1967年の『ウルトラマン』の第25話「怪彗星ツイフォン」にて初登場。地球に接近した彗星ツイフォンから飛来し、
日本アルプスの山中で 冷凍怪獣ギガスや途中から介入した レッドキングと戦った。
ギガス相手には攻撃を飛行して回避、鎌で斬りつけて互角以上の戦いを繰り広げた。
乱入したレッドキングに翼を毟り取られ、飛べなくなった所を2体に徹底的に攻撃され致命傷を負わされてもなお、
ギガスをダウンに追い込むなど奮闘するが、レッドキングから痛恨の逆エビを決められ落命。
副題と絡む肩書から25話の主演怪獣かと思ったら、まさかの噛ませ扱いである。
ウルトラマンに敗北経験のあるレッドキングよりも、新怪獣であるドラコがウルトラマンと戦った方が話が盛り上がったと思うのだが…
バルタン星人とは違って、レッドキングはウルトラマン対策を組んでのリベンジマッチだった訳でもないし。
その後、同作第37話「小さな英雄」にて ジェロニモンの手によって テレスドンや ピグモンと共に 再生ドラコとして、
「科特隊とウルトラマンに倒された怪獣」(ピグモン談)の一体 として復活。
(実際は上記の通りドラコを倒したのはレッドキングなのだが、
そもそもピグモン自身もレッドキングに殺された怪獣なので、単に言葉の綾だろう
実際ジェロニモン最大の敗因は、人類に友好的なピグモンを復活させてしまったことだし)。
書籍によってはドラコIIとも記載されている。
頭の角が増える、両手が五本指になる、翼が無くなる 「中の人」が違うなどの変化はあるが、その闘争心は相変わらず。
科学特捜隊のハヤタ隊員のマルス133で右肩を粉砕され流血するものの、残った左腕でイデ隊員を倒そうとする。
が、その身を挺した ピグモンが犠牲になったことで、科特隊の存在意義に悩んで戦意を喪失していたイデ隊員を奮起させることとなり、
新兵器「スパーク8」で跡形も無く 消滅した。
2008年の『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』では、
レイオニクスバトラーのフック星人が操る怪獣として登場。
初代に近い外見の個体は主人公:レイの味方怪獣 エレキングと戦い、
飛行を活かした回避と両手の鎌での素早い連続攻撃で一時は優位に立つものの、
ZAPの宇宙船の援護攻撃を受けて形勢が逆転、初代と同様に翼をもぎ取られ、放電光線で倒される。
この個体を復活させたものか別の個体か定かではないが後に再生ドラコも登場し、やはりフック星人が使役する。
ゼットン星人の操る テレスドン( ゼットンは最終局面のために温存していたらしい)と戦いを繰り広げるが、
乱入してきた キングジョーブラックによって両者とも爆殺されてしまった。
余談だがこの戦闘の時、自身の6倍の体重を誇る テレスドンを持ち上げるという怪力を披露した。
また、この対決は『ウルトラマン』でジェロニモンに復活させられた怪獣同士の対決でもある。
2009年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、ウルトラマンベリアル配下の怪獣軍団として登場。
光の国でベムスター、 サラマンドラと共にレイとミライを襲ったが、
救援に現れた モロボシ・ダンが放った カプセル怪獣たちのうち、アギラと交戦。
アギラのスピードに翻弄され、空中に放り投げられた挙句に角攻撃でとどめを刺され、倒された。
ちなみに本作では口から火球を吐く攻撃を映像作品では初使用したが、
人間大の相手に1発使用したのみであり、数十メートルの相手には使用しなかった。
2015年の『ウルトラマンX』では第18話の回想シーンに登場。
どこかの惑星で宇宙化猫のムーを これまでの鬱憤を晴らさんとばかりにいじめている様子が写しだされた。
そこへ現われた ウルトラマンエックスに制止され、邪魔をするなとばかりに戦いを挑むが逆にエックスのパンチを受けて吹き飛ばされ、撃退された。
その後の描写はないが公式サイトの「追い払われた」という記述から逃げ出したものと思われる。
このように本家ドラコは再登場の機会は多くそれなりに人気と知名度もあるウルトラ怪獣なのだが、
先述のようにこれだけ登場していても、実は映像作品中において初登場からほぼ半世紀の間ウルトラ戦士と一度も同一画面上で並んだことが無かった。
『ウルトラマン』作中では2回ともウルトラマン登場前にやられ、『大怪獣バトル』ではそもそも怪獣同士の戦闘がメイン、
ベリアルの怪獣軍団がモブのごとくウルトラ戦士に次々やられるシーンのある『ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』でさえ、
登場シーンが氷に閉ざされウルトラ戦士への変身が不可能になった光の国への侵攻時だったため絡みを逃したという、
なまじ単独の出番があったが故の奇跡的な遭遇回避であった。
そして2015年、『X』にてついにウルトラ戦士との共演が実現したが…この話はあくまで宇宙化猫がメインであり、
例のシーン自体そいつの回想と、いわゆるチョイ役扱いであった。
ウルトラ戦士とのバトルシーンにしても、というかあれを戦ったと言っていいのかどうか…。
もっとも、今までの登場と違って明確に死んだ描写が無かっただけマシなのかもしれないが。
と、ウルトラ戦士との戦いの機会には恵まれなかったドラコだが、
1972年に放送された「おはよう!こどもショー」における5分間コーナー『レッドマン』に複数回登場し、
主役の人型ヒーローのレッドマンと何度も戦いを繰り広げた。
外見が複数タイプあり、翼が無く手が5本指で再生ドラコに近いが角が1本の個体、
翼が無く片手が鎌でもう片手が普通の手の個体が確認されている。
特に8話に登場したドラコはレッドマンを作中でも相当に追い詰めた強豪怪獣である。
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ドラコ武勇伝 |
レッドマン第8話のドラコは主役レッドマンとは互角以上の死闘を演じた程の戦歴の持ち主で、
一時はほぼ完全なダウンを奪った程の強豪怪獣である。
必殺(虐殺)武器であるレッドアローによる反撃の気力すら奪うほどのダメージを与え、
更にはレッドアローを奪い取り、これまでそれによって無残にも殺されてきた同志達の恨みを今晴らさんとばかりに止めを刺そうとするが、
突如正気を取り戻したレッドマンにレッドアローを奪い返され、結局それの餌食になってしまった。
しかしレッドマンも勝利を掴んだ直後に、これまでのダメージに耐え切れず一時グロッキー状態に陥ったという、
数少ないレッドマンを追い詰めた怪獣でもある。
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