即死攻撃

エターナルフォースブリザード 相手は死ぬ

一言で言えば「体力が満タンの状態であってもその技が当たるとKOになる」という攻撃の事である。「即死技」とも
(ゲームによっては使用条件が「相手の体力が一定以下」の物もある)。

いくつかの作品では共通システムとして全キャラが即死攻撃を持っていたり、逆に特定キャラのみが保有する場合もある。
しかしお互いが無条件に即死攻撃を出せるようでは試合が大味になったり短くなりすぎるため、
必殺技・超必殺技よりも上位の究極最強の技として位置付けられている事が多く、厳しい使用条件を課せられている。

即死攻撃にもいくつかのパターンがあり、
  • 厳しい条件を満たす事で、使用条件が解禁し、繰り出す事ができる超必殺技(システム保有タイプ)
  • 相手が即死する程の攻撃力を発揮するタイプの純粋に攻撃力の高い技、所謂「ただの10割」(初代昇龍拳等)。
    相手限定、密着、パワーMAX、カウンターヒット等の攻撃力が上がる特殊条件でヒットした時のみ等、条件付きのもの
    (『'94』~『'95』ジェノサイドカッター等)
に大きく分類される。

「当てればハメや永久ループの状態に繋げるので、ヒットさせれば実質勝てる」という技を持つキャラもいるが、
それらはあくまで即死コンボや10割コンボといった結果的な即死であり、即死攻撃とはあまり呼ばれない。
連続ヒットするものでもいいが、少なくとも純粋にその技だけで即死させるものが即死攻撃と捉えられている。
ただし中には普通に一撃で死に至るダメージの技(状況限定だが)を出してくる覇王もいる。

代表的なシステム上の即死攻撃としては、『GUILTY GEAR』の「一撃必殺技」、『戦国BASARA X』の「一撃BASARA技」、
北斗の拳』の「一撃必殺奥義」、『サムライスピリッツ零SPECIAL』の「絶命奥義」などがある。
詳しくはそれぞれの項を参照の事。

なお、『モータルコンバット』の「究極神拳(Fatality)」や『サムライスピリッツ天草降臨』の「断末奥義」は、
相手を倒した後に使用する勝利演出用の技であって即死攻撃ではない。


MUGENにおける具体的な即死攻撃技の数々

DESTROYED絶命奥義テーレッテーオーモーイーガーのいずれでもないものを紹介する。
ただし「特殊ゲージを溜める事で使用可能、決まると特殊BGMが流れる」というテーレッテー、オーモーイーガーのパロディになっている事が多い。

+ 鷲塚慶一郎真最終狼牙「誠」
  • 鷲塚慶一郎(真最終狼牙「誠」)
Ildanaf氏アレンジ版のマスター鷲塚B-Styleに搭載されている技。
特殊ゲージは鷲塚らしく「誠ゲージ」。
特定の技を当てる事で誠の文字が一画ずつ点灯していき、13画で準備完了となる。
決まると暴れん坊将軍のイントロが流れる。
この曲を聴いた視聴者達はたちまち「デーンデーンデーン」と弾幕を流す。

詳細は最終・狼牙の項目を参照。
念のため言っておくが、原作の最終・狼牙は即死攻撃ではない。

+ 御名方守矢(月華繚乱)
  • 御名方守矢(月華繚乱)
Ildanaf氏アレンジ版のマスター守矢B-Styleに搭載されている技。
特殊ゲージは守矢らしく「月ゲージ」。
鷲塚と同じく、特定の技を当てる事で月の文字が一画ずつ点灯していく。
この際、画数の関係上一画描くために3カウントが必要となる。
「月」の画数4x3カウント+1(月完成後1カウント必要)=十三画で準備完了となり(つまり鷲塚の一撃必殺と同じ)、
超高速のワープ斬撃でロック完了となる。
暗転の画面に浮かぶ月と流れるテーマ曲「黎明の決意」と共に繰り広げられる斬撃は必見。
演出上、エルクゥ辺りに繰り出すと稀に月が二つ浮かぶという奇妙な状況になる。

