政変(せいへん)とは、現ユルゲンシュミット国王であるツェント・
トラオクヴァールが即位するまでの一連の争いのこと。
政変に至った契機
次期
ツェントとなれないことに不満をもった前王の第一王子によって、
魔術具のグルトリスハイトを継承した第二王子が殺害され、同時に
グルトリスハイトを失ったことから始まる(当時病床にあった前王も第二王子の死亡後に立て続けに死亡してしまっているが前王も第一王子によって殺害されている)。
次期王であった第二王子と病に臥していた前王を殺害し、グルトリスハイトを失った政変の元凶である第一王子を王と戴くことはできないと考える貴族が多かったことで、第三王子と第四王子も政変に巻き込まれた。
本来の王位継承は、競争によって最も魔力が高い者が選ばれるものであったが、長い歴史の中で親が選んだ者に
グルトリスハイトの魔術具を継承するように変質しており、新たにグルトリスハイトを得る手段が失伝していたため、泥沼の戦いに突入することになった。
前王の第一王子vs前王の第三王子
- 第二王子の死とグルトリスハイトの消失後、病床の王を挟んで誘致合戦と小競り合いのような武力衝突が続いていたが、グルトリスハイトがない為、跡継ぎを決められずにいた。
- 王が亡くなった後に、第一王子と第三王子による短期決戦に突入した。
- 第一王子が、第二王子の同母弟である第三王子がグルトリスハイトを持っているのではと考え、争いを仕掛けた。
- 第三王子が勝利したが、それを受け入れられなかった第一王子派が第三王子とその家族を毒を用いて暗殺した。
- 娘や孫達を殺されたクラッセンブルクが怒り狂い、弔い合戦(報復)をした。
第一王子陣営
- ベルケシュトック:第一王子の母である前王の第二夫人の出身地
- 他、不明(この陣営が政変後半の第四王子陣営となる)
第三王子陣営
結果
正規手段では第三王子の勝利で決着。
その後の暗殺行為により、両者死亡となって、後継者未決に戻る。
前王の第四王子vs前王の第五王子
- 第一王子と第三王子が共倒れしたため、それぞれの権力を後ろ盾に再度争うことになった。
- 第四王子と乗り気ではなかった第五王子を担ぎ出す為の、長期に渡る誘致合戦や小さな武力衝突が続いた
- クラッセンブルクを後ろ盾とした第五王子自身も何度も命の危険に晒されるほど、激しい戦いとなる。
- 国を半分に割るほどの熾烈な争いになった。
- 政変中は貴族院でも皆が常に隠し玉の魔術具や武器を持ち歩いているような、殺伐とした状況だった。
- ダンケルフェルガーの領主候補生を第三夫人に娶ったことで大勢が決し、第五王子が勝利する。
第四王子陣営
政変後に廃領となった領地
廃領は免れた負け組領地
第五王子陣営
中立
結果
政変の影響
領地の再編
- 第四王子陣営に加わった負け組領地の内、大領地ベルケシュトックをはじめ4つの領地が取り潰される。
- 潰された廃領地は勝ち組領地への褒賞として与えられたが、境界の引き直しが出来ないため暫定的な管理しかできず、結果的には負担となっている。
旧領名 |
管理者 |
ベルケシュトック |
ダンケルフェルガーとアーレンスバッハに分割して統治 |
ザウスガース |
クラッセンブルク |
シャルファー |
中央に吸収され王の直轄地が拡大する |
トロストヴェーク |
中央に吸収され王の直轄地が拡大する |
粛清
当初は、第四王子本人も含めた敗戦者や連座対象者の処置を白の塔入りや罰金で済まそうとしていたが、
トラオクヴァールの即位後にも
ベルケシュトックが命を狙ってきたり、生まれたばかりの姫の命を盾に第四王子への譲位を迫る者が現れたりした為、
第四王子とその親族や後ろ盾の貴族に対して、何百人規模にもおよぶ、大規模な粛清が行われた。
- 負け組領地のアウブ夫妻と次期アウブ
- 先代アウブ・フレーベルターク、他
- 政変時における次期アウブ・フレーベルターク、他
- ベルケシュトックの上層部
- 政変においてベルケシュトックに融通したり情報を流したりした者、したとされた者
- 婚姻や就職で他領の貴族となっていたベルケシュトック出身者
- 跡目争いとは関係なさそうな、少しでも魔力の高い子が欲しいと色々な男と浮名を流した前王の王女や女孫
- 王族の姫君を含めたアダルジーザの離宮の住人。
人員・魔力不足
- 粛清によって貴族の数が激減し、ユルゲンシュミット全体が魔力不足に陥る。
- 不足を補うため、青色神官/巫女を還俗させられるように貴族院で特別措置が多く取られ、魔術具や指輪を与えられる。
- 各領地から中央騎士団に騎士を徴用する。
