エヴァンゲリオン初号機

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エヴァンゲリオン初号機 - (2012/10/03 (水) 23:36:41) の編集履歴(バックアップ)



「ウォオオオオオオオオオオオオオオオ……ッ!!!」

95年に放送され、大ヒットを飛ばして社会現象にまでなった90年代を代表する
SFロボットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(2007年以降公開の新劇場版では『ヱヴァンゲリヲン』表記)にて、
主人公・碇シンジが乗り込む架空の人型兵器。

原作の舞台・第3新東京市に襲来する「使徒」と呼ばれる謎の生命体に対抗すべく建造された、
汎用ヒト型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオン、略称「EVA」の戦闘用テストタイプモデルにあたる。
EVAは人間が愛情を抱くときに使うとされるA10神経を介した神経接続によってコントロールし、
稼働状況は機体とパイロットの「シンクロ率」により左右される。
動力は電力。普段は背面に接続されているアンビリカルケーブルにより電力を供給されている。
内蔵電源もあるものの稼働時間は極端に短い(およそ5分)為、欠点の一つと言える。
+ 後半では(ネタバレ)
使徒の持つ永久機関(S2機関=スーパーソレノイド機関)を取り込んだ為、この欠点は解消された。*1

シンジの生命に危機が迫ると、例え活動限界を迎え停止状態であっても突如再起動し、
パイロットの意思に関係なく初号機は暴走し、圧倒的な戦闘能力で使徒を殲滅する。
+ その真相は…
初号機のコアには碇シンジの母親・碇ユイの魂が同化しており、前述の暴走状態は
シンジを守ろうとするユイの『母性』によって発動したものである。

その凄惨な光景は見る者に恐怖を与え、特に最も凄まじかったのはテレビ版19話での対ゼルエル戦での暴走。
古今東西、使徒――つまり敵を捕食ってか貪り喰った主役ロボットは、アニメでは初号機が最初で最後であろう。
この状態は「ダミープラグ」を搭載する事で擬似的に再現させる事が可能となる。
(新劇場版ではこの状態をパイロットの意思で制御可能な裏コード「ザ・ビースト」なる機能も搭載されている)

また、EVAは使徒の展開する、人類が所有するほぼあらゆる攻撃を拒絶する強力なバリアー「A.T.フィールド」を、
同様に展開・中和する事が可能なため、 作中ではほぼ唯一の、人類が使徒に対抗できる兵器として存在している。
+ EVAの正体とは…
EVAシリーズは「生命の起源」とされる「光の巨人アダム」及び「リリス」を模して造られており、
対使徒用決戦兵器としてのみならず、特務機関ネルフ、そして秘密結社ゼーレの「人類補完計画」の要として存在する。
その為、パイロットとのシンクロ率など様々な要因が重なる事により、人類よりも一段階上の次元の生物へと覚醒する事も可能。
その設定を受けてか時間軸としては劇場版の三年後(ただし弐号機が屠られる前後からIF展開)を描いた
小説『新世紀エヴァンゲリオン NIMA』では、至近距離からγ線レーザーを受けた際に
パイロットのシンジが取り込まれ、初号機はスーパーエヴァンゲリオン(命名:葛城ミサト)に進化している。
シンジがサルベージされた後も彼の心臓がエヴァの中に残っており、シンジと初号機は乗っていない時でも常にリンクしている。


尚、EVAシリーズは試作型の零号機、正規実用型の弐号機(新劇場版では2号機)・3号機、
新型動力試験型の4号機、ゼーレが対ネルフ用に建造した量産型EVAシリーズが存在する。
(新劇場版の現時点で量産型の存在は確認出来ず、拠点防衛用の仮設5号機、月面で建造された6号機が登場している)

よくわかるエヴァちなみに、この動画の宣伝履歴を見てみると…

尚、海外でも極めて人気が高いアニメーション作品であり、『スポーン』の作者なんかは大ファンなのだそうだ。

+ 『スーパーロボット大戦』における扱い
ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズにも多数の作品に登場。
マジンガーZゲッターロボガンダムガオガイガーといったスーパーロボット達と共闘し、原作の敵勢力である使徒の他、
デビルガンダムラウ・ル・クルーゼなどといった強敵を打ち破った。