+ レッドキング(ネックハンギング)
  • レッドキング(ネックハンギング)
最新版で「ベアハッグ」から性能が変更された超必殺技。
一定時間食らい続けていると首の骨を折ったようなエフェクトと共に即死判定となる。
一応レバガチャで逃れられるのだが、AIはレバガチャをする事が無いので、
AI対戦では即死技扱いでも差支えない(多分)。

+ アサギ(主役チャチャチャ)
  • アサギ(主役チャチャチャ)
フィーバー状態、3ゲージ、LIFEが200以下の3つの条件を全て満たすと発動可能。
五人に分裂して各種攻撃を放った後、「宇宙戦艦良綱」を召喚し、
大気圏外からの艦砲射撃で画面全体を攻撃する一撃技。「ヨシツーナガキタヨー」
通常演出と読売新聞購読者にはたまらないレア演出の2種類がある。ただし、性能は変わらない。
また、味方殺し技でもある。

+ チルノ(エターナルフォースブリザード)
  • チルノ(エターナルフォースブリザード)
339氏製作のチルノA-Styleに搭載されている技。
1ゲージ使用する事で挑発が詠唱に変更され、5回詠唱を行う事で発動。つまり5ゲージ必要となる。
ただしチルノの最大ゲージ保持数が1という事もあり、超必殺技にゲージを使用した方が手っ取り早いと思われる。
AIは基本的に使用しない。
遠野志貴の改変キャラ「GoMyungGook」もこの技を使用する。

+ 遠野志貴反転志貴(極死・無空)
  • 遠野志貴、反転志貴(極死・無空)
ルージュノワール氏の遠野志貴(反転モード)と、そこから抽出・改変された反転志貴に搭載されている技。
BloodHeat中に発動可能、攻撃してきた相手の足を払い、ナイフを突き刺して一撃で倒す当身技。
遠野志貴は反転モードになるための条件が厳しく、代わりに反転と同時に出せるなど正に切り札的存在だが、
反転志貴は常に反転しているためBloodHeatすればいつでも使用でき強力。
反転志貴はまだ調整中のようで、AIは一部カラー以外では基本的に使用しない。

ちなみに、復讐貴を始めとした所謂殺人貴改変系のキャラにも大体搭載されているが、基本的に同じ技なので割愛する。

+ 復讐貴(絶死・虚空)
  • 復讐貴(絶死・虚空)
BloodHeat中に発動可能。前述の一撃で決める極死・無空とは逆に、分身しながら持っている技をほぼ全て命中させる乱舞技。
コノメニウーやプリズムヲーと呼ばれるのもこのため。
相手キャラのライフが一定以下の時にしかコンボに使用できないが、高い根性値を持つキャラと戦う場合には役に立つ事もあるだろう。
復讐貴はゲージ効率がよいため、AIは積極的に使用してくる。

+ アルダー(三界輪廻)
  • アルダー(三界輪廻)
一定の条件を満たして画面下にプルパ(青い結晶のようなもの)が出ている状態で使用可能。
前方に高速の飛び道具を撃ち、ヒットすると演出に入りそのままKOする。
条件を満たせばゲージは不要だが使用できるのは1ラウンド一回のみ。
また、1ゲージを使う事で超必殺技の「破邪の光刃」をキャンセルしてコンボに組み込む事も可能。

原作では『アバチュ1』だとラスボスのハリ・ハラが使用し、『アバチュ2』では一定の条件でアルダーが使用可能になる技で、
MUGENでの演出はハリ・ハラ版とアルダー版を足してミックスした感じになっている。


MUGENにおける即死攻撃

即死攻撃を搭載しているキャラは原作から所持している者を除けば少数派である。
あったとしても、それらのキャラも多くは当てれば勝ちだが狙って当てる事はほぼ不可能というロマン技だったり、
ゲージ消費量が極端に多いなど、発動条件のハードルが高かったりというバランス取りがなされているが、
検証不足故に実は結構当てやすかったり、高そうに見えて意外と低いハードルだったりする事もある。
一方、神キャラは「バランス? 食えるの?」という性能であるためほぼ全ての攻撃がこれである事も多く、
神キャラ同士のバトルは派手なエフェクトを乱舞させつつも、内部的には「どうやって即死を避けつつ即死を当てるか」という戦いになっている。

以下、主にMUGENにおける即死攻撃の類の処理についてまとめる。
あくまでもニコニコMUGEN的な即死の説明なので、詳細な解説については期待しないように!

