概要
グルトリスハイトは、「メスティオノーラの書」とも呼ばれる謎の書物。最古の
聖典とされる。「グルトリスハイト」と唱えることで、術者がイメージする文書の形で具現化する。本来であれば、
ツェントに就任する際にグルトリスハイトを掲げ、ツェントになるだけの力量と資格があることを示す必要がある。
グルトリスハイトには、メスティオノーラの英知が記載されている。
シュタープを得た者の中で選別の魔法陣を完全に光らせられる魔力量を持った者が魔石になった時に、その記憶がメスティオノーラの英知に加わるため、文字どおり(魔力豊富なユルゲンシュミット貴族の)英知の結晶といえる。逆に言えば、現在生きている者・平民などの一定以下の魔力持ちしか知らない知識や、シュタープを得た者が知りえなかった知識、有資格者がシュタープを得る前や喪失した後に獲得した知識は含まれていない。思考や感情は載らず、重複した内容はメスティオノーラの判断でそのまま載せたり、統合や削除を行っている。
オリジナルであるメスティオノーラの書はメスティオノーラが使う文字で記述されており、その文字を人間が学んで使うようになったものが、現在のユルゲンシュミットで「古語」と呼ばれる文字である。
聖典や神話関連の古文書に書かれた内容の一部は、グルトリスハイトを得た者がその知識を書き出したものである。
メスティオノーラの書は専用のペンとワンセットになっており、このペンを用いてメスティオノーラの書に描かれた魔法陣を空中に書いたり、自分のメスティオノーラの書そのものに好き勝手に記述したり出来るとされている。一方、本編や書籍においてはスティロで書き込みを行っている。またメスティオノーラの書を持つ者しか使えない転移陣であっても、必ずしも書を顕現させる必要はない。
メスティノーラが故人の記憶を写真や動画のような形式でも保存しており、かつメスティオノーラの書を取得した人が望むなら文字以外の形式でも再生可能だが、魔力の消費量が多すぎるので現実的とは言えない。
ツェント候補が自分のメスティオノーラの書を取得した後に死んだ有資格者の記憶は、メスティオノーラが内容を確認して必要なら編集をしてから原本にのみ記載される仕様となっている。従って取得後の新しい情報が欲しければ、始まりの庭を訪れて差分更新をする必要がある。
本来の取得方法
グルトリスハイト(メスティオノーラの書)の本来の取得方法は、以下の様なものであると推測される。
- シュタープを取得するより前に、大神全属性となっている必要がある【第6期で省略】
- 生まれつき全属性でない者は、欠けた適性の眷属神の加護を揃えると、大神の加護を得ることができる
- 魔力を増やせるだけ増やしておく方が良いとされるので、神々に祈りを捧げ魔力を奉納する
- 貴族院の最奥の間で神々の加護を得る儀式を行い、全ての大神の加護を得て全属性となると、始まりの庭への道が開かれ、祭壇に上がれるようになる
- 始まりの庭にて、全属性シュタープを得る
- この時点で全属性シュタープを得られなかった者はツェント候補たり得ない
- 貴族院(聖地)にて大神に魔力を奉納し、大神の祠を巡って「メスティオノーラの英知を手に入れるための言葉」と石板を体内の「神の意思」に取り込む
- 魔力の奉納方法としては少なくとも2つある模様
- シュタープで作った神具で神事を行う(光の柱を立てる)
- 大神の祠に入って直接魔力を奉納する【第3期以降は省略】
- 大神の祠に入るためには前段の全属性シュタープが必要になる
- これを7柱の大神について繰り返し、言葉をコンプリートしなければならない
- 石板を体内に取り込んで言葉を集めきると、貴族院の上空に完成した巨大な魔法陣が見えるようになる
- 巨大な魔法陣に魔力を注ぎ、これを起動させる【第2期以降は省略】
- 起動方法は複数存在するらしい
- 順当な方法は最奥の間の祭壇で1人で奉納舞を舞って七つの神具から光の柱を立てることらしい
- 最奥の間で奉納式を行い七つの神具から光の柱を立てる
- 空中からの魔力注入
- この魔法陣は、普段樹の形態をとっているエアヴェルミーンが人の姿をとり、神々と交信するために必要なものである