中でも『MX』のシナリオは「バンプレまんがまつり ラーゼフォン対エヴァンゲリオン」といった風情で、
原作を尊重しつつも「補完」と「調律」という二つの世界変革の道を巡って、
二つの組織の陰謀・策謀がぶつかり合うステキワールドが展開されている。バンプレオリジナル機がダサい? だがそれがいい。
厳密にはロボットじゃない、敵の目的、電力の供給元、EVAの全高が決まっていないなど、様々な問題はあったものの無事参戦。
原作どおりの暴走状態での無敵っぷり、「国が傾く」レベルの修理費も健在である。*2
ケーブルは空を飛んでいるor宇宙に浮かぶ戦艦から伸ばす、または初号機以外もS2機関内蔵型にする等、
シナリオ面でも都合を付けて解決している。

エヴァの陰鬱なシナリオに歴代のスーパーロボットパイロットたちが反抗しないはずもなく、
逆にリアルロボットパイロットたちがシンジを見捨てる訳もない。
第五使徒ラミエルを倒すためエネルギーを結集し、3号機からトウジを助け、シンジを励ましてゼルエル相手に時間を稼ぎ、
量産型から弐号機を救出する。影響を受けたシンジが熱血パイロットすることもよくあることである。
え?A.T.フィールドは心の壁だから心開いたらダメなんじゃないかって?スパロボだからしょうがない
もうこれが公式でいいよ

性能面ではEVA全機(と使徒)の共通事項としてA.T.フィールドという超性能バリアに頼れる序盤は強いものの、
後半では簡単に破られるため運用するには無理やり装甲を伸ばすか、回避力を伸ばす必要が出てくる。
A.T.フィールドは一定値のダメージまで完全に無効化するが、それを超えると全てのダメージを食らうという特性なので、
破られるとそのまま撃墜されてしまう恐れがあるので尚更である。
しかし『α』以降の参戦作品では、終盤ボス格の攻撃でも十分装甲を強化して防御体勢をとれば防ぎきれることも多い。
武装は遠近どちらにも対応できるが、原作では未登場だった「マゴロク・E・ソード」を使える『α』以降では接近戦に特に強い。
但し新劇場版から初参戦となった『L』では未完結のため色々と武装を追加できないからか逆に遠距離型となった。
Lの相性のいい相方は長射程の最強武器を持つ『鉄のラインバレル』のアパレシオンや『ガンダムW』のトールギスⅢ、
お互いの地形適応をカバーできる別作品のレイが乗るレジェンドガンダムと組ませる事が多い。

なお、原作では通常兵器がまるで通らないA.T.フィールドの耐久度に関しては
庵野監督から「超電磁スピンを食らえば破れる」と明言されたため、*3
『α』以降ではちゃんと「必殺技レベルでやっと破れる」性能に落ち着いている。