- 各領地から中央神殿に、ある程度魔力のある青色神官/巫女を徴用する。
- 管理する者を失った王族の魔術具や、貴族院の図書館の魔術具が動きを止める。
知識の失伝
貴族院図書館の上級司書が粛清された事により、王や次期王が知っておくべき情報がたくさん保管された貴族院の
地下書庫の重要性を王族が把握していなかった。
粛清後もただ一人の司書として残った
ソランジュは領主会議の時に地下書庫を訪れてほしいと王に願い出ている。しかし政変直後の混乱もあり、領主会議は忙しいのに図書館に立ち寄る時間は取れない。と断られ、そのまま立ち寄ることは無く時が過ぎてしまった。
グルトリスハイトが失われた影響
- 領地の境界線の引き直しができない。
- 国境門の開閉ができない。
- 唯一開いた国境門があるアーレンスバッハしか外国との交易ができない。
- 正統な王でないとして即位を拒否しようとした中央神殿と王族の関係が悪化する。
- 王族は現状を維持することしかできず、人身御供のように魔力を注ぎ続けている。
- 上記は王族の見解で、実際は国の礎を満たす魔力が現状維持にも全く足りておらず、ユルゲンシュミットは崩壊の危機に陥っていた。
貴族院の講義内容の変化
- シュタープの取得年次が3年から1年に変更される。
- これによって高品質なシュタープを得る機会が減少する。
- 全体的に人数が減ったため宝盗りディッターが廃止され、速さを競うディッターが採用される。
- 宝盗りディッターは座学で学ぶだけとなり、実技面では速さだけが重視・評価される事で、(領地によっては)騎士見習いの質が大幅に低下する。
- 文官見習いや側仕え見習いがディッターに参加する機会が減少し、騎士見習いとの距離感も大きくなり、全体としての戦力が弱体化する。
- 教師とその助手がまとめて入れ替わり、大幅に講義内容が変化した講義がいくつかある。
領地間交流の自粛
政変以前は、
アウブが
領地対抗戦や
領主会議以外の場で会議をすることに何の問題もなかったが、政変後は、勝ち組領地同士以外で行うと反乱を疑われる為、止めるようになった。
同様に、里帰りや婚約以外の理由で、貴族が他領を訪問することも、勝ち組領地同士以外は問題視される為、アウブの許可が出ない。
各領地の状況
エーレンフェスト
- 中立で乗り切った事で、領地の順位が相対的に浮上する。
- ある程度魔力のある青色神官/巫女が中央神殿に移動したり、貴族院に通える年齢の見習いや結婚可能な年若い青色神官/巫女が還俗したことで、神殿が深刻な魔力不足に陥る。
神殿に魔力持ちである身食いのマインが迎えられることになる切っ掛けともいえる。
- 騎士を中央に送らねばならず騎士団の人員が不足する。
アーレンスバッハ
- 領主候補生が不足する。
領主と同世代の領主候補生を廃する領地独自の決まりに加えて、次世代の領主候補生は、次期領主と目されていた第二夫人(アウブ・ベルケシュトックの妹)の二人の息子を助命するため上級貴族に落とすことになったため。
- 管理を任された旧ベルケシュトックは土地の魔力を満たせず、礎も見つからないため、ゆっくりと荒廃している。
- 唯一国境門が開いているため、外国との交易を一手に任されている。
クラッセンブルク
- 境界線が引き直されない状態で、元ザウスガース領の管理を任された。
- 国境門が閉ざされて、交易が停止している。
- 第三王子の第一夫人として嫁いだ先代アウブの娘とその子供達が暗殺された為、唯一の生き残りであるエグランティーヌを本来の王族の身分に戻そうとしていた。
ダンケルフェルガー
- 管理を任された旧ベルケシュトックは土地の魔力を満たせず、礎も見つからないため、ゆっくりと荒廃している。
- 国境門が閉ざされた為、交易が停止している。
- 元王女であるエグランティーヌを抱えるクラッセンブルクの方が重用されていることで、クラッセンブルクと少し緊張関係にある。
ドレヴァンヒェル
- 負け組領地が遠かったため、土地の代わりに中央に多くの上級貴族を派遣することで影響力を増すが、領地内に上級貴族が少ない状況となり、結果的にはやはり負担となっている。代わりに中央に移動できない領主候補生は多くいる。
ギレッセンマイアー
- 国境門が閉ざされて、交易が停止している。
- 婚姻による親戚である王族を支えられるように大きな負担を負っている。
(トラオクヴァールの第一夫人の出身地)
ハウフレッツェ
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最終更新:2024年09月17日 14:02