- 誰かしらが起動していれば良く、グルトリスハイトを取得したい者が各々起動する必要はない
- 国の礎の魔力が少なくなりエアヴェルミーンが省魔力モードにならない限り、魔法陣は起動し続けている
- 貴族院の図書館2階にあるメスティオノーラの像に魔力を奉納し、シュタープをグルトリスハイトに変化させる魔法陣と呪文を得、「選別の間」へと進む
- この時点で手に入る「グルトリスハイト」は、中身の無い、形だけの器である
- 巨大な魔法陣を起動していないと「資格はあるが、魔法陣が動いていない」と金色のシュミルに追い返される
- つまりシュタープ取得後であれば祠巡りや巨大な魔法陣を起動させていなくても、グルトリスハイトの呪文と魔法陣は取得できる
- ただし先に取得しても二度手間になるだけなのでかつては祠巡りの後にグルトリスハイトを取得していた
- 他の者がメスティオノーラの英知の取得中は映る景色が取得中の者の望みになり、「今は通せぬ。出直せ」と金色シュミルに英知の女神像前に戻される
- 「選別の間」には精神体で行っていると考えられる
- 始まりの庭にて人の姿を取ったエアヴェルミーンと面会し、シュタープを出して祈りを捧げることにより、メスティオノーラの英知が光とともに奔流となって体に流し込まれる
- この際、知識の奔流に抗わず、注意を払わず、流れのままに全てを受け入れることで完成となる
- 流れていく知識に気を取られると、知識の取りこぼしが起こる
- 取りこぼした知識は再度始まりの庭を訪れることで補完できるとされる
- 上空から英知の光をさえぎられるとその分の知識は得られない。3.の補完も行えない
「王族」出現以降の道筋
- 地下書庫の資料(白い石板)の知識でメスティオノーラの英知まで辿り着く事が可能だった
- 第4期の女王~第6期の女王までの歴代王族ツェント達の道筋は、1→2→3→4.1.1→6.1→地下書庫の最奥でマニュアル写本となっていたことになる(4.1.1と6.1は前後する可能性有)
- 6.で女神像から器を得ると同時に「選別の間」送りになる条件が4.1.2~4.4(祠巡りによる魔法陣の出現)だと推測される
- ローゼマインは同時に行ってしまったが、「選別の間」送りにも何か条件が存在すると仮定しないと、女神像で器を得る歴代ツェント達が全員金色シュミルに追い返され続けていた事になってしまい、不自然なため
- ローゼマインの道筋と比較して、祠巡りを省略しているのに「いのりたりた」と地下書庫の最奥に入れていた事に関する議論⇒グルトリスハイトに関する考察と議論
- トラオクヴァール、ジギスヴァルト、アナスタージウス
- 小さな祠巡りは行っていたが、3.(=4.2)をクリアできない(貴族の魔力を参照)
- 大神の祠巡りができなくても、歴代王族ツェント同様「器」+「地下書庫の最奥のマニュアル本」は入手できた可能性はある(上記議論参照)
- フェルディナンド
- 生来1.、2.→3.を貴族院三年生時に行い、不思議話に興味を持ち4.、地下書庫の独自研究で6.2となり、5.1.3を経て7.2まで行っている
- エグランティーヌ
- 生来1.、3.(貴族院一年生時)→2.(貴族院三年生時)の順で行っている
- ジェルヴァージオ
- 生来1.、2.→3.を成人前に行い、ラオブルートの手引で4.、地下書庫の最奥に行くが「おうぞくとうろく」に阻まれ、ローゼマイン貴族院四年生の奉納式により起動済みのままで5.、更にラオブルートの情報から6.を行い7.2、7.4
- 当時の貴族院のカリキュラムは三年生時に2.→3.を行うものであったため、通常であればその手順だが、ジェルヴァージオが2.の加護の実技を行っていたかどうかは不明ジェルヴァージオは加護を得る儀式を行っていない
- 貴族院で神に祈りが届くことは既知の様子だが、15年春の侵攻時に得た知識の可能性もある
- 当時のカリキュラムでもほとんどの全属性でない者たちは洞窟経由ルートでシュタープを得ていたと思われるため、ローゼマイン同様に3.だけを行うことは可能
- 侵攻に向けて行動を開始した14年春~秋の時点で王族に伝わっていた情報は、下記ローゼマインの道筋の~4.までであり、実際15年春にはその手順をなぞっている