MUGENに存在するそんな色々な即死攻撃を処理的な面から、
  1. 通常の処理だけを用いた即死
  2. 仕様上のバグや不正な処理などを利用した即死
といった二種類に大別して紹介してみる。

通常の処理だけを用いた即死

これらは比較的初期からある即死攻撃である。対策も初期に発見されている。

巨大なダメージ
Hitdef(Projectile含む)のdamageや、TargetLifeAddで巨大なダメージを与えるもの。
相手の打たれ強さなどによっては必ずしも即死にはならないが、標準的なキャラが即死する数値に設定されていれば即死技と呼んで差し支えない。
ダメージの数値に数字以外に、triggerのenemy,LifeMaxやp2lifeを選ぶ事もできる。
ゴルゴ13夜神月辺りがこれに該当。

自己のライフを増減させる命令
HitdefやReversaldefのP2StateNoを設定するなどし、敵のステートをこちらの記述で管理する状態にして、
LifesetやLifeAddを使いライフを減少させるというもの。

落下即死
Hitdef(Projectile)に設定されているFall.damageを利用した即死。
この即死を成立させるためには相手を落下処理ステート(コモンステートの5100,5110)に送り込む必要がある。
比較的簡単な即死ではあるがコモンステートを利用しているため意外な盲点となっており、効く相手は多い。

仕様上のバグや不正な処理などを利用した即死

これらはMUGENを研究していく過程で偶然発見されたバグなどを利用している。仕組みや記述が複雑である事が多い。

オーバーフロー
上述の「巨大なダメージで即死」に記述自体は近いが、そのダメージ量をMUGEN本体の処理限界を超える数値に設定するというもの。
相手に設定されたDefenceの値が、
  • 100以上の場合は正の方向へ巨大な数値を与えるオーバーフロー
  • 100以下の場合は負の方向へ巨大な数値(例えば-9999999999999)を与えるオーバーフロー
が有効である。

マイナスなのに「オーバー」フロー?「アンダー」フローじゃないの? と思われるかもしれないが、
 「アンダーフロー」というのはマイナスの値の事ではなく、浮動小数点が極端に小さくなって表示できなくなる状態、
 つまり0.00000000000…001などが桁あふれして、小数点以下の正常な値を測れなくなる事を指す。
 一方、「オーバーフロー」は整数の桁数が大きくなって異常に増える事を指すので、
 間違えやすいがその数がプラスだろうがマイナスだろうが「オーバーフロー」なのである。豆知識。

ちなみにこのオーバーフロー、MUGENに限らず現代のコンピュータのシステム構成の仕様上避けにくいバグの一種。
ゲームで有名どころだと『スーパーマリオブラザーズ』にて、残り人数の上限打ち止めをスタッフが設定していなかったのか、
無限1UPで人数を129人以上にするとオーバーフローが起き、「1ミスでゲームオーバー」という惨事が伝えられている。
(『3』以後では上限が設定され、そこまで稼ぐと以後は増えないようになっている。リメイクの『コレクション』以降も同様)
ゲームではこのようにただの誤動作程度のものだが、リアル生活にかかわるものだとシャレにならないレベルのバグとなりかねない(例:2000年問題など)。
実際MUGEN以外だと各種コンピューター犯罪に応用可能な代物だったりするので、用法・用量を守って自己責任で使用しましょう。

即死当身
Reversaldefで相手を当身した後に常時監視ステート以外でReversaldefを起動させておくと、相手のTargetがいつまでも持続する事を利用した即死攻撃。
常時監視ステート以外で永続的にReversaldefを使うので基本的にHelperに任せると記述が楽になる。
相手のHitdefでヒットするかどうかを判断するため、相手に食らい判定がなくても当てる事が可能
ステートを奪取しTargetLifeAddで常時オーバーフローの値を与えて死亡させる。TargetStateで確実に死ぬステートに飛ばすのが一般的。
他にもTargetFacingやTargetvelSetなどで、(嫌がらせとして)相手の動きをめちゃくちゃにする事が可能。
ただしTargetを8以上持てない点に注意。最近ではTargetDropを使う事が多くなった。

