]]の者もいる&footnote(ふぁんぶっく4 Q&A)。 洗礼式の際に、各個人の魔力が領地に登録される。 平民は血を[[メダル>魔術具と神具#登録証]]に押し付けることで、血中に含まれる魔力を登録する&footnote(第66話、第231話)。 その後は神話を聞き、祈りのポーズを取って神に祈ると終了する。通常、青色神官による魔力での祝福は行われない。 エーレンフェスト街の洗礼式は神殿で季節毎に年4回、直轄地の農村では秋の収穫祭で一括して行われる。街の平民のメダルは神殿で、それ以外の直轄地(ハッセなど)の平民の分は城で文官が管理している&footnote(第231話 選別の扉)。ギーベ領の平民については、儀式の場で神官によって登録されたメダルを徴税官がギーベの館で受け取るので&footnote(第371話 収穫祭とグレッシェル)、メダル保管場所については明言されていないがギーベの館か領都の城と推定される。 貴族は[[魔術具の棒>魔術具と神具#魔力を吸い取る魔術具]]に魔力を注いだものを神官に渡し、神官が棒に注がれた魔力をメダルに登録する。 メダルに魔力を移す際に、何に[[適性>魔力#適性]]があるのかが示されるため、通常はその際に適性を知らされる&footnote(第176話、第212話、第425話、第578話、第581話)。 魔術具の棒を光らせられない貴族の子は、貴族として認められない&footnote(第220話)。 無事に登録を終えた子供は、親から貴族の子の証として[[魔力を放出する為の指輪>魔術具と神具#魔術具の指輪]]を渡され、以後は挨拶の際に魔力を使った祝福を与える事ができるようになる。 その後、神具を使った青色神官に祝福を与えられ&footnote(SS42話)、指輪を使って祝福を返す。この時にやり取りされる祝福の魔力は普通の挨拶程度。 基本的に季節ごとに各家庭に神官を招いて行うが、冬生まれの子や遠隔地で神官を呼べなかった家庭の分は始まりの宴の際のお披露目と同時に城で行われる。 貴族のメダルは城や王宮で管理されるが、アダルジーザ出身の傍系王族のメダルは[[中央神殿]]で管理されている&footnote(第640話 アルステーデの話)。  洗礼式の前は、好きに改名できるが、洗礼式でメダルを登録した後は、改名に領主の許可が必要となる。&footnote(ふぁんぶっく4 Q&A) **&aname(10歳の節目,option=nolink){}10歳の節目 7歳の次の節目年齢は10歳となる。 平民の10歳は、見習いとしての三年間の契約が切れる年で、別の工房と契約するのか、契約を更新するのか、はたまた、才能を見出されてダプラ契約を行うのかを決める、ある意味区切りの年となる&footnote(第244話)。 貴族の10歳は、貴族院に入学する年である。[[始まりの宴>暦#始まりの宴]]の際に領主からマントと[[ブローチ>魔術具と神具#選別の魔術具]]を手渡される。 貴族院は冬限定の教育機関である為、春から冬までを同じ年と見なし、春になった段階で年が切り替わる。 なお、貴族院の学年設定における、春の開始時期の基準は不明である。 貴族院へ入学すると、中央に名前が登録される為、改名に王の許可が必要となる。&footnote(ふぁんぶっく4 Q&A) **&aname(魔力感知の発現,option=nolink){}魔力感知の発現 貴族の子の第二次性徴の一つで、10~15才位の間に起こる変化。 [[魔力感知>魔力#魔力感知]]が発現している人間の内、[[魔力量>魔力#魔力量]]の近い者を感じ取れるようになる。 魔力量の差が大きいと子供ができにくいことから、魔力感知が発現することは、結婚の適齢期に入ったことを周囲に知らせることになる。 その為、貴族の女性が魔力感知を発現させ、かつ、その女性を正式に結婚させる予定がある場合、その親は親族や知人に声をかけ、結婚相手の候補となる未婚の男性とその保護者を集めてお祝いをする。 声のかけやすさから、祝いの会合は、魔力感知を発現した後、最初に訪れる、星結びの時期か冬の社交時期に開かれる。