- 6.器の魔法陣焼付および地下書庫の最奥についての知識は第4期~第5期当時のトルキューンハイトも持つ知識であり、レオンツィオにもある程度伝わっているため、地下書庫に入れなかった成人前に6.1だけ行っていた可能性もある(ランツェナーヴェ>グルトリスハイトの知識継承も参照)
- ⇒地下書庫の存在自体を知らず、ローゼマインのマニュアル本ルートを真似しただけで、同じように失敗
- ⇒器の魔法陣焼付についても、14年冬の奉納式後にローゼマインが図書館2Fで失踪したというジギスヴァルト経由の情報からメスティオノーラの神像を発見し、6.1を実行した
ローゼマインの辿った道筋
- 1.大神全属性
- 身食いで死にかけたことにより、体内に魔力の塊ができる(エーヴィリーベの印を持つ子)
- 全属性を持つフェルディナンドから記憶を覗く魔術具を使用された際に魔力の塊を染められ全属性を獲得
- 3.始まりの庭で大神全属性のシュタープ
- 洞窟経由で一年生時の実技でクリア
- 2.加護を得る儀式
- 三年生時の実技で実施、神像が動き始まりの庭へ行くも空振り
- 4.祠巡り~上空の魔法陣出現
- たまたま大神の祠を発見し、強要されながらクリア
- 石板(言葉)を得てシュタープが強化される
- この時点で「いのりたりない」が無くなり、シュバルツ達に「しゃほんする」と地下書庫の最奥まで案内される
- (マニュアル本ルートに行きかけるが「おうぞくとうろく」に阻まれる)
- 5.上空の魔法陣起動~エアヴェルミーン顕現
- 四年生時のクラッセンブルクとの共同研究で初めて神像に向かうパターンの奉納式を実施してクリア
- (一人奉納舞のように始まりの庭は開かず、神具から七本の柱が立っただけ)
- 図書館に行って魔力供給をしているとシュバルツ達に2Fに案内され魔力をねだられる
- 6.器の魔法陣焼付と同時に選別の間へ進む
- 7.金色のシュミルから知識を求める意思と資格を確認され、始まりの庭に進み、エアヴェルミーンと面会して言われるままに祈りを捧げる。
メスティオノーラの英知を手に入れるための言葉
メスティオノーラの書を得る言葉は、人によって異ならず、全て同じだが、祈りが足りなければ石板は得られない。
天空を司る最高神たる夫婦神 |
名前 |
メスティオノーラの英知を手に入れるための言葉 |
闇の神 |
ヴィレデアール |
光の女神 |
アオストラーク |
大地を司る五柱の大神 |
名前 |
メスティオノーラの英知を手に入れるための言葉 |
水の女神 フリュートレーネ |
ロームベクーア |
火の神 ライデンシャフト |
クレフタルク Kräfte(力、勢い(の複数形))+{stark(強い、激しい)または、Kräft(e) + arch(i)- (第一の、主たる、最高の)<arch(i)1-Kräfteの入れ替え語 |
風の女神 シュツェーリア |
タイディヒンダ Verteidigung(防御)+hindern(阻む) |
土の女神 ゲドゥルリーヒ |
トレラカイト |
命の神 エーヴィリーベ |
ナイグンシュ |
呼称・異称
「グルトリスハイト」は本来シュタープを変化させる呪文であり、その正式名称は「メスティオノーラの書」である。しかし、シュタープの盾を「ゲッティルト」と呼ぶように、ユルゲンシュミットでは呪文で呼び習わす慣習があるらしく、「メスティオノーラの書」は一般に「グルトリスハイト」と呼び習わされている。
厳密には、「グルトリスハイト」の呪文で手に入るのはメスティオノーラの英知を検索し、閲覧するための神具(器)だけであり、その内容であるメスティオノーラの英知は別途始まりの庭で脳内にダウンロードする必要がある(自分で書き加えることも可能)。そのため、歴代のツェントそれぞれの持つ「メスティオノーラの書」の内容(情報量)は異なるものと推測される。
また、歴史的経緯により、「グルトリスハイト」と呼ばれているものが複数存在している。
異本等
- 正規の手段で得た『グルトリスハイト』
- 大昔のツェントやフェルディナンド、ローゼマインが取得した物。エアヴェルミーンと出会い、メスティオノーラの英知を与えられ自分のシュタープを変化させて顕現させる。