最初に搭載したキャラはF1
初期の棒人間(Apalao)を倒す手段として初期の凶悪キャラ界では最強の即死技とされていた。
この技から本格的な研究が始まったと言っても過言ではなく、半永久的にTargetをとれる(永続Targetと呼ばれる)ため現在でも凶悪キャラには必須とされる。
比較的簡単で並キャラにでも手軽に搭載できるが、防ぐ方は全ての攻撃をProjectile化・Helper化するなど面倒な上に、地味な作業が必要になるため大変。

オメガトムハンクスキラー(OTHキラー、Helperキラー)
まず、上記の当身を用いて相手側のHelperのステートを奪う。
ステートを奪ったHelperから、とある設定をしたProjectileを発射させ相手本体を誤作動させるバグを利用する。
普通のキャラであれば不正とされるような処理を含んでおり、ネット対戦のできるMUGENの場合Projectileのバグが直されているので使用不能。
詳しくは当該項目を参照。

混線バグ
半永久的にTargetをとった場合、対象が消えていてもターゲットが残る(俗に空のターゲットと呼ばれる)現象を利用した即死の総称。
特に最近の超即死利用系(直死など)以外の即死はほとんどがこれを利用したものである。具体的には、
  • 自分自身のHelperに対して攻撃
  • そのHelperにターゲットが発生
  • 永続ターゲットをしている状態でそのヘルパーを消す
  • ヘルパーは消えるがターゲットは残る
  • そこに相手がヘルパーを出すとそのヘルパーがこちらのターゲットになる
というもの。
その方法もprojectile型とhitdef型の二つのタイプが存在する、hitdef型が本体の関与しない使いやすい混線と言われる。
能動的に空のターゲットを作るためには自身のヘルパーを攻撃するのが手っ取り早いが、必ずしもこの方法でしか作れないわけではない。
あとはTargetStateで敵ヘルパーをこちらのステートへ引き込み、後述の方法で即死させる。
このバグが発見されてからデススター2nd神オロチ12P、F1神マガキ
旧現実(Hitdefの無い方)、パンドラボックス2Pを即死させる事が可能になったとされる。
「混戦バグ」とも呼ばれるようだが恐らく誤変換だろう。
こちらもネット対戦のできるMUGENの場合だと上記と同じ理由で不可能となっている。

また、混線バグから様々な即死が可能になっており、ヘルパーを奪う方法の種類、奪った後に即死するための種類など多岐に亘り、
現在では、開幕、完全、逆、多重、並列などを組み合わせて様々な方法が考案されている。
オロチキラー、パンドラキラー、アーマー貫通砲、変数書き換え、ヘルパーリダイレクト偽装などは、凶悪キャラにおいて非常に強力なものである。

超即死
ADSが最初に搭載した即死技。相手にエラー落ちするステートを読ませ、死亡判定を出すというもの。
通常512エラーが起こるとMUGEN本体が強制終了する……ハズなのだが、当身等で特殊なHitPauseが発動した場合のみ強制終了が起こらず、
何故か相手側に強制的にKOフラグが立ってしまうバグを利用している。
数ある即死のなかで唯一NoKO(後述)でも回避不可能(ただしHelperから発せられたNoKOでは回避可能)。
超即死とは違うが相手の(自分も?)Stateの5150にてSuperPauseをかけるとHelperのNoKOをも無視させる事が可能。
基本的にエラーを利用するため、MUGEN本体の誤動作を招く可能性が付きまとう。
やっている事は実は悪質なコンピュータウィルスと変わらないとまで言われる。

現在では詳細な原理が調べられた結果、
HitPause中の状態でIgnoreHitPauseの数値を管理する部分のメモリ領域がバッファオーバーフローを起こし、
IgnoreHitPauseの数値以降のアドレスを任意に書き換えられるバグだと判明した。
本来Aliveフラグ(生死判定)は、「生きている時は1」「死んでいる時は0」になるが、
この超即死によりアドレスが書き換えられると256やら65536やらになってしまう。
MUGENにはAliveが1より大きくなると強制的に0になる処理がある。
NoKoを無視する原因はNoKoの効果が「life=0のときAlive=0にする処理を無効化する+Alive=1のときRoundStateが進まない」となっており、
この超即死だとAliveの数値を直接変更するのでlife=0の時の処理でなくなり、無効化できない。
あとAlive=0にされたのでRoundStateも進むようになってしまう、これが超即死がNoKoを無視する原因との事。
ちなみにHelperのNoKoで即死を止められる理由は「Alive=1の時RoundStateが進まない」が原因で、
そのHelperがAlive=1であれば、本体がAlive=0だとしても試合が続行できるため。