&footnote(ふぁんぶっく4「魔力感知と結婚相手の条件」) **&aname(成人,option=nolink){}成人 ユルゲンシュミットにおける成人年齢は階級共通で15歳である。 [[成人式>暦#成人式]]が行われ、子供達は生まれ季節の貴色を基調とした晴れ着を身につける。 平民の場合、エーレンフェスト街の成人式は神殿で季節毎に年4回、直轄地の農村では秋の収穫祭で一括して行われる(その為、農村の成人は秋の貴色の晴れ着を着る)。 灰色神官、灰色巫女の成人式は、朝早くに清めを行い、新しく支給された服を着て、礼拝室で祈りと感謝を捧げる事で成立し、この儀式は下町の成人式が始まる3の鐘までには終えられる。側仕えとして召し出されている者は、この際に主から贈り物をされる事もある。&footnote(第140話 ロジーナの成人式) 貴族社会では、貴族院の[[卒業式>貴族院#卒業式]]の日の午前中に行われる。入場にはエスコートが必須とされ、エスコートの相手は婚約者もしくは一目で対象外と分かる親族が務める&footnote(第313話)。 なお、貴族の二次性徴には[[魔力の感知>文化#魔力感知の発現]]が含まれるため、妊娠は二次性徴後に可能となる。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) 一般的に成人より前には年頃となり、同程度の[[魔力量>魔力#魔力量]]の相手の魔力が感じられるようになる。属性は感じられないので[[色合わせ>用語一覧#色合わせ]]で確認する事になる。 **&aname(結婚,option=nolink){}結婚 平民の女性と貴族は二十歳まで、平民の男性は二十歳前半が適齢期となる&footnote(第535話)。 平民の男性のみ遅いのは、家族を養っていける頃合いを加味するとその頃が妥当という判断による&footnote(第535話)。 平民も貴族も、親が結婚相手を選ぶ事は普通であり、貴族社会ではしばしば政略結婚が行われる。 家長は3人まで結婚相手を持つことができる。一夫多妻が多いが、一妻多夫も許容されている&footnote(ハンネ番外第21話)。 [[婚約>#婚約]]期間を経て、[[星結びの儀式>用語一覧#星結びの儀式]](結婚式)を受けると正式に婚姻成立となる。 星結びの儀式は各階級別に一年に一度のみ執り行われる。 下町の平民は夏に神殿で、農民は秋に[[収穫祭>暦#収穫祭]]で、貴族は夏に城で、[[領主候補生]]や王族は春に[[領主会議>用語一覧#領主会議]]の場で行う。 貴族は、通常一年間の婚約期間を設けるため、星結びの儀式は卒業後最短で二年後となる。&footnote(第434、528話) ただし、状況次第では、卒業の翌年に星結びの儀式を行う場合もある。&footnote(第434話) 貴族街では、上級貴族でも建物を勝手に増やせないことから、領主が白の魔術で製作した敷地内の離れの数が妻と愛妾を足した人数の上限値(=3)となる。 [[ギーベ]]の土地など、貴族街以外の土地であれば、自己裁量で建物を増やせるため、三人の妻以外に、平民の愛妾をもつことが可能となる。 なお貴族の愛妾は、星結びの儀式をしなかった存在を指し、身食いや、下働きとして育てられた貴族の子等の貴族院を卒業していない者や、血筋が良くても正式に嫁入りができない女性や、子も実家もない未亡人等の身寄りを失って持参金や後ろ盾のない貴族女性がなることが多い。&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A) 平民(特に貧民)と貴族では、結婚相手に求める基準が異なる。 貧民街における良い嫁とは、まず、健康で丈夫であること第一条件で、次いで気立てが良くて働き者であることが続く。美人の条件に裁縫の腕ややりくり上手などが加わる&footnote(第105話)。 