メスティオノーラの英知は、シュタープを持ち一定以上の魔力を持つ者が死亡した場合、魔石となったその者の知識がメスティオノーラの英知に追加されて増え続けていく。
基本的に一人で全てを受け継ぐ物であり、何度も祈りを捧げて魔力を高めて儀式を行い…と取得するためのハードルが非常に高い。
(個人的な推察をグルトリスハイトの分割問題へ移動)
- マニュアル本『グルトリスハイト』
- 代々知識が増えていく正規のグルトリスハイトでは、知識の取り零しが発生するようになり、ツェントの執務に影響が出るようになったため、雑多な知識を抜き、執務に必要な知識を抜粋した物。貴族院図書館の地下書庫の奧に収められている。
メスティオノーラの英知を得た次期ツェント候補は、自分に足りない知識をこのマニュアル本から自分のメスティオノーラの書に書き加えて補完した。
元々はグルトリスハイトの形を得た次期ツェント候補なら閲覧できるものだったが、“ひめさま”以降の世代では王族登録がないと入れなくなっている。
- マニュアル本を写したシュタープ製の『グルトリスハイト』
- 図書館二階の女神像に魔力を注ぐことでグルトリスハイトの形をシュタープで作り、地下書庫の奥にある「マニュアル本グルトリスハイト」を書き写したもの。
メスティオノーラの英知は得られないが、ツェントとしての執務は問題なく行うことができることをガランゾルグが発見した。
- 親が持つ書をシュタープに写し取った『グルトリスハイト』(不確定情報)
- この取得方法は読者の考察によるもので、この方法が実在したかどうかを含め複数の主張が存在した。
ランツェナーヴェにおけるグルトリスハイトの継承問題を参照。
- ⇒後のジェルヴァージオの行動により、この形のグルトリスハイトは存在しなかったと考えるのが妥当と思われる。
- 魔術具の『グルトリスハイト』
- 出来の悪い息子を溺愛した女王が、属性が一つ足りない息子に跡を継がせるために作った魔術具。魔術具なので物体であるが、持ち主が死ぬと地下書庫の奧に転送されるようになっていた。母である女王とシュタープの魔力を通し合わせることで魔術具を受け継いでツェントとなった息子は、自らの息子に同様にしてこの魔術具を譲ったが、「持ち主が死んだら地下書庫の奧に戻る」ことは伝えなかった。以後、図書館の地下書庫の奧でマニュアル本グルトリスハイトを閲覧することはなくなった。
政変の際に当時の第二王子が殺害されたため、グルトリスハイトは地下書庫の奧に返ったと考えられる。
この魔術具の機能を示唆する「グルトリスハイトの魔術具でシュタープによる引継ぎができる」という本文の記述については複数の解釈がされているため、「グルトリスハイトの魔術具でシュタープによる引継ぎができる」の解釈問題を参照。
- 一代限りの魔術具の『グルトリスハイト』
- フェルディナンドが、自力でグルトリスハイトが入手できそうにない王族に与える為に作った魔術具。ローゼマインが提供した最高品質一歩手前の魔紙を用い最高品質へと仕上げている。使用者の属性は問わない。
- かつての王族が作った「魔術具としての『グルトリスハイト』」と違って、最初に魔力を登録した一人にしか使えないという制限を設けた、一代限りの魔術具になっている。新たなツェントとなったエグランティーヌに与えられた。
機能
- 王権の証拠
- 初代王のグルトリスハイトを写した者が王であると聖典に記されており、長い歴史の中でグルトリスハイトの得方は変化しているがグルトリスハイトを持つ者が王とされている。
ただし、建国初期においては各地のアウブがグルトリスハイトを得ていたこと、ランツェナーヴェを建国したトルキューンハイトと同時期に3人のグルトリスハイト所持者がいたことが作中に示されており、当初は十分条件ではなく必要条件であったことが窺われる。
- メスティオノーラの英知
- 開けば望む知識が得られ、文字が光るため暗い中でも読むことができる。
- ローゼマインのメスティオノーラの書は現代のタブレット端末のように調べたい言葉を入力して検索するようになっている。
- 国境門