超即死投げ
通常、超即死は当身のHitpauseを利用するが、Hitdefで設定できるPausetimeでも同様の処理が可能な事を利用する。
このPausetimeは自分のものと、相手のもので微妙に違うので注意(相手の場合はHitshaketimeが発生するようになっている)。
主に自分に発生するPausetimeを使う。
相手に無理やりHitdefを撃たせ、それをなにかしらの食らい判定に当てさせる事でHitpausetimeが発生し、その状態で相手を超即死のステートに送ると即死する。
最近ではGametime式ステ抜け貫通即死が発展したため、最終的にこの方法で即死させるのが主流になっている。

オロチキラー
「ステート返還即死」とも呼ばれる。
相手が利用している即死用ステートに相手自身を送り込む事で即死させるというもの。
試合中に自分のHelper、あるいは本体そのもので相手の即死ステートにわざと入り込み、そのステートを記憶する。
その後、混線バグを使って相手をその即死ステートに飛ばす。相手のステートに飛ばすためにOTHキラーと同じ原理を利用している。

アーマー貫通砲
本体をアーマー処理でダメージを無効化している相手(神オロチなど)を即死させる。
MUGENステータスの中に、落下ダメージを再現するためのfall.damageというものが用意されている。
このfall.damageは一度蓄積させると落下ダメージ処理が行われるか再び攻撃を食らうまで永続的に残るため、
蓄積させた状態でMUGENコモンステートにある落下ステートに送り込む事でダメージを与える。蓄積したダメージ値が十分に大きければ即死が可能である。

凍結当身
特殊な当身の方法で、HitPauseを膨大な数値に設定し、当身をとった後のTergetStateにHitdefを設定。
さらに当身をループさせ、相手を一切行動不能にしてタイムアップ勝ちを狙う技。
即死技として使われるのは少なく、確実にタイムアップ勝ちできるように論外キャラ(論外モード)に搭載される事が多い。
通常のキャラに使った場合はHitPauseの仕様により、ライフが0になっても判定が出ないため勝負が付かなくなる事も。
当身の類なのでHitdefを使っていないキャラには効果が無いのが難点。

変数リセット・変数弄り
当身や混線バグで相手のTargetを奪い、勝手に変数を弄ってわざと相手のシステムを誤作動させ、あわよくば即死させようというもの。
HelperのTargetの場合でもParentVarSetで本体の変数を弄る事が可能。ライフ管理を本体の変数に任せているキャラはこれで即死する。
他にもモード変更が付いているキャラのモード変更に関する変数を弄る事で、強制的に弱いモードにして即死させる事も可能。
さらにはGameTime式のステート抜けをしているキャラに対し、変数弄りで全ての変数にGameTime+1と入れステート抜けさせず葬るといった事もできる。
相手のステート抜けが強固で奪取できない場合は基本的にヘルパー経由のParentVarSetでしか弄る事ができない。
また対策として、変数を弄られたりすると論外化するようなキャラも存在する。
しかし(MUGEN本体の説明書曰く)本来はやってはいけない事なので使用には注意しましょう。

死の宣告
デススターの即死技。相手を永続ターゲットにした状態でタイムオーバーなどでRoundState=3以降にTargetLifeAddを作動させると、
ラウンドが終了した瞬間に相手本人のlifeのが0だと即座に敗北判定が出る事を利用したもの。
また、RoundState=3以降に時止めをしても勝敗判定は出るので、RoundState=3以降に時止めをやる事も多い。
ライフバーの表示やデバック表示がLife0になっていなくとも、内部的にLife0が判断されて決められるため非常に決まりやすい。
強度の即死耐性を持つキャラでもこの機能で判定負けを食らう事も多いが、本体Hitdefのあるキャラ相手でないとほぼ発動できない。
余談だが、MUGENのデバックキーのF1とF5を駆使するだけでも発動する事が可能。

