時透無一郎


「ありがとう鉄穴森さん」

漫画『鬼滅の刃』の登場人物。名前の読みは「ときとう むいちろう」。
アニメの担当声優は 河西健吾 氏。
河西氏は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』における主人公、三日月・オーガスの声を担当していた。

黒髪を腰に届くまで伸ばした小柄で中性的な少年。
14歳と主人公の竈門炭治郎よりも年下ながら、鬼殺隊最高位隊士の一人「霞柱」を担う幹部格で、
刀を握ってわずか2ヶ月で柱にまで上り詰めた天才剣士。
非常にマイペースな性格で、初出の柱合裁判の場においてさえ「すぐに忘れるから」という理由で炭治郎と禰󠄀豆子の処遇については無関心で、
「あの雲の形、何て言うんだっけ」などと関係ない事ばかり考えていた
これは、過去のとある出来事によって心身ともに深い傷を負った事で記憶障害を負い、
頭に霞がかかったように些細な物事はすぐに忘れてしまうようになった事が原因である。
この影響か、一人称も「僕」と「俺」で安定しない。
しかし、この状態でも鬼殺隊の最高責任者の産屋敷耀哉への敬意とへの敵意は失う事は無い。

「今なんていったの?」

上記の事情故に他者への配慮や気遣いに欠けるが自己中心的・利己的な性格という訳ではなく、
匂いで心理状態を読み取れる炭治郎も言動に悪意等を一切感じる事は無かった。
社交的な方ではなかったため、他の柱達とはさほど接点は無かったようだ。
記憶を取り戻した後は痣の事を伝える時に敬語で他の柱達と話している。
ファンブックによると修行を完璧にこなす者には優しく、こなさない者には冷たいらしい。

本格的な活躍は「刀鍛冶の里編」からとなる。
愛用していた刀が折れたため里を訪れており、同じ状況だった炭治郎と遭遇し、
前任の担当鍛治が死去していたため刀の完成が遅れ、後任がようやく新しい刀を完成させた正にその日に、
刀鍛冶の隠れ里の場所を嗅ぎつけた鬼の幹部格である上弦の肆・半天狗と上弦の伍・玉壺が来襲。
新しい刀を受け取る間もなく、妓夫太郎と同格の幹部格を相手に、代用品の日輪刀を手に炭治郎や居合わせた他の剣士と共に応戦するが……。
+ ネタバレ注意
半天狗の分身達と交戦し、敵の吹き飛ばし攻撃を受けて戦場から大きく遠のいた場所に来てしまうも、
戦場に引き返そうとするが、そこで金魚の化物に襲われる鍛治見習の小鉄を発見。
当初は高い技術を持つ里長や大人の救出を最優先として見捨てようとするが、
何故か炭治郎の「人のためにすることは結局、巡り巡って自分のためにもなっている」という言葉が頭をよぎり、
反転して小鉄の命を救う。
これまで柱として活動するなかで保っていた自身の優先順位とは異なる選択に自分自身が困惑しながらも、
尊敬する産屋敷の言葉を思い出しながら奮起し、小鉄を抱えて戦場に向かい、自身の新しい担当だった鉄穴森と合流。
事件前に完成していたという新しい刀の回収に向かうが、その前に上弦の伍・玉壺に遭遇してしまう。
自らが殺した刀鍛冶達による悪趣味な「芸術」を自慢する玉壺に静かに怒りながら挑むも、
怒った玉壺の反撃を受け、逃げ遅れた鉄穴森と小鉄を庇い全身に無数の千本を喰らい、
そのまま玉壺の対象を液体に閉じ込める血鬼術「水獄鉢」に囚われてしまう。
呼吸を封じられた時透は肺に残った空気で何とか一撃を繰り出すも、有り合わせの刀は既に先の戦闘で刃毀れしていた事もあり水獄鉢を破れず、
自らの選択が間違っていたせいで大勢が死ぬと諦念を抱くが、朦朧とする意識の中で炭治郎の姿を借りた何者かの幻影の叱責を受け、
さらに玉壺の召喚した怪物に襲われながらも自身の命も顧みずに時透を救おうとする小鉄の行動を見た事で、
それを鍵刺激として失っていた記憶を取り戻すと同時に、渾身の斬撃で見事に水獄鉢を破り脱出に成功する。
+ 無一郎の過去
無一郎は元々人里離れた山の中で家族と暮らしていた。
しかし、10歳の時に体調が悪いのを黙って働き通した母が肺炎となってしまい、それを治すために父が嵐の日に薬草を取りに行き、崖から落ちて他界。
母もその後すぐに病が悪化し後を追ってしまい、11歳にして両親を失ってしまった無一郎は、
その後、唯一残った肉親である双子の兄・有一郎と共に生きていく事を余儀なくされた。
兄の有一郎は無一郎と瓜二つの外見をしていたが、性格は弟と対照的に言葉がきつく現実主義かつ合理主義で、
他人のために命を落とした両親を罵倒し、無一郎はそんな兄に鬱屈した感情を抱きながら過ごしていた。