- 国の礎を押さえなくともグルトリスハイトがあれば国境門を使うことができる。
- 魔力供給
国境門を通じてユルゲンシュミットに魔力を満たすことができる。
- 国を結ぶ転移陣
国と国を繋ぐ転移陣を起動したり停止することができる。繋ぐ先はグルトリスハイトを持つものの自由にできる。
- 国境門を結ぶ転移陣
国境門から国境門へ移動することができ、転移した際に光る。
- 礎の魔術
- 作成
礎の魔術を新たに作成することができる。
領主候補生の講義に使われる模型の礎の作成にグルトリスハイトが必要ならば、フェルディナンドはローゼマインの教育にグルトリスハイトで得た知識や権能を使用していることになる。常識では予習できない。
- 境界線の引き直し
土地を切り分け、境界線を引き直すことができる。これを行うには国の礎を押さえていることが必要であると推察される。
- メモ機能
- シュタープで作り出すグルトリスハイトには、スティロでいくらでも書き込むことが出来る。
知識の取りこぼしが起きるようになった後のツェント候補は、この機能を使ってマニュアル本グルトリスハイトから必要な知識を書き写した。
タブレット型端末を模したローゼマインのグルトリスハイトの場合キー入力による書き込みは無理があるので、ペンタブであるか手書き入力機能があると推測される。
メスティオノーラの英知の内容
ダウンロードされる内容は上記の機能を使いこなす為の知識を始め、歴代ツェントの記憶映像など種々雑多であるが、作中で登場しているものを大まかに記述する。
ローゼマインとフェルディナンドで1冊分を分割ダウンロードしたが、後にツェント業務に必要な知識や魔法陣(=マニュアル本の内容と同等程度だと思われる)はフェルディナンド側にコピペされて補われている。
- ローゼマインが得た内容(6~7割)
- 神話や建国関係の知識
・神事に関する知識(聖典と共通)
・神々のこぼれ話(ダンケルフェルガーの本と共通)
・建国の頃のエアヴェルミーンの様子と名
・ユルゲンシュミットが命の神の記号を中心に置き、命の神の力を封じるような形の魔法陣で構成されている事実
- ユルゲンシュミットの歴史映像の一部
・グルトリスハイトの取得方法の変遷
・先代ツェントからのグルトリスハイトの継承、政変時にグルトリスハイトが失われた場面など
- ツェントの業務内容に関する知識
・ツェントによって作られる各領地の礎、国境門を開く仕事、国境門を回ってのユルゲンシュミットへの魔力供給
・国境門での魔力供給は建国当初はアウブの仕事だった事実
・当初の神殿の役割、神殿長の聖典に関する知識
・神殿図書室→礎の間への行き方と聖典の鍵の存在、礎を奪う方法
・領地を富ませる儀式のやり方やその魔法陣の一部(地下書庫の石板と共通)
- 貴族院図書館の魔術具一覧
・フェルディナンドが得た内容以外で、戦闘特化のシュミル達の作り方を含む
- その他知識
・夫婦や産まれてくる子供の魔力の特徴、最高神の名前を得る事での個人判別の仕方
・身食いやエーヴィリーベの印を持つ子の属性や魔力の特徴について
・開錠の魔法陣
- (国境門開閉含め古い魔法陣はフェルディナンドの方がいっぱい持っており、ローゼマイン曰く「肝心なところが結構抜けていて使い勝手が悪い」)
- フェルディナンドが得た内容(3~4割)
- アダルジーザの離宮の成り立ち~ランツェナーヴェ関連
- ユルゲンシュミットの歴史映像の一部
・グルトリスハイトの取得方法の変遷
・先代ツェントからの継承、グルトリスハイトがあるのは王族登録が必要な書庫など
- ツェントの業務内容に関する知識
・領地を富ませる儀式のやり方やその魔法陣の一部(地下書庫の石板と共通)
- 礎の魔術
- 貴族院図書館の魔術具一覧
・地下書庫に関する部分やメスティオノーラの像に関する事柄
- 魔力に関するその他知識
・開鍵の魔法陣
・国境門開閉の魔法陣は大部分など
取得方法の変遷
「第606話 ツェントとグルトリスハイト」の王位継承の歴史のまとめ。
期分けは継承方法の変遷に伴って番号を割り振った便宜上のもので、本編に登場するものではありません。
初代王におけるグルトリスハイトの取得経緯は