試合終了後の回復阻止によるタイムアップ勝利は、似てはいるが死の宣告ではない。
また、条件付きで強制的に勝敗判定を出させる「強制死の宣告」というものが存在する。

直死
超即死から派生したバグ。
超即死と同じようにHitPause中の状態でステートコントローラーを512以上にする事で、
それ以降のステコンのIgnoreHitPauseの数値でAliveのアドレス値を書き換えるというものだが、これは相手に依存せずとも書き換える事が可能な代物。
こちらの動きだけで相手を超即死と同じ状態にするのでNoKoでも回避不可となっているが、HelperからのNoKoを対策をしないと即死不可となる。
現状で最強の攻撃手段であり、防御側の記述で防ぐ事は基本的に不可能である。
ただ、食らい判定のヘルパーを使用するため、開幕でヘルパーを占有してしまえばこの即死を撃たせない事も可能である。
超即死とは桁違いの約55万ものステートコントローラーが必要となり、そのまま記述すると30MB程にもなってしまう。
しかし、1000程のステートコントローラーのあるステートを何度も(2500回までだが)回すようにすれば同様の効果にする事も可能であり、容量は削減可能。
しかしMUGENのアドオンやキャラクターの数、さらにキャラクターの登録位置などによって必要なアドレス数が変化するため、
汎用化はほぼ不可能と言われている。
また、Aliveだけでなく他の値も多少弄る事が可能らしい。
ちなみに直死持ち同士だと1Pが最強または圧倒的に有利なんだとか。

八百長対策
勝った試合を八百長(下記で説明)で無効化されないようにする方法。
superpauseやpause動けるようにして(それかHelperから)、
RoundState=3以降またはRoundState=4にRoundNotOverを使用、その後判定が出たらRoundNotOverを解除する。
これだけで完全に無効化できるとは限らないが、これで大半の八百長は無効化できるとの事。
最初に搭載されたキャラはハイパー扇奈で、現在では神キャラに必須とされるシステムとなっている。


対策(即死耐性)

こういった数々の即死攻撃は、まず最初に即死攻撃が生まれ、その対策が研究され、
さらにそれでも即死させる新たな方法が研究され…とイタチごっこを続けてきたようで、
現在はMUGEN本体の不具合まで利用され、もはや「格闘」とか「キャラ性能」とかの範疇を超えた領域に来ている。
ともかく以下に対策も紹介しておく。

ハイパーアーマー
HitOverride等を使う、commonのステートを上書きするなどの方法で、敵から攻撃を受けた時に自分で用意しておいた特殊な処理をするというもの。
例えば移行先のステートをMoveType=H以外にしておけばダメージを受けない。
ただし、ガードステートにいてもガード判定が出ないという欠点や、別にステート抜けだけでもOKとなる場合が多い。

Helperのハイパーアーマー
本体を完全無敵にし、食らい判定はヘルパーに任せるというもの。
本体をアーマーにするより楽で攻撃中でも攻撃を中断されにくい(当身はステ抜けで中断されないようにするしかない)。
HelperをPlayer型にして常時HitOverRideにしたり常時SelfStateにして食らい判定を用意してダメージをどう受けるかを本体に設定すれば出来上がり。
ただし、この方法には全てのヘルパーが敵にP2として認識されてしまうという問題がある。
また、-2、-3に置いたステコン命令全てのトリガーにIsHelperによる判別を組み込む必要がある。

