10000系(10030系・10050系・10080系)通勤型電車

実車について

車両増備と7300系の置き換えを目的として、1984年(昭和59年)より製造が開始された通勤型電車。
先に登場していた東上線・有楽町線直通用9000系の地上専用版・東武全線対応車として設計されている。
このため車体見付は基本的に9000系と同一ながら、分割併合を考慮して幌枠つきの貫通扉が中央に設置され、印象が大きく異なる車両となった。

制御方式は東武では初となるバーニア式界磁チョッパ制御を採用、ブレーキ装置も回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(HRD-1)となり、
日光線新栃木以北などの勾配区間用に抑速ブレーキも備えている。

1988年(昭和63年)にはマイナーチェンジ車である10030系が登場したが、コルゲートを廃したビードプレス車体の採用とともに、
車体客室見付の見直しや6050系に準じた前面スタイルへの変更、ボルスタレス台車の採用など大幅に変化した。
同時に、東武初のVVVFインバータ制御車である10080系が1編成試作されている。

1992年(平成4年)以後は、10030系を基本にバリアフリー対策や空調設備見直し、および雪害対策の強化を図った10050系が登場、10000系列は総勢486両が製造された。
2007年(平成19年)からは車内設備や保安装置を中心にリニューアル工事が施工されている。
更新車は外見上では前面のスカートとHID前灯、側面幕板部分の車外スピーカーが印象的だが、このほかにもパンタグラフの一部撤去やシングルアーム化が行われた編成も登場している。

余談であるが、8000系などの鋼製一般車が白地にブルーの濃淡帯に塗装変更された際に、ステンレスカーについても同様のカラーリングに改めようという計画がなされ、
10030系の先頭車1両にブルーの帯を貼り付け視認性を確認したことがあったが、結局は定着せず、ステンレスカーはロイヤルマルーンの帯を引き続き使用することとなった。

なお東武は、2013年より野田線系統で運用されていた8000系を置き換えるべく、60000系を製造しているが、同時に50000系列の投入にともなう30000系の地上線転用によって、
余裕の出た10000系列も野田線に転属することとなった。この転属に際しては60000系と同一のカラースキームの帯すなわち、野田線専用カラーであるフューチャーブルーとスプライトグリーンの帯をまとい、「青い帯の10030系」として話題をさらった。
今後も60000系の投入と平行して本系列の転属が行われ、8000系を順次置き換える予定である。


イラスト作成に当たって

8000系と同じく、東武を代表する通勤電車のひとつです。浅草駅に来るとよく普通電車ホームにやってくるアレです、アレ。
ちょっと前までなら8000系もいたんですが、今や浅草口に顔を出す一般車両はほぼ10000系列、たまに30000系と言った具合です。

さてイラストですが、上段から10000系登場当時(11801F)、10000系修繕車(11606F)、10030系登場時(11031F)、10030系修繕車(11445F)、
10050系(11655F)、そして唯一のVVVFインバータ車である10080系(11480F)、野田線仕様(11652F)を描いてみました。

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最終更新:2013年06月23日 19:59
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