建国神話を参照。第1期より前の段階が存在している可能性がある。
各時代のツェントに関しては
ユルゲンシュミット国王を参照。
第1期
全ての祠を巡り言葉を得て、エアヴェルミーンを通じて始まりの庭でメスティオノーラの英知を授かっていた。
個人の資質によって取りこぼしが生じるため、ツェントの執務に必要な知識を集めた「マニュアル本グルトリスハイト」が作られ、
地下書庫の奥に収められた。
メスティオノーラの英知を得たツェント候補はマニュアル本グルトリスハイトを写すことで知識を補完していた。
神事を行う場所 |
聖地 |
神事の参加者 |
全ての貴族 |
ツェントの居住地 |
聖地 |
ツェント候補 |
全ての貴族のうち、全属性で祠を巡り祈りの足りた者の中で、メスティオノーラの書を得た者 |
グルトリスハイトの形の入手法 |
図書館の女神像への魔力奉納による脳裏への魔法陣焼付 |
グルトリスハイトの中身の入手法 |
エアヴェルミーンを通じた英知の取得、地下書庫の奥のマニュアル本をシュタープで作る器へ写す |
得られる知識 |
メスティオノーラの英知全て。ただし個人の資質によって取りこぼしあり |
第2期
エアヴェルミーンの所へ行かなくなった(=
本来の取得方法の5と7が省略された)。
図書館二階の女神像に魔力を注ぐことで、グルトリスハイトの形を手に入れ、地下書庫の奥にある「マニュアル本グルトリスハイト」を写すことで知識を得た。
神事を行う場所 |
聖地 |
神事の参加者 |
全ての貴族 |
ツェントの居住地 |
聖地 |
ツェント候補 |
全ての貴族のうち、全属性で祠を巡り祈りの足りた者の中で、グルトリスハイトを得た者 |
グルトリスハイトの形の入手法 |
図書館の女神像への魔力奉納による脳裏への魔法陣焼付 |
グルトリスハイトの中身の入手法 |
地下書庫の奥のマニュアル本をシュタープで作る器へ写す |
得られる知識 |
ツェントの執務に必要な知識 |
弊害 |
神々を蔑ろにするツェントが誕生するようになった |
第3期
祠を巡らなくなった(=
本来の取得方法の4.1.2以降が省略された)。
ただし、神事はたくさん行っているため、神々のご加護は問題なく得られていた。
神事を行う場所 |
聖地 |
神事の参加者 |
全ての貴族 |
ツェントの居住地 |
聖地 |
ツェント候補 |
全ての貴族のうち、全属性で祈りの足りた者の中で、グルトリスハイトを得た者 |
グルトリスハイトの形の入手法 |
図書館の女神像への魔力奉納による脳裏への魔法陣焼付 |
グルトリスハイトの中身の入手法 |
地下書庫の奥のマニュアル本をシュタープで作る器へ写す |
得られる知識 |
ツェントの執務に必要な知識 |
第4期
ラオヘルシュトラが毎回起こる激しい継承争いを避けるためにはツェント候補の数を絞れば良いと考えた。
図書館に金のシュミルに似せた
シュバルツとヴァイスを配置し、ツェント候補の行動を監視し、祈り足りた者となり(祠巡りを終え)、当時のツェントの一族(以後、王族(正確には直系王族))として登録した者以外、地下書庫の奥に入れないようにした。
抗議した者や地下書庫の内容から第1期の方法でメスティオノーラの英知を手に入れた者は粛清されるようになった。
各領地と転移陣で直結している聖地での襲撃を防ぐため、王族は居住地を転移陣の刻まれた扉でしか行き来できない別の場所に移した。
しばらくは問題無かったが、段々と
アウブや次期アウブ(
神殿長)の足が聖地から遠のき、神事が小規模になっていった。
神事を行う場所 |
聖地 |
神事の参加者 |
王族 |
ツェントの居住地 |
聖地とは別の場所 |
ツェント候補 |
王族のうち、全属性で祈りの足りた者の中で、グルトリスハイトを得た者 |
グルトリスハイトの形の入手法 |
図書館の女神像への魔力奉納による脳裏への魔法陣焼付 |
グルトリスハイトの中身の入手法 |
地下書庫の奥のマニュアル本をシュタープで作る器へ写す |
得られる知識 |
ツェントの執務に必要な知識 |
弊害 |
神事が小規模になっていった。 |
第5期
王族内で継承争いが起き、候補同士が相打ちになった。
残ったひ弱な