ステート抜け(食らいキャンセル)
食らい状態をキャンセルする事。通常のものだとサイクバーストなどが有名だが、
ここで言う食らいキャンセルは打撃技だけではなく、投げ技や当て身投げを食らった最中に-2ステート内でSelfStateを実行し、
強引に通常の状態に戻る事を指す。
「自己のライフを増減させる命令で即死」などに対して有効で、これにより体力を0にされるのを回避する事ができるわけだが、
はっきり言えば単なる不正な記述である。「超即死」なども回避できる。
発見時期が早かったので原始的なものならば黎明期のキャラでも持っている。
研究が進んでからは、キャラが自分のステートにいるのか相手のステートにいるのか判別してから実行するなど高度化しており、
判別方法にはGameTime式やオニワルド式などがある。
現在の神キャラは、MoveType=HやMoveReversed程度のステ抜けでは簡単に即死させられてしまう。
最近ではたとえ1FだけTargetのStateにいたとしてもも即死してしまうほどになっている。
  • GameTime式
ステートを取られている時には処理しない場所-3ステートでvar(○)=GameTimeと置き、
さらに-2ステートでtrigger○ = var(○)!=GameTimeとする事で判断する。
最初に搭載されたキャラはD-アテナだと思われる。
現在このGametime式ステート抜けを無効化する技術も発展しており、
var(○)=A*gamatime*gametime+B*gametime+Cといったような二次関数を利用したものでも突破されるほどである。
ゆえにgametime式をしておけば安心というわけでもないのが現状である(しっかり作ってあればもちろんこれだけでも防げる)。
しかしシステム変数(sysvar(1)、sysfvar(2))などでステ抜けをすると、ほぼ無効化不可能。
  • オニワルド式
最初に搭載されたキャラはその名の通りオニワルド。
triggerall=stateno!=○○&&stateno!=××&&stateno!=△△・・・
というようにして自分のいるステートを判断し、存在していないなら自身のステートに戻すというもの。
加えてtriggerall=time=0と記述する事で、たとえ自分に存在しているステートと番号が被ったとしても、
targetstateなどによるステート移動の仕様上常時監視でtime=0を感知できるのを利用して自身のステートに戻す事が可能である。
Gametime式とは違いこちらを突破する方法は無いが、準備に少々手間がかかる
(オニワルドは超即死での即死が可能となっているが、それはignorehitpause=1が設定されていないためであり、
 書き加える事でステート奪取による即死は効かなくなる)。
Time=0の感知は非常に便利でOTMKや混線などのP1StateNoでのステート変更を感知できるため、P1StateNo耐性という物もある。

長年Time=0によるステ抜けは突破されないと考えられていたが、
2016年に「none打撃または当身でp2stateno=-1を実行し、ステートを奪うとtimeがリセットされない」という仕様が発見され、
Time=0ステ抜けを貫通できる事が判明した。
革命的な技術であったため、Time=0に頼っていた様々なキャラが即死する事態となった。
  • 上記二つの併用
ほぼ鉄壁の耐性となる。……が、どちらか一つだけでいい場合がほとんどである。
両方使っても即死した場合、それはキャラそのものの記述ミスである。

Lifeset、Lifeaddを使う
常時、もしくはGetHitVar(damage)があった時にLifesetかLifeaddを実行して自分を回復させる。
投げ技の最中でも有効なように-2ステートに記述を置く事が多い。
即死攻撃が発達した現在ではライフに代わりとなる変数を用意し、ダメージ計算を変数で行って、Life = var(○)とする場合が多い。
さらには変数弄りの攻撃で死なないようにHelperの変数で行っているキャラもいる。

AssertSpecialのNoKO処理
AssertSpecialの処理にかなり特殊なNoKoという処理を利用する
(ステート一覧にも載っていないがD4MUGENのテキストには載っている)。
自分がLife=0の時にAlive=0になる処理を無効化し、roundstateを2から3になる変化を無効化する処理となっており、
その隙にLifeSetとSelfStateで脱出するというもの。
ただし、AssertSpecialの常でその場にいるキャラ全てが適用範囲なため、自分が倒されそうな時のみ使うようにしなくてはならない
(相手も死ななくなってしまう)。
大半の即死攻撃がこれで回避可能だが、上述した通り超即死の効果には無効。ただしHelperからのNoKoは超即死をも無効化する。
なお、StateNoが5150にいる中でSuperPauseをかけると、このNoKoとHelperのNoKoをも無効化できるらしい。

HelperTypeのPlayer化
「OTHキラー」や「混線バグ」への対策で、全ヘルパーのHelperTypeをPlayerにしておくというもの。
Playerタイプのヘルパーは-2ステートと-3ステートの命令を実行できるようになるので、
ステートを奪われたら即座に-2ステートからDestroyselfで消してしまうかSelfStateで回避する。
ただし、この方法には全てのヘルパーが敵にP2として認識されてしまうという問題がある
(ただしStateNo=5150にいればP2として認識されない仕様はある)。
また、-2、-3に置いたステコン命令全てのトリガーにIsHelperによる判別を組み込む必要がある。