一方、貴族は魔力的な釣り合いが取れないと子供ができない為&footnote(第105話、第238話、ふぁんぶっく4 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン「魔力量に大きな差がなく、魔力が合えば子供はできます。子ができるかどうかに属性はあまり関係がありません。」)、魔力の釣り合いが第一で、次いで身分や派閥関係の調整が挙げられる。 相手に合わせて魔力濃度を薄める事で釣り合わせれば子供はできるが、濃度調節は身体に負担をかける上、薄めた魔力で生まれる子は家の魔力基準に満たず、神殿行きか下働きになる可能性が高い。 子供の[[魔力量>魔力#魔力量]]は妊娠中の母親が注ぐ魔力量に左右されるので&footnote(第466話)、妊婦はなるべく多く魔力を与えられるように、他への魔力の使用を控える。かといって、期待をかけすぎて初期に大量に注ぎすぎると流産しやすく、母体にも良くないため&footnote(第403話)、適切に行う必要がある。 この為、一般の貴族女性は妊娠、出産、子育て期間は丸々職から離れることになり&footnote(第535話)、女性領主も[[礎>魔術具と神具#礎の魔術具]]に魔力を注げなくなる。この制約から、女性が領主となる場合は、必ず夫も領主候補生でなくてはならない。&footnote(第253話) なお、妊娠期間はほぼ9か月であり、多少の個人差はあるものの魔力による変化はない。&footnote(ふぁんぶっく3 Q&A) 子供は母親とほぼ同じ魔力だが、夫婦関係が良好な場合は、互いに染まり合い、夫婦の魔力が近い状態になる。&footnote(第581話、第585話) 子供を父親の魔力に近付けるには、妊娠期間中もなるべく頻繁に夫から妻へ魔力を流すようにした方が良い。この辺りの事情もあって、妻が妊娠中に他の妻を娶らない方が良いとされている。&footnote(第581話) 一般的に1ヶ月程度で染め合った魔力は元に戻るため、離れると互いの影響が薄れることになる。&footnote(第581話、第585話) 夫の影響が薄くなった母親は本来の自分の色に戻り、子供の魔力は生まれた時が基準になるので、成長すれば親子でも差が出てくる。 子供の魔力に大きな影響を与えるのが母親である為、貴族の結婚の血統禁忌は、同じ母親につながるか否かで異なる。 同母の場合、兄妹(第二親等)での結婚は許されないが、異母の場合は許される。なお養女は異母妹と同じ扱いになる。 血筋を遡った際に、同一の女性に至る場合、従兄妹(第四親等)から結婚を許可される。&footnote(第440話) 同母の年の離れた妹を養女にした場合の息子と養女の結婚可否や、父娘間の可否、洗礼式で戸籍変更した場合の血筋上のみ兄妹間の結婚可否等は不明。 通常の貴族で、他領からの輿入れがある場合、それぞれの領主の許可を得た後、親族だけで領地の境界にある門へと迎えに行き、お互いに挨拶をして、花嫁や花婿を連れて帰ってくる。この時点ではまだ儀式を終えていない婚約者の状態で、正式な婚姻は夏の星結びの儀式を待つことになる。&footnote(第366話) 王族や領主候補生の婚姻は、領主だけでなく、王の許可が必要になるため、領主会議の時に[[中央神殿]]から[[神殿長]]がやってきて、星結びの儀式を行う。貴族院の祭壇のある礼拝室で星結びの儀式を執り行い、その後、領地ではお披露目のみが行われる。&footnote(第366話) いずれにせよ、他領に輿入れする場合は、洗礼式の際に登録した[[メダル>魔術具と神具#登録証]]を持参する。&footnote(第536話) **&aname(離婚,option=nolink){}離婚 所定の手続きを踏むことで、離婚することができる。 ただし、星結びの儀式で最高神の祝福を得たのにも関わらず離婚した場合、それから先は最高神の祝福を得にくくなり、普通にお祈りしても半分くらいしか祝福を得られなくなる。&footnote(第657話 アドルフィーネの相談と儀式の準備) **&aname(死亡,option=nolink){}死亡 平均寿命は栄養状態で決まり、貴族が六十三歳くらいで、平民は五十歳位&footnote(ふぁんぶっく3 Q&A)。