…ここまででやたら「『α』以降」という単語が目に付いたと思うが、その辺については以下に纏めてみる。
+ どうしてこうなった…
最初に参戦した『F』&『F完結編』では攻撃力のインフレと防御力のデフレがかなりのレベルで進行していたため、
本体の装甲も薄く、改造しなければ回避する能力も高くないEVAは、A.T.フィールドに頼らないとやっていけない状態であった。
(それですら後半には必殺技どころかMSのビームライフル一発で簡単に破られてしまうような有様だった)
そのため対使徒用に造られたはずのEVAが、特に『F完結編』からは、使徒以外の雑魚には非常に強いくせに、
A.T.フィールドを中和して殴り合うことになる使徒相手では、逆に長所を完全に殺されてしまうという哀しい状態になっていた。
+ ……というのが一般的なイメージだが
実は『F完結編』に入ってもEVAが活躍する術は残されている。初号機に限るが。
シンクロ率が専用のパラメータで管理されているため、これを上昇させるように鍛えまくり
更にF完結編で解禁された10段階改造でめいっぱい運動性(回避+命中用のパラメータ)を鍛えてやれば
初号機は(そのイメージと裏腹に)モビルスーツどもの攻撃をホイホイと避けまくるという姿を見ることが可能なのである!
……射程が足りず反撃出来ない、反撃出来ても武器の命中補正のおかげで当たらない、
当たってもダメージが足りない、などが相手によっては起こるが、些細なことであろう。
実際、プログナイフあたりを鍛えまくってやれば、ドーベン・ウルフ程度ならどうにかなるし。
ただあまりにもイメージと違う姿なのは事実なのだが。
ちなみに装甲特化の改造でも、強化パーツを併用することで、ある程度「ATフィールドで固いEVA」を見ることも
可能は可能。ラストステージまで使いたい場合は運動性特化を勧めるが。
そこで次に参戦した『α』以降ではそれを解決するため、
「中和能力を省き接近戦武器にフィールドを突破できる火力を持たせる」という逆転の発想で攻め、
(さらにA.T.フィールドに気力制限を設けることで、綾波レイの精神コマンド『脱力』で 使徒の気力を下げて
 フィールドを封殺する手段も用意された)
結果として対使徒戦でも主戦力級の力を取り戻すことになったのである。
それでも使徒以外を相手にする方が強いんだけどな!
ちなみに『MX』のみ火力はそのままに中和能力も復活している。
その分、シナリオ中のA.T.フィールドの扱いも上がっており、ゼルエルに至ってはイベントで喰われるまで
絶対にフィールドが破られないという原作どおり(或いは原作以上)の無敵ぶりをみせてくれる。
格好よく名乗り上げて登場したロム兄さんの立場?ここ以外のほぼ全てで一人で美味しいとこ持ってくんだから
いいじゃない……。

但し新劇場版が初参戦することになった『L』ではエヴァと使徒の攻撃がA.T.フィールド無効を標準装備しており、
エヴァが使徒と戦闘する際は実質的にA.T.フィールドが中和される形になった。
結果として、機体の運動性と装甲、パイロットの防御などの問題により使徒戦は不利となる。
初参戦で使徒戦が不利になるのはエヴァの通過儀礼なのか?
なお、第三次αあたりからエヴァはレイと零号機が防御&装甲が高く、シンジと初号機が中間、
アスカと2号機が最低といったところなのだが、シンジは底力が高レベルまで上がるため、ATフィールドをぶち抜かれると硬くなるという性質がある。
ちなみにLでは新劇場版仕様のため、初号機が今までの接近戦タイプから遠距離射撃タイプに変わっている。

番外編的なリアルタイムシミュレーションの『Scramble Commander』では完全に内蔵電源のみで動いており、
他のユニットが時間経過と共に武器用エネルギーが回復する仕様に対し、EVA全機のみ回復しない変わりに
低燃費という仕様になっている。
他にも複製使徒(もどき)が登場する。シナリオ中盤でEVAが3体同時暴走して敵になる。
等、他作品よりも尖った扱いを受けている。
初号機は、α以降の旧エヴァが参戦した作品では唯一最後までマゴロクが使えないため、若干火力は低め。
その代わりではないが、弐号機がゲームバランスを崩壊させるレベルでクソ強い。
他にEVA関連で言えば「パイロットよりもミサトさんの方がよく喋る」。
むしろスパロボ関連作品全て含めても、全パート通してこれほど非戦闘員が戦闘で顔出ししている作品はないと言い切れる。
オペレーターとして他作品の固有名称も声付きで名指しにして、指示やフォローの要請をしてくれる貴重な作品である。


ニコニコ動画における新世紀エヴァンゲリオン

エヴァ関連はニコニコ動画でも人気があるため、削除にもめげず多数の動画が存在する。
例えばこれは配役の妙が冴える名作だ。

なお「エキセントリック少年」とは『ダウンタウンのごっつええ感じ』内の
ヒーローアニメ的な主題歌をネタにしたコント「エキセントリック少年ボウイ」の事。
ニコニコ動画においてもこの曲を使ったMADが多数製作されている。
特にエヴァとこの曲とのコラボは、放送時期が劇場版エヴァとほぼ同時期(97年)だったこともあって
なんとも言えないノスタルジーを感じる方も多いのではないだろうか。