本体ステート固定
全ての戦闘行動をPlayer型のHelperに代理で行わせ、キャラ本体は常時SelfStateを使い固定してしまうというもの。
混線バグでステートを変えられたとしてもSelfStateを常時使う事で、即死ステートまで行かず即無効にしてしまう。
ちなみに、ステートを奪われたHelper自体はDestroyselfですぐ消去し、他のHelperか本体から再び発生させる事で、
何事も無かったかのように見せる事もできる。
この対策を備えたキャラの製作は中々困難であり、知識と技術を要求される。動きの少ないキャラなら別だが。
Helperの特権として他者のPauseやSuperPauseの最中にも動く事が可能。
このシステムを搭載している代表例がハイパー扇奈である。

投げ拘束用Stateのトリガーの設定
同じく「OTHキラー」や「混線バグ」への対策の一環で、投げ技など敵側に使わせるはずの全てのステートの、
LifeAddやLifeSetなどの命令のトリガーに Name!="(自キャラの名前)" を入れる。
ただしこの方法は自分と同名の敵と戦う時に問題が出るので、 ||PalNo!=○○ を入れ込む場合もある。

時止め無効化
相手のPause&SuperPause中でも自分本体を動かすというもの。
主に死の宣告対策とされ、ラウンド終了時に時止めされた際に無効化ができていないとステートが読み込まれず、
Targetが取られているとLIFEを0にされて負けてしまう。
他にも無条件でラウンド終了時に常時SuperPauseを使用する神キャラが増えたので、それの対策ともされる。
ちなみに時止め無効にもランクがあるらしく、時止め無効化と書いてあるキャラを止めてしまうキャラという組み合わせも存在する。
最初にこれを搭載したとされるキャラはサイコシュレッダー3.0とされる

ラウンド終了時ガードステート
RoundState=3以降にTargetLifeAddでライフを減らされないために、
Target系のステートコントローラーを全て無効化するガードステートに移動させるというもの。
上記の時止め無効化と併用すれば死の宣告ではほとんど死ななくなる。
これを実装しているキャラは少ない。

八百長
もはや即死耐性と呼べるか怪しいが、
  1. RoundState=3にAssertSpecialのRoundNotOverと、長時間のSuperPauseを利用
  2. RoundState=3にAssertSpecialのRoundNotOverと、同時間にChangeStateを利用、移行先ステートでもRoundState=3指定でRoundNotOverを利用
とする事で、配点されずに次のラウンドに移行してしまうというバグ。
ゲームの根本的目的を誤作動させてしまうとんでもないバグであり、負けたのをやり直すという究極の防御方法。
しかし、発動させない方法があるので技術が進歩した現在ではそれほど脅威となっていない。
最初に搭載したキャラはADS

蘇生
超即死の原理を利用し、Aliveフラグをピンポイントに書き換える事で、
Aliveが0(死亡)になっても、1(生存)に差し戻して死亡を回避するもの。
この技術により(HelperのNoKoも併用して)超即死を喰らっても死なない事が可能となった。
ただし敗北条件(lose)は立つので、判定まで行ったら負けてしまう事もある。

ヘルパー占有
ヘルパーの枠を独占して、相手からhelperによる攻撃をさせないというもの。
ヘルパーは相手と自分を含め、HelperMaxで設定された値までしか出す事ができない(HelperMaxの最大値は56)。
開幕に1P側でこれをすると、論外化を引き起こす原因にもなるので注意。

また、現在では「親捏造」「親変更」という技術が使われている。
なお両者は同じ用語と混同されがちだが、厳密にはそれぞれ違うので注意。まぁ知らない人から見れば同じと思われても仕方はないが…。
詳しくはを参考に。

新MUGENでのバグ利用即死技の状況

更新された当初はバグ即死技が決まらず、バグが全て修正されたと思われていたが、
Projの位置を決めるoffSetが仕様変更され、Proj名義バグでのProjを当てる部分が作動しないため勘違いされただけであり、
現在でも当身系、トムキラー系、超即死系、混線系のバグは健在とされる。
しかしこれまで書いてきた通り、現在神キャラに利用されているバグは致命的なものも多いため、修正される可能性も有り得るだろう。

また、新MUGENで新たに追加された「cond」というトリガーを使い、完全に自己完結で相手の変数を弄る事ができるバグも発見されている。

参考動画


最終更新:2021年02月01日 13:34