ただし魔力持ちは、魔力を適切に抜くことができなければ、長生きができない&footnote(第337話、ふぁんぶっく3 Q&Aでのヨナサーラの選択肢および貴族の寿命に関する記載他)。 魔力を持つもの(魔獣を含む)は、死ぬと[[魔力を溜める器官>魔力#魔力を溜める器官]]へと魔力が流れ込んで固まり、血液凝固のように固まって[[魔石>魔力#魔石]]が形成される。&footnote(第174話、設定等まとめ Twitterこぼれ話) 戦闘で死ぬ、[[即死毒>薬と毒#即死毒]]で死ぬなどの特殊な例を除くと、死んですぐさま魔石になるということはない。&footnote(設定等まとめ Twitterこぼれ話) 死後どのような形態になるのかは、肉体の部位(魔獣で言うと素材)が身体から切り離される際に、魔石になる部位がどういう状態だったかで変わる。 死ぬ前かつ魔石を傷つけられる前に剥ぎとられたものは生前の状態で、死後や魔石を傷つけられた後は、魔石以外の部位はどろりと溶けてなくなる。&footnote(第226話、書籍第1巻書下ろし) :&aname(遺言,option=nolink){}遺言| 今際の台詞が話題にあがることはあるが&footnote(第524 話)、故人の財産の処分等、遺された生者の行為に効力を持つ遺言の存在は明示されていない。 その一方で魔力による遺言が存在する。魔力を持つ者が、自身の魔力を振り絞って助けを求めた場合、助けを求めた相手に声と映像が飛ぶ現象が生じることと、その性質上、該当現象が戦死や処刑などの際に起こりやすいことから、貴族はこの現象を死の間際の遺言的に扱っている&footnote(設定等まとめ13話)。現象自体は命の危機に陥ったものが自分の状況を伝えるもので、ほとんどが意図せず無意識に行われる&footnote(書籍第五部Ⅷプロローグ・特典SS、ふぁんぶっく8Q&A)&footnote(ふぁんぶっく7Q&A お守りの発動でも起きうると受け取れるため、必ずしも助けを求めているとは限らないと思われる) **&aname(葬式,option=nolink){}葬式 平民は、死後すぐに葬儀を執り行う。 家族とその近所の住民は、黒い布を腕に巻くことで、葬儀に関係していることを示す。 死者の国の扉が開くのは、闇の神と光の女神が出会う夜明けであり、無事に朝日が昇る時、夫婦神の導きで死者の国へと迎え入れられると考えられている。 その為、井戸の広場に黒の布を腕に巻いて結んだ近所の人達が集まり、故人が無事に死者の国に迎え入れられるまで、故人の思い出を語りながら夜を明かす。 葬式が終わるまで、肉の類は口にしてはならず、2の鐘が鳴り響く頃に婦人方が配るパンとお茶で朝食とする。 朝食後に、近所の皆で板を担いで、神殿へと向かい、死亡したという届出をして、埋葬に必要な[[メダル>魔術具と神具#登録証]]を受け取る。 洗礼時に登録したメダルが埋葬の許可証となる。金をかけて墓石や墓碑を準備できない者は墓石代わりに使う。 神殿でメダルを受け取ったら、街の外にある墓地へと向かい、木箱を埋葬し、板を土に差し込む。 板に墓石代わりのメダルを押し付けるとピタリとくっついて離れなくなる為、この板を墓標として、葬式は終了になる。 死んだのが一家の主であれば、遺産相続についての話し合いやこれから先の一家を支える跡継ぎの決意表明のようなものがある。&footnote(第168話) 神殿が近隣にないことから、[[エーレンフェスト]]以外の平民の登録証([[メダル>魔術具と神具#登録証]])の受け渡しは直ぐにできない。 その為、死者を神殿に運ぶ代わりに、葬式時に死者の血を木札に取っておき、秋の収穫祭時に[[文官>階級と職務#文官]](徴税官)に報告して木札(血)を渡す&footnote(第232話 処分)。 文官は徴税の品物と一緒に、木札(血)を発送専用の[[転移陣>魔術具と神具#転移陣]]で&footnote(第197話 収穫祭の打ち合わせ、第213話 収穫祭)、登録証が保管されている城に送る。 