シュバンクハイトのためにツェントの居住地の近くに
中央神殿を作り、神事を行うようになった。
神事が行われなくなった聖地は、
貴族院と呼ばれるようになる。
神事を行う場所 |
中央神殿 |
神事の参加者 |
王族 |
ツェントの居住地 |
貴族院とは別の場所 |
ツェント候補 |
王族のうち、全属性で祈りの足りた者の中で、グルトリスハイトを得た者 |
グルトリスハイトの形の入手法 |
図書館の女神像への魔力奉納による脳裏への魔法陣焼付 |
グルトリスハイトの中身の入手法 |
地下書庫の奥のマニュアル本をシュタープで作る器へ写す |
得られる知識 |
ツェントの執務に必要な知識 |
弊害 |
聖地で行われる神事の光景が忘れ去られた |
第6期(政変前)
属性が一つ足りなくても使える魔術具のグルトリスハイトが作られ、継承されるようになり、祈りを行うことも無くなっていく。
この継承は9代行われている。
- グルトリスハイトの魔術具を作成したアルプゼンティに溺愛された息子であるナイグンハイト(地下書庫の奥について知っていたが伝えず、初代)
- ナイグンハイトに溺愛された全属性の息子であるルンドザイン(2代目)
- 先代ユルゲンシュミット国王(ワルディフリードとトラオクヴァールの父、8代目)
- 第二王子ワルディフリード(9代目)
この時点でツェントはグルトリスハイトの魔術具により引き継がれるものに変質してしまい、地下書庫の奥に関する知識が失伝する。
神事を行う場所 |
次第に中央神殿に行かなくなる |
神事の参加者 |
王族も行わなくなる |
ツェントの居住地 |
貴族院とは別の場所 |
ツェント候補 |
王族のうち、(六属性以上から)ツェントが任意で一人選ぶ |
グルトリスハイトの形の入手法 |
グルトリスハイトの魔術具 |
グルトリスハイトの中身の入手法 |
シュタープに魔力を通し合うことによるグルトリスハイトの魔術具の継承 |
得られる知識 |
ツェントの執務に必要な知識 |
弊害 |
地下書庫とその奥についての知識が失伝した |
第7期(政変後)
現物を奪えば次期ツェントになれると考えた前王の第一王子によって、魔術具のグルトリスハイトを継承したツェント候補だった前王の第二王子が殺害され、持ち主の死亡により魔術具のグルトリスハイトが地下書庫の奥に戻った。
地下書庫の奥に関する知識が失伝しているため、グルトリスハイトが失われた。
神事を行う場所 |
忌避され行われていない |
神事の参加者 |
忌避され行われていない |
ツェントの居住地 |
貴族院とは別の場所 |
ツェント候補 |
無し |
グルトリスハイトの形の入手法 |
失伝 |
グルトリスハイトの中身の入手法 |
失伝 |
得られる知識 |
失伝 |
第8期(15年春~)
女神の化身となったローゼマインより神の意志(人の理に合わせ、神々の言葉を良いように解釈したフェルディナンドの要求)が伝えられ、自力でメスティオーラの書を得た者がツェントを継承する古代の方法に戻された。
マニュアル本を用いるかどうかは不明であるが、第1期相当と考えられる。
当期の初代の継承者であるツェント・エグランティーヌは制度変更を担うため例外で、体裁としては女神の化身よりグルトリスハイトを授与、実際にはフェルディナンドより
一代限りの魔術具のグルトリスハイトを与えられている。
神事を行う場所 |
貴族院 |
神事の参加者 |
全ての貴族 |
ツェントの居住地 |
貴族院 |
ツェント候補 |
全ての貴族のうち、全属性で祠を巡り祈りの足りた者の中で、メスティオノーラの書を得た者 |
グルトリスハイトの形の入手法 |
図書館の女神像への魔力奉納による脳裏への魔法陣焼付 |
グルトリスハイトの中身の入手法 |
エアヴェルミーンを通じた英知の取得(マニュアル本を用いるかは不明) |
得られる知識 |
メスティオノーラの英知全て。ただし個人の資質によって取りこぼしあり |
グルトリスハイトに関する考察と議論
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最終更新:2025年05月06日 11:31