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ズリナ語
zlinavi zivGUn
言語系統 リナエスト語族
・南東クラナ語派
■■・ズリナ語
表記体系 ズリナ語
公用語 クラナ大陸国家連合
ザラカル立憲王国
メリ共和国(第二言語)
統制機関
話者数 200万人~3億人程度
言語コード

 ズリナ語(ズリナ語:zlinavi zivGUn)はリナエスト語族南東クラナ語派に属する言語の総称である。主にファイクレオネクラナ大陸に加盟している一国、ザラカル立憲王国で話されている。


概要

 ズリナ語はザラカル立憲王国の事実上の公用語の地位にあり、メリ王国では第二言語に指定されている。クラナ大陸国家連合でも使われることがあるが、あまり浸透してはいない。

系統

 系統的に最も近いとされる言語はメリ語であり、ズリナ語と共に同じリナエスト語族南東クラナ語派に属する。
 メリ語とは統語論的には似ているが、音韻論的にはあまり似ておらず、ズリナ語を有声音的・閉音節的特徴を具えているとするならば、メリ語は対照的に無声音的・開音節的特徴を具えている。また、方言が少なくその差も少ないズリナ語に対してメリ語は多数の言語変種がある。さらにはお互いに(ルーツは同じであるが)独自の文字を持ち、一見では同じ系統であるとは分かりづらい。語のルーツはそれなりに共有しており、詳細に調べることでそのつながりが見えてくる関係といえよう。さらに言うならば、メリ語ザラカル方言はかなり近く、ザラカル方言話者はズリナ語の文章を半分かそれ以上理解できる。
 ズリナ語には北方言と南方言があるが、その差異はほとんどない。大きな違いとしては南方言では/g/をほぼすべて[ŋ]で発音するなどである。母音や子音の数も同じである。

音韻

母音

 ズリナ語は7母音の言語である。文字では6文字が母音であり、eは[e̞]と[ə]の条件異音を持つ。
 全体的に狭母音が優勢だが極端に狭い母音は好まない。


前舌    中舌 後舌
 狭  u [u]
i [ɪ] ɯ [ɯ̽]
半 狭 e [ə] o [o]
e [e̞]
半 広
a [ɐ]
 広 

母音の音韻法則

  • 基本的に二重母音を作らない。例外的に一部の単語に存在する。
  • 長短の区別がなく、アクセントは高低(とわずかに強勢)である。
  • /e/は基本的には[e̞]だが、前後の母音からの影響を受けて[ə]と発音される場合がある。話者によっても異なる。

子音

 ズリナ語は鼻音を事実上の有声音と見なせば、「/k/を除く子音に有声音しかない」。これはズリナ語の音韻論的側面の最大の特徴である。

両唇音 唇歯音 歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音
破裂音 d [d] k [k]
g [g]
鼻 音 m [m] n [n] g [ŋ]
ふるえ音 r [r]
ř [ř]
はじき音
摩擦音 v [v] z [z]
ž [ʒ]
j [ʝ] gh [ɣ]
側面摩擦音 l [ɮ]
側面接近音 l [l]
rl [l]
破擦音 z [d͡z]

子音の音韻法則

  • 子音の重なりは二重子音までを許容する。文章のつながり方では発話上三重子音が生じうるが、四重になる場合はどこかに緩衝母音を挟む(予定)。
  • 二重子音は語頭と語中によく出現し、語末を嫌う。
  • 二重子音はしばしば逆の配置でも許容される。そのため、多様な二重子音クラスタを構成しうる。その一方で発話しやすさのためにある程度発音しづらい二重子音はオミットされている。
  • /g/は[g]として発音されるが、/n/の後ろや/zg/子音クラスタとなる場合、あるいは/gi/となる場合、しばしば[ŋ]になる。
    • 南部方言では全て[ŋ]で発音される。
  • /z/は語頭でしばしば[d͡z]になる。また、強制的に[d͡z]で発音するために/dz/という綴りが存在する。
  • /l/は二重子音になるか閉音節の位置に来ると[l]になり、それ以外で[ɮ]になる。
  • /l/では開音節の[l]を表現できないため、/rl/を用いる。伝統的に別の音とされているため、閉音節の/rl/も存在しないわけではない。

文字

 ズリナ文字を用いる。
 代用表記としてリパーシェ、リナエスト文字、ルアンシーアルファベットを利用することができる。


 ズリナ文字はメリ文字と共通の後期ヒニャンムサヌクリ祭禮文字に由来し、これはルアンシーアルファベットを母体にしつつ古典語以降のリナエスト文字の影響を受けて成立した文字であった。この後期ヒニャンムサヌクリ祭禮文字は前パンテガード王朝時代にメリ人王朝で発明されたものでにパンテガード王朝支配を受け入れてからはいくつかの文字を改良し派生させることで対応したと見られる。その後はズリナ人が石碑や石板を好んで用いたためズリナ文字として派生し、一方のメリ人は多羅葉に書き込むためメリ文字(俗ヒニャンムサヌクリ文字)として派生した。
 現代のズリナ文字はリパーシェから「!」や「?」などの一部の約物を借用している。