死者の登録証は、血にこもった魔力&footnote(第346話 魔術具のインク)を目印とした魔術で取り出され、木札に貼り付けられた状態で送り返される。&footnote(第213話。徴税官が、発送専用の魔法陣と受け取り専用の魔法陣の両方を持参しており、その場で、魔方陣の描かれた布を、発送専用から受け取り専用に交換して待機し、多少の時差で城から戻されたものを引き渡す……というのが一番効率が良いが、効率より儀礼的な手順を重視する為仕事の進め方が非常に遅い、城付貴族の文官がそれをしているかどうかは不明。従って、最速で収穫祭翌日、最遅で翌年の収穫祭時の返却となる) 従って、遺族が受け取った登録証付きの木札を墓標につけるのは、送り返された木札を受け取った後となり、葬式から相当日数が経過する。&footnote(第232話 処分) 貴族は[[時を止める魔術具>魔術具と神具#時を止める魔術具]]を持つため、死亡時期と葬式の時期が乖離することが多い。 領主が死亡した場合は、領主会議で次期領主が承認された後、周辺の領地を招いて葬式を執り行う。 葬式は[[青色神官]]を呼び、遺体から[[命の神の神具>魔術具と神具#エーヴィリーベの剣]]を使って[[魔石>魔力#魔石]]を取り出し継承を行う。 魔石を取り出すと遺体が消える為、遺体の埋葬はしない。 魔石は日用品と共に各家の館の当主しか入れない地下室に保管される。&footnote(ふぁんぶっく3 Q&A、2018年11月10日活動報告 11/12感想返し https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/372556/blogkey/2167133/) 魔石は先祖代々受け継ぐが、保管し続けるか使用するかは継承者次第である。&footnote(設定等まとめ Twitterこぼれ話) 血族の魔石は、その属性や品質から[[子供が生まれた時に与える魔術具>魔術具と神具#魔力を溜めこむ魔術具]]を調合するのに向いているため、各家庭の財政状況にもよるが、その為に使用されることが多いと推測される。&footnote(ふぁんぶっく3 Q&A、2018年11月10日活動報告 11/12感想返し https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/372556/blogkey/2167133/) [[青色神官]]は魔力を持つので、遺体の性質的には貴族に近いが、墓参り対象となることから、儀式で魔石を取り出すことなく墓に埋葬されると推測される。&footnote(第245話 領主夫妻の帰還、第252話 ゲオルギーネの来訪、第253話 閑話 お茶会) 反逆者は葬式がなされず墓標も存在しない。 領主と領主候補生のみ使用できる[[闇の神の魔術>呪文と祝詞#メダル破棄の祝詞]]で、[[メダル>魔術具と神具#登録証]]を破棄して処刑を行う。&footnote(第232話、第523話) 処刑されたものは灰すら残らない。 *&aname(芸術,option=nolink){}芸術 **&aname(文芸,option=nolink){}文芸 文芸(言語芸術) は、親から子や吟遊詩人から大衆への口承が中心だったが、エーレンフェストの印刷本の台頭により、記載文学が普及しつつある。 口承文学は広く普及している。&footnote(第19話、第221話、第228話、第258話、第372話、第386話、SS8話、SS12話、書籍版第一部II 洗濯中の井戸端会議) 平民や貴族を問わず、親が子に物語を語ったり&footnote(第19話、第221話、第386話)、[[吟遊詩人>階級と職務#吟遊詩人]]が騎士物語を語ったりしている。&footnote(書籍版第一部II 洗濯中の井戸端会議、SS8話) 記録媒体が、木板か羊皮紙と、没食子インクであり、羊皮紙とインクが[[非常に高額>通貨]]であること&footnote(第8話、第38話、第43話、第241話)、更に印刷がなく手書きで作成するしかなかったことから&footnote(第5話、第121話)、本の絶対数が少ない。