X-MEN CHILDREN OF THE ATOM

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X-MEN CHILDREN OF THE ATOM - (2017/06/07 (水) 19:58:43) の編集履歴(バックアップ)





概要

当時テレビ東京系で放送されていたテレビアニメ『X-MEN』の冠スポンサーであったカプコンが、タイアップの一貫として1994年12月にアーケードで発売した。

善悪入り乱れたミュータントのどれかを選び、それぞれの目的のために勝ち抜いていくストーリー。
当時の格闘ゲームにしては珍しく、対CPU戦では同キャラ対戦が一切発生しない(対人戦では可能)。
ラウンド開始直前に動くことができ、またラウンドを終えると倒れたキャラクターが起き上がり、双方の体力ゲージが満タンに戻って次のラウンドが開始される。
この要素は、のちのVS.シリーズや『ヴァンパイア』『スターグラディエイター』『ジョジョの奇妙な冒険』に引き継がれた。

タイアップしていたアニメ『X-MEN』では番組の最後に「X-FIGHT」というミニコーナーがあり、本作での対戦動画を見ながら ビーストが実況し、プロフェッサーXが解説した。
その週のエピソードをふまえた楽屋オチギャグなどが連発された。

以上、 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 より。(一部加筆、改訂)

通称は 初代 XCOTA COTA など。

原作であるアメコミの『X-MEN』は当時アメリカでは大人気作品だったが、日本ではアメコミ自体が馴染みの薄い存在で、
それを原作とした本作は北米では凄まじいヒットとなった一方、日本では製作側が狙ったほどの人気は獲得しなかった。
続編MSHでは斬新過ぎた点はマイルドにし、自由過ぎた部分には制限を加える方向の変更が多々施された。
(壁際限定だった空中コンボがエリアルレイブとしてどこでも可能になったという部分もあるが)
その結果か国内人気はかなり上がったらしいのだが無くなった要素も多く、本作のファンからするとゲーム性の違いに戸惑うことにもなった。


キャラクター

  • ヒーロー
  • ヴィラン
  • ボスキャラクター(ジャガーノートは家庭用では対戦モードのみ使用可、マグニートーはAC・家庭用ともに使用不可)
  • 隠しキャラクター

TASさんによる永久コンボ集(ただし全員ではない) セガサターン版コンボムービー


システム

通常技
従来の格闘ゲームと同じく「ボタン一発で出る技」の総称。全技キャンセルがかかり、しかも空キャンセル可能。
これまでの作品では必殺技かそれ以上という位置づけだった飛び道具系通常技が多数登場した。
ストリートファイターヴァンパイア両シリーズで既におなじみのパンチ・キックそれぞれ弱中強の6ボタン式。
チェーンコンボが採用されているがヴァンパイアのように一律でなく、キャラによって繋がり方が全く異なる上に、
同じキャラでも地上、ジャンプ中、スーパージャンプ中でまた異なるため慣れを要する。
+ その一例。
  • ウルヴァリン
    地上:K→P
    ジャンプ:K→P
    Sジャンプ:弱K→弱P→中K→中P→強K→強P
  • コロッサス
    地上:弱→中 or 強
    ジャンプ:K→P
    Sジャンプ:K→P
  • 豪鬼
    立:弱P→弱K→中P→中K→強P→強K
    屈:弱K→弱P→中K→中P→強K→強P
    ジャンプ:弱P→弱K→中P→中K→強P→強K
    Sジャンプ:弱P→弱K→中P→中K→強P→強K
豪鬼のみ立ちとしゃがみでキャンセル方向が変り、この影響で
立P→同じ強さの屈K→同じ強さの立P→同じ強さの屈K→…と延々キャンセルし続けることが出来る。
ダウン食らい時の判定の大きいキャラに対し、これを利用した永久連続技がある。
必殺技
従来の格闘ゲームと同じく「ゲージを必要としないコマンド技」の総称。
入力の面で「コマンドがシンプル」「タメコマンドが存在しない」といった特徴がある。
ハイパーX
Xパワーゲージが満タンになると使用できる超必殺技。ガードキャンセル可能。コマンドは全キャラ共通で「↓↘→+PPP」。
ただし通常の使用キャラクターではない豪鬼、ジャガーノート、マグニートーらのコマンドは異なる。
また複数のハイパーXを持つキャラの場合も2つ目の技の方のコマンドは統一されていない。
Xパワー
パワーゲージを必要とする各キャラ固有の能力。ちなみに本作では阿修羅閃空はXパワーという扱い。
キャラクター特性
パワーゲージが無くとも発揮できる各キャラ固有の能力。三角飛び二段ジャンプなどがそれ。
スーパージャンプ
「↓↑」と入力すると出せるハイジャンプ。通常技をキャンセル可能。
方向キーで左右には任意に移動可能で(必殺技のコマンド入力がジャンプ軌道に影響してしまうという事でもある)、
着地までに何度も技を出せる。
本作の「自由すぎた部分」の一つで、Sジャンプを活用した実に多彩な空中連続技(永久コンボ・即死コンボ含む)が存在する。
投げ抜け・投げ返し
投げ技に対抗するテクニックで、キャラごとに投げ抜けか投げ返しのどちらかを持つ。パワーゲージを必要とする。
投げ返しキャラ同士だと時に「投げ→投げ返し→投げ返し返し」というカシカシ合戦のごとき様相を呈する事も。
オートマチックモード
自動で攻撃をガードしてくれる「オートガード」搭載の初心者向けモード。
キャラクターセレクト時に従来通りの「マニュアルモード」との選択が可能。
ただし、通常攻撃をガードしても体力が削られる、必殺技の弱・中・強の使い分けが出来ない等のデメリットも存在する。