そんな中で、産屋敷の御内儀・あまねが兄弟の家を訪ね、時透家が「始まりの呼吸の子孫」であると伝えて双子を鬼殺隊に勧誘する。
無一郎は純粋な気持ちで話に乗りかけるも、有一郎は「あの女に利用されるだけ」と反対し、あまねを追い返し続けた。
これ以降、有一郎と無一郎は次第にすれ違い、ついには口を聞かなくなってしまう
(あまねはその後も足しげく通っていたが、有一郎がその度に追い返し続けたため双子が鬼殺隊の誘いに乗る事は無かった)。

しかしそんなある日、鬼が兄弟を襲撃し、有一郎は致命傷を負う。
兄を傷つけられた事に加え、鬼の「いてもいなくても変わらねえつまらねえ命」という自分達への侮辱に怒りを爆発させた無一郎は、
我を忘れて丸太、杙、大鋏、大岩などあらゆる道具を使って鬼を地面に磔にして攻撃し続け、
最終的に夜明けまで鬼を拘束した事により日光で消滅させる。
体力を極限まで消耗した無一郎は重くなった体に鞭打ち、なんとか血塗れの兄のいる家へと這いずって辿り着くも、
致命傷を負った有一郎はもはや手遅れであった。
しかし、そこで無一郎は虫の息のまま自分を嫌っていると思っていた兄が今際の際に朦朧としたまま、
自分の身よりも弟の無事を神仏に祈り続けているのを聞く。

「神…様… 仏…様… どうか…どうか…弟だけは…助けてください…」

「弟は…俺と…違う…心の優しい……子です…
 人の…役に…立ちたいと…いうのを…俺が…邪魔した…」

「悪いのは…俺だけ…です…バチを当てるなら…俺だけに…してください……」

有一郎はどれだけ善良に生きていたって神様も仏様も結局両親を守らなかったので、
両親にそっくりな無一郎まで失ってしまう事に恐怖し、例え当人に嫌われようとも自分が弟を守らねばと必死だったのである。

事件後、兄弟の家を訪れたあまねが発見したのは、死んだ兄に蛆が湧き腐っていく様を自分の体も蛆にたかられながら死の淵で見続けた無一郎であった。
無一郎はあまねに救出され何とか一命を取り留めるが、心身ともに深いショックを受けた事で記憶喪失となったばかりか、
新しく記憶を蓄積する事も困難な後遺症を患ったのである。
しかし、それでも鬼への煮え滾る様な怒りは失われる事なく、その感情を動力源に彼は鬼殺隊へ入隊したのであった。