&footnote(第5話、第119話) 蔵書場所も、神殿の図書室&footnote(第67話、第80話)、上級貴族の書斎&footnote(第289話、第565話)、城の図書室&footnote(第207話)、[[貴族院の図書館]]&footnote(第292話)等に限定される。 貴族院の図書館の蔵書量でも、貧乏貴族救済目的で成績の良い者や字が綺麗な者の参考書を毎年購入したり&footnote(第293話)、成績優秀者についてまとめた資料を毎年保管したり&footnote(第303話)しているにもかかわらず、保存用の書庫に収めた古い資料まで含めて、3~4万程度にとどまっている。&footnote(第301話) これらの状況に加えて、エーレンフェストの本が広く認識されるまでは、本は一点ものであり芸術品であると考えられていた。 その為、美しい字を書く者に本文を書かせ、芸術家や絵の工房に色鮮やかな挿絵を頼み、皮の職人に宝石や金をあしらえた皮張りの表紙をつけさせて、初めて本と認められた。&footnote(第121話、第130話、第479話、SS第8話) 結果として、中級貴族ですら手に出しにくいほど高額になり&footnote(第227話、第479話)、重くて持ち運びどころか紙を捲るのにも労力がいる物となっていた。&footnote(SS8話、第479話) 価格面で手が出しにくいことに加えて、聖典や古い書物は、日常で使用されている新しい言葉とは異なる、古い言葉で記載されている為&footnote(SS8話、SS28話、第303話、第485話、書籍版第二部III「神殿の昼食時間」)、古い言葉に親しんでいる少数の者&footnote(SS28話)以外には、読書行為自体が負荷となっていた。&footnote(SS8話) 一方で、エーレンフェストの印刷本は、植物紙に([[植物油>食品と油]]と煤等からなる)印刷インキで印刷され、和綴じで製本され、皮の表紙はついていないことから、価格も重さも捲りやすさも大きく改善されている。 加えて、新しい言葉で記載されていることから&footnote(SS8話)、古い言葉の知識のない者でも容易に読むことができる。 これらの事情から、エーレンフェストの印刷本の台頭により、記載文学が一気に普及しつつある。 なお、印刷技術自体は、写本で収入を得ている下級貴族や青色の生活を圧迫するのではないかという危惧を抱かれていたが&footnote(第152話、書籍版第三部I特典SS お姉様とのお茶会)、絵画の印刷により、その価値が貴族にも受け入れられた。&footnote(書籍版第三部I特典SS お姉様とのお茶会) **&aname(美術,option=nolink){}美術 美術(造形芸術・視覚芸術)として、彫刻と絵画が存在する。 彫刻物は、[[神殿]]にある神々や神々以外&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン)の石像、礼拝室や図書室等の壁や柱や棚等の彫刻およびレリーフ等で見受けられる。&footnote(第15話、第16話、第381話、第454話、第583話、第602話) 彫刻の内、像の制作は平民の芸術関係の工房が担っている。&footnote(第186話) 建物は王や領主の創造魔術で作られていることや、彫刻物の一部が魔法陣と連動していることから&footnote(第381話、第583話、第602話)、貴族が魔術で制作したものも存在すると思われる。 神殿の宗教画&footnote(第96話)、城等の肖像画&footnote(書籍版第四部III書き下ろし)、本の表紙や挿絵&footnote(第121話)、資料の絵&footnote(第303話)など、主に貴族社会において絵が見受けられる。 絵画は写実的に描かれており&footnote(第96話、第496話)、デフォルメは認められていない。