個性を持たせたキャラごとの通常技チェーン、技の種類や相手の体重によって吹っ飛び方が異なるというベクトル理論、
スーパーアーマーや移動起き上がり、コンボ補正、常に喰らい判定があることで成立した空中コンボなどの新しい概念が特徴。
キャラ挙動などのプレイ感覚は後のVSシリーズよりも機敏、かつ自由度が高い。
しかしそのため永久コンボ・即死コンボが多々あったことは、アーケードの対戦ツールとしては
やはりマイナスと言わなくてはならないだろう。
(とは言ってもこのシリーズ、MvsC2までの全作品を見ても永久コンボが無い作品というのはついに無かったが…)

また、特殊な能力を持つミュータントがメインだからなのか、全体的に派手で
中でもコマンド不要のワンボタンで目からビームを撃ちまくるサイクロップスやセンチネルは当時のプレイヤー達に大きな衝撃を与えた。
総じて本作は斬新・独特な点が多く、そしてキャラの行動の自由度が(結果から言えば過剰なほどに)高い。
空中通常技が1度のジャンプで複数回出せるのも本作が初出であり、ヒットストップが攻撃側にほぼ掛からないため展開もスピーディーで、
さらにゲーム設定“ターボ”状態でのウルヴァリンや豪鬼の前ダッシュは常人では見切れないほどの速さであった。
また当時の格ゲーでは珍しく物凄いコンボ補正が掛かり、例えば「中パンチ→強パンチ」のコンボが単発強パンチより威力が低いという珍現象も起きた。

隠しキャラ

特定の条件を満たすことで豪鬼が乱入してくる他、隠しコマンドによってプレイヤーキャラとしても使用可能
しかしこのコマンドが曲者で、基盤のバージョンや1P側か2P側かにより入力方法が違うためプレイヤー達の混乱を招いた。
またタイミングがシビアで失敗しやすかったため、後述のVer2.00以降では豪鬼を使おうとしてシルバーサムライに化けることが多く、
中にはいつの間にかシルバーサムライが持ちキャラになっていたという人がでるほどであった。
今は亡きゲーメスト誌でも“豪鬼を出すのに失敗した人の為に”シルバーサムライ講座が企画された程である。

バグ

最初に発売された基盤(Ver.1.00)にはバグが多く、
  • ダッシュ弱攻撃だけでほとんどのキャラが永パ可能。
  • 死体殴りで気絶値が加算され、下手すれば次のラウンド開始直後に小パン一発で気絶。
  • アイスマンのハイパーXを適当なタイミングで放つだけで99Hitを超える。
などがあったために、短期間でVer.2.00にアップデートされたが、その後にバランスをさらに調整したVer.2.10が発売されている。
(しかしVer.2.10でも永パは多々残っている)
さらにその後、主に海外向けにVer.3.00が作られ、セガサターン版はこれを元に移植したようだ。

しかしこのセガサターン版も、当時は拡張RAMという選択肢が無かったことから容量削減のために
大幅に演出やキャラのモーションが削られており(コロッサスの屈強Pがアニメ2枚で表現されていたり等)、
AC版では不可能なコンボ(中攻撃→中攻撃・強攻撃→強攻撃)が散見されるなど、
こちらもAC版のどのバージョンとも異なる内容になっていた。
またロード時間も標準で高速ドライブを備えたセガサターンにしては長く、総じて移植度の評価は低い。
海外限定でプレイステーション版も発売されているが、こちらはSS版以上にアニメが削られている。