新しい刀に無一郎は鉄穴森に「ありがとう」と感謝の言葉を伝え、鉄井戸には心配かけたなと心の中で謝罪し本来の優しい一面を見せる。
新品の刀に取り換えて、改めて玉壺と対峙する無一郎の身体には、まるで炭治郎のような痣が出現しており、
手負いでありながら本気を出した玉壺を全く寄せ付けずに単身で打ち倒した。
また、残る半天狗と炭治郎の戦いでは、刀を失った炭治郎(半天狗が日輪刀が刺さったまま逃げた)に、
鋼鐵塚の研いでいた日輪刀をパスして炭治郎の勝利をアシストした
(炭治郎も間に合わせの代用品の日輪刀を使用していた&無一郎はその事を知っていたため、刀の破損を危惧して届けに来たのだと思われる)。

+ 戦闘能力
「全集中 霞の呼吸」の使い手。
高速移動で敵を翻弄し、正確無比な足捌きと斬撃で的確に相手を攻撃する。
また、無一郎が編み出したオリジナルの型に、動きに大幅な緩急をつけ敵を攪乱する歩行術を組み込んだ「漆ノ型 朧(おぼろ)」という技がある。
サイズが合っていない少々ダボついている制服を着ているが、これは手の長さや向き、膝の位置などを分かりづらくする事で、
これらの戦闘スタイルと合わせて、間合いや次の動作を悟られにくくさせる意図がある。

柱内では腕相撲ランキングでは7位、俊足ランキングでは8位と身体能力は下位だが、
まだ発展途上かつ柱の中ではキャリアが浅いためと思われる。
むしろまだ伸びしろがあるという事であり、劇中でも鍛錬は怠っていなかった。

また、刀鍛冶の里編では戦いの最中に炭治郎に似た「痣」を身体に発現させて、
身体能力を一時的に大幅に上昇させたが…?
+ 「痣者」ネタバレ
産屋敷あまね曰く、鬼舞辻無惨を後一歩の所まで追い詰めた「始まりの呼吸の剣士」には痣が発現していたと口伝が残っており
さらに痣の者が一人現れると、共鳴するように周りの者達にも痣が現れるともされていた。
ただし、始まりの呼吸の剣士以降は炭治郎に発現するまでは柱達ですら誰も発現しておらず(それ故に苦しんだ剣士もいた)、
最初に痣を持って生まれた剣士が日の呼吸の使い手であった事も考えると、
痣の発現を可能にするのは「日の呼吸の剣士」で、それ以外の呼吸の使い手の痣の発現にも、
最初の呼び水として日の呼吸の剣士が必要である模様。

無一郎が体感した痣が発現した状況は「心拍数が二百を超える」「体温が三十九度以上になる」という、
一般人なら危険なコンディションであるが、これが痣を発現させる条件であり、
痣が発現した者は身体能力が飛躍的に上がり戦闘能力が飛躍的に増す。
しかし「痣の力」は「寿命の前借り」であるらしく、あまね曰く痣者は例外なく二十五歳を待たずに死ぬようで、
長らく鬼殺隊でこの情報が失伝していたのもこの代償により隊士達が激減して鬼殺隊が一時壊滅の危機に瀕したためらしい。


「仲間の為に命をかけたこと後悔なんてしない」


MUGENにおける時透無一郎

Hacker93氏製作の『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが2体公開中。

+ Renan氏&Sebastião氏製作
  • Renan氏&Sebastião氏製作
Sebastião氏製作の黒死牟に似た溜めキャラで、突進系の溜め技を複数持つ他、
高い機動力と当身技も備え、ヒット&アウェイを行いやすい性能をしている。
超必殺技「漆ノ型 朧」では一定時間無敵で攻撃を受けるとオートで安全圏に離脱する。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から
+ mysh_2002氏製作
  • mysh_2002氏製作
アニメ放送後に製作されたキャラでボイスのボリュームも増えている他、
主に突進技をメインにした近接戦に秀でた性能をしている。
超必殺技「漆ノ型 朧」はシングル戦・ダブル戦で性能や演出が変化する。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

出場大会

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最終更新:2025年07月20日 16:57