&footnote(第96話) 音楽ほどではないものの、貴族は嗜みとして画力も求められており、自称不得意でもそれほど下手ではなく&footnote(第303話)、得意と言うと絵師になれるレベルとなる。&footnote(第496話) 絵具の材料である素材(鉱物・[[油>食品と油]])や、絵を描く布や紙それぞれが魔力を持ち、互いの属性の影響を受ける為&footnote(第346話、第348話)、同じ鉱物でも異なる油に混ぜると様々な色に変化したり、絵具同士を混ぜると黒になったり、絵具を紙に塗ると時間と共に変色したりする。&footnote(第156話、第157話) この為、絵具の製法は完全に工房独自の物で秘匿されて、同じ工房に注文しなければ、同じ色を取り寄せることができない。 加えて、絵具は下町には売りに出されておらず、貴族向けには注文を受けた工房が作って直接納めに行く形式をとっている。 なお、塗った後の色の変化の抑制は、予め色を付ける対象に定着剤を塗って、定着剤が乾いた後に色をつけることで回避している。&footnote(第157話) [[ローゼマイン]]の出資で印刷用の色インク製造技術が確立した結果、同じインク工房から取り寄せた色インクで多色刷りができるようになった。&footnote(第157話、第339話) 更に、[[ハイディ]]の研究により、上から塗ってインクを変色させることなく保護する薬剤の開発された。&footnote(第348話) **&aname(音楽,option=nolink){}音楽 伴奏を伴う声楽が中心であり、伴奏用の楽器として、弦楽器([[フェシュピール>用語一覧#フェシュピール]]&footnote(第105話))、管楽器(横笛&footnote(第147話)、笛&footnote(第297話))、打楽器(太鼓&footnote(第297話))が存在する。 農村で暮らす平民とって音楽は歓喜の表現であり、収穫祭にて、手拍子、足拍子、口笛や楽器と共に、大きな声で歌い踊る。&footnote(第213話) 貴族にとって音楽は嗜みであり&footnote(第104話、第206話)、奏者の技量と場との調和が必要となる。 貴族のお茶会では、[[楽師>階級と職務#楽師]]が複数呼ばれて、代わる代わる演奏する。&footnote(第110話) 曲目は、[[最高神と五柱の大神>神々]]に捧げる歌や[[芸術の女神>神々#キュントズィール]]に捧げる曲、戦いの時に鼓舞する軍歌のような曲が多く、[[英知の女神>メスティオノーラ]]に捧げられる曲は少ない。&footnote(第304話) ローゼマインが[[クラシック>創作物一覧#クラシック曲]]や[[アニソン>>創作物一覧#アニメソング]]等の曲をもたらした結果、曲の種類が一気に増えた。 エーレンフェストで印刷がはじまるまでは、家庭で音楽の教師から学ぶか、貴族院の講義で学ぶか&footnote(第380話)、お茶会で他の楽師が披露した曲を耳で覚えた後に楽譜をおこす&footnote(第305話)かすることで、曲が広まっていた。 エーレンフェストで印刷製の楽譜の販売を開始したことから&footnote(第247話)、楽譜をもとにした曲の普及も進んでいる。 洗礼式の[[お披露目>用語一覧#お披露目]]&footnote(第206話、第219話、第220話)、貴族院の実技の講義&footnote(SS10話、第289話他)、[[貴族院の卒業式>貴族院#卒業式]]の奉納用の音楽や歌と&footnote(第334話、第517話)、自身の腕前を披露する公式の場が多いことから、洗礼式を迎える前から練習を重ねる。 音楽の演習は、フェシュピールで、音階や歌、曲を覚えておくことを基本とし、その上で、自分に合った楽器を探す。&footnote(第206話) その一方で、教育費の結果生じる、楽器や教師の質の差で、演奏の腕前に差が生じることから、お披露目は下位階級から行うし&footnote(第219話、第220話)、貴族院の練習も貴族階級で分かれる。