他にもこのように、何かと欝になりがちだった本編を逆手にとった明るい曲とのMADが存在する。
新世代のロボットアニメであったエヴァを「正統派ロボットアニメ」っぽくするような作品が多く、
上記の『破』などの展開を考えると、むしろ「だいたいあってる」と言いたくなってくる。
+ 他の動画
キョンで吹き替え ベジータで吹き替え
「シンクロ率○○%」はニコニコではお馴染みの有名タグだろう。


MUGENにおけるエヴァンゲリオン初号機

  • hyuga氏作
スパロボからグラフィックを転用した初号機がhyuga氏によって製作されている。当然パイロットは碇シンジ
登場時やKO時の台詞、シンジのカットイン付きでの必殺技などスパロボファンには嬉しい仕様。
ただジャンプが出来ない代わりにA.T.フィールドで相手を吹き飛ばせるなど、
非格闘キャラらしい一風変わった動作もある。尚、例に漏れず暴走モードも搭載。

  • TonyADV氏作
こちらはTonyADV氏によって製作されたリアル頭身の初号機。
劇中の如くパイロットの状況が中ポトレで表現されており、負けるとミサトからの通信も入るという凝った作り。
(ただ、アドオンによってはライフバーの一部が隠れてしまう事もあるが、何、気にすることはない
こちらは立ち状態で削りダメージを受けてライフが0になると、暴走。
ライフが全回復し、攻撃力・防御力が神の領域まで上昇、攻撃方法も劇中で見せた暴力的なものに変化する。

+ さらに…
カクゲ 強キャラ祭では、劇場版の場面を再現した巨大な初号機が登場。
こちらは全く動かないが、その分攻撃力が尋常ではなく、即死攻撃「人類補完計画」も早々から使用するという性能。
…が、何故かハガー市長には効かなかった。パターン青、使徒です!
プレイヤー操作なら、ハガー市長のような無敵能力を持ったキャラクターを使えば倒せなくもない様子。
性能としてはせいぜい凶キャラなのにナイトメアブロリーに勝てるので、
ナイトメアブロリー>市長>初号機>ナイトメアブロリー…という奇妙な三すくみが成立している。
単にカクゲがナイトメアブロリーに勝てなかったので、即死攻撃を持っている初号機を使っただけじゃないかとか言わないでね。

残念ながら、ニコニコMUGENでの出番や活躍は目立っていない。
A.T.フィールドを使える巫女が脚光を浴びている位か。
むしろエヴァのストーリーをなぞったこちらの方が有名かもしれない。
MUGENではパイロットの方が有名だし

出場大会

削除済み


*1
尤も、その後すぐにEVA初号機が凍結されてしまい、戦線復帰後もS2機関が搭載されているという設定が
戦闘で大きく活かされる事は無かった。
S2機関の具体的な恩恵は、後年の『新世紀エヴァンゲリオン2』『スーパーロボット大戦』などで発揮される事となる。

*2
他のEVAで大体2万前後、初号機は4万。ちなみに他の機体の修理費の相場は
量産機が1000~2500、最高クラスの性能を持つνガンダムが大体5000程度で、
ラー・カイラムなどの母艦クラスでも10000前後。ついでに敵機撃墜による獲得資金の相場が、
比較的安定して高額な戦艦クラスのやつで5000~6000程度であることを考えると、
この修理費がいかに法外か分かって頂けると思う。ちなみに最低額のボスボロットはたったの10
エヴァ2をミサトでプレイすると目の眩むような金額の並ぶ山と積まれた書類を片付けていく彼女の苦労と優秀さがよくわかるだろう。

*3
事実、原作においても戦略兵器やエネルギー兵器で正面からA.T.フィールドを破った描写は存在する。
特にラミエル殲滅のため、日本全土の電力を総動員したポジトロンスナイパーライフルによる
超長距離狙撃を敢行する「ヤシマ作戦」は、そのドラマチックな展開も相まって印象的である。