文法

語順

 ズリナ語の規範的な語順は SOV / NA / NG / Pr である。

jem aGizilam grungoron om.
私はアギズィルに到着した。

代名詞

 ズリナ語では代名詞は名詞と文法的にはっきり区別されるにも関わらず、様々な語が代名詞として使われる。このような代名詞の使い方は話し手・書き手による文脈的な要素、性格や職業などの人物の特徴を示す役割語的な要素の反映や区別に用いられる。

種 別 訳 例 単 語 解 説
一人称公的男性 僕、私 jem 公的な場面で用いられる男性の一人称。父性的で落ち着いた印象を与え、上流階級の男性が私的に使う場合もある。
一人称私的男性 俺、おいら vUm 親しみやすくはあるがやや粗暴な雰囲気があり、公的な場面で言うのは適当ではない。
二人称私的女性 私、あたし eme 女性が自宅や集落の近所でよく使う言葉。未婚女性でも使うが子供は使わない。
一人称両用中性 私、自分 mUn 万能な一人称。目上の人に対して使うことがあり、謙譲語的な表現になる。
便利な反面、自分のキャラクターを出さない表現なので使いすぎるととっつきにくい感じになる。
一人称公的両性 私、ワタシ mi 理語のmiを借用したもの。ザラカルでは非常にフォーマルな表現であり、政治家や医者が公的な場で使う。現地では初学者の外国人がよく使う一人称として知られており、普段使いするとカタコトっぽい印象。
二人称私的男性 お前、おまえ viniz 男友達同士で呼び合う男性二人称。当然公的な場ではあまりよろしくない。
二人称私的女性 貴女 zne 初対面の女性への呼びかけに用いる。男性が女性に呼びかける際のデフォルト二人称。女性の友人や恋人、妻などに使うのはおかしい。
二人称公的両性 貴方、あなた zo miと同じく理語由来で、二人称のcoを借用したもの。
現地ガイドにこの二人称でずっと呼びかけていると高貴な人と勘違いされ高級レストランに案内されるため注意。
二人称・三人称私的子供 僕ちゃん、お嬢ちゃん viRi 子供に対する親しみのある二人称・三人称。話し相手が本人かどうかで二人称か三人称かを使い分ける。
この代名詞で呼んでも良いのは遅くとも12歳頃までであり、反抗期の少年少女に言うのはやめてあげよう。
三人称両用男性 彼、あの男 Zen 万能男性三人称。
家族に対しては使わない。
三人称両用女性 彼女、あの女 dimi 万能女性三人称。
家族に対しては使わない。

 他の代名詞に関しては順次アップデートで追加予定。

 指示代名詞は遠称と近称の2種類がある。
種 別 訳 例 原 形 属 格 形
近称 これ、この edzin eG
遠称 それ、その jini dw

ウジュグ

 ウジュグ(ズリナ語:UZGU)とはリナエスト語族で見られるの定性を表す名詞の語形変化のズリナ語での名称である。中央リナエスト語では定性を表す名詞の語形変化をユシェカ(現代中央リナエスト語:USzEkta)といい、ウジュグという名称は「ユシェカ」が訛って定着したものである。

 ユシェカと同様にウジュグは「総称」、「特定」、「部分」の三つの定性を持つ。ユシェカでは辞書形が「総称」であるが、ズリナ語では中央リナエスト語のそれとは異なり「特定」が辞書形となる点に注意。
 中央リナエスト語では語根の最終音節の母音が特定の変化をすることでユシェカを表すが、ズリナ語は代名詞の場合は代名詞は接尾辞の付属によって表現され(規則変化の場合)、それ以外の場合はそれぞれの名詞クラスによる冠詞に接尾辞がつくことで表現される。

代名詞のウジュグ

 不規則変化のものは赤太字で表す。

種 別 訳 例 特 定
-∅
総 称
-(ɯ)nom
部 分
-(ɯ)vin
一人称公的男性 僕、私 jem jenam Gam
一人称私的男性 俺、おいら vUm žen jiLim
二人称私的女性 私、あたし eme enwz ei
一人称両用中性 私、自分 mUn vwm var
一人称公的両性 私、ワタシ mi minom mivin
二人称私的男性 お前、おまえ viniz viniznom vinizvin
二人称私的女性 貴女 zne znom znevin
二人称公的両性 貴方、あなた zo zonom zovin
二人称・三人称私的子供 僕ちゃん、お嬢ちゃん viRi vaRom Zlin
三人称両用男性 彼、あの男 Zen Zenom Zenwvin
三人称両用女性 彼女、あの女 dimi diminom dimivin
近称 これ、この edzin zanam dolm
遠称 それ、その jini ijan jwz

名詞クラス

 ズリナ語には3つの名詞クラスがあり、それぞれjen名詞(lin冠詞名詞)、zanak名詞(zan冠詞名詞)、rago名詞(Gwn冠詞名詞)と呼ばれている。
 それぞれjenは人間、zanakは動物、ragoは植物という意味であり、つまり人間や人間に関連する名詞はjen名詞、動物に関連する名詞はzanak名詞、それ以外の植物や物体、概念などの非生物(厳密には植物も生物であるが)に関連する名詞はrago名詞に分類される。また、これらの分類にも関わらず、文脈によってそれぞれ人間、動物、植物の意味を表したい時には明示的に変更することができる。例えば、人間にも動物にも爪があり、人間の爪を言う時と動物の爪を言う時はつける冠詞でそれらを区別することができるという具合である。
最終更新:2025年12月12日 19:24