&footnote(第289話) 貴族が専属楽師になる場合は、[[側仕え>階級と職務#側仕え]]を兼任する。 平民でも、音楽の才能が高い場合は、専属楽師として身を立てる場合もある。 魔力量の問題で貴族になれずに平民となった、貴族一族の者がなる場合がほとんどだが、神殿の灰色神官や灰色巫女が楽師となる場合もある。 いずれにせよ、音楽的な才能と貴族社会で浮かない立ち居振る舞いが必要とされる。&footnote(本好きの下剋上 設定等まとめ ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) **&aname(舞台芸術,option=nolink){}舞台芸術 舞台芸術として、舞や演劇が存在する。 貴族は、貴族院の卒業式で歌舞音曲の奉納を行う。&footnote(第334話) その中で、[[領主候補生]]は奉納舞を、騎士の内選抜されたものは剣舞を披露する為、貴族院の実技の講義の中に、奉納舞の練習や剣舞の練習が組み込まれている。&footnote(第281話、第297話、第334話他) お茶会や狩猟大会以外の、娯楽的な催しの有無や種類は領地によって変わる。 [[クラッセンブルク>地理#クラッセンブルク]]では、神殿の青色神官や青色巫女が演じる神話をもとにした演劇が楽しまれている。&footnote(ふぁんぶっく2 はみ出たQ&Aコピーシテペッタン) *&aname(交易,option=nolink){}交易 国内の領地間、ユルゲンシュミットと外国間で交易が存在する。 国内の交易は、貴族院の領地対抗戦で交易対象物を示し、[[領主会議>用語一覧#領主会議]]の場で具体的な取引量と取引内容を決める。 その取り決めに従い、平民の商人達が、領地間を移動して商品を入手・輸送する。 政変以前は、アウブが領地対抗戦や領主会議以外の場で会議をすることに何の問題もなかったが、政変後は、勝ち組領地同士以外で行うと反乱を疑われる為、止めるようになった。 同様に、里帰りや婚約以外の理由で、貴族が他領を訪問することも、勝ち組領地以外は問題視される為、アウブの許可が出ない。&footnote(ふぁんぶっく5 Q&A) 従って、政変後の国内の交易において、貴族が平民に同行して他領を訪れることは基本的にはない。 ユルゲンシュミットと外国間の交易は、領主が[[境界門>地理#境界門]]を開き、王が[[グルトリスハイト]]を用いて[[国境門>地理#国境門]]を開け、[[国境門内にある転移陣>魔術具と神具#国と国を繋ぐ転移陣]]を用いることで可能となる。&footnote(第600話) 交易実績のある外国として、[[ボースガイツ>地理#ボースガイツ]]、[[ランツェナーヴェ>地理#ランツェナーヴェ]]が存在する。 外国では[[魔石>魔力#魔石]]があまり存在しない珍しい物らしく、何よりも欲しがられ、平民でも狩れるような弱い魔獣の小さい魔石でも高額で取引されている。&footnote(第539話) 先代[[ツェント>ユルゲンシュミット国王]]の治世時は、約200年前に断交したボースガイツを除いた国境門から繋がる五ヶ国と交易していたと思われるが、政変を経た[[ツェント・トラオクヴァール>トラオクヴァール]]の治世時の交易相手はランツェナーヴェに限定されている。&footnote(第510話) *コメント #blockquote{&b(){このコメント欄はwikiの情報充実のために設けた物です。} 編集が苦手な方は以下のコメントフォームへ書き込んで頂ければ有志でページに取り込みます。 &color(red,){表示される親コメントには限りがあるので、返信の際は返信したいコメント横のチェックを付けて返信するようご協力お願いします。}} #pcomment(noname,reply,size=